JPH05271116A - 有機化合物の接触転化方法 - Google Patents

有機化合物の接触転化方法

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JPH05271116A
JPH05271116A JP4352415A JP35241592A JPH05271116A JP H05271116 A JPH05271116 A JP H05271116A JP 4352415 A JP4352415 A JP 4352415A JP 35241592 A JP35241592 A JP 35241592A JP H05271116 A JPH05271116 A JP H05271116A
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恭司 涌嶋
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正彦 澤
Junichi Kanai
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 触媒が水蒸気と接触することがある種々の有
機化合物の接触転化方法に、反応時や触媒再生時等に高
温下で水蒸気に接しても活性低下の少ないガロアルミノ
シリケートを触媒若しくは触媒成分として用いて、少な
くとも触媒の水蒸気との接触による活性及び機能低下を
十分に抑制してプロセス効率を著しく向上させた有機化
合物の転化方法を提供する。 【構成】 触媒が水蒸気に接触する工程を含む有機化合
物の接触転化方法において、触媒として、SiO2
(Al23+Ga23)比(モル比)が20〜200で
あり、SiO2/Ga23比(モル比)が50以上であ
り、かつイオン交換によりH型とした場合に、1H−N
MRによるSiOHの強度ISiOHと酸性OHの強度IH+
の比(ISiOH/IH+)が0〜0.5であるMFI型ガロ
アルミノシリケートを含有する触媒を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機化合物の接触転化
方法に関し、より詳しく言うと、触媒反応時、触媒再生
時等のいずれかの工程で触媒が水蒸気雰囲気下に曝され
るタイプの種々の有機化合物変換プロセスを水蒸気に接
しても活性低下の少ないガロアルミノシリケート系触媒
を用いて効率よく実施し、種々の有用な有機化合物を有
利に製造するための方法である有機化合物の接触転化方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】ゼオライト触媒は、種々の有機化合物の
接触転化反応に活性を示すことから、工業上極めて重要
な触媒である。ゼオライトには、その構造及び組成によ
って種々のものがあり、これらは触媒若しくは触媒成分
として、多様な有機化合物変換プロセスに広く用いられ
ている。これら種々の構造及び組成のゼオライトの中で
も、最近、ガロアルミノシリケートが、パラフィンやオ
レフィンの芳香族化反応等の各種の炭化水素の接触転化
反応に対して優れた触媒活性を示すことから特に注目さ
れている。
【0003】しかし、ガロアルミノシリケート系触媒の
場合も、一般のゼオライト系触媒と同様に、該芳香族化
反応等の高温下での炭化水素の転化反応の際には触媒上
にコークが析出するので、このため触媒活性が低下す
る。この触媒活性の低下は、一般に、炭素数の大きい炭
化水素を原料とする場合ほど著しく、また、パラフィン
よりもオレフィンの場合の方がコークを生成しやすく活
性低下がより著しくなるという傾向を示す。実際、ガロ
アルミノシリケート触媒上で炭化水素の芳香族化反応の
場合、プロパンやブタンという極く低級のパラフィンを
原料として用いる場合には触媒活性の低下はさほど著し
くはないが、より高級パラフィンやオレフィン類を含有
する炭化水素を原料として用いると活性低下は著しくな
り、通常、100時間以上高活性を持続させることは極
めて困難である。
【0004】そこで、こうした芳香族化反応等のコーク
の析出によって活性低下を起こしやすい反応の場合に
は、高温下でコークを燃焼させるという触媒再生を頻繁
に行うことが必要となる。その際、触媒は再生毎にコー
クの燃焼によって生じる水蒸気に高温下で曝されること
になるので、もし、触媒の耐水熱性が不十分であると再
生毎に触媒の活性が大きく低下してしまい、その結果、
触媒の繰り返し使用寿命が著しく短くなるというプロセ
ス上の重大な問題点を生じる。したがって、上記の芳香
族化反応のように触媒再生時に触媒が高温下で水蒸気と
接触する有機化合物の接触転化方法においては、触媒機
能に優れているだけでなく、耐水熱性にも十分に優れた
ガロアルミノシリケートを使用することが強く要望され
ている。
【0005】ところで、ガロアルミノシリケート触媒を
用いる芳香族化反応については、従来、各種の技術が提
案されている。例えば、特表昭60−501357号公
報には、ある種のガロアルミノシリケートをスチーム処
理(スチーミング)することによってその芳香族化活性
が増大することが記載されている。しかしながら、該公
報には、長時間スチーム処理する場合の活性の変化(す
なわち、触媒再生時や繰り返し再生の際に要求されるよ
うな高温下かつ長時間の水蒸気処理によっても触媒活性
が十分に保持されるのかどうかという点)についての記
載は見られないし、また、ガロアルミノシリケートの調
製法(合成法)による耐水熱性の差異(すなわち、耐水
熱性に優れたガロアルミノシリケートを得るにはどのよ
うな合成法によればよいのかという点)についても触れ
ていない。
【0006】また、特開平1−103916号公報に
は、700〜1000℃で焼成することによって変性し
たガロアルミノシリケートを用いることによって、各種
の炭化水素原料から芳香族炭化水素が高収率で得られる
ことが記載されている。しかし、この場合には、ガロア
ルミノシリケートを水蒸気に接触させた際の活性の変化
については何等記載されていない。
【0007】すなわち、これらの従来技術は、ガロアル
ミノシリケートが炭化水素の芳香族化反応に対して高活
性な触媒となるという点については評価することができ
るものの、どのような製法及び組成のガロアルミノシリ
ケートが高い耐水熱性を有し、触媒再生やその繰り返し
に十分に耐えるかという点については不明であるので、
触媒の再生、特に、反応と再生を頻繁に繰り返すプロセ
スと言う点においては実用的でない。
【0008】したがって、どのような製法及び組成のガ
ロアルミノシリケートが十分な触媒活性を有し、しか
も、触媒再生やその繰り返しに十分に耐えるような高い
耐水熱性を有するかを明かにすることが重要な課題とな
っている。
【0009】なお、このような耐水熱性の向上は、ガロ
アルミノシリケートに限らず、他のゼオライトについて
も重要な課題になっている。
【0010】例えば、ガス油の接触分解において、7オ
ングストロームよりも大きい孔径を有するゼオライト
(FCC触媒)にMFI型ゼオライトの一種であるZS
M−5を添加した触媒を用いると、これを添加しない場
合と比べて、得られるガソリンのオクタン価と収率が共
に改善された結果が得られることが示されている(特開
昭47−8074号公報)。しかしながら、該公報に記
載された方法で合成したZSM−5は、耐水熱性に劣
り、触媒再生時にスチーム雰囲気に接する度に活性が著
しく低下し、その添加効果は急激に失われていく。この
ため、上記の接触分解プロセスではZSM−5の添加を
連続的に行う必要があり、多量のZSM−5を必要とす
る。
【0011】また、FCC触媒に大結晶のZSM−5を
添加した場合には、小結晶のZSM−5を添加した場合
に比較してスチーム処理による活性低下が少ないという
結果も報告されている(特開昭60−208395号公
報)。しかしながら、この場合にも、スチーム処理によ
る活性の低下の問題は十分に解決されていない。
【0012】そこで、ZSM−5の耐水熱性を向上させ
るべく種々の検討がなされている。例えば、ZSM−5
にIB族金属(Cu、Ag)、IIB族金属(Zn)や
VIII族金属をイオン交換して導入することによっ
て、その耐水熱性が向上することが主張されている(特
開昭55−51440号公報、同59−117584号
公報)。しかし、その向上効果は十分ではなく、また、
例えば、Ag+ 等の交換したカチオンが還元されるとそ
の効果は失われてしまうという問題もある。
【0013】このように、ゼオライトの耐水熱性を十分
に向上させることは、一般に容易ではなく、ガロアルミ
ノシリケートについても、製法や組成等について十分に
詳細な検討を行ってはじめて十分に耐水熱性に優れたも
のが見出されるものと思われる。
【0014】ここで、もし、耐水熱性に優れたガロアル
