JPH05271879A - 高強度ばね部材 - Google Patents
高強度ばね部材Info
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Abstract
と耐磨耗性をもち、肉厚が薄くても動作可能な、また繰
り返し動作や変形に対する耐久性の高い低コストのばね
部材の提供を目的とする。 【構成】 Fe、または、FeとCrおよびZnから
選ばれた元素を10〜90重量%含有し残部が実質的にCu
からなる合金で構成されてなることを特徴とする高強度
ばね部材、および40重量%までのNiを含むFe−Ni
合金、または、このFe−Ni合金とCrおよびZnか
ら選ばれた元素を10〜90重量%含有し残部が実質的にC
uからなる合金で構成され、該合金中の平均的な転位密
度が102 dl/cm2 以上であることを特徴とする高強度ば
ね部材。
Description
ー、皿ばね、座金類、ジグザクばね、スナップリング、
うずまきばね、コイルばね、輪ばね、モーターのブラ
シ、スライドスイッチ等に代表される一般ばねや、コン
セント、コンセントプラグ、ピンプラグソケット、コー
ドプラグ、遮断器を含むスイッチ一般、機器用接続端子
に代表される導電コネクタ等として用いられる高強度ば
ね部材に関するものである。
属系ばねと非金属系ばねとに大別され、金属系ばねは、
さらに鋼ばねと非鉄金属ばねに分類される。
る重ね板ばね、コイルばね、トーションバー等の大型ば
ね材料として用いられれており、炭素鋼をはじめSi
鋼、Mn鋼、Si−Mn鋼、Si−Cr鋼、Mn−Cr
鋼、Cr−V鋼等がある。
は複雑な形状のものも多くなってプレス打ち抜きやエッ
チング等の必要性もでてきており、また、装飾性をもっ
た板ばね等も試作されるようになって、従来の鋼ばねで
は適応できない分野も出てきている。特に、導電性を必
要とする用途や、マイクロマシンのような特殊な用途に
用いるばねには、現用のばね材では限界がある。また、
測定器などには、Fe−Ni合金や、Co基のばねが使
われているが、いずれも高価であるという問題がある。
n合金)、洋白(Cu−Ni合金)、ベリリウム銅、チ
タン合金等が用いられている。これらのばね材は、主に
機器用として利用され、導電率が高い銅を含有すること
から、電気信号を伝達するばねとして用いられる。この
ようなばねとしては、電気信号を伝達する複数の導電体
にそれぞれジャックとソケットを導電的に装着し、ジャ
ックをソケットに挿入することにより電気的および機械
的な接続を行うようにした導電コネクタが汎用されてお
り、最近では半導体装置のリードフレームを直接ソケッ
トに挿入して電気的および機械的な接続を行うようにし
た導電コネクタも多用されている。
も30〜80%程度と良好であり、また、これらの合金表面
には、ソケッティングの際の磨耗を避け、耐蝕性を向上
させるために、Niメッキ、Crメッキ、Auメッキ、
AgメッキあるいはSnメッキを施すことも行われてい
る。
械的強度は高いものの時期割れを起こして粒界より破断
が生じて接続不良を起こすという問題があり、ベリリウ
ム銅やチタン銅には高価であるという問題がある。
は、黄銅の時期割れを防ぐために有効であるが、メッキ
の厚さが薄い場合にはやはり時期割れ等の不良が発生す
る。
材は、強度が不十分で肉厚を厚くしなければならないと
いう問題がある。
小型化が進み、肉厚の薄いものが要求されるようになっ
てきたため、導電率と強度を兼ね備えたCu−Fe合金
の使用が検討されており、リードフレームについてはこ
のCu−Fe合金を使用したものが提案されている。
機械的強度とを兼備しているが、リードフレームの場合
には、ガルウィング等の曲げ加工が多く、スプリングバ
ックが大きいと所定の形状に加工できない不都合が生じ
るため、これを導電コネクタの、特にばね性が要求され
るめす側には適用できないという問題がある。また、ソ
