JPH0527025U - 偏平ガラス管の成形装置 - Google Patents

偏平ガラス管の成形装置

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JPH0527025U
JPH0527025U JP1515491U JP1515491U JPH0527025U JP H0527025 U JPH0527025 U JP H0527025U JP 1515491 U JP1515491 U JP 1515491U JP 1515491 U JP1515491 U JP 1515491U JP H0527025 U JPH0527025 U JP H0527025U
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JP
Japan
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glass tube
section
roller
rollers
cross
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JP1515491U
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Inventor
久和 上村
Original Assignee
東芝硝子株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】従来の成形設備を利用して容易に連続成形が可
能で、高偏平率の断面長円形状ガラス管を安定供給する
ことができるガラス管の成形装置を提供する。 【構成】断面円形状に予備成形されたガラス管を対向し
て配設されたローラ間を引き抜くことにより断面楕円形
状または長円形状に成形する。前記ローラは、2対以上
とし、ガラス管の引き抜き方向に順次ローラの対向間隔
を狭めるように設ける。これらのローラ間を軟化点以上
の温度に保持されたガラス管が引き抜かれるとき、先に
当接したローラによる圧接変形により、次のローラとガ
ラス管との当接位置が変化して一点への応力集中をなく
し、異常変形を生ずることなく高偏平率の断面楕円形状
または長円形状ガラス管を成形することができる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、断面楕円形状または長円形状のガラス管を成形する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般に用いられている低圧放電ランプは、断面が円形のガラス管を使 用したものである。円形断面のガラス管が使用される理由は、ガラス管の連続成 形が容易で強度的に優れていること、口金などとの組立工程において方向合わせ を必要としないので自動化が簡単であること、使用時においても方向を気にせず 使えること等がある。
【0003】 近年、照明需要の多様化からガラス管の断面が非円形の低圧放電ランプが商品 化されている。その代表的な例としては、蛍光ランプの直下照度向上を目的とし た断面楕円形の蛍光ランプがある。この他にもガラス管の強度向上や特定方向へ の照射光量アップをねらった非円形横断面形状の低圧放電ランプは古くから考え られているが、製造上の技術的な困難があり実用化されたものは、上記断面楕円 形のものくらいである。
【0004】 このような断面楕円形状または長円形状のガラス管の成形方法およびそれに用 いる装置としては、特公昭59-30654号公報、特開昭60-251137 号公報に記載され たものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開昭60-251137 号公報に開示された方法は、円形断面のガラス管内に内 型を挿入保持し、これを加熱してガラス管を軟化変形させ、ガラス管外の下型と 前記内型とにより断面楕円形もしくは扇形に成形するものである。この方法は、 内型と下型の組合せによるので精度よい成形が可能であるが、一度断面円形に成 形したガラス管を適当な長さに切断した後、内型を挿入するなどの操作を必要と し、作業性・量産性に劣る。