ミノシリケートが見出されたならば、そのガロアルミノ
シリケートは、前記した炭化水素の芳香族化反応に対し
てのみならず、上記のZSM−5等の他のゼオライトを
用いる各種の反応に有効に用いることができることも期
待できる。また、触媒再生時に限らず、反応時等に高温
下で水蒸気とも接触を余儀なくされる多種多様な有機化
合物の接触転化方法(例えば、アルコールの脱水反応や
COの水素化反応など反応によって水を生じるような反
応、あるいは、オレフィンの水和反応等の原料に水を使
用する反応、さらには、原料系に水を添加して行う反応
など)に対しても有効に使用することが期待できるので
ある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
を鑑みてなされたものである。
【0016】本発明の目的は、触媒が水蒸気と接触する
ことがある種々の有機化合物の接触転化方法に、反応時
や触媒再生時等に高温下で水蒸気に接しても活性低下の
少ないガロアルミノシリケートを触媒若しくは触媒成分
として用いて、少なくとも触媒の水蒸気との接触による
活性及び機能低下を十分に抑制してプロセス効率を著し
く向上させた有機化合物の転化方法を提供することにあ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、反応時や
触媒再生時等に触媒が水蒸気と接触することがある種々
の有機化合物の接触転化方法について、高温下で水蒸気
に接しても活性低下の少ないガロアルミノシリケートを
触媒若しくは触媒成分として使用することができたなら
ば、そのプロセスの効率を著しく改善することができる
ものと考え、従来のZSM−5等のMFI型ゼオライト
の耐水熱性を改善すべく鋭意研究を行った。その結果、
特定の組成{SiO2/(Al23 +Ga23)比及び
SiO2/Ga23比}及び特性(NMRによるSiO
H/酸性OH比)を有するガロアルミノシリケートがそ
の条件を満足し、種々の水蒸気が触媒と接触するタイプ
の有機化合物の接触転化方法におけるその接触転化反応
の触媒若しくは触媒成分として極めて有効であることを
見出した。
【0018】本発明者らは、こうした知見に基づいて本
発明を完成するに至った。
【0019】すなわち、本発明は、触媒が水蒸気に接触
する工程を含む有機化合物の接触転化方法において、該
触媒として、SiO2/(Al23+Ga23)比(モ
ル比)が20〜200であり、SiO2/Ga23
(モル比)が50以上であり、かつイオン交換によりH
型とした場合に、1H−NMRによるSiOHの強度I
SiO Hと酸性OHの強度IH+の比(ISiOH/IH+)が0〜
0.5であるMFI型ガロアルミノシリケートを含有す
る触媒を用いることを特徴とする有機化合物の接触転化
方法を提供するものである。
【0020】本発明の方法において、有機化合物の転化
反応の触媒又は触媒成分として使用する前記MFI型ガ
ロアルミノシリケートは、単にMFI型であるだけでな
く、SiO2/(Al23+Ga23)比がモル比で2
0〜200、SiO2/Ga23比がモル比で50以上
であり、かつ、該ガロアルミノシリケートをイオン交換
により実質的に完全にH型とした場合に1H−NMRに
よるSiOHの強度IS iOHと酸性OHの強度IH+の比
(ISiOH/IH+)が0〜0.5の範囲にあることが重要
である。
【0021】このような条件を満足するところの前記M
FI型ガロアルミノシリケートは、例えば炭化水素の芳
香族化反応等の各種の有機化合物の接触転化反応に対し
て十分な触媒活性を与えることができる上に、耐水熱性
に優れ、反応時や触媒再生時等において高温下でスチー
ム雰囲気に接しても、その活性低下が十分に小さく、触
媒が水蒸気と接触する工程を含む各種の有機化合物の接
触転化方法における有機化合物の接触転化反応用の触媒
又は触媒成分として極めて有効である。すなわち、水が
生成したり、水を添加して行う反応等のスチーム雰囲気
下での反応においてその活性低下が少なく、触媒活性を
長時間好適に持続することができる。また、スチーム含
有ガスによる再生処理や空気等によるコークの燃焼除去
といった再生処理中に水蒸気が発生する再生処理等の水
蒸気雰囲気による触媒再生を行ってもその触媒活性は低
下しにくく、したがって、そのような再生処理を頻繁に
繰り返しことが要求される有機化合物の接触転化プロセ
スに対しても好適に使用することができる。
【0022】ここで、前記ISiOH/IH+比は、1H−N
MRによる測定を次のようにして行った再に得られるも
のとする。
【0023】すなわち、種々の方法で調製したガロアル
ミノシリケートを、例えば塩酸等の鉱酸あるいはアンモ
ニウム塩で実質的に完全にイオン交換し、これを焼成す
ることによって得られるH型ガロアルミノシリケート
を、400℃で1時間真空排気した後、室温で常法に従
って1H−NMRスペクトルを測定する。その際得られ
るNMRスペクトルにおいて、1.8ppm付近に出現
するシラノール基(SiOH)のOHのピーク強度(ピ
ーク面積)をISiOHとし、一方、4.5ppm付近に出
現する酸性OHのピーク強度(ピーク面積)をIH+と
し、その比ISiOH/IH+を前記ISiOH/IH+と定義する
ものとする。
【0024】なお、前記ISiOH/IH+が0〜0.5の範
囲にあるMFI型ガロアルミノシリケートという意味
は、前記のようにH型とした時に1H−NMR測定によ
るISiO H/IH+比が0〜0.5の範囲にあればよいとい
う意味であり、該ガロアルミノシリケートの使用時にお
けるISiOH/IH+が必ずしもこの範囲になければならな
いという意味ではない。すなわち、本発明においては、
前記MFI型ガロアルミノシリケートは、後述のよう
に、H型としてだけでなく、各種の金属イオン等のイオ
ンで交換したり、各種の成分を担持したり、各種の処理
をしたり、他の成分と混合したり、種々の形態で使用す
ることができるが、このような場合には、もはや前記I
SiOH/IH+の値は必ずしも上記の範囲にあるとは限らな
いことに留意すべきである。
【0025】SiO2/(Al23+Ga23)比が2
0〜200、SiO2/Ga23比が50以上の範囲に
あっても、前記ISiOH/IH+が0.5より大きいMFI
型ガロアルミノシリケートでは、耐水熱性が不十分であ
り、スチームによる活性低下が大きく、また、場合によ
っては活性(若しくは活性の向上効果)自体も小さいこ
とがある。一方、前記ISiOH/IH+が0〜0.5の範囲
にあっても、SiO2/(Al23+Ga23)比が2
0未満又は200より大きかったり、SiO2/Ga2
3比が50未満であったりするものは、同様に、スチー
ムによる活性低下が大きい。中でも、SiO2/(Al2
3+Ga23)比が20未満の低シリカのものは炭素
質の析出が顕著となることもあり、いずれにしても本発
明の目的を達成することができない。
【0026】SiO2/(Al23+Ga23)比の好
ましい範囲は、対象とする反応の種類等の使用目的や反
応条件等の操作条件などによって異なるので一律に定め
ることができないが、触媒活性の点から見ると、通常、
20〜100、更に好ましくは40〜100である。
【0027】また、SiO2/Ga23比の好ましい範
囲は、通常100以上である。SiO2/Ga23比が
この範囲にある場合には、前記MFI型ガロアルミノシ
リケートは、耐水熱性及び触媒活性により一層優れてお
り、例えばパラフィンやオレフィンの芳香族化反応に対
して特に高い活性を示す。SiO2/Ga23比の更に
好ましい範囲は300〜10000である。
【0028】本発明の方法における前記MFI型ガロア
ルミノシリケートは、その結晶構造としてはMFI型の
ものであれば特に制限はなく、例えば、ZSM−5、Z
SM−8、ゼータ1、ゼータ3、Nu−4、Nu−5、
ISI−3、ISI−5、TZ−1、TPZ−1、TS
−1、TSZ等の各種のゼオライトなどを挙げることが
できる。
【0029】本発明の方法において、触媒又は触媒成分
として使用する前記MFI型ガロアルミノシリケート
は、(a)無機化合物のみからなる原料混合物(すなわ
ち、有機化合物を添加していない原料混合物)を用いる
ことにより、あるいは、(b)無機化合物からなる原料
にアルコール類、アミン類及びアミノアルコール類のう
ちの少なくとも1種を添加した原料混合物を用いること
により好適に合成することができる。この(a)の合成
法及び(b)の合成法ともに、SiO2/(Al23
Ga23 )比(モル比)及びSiO2/Ga23比(モ
ル比)が前記特定の範囲になるように考慮して、それぞ
れ、常法に従って行うことができる。
【0030】すなわち、前記(a)法による場合には、
シリカ源成分として例えば、水ガラス、シリカゾル等の
少なくとも1種を用い、アルミナ源成分として例えば、
硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、アルミン酸ナト
リウム、アルミナゾル、水酸化アルミニウム等の少なく
とも1種を用い、ガリア源成分として例えば、硝酸ガリ
ウム、硫酸ガリウム、酸化ガリウム、ガリウムメタル等
の少なくとも1種を用い、必要に応じてさらに適当な無
機添加剤を添加し、適宜組成及びpH等の液性を調整
し、無機化合物のみからなる原料混合物を調製し、該原
料混合物から、適当な温度及び圧力で水熱合成すること
によって所定のMFI型ガロアルミノシリケートを合成
すればよい。
【0031】その際、合成系に適宜、モルデナイト等の
他のゼオライトや予め調製された前記MFI型ガロアル
ミノシリケート等を種結晶として添加して合成する方法
も好適に採用される。
【0032】前記(b)法による場合には、少なくとも
シリカ源成分、アルミナ源成分及びガリア源成分からな
る合成原料系に、アルコール、アミン及びアミノアルコ
ールのうちの少なくとも1種を添加して前記所定のSi
2/(Al23+Ga23)比及びSiO2/Ga23
比のMFI型ガロアルミノシリケートを合成する。ここ
で添加するアルコールとして、各種のものが使用可能で
あるが、中でも通常は、例えば、n−プロピルアルコー
ル等のプロピルアルコール、メタノール、エタノール、
n−ブタノール等のブチルアルコール、アミルアルコー
ルなどの一価の比較的低級なアルコール類、エチレング
リコール、プロピレングリコール、グリセリン等の二価
若しくは多価の比較的低級なアルコール類が好適に使用
される。前記アミンとしては、各種のものが使用可能で
あるが、中でも通常は、例えば、モルフォリン、n−プ
ロピルアミン等のプロピルアミン、ブチルアミン、トリ
プロピルアミン、エチレンジアミン、ピロリジンなどの
比較的低級の1級〜3級のアミン類などが好適に使用さ
れる。前記アミノアルコールとしては、各種のものが使
用可能であるが、中でも通常は、例えば、エタノールア
ミン、ジエタノールアミン、プロパノールアミン、トリ
エタノールアミン等の比較的低級のアミノアルコール類
などが好適に使用される。これらの、アルコール、アミ
ン及びアミノアルコールは、それらのうちの1種単独を
添加してもよいし、2種以上を添加してもよい。また、
前記(b)法による場合は、本発明の目的を阻害しない
範囲で必要に応じて、これら以外の他の有機化合物を添
加して合成してもよい。
【0033】前記(b)法による合成の際にも、合成系
に適宜、モルデナイト等の他のゼオライトや予め調製さ
れた前記MFI型ガロアルミノシリケート等を種結晶と
して添加して合成する方法も用いることもできる。
【0034】前記(a)及び(b)法による合成法にお
いて、シリカ源としては、通常、水ガラス等が特に好適
に使用され、アルミナ源としては、通常、硫酸アルミニ
ウム等が特に好適に使用され、また、ガリア源として
は、通常、硫酸ガリウムや硝酸ガリウム等が特に好適に
使用されるが、必ずしも、これらに限定されるものでは
ない。
【0035】また、前記(a)及び(b)法による合成
の際、合成系に適宜、添加剤として塩化ナトリウム等の
他の塩類を添加することが好ましい。
【0036】なお、従来のMFI型ガロアルミノシリケ
ートは、多くの場合、テトラプロピルアンモニウムブロ
ミド等の4級アンモニウム塩を結晶化剤として転化して
合成されているが、この場合、SiO2 /(Al23
Ga23)比の方は容易に調節できるがISiOH/IH+を
前記特定の範囲に調節することは困難であり、実際、こ
うした従来法では、インターナルSiOH基を多く含有
するガロアルミノシリケートが得られ、その1H−NM
RスペクトルにおけるISiOH強度は大きく、H型として
もISiOH/IH+は0.5より大きい。このような従来型
のガロアルミノシリケートは、耐水熱性が低く、高温で
水蒸気に接すると活性が容易に低下する。これに対し
て、テトラプロピルアンモニウム等の4級アンモニウム
化合物を用いずに、前記のようにメタノール、エタノー
ル、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
i−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、モルフ
ォリン等のアルコール類、アミン類、アミノアルコール
類を用いたり、あるいは、有機化合物を全く用いずに合
成した場合には、前記ISiOH/IH+を低い値まで広い範
囲に容易に制御することができ、このうち、H型とした
際にISiOH/IH+が0〜0.5の範囲にあるMFI型ガ
ロアルミノシリケートは、耐水熱性が高く、高温で水蒸
気が存在する雰囲気で用いても活性の低下が少ないこと
が見出されたのである。
【0037】このような点から、本発明で使用する前記
MFI型ガロアルミノシリケートの合成には上記(a)
及び(b)の合成法が好適に使用されるのである。
【0038】上記(a)又は(b)法によって合成した
MFI型ガロアルミノシリケートは、必要に応じて、例
えば、Pt、Ni、Ga、Zn、Cu、Co、Fe等の
各種の金属若しくは金属化合物、あるいはアンモニウム
イオン等のH+源又はH+源となる成分等の各種の成分を
イオン交換法、含浸法、浸漬法等の各種の担持法によっ
て担持したり、あるいは、こうした各種の元素を含有す
る化合物若しくは組成物と物理的混合法等によって適宜
混合し、組成物として使用することもできる。また、必
要に応じて、上記の方法で合成若しくは調製した2種以
上のMFI型ガロアルミノシリケートを混合したり、ま
た、他のゼオライトと混合して使用することもでき、さ
らには、必要に応じて、アルミナ、シリカ、シリカアル
ミナ、ジルコニア、マグネシア、ボリア、アルミナボリ
ア、チタニア、シリカチタニア、マグネシア、粘土鉱物
等の適当なバインダーを用いて成形して使用してもよ
い。このように適当なバインダーを用いることによって
耐水熱性をさらに改善することもできる。
【0039】前記の方法によって合成したMFI型ガロ
アルミノシリケートは、通常、適当な温度で焼成して用
いることが好ましく、その際700〜1000℃という
高温で焼成することによって、より一層触媒活性を向上
させることができる。この焼成は、前記各種の添加物を
添加したり、各種の金属成分を担持した後に、組成物や
成形物に対して行ってもよいし、あるいは、それ以前に
行ってもよい。また、こうして合成又は調製されたガロ
アルミノシリケートに対して、必要に応じて、酸、アル
カリ、アンモニア、ハロゲン等の各種の非金属化合物な
どの適当な処理剤によって、あるいは、熱処理、スチー
ミング処理などによって適宜処理して使用することもで
きる。
【0040】なお、本発明の方法においては、必要に応
じて、前記(a)によって得たMFI型ガロアルミノシ
リケートと前記(b)法で得たMFI型ガロアルミノシ
リケートを併用することもできる。
【0041】すなわち、前記MFI型ガロアルミノシリ
ケートは、従来のゼオライト触媒同様に、必要に応じ
て、種々の処理を施したり、所望の成分を担持したり、
あるいは他の成分と混合したりして、種々の形態で使用
することができる。
【0042】本発明の方法において使用する前記MFI
型ガロアルミノシリケートは、各種の有機化合物の接触
転化反応の触媒若しくは触媒成分として用いた際に、そ
のMFI型ガロアルミノシリケート特有の優れた触媒活
性若しくは触媒機能を発揮する上に、耐水熱性に優れ、
反応時や触媒再生時等において高温下でスチーム雰囲気
に接しても、活性低下が著しく小さく、その本来の触媒
機能が長期間持続する。したがって、該MFI型ガロア
ルミノシリケートを触媒若しくは触媒成分として用いる
ことによって、触媒が水蒸気に接する工程を含む各種の
有機化合物の接触転化プロセスを、少なくとも従来のM
FI型ゼオライトを用いた場合に比べて、著しく効率よ
く有利に行うことができる。
【0043】すなわち、本発明の方法においては、実施
する有機化合物の接触転化プロセスとしては、触媒が触
媒反応時、触媒再生時等のいずれかの工程で水蒸気と接
触するタイプのプロセスであれば、特に制限はなく、少
なくとも従来のMFI型ゼオライトを触媒又は触媒成分
として用いて行われる各種の反応はもとより種々の反応
を対象とすることができる。ここで、使用する触媒と水
蒸気の接触が反応時に起こる場合だけでなく、たとえ反
応時には触媒と水蒸気の接触が起こらなくても触媒の再
生時や前処理時等の反応時以外に触媒と水蒸気が接触す
る場合も本発明の対象となることに注意すべきである。
【0044】すなわち、本発明においては、例えば、
(1)水が生成したり、水を原料又は添加物として反応
系に添加して行う反応等の反応時に水蒸気と触媒が接触