ケッティングの際の耐磨耗性も改良されていないのが現
状である。
状況を考慮してなされたものであり、ばね性と耐磨耗性
に優れ、肉厚が薄く、線径が小さくとも十分な強度を有
する高強度ばね部材を提供することを目的としている。
め、第1の高強度ばね部材は、Fe、または、FeとC
rおよびZnから選ばれた元素を10〜90重量%含有し残
部が実質的にCuからなる合金で構成されてなることを
特徴としており、第2の高強度ばね部材は、40重量%ま
でのNiを含むFe−Ni合金、または、このFe−N
i合金とCrおよびZnから選ばれた元素を10〜90重量
%含有し残部が実質的にCuからなる合金で構成され、
該合金中の平均的な転位密度が102 dl/cm2 以上である
ことを特徴としている。
たはFeとCrおよびZnから選ばれた元素を10〜90重
量%の範囲としたのは、10%未満では機械的強度が低下
してしまい、90重量%を越えるとCu相が少なくなって
装飾性、加工性、エッチング性が低下してしまうためで
ある。
させる成分であり、その添加量はFeとの合計量に対し
10〜20重量%の範囲が適当である。特に、磁性をもつこ
とが不都合なコネクタの場合には、Cu相、Fe相の 2
相に分離したFe層中のCrの濃度を70重量%以上に調
整すると効果的である。
添加する成分である。その添加量がCuとの合計量に対
し70重量%を越えると脆くなるので、70重量%未満とす
ることが望ましく、特に、Cuとの合計量に対して 0.1
〜60重量%の範囲とすることがより好ましい。
e相の熱膨張係数制御や耐蝕性を向上させる成分であ
り、その添加量はFeとの合計量に対して40重量%まで
とする。Niの添加量を、Feとの合計量の40重量%ま
でとしたのは、40重量%を越えるとコストが高くなり、
エッチング性や装飾性等が損なわれ、導電率も低くなっ
てしまうためである。Niの添加量は、好ましくはFe
との合計量に対して0.05〜40重量%である。
添加理由および成分範囲を限定した理由も第1の高強度
ばね部材における理由と同様である。
平均的な転位密度を102 dl/cm2 以上としたのは、これ
より小さいと金属内が焼きなまされた状態で強度が出な
いためである。
2 dl/cm2 以上、望ましくは104 dl/cm2 以上とする。
が高い方がよい。これは、Cu相の転位密度が低いと、
Cu相の強度がFe相に比べてさらに低くなるためであ
る。転位の集中によりCu相の強度を上げることが望ま
しく、特にCu相の転位密度はFe相の転位密度の 2倍
以上であることが望ましい。
の高強度ばね部材に限らず、第1の高強度ばね部材にお
いても上記の範囲であることが望ましい。
Fe相とCu相の転位を含んだ組織写真をとり、以下に
説明する、Hamの方法により転位の数を調べればよ
い。
鏡(TEM)により直接観察するために、まず、試料片
をエッチングによって薄片化する。これをTEMで観察
し、転位が容易に観察できる数万倍の写真を、例えば10
枚近く撮影する。この写真に全長Lのいくつかの任意の
線を引き、この線が転位線と交わる数をNとしたとき、
転位密度(単位はdislocation line/cm2 )ρは、次の
式により求められる。
レベルでもよいが、やや強度を要求する場合には105 dl
/cm2 以上が望ましい。105 dl/cm2 未満ではやや柔ら
かくなり、Fe、あるいは一部をCrやNiで置換した
Feの含有量を60重量%以上にしなければならなくな
る。一方、高強度ばね一般の場合には、平均転位密度は
107 dl/cm2 以上が好適である。尚、上述の方法では、
1013dl/cm2 程度まで測定可能であるが、それ以上であ
っても良い。
板材の熱処理温度と時間、圧延率によって行う。特に、
105 dl/cm2 以上にするには、冷却速度を 200℃/秒と
し、107 dl/cm2 以上にするには冷却速度を 400℃/秒
以上とする。