【0006】 また上記特公昭59-30654号公報に開示されたものは、溶融ガラス槽から断面円 形状のガラス管を引き上げ、1対の円柱状ローラ間を引き抜くことによって断面 楕円形状ガラス管を得るものである。この方法によれば、連続成形が可能で量産 性に優れるが、断面円形のガラス管がローラ間を引き抜かれるとき、ローラとの 圧接点にガラス管中心に向かう応力が強く働くため、ガラス管の偏平率を高めよ うとしてローラ間隔を狭めると、図7に示すようにローラとの圧接部分が管内側 にむかって凹入部20を形成し断面がきれいな長円形にならない。この方法によ って成形可能な断面長円形状ガラス管の偏平率(長径に対する短径の比)は、本 考案者による実験によれば、0.6程度までである。
【0007】 本考案は、このような事情を考慮してなされたもので、連続成形が容易で、高 偏平率の断面長円形状ガラス管を安定して供給することができる偏平ガラス管の 成形装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本考案は上記目的を達成するために、断面円形状に予備成形されたガラス管を 対向して配設されたローラ間を引き抜くことによって断面楕円形状または長円形 状に成形する装置であって、ガラス管に対接する少なくとも2対のローラを備え 、ガラス管の引き抜き方向に順次ローラの対向間隔を狭めるように設けたもので ある。
【0009】
【作用】
このように構成された装置においては、円形断面のガラス管が第1のローラに よって凹入を生じない程度まで圧接成形され、ついで第2のローラによってさら に圧接されて偏平率の高い断面長円形状ガラス管に成形される。つまりローラに よって一時に集中してガラス管にかかる応力を減少させるとともに、先のローラ によって偏平化されたことにより次のローラとの対接位置を順次ずらすことがで きるようになり、ガラス管の一部に応力集中をまねくことなく整った長円形に成 形することができる。
【0010】
【実施例】
以下、本考案の実施例について図面を参照して説明する。図1は、本考案にか かる偏平ガラス管の成形装置10の一実施例を示す正面図、図2は、図1に示す 矢印方向からの側面図である。
【0011】 基台1上に固定された軸受け部2に回転自在に軸支された下側ローラ3a,3 b,3c,3dが基台1に対してほぼ平行な間隔をもって設けられている。各下 側ローラ3a,3b,3c,3dの上方には各々独立して基台1からの高さを調 節可能に支持された軸受けアーム4a,4b,4c,4dに上側ローラ5a,5 b,5c,5dが回転自在に軸支されている。軸受けアーム4aは、基台1から 立設された支柱6に揺動可能に支持され、この軸受けアーム4aから順に軸受け アーム4b,4c,4dが回動自在に連結される。各軸受け部2上にはローラ間 隔調節ネジ7が螺着され、ローラ間隔調節ネジ7の頂部が軸受けアーム4b,4 dの下辺に当接して上側ローラ5a,5b,5c,5dと下側ローラ3a,3b ,3c,3dの最低間隔を保持する。また軸受けアーム4a,4b,4c,4d には上側ローラ5a,5b,5c,5dの回転軸付近に荷重付加部8が設けられ 、この荷重付加部8におもり9を吊り下げることにより、上側ローラ5a,5b ,5c,5dに適当な圧接力を与える。なお本実施例では上側および下側ローラ ともすべて同一の円柱状カーボン製ローラを用いた。
【0012】 上側ローラ5a,5b,5c,5dと下側ローラ3a,3b,3c,3dとの 間隔は、たとえば第1ローラ(下側ローラ3a,上側ローラ5a)間が圧接前の 断面円形状ガラス管の直径の80%、第2ローラ(下側ローラ3b,上側ローラ 5b)間が圧接前の断面円形状ガラス管の直径の70%、第3ローラ(下側ロー ラ3c,上側ローラ5c)間が圧接前の断面円形状ガラス管の直径の60%、第 4(最終)ローラ(下側ローラ3d,上側ローラ5d)間が最終製品における所 望の偏平率となるガラス管の短径にほぼ一致するように設定する。
【0013】 このように構成された成形装置10を、たとえば図3に示すようにダンナー法 によって成形されるガラス管11に対し、ダンナー成形ラインのガラス管11の 温度がガラス軟化点よりも高い温度域に組み入れることによって,耐火物製スリ ーブ12の中心からエアーを吹き込まれ、図示しない管引機により断面円形状に 成形されたガラス管11を図4に示すような断面長円形状ガラス管13に成形す ることができる。