するタイプのプロセス、(2)必ずしも触媒反応時には
触媒が水蒸気に接触しないでも、触媒再生時に触媒が水
蒸気に接するタイプのプロセスなど、各種のタイプのプ
ロセスが採用可能である。もちろん、反応時及び触媒再
生時共に触媒が水蒸気に接したり、あるいは、触媒が前
処理時に水蒸気と接触するタイプのプロセスを用いるこ
ともできる。
【0045】上記(1)のタイプのプロセスの場合、対
象とする接触反応としては、例えば、アルコールの脱水
反応等の各種の脱水反応、アルコール等の含酸素化合物
からガソリンへの転化反応等の水の副生を伴う各種の反
応、オレフィンの水和反応等の水を反応原料として用い
る反応などを挙げることができる。これらの中でも、特
に、メタノールのガソリンへの転化反応(MTG反
応)、アルコールの脱水反応等のアルコールから水の副
生を伴うガソリンやオレフィンへの転化反応及びオレフ
ィンの水和によるアルコールの合成反応などが好まし
い。
【0046】また、前記(2)のタイプのプロセスの場
合、種々の有機化合物の接触分解、芳香族化、アルキル
化、不均化、重合、異性化等の極めて多様な接触反応を
対象とすることができ、より具体的には、例えば、各種
炭化水素のクラッキング反応、パラフィンやオレフィン
の芳香族化反応、芳香族化合物、パラフィン、オレフィ
ン等の炭化水素のオレフィンによるアルキル化反応、芳
香族化合物やパラフィンやオレフィンの不均化反応、異
性化反応あるいは重合反応などを挙げることができる。
また、この反応は、単純反応に限定されるものではな
く、例えば、石油留分の改質反応等の上記反応等の複合
反応であってもよい。
【0047】炭化水素の芳香族化反応の場合、中でも特
に、炭素数が12以下、好ましくは2〜12の炭化水素
を原料として用いるプロセスが好適に採用される。この
炭化水素としては、オレフィン、パラフィン、ジエン化
合物、ナフテン化合物あるいは、これらのうちの1種又
は2種以上を含有する炭化水素混合物などを適宜使用す
ることができる。
【0048】こうした炭化水素の転化反応等おいては、
一般に、触媒上に炭素及び水素からなる炭素質(コー
ク)が次第に析出し、触媒活性が低下するので、適当な
間隔で触媒の再生を行う。この触媒再生は、通常、スチ
ーム及び/又は酸素を含有するガスによって好適に行わ
れる。ここで、再生ガス中にスチームを含有させない場
合にも、触媒再生時に酸素によるコークの燃焼等により
生じる水蒸気に触媒が接する点に留意すべきである。
【0049】前記(2)のタイプのプロセスを場合、少
なくとも、触媒が水蒸気に接するように触媒再生を行
う。その際の再生条件は、使用する触媒や対象とする反
応、あるいは反応条件、反応時間、プロセスの選定条件
等の他の種々の条件に依存するので一律に規定すること
ができないが、この触媒再生は、通常、次の条件で好適
に行うことができる。
【0050】すなわち、前記触媒再生は、通常、400
〜850℃、好ましくは、500〜650℃の温度範囲
で好適に行うことができる。この再生温度が400℃未
満では、コークの除去を十分に行うことができないこと
があり、一方、再生温度が850℃を超えると、触媒の
シンタリングやゼオライト骨格の分解などを生じること
がある。
【0051】前記触媒再生の際使用する再生ガスの酸素
濃度は、通常、0〜21容量%である。一方、該再生ガ
ス中の水蒸気濃度としては、通常、0〜30容量%、好
ましくは、1〜10容量%の範囲から適宜選定するのが
よい。また、酸素及び水蒸気以外のガス成分としては、
通常、窒素、炭酸ガス等の不活性ガスが好適に使用され
るが、必要に応じて、各種の成分を含有させることもで
きる。
【0052】もちろん、空気又は空気と水蒸気の混合ガ
スは、前記再生ガスとして好適に使用するされる。
【0053】なお、上記の再生条件は、特に前記例示の
各種の炭化水素の転化反応を行う場合に対して特に好適
に採用される。
【0054】また、前記触媒再生は、一般には、任意の
間隔で行うことができるが、通常、150時間以内の反
応時間毎に行う方式が好ましくは採用され、特に、前記
例示の各種の炭化水素の転化反応を行う場合には、この
150時間以内の反応時間毎に前記触媒再生を行うこと
が好ましい。
【0055】本発明において、前記反応及び再生は各種
の型式の装置を用いて種々の操作によって行うことがで
きる。例えば、固定床型式、流動床型式、移動床型式、
スィングタイプリアクター型式、懸濁床型式等による連
続操作又は断続操作で行うことができるし、あるいは、
必要に応じて、回分操作あるいは半回分操作等によって
行ってもよい。これらの中でも、前記(2)のタイプの
プロセスを用いる場合、特に前記例示の各種の炭化水素
の転化反応を行う場合には、反応と再生を連続的に、か
つ、より効果的に行うことができる点から、反応器型式
として、通常、流動床型式、移動床型式又はスィングタ
イプリアクター型のいずれかを用いるプロセスを採用す
ることが好ましい。なお、流動床型式の場合、ライザー
方式を採用してもよい。一方、前記(1)のタイプのプ
ロセスを用いる場合には、反応型式としては特に制限は
なく、所望の各種の反応型式が使用可能である。例え
ば、固定床型式なども好適に採用される。
【0056】
【実施例】以下に、本発明の実施例及びその比較例を示
し、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、これ
らの実施例に限定されるものではない。
【0057】実施例1触媒製造例1 (ガロアルミノシリケートからなる触媒I
の製造) 硫酸アルミニウム(18水塩)370g、硝酸ガリウム
(9水塩)116g、硫酸(濃度97重量%)228g
及び水8000mlを混合し、得られた溶液をA液とし
た。一方、水ガラス(SiO2:29重量%,Na2O:
9.4重量%,水:61.6重量%)5275gと水4
500mlを混合し、得られた溶液をB液とした。
【0058】水3050ml中に上記のA液及びB液を
徐々に滴下し、混合した。この原料混合物にモルデナイ
トの粉末12gを添加した後、50%硫酸を269g添
加してpH9.5に調整し、得られた混合物を内容積2
5リットルのオートクレーブに入れて、回転数300r
pmで攪拌しながら、170℃、自己圧力下にて46時
間反応させた。反応後、反応混合物を室温まで冷却した
後、濾過により固形生成物を回収した。この固形生成物
を1g当たり50mlの水で5回洗浄した。こうして洗
浄、濾過を繰り返した後、回収された固形物を120℃
で6時間乾燥し、次いで、空気中で550℃にて6時間
焼成した。
【0059】次に、上記の焼成物に対して、該焼成物1
g当たり10mlの1N硝酸アンモニウム水溶液を用い
て、80℃にて4時間のイオン交換を2回行った後、純
水で洗浄し、次いで、このイオン交換物を、120℃で
乾燥後、空気中で720℃にて4時間焼成した。
【0060】こうして得られた焼成物は、SiO2/A
23=35.1(モル比)、SiO2/Ga23=1
76(モル比)かつSiO2/(Al23+Ga23
=29.3(モル比)であるH型のMFI型ガロアルミ
ノシリケートであることが確認された。以下、この焼成
物(H型のMFI型ガロアルミノシリケート)をガロア
ルミノシリケートIと呼ぶ。このガロアルミノシリケー
トIについて1H−NMRスペクトルの測定を以下のよ
うにして行った。ガロアルミノシリケートI 0.18
gを400℃で1時間真空排気した後、室温まで放冷
し、スペクトルを測定した。シラノール基(1.8pp
m)と酸性OH基(4.5ppm)によるピークの面積
比ISiOH/IH+は0.39であった。
【0061】上記で得た、ガロアルミノシリケートIを
触媒として用いるべく、該ガロアルミノシリケートIを
圧縮成形し、次いで、粉砕、篩別して粒度が16〜32
メッシュの触媒を得た。この触媒を触媒Iと呼ぶ。
【0062】反応例1(触媒性能の評価) 有機化合物の接触転化方法に対する触媒性能の評価を、
n−ヘキサンの接触分解反応を例として、以下のように
して行った。
【0063】触媒として、上記触媒製造例1で得た触媒
Iを用い、反応温度480℃、反応圧力常圧、ガス空間
速度(WHSV)48hr-1、ヘリウム(キャリアーガ
ス)/n−ヘキサン(原料)比=4(モル比)の反応条
件でn−ヘキサンの接触分解を行った。なお、その際、
触媒を、600℃、常圧で、スチームを2容量%含有す
る空気中(供給ガス流速 GHSV=1600hr-1
でスチーム処理した場合(スチーミング後)と、これを
行わない場合(スチーミング前)について、n−ヘキサ
ンの分解活性の違いを評価した。結果を表1に示す。
【0064】実施例2触媒製造例2 (ガロアルミノシリケートからなる触媒I
Iの製造) 硫酸アルミニウム(18水塩)18.8g、硝酸ガリウ
ム(9水塩)1.4g、硫酸(濃度97重量%)10.