途によって次のように適宜調整して用いることが好まし
い。
トプラグ、ピンプラグ、ソケット、コードプラグ、ブレ
ーカー、しゃ断器等 これらは導電性が特に要求される用途であり、表面には
めっき等の表面処理が施されることもある。
uベースであり、Cuあるいはその一部を50重量%まで
Znで置換した成分を、50〜90重量%の範囲とすること
が好ましい。これらの成分が50重量%未満になると導電
率が低くなり過ぎるので好ましくない。残りの成分は、
Fe、またはFeとCr、またはFeとCrとNiにな
るが、Niを添加する場合には、Feとの合計量に対し
て10重量%以下とすることが好ましい。Niの添加量が
10重量%を越えると合金中のCu相中にNiが多く固溶
して導電率を低下させるので好ましくない。Crの添加
量については特別な制限はないが、耐食性を考慮すると
Feとの合計量に対して20重量%以下とすることが好ま
しい。なお、後述する強度改善成分を添加する場合に
は、合計で基材の総量の 5重量%以下、好ましくは0.1
〜 2重量%の範囲とすることが好ましい。
ー、皿ばね、座金類、ジグザクばね、スナップリング、
うずまきばね、コイルばね、輪ばね、モーターのブラ
シ、スライドスイッチ等 これらは機械的強度と高弾性率が要求される用途であ
り、表面には、硬化処理層が設けられることもある。
はその一部をNi、Crの少なくとも1種で35重量%ま
で置換したものを、60〜90重量%範囲とすることが好ま
しい。これらの成分が60重量%未満では、強度と弾性率
が低くなるので好ましくない。残りの成分は、Cu、ま
たはCuの一部をZnで置換したものとになる。
合には、合計で基材の総量の15重量%以下、好ましくは
0.1 〜 5重量%の範囲とすることが好ましい。特に、コ
ストを低く抑える必要のある板ばねやトーションバー等
として用いる場合には、Fe、またはFeの一部をN
i、Crで置換したものの含有量を、75〜90重量%とす
ることが望ましい。また、Ni、Crを添加する場合に
は、NiはFeとの合計量の10重量%以下、CrはFe
との合計量の20重量%以下とすることが、コストを抑え
る上で好ましい。
用いる場合には、Fe、Ni、Crの合計量に対してN
iを30〜40重量%、Crを10重量%以下に調整すること
が好ましい。この範囲外では熱膨脹係数や弾性率が大き
く変化するようになる。
材、第2の高強度ばね部材とも、その強度を改善するた
めに、V、Al、Si、W、Mo、Ta、Nb、Ti、
Mn、Zr、P、C、Coの 1種以上を 5重量%以下、
望ましくは0.01〜 3重量%添加することができる。これ
らの添加元素は、高強度ばね部材の強度をより一層向上
させ、かつ、Fe相とCu相の分散をよくする作用をす
る。添加量が 5重量%を越えると、加工がしにくくなる
ため好ましくない。
耐磨耗性に大きく影響を与える成分であって、0.01〜 3
重量%の範囲で添加することができる。0.01重量%未満
ではFe相の硬化の効果が現れず、 3重量%を越えると
相手材をかじってしまうようになる。特に、0.1 〜 2重
量%程度の添加量の範囲では、Fe3 Cが形成されて硬
化の効果が顕著になり、また球状黒鉛を生成させるので
摺動特性も改善され好都合である。
は、圧延材、棒材を圧延して薄板とし、その圧延方向ま
たは引き抜き方向に部品をとるようにすることが望まし
い。圧延材を利用した板状のばね部材の場合には、特に
面内方向に引き抜きするように材料を組み立てることが
望ましい。
常、上記の合金成分を溶解した溶湯を用いて溶湯急冷法
により薄板状に成形される。
により溶湯に流し込み、 100℃/秒以上の冷却速度で急
冷し、その後、 500〜 900℃で時効処理を行い、内部に
発生した応力を解放する。双ロールと時効処理により作
製された数mm厚の板をそのまま使用する場合は、ロール
より引き出した板材を引き抜き方向に引っ張り、素材内
部のFe相とCu相を圧延方向に長く成長させることが