【0014】 上記成形装置10を用いて断面長円形状ガラス管の成形を試みた。比較例とし て図8に示す一対のローラからなる装置21を作成し、各々の装置でローラ設定 間隔を徐々に狭めて行き、凹入などの異常変形を生ずることなく成形可能なガラ ス管の偏平率を求めた。なお図8においては、上記実施例の装置と同一の構成要 素には同一の符号を付して示した。本試験では、圧接成形前の直径が20mm、 肉厚1.2mmの断面円形状ガラス管を使用した。この結果、比較例の装置では 偏平率0.54を越えるとローラとの当接部を中心に凹入を生じたのに対し、本 実施例の装置では偏平率0.46までなんの問題もなく成形することができた。
【0015】 なお上記実施例では円柱状のローラを用いたが、ローラ形状は、たとえば図5 に示す円柱の外周に沿って切欠き14を有する鼓状のローラ15を使用すること もできる。このような鼓状ローラ15を使用すれば、圧接されるガラス管11と の当接部分が増加し、圧接時にかかる応力の分散がはかれ、図7のような凹入を 生じにくくする。同様の効果は、円柱状ローラのガラス管11への当接位置が異 なるように円柱状ローラの回転軸に傾きを与えること、または円錐状ローラを組 み合わせることなどによっても得られるが、同時に複数箇所に力を加えられる点 で上記鼓状ローラを用いたほうが成形性は良い。高偏平率のガラス管を得るため には、円柱状のローラと鼓状ローラのような変形ローラとを組み合わせて使用す ると効果的である。
【0016】 上記実施例の成形装置10において、第3ローラと最終ローラを図5の鼓状ロ ーラ15に置き換えて上記と同様の成形試験を行ったところ、凹入を生じること なく偏平率0.4のガラス管を成形することができた。
【0017】 また上記実施例では上側ローラ5a,5b,5c,5dを基台1側から支持す る構造のものを示したが、このような構造の場合、少なくとも一方側の軸受け部 を支点としてローラを跳ね上げ可能な構造ないしは上側ローラを着脱可能に保持 する構造とすれば、初期にガラス管を導入する操作が容易に行える。上記実施例 では、軸受けアーム4aが支柱6から容易に離脱できるように軸受けアーム4a の支軸41が支柱6の軸受け溝61に載架されている。また図6に示すように、 下側ローラ3を下側フレーム16に、上側ローラ5を上側フレーム17によって 支持する構造としてもよい。いずれの場合でも各ローラ(少なくとも対をなす2 つのローラの一方)は、スプリングを内装したプッシュロッド18等によって弾 性的に支持することが好ましい。上記実施例の場合には上側ローラ5a,5b, 5c,5dを上下方向に揺動可能とし、上側ローラ5a,5b,5c,5dの自 重と必要に応じて付加されるおもり9とによりガラス管11に適当な荷重を加え るようになっている。。これによりガラス管の偏平化に要する適当な圧接力をロ ーラに与えるとともに、ガラス管の急激な外径変動や異物に対して柔軟に対応で き、局所的に過大な応力が加わってガラス管を異常に変形させたり破損をまねい たりすることがない。ただし圧接成形を確実にするため、ローラの過剰な揺動を 防止するように図6のストッパー19のような規制手段を併設する。
【0018】 また上記実施例ではダンナー成形ラインに組み入れて連続的に成形する場合に ついて説明したが、図6に示したような構成の装置であれば、必ずしも装置を水 平状態に保つ必要はなく、アップドロー法、ダウンドロー法などによっても高偏 平率のガラス管を成形することができる。
【0019】 さらに本考案は、上記のような連続成形のみではなく、一度断面円形に成形さ れ所定の長さに切断されたガラス管の再成形にも適用することができる。この場 合、電気炉またはバーナー等によりガラス管を軟化点以上の温度に再加熱してロ ーラ間を引き抜く。したがって本考案の装置のほかにローラ間を引き抜くための ガラス管送り機構が必要である。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように本考案の偏平ガラス管の成形装置は、従来の断面円形状ガ ラス管製造設備に組み入れることができ、これによって容易に断面楕円形または 長円形のガラス管を連続的に成形することができる。また従来成形困難であった 高偏平率のガラス管を安定して製造することができる。
【提出日】平成4年10月16日
