JPH05271052A - 尋常性ザ瘡治療用ローション - Google Patents

尋常性ザ瘡治療用ローション

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JPH05271052A
JPH05271052A JP10072392A JP10072392A JPH05271052A JP H05271052 A JPH05271052 A JP H05271052A JP 10072392 A JP10072392 A JP 10072392A JP 10072392 A JP10072392 A JP 10072392A JP H05271052 A JPH05271052 A JP H05271052A
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JP
Japan
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lotion
acne vulgaris
lincomycin
skin
acne
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JP10072392A
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English (en)
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Hiromi Yanagawa
弘美 柳川
Chie Kajiwara
智恵 梶原
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DOTSUTO KK
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DOTSUTO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 青少年期に多発する尋常性ザ瘡を治療するた
め、治療効果が高くしかも副作用が少ないリンコマイシ
ン系抗生物質ローションの提供。 【構成】 リンコマイシン系抗生物質を、脂肪族低級ア
ルコール、多価アルコール、増粘用水溶性高分子ととも
に、微酸性緩衝液に溶解したローション。このローショ
ンは、尋常性ザ瘡に対する治療効果が高く、しかも副作
用をほとんど示さない特徴を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、尋常性ザ瘡(Acne
bulgaris)、いわゆるニキビを治療する外用
剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】尋常性ザ瘡は、毛孔に一致して丘疹ある
いは膿胞を生ずる皮膚疾患であり、主として思春期、青
年期の男女の顔面や胸背に生じ、脂漏を伴うことが多
い。発症には体質的素因、ホルモン、ビタミン、細菌感
染、食事、化粧品などの諸因子が関係すると言われてい
るが、成因については不明な点が多い。慢性的な炎症性
皮膚炎であり、毛孔に生ずる。10才台前半から後半に
かけて、普遍的で、男女を問わず発生するが、男性の方
が症状は激しい。尋常性ザ瘡はあらゆる人種にみられる
が、他の人種と比べ東洋人は症状が軽いようである。成
人に達してからの尋常性ザ瘡は、ホルモン分泌の変化と
毛根の成熟により惹起されるものと思われる。尋常性ザ
瘡の臨床症状は、副腎皮質ホルモン、ACTH、男性ホ
ルモン、ゴナドトロピン、避妊薬、ヨード及び臭素化合
物、ある種の化学物質、例えばカットオイル、塩素化炭
化水素、コールタールなどと接触することにより、及び
厚着や熱帯性気候のように毛孔を閉塞させるような条件
により誘発され悪化することが多い。尋常性ザ瘡にかか
りやすい性質は、遺伝するとも言われている。一方、発
症させる上で果たす食事の役割は誇張されていて、脂肪
を多量に摂取しても発症にそれほど大きな影響を与える
ことはない。
【0003】尋常性ザ瘡の病因はほとんどわかっていな
い。内分泌、特にアンドロジェンが関与していることは
確かで、去勢されると決して尋常性ザ瘡を発症しない
(Strauss,J.S.and Pochi, P.E.:Recent advances in a
ndrogen metabolism and theirrelation to the skin.