9g及び水250mlを混合し、得られた溶液をA液と
した。一方、水ガラス(SiO2:29.0重量%,N
2O:9.4重量%,水:61.6重量%)211g
と水250mlを混合し、得られた溶液をB液とした。
また、塩化ナトリウム39.5g及び水122mlを混
合し、得られた溶液をC液とした。
【0065】上記C液を攪拌しながら、これに室温で上
記のA液及びB液を徐々に滴下し、混合した。この原料
混合物にモルデナイトの粉末0.5gを添加した後、5
0%硫酸を4.5g添加してpH9.5に調整し、得ら
れた混合物を内容積1リットルのオートクレーブに入れ
て、回転数300rpmで攪拌しながら、170℃、自
己圧力下にて20時間反応させた。反応後、反応混合物
を室温まで冷却した後、濾過により固形生成物を回収し
た。この固形生成物を1g当たり50mlの水で5回洗
浄した。こうして洗浄、濾過を繰り返した後、回収され
た固形物を120℃で6時間乾燥し、次いで、空気中で
550℃にて6時間焼成した。
【0066】次に、上記の焼成物に対して、該焼成物1
g当たり10mlの1N硝酸アンモニウム水溶液を用い
て、80℃にて4時間のイオン交換を2回行った後、純
水で洗浄し、次いで、このイオン交換物を、120℃で
乾燥後、空気中で720℃にて4時間焼成した。
【0067】こうして得られた焼成物は、SiO2/A
23=28.1(モル比)、SiO2/Ga23=6
25(モル比)かつSiO2/(Al23+Ga23
=26.9(モル比)であるH型のMFI型ガロアルミ
ノシリケートであることが確認された。以下、この焼成
物(H型のMFI型ガロアルミノシリケート)をガロア
ルミノシリケートIIと呼ぶ。このガロアルミノシリケ
ートIIのISiOH/IH+を実施例1と同様の方法により
測定したところ、0.30であった。
【0068】上記で得た、ガロアルミノシリケートII
を触媒として用いるべく、該ガロアルミノシリケートI
Iを圧縮成形し、次いで、粉砕、篩別して粒度が16〜
32メッシュの触媒を得た。この触媒を触媒IIと呼
ぶ。
【0069】反応例2(触媒性能の評価) 有機化合物の接触転化方法に対する触媒性能の評価を、
n−ヘキサンの接触分解反応を例として行った。
【0070】このn−ヘキサンの接触分解反応及び触媒
性能の評価は、触媒として、実施例1の触媒製造例1で
得た触媒Iに代えて、上記触媒製造例2で得た触媒II
を用いた以外は実施例1の反応例1に記載の方法と同様
にして行った。結果を表1に示す。
【0071】実施例3触媒製造例3 (ガロアルミノシリケートからなる触媒I
IIの製造) 硫酸アルミニウム(18水塩)9.67g、硝酸ガリウ
ム(9水塩)6.07g、硫酸(濃度97重量%)1
1.7g及び水250mlを混合し、得られた溶液をA
液とした。一方、水ガラス(SiO2:29.0重量
%,Na2O:9.4重量%,水:61.6重量%)2
11gと水250mlを混合し、得られた溶液をB液と
した。また、塩化ナトリウム39.5g及び水122m
lを混合し、得られた溶液をC液とした。
【0072】上記C液を攪拌しながら、これに室温で上
記のA液及びB液を徐々に滴下し、混合した。この原料
混合物にモルデナイトの粉末0.5gを添加した後、5
0%硫酸を5.8g添加してpH9.5に調整し、得ら
れた混合物を内容積1リットルのオートクレーブに入れ
て、回転数300rpmで攪拌しながら、170℃、自
己圧力下にて20時間反応させた。反応後、反応混合物
を室温まで冷却した後、濾過により固形生成物を回収し
た。この固形生成物を1g当たり50mlの水で5回洗
浄した。こうして洗浄、濾過を繰り返した後、回収され
た固形物を120℃で6時間乾燥し、次いで、空気中で
550℃にて6時間焼成した。
【0073】次に、上記の焼成物に対して、該焼成物1
g当たり10mlの1N硝酸アンモニウム水溶液を用い
て、80℃にて4時間のイオン交換を2回行った後、純
水で洗浄し、次いで、このイオン交換物を、120℃で
乾燥後、空気中で720℃にて4時間焼成した。
【0074】こうして得られた焼成物は、SiO2/A
23=50.3(モル比)、SiO2/Ga23=1
18(モル比)かつSiO2/(Al23+Ga23
=35.3(モル比)であるH型のMFI型ガロアルミ
ノシリケートであることが確認された。以下、この焼成
物(H型のMFI型ガロアルミノシリケート)をガロア
ルミノシリケートIIIと呼ぶ。このガロアルミノシリ
ケートIIIのISiOH/IH+を実施例1と同様の方法に
より測定したところ、0.17であった。
【0075】上記で得た、ガロアルミノシリケートII
Iを触媒として用いるべく、該ガロアルミノシリケート
IIIを圧縮成形し、次いで、粉砕、篩別して粒度が1
6〜32メッシュの触媒を得た。この触媒を触媒III
と呼ぶ。
【0076】反応例3(触媒性能の評価) 有機化合物の接触転化方法に対する触媒性能の評価を、
n−ヘキサンの接触分解反応を例として行った。
【0077】このn−ヘキサンの接触分解反応及び触媒
性能の評価は、触媒として、実施例1の触媒製造例1で
得た触媒Iに代えて、上記触媒製造例3で得た触媒II
Iを用いた以外は実施例1の反応例1に記載の方法と同
様にして行った。結果を表1に示す。
【0078】実施例4触媒製造例4 (ガロアルミノシリケートからなる触媒I
Vの製造) 硫酸アルミニウム(18水塩)14.1g、硝酸ガリウ
ム(9水塩)4.64g、硫酸(濃度97重量%)9.