望ましい。圧延直角方向のFe相あるいはCu相の結晶
粒径の小さい方をa、圧延方向の結晶粒径をbとしたと
きのb/a(アスペクト比)は 2以上、より望ましくは
4以上とする。このようにアスペクト比の範囲を選定す
るのは、圧延方向のばね性を保つためで、b/aが 2よ
り小さいと弾性変形領域が応力−歪曲線上で少なくな
り、繰り返し動作により変形してしまうからである。ア
スペクト比を大きくするには、冷却速度を下げか、圧延
率を50%以上に高くすればよい。なお、アスペクト比の
上限は、30までとすることが望ましい。これは、異方性
を低く抑えるためである。
であることが望ましい。 100μm を越えるとFe相とC
u相が均一に分散せず、偏析が起きるようになる。結晶
粒の大きさは、望ましくは50μm 以下がよい。
度改善成分を添加し、金属組織中に、微細な炭化物、窒
化物、酸化物等を作らせるようにすればよい。
理温度を 500〜 750℃程度にすることが好ましい。
を、さらに圧延する場合には、冷間圧延と焼鈍を繰り返
して厚みを薄くしていくが、最終圧延は50%以上の圧延
率をもつ強加工とすることが望ましい。これは、Fe相
あるいはCu相の結晶方位を(100) あるいは(110) に比
較的優先させるためである。(100) や(110) に優先方位
をもっていると、プレス加工やエッチング特性がよくな
る利点がある。この結晶方位は、X線回析法により簡単
に調べることができる。すなわち、X線回折パターンに
おける(200) 、(220) 、(111) 、(110) 、(211) の面方
位に対応するピークの強度をI(200) 、I(220) 、I(1
11) 、I(110) 、I(211) とすると、{I(200) +I(2
20) +I(110) }/{I(111) +I(211) }が0.5 より
も大きいことが望ましい。(200) 、(220) 、(110) 面の
回折線が強いことは(100) 、(110) に優先方位をもつこ
とを示している。
は、材料に圧延率50%以上の強加工を加えた後、再結晶
温度以上の焼鈍しを行い、最後に20%以下の調質圧延を
行うことが望ましい。
元素の調整、結晶粒の形状、圧延率、結晶方位等のパル
クとして調整する他に表面処理を行うことが望ましい。
に、表面のFe、Cuの組成を変化させる方法(図1は
Feの表面濃度を高くしたものである)と、図2に示す
ように、メッキにより表面を保護する方法の 2通りがあ
る。
るいはCuの表面濃度を内部のそれより高くする。この
方法は選択的にエッチングして耐磨耗性のよいFe相
(CrはFe相に優先的に固溶するため実質的にはCr
添加の場合Fe−Cr相となる)1をCu相2よりも相
対的に表面で高めることにより実現できる。表面の濃度
は内部と比較して50%以上増加させることが望ましい。
Cu相は、有機系のアンモニア水中にディップすること
によりエッチング除去することができる。エッチングに
より表面に凹凸ができた場合はスキンパスにより、図3
に示すように表面を滑らかにすることができる。
e相を選択的にエッチングしたり、金属表面にCuスト
ライクメッキを行う必要がある。一般のメッキは 0.1μ
m 以上、ストライクメッキは 0.1μm 以下がよい。さら
に、一般のメッキのメッキ厚は望ましくは、0.3 〜10μ
m とする。メッキの場合エッチングによる表面の凹凸は
問題のない限り残しておいてもよい。これはアンカー効
果があるためである。図4に示すように、Fe相のエッ
チングはHF/H2 O2 にディップしたり、NaOHや
NH4 OH液中で電解研磨することにより行うことがで
きるが、HCl処理が最も簡単である。HCl処理の場
合、 1〜36規定のものを温度で使用してもよいが、反応
を促進させるため80℃まで熱してもよい。ディツプする
時間は10分以内がよい。
のメッキは通常の電気メッキで行うことができる。ま