Arch. Dermatol. 100:621,1969)。しかし、内分泌因子
が唯一の原因ではないこともまた確かである。フォス並
びにウェブスターからが提唱するように、皮膚に常在し
患部から分離される細菌の一種、プロピオニバクテリウ
ム・アクネ(Propionibacterium acne)が産生するリパ
ーゼが、毛孔から分泌される油脂を分解し、高度に皮膚
刺激性の脂肪酸を遊離するため、尋常性ザ瘡の初期炎症
が生ずるという説は有力視される(Voss J. G.: Acne v
ulgarisand free fatty acids. Arch. Dermatol. 109:
849, 1974)(Webster G.F. etal.: Inhibition of lip
ase production in Propionibacterium acne by sub-mi
nimalinhibitory concentrations of tetracycline and
erythromycin. Br. J.Dermatol. 104: 453, 1981)。
尋常性ザ瘡の病態は非炎症性と炎症性とに分類できる
が、通常両者は混在している。前者はさらに開放型と非
開放型に分類される。開放型は中心部に黒いケラチンの
栓をもった毛嚢の小丘疹である。黒色はメラニン色素の
酸化物に由来する。閉鎖型は、外見的には毛嚢の小丘疹
中心部に色素をもった栓が認められない。ケラチンの栓
は角質上皮の下部に存在するためで、そのため毛嚢が破
裂して炎症を起こす潜在的な原因となる。炎症型は紅色
小丘疹、結節及び膿胞を特徴とする。ひどくなると瘢痕
となったり、化膿した小孔を形成する。病理組織学的に
みた尋常性ザ瘡は毛根の深部小孔に脂質とケラチンが沈
着し、固まった状態である。沈着量が多くなるとともに
毛嚢は拡張し、毛嚢上皮の皮脂腺は萎縮する。その結
果、開放型は外部に大きく開いた開口部をもっている。
一方、閉鎖型は顕微鏡的にわかる程度の開口部をもつに
すぎない。患部の毛根部には種々のリンパ球が浸潤し、
毛嚢の破裂にともなって広範な急性及び慢性の炎症が起
こる。皮膚膿瘍は毛嚢の破裂とともに生ずる。
【0005】重篤の尋常性ザ瘡に対しては抗生物質の経
口投与による治療が行われる。径口投与で尋常性ザ瘡の
治療に有用であることが証明されている抗生物質は、局
所的に適用しても有効である。局所適用で一般的に使わ
れるのは、リンコマイシン、クリンダマイシン、エリス
ロマイシン塩基及びテトラサイクリン塩酸塩などの抗生
物質である。これらを局所適用した場合には、同じ抗生
物質を全身投与した際の効果には及ばない。従って、局
所適用は概して軽症ないし中程度の尋常性ザ瘡にかぎり
有効である。抗生物質の中でもリンコマイシン、クリン
ダマイシン系抗生物質は、患部から分離されるプロピオ
ニバクテリウム・アクネ(P.acne)の生育をin vitroで
強い抑制する性質があり、この系統の抗生物質を径口投
与ないし局所適用した場合、その抗菌作用により尋常性
ザ瘡に対する治療効果を示すと考えられる。局所適用に
は通常親水性の軟膏ないしローションが用いられ、塗布
した量の約10%が皮膚から吸収される。重篤な副作用
はほとんど認められないが、ごくまれに血便とか偽膜性
大腸炎が局所適用の後に起こったと報告されている。し
かし、クリンダマイシン局所適用とこれらの症状との因
果関係は明確でない。一方、軽度の副作用としては、塗
布した患部は局所の焼灼感と痛痒感を訴え、皮膚が乾燥
してかさかさになる感じを与える。しかし、クリンダマ
イシンによる接触性皮膚炎はまれである。
【0006】エリスロマイシンも経口投与ないし局所適
用で尋常性ザ瘡に対し治療効果を示す。局所適用に際し
ては浸透性を考慮してエリスロマイシン塩よりも遊離塩
基が使われるが、その効果はクリンダマイシンに及ばな
い。炎症型尋常性ザ瘡に対するエリスロマイシンの作用
機作はわかっていないが、P.acneに対する抗菌活
性のためであろうと考えられている。局所適用した場合
の合併症としては、エリスロマイシン耐性黄色ブドウ球
菌の局所的感染症があげられよう。エリスロマイシンに
対する耐性が黄色ブドウ球菌に誘発された場合には、エ
リスロマイシンの局所適用は直ちに中止し、適切な他の
抗生物質を全身投与した方がよいとされている。エリス
ロマイシンを局所的に塗布した際の副作用は、リンコマ
イシン・クリンダマイシンとほとんど同様の焼灼感と痛
痒感である。アレルギー性の過敏症はまれである。
【0007】従来、2種類のテトラサイクリンが尋常性
ザ瘡治療のために使われている。一つはn−デシルスル
フォキサイドとエチルアルコールを含むテトラサイクリ
ン塩酸塩の親水軟膏と、いま一つはクリーム状のメクロ
サイクリン・スルフォサルチル酸塩である。1日2回塩