1g及び水320mlを混合し、得られた溶液をA液と
した。一方、水ガラス(SiO2:29.0重量%,N
2O:9.4重量%,水:61.6重量%)211g
と水180mlを混合し、得られた溶液をB液とした。
また、塩化ナトリウム79.0g及び水122mlを混
合し、得られた溶液をC液とした。
【0079】上記C液を攪拌しながら、これに室温で上
記のA液及びB液を同時に徐々に滴下混合し、次いで、
50%の硫酸3.7gを添加しpH9.5に調整し、更
にn−プロピルアルコール6.0gを加えて混合した。
こうして得られた混合物を内容積1リットルのオートク
レーブに入れて、回転数300rpmで攪拌しながら、
170℃、自己圧力下にて20時間反応させた。反応
後、反応混合物を室温まで冷却した後、濾過により固形
生成物を回収した。この固形生成物を1g当たり50m
lの水で5回洗浄した。こうして洗浄、濾過を繰り返し
た後、回収された固形物を120℃で6時間乾燥し、次
いで、空気中で550℃にて6時間焼成した。
【0080】次に、上記の焼成物に対して、該焼成物1
g当たり10mlの1N硝酸アンモニウム水溶液を用い
て、80℃にて4時間のイオン交換を2回行った後、純
水で洗浄し、次いで、このイオン交換物を、120℃で
乾燥後、空気中で720℃にて4時間焼成した。
【0081】こうして得られた焼成物は、SiO2/A
23=32.6(モル比)、SiO2/Ga23 =1
48(モル比)かつSiO2/(Al23+Ga23
=26.7(モル比)であるH型のMFI型ガロアルミ
ノシリケートであることが確認された。以下、この焼成
物(H型のMFI型ガロアルミノシリケート)をガロア
ルミノシリケートIVと呼ぶ。このガロアルミノシリケ
ートIVのISiOH/IH+を実施例1と同様の方法により
測定したところ、0.43であった。
【0082】上記で得た、ガロアルミノシリケートIV
を触媒として用いるべく、該ガロアルミノシリケートI
Vを圧縮成形し、次いで、粉砕、篩別して粒度が16〜
32メッシュの触媒を得た。この触媒を触媒IVと呼
ぶ。
【0083】反応例4(触媒性能の評価) 有機化合物の接触転化方法に対する触媒性能の評価を、
n−ヘキサンの接触分解反応を例として行った。
【0084】このn−ヘキサンの接触分解反応及び触媒
性能の評価は、触媒として、実施例1の触媒製造例1で
得た触媒Iに代えて、上記触媒製造例4で得た触媒IV
を用いた以外は実施例1の反応例1に記載の方法と同様
にして行った。結果を表1に示す。
【0085】実施例5触媒製造例5 (ガロアルミノシリケートからなる触媒V
の製造) 硫酸アルミニウム(18水塩)14.8g、硝酸ガリウ
ム(9水塩)4.64g、硫酸(濃度97重量%)1
7.6g及び水320mlを混合し、得られた溶液をA
液とした。一方、水ガラス(SiO2:29.0重量
%,Na2O:9.4重量%,水:61.6重量%)2
11gと水180mlを混合し、得られた溶液をB液と
した。また、塩化ナトリウム79g及び水122mlを
混合し、得られた溶液をC液とした。
【0086】上記C液を攪拌しながら、これに室温で上
記のA液及びB液を同時に徐々に滴下混合し、次いで、
50%の硫酸4.4gを添加しpH9.5に調整し、更
にモルフォリン8.7gを加えて混合した。こうして得
られた混合物を内容積1リットルのオートクレーブに入
れて、回転数300rpmで攪拌しながら、170℃、
自己圧力下にて20時間反応させた。反応後、反応混合
物を室温まで冷却した後、濾過により固形生成物を回収
した。この固形生成物を1g当たり50mlの水で5回
洗浄した。こうして洗浄、濾過を繰り返した後、回収さ
れた固形物を120℃で6時間乾燥し、次いで、空気中
で550℃にて6時間焼成した。
【0087】次に、上記の焼成物に対して、該焼成物1
g当たり10mlの1N硝酸アンモニウム水溶液を用い
て、80℃にて4時間のイオン交換を2回行った後、純
水で洗浄し、次いで、このイオン交換物を、120℃で
乾燥後、空気中で720℃にて4時間焼成した。
【0088】こうして得られた焼成物は、SiO2/A
23 =32.6(モル比)、SiO2/Ga23=1
48(モル比)かつSiO2/(Al23+Ga23
=26.7(モル比)であるH型のMFI型ガロアルミ
ノシリケートであることが確認された。以下、この焼成
物(H型のMFI型ガロアルミノシリケート)をガロア
ルミノシリケートVと呼ぶ。このガロアルミノシリケー
トVのISiOH/IH+を実施例1と同様の方法により測定
したところ、0.38であった。
【0089】上記で得た、ガロアルミノシリケートVを
触媒として用いるべく、該ガロアルミノシリケートVを
圧縮成形し、次いで、粉砕、篩別して粒度が16〜32
メッシュの触媒を得た。この触媒を触媒Vと呼ぶ。
【0090】反応例5(触媒性能の評価) 有機化合物の接触転化方法に対する触媒性能の評価を、
n−ヘキサンの接触分解反応を例として行った。
【0091】このn−ヘキサンの接触分解反応及び触媒
性能の評価は、触媒として、実施例1の触媒製造例1で
得た触媒Iに代えて、上記触媒製造例5で得た触媒Vを
用いた以外は実施例1の反応例1に記載の方法と同様に
して行った。結果を表1に示す。
【0092】比較例1触媒製造例CR1 (比較例としての触媒CR1の製造) 硫酸アルミニウム(18水塩)82.6g、硝酸ガリウ
ム(8水塩)75g、硫酸(濃度97重量%)163
g、テトラプロピルアンモニウムブロマイド287g及
び水2700mlを混合し、得られた溶液をA液とし
た。一方、水ガラス(SiO2:29.0重量%,Na2
O:9.4重量%,水:61.6重量%)2326gと
水2300mlを混合し、得られた溶液をB液とした。
また、塩化ナトリウム870g及び水1330mlを混
合し、得られた溶液をC液とした。上記C液を攪拌しな
がら、これに室温で上記のA液及びB液を同時に徐々に
滴下混合し、次いで、50%の硫酸8.3gを添加しp
H9.5に調整した。こうして得られた混合物を内容積
25リットルのオートクレーブに入れて、回転数300
rpmで攪拌しながら、170℃、自己圧力下にて20
時間反応させた。反応後、反応混合物を室温まで冷却し
た後、濾過により固形生成物を回収した。この固形生成
物を1g当たり50mlの水で5回洗浄した。こうして
洗浄、濾過を繰り返した後、回収された固形物を120
℃で6時間乾燥し、次いで、空気中で550℃にて6時
間焼成した。
【0093】次に、上記の焼成物に対して、該焼成物1
g当たり10mlの1N硝酸アンモニウム水溶液を用い
て、80℃にて4時間のイオン交換を2回行った後、純
水で洗浄し、次いで、このイオン交換物を、120℃で
乾燥後、空気中で720℃にて4時間焼成した。
【0094】こうして得られた焼成物は、SiO2/A
23=66.7(モル比)、SiO2/Ga23=1
13(モル比)かつSiO2/(Al23+Ga23
=41.9(モル比)であるH型のZSM−5(ガロア
ルミノシリケート)であることが確認された。以下、こ
の焼成物(HZSM型ガロアルミノシリケート)をガロ
アルミノシリケートCR1と呼ぶ。このガロアルミノシ
リケートCR1のISiOH/IH+を実施例1と同様の方法
により測定したところ、2.8であった。
【0095】上記で得た、ガロアルミノシリケートCR
1を触媒として用いるべく、該ガロアルミノシリケート
CR1を圧縮成形し、次いで、粉砕、篩別して粒度が1
6〜32メッシュの触媒を得た。この触媒を触媒CR1
と呼ぶ。
【0096】反応例CR1(触媒性能の評価) 有機化合物の接触転化方法に対する触媒性能の評価を、
n−ヘキサンの接触分解反応を例として行った。
【0097】このn−ヘキサンの接触分解反応及び触媒
性能の評価は、触媒として、実施例1の触媒製造例1で
得た触媒Iに代えて、上記触媒製造例CR1で得た触媒
CR1を用いた以外は実施例1の反応例1に記載の方法
と同様にして行った。結果を表1に示す。
【0098】実施例6反応例6 (触媒性能の評価) 有機化合物の接触転化方法に対する触媒性能の評価を、
n−ヘキサンの芳香族化反応を例として、以下のように
