JPH052751B2 - - Google Patents

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JPH052751B2
JPH052751B2 JP3765788A JP3765788A JPH052751B2 JP H052751 B2 JPH052751 B2 JP H052751B2 JP 3765788 A JP3765788 A JP 3765788A JP 3765788 A JP3765788 A JP 3765788A JP H052751 B2 JPH052751 B2 JP H052751B2
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JP
Japan
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film
aluminum alloy
treatment
achromatic
coloring
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Shozo Yamamoto
Yutaka Oota
Takanobu Noguchi
Tomoo Motoe
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Yoshida Kogyo KK
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D11/00Electrolytic coating by surface reaction, i.e. forming conversion layers
    • C25D11/02Anodisation
    • C25D11/04Anodisation of aluminium or alloys based thereon

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Electrochemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、アルミニウム合金の不透明無彩色皮
膜の形成方法に関し、さらに詳しくは、短時間に
生産性よく、耐食性等の被膜性能に優れた無彩色
系の着色皮膜を形成する方法に関する。
〔従来の技術〕
一般にアルミニウム合金は加工性、耐食性等が
優れていることからサツシやカーテンウオール
等、建材として広く利用されており、通常シルバ
ー系、ブロンズ系、ゴールド系の着色皮膜が形成
されている。しかし、近年、建築業界でのニーズ
の多様化により、不透明色(パステル調)、特に
不透明灰色系のアルミニウム形材への要望が強ま
つている。
アルミニウム合金表面に不透明灰色系の着色皮
膜を形成する方法としては、従来、前処理法、電
解着色法、電流回復法、合金法、時効処理を伴う
方法などが知られている。
前処理法としては、例えば、特公昭49−24330
号公報に記載されているように、アルミニウム形
材をCl-イオン含有液中にて腐食させ、表面を粗
面化し、その後陽極酸化処理によりアルミニウム
形材の表面を灰色に着色する方法が知られてい
る。しかし、このような腐食法の場合、陽極酸化
処理後に皮膜上部に凹凸成分が残り、これにより
灰色に見えるため、粉吹き状になり、その後の塗
膜密着性が悪くなるという欠点がある。
一方、電解着色法としては、例えば特開昭61−
143593号公報には、陽極酸化皮膜生成後、Ni塩
及びZn塩中にて2次電解着色を行ない、灰色に
する方法が記載されている。しかし、この方法で
は、Znを着色物質として使用するため、耐候性
が極端に悪くなり、また付廻り性も悪いという難
点があり、さらにはエツチング槽にこの亜鉛が入
ると荒れの原因にもなる。