た、Ni−P、Ni−Bの無電解メッキで表面処理する
ことも可能であり、はんだディップにより表面にはんだ
がけをするのもよい。いずれにしろ表面層のCu濃度が
60%以上あるとメッキが容易である。
る組織がよいが、鋳造組織が残っている場合は、板厚方
向にエッチングするのに好都合である。
化物、炭化物、窒化物等の析出物4が分散しているとば
ね性も、より一層向上する。これらの析出物4が、主と
してCu相とFe相の界面に濃縮すると各相の結合を助
ける作用をするが、Fe相、Cu相内に存在してもよ
い。析出物をつくる元素は、V、Al、Si、W、M
o、Ta、Nb、Ti、Zr等であり、そのサイズは
0.3μm 以下が望ましい。これ以上のサイズになるとや
や脆くなる傾向がでてくる。
して耐蝕性を向上させたりするのもよい。酸化膜5は、
水蒸気、空気、炭酸ガスあるいはこれらを混合した雰囲
気中で 300〜1000℃、望ましくは 500〜 800℃で熱処理
することにより形成させることができる。酸化膜5しと
ては、α−Fe2 O3 よりも、Cux Fe3-x O4 の化
学式をもつスピネル型の構造をもつ酸化膜の方がボイド
も少なく望ましい。スピネル型の構造をもつ酸化膜をつ
くるためには、酸素の含有量を25%以下に抑えることが
望ましい。Cr、Ni、その他前述した添加元素を加え
た場合には、Mx Cuy Fe3-x-y O4 の膜がよい(M
は添加元素を示す)。酸化膜厚は0.01μm 〜10μm 程度
が剥離しにくいので好ましい。
その厚さは酸化膜の厚さ全体の20%以下にすることが望
ましい。これより厚いと緻密でないガサガサの膜とな
る。また、FeOが内部にあっても酸化膜の厚さ全体の
20%以下であればかまわない。添加元素のCr、Niは
酸化膜と金属界面に濃化させると密着性を向上させる効
果がある。Cr、Niを酸化膜と金属界面に濃化させる
には、露点を10℃以上にした雰囲気で酸化させるとよ
い。
でFe相のみをエッチングしてCuを露出させついで酸
化させることにより達成される。また、低温で酸化した
い場合にも同様の方法をとる。熱放散や耐食性等の目的
の場合にはCu相をエッチングしてから酸化をするのが
よい。
硬化処理層6を形成して耐磨耗性を向上させることもで
きる。硬化処理法としては、窒化処理や炭化処理、硫化
処理等の硬化処理が用いられる。この場合、窒化物や炭
化物、硫化物をつくりやすいCr、V、Mo、Ta、T
i、W、Zr等を素材のFe相に固溶させておくと硬化
処理層6を容易に形成することができる。なお、前述し
た前処理により表層にFe相の濃縮させておいてから窒
化あるいは炭化をするとより効果的である。炭化、窒化
は従来より行われている公知の方法を用いることができ
る。これらの硬化層の厚みは 0.1μm 〜 100μm 程度が
望ましい。
は、メッキをしてもしなくても可能である。また、溶接
によって本発明のばね部材を他の部材に接続しても、以
上説明した性質は損なわれることがない。
備し、しかも低コストで提供することができる。
1の成分を溶解して溶湯炉に溶湯を保持し、タンデッシ
ュを介して双ロールに溶湯を流し込み、 100℃/秒以上
(実施例3,6,15は特に800 〜2000℃/秒の高速で
冷却)のスピードで冷却し、その後、 500〜 900℃で時
効処理を行った後、実施例3,10を除いて圧延率50%
以上の圧延を行って厚さ1mm のCu−Fe系合金板を
得、その一部について表1に示すように、酸化処理(水
蒸気と炭酸ガスの混合ガス雰囲気)と表面硬化処理(0.1
〜30μm 厚) およびメッキ処理を施した。
たばね部材の実験結果(アスペクト比、結晶方位、硬
さ、導電率およびばね性・耐磨耗性等)を合金の化学組
成とともに表示1に示す。なお、一部の部材はプレスあ
るいはエッチングによる加工を行っている。
%以上有するもの 添加元素量は、経時された元素のそれぞれの%表示 転位密度は平均転位密度。平均を出しにくい場合はCu