して行った。
【0099】触媒として、上記触媒製造例1で得た触媒
Iを用い、反応原料としてn−ヘキサンを用いて、反応
温度500℃、反応圧力常圧、ガス空間速度(WHS
V)2hr-1の反応条件でn−ヘキサンの芳香族化反応
を行った。なお、その際、触媒を、600℃、常圧で、
スチームを2容量%含有する空気中、GHSV1600
hr-1の条件で120時間スチーム処理した場合(スチ
ーミング後)と、これを行わない場合(スチーミング
前)について、n−ヘキサンの転化率及びBTXの収率
の違いを評価した。結果を表2に示す。
【0100】実施例7反応例7 (触媒性能の評価) 有機化合物の接触転化方法に対する触媒性能の評価を、
n−ヘキサンの芳香族化反応を例として、以下のように
して行った。
【0101】このn−ヘキサンの芳香族化反応及び触媒
性能の評価は、触媒として、実施例1の触媒製造例1で
得た触媒Iに代えて、実施例3の触媒製造例3で得た触
媒IIIを用いた以外は実施例6の反応例6に記載の方
法と同様にして行った。結果を表2に示す。
【0102】実施例8反応例8 (触媒性能の評価) 有機化合物の接触転化方法に対する触媒性能の評価を、
n−ヘキサンの芳香族化反応を例として、以下のように
して行った。
【0103】このn−ヘキサンの芳香族化反応及び触媒
性能の評価は、触媒として、実施例1の触媒製造例1で
得た触媒Iに代えて、実施例4の触媒製造例4で得た触
媒IVを用いた以外は実施例6の反応例6に記載の方法
と同様にして行った。結果を表2に示す。
【0104】実施例9反応例9 (触媒性能の評価) 有機化合物の接触転化方法に対する触媒性能の評価を、
n−ヘキサンの芳香族化反応を例として、以下のように
して行った。
【0105】このn−ヘキサンの芳香族化反応及び触媒
性能の評価は、触媒として、実施例1の触媒製造例1で
得た触媒Iに代えて、実施例5の触媒製造例5で得た触
媒Vを用いた以外は実施例6の反応例6に記載の方法と
同様にして行った。結果を表2に示す。
【0106】実施例10触媒製造例6 (ガロアルミノシリケートからなる触媒V
Iの製造) 硫酸アルミニウム(18水塩)14.8g、硝酸ガリウ
ム(9水塩)4.6g、硫酸(濃度97重量%)9.1
g及び水250mlを混合し、得られた溶液をA液とし
た。一方、水ガラス(SiO2:29.0重量%,Na2
O:9.4重量%,水:61.6重量%)211gと水
250mlを混合し、得られた溶液をB液とした。ま
た、塩化ナトリウム79g及び水122mlを混合し、
得られた溶液をC液とした。
【0107】上記C液を攪拌しながら、これに室温で上
記のA液及びB液を徐々に滴下し、混合した。次いで、
得られた混合物に、50%の硫酸5.9gを添加しpH
9.5に調整し、更に、ジエタノールアミン55gを加
えて混合した。こうして得られた原料混合物を内容積1
リットルのオートクレーブに入れて、回転数300rp
mで攪拌しながら、170℃、自己圧力下にて20時間
反応させた。反応後、反応混合物を室温まで冷却した
後、濾過により固形生成物を回収した。この固形生成物
を1g当たり50mlの水で5回洗浄した。こうして洗
浄、濾過を繰り返した後、回収された固形物を120℃
で6時間乾燥し、次いで、空気中で550℃にて6時間
焼成した。
【0108】次に、上記の焼成物に対して、該焼成物1
g当たり10mlの1N硝酸アンモニウム水溶液を用い
て、80℃にて4時間のイオン交換を2回行った後、純
水で洗浄し、次いで、このイオン交換物を、120℃で
乾燥後、空気中で720℃にて4時間焼成した。
【0109】こうして得られた焼成物は、SiO2/A
23=33.8(モル比)、SiO2/Ga23=1
56(モル比)かつSiO2/(Al23+Ga23
=27.8(モル比)であるH型のMFI型ガロアルミ
ノシリケートであることが確認された。以下、この焼成
物(H型のMFI型ガロアルミノシリケート)をガロア
ルミノシリケートVIと呼ぶ。このガロアルミノシリケ
ートVIのISiOH/IH+を実施例1と同様の方法により
測定したところ、0.41であった。
【0110】上記で得た、ガロアルミノシリケートVI
を触媒として用いるべく、該ガロアルミノシリケートV
Iを圧縮成形し、次いで、粉砕、篩別して粒度が16〜
32メッシュの触媒を得た。この触媒を触媒VIと呼
ぶ。
【0111】反応例10(触媒性能の評価) 有機化合物の接触転化方法に対する触媒性能の評価を、
n−ヘキサンの芳香族化反応を例として、以下のように
して行った。
【0112】このn−ヘキサンの芳香族化反応及び触媒
性能の評価は、触媒として、実施例1の触媒製造例1で
得た触媒Iに代えて、上記の触媒製造例6で得た触媒V
Iを用いた以外は実施例6の反応例6に記載の方法と同
様にして行った。結果を表2に示す。
【0113】比較例2反応例CR2 (触媒性能の評価) 有機化合物の接触転化方法に対する触媒性能の評価を、
n−ヘキサンの芳香族化反応を例として、以下のように
して行った。
【0114】このn−ヘキサンの芳香族化反応及び触媒
性能の評価は、触媒として、実施例1の触媒製造例1で
得た触媒Iに代えて、比較例1の触媒製造例CR1で得
た触媒CR1を用いた以外は実施例6の反応例6に記載
の方法と同様にして行った。結果を表2に示す。
【0115】
【表1】 * K/K0=ln(スチーミング後触媒の未反応率)/
ln(スチーミング前触媒の未反応率)
【0116】
【表2】
【0117】前記の表1からも明らかなように、実施例
1〜5で用いた本発明の方法に係わるMFI型ガロアル
ミノシリケート触媒(触媒I〜V)は、いずれも、比較
例1で用いた従来法のZSM−5型触媒(触媒CR1)
に比べて、耐水熱性の指標となるK/K0値が大きく、
耐水熱性にも著しく優れており、スチーム処理後にも高
いn−ヘキサン分解活性を有していることが分った。
【0118】また、上記の表2からも、実施例6〜10
で用いた本発明に係わるMFI型ガロアルミノシリケー
ト触媒(触媒I、III〜VI)は、いずれも、比較例
2で用いた従来法のZSM−5型触媒(触媒CR1)に
比べて、耐水熱性にも著しく優れており、スチーム処理
後にも高いBTX収率を示すことが分った。
【0119】触媒製造例7〜23 触媒製造例7、8及び18 触媒製造例2と同様な方法で、表3及び5記載の原料を
同表記載の量で用いてMFI型ガロアルミノシリケート
の合成を行った。触媒製造例8で用いたモルデナイト*
は、特開昭62−52121号公報、実施例1に記載の
方法に従い、下記の如くして合成したものである。
【0120】硫酸アルミニウム(18水塩)21.1g
及び水200mlを混合したものをa液とし、コロイダ
ルシリカ(SiO2 30重量%及び水70重量%)2
53gをb液とし、水酸化ナトリウム15.2g、水酸
化カリウム21.3g及び水500mlを混合したもの
をC液とし、ピペラジンエタノール91mlをd液とし
た。
【0121】上記C液中にa液とb液を同時に徐々に滴
下混合した。次いで得られた混合液にd液を加えて均質
になるまで充分に混合し、水性混合物を調製した。この
水性混合物中の各成分の割合は、SiO2/Al23
40(モル比)、OH-/SiO2=0.45(モル比)
(ただし、OH-は添加した無機塩基の量から無機酸の
量を除いたもの。)、ピペラジンエタノール/SiO2
=0.6(モル比)、ナトリウム/SiO2=0.3
(モル比)、カリウム/SiO2=0.3(モル比)で
あった。
【0122】次に、この水性混合物を1リットル容のオ
ートクレーブに移し、攪拌しながら190℃、自己圧力
下にて4日間反応を行なった。その後、反応混合物を冷
却し、得られた生成物を1.5リットルの水で5回洗浄
した。
【0123】続いて、濾過して固形分を分離し、120
℃で15時間乾燥し、大結晶モルデナイトを得た。
【0124】触媒製造例9〜17及び19〜23 触媒製造例4と同様な方法で、表3〜6記載の原料を同
表記載の量で用いてMFI型ガロアルミノシリケートの
合成を行った。ただし、触媒製造例21においては、塩
化ナトリウムを使用しなかった。