電流回復法は、例えば特開昭50−148247号公報
に記載されているように、陽極酸化皮膜生成後、
その印加電圧よりも低い電圧で電流回復処理を行
ない、グレー発色させる方法である。しかし、こ
の方法の場合、グレーの着色酸化皮膜とするため
には、電流回復処理に30分以上を必要として、そ
のため、弱酸性の電解液中での浸漬時間が長いた
め皮膜性能が悪くなるという問題があり、また電
解濃度を上げたり、温度を上げたり、あるいは波
形をコントロールしたりすることにより発色時間
を短縮しようとすると、有彩色になり、無彩色の
灰黒色が得られ難いという問題がある。
また、合金法としては、例えば特開昭51−
99610号公報に、Si1〜5%、Mg0.3〜0.9%を含
有するアルミニウム合金ビレツトを480〜550℃の
温度にて均質化処理し、それを380〜480℃の温度
で予熱して押出し、その後T−5(焼もどし)処
理した後、陽極酸化処理し、淡灰色の発色皮膜を
生成する方法が記載されている。しかし、このよ
うな方法の場合、Si含量が多いため押出スピード
が遅くなり、作業性が悪いと共に、形状の複雑な
形材では発色物質であるSiの含有量が押出温度、
押出スピードにより押出材の先端部と後端部とで
違うため、均一な発色となり難いという難点があ
る。
さらに、時効処理を伴なう方法としては、例え
ば特公昭57−23759号公報に、6063系アルミニウ
ム合金を押出し、冷却後Mg2Si析出相を過時効状
態にしてβ′中間相となるように焼戻処理し、その
後苛性エツチング処理及び酸浸漬処理の前所後に
陽極酸化することによりグレー発色皮膜を生成す
る方法が記載され、また、特公昭54−32615号公
報には、Mg、Siを主成分とするアルミニウム合
金を過時効ぎみに焼戻し処理した後、硫酸を主体
とした電解液中にて陽極酸化処理し、その後その
印加電圧より低い電圧にて処理することにより、
グレー発色皮膜を生成する方法が記載されてい
る。しかし、このような方法の場合、アルミニウ
ム合金形材を過時効にさせるため、強度的に劣
り、また熱エネルギー消費量の増大にもなり、し
かも生産性も悪いという難点がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
前記したように、アルミニウム合金表面に不透
明無彩色系の着色皮膜を形成させる方法としては
種々の方法が知らてれいるが、いずれも一長一短
を有する。
ところで、アルミニウム合金を陽極酸化してい
る際に電圧を急激に低電圧に切替えるか、あるい
は一旦通電を停止して電圧を零に下げてから陽極
酸化処理の印加電圧よりも低い電圧を印加する
と、電流は初期に殆ど流れないが、次第に流れ始
め、やがて定常状態に達する。これは電流回復現
象と呼ばれ、この現象を利用することによつてほ
ぼ無色透明の陽極酸化皮膜を透明無彩色系に着色
できることはよく知られている。
前記した特開昭50−148247号公報、特公昭54−
32615号公報に記載の方法などは、この回復現象
を利用した方法である。
この電流回復法による着色酸化皮膜の形成方法
は、陽極酸化処理に用いた単一の電解液で行なえ
るなど種々の利点を有するが、前記従来技術の説
明でも述べたように、無彩色系の特に灰黒色の着
色酸化皮膜とするためには、電流回復処理に30分
以上の長時間を要するという基本的な問題があ
る。そのため、弱酸性の電解液中での浸漬時間が
長くなり、その結果、耐食性等の面で皮膜性能が
悪くなるという欠点を有する。一方、電解液の濃
度や温度を上げたり、波形をコントロールしたり
することにより発色時間を短縮しようとすると、
有彩色になつてしまい無彩色系の着色皮膜が得ら
れ難いという問題がある。
このような電流回復法の問題を解決すべく、前
記特公昭54−32615号公報に記載の方法では、押
出加工したアルミニウム合金を過時効ぎみに焼戻
し処理したものに陽極酸化処理及び電流回復によ