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】考案の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】 【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、断面楕円形状または長円形状のガラス管を成形する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般に用いられている低圧放電ランプは、断面が円形のガラス管を使 用したものである。円形断面のガラス管が使用される理由は、ガラス管の連続成 形が容易で強度的に優れていること、口金などとの組立工程において方向合わせ を必要としないので自動化が簡単であること、使用時においても方向を気にせず 使えること等がある。
【0003】 近年、照明需要の多様化からガラス管の断面が非円形の低圧放電ランプが商品 化されている。その代表的な例としては、蛍光ランプの直下照度向上を目的とし た断面楕円形の蛍光ランプがある。この他にもガラス管の強度向上や特定方向へ の照射光量アップをねらった非円形横断面形状の低圧放電ランプは古くから考え られているが、製造上の技術的な困難があり実用化されたものは、上記断面楕円 形のものくらいである。
【0004】 このような断面楕円形状または長円形状のガラス管の成形方法およびそれに用 いる装置としては、特公昭59-30654号公報、特開昭60-251137 号公報に記載され たものが知られている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
上記特開昭60-251137 号公報に開示された方法は、円形断面のガラス管内に内 型を挿入保持し、これを加熱してガラス管を軟化変形させ、ガラス管外の下型と 前記内型とにより断面楕円形もしくは扇形に成形するものである。この方法は、 内型と下型の組合せによるので精度よい成形が可能であるが、一度断面円形に成 形したガラス管を適当な長さに切断した後、内型を挿入するなどの操作を必要と し、作業性・量産性に劣る。
【0006】 また上記特公昭59-30654号公報に開示されたものは、溶融ガラス槽から断面円 形状のガラス管を引き上げ、1対の円柱状ローラ間を引き抜くことによって断面 楕円形状ガラス管を得るものである。この方法によれば、連続成形が可能で量産 性に優れるが、断面円形のガラス管がローラ間を引き抜かれるとき、ローラとの 圧接点にガラス管中心に向かう応力が強く働くため、ガラス管の偏平率を高めよ うとしてローラ間隔を狭めると、図7に示すようにローラとの圧接部分が管内側 にむかって凹入部20を形成し断面がきれいな長円形にならない。この方法によ って成形可能な断面長円形状ガラス管の偏平率(長径に対する短径の比)は、本 考案者による実験によれば、0.6程度までである。
【0007】 本考案は、このような事情を考慮してなされたもので、連続成形が容易で、高 偏平率の断面長円形状ガラス管を安定して供給することができる偏平ガラス管の 成形装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本考案は上記目的を達成するために、断面円形状に予備成形されたガラス管を 対向して配設されたローラ間を引き抜くことによって断面楕円形状または長円形 状に成形する装置であって、ガラス管に対接する少なくとも2対のローラを備え 、ガラス管の引き抜き方向に順次ローラの対向間隔を狭めるように設けたもので ある。
【0009】
【作用】
このように構成された装置においては、円形断面のガラス管が第1のローラに よって凹入を生じない程度まで圧接成形され、ついで第2のローラによってさら に圧接されて偏平率の高い断面長円形状ガラス管に成形される。つまりローラに よって一時に集中してガラス管にかかる応力を減少させるとともに、先のローラ によって偏平化されたことにより次のローラとの対接位置を順次ずらすことがで きるようになり、ガラス管の一部に応力集中をまねくことなく整った長円形に成 形することができる。
【0010】
【実施例】
以下、本考案の実施例について図面を参照して説明する。図1は、本考案にか かる偏平ガラス管の成形装置10の一実施例を示す正面図、図2は、図1に示す 矢印方向からの側面図である。