酸塩を塗布した場合における血中濃度は、0.1μg/
mlあるいはそれ以下であり、メクロサイクリン(me
clocyclin)の場合には1日2回、4週間塗布
したが、血中濃度は検出限界以下で吸収されている確実
は証拠は見つからなかった。テトラサイクリンが尋常性
ザ瘡に有効な理由は、P.acneに抗菌活性を示すた
めであると考えられている。しかし、テトラサイクリン
を使うと一時的に皮膚が黄色になり、このような性質は
顔面に塗布する目的には著しく不向きである。局所適用
した場合の光線過敏症は報告されていないが、この副作
用は常に起こり得るものと考えなければならない。すべ
てのテトラサイクリン系抗生物質と同様に、これら2つ
のテトラサイクリンは妊婦とか腎臓ないし肝臓障害をも
つ患者には使うべきでない。これらの抗生物質を外用剤
として尋常性ザ瘡を治療する際における共通の欠点は、
薬効が不十分であること、及び焼灼感・痛痒感があり、
皮膚が乾燥して荒れることである。また、テトラサイク
リン系抗生物質は塗布した局部が黄変するので、顔面に
使用する外用剤としては望ましくない。
【0008】また、合成ビタミンA誘導体、13-cis-ret
inoic acidは重症のacneに対し著明な治療効果を示すと
言われる(Mills OH., and Kigman AM.: Treatment of a
cneby vitamin A(retinol). Semin. Dermatol. 1:245,
1985)。Retinoic acidはtretinoinあるいはtrans-reti
noic acidとも呼ばれ、カルボン酸型ビタミンAであ
る。数種のビタミンA誘導体の中でも13-cis-retinoic
acidは最近経口投与でいくつかの皮膚病に有効であるこ
とが確かめられているが、外用剤として尋常性ザ瘡に対
する効力は弱い。その他に過酸化ベンゾイルも外用剤と
して使用されるが効力は充分とは言えないのが現状であ
る。
【0009】従来、リンコマイシン系抗生物質のローシ
ョンにおいては、薬物の皮膚浸透性を高めるためにエタ
ノールないしイソプロパノールなどのアルコール類を5
0%以上加えることが常識であった。例えば、Staugton
R. B.(Arch. Dermatol. 115: 486, 1979)及び朝田ら
(西日本皮膚科学会誌、43巻287−290ページ、
1981年)は、尋常性ザ瘡患者にイソプロピルアルコ
ール56%を含む1%クリンダマイシン・ローションを
1日2〜3回4週間塗布して薬効並びに副作用を検討し
ている。彼らはいずれも中等度及び軽症群において総合
改善度で60%を越える有効率を認めているが、塗布部
の痛痒感及び乾燥してかさかさになる副作用が約20%
程度みられたとしている。これらの報告にみられるよう
に低級脂肪族アルコールを高濃度に含有するローション
は、塗布した直後はすっきりした爽快感を与えるが、皮
膚をかさかさに乾燥させ、頻回塗布する場合には皮膚刺
激性が避けられない。また、低級脂肪族アルコールは低
沸点で飛散し易いため、密閉できる容器が必要であり、
取扱いが厄介である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の尋常
性ザ瘡の治療に用いられる外用抗生物質製剤に見られる
前記欠点、すなわち薬効に関する不満並びに皮膚に対す
る副作用の問題を解決し、治療効果にすぐれると同時に
副作用のない新規外用剤を提供することをその課題とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明によれば、リンコマイシン
系抗生物質0.5〜10wt%、低級脂肪族アルコール
2〜25wt%、多価アルコール1〜20wt%及び水
溶性高分子0.05〜5wt%を含有することを特徴と
する尋常性ザ瘡治療用ローションが提供される。
【0012】本発明においては、尋常性ザ瘡治療用薬効
物質として、リンコマイシン系抗生物質を用いる。リン
コマイシン系抗生物質には、塩酸クリンダマイシンや塩
酸リンコマイシン等のクリンダマイシン化合物及びリン
コマイシン化合物が包含される。本発明のローションに
おいては、このリンコマイシン系抗生物質の含有率は、
0.5〜10wt%、好ましくは1〜2wt%である。
本発明のローションには、前記リンコマイシン系抗生物
質を含むとともに、低級脂肪族アルコールと多価アルコ
ールを含有し、さらに、水溶性高分子を含有することを
特徴とする。本発明のローションにおいては、低級脂肪
族アルコール含有率は、2〜20wt%好ましくは5〜
10wt%である。本発明のローションは、従来のリン
コマイシン系抗生物質含有ローションとは異なり、低級
脂肪族アルコール濃度が低いにもかかわらず、低級脂肪