る発色処理を適用しようとするものである。しか
し、この場合、前記したように過時効処理のため
に強度的に劣ることは否めず、また熱エネルギー
消費量の増大につながり、生産性も悪いという新
たな問題が派生する。
従つて、本発明の目的は、このような問題を解
決し、強度及び耐食性、耐魔耗性等の皮膜性能に
有れた無彩色系灰黒色の着色酸化皮膜を短時間に
生産性よく形成できる方法を提供することにあ
る。
本発明の他の目的は、上記目的と関連して、塗
膜の密着性能、塗膜性能に優れた無彩色系灰黒色
の複合皮膜をアルミニウム合金表面に形成できる
方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明によれば、前記第1の目的を達成するた
め (A) 押出成型後のアルミニウム合金表面に機械的
操作を加えて応力歪を起こさせ、 (B) 次いで、該アルミニウム合金に時効処理を施
し、 (C) しかる後、前記アルミニウム合金を陽極に接
続して直流電解することにより陽極酸化皮膜を
形成し、 (D) 続いて上記陽極酸化処理の印加電圧より低い
電圧にて直流電解することにより電流回復現象
を生じさせ、無彩色系の着色酸化皮膜を形成す
る ことを特徴とするアルミニウム合金の不透明無彩
色系皮膜の形成方法が提供される。
さらに本発明によれば、前記第2の目的を達成
するため、上記方法により着色酸化皮膜を形成し
た後、さらに(E)電着塗装後、焼付することを特徴
とするアルミニウム合金の不透明無彩色系複合被
膜の形成方法が提供される。
〔発明の作用及び態様〕
本発明の方法は、時効処理前の表面調整と電流
回復現象とを組合わせ利用することによつて前記
目的を達成するものである。
以下、その作用について詳しく説明する。
一般に6063S合金など、Mg、Siを主要添加元
素とするアルミニウム合金では、強度を上げるた
めに、押出加工後、時効処理を行なつているが、
その際、アルミニウム合金中に固溶している
Mg2SiをGP()とβ′中間相が共存している析出
相にすることが再も強度を増大させるためには良
いとされている。
しかしながら、その後電流回復法による皮膜発
色工程では、Mg2SiがGP()とβ′中間相が共存
している状態では、前述したように、発色にかな
りの時間を要し、しかも弱酸性液中での滞在時間
が長くなるため着色酸化皮膜の性能も悪くなり、
また仕上り外観、付廻り等も悪くなる。
逆に、時効処理時間を長く、あるいは時効温度
を高くしてβ′中間相を多くした場合は、短い時間
で発色させることができるが、GP()相がなく
なるために、強度的にはかなり弱く、建材等には
使用できない。また、熱エネルギー的にも大変な
無駄となる。
本発明の方法は、時効処理前に機械的操作によ
る加工硬化を起こさせる表面調整を行なうことに
よつて、上記2つのポイントを同時に満足させる
ものであり、該表面調整工程により応力歪を起こ
した表面は、その後の時効処理により、応力歪を
起こしていない箇所に比べてMg2Siの析出形態
(析出スピード)に差を生じさせる。
すなわち、本発明の方法では、押出加工後時効
処理前に、前記表面調整工程においてアルミニウ
ム合金形材表面部に応力歪を起こさせ、転位状態
を作る。尚、この応力歪を起こさせる力はせいぜ
い0.5〜10Kg/cm3程度のものであるから、応力歪
は形材表層部のみに止まり、形材内深部迄には至
らない。その後、通常の時効処理を施すことによ
り、表面調整工程において応力歪による転位を起
こした表層部のみが、昇温によるMg2Siの析出形
態の移行が早く、通常の時効処理においてもβ′中
間相にまで変化し、その結果、その後の電流回復
法による皮膜発色工程において発色に要する時間
がかなり短くなる。一方、応力歪を起こしていな
い形材内深部では、応力歪が及んでいないため、
Mg2Siの析出形態は当然通常通りであり、従つて
時効処理においても強度を最も増大させるGP