相とFe相を別々に表示、 ばね性の評価は、弾性率が
15000kgf/mm2 以上のものを良好とし、それ以下のもの
を不良とした。また、耐磨耗性はスクラッチテストで5N
以上のものを良好とし、それ以下のものを不良とした。
(Cu−Fe合金)の場合は、すべて硬さ170HV 以上の
良好な強度(硬さ)をもち、ばね性および耐磨耗性も良
好な特性を示した。これに対して比較例(Cu−Zn合
金を使用)の場合は、これらの特性(硬さ、ばね性およ
び耐磨耗性)は不十分なものであった。
0HV 以上を達成でき、肉厚の薄い小型のものが可能とな
り、ばね性や耐磨耗性に優れ、そのため何回動作させて
も殆ど変形を起こさない。したがって、家庭用、工業用
コンセント(雌)、同コンセント(雄)、プリント基板
の接続用ソケットやピン、オーディオ、ビデオ関連のピ
ンプラグやジャック、コード先端のプラグ、電気機器、
通信器等の機器用接続端子に代表される導電コネクタは
もとより、スイッチング機能をもったブレーカー、遮断
器等の導電コネクタにも利用できるばかりでなく、板ば
ね、トーションバー、皿ばね、座金類、ジグザクばね、
スナップリング、うずまきばね、コイルばね、輪ばね
等、ばね部材一般に利用できる。また、モーターのブラ
シ、スライドスイッチ等の耐磨耗性が大きく要求される
分野にも利用可能である。
部分の金属組織を模式的に示す断面図。
された部分の金属組織を模式的に示す断面図。
滑らかにされた部分の金属組織を模式的に示す断面図。
部分の金属組織を模式的に示す断面図。
いることを模式的に示す断面図。
ていることを模式的に示す断面図。
ることを模式的に示す断面図。
Claims (2)
- 【請求項1】 Fe、または、FeとCrおよびZnか
ら選ばれた元素を10〜90重量%含有し残部が実質的にC
uからなる合金で構成されてなることを特徴とする高強
度ばね部材。 - 【請求項2】40重量%までのNiを含むFe−Ni合
金、または、このFe−Ni合金とCrおよびZnから
選ばれた元素を10〜90重量%含有し残部が実質的にCu
からなる合金で構成され、該合金中の平均的な転位密度
が102 dl/cm2以上であることを特徴とする高強度ばね
部材。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP01407093A JP3612081B2 (ja) | 1992-01-31 | 1993-01-29 | 導電コネクタ及び高強度ばね |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4-16913 | 1992-01-31 | ||
JP1691392 | 1992-01-31 | ||
JP01407093A JP3612081B2 (ja) | 1992-01-31 | 1993-01-29 | 導電コネクタ及び高強度ばね |
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---|---|
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ID=34196296
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---|---|---|---|
JP01407093A Expired - Fee Related JP3612081B2 (ja) | 1992-01-31 | 1993-01-29 | 導電コネクタ及び高強度ばね |
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---|---|
JP (1) | JP3612081B2 (ja) |
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