【0125】なお、これら触媒製造例において、表3〜
6記載の水の量は、A液、B液及びC液の調製に用いた
水の総量である。得られたMFI型ガロアルミノシリケ
ートの組成及び1H−NMR測定結果を表3及び表4に
示す。
【0126】得られたMFI型ガロアルミノシリケート
を圧縮成形し、次いで、粉砕、篩別して粒度が16〜3
2メッシュの触媒を得た。
【0127】
【表3】
【0128】
【表4】
【0129】
【表5】
【0130】
【表6】
【0131】実施例11〜30 触媒製造例1、3、5、及び7〜23で得た触媒を用
い、反応温度480℃、反応圧力常圧、ガス空間速度
(WHSV)48hr-1、ヘリウム(キャリアーガス)
/n−ヘキサン=4(モル比)の反応条件でn−ヘキサ
ンの接触分解反応を行った。なお、その際、触媒を、6
00℃、常圧で、水蒸気濃度10容量%の空気中(供給
ガス流速 GHSV=1600hr-1、処理時間36時
間でスチーム処理した場合(スチーミング後)と、これ
を行わない場合(スチーミング前)について、n−ヘキ
サンの分解活性の違いを評価した。結果を表7〜9に示
す。
【0132】
【表7】
【0133】
【表8】
【0134】
【表9】 K/K0=ln(スチーミング後触媒の未反応率)/l
n(スチーミング前触媒の未反応率)
【0135】実施例31〜40 触媒として、上記触媒製造例1、3、4、5、7、1
1、12、16、18及び22で得た触媒を用い、反応
原料としてn−ヘキサンを用いて、反応温度500℃、
反応圧力常圧、ガス空間速度(WHSV)2hr-1の反
応条件でn−ヘキサンの芳香族化反応を行った。なお、
その際、触媒を、600℃、常圧で、水蒸気濃度10容
量%の空気中、GHSV=1600hr-1の条件で36
時間スチーム処理して用い、n−ヘキサンからのBTX
の収率を評価した。結果を表10、11に示す。
【0136】
【表10】
【0137】
【表11】
【0138】表10及び11から明らかなように、触媒
製造例7以降のSiO2/Ga23比300以上のガロ
アルミノシリケートはスチーミング処理の後も特に高い
BTX収率を保っており、耐水熱性に極めて優れている
ことがわかる。
【0139】以上の反応例の結果からも分るように、触
媒活性に優れるとともに、耐水熱性にも十分に優れた前
記特定のMFI型ガロアルミノシリケートを触媒(若し
くは触媒成分)として用いることを特徴とする本発明の
方法は、上記の反応に限らず、触媒が水蒸気に接触する
工程を含む多種多様な有機化合物の接触転化方法として
有利に利用することができることは明らかである。
【0140】
【発明の効果】本発明の方法においては、特定の合成法
によって得られ、しかも、特定の構造及び組成を有する
特定のMFI型ガロアルミノシリケートを触媒若しくは
触媒成分として用いているので、触媒が反応時や触媒再
生時等に高温下で水蒸気に接しても活性低下が著しく抑
制されており、触媒本来の優れた触媒機能(活性等)を
長時間持続されることができる。
【0141】したがって、本発明の方法は、触媒が水蒸
気と接触することがある多種多様な有機化合物の接触転
化プロセスに対して、従来のZSM−5ゼオライト系ガ
ロアルミノシリケート等の耐水熱性の低いゼオライト触
媒を用いる方法に比べて、著しく有利に適用することが
でき、その工業的価値は極めて大きい。
フロントページの続き (72)発明者 金井 順一 千葉県袖ケ浦市上泉1280番地 出光興産株 式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒が水蒸気に接触する工程を含む有機
    化合物の接触転化方法において、該触媒として、SiO
    2/(Al23+Ga23)比(モル比)が20〜20
    0であり、SiO2/Ga23比(モル比)が50以上
    であり、かつイオン交換によりH型とした場合に、1
    −NMRによるSiOHの強度ISiOHと酸性OHの強度
    H+の比(ISiOH/IH+)が0〜0.5であるMFI型
    ガロアルミノシリケートを含有する触媒を用いることを
    特徴とする有機化合物の接触転化方法。
  2. 【請求項2】 MFI型ガロアルミノシリケートが、無
    機化合物のみからなる原料混合物を用いて合成したもの
    である請求項1記載の有機化合物の接触転化方法。
  3. 【請求項3】 MFI型ガロアルミノシリケートが、種
    結晶としてゼオライトを添加したものである請求項2記
    載の有機化合物の接触転化方法。
  4. 【請求項4】 MFI型ガロアルミノシリケートが、無
    機化合物に、アルコール類、アミン類及びアミノアルコ
    ール類から選ばれる有機化合物のうち少なくとも1種を
    添加した原料混合物を用いて合成したものである請求項
    1記載の有機化合物の接触転化方法。
  5. 【請求項5】 有機化合物が、メタノール、エタノー
    ル、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルア
    ルコール、エチレングリコール、プロピレングリコー
    ル、グリセリン、プロピルアミン、トリプロピルアミ
    ン、ブチルアミン、エチレンジアミン、ピロリジン、モ
    ルフォリン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
    ン、トリエタノールアミン及びプロパノールアミンから
    なる群から選ばれる少なくとも1種を含むものである請
    求項4記載の有機化合物の接触転化方法。
  6. 【請求項6】 SiO2/(Al23+Ga23)比
    (モル比)が20〜100であり、SiO2/Ga23
    比(モル比)が100以上である請求項1記載の有機化
    合物の接触転化方法。
  7. 【請求項7】 SiO2/(Al23+Ga23)比
    (モル比)が40〜100であり、SiO2/Ga23
    比(モル比)が300〜10000である請求項1記載
    の有機化合物の接触転化方法。
  8. 【請求項8】 有機化合物の接触転化方法が、触媒再生
    時に触媒が水蒸気と接触する形式で有機化合物の接触分
    解、芳香族化、不均化、アルキル化、重合及び異性化の
    うちの少なくとも1種からなる反応を行うプロセスであ
    り、かつ、該触媒の再生を150時間以内の反応時間毎
    に行うプロセスである請求項1記載の有機化合物の接触
    転化方法。
  9. 【請求項9】 反応に用いられる反応器型式が、流動床
    型式、移動床型式及びスィングタイプリアクター型式の
    うちのいずれかであり、触媒再生を400〜850℃の
    温度、再生ガスの酸素濃度0〜21容量%、水蒸気濃度
    0〜30容量%の条件で、不活性ガスの存在下で行う請
    求項8記載の有機化合物の接触転化方法。
  10. 【請求項10】 有機化合物の接触転化方法が、炭素数
    12以下のパラフィン、オレフィン、ジエン化合物及び
    ナフテン化合物の少なくとも1種を含む炭化水素から芳
    香族化合物を製造するプロセスである請求項9記載の有
    機化合物の接触転化方法。
  11. 【請求項11】 有機化合物の接触転化方法が、オレフ
    ィンの水和反応又は水を生成するアルコールの転化反応
    を行うプロセスである請求項1記載の有機化合物の接触
    転化方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007137840A (ja) * 2005-11-21 2007-06-07 Idemitsu Kosan Co Ltd キシレン類の製造方法
JP2007530266A (ja) * 2004-03-31 2007-11-01 中国石油化工股▲分▼有限公司 ゼオライト含有炭化水素変換触媒、その製造方法、および該触媒で炭化水素油を変換する方法

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