族アルコールとともに、少量の多価アルコール及び水溶
性高分子を併用したことにより、リンコマイシン系抗生
物質の臨床的有効性を保持したままで副作用の問題を効
果的に解決したものである。
【0013】すなわち、従来の尋常性ザ瘡治療用リンコ
マイシン系製剤が呈した皮膚の乾燥感と刺激性は、明ら
かに過量の低級脂肪族アルコールにより惹起されていた
副作用である。一方、低級脂肪族アルコールの含量を減
少させると皮膚に対する副作用は有意に減少するが、主
剤である抗生物質の皮膚浸透性が低下するため治療効果
が減退する悩みがあった。本発明においては、この矛盾
は、低級脂肪族アルコールの含有率を減少させるととも
に、皮膚刺激性のないグリセリンやアルキレングリコー
ル、ポリアルキレングリコール等の多価アルコールを添
加することで解決することができた。その際エチレング
リコールやプロピレングリコール等のアルキレングリコ
ールとともに、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコールのようなポリアルキレングリコールをごく
僅か併用することにより、さらに効力を高めることがで
きた。本発明で用いる低級脂肪族アルコールとしては、
炭素数が6以下の脂肪族アルコール、例えば、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール
等が挙げられる。
【0014】本発明で用いる多価アルコールとしては、
グリセリン、ソルビット、マンニットの他、エチレング
リコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール
等のアルキレングリコール、及びポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレン/プロ
ピレン)グリコール等のポリアルキレングリコール等が
挙げられる。ローション中の多価アルコールの含有率は
1〜20wt%、好ましくは2〜10wt%である。本
発明においては、この多価アルコールは、アルキレング
リコールとポリアルキレングリコールとの混合物の形で
用いるのが好ましい。この混合物においては、ポリアル
キレングリコールの割合は10〜25wt%、好ましく
は15〜20wt%の範囲に規定するのがよい。また、
ポリアルキレングリコールの含有率は、ローション中
0.5〜3wt%、好ましくは1〜2wt%の範囲に規
定するのがよい。
【0015】本発明で用いる水溶性高分子としては、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース等の水溶性セルロース誘導体の他、水溶性でん粉誘
導体、ポリアクリル酸塩、ポリ(エチレンオキシド)、
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げ
られる。ローション中の水溶性高分子の含有率は0.0
5〜5wt%、好ましくは0.2〜1wt%である。こ
の水溶性高分子の併用により、ローションに適度の粘性
を与えることができる。そして、このような粘性を保持
したローションは、皮膚への付着性が高められたことか
ら、高い治療効果を有し、しかも、その添加により好ま
しくない副作用が増加するようなこともなかった。
【0016】本発明のローションには、前記成分の他、
必要に応じ、この種ローションに用いられている補助成
分、例えば、パラオキシ安息香酸エステル等の腐食剤を
適量加えることは望ましいことである。これは、本発明
のローションでは高濃度のリンコマイシン系抗生物質及
び殺菌が強い低級脂肪族アルコールを含有するため、一
般細菌の汚染はほぼ完全に阻止することができるが、真
菌が混入して増殖する可能性が残されているからであ
る。一方、ローションのpHは、微酸性を呈する皮膚表
面のpHに近いことが望ましい。従って、本発明のロー
ションは、低濃度の緩衝液を加えてpH4〜5の範囲に
調整するのが好ましい。ここで用いる緩衝液は、皮膚に
無害な緩衝液、例えばリン酸緩衝液、種々の有機酸緩衝
などであればどのようなものであっても使用することが
できる。
【0017】本発明のローションは、液状のローション
として使用される他、液化天然ガスやフロンガス等の噴
射剤とともにエアゾール缶に充填し、エアゾール型のロ
ーションとして使用することもできる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。なお、以下の実施例における%は重量%であ
る。
【0019】実施例1 塩酸クリンダマイシン1gを、エタノール5%、プロピ
レングリコール6.3%、ポリエチレングリコール1
%、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−H)0.