()+β′中間相が共存している析出相のままであ
る。その結果、強度は通常の時効処理を施したも
のと同等であり、建材等に使用しても何ら問題は
ない。
この様にして処理した結果、電流回復による発
色法に比べて極めて短時間の発色工程で、しかも
付廻性よく、強度、耐薬品性等の性能においても
極めて優れた無彩色系灰黒色の着色皮膜を得るこ
とが可能となつた。また、アルミニウム合金表層
部には、電導性が良好なβ′中間相が多く存在して
いるため、電気が通り易く、従つて発色工程にお
いて発色ムラが少なく、また陽極酸化皮膜自体の
発色であつて2次電解着色等のような異種金属に
よる発色ではないため、異常腐食の問題もない。
さらに、エツチング処理が可能で皮膜表面に均一
なすべり性を付与でき、従つてその後電着塗装を
行なつた場合に、塗膜の均一性が良いと共に、皮
膜表面のなめらかな凹凸により塗膜の密着性も優
れたものとなる。
なお、後述する比較例からも明らかなように、
単に前記のような表面調整を行なうだけで電流回
復による発色工程を行なわない場合には、表面が
梨地状になるだけで無彩色系の灰黒色の皮膜は得
られない。一方、表面調整工程及び電流回復によ
る発色工程の両方を行なつた場合でも、表面調整
を時効処理の後に行なつた場合には本発明の効果
は得られない。すなわち、本発明の方法による前
記したような作用効果は、時効処理前の表面調
整、時効処理及び電流回復による発色処理の組合
せによつてのみ初めて奏される特有のものであ
る。
以下、本発明の方法の各工程について説明す
る。
(A) 表面調整処理 まず、常法に従つて押出成型したアルミニウ
ム合金に、機械的操作による表面調整を施す。
この表面調整は、押出後時効処理(T−5処
理)前に、形材表面に部分的に又は全体的に圧
力等を加えることにより、その表層部のみに応
力歪(転位、格子ひずみ)を起こさせることを
目的とし、従つて食刻など化学的処理は含まな
い。
この表面調整の手法としては、ガラス粒、
砂、鉄粉、アルミナ粒子等の砥粒を吹き付ける
ブラスト法、水等の液体を高圧にて噴射する高
圧噴射法、ブラシ等によりアルミニウム合金表
面を傷付けるブラシ法、エンボス版ロールを使
用するローラー法、型プレスにより圧刻するプ
レス法等の各種機械的手段がある。
この表面調整は、押出後冷却された常温の押
出形材に施してもよいし、押出直後の比較的高
温状態の押出形材に施してもよい。例えば、作
業性の向上を狙い、押出直後のアルミニウム合
金に、その押出金型と同形状で一定間隔のクリ
アランスのある金型もしくは金枠(治具)に多
数の高圧噴射の噴射溝(穴)を設け、水又は研
磨材等を噴射しながら連続的に表面調整した
り、あるいは上記高圧噴射に代えて、押出金型
後に配設した金型もしくは金枠内部に、例えば
金属もしくはセラミツクの爪状の治具を配設
し、これによつて一定圧力で形材表面をこする
方法も採用できる。
例えば、シヨツトブラスト法(砥粒Al2O3
により表面調整を行なつた場合の砥粒投射圧力
と発色度との関係を第2図に示す。ここでいう
発色度とは(以下同じ)、発色の度合を意味し
ており、発色の濃淡をL*(JIS規格)で表現し
ている。発色度は数値L*が大きい程淡く、数
値L*が小さい程濃いことを示している。同図
から、投射圧力2.0〜5.0Kg/cm2でほぼ一定の発
色度が得られることがわかり、このことにより
製品の発色ムラの生じるのを回避する対策の一
助にすることができ、またこの程度の応力によ
る歪は形材上層部のみに止まり、その後酸化皮
膜生成後においても、このような歪あるいは傷
による性能抵下は全く認められない程度のもの
である。
(B) 時効処理(T−5処理) 上記表面調整を行なつたアルミニウム形材
に、次に常法に従つて時効処理を施す。これに
より、上記表面調整にて応力歪を起こした所
が、Mg2Siの析出相がβ′中間相になる。一方、
形材内深部は表面調整の影響が及ばないため、