【0011】 基台1上に固定された軸受け部2に回転自在に軸支された下側ローラ3a,3 b,3c,3dが基台1に対してほぼ平行な間隔をもって設けられている。各下 側ローラ3a,3b,3c,3dの上方には各々独立して基台1からの高さを調 節可能に支持された軸受けアーム4a,4b,4c,4dに上側ローラ5a,5 b,5c,5dが回転自在に軸支されている。軸受けアーム4aは、基台1から 立設された支柱6に揺動可能に支持され、この軸受けアーム4aから順に軸受け アーム4b,4c,4dが回動自在に連結される。各軸受け部2上にはローラ間 隔調節ネジ7が螺着され、ローラ間隔調節ネジ7の頂部が軸受けアーム4b,4 dの下辺に当接して上側ローラ5a,5b,5c,5dと下側ローラ3a,3b ,3c,3dの最低間隔を保持する。また軸受けアーム4a,4b,4c,4d には上側ローラ5a,5b,5c,5dの回転軸付近に荷重付加部8が設けられ 、この荷重付加部8におもり9を吊り下げることにより、上側ローラ5a,5b ,5c,5dに適当な圧接力を与える。なお本実施例では上側および下側ローラ ともすべて同一の円柱状カーボン製ローラを用いた。
【0012】 上側ローラ5a,5b,5c,5dと下側ローラ3a,3b,3c,3dとの 間隔は、たとえば第1ローラ(下側ローラ3a,上側ローラ5a)間が圧接前の 断面円形状ガラス管の直径の80%、第2ローラ(下側ローラ3b,上側ローラ 5b)間が圧接前の断面円形状ガラス管の直径の70%、第3ローラ(下側ロー ラ3c,上側ローラ5c)間が圧接前の断面円形状ガラス管の直径の60%、第 4(最終)ローラ(下側ローラ3d,上側ローラ5d)間が最終製品における所 望の偏平率となるガラス管の短径にほぼ一致するように設定する。
【0013】 このように構成された成形装置10を、たとえば図3に示すようにダンナー法 によって成形されるガラス管11に対し、ダンナー成形ラインのガラス管11の 温度がガラス軟化点よりも高い温度域に組み入れることによって,耐火物製スリ ーブ12の中心からエアーを吹き込まれ、図示しない管引機により断面円形状に 成形されたガラス管11を図4に示すような断面長円形状ガラス管13に成形す ることができる。
【0014】 上記成形装置10を用いて断面長円形状ガラス管の成形を試みた。比較例とし て図8に示す一対のローラからなる装置21を作成し、各々の装置でローラ設定 間隔を徐々に狭めて行き、凹入などの異常変形を生ずることなく成形可能なガラ ス管の偏平率を求めた。なお図8においては、上記実施例の装置と同一の構成要 素には同一の符号を付して示した。本試験では、圧接成形前の直径が20mm、 肉厚1.2mmの断面円形状ガラス管を使用した。この結果、比較例の装置では 偏平率0.54を越えるとローラとの当接部を中心に凹入を生じたのに対し、本 実施例の装置では偏平率0.46までなんの問題もなく成形することができた。
【0015】 なお上記実施例では円柱状のローラを用いたが、ローラ形状は、たとえば図5 に示す円柱の外周に沿って切欠き14を有する鼓状のローラ15を使用すること もできる。このような鼓状ローラ15を使用すれば、圧接されるガラス管11と の当接部分が増加し、圧接時にかかる応力の分散がはかれ、図7のような凹入を 生じにくくする。同様の効果は、円柱状ローラのガラス管11への当接位置が異 なるように円柱状ローラの回転軸に傾きを与えること、または円錐状ローラを組 み合わせることなどによっても得られるが、同時に複数箇所に力を加えられる点 で上記鼓状ローラを用いたほうが成形性は良い。高偏平率のガラス管を得るため には、円柱状のローラと鼓状ローラのような変形ローラとを組み合わせて使用す ると効果的である。
【0016】 上記実施例の成形装置10において、第3ローラと最終ローラを図5の鼓状ロ ーラ15に置き換えて上記と同様の成形試験を行ったところ、凹入を生じること なく偏平率0.4のガラス管を成形することができた。