4%、パラオキシ安息香酸メチル0.026%、パラオ
キシ安息香酸プロピル0.014%を含有するpH4.
6の10mMリン酸緩衝液100mlに溶かし、液化天
然ガスとともにスプレイ用缶に充填した。
【0020】実施例2 塩酸リンコマイシン1gを、イソプロパノール5%、ブ
チレングリコール6.3%、ポリプロピレングリコール
1%、カルボキシメチルセルロース0.5%、パラオキ
シ安息香酸0.026%、パラオキシ安息香酸プロピル
0.014%を含有するpH4.6の10mMリンゴ酸
緩衝液100mlに溶解し、液体フロンガスとともにス
プレイ用缶に充填した。
【0021】実施例3 実施例1に記載した組成を有するローションを用いて臨
床的な有効性及び副作用の検討を実施した。患者はあら
かじめ試験の目的の説明を受け、参加の意志を表明した
男性3例、女性6例である。上記のローテーションは原
則として1日2〜3回患者自らが指で皮疹部に塗布する
方法をとった。併用薬剤については、尋常性ザ瘡に直接
影響を与えると考えられる抗生物質、ホルモンの全身投
与はいっさい行わなかった。ただし、ビタミン類などは
適宜服用させた。局所的には、実施例1のローション以
外の外用剤の使用は厳禁したが、セッケンの使用は制限
しなかった。症状の観察は治療前、使用1週間後、2週
間後、3週間後及び4週間後の4週間にわたって実施
し、各時期において症状の推移を調べて記録した。効果
の判定は尋常性ザ瘡の症状のうち、脂漏状態、面胞、丘
疹、膿疱の4症状を取り上げ、本ローションの外用効果
判定の指標とした。4週間後における効果判定の結果
は、著効4例(44.4%)、有効3例(33.3
%)、やや有効2例(22.2%)で、不変ないし悪化
は1例もなかった。副作用は1例が3週間後にしみる感
じを訴えたが、、使用を中止するほどのものではなかっ
た。
【0022】次に、17才女性の尋常性ザ瘡患者におけ
る治療経過を示す。顔面に多発する尋常性ザ瘡に対しイ
オウ・カンフル・ローションを塗布していたが、著効が
得られず経過していた。かゆみと発赤が増悪したため受
診した。皮脂が多量に分泌され、ここの面胞には微小膿
栓をもち、発赤が強かった。実施例1に示す1%クリン
ダマイシン・ローションを患者自らが1日3〜4回指頭
で塗布し、4週間経過を観察した。経過は順調に推移
し、かゆみと皮疹は1〜2週間後より改善傾向を示し、
4週間後に著明な改善を認めた。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のリンコマ
イシン系抗生物質ローションは、1日に数回患部に塗布
することにより、尋常性ザ瘡患者の臨床症状を大きく改
善することができる。この改善効果は従来の脂肪族低級
アルコールを多量に含有するリンコマイシン系抗生物質
ローションと異なり、皮膚刺激性をほとんど示すことな
く臨床症状のみを選択的に改善する点に特徴がある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リンコマイシン系抗生物質0.5〜10
    wt%、低級脂肪族アルコール2〜25wt%、多価ア
    ルコール1〜20wt%及び水溶性高分子0.05〜5
    wt%を含有することを特徴とする尋常性ザ瘡治療用ロ
    ーション。
  2. 【請求項2】 多価アルコールが、ポリアルキレングリ
    コールを10〜25wt%含有する混合物である請求項
    1のローション。
  3. 【請求項3】 ポリアルキレングリコールを0.5〜
    3.0wt%含有する請求項1又は2のローション。
JP10072392A 1992-03-26 1992-03-26 尋常性ザ瘡治療用ローション Pending JPH05271052A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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