通常のGP()とβ′中間相が共存する状態にな
つている。
時効処理について説明すると、例えばアルミ
ニウム合金A−6063S材の場合、時効硬化温度
と時間との合金の硬度に及ぼす影響は第1図に
示すとおりである。すなわち、いずれの温度に
おいてもある時間経過後に硬度は最大値とな
り、この段階の時効硬化を完全時効硬化と定義
する。本発明においても、この時効処理におい
て完全時効硬化に至る程度まで処理することが
好ましい。
第1図から明らかなような、処理温度が高け
れば完全時効に至るまでの処理時間が短く、処
理温度が低ければ処理時間も長い。また、アル
ミニウム合金の材質や処理温度によつては、一
旦完全時効の硬度に達した後、処理時間が長く
なると硬度が低下する傾向にあるので、アルミ
ニウム合金の材質に応じて最適条件を設定すれ
ばよい。
時効処理の条件としては、アルミニウム合金
の材質によつても相違するが、一般に130〜250
℃の温度条件で1〜30時間行なうとよい。130
℃未満では希望する硬度に達する迄に時間がか
かり過ぎるため、生産性が悪く、一方、250℃
を越えると均一なる時効硬化ができないので好
ましくない。また、1時間未満では同様に均一
なる時効硬化ができず、一方、30時間を越える
と時間がかかり過ぎるため、生産性が悪くな
る。
(C) 陽極酸化処理 前記各工程を経たアルミニウム合金を、通常
の方法により脱脂、水洗、必要に応じてスマツ
ト除去等の処理を施した後、常法に従つて、前
記アルミニウム合金を陽極に接続して直流電解
することにより陽極酸化皮膜を形成する。
すなわち、周知の無機酸及び/又は有機酸の
電解液、例えば、硫酸、クロム酸、リン酸等、
あるいはこれらの混酸、シユウ酸、マロン酸等
あるいはこれらのまたは無機酸との混酸などを
含有する電解液中で、直流もしくはこれに類似
の電流波形を使用して、前記アルミニウム合金
を陽極酸化処理する。陽極酸化処理の印加電
圧、印加時間等は常法通りで充分であるが、通
常、処理液の種類によるものが、5〜100Vの
範囲で行なう。5V未満では希望する皮膜厚を
得るのに長時間必要であり、生産性が悪く、一
方、100Vを越えると皮膜厚のバラツキが大き
く、また高電圧での処理のためのエネルギー的
にも無駄が大きいので望ましくない。
(D) 電流回復法による皮膜発色処理 上記陽極酸化処理後、その印加電圧より低い
電圧にて、アルミニウム合金を陽極として直流
通電し、電流回復させる。この電流回復の条件
は、処理液の種類にもよるが、陽極酸化処理の
印加電圧よりも低い0.5〜80.0Vの範囲で1〜
100分、好ましくは1.0〜50.0Vの範囲で1〜50
分行なう。0.5V未満では発色に長時間を要し、
生産性、皮膜性能が悪くなるので好ましくな
く、一方、80Vを越えると発色ムラを生ずるの
で好ましくない。また同様に、1分未満では発
色ムラを生じ、一方、100分を越えると発色時
間が長過ぎるため生産性、皮膜性能が悪くなる
ので好ましくない。
尚、電流回復処理液は、陽極酸化処理液と同
一でも、異なつていてもよい。異なる場合に
は、電流回復処理液としては例えば、シユウ
酸、リン酸、マロン酸等を用いるのが望まし
く、また液の電導度に応じて陽極酸化処理電圧
よりも高い電圧を印加する場合もある。同じ処
理液を用いる場合には、陽極酸化処理電流密度
をやや上げ、短時間で陽極酸化皮膜を生成し、
残り時間内にその処理槽にて発色処理の一部を
行ない、その後、本来の皮膜発色工程で発色度
の調整をすればなお良い。また、電流回復は、
陽極酸化処理の印加電圧を低電圧に切り替える
か、一旦通電を停止して電圧を零に下げてから
印加するか、いずれの方法も採用できる。ま
た、電流回復現象は一回出現させるだけでもよ
いが、定常状態に達した後にその印加電圧より
も高いが陽極酸化処理の印加電圧よりも低い電
圧に短時間内に上げ、再度印加電圧を下げる操
作を複数回行なつて、着色度を高めるようにす