【0017】 また上記実施例では上側ローラ5a,5b,5c,5dを基台1側から支持す る構造のものを示したが、このような構造の場合、少なくとも一方側の軸受け部 を支点としてローラを跳ね上げ可能な構造ないしは上側ローラを着脱可能に保持 する構造とすれば、初期にガラス管を導入する操作が容易に行える。上記実施例 では、軸受けアーム4aが支柱6から容易に離脱できるように軸受けアーム4a の支軸41が支柱6の軸受け溝61に載架されている。また図6に示すように、 下側ローラ3を下側フレーム16に、上側ローラ5を上側フレーム17によって 支持する構造としてもよい。いずれの場合でも各ローラ(少なくとも対をなす2 つのローラの一方)は、スプリングを内装したプッシュロッド18等によって弾 性的に支持することが好ましい。上記実施例の場合には上側ローラ5a,5b, 5c,5dを上下方向に揺動可能とし、上側ローラ5a,5b,5c,5dの自 重と必要に応じて付加されるおもり9とによりガラス管11に適当な荷重を加え るようになっている。。これによりガラス管の偏平化に要する適当な圧接力をロ ーラに与えるとともに、ガラス管の急激な外径変動や異物に対して柔軟に対応で き、局所的に過大な応力が加わってガラス管を異常に変形させたり破損をまねい たりすることがない。ただし圧接成形を確実にするため、ローラの過剰な揺動を 防止するように図6のストッパー19のような規制手段を併設する。
【0018】 また上記実施例ではダンナー成形ラインに組み入れて連続的に成形する場合に ついて説明したが、図6に示したような構成の装置であれば、必ずしも装置を水 平状態に保つ必要はなく、アップドロー法、ダウンドロー法などによっても高偏 平率のガラス管を成形することができる。
【0019】 さらに本考案は、上記のような連続成形のみではなく、一度断面円形に成形さ れ所定の長さに切断されたガラス管の再成形にも適用することができる。この場 合、電気炉またはバーナー等によりガラス管を軟化点以上の温度に再加熱してロ ーラ間を引き抜く。したがって本考案の装置のほかにローラ間を引き抜くための ガラス管送り機構が必要である。
【0020】
【考案の効果】
以上説明したように本考案の偏平ガラス管の成形装置は、従来の断面円形状ガ ラス管製造設備に組み入れることができ、これによって容易に断面楕円形または 長円形のガラス管を連続的に成形することができる。また従来成形困難であった 高偏平率のガラス管を安定して製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の偏平ガラス管の成形装置の一実施例の
概略構成を示す正面図である。
【図2】図1に示す偏平ガラス管の成形装置の矢印方向
から見た側面図である。
【図3】本考案の偏平ガラス管の成形装置をダンナー成
形ラインに適用した場合の構成を示す説明図である。
【図4】本考案の偏平ガラス管の成形装置によって成形
される断面長円形状ガラス管の例を示す横断面図であ
る。
【図5】本考案の偏平ガラス管の成形装置に使用される
ローラの一例を示す側面図である。
【図6】本考案の偏平ガラス管の成形装置の他の実施例
を示す模式的正面図である。
【図7】凹入を生じたガラス管の横断面図である。
【図8】比較例のガラス管成形装置を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 基台 3 下側ローラ 5 上側ローラ 7 ローラ間隔調節ネジ 10 成形装置 13 断面長円形状ガラス管 15 鼓状ローラ 18 プッシュロッド 19 ストッパー 20 凹入部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年10月16日
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【実用新案登録請求の範囲】

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面円形状に予備成形されたガラス管を
    対向して配設されたローラ間を引き抜くことによって断
    面楕円形状に成形する装置であって、ガラス管に対接す
    る少なくとも2対のローラを備え、このローラがガラス
    管の引き抜き方向に順次その対向間隔を狭めるように設
    けられていることを特徴とする偏平ガラス管の成形装
    置。
JP1515491U 1991-02-22 1991-02-22 偏平ガラス管の成形装置 Pending JPH0527025U (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013187212A1 (ja) * 2012-06-15 2013-12-19 日本電気硝子株式会社 パネル状モバイル表示装置収納用ガラス筐体の製造方法及びパネル状モバイル表示装置収納用ガラス筐体

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