ることもできる。
この電流回復法による皮膜発色処理において
は、前記表面調整処理及び時効処理による効果
によりMg2Siがβ′中間相となつているので、表
面調整を行なわない場合に比べて、発色に要す
る時間が大巾に短かくて済み、その効果種々の
効果が得られる。また、付廻り等もかなり均一
になるため、発色度のコントロールが大変し易
くなる。この発色工程において、一つの形材で
表面調整した所とそうでない所とでの発色度の
比較は第3図に示すとおりであり、前記表面調
整処理により発色度が大巾に改善されることが
わかる。
(E) 電着塗装 前記各工程により着色酸化皮膜が得られる
が、その後必要に応じて、封孔、半封孔等の処
理を施し、周知の方法に従つて電着塗装、焼付
処理される。
前記電流回復による発色法は、多孔質皮膜底
部に存在するバリヤー層の構造を微細な枝分れ
構造することにより、これに当たる光の屈折に
よつて無彩色灰黒色を呈するものであるが、そ
の表面に電着塗膜を付加することにより、光の
屈折がさらに複雑になり、結果的にはアルミニ
ウムの透明感をなくした塗りつぶし感の強い無
彩色系不透明灰黒色(パステル調)を得ること
ができる。また、酸化皮膜表面の凹凸により塗
膜の密着性も向上し、耐食性、耐候性等性能の
優れた塗膜が得られる。
なお、前記電流回復法による発色工程後、必
要に応じて無機金属塩を含む電解液中で電解着
色を行なうこともでき、この電解着色工程との
組合せによりパステル調の不透明ブロンズ系、
ゴールド系灰色に着色することが可能となる。
また、素材としては、本発明の方法では純ア
ルミニウムは除かれ、Mg、Siを主要添加元素
とするアルミニウム合金、例えばJIS6063S合
金が好適に用いられ、また合金成分を変化さ
せ、Mg2Siの析出がより多くなるようにSi含有
量を多くすれば、さらに大きな効果が得られ
る。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明の方法によれば、機械的
操作による表面調整、時効処理及び電流回復法に
よる発色処理の相互作用により、通常の電流回復
による発色法に比べて極めて短時間に、しかも付
廻性よく、無彩色系灰黒色の着色皮膜を得ること
ができる。その結果、例えばこれまでの陽極酸化
処理の時間内に、陽極酸化処理+皮膜発色処理を
処理でき、形材の部分あるいは全体など任意に無
彩色系不透明灰色に発色させることができる。し
かも、処理時間が短いため耐食性、耐薬品性に優
れ、また発色ムラが少なく、また強度も良好であ
り、そのまま外装材として使用することができ
る。その他、処理が比較的簡単であり、縦吊り、
横吊り、形材形状の規制も必要ないなどの利点が
ある。
また、請求項2に記載のように、発色工程後に
電着塗装を行なうことにより、密着性、均一性に
優れ、しかも皮膜性能の優れた塗りつぶし感の強
い無彩色不透明灰黒色の電着塗膜が得られる。
〔実施例〕
以下、実施例を示して本発明について具体的に
説明する。
実施例 1 アルミニウム合金6063Sを押出機にて常法によ
り熱間押出した後、表面調整工程としてシヨツト
ブラスト(砥粒Al2O3、3Kg/cm2)にて表面全体
をわずかに粗面化した。
その後、常法通り190℃で4時間時効処理を行
なつた後、希硫酸(15W/v%)液中にて直流
16.7V(電流密度1.3A/dm2)で30分間通電して
陽極酸化処理し、11μmの陽極酸化皮膜を生成し
た。次いで発色工程として、同液中にて該アルミ
ニウム合金を陽極としたまま電圧を6Vにおとし
て電流で15分間通電したところ、無彩色系の灰黒
色の皮膜となつた。
その後、常法により沸騰水封孔をした後、キヤ
ス耐食性(JISH−8681)を調べたところ、48時
間でRN10であり、また砂落し摩耗試験(JISH
−8682)を行なつたところ80秒/μmであり、性
能上問題はなかつた。
また、上記実施例1において、シヨツトブラス
トの際に砥粒投射圧力を種々変えてその発色度へ
の影響を調べた。その結果を第2図に示す。同図
から、砥粒投射圧力を適切に選定することによ
り、製品の発色ムラの発生を回避することができ
る。
さらに、発色工程において、1つの形材で表面
調整した所とそうでない所との発色度を調査し
た。その結果を第3図に示す。同図から、形材に
表面調整したり、表面調整しなかつたり、あるい
は発色処理時間を適宜選定することにより、好み
の発色度の製品を得ることができる。
実施例 2 実施例1において、生成した灰黒色皮膜を沸騰
水封孔の代わりに72℃で5分間半封孔する以外は
全く同様に処理し、その後電着塗装(塗料品名:
エレクロン3700N−関西ペイント(株)製)を130V
で3分行なつた後、170℃で40分間焼付処理をし
た。
その結果、実施例1とは異なり、かなり塗りつ
ぶし感のある不透明無彩色系の灰黒色の皮膜とな
つた。尚、このサンプルについて耐アルカリ性
(0.5%NaOH)を試験したたころ(JISH−
8602)、72時間でRN10であり、性能上問題はな
かつた。
比較例 1 実施例1において、表面調整を行なわなかつた
以外は実施例1と全く同じ処理をしたところ、陽
極酸化皮膜に全く発色は見られなかつた。
また、発色工程として、アルミニウム合金を陽
極として直流6Vにて50分間通電したところ、実
施例1と同程度の無彩色系の灰黒色の皮膜となつ
たが、その後キヤス耐食性を調べたところ48時間
でRN9.0であり、また砂落し摩耗試験でも55秒/
μmであり、実施例1で得られたものに比べて明
らかに性能が劣つていた。
比較例 2 実施例2において、表面調整を行なわなかつた
以外は実施例2と全く同じ処理をしたところ、陽
極酸化皮膜に全く発色は見られなかつた。
また、発色工程として、アルミニウム合金を陽
極として直流6Vにて50分間通電したところ、実
施例2と同程度の無彩色系の灰黒色の皮膜となつ
たが、その後の耐アルカリ性試験では72時間で
RN9.0であり、実施例2で得られたものに比べて
明らかに性能が劣つていた。
比較例 3 実施例1において、発色工程を行なわなかつた
以外は実施例1と全く同じ処理をしたところ、表
面が梨地状になるだけで、無彩色系の灰黒色とは
程遠いものであつた。
比較例 4 実施例1において、表面調整工程を時効処理後
にした以外は実施例1と全く同じ処理をしたとこ
ろ、表面が梨地状になるだけで、無釈色系の灰黒
色とは程遠いものであつた。
【図面の簡単な説明】
第1図はアルミニウム合金(A−6063S)の硬
度に及ぼす時効処理温度と処理時間の影響を示す
グラフ、第2図はシヨツトブラスト法の砥粒投射
圧力と発色度との関係を示すグラフ、第3図は表
面調整の発色度に及ぼす影響を示すグラフであ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (A) 押出成型後のアルミニウム合金表面に機
    械的操作を加えて応力歪を起こさせ、 (B) 次いで、該アルミニウム合金に時効処理を施
    し、 (C) しかる後、前記アルミニウム合金を陽極に接
    続して直流電解することにより陽極酸化皮膜を
    形成し、 (D) 続いて上記陽極酸化処理の印加電圧より低い
    電圧にて直流電解することにより電流回復現象
    を生じさせ、無彩色系の着色酸化皮膜を形成す
    る ことを特徴とするアルミニウム合金の不透明無彩
    色系皮膜の形成方法。 2 請求項1に記載のアルミニウム合金の不透明
    無彩色皮膜の形成方法により無彩色系の着色酸化
    膜を形成した後、さらに(E)電着塗装後、焼付する
    ことを特徴とするアルミニウム合金の不透明無彩
    色系複合皮膜の形成方法。
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