JPH05264051A - 床暖房装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 安全で、敷設工事、メンテナンスが容易
で、エネルギー効率の高い床暖房装置を提供すること。 【構成】 荒床２の上に床下断熱材３を固定する。こ
の床下断熱材３と床材４との間に断熱材からなるスペー
サ５を配置して、床下断熱材３と床材４との間に床下密
閉空間６を形成する。この床下密閉空間６に、室内機７
に連なる吹出口１１と吸込口１２とを開口させる。床下
密閉空間６に供給された調和空気の熱は床下断熱材３に
より下側に逃げることなく、床材４を通して部屋１の中
に供給される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は床暖房装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、床暖房装置としては、実公昭６２
−２１８４８号公報に記載のものがある。この床暖房装
置は、温水が通る配管を埋め込んだ発熱パネルを、床材
の下に密着させて、床暖房を行うものである。また、上
記温水が通る発熱パネルに代えて、電気ヒーターを埋め
込んだ発熱パネルを、床材の下に密着させるようにした
ものもある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記配管を
埋め込んだ発熱パネルを用いる暖房装置は、次のような
問題がある。 発熱パネルを付設するときに、配管工事が必要であ
るため、面倒である。 配管にサビや湯アカが発生することによる配管の詰
まり、亀裂、接続不良による配管からの漏水の可能性が
あり、安全性に問題がある。 温水が循環する配管を、床材の下側に配設した発熱
パネルに埋設しているため、配管が腐食したり、劣化し
た際の修復工事が大掛かりになる。 また、電気ヒーターを用いた発熱パネルを用いる場合に
は、次の問題がある。 床材や発熱パネルの経年変化や破損などにより、漏
電、感電の危険性がある。 電気ヒーターを用いているためエネルギー効率が悪
い。

【０００４】そこで、この発明の目的は、温水循環用の
配管や、電気ヒーターを用いることなく、安全であっ
て、簡単に敷設でき、メンテナンスが不要で、しかもエ
ネルギー効率が高い床暖房装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１の床暖房装置は、荒床上に設けられた床下
断熱材上にスペーサを介して床材を配置して、上記床下
断熱材と床材との間に床下密閉空間を形成し、上記床下
密閉空間に、空気調和機に連なる吹出口と吸込口が開口
していることを特徴としている。請求項２の床暖房装置
は、上記床下密閉空間に間仕切を設けて、上記吹出口か
ら吸込口に至る調和空気が上記床下密閉空間の全体を経
由するようにしたことを特徴としている。請求項３の床
暖房装置は、上記スペーサは断熱材からなり、上記床下
断熱材と一体に形成されていることを特徴としている。

【０００６】

【作用】請求項１の床暖房装置によれば、床下密閉空間
の下側は床下断熱材によって断熱されているため、密閉
空間に供給された調和空気の熱は、床下断熱材よりも下
側に逃げ出すことはなく、床材を通って部屋の中に供給
される。上記床下密閉空間内と空気調和機との間をクロ
ーズドサイクルで調和空気が循環し、外部に逃げないた
め、小風量でもって床材の下側から十分に暖房を行うこ
とができる。また、上記床下密閉空間をクローズドサイ
クルで調和空気が循環することになるため、循環する調
和空気の温度ムラが小さく、温度のバラツキのない暖房
を行うことができ、また、外部からごみなどが侵入する
ことはないため、エアーフィルターのメンテナンス回数
を少なくすることができる。また、床下密閉空間をダク
トスペースや通風スペースに利用しているため、他のダ
クトスペースや通風スペースを少なくすることができ
る。

【０００７】さらに、この床暖房装置においては、熱媒
が調和空気であるため、もし、漏れても水のような問題
は生じない。また、従来のごとき水配管や電気ヒーター
などを埋設しないため、メンテナンスが不要になる。ま
た、たとえば４０℃以下の調和空気を用いて十分暖房を
行うことができるため、床材への熱影響が少なく、床材
の寿命を長くすることができる。また、空気調和機から
の調和空気により暖房を行うため、エネルギー効率が電
気ヒーターを用いるよりも高くなるまた、請求項２の暖
房装置においては、上記床下密閉空間に間仕切を設け
て、上記吹出口から吸込口に至る調和空気が床下密閉空
間の全体を流れるようにしたので、床材の全面を均等に
暖房することができる。また、請求項３の床暖房装置に
おいては、スペーサが断熱材からなり、床下断熱材と一
体に形成されているため、この床暖房装置を埋設する際
の工事が簡単に行うことができる。

【０００８】

【実施例】以下この発明を図示の実施例により詳細に説
明する。図１において、１は部屋、２は荒床、３は上記
荒床２上に固定した床下断熱材、４は上記床下断熱材３
の上に断熱材からなるスペーサ５を介して固定した床材
である。上記床下断熱材３と床材４との間の床下密閉空
間６には、図１,２に示すように、空気調和機の室内機７
に連なる吹出口１１と吸込口１２が開口している。上記
吹出口１１と吸込口１２との間には、床下密閉空間６を
仕切る間仕切１５,１５を設けて、吹出口１１から矢印
Ｘに示すように吹き出された調和空気が床下密閉空間６
の全体を経由して、矢印Ｙ，Ｚに示すように、吸込口１
２に至るようにしている。なお、８は室内機７と組みに
なって空気調和機を構成する室外機である。上記構成の
床暖房装置によれば、室内機７から吹出口１１を経由し
て床下密閉空間６に矢印Ｘに示すように吹き出された温
風は、間仕切１５に沿って、矢印Ｙに示すように進み、
さらに矢印Ｚに示すように吸込口１２から室内機７に戻
る。

【０００９】このように、この床暖房装置は、熱媒とし
て調和空気を用いるため、水や電気ヒーターなどを使用
する場合に比べて、安全性が極めて高く、また漏れても
何ら問題はない。また、床下密閉空間６の下側は床下断
熱材３で断熱されているため、下方への熱の逃げがな
く、したがって、４０℃以下の調和空気を用いても、十
分床暖房を行うことができる。また、４０℃以下の調和
空気を用いた場合、床材４への熱影響が少なく、床材４
の寿命が長くなる。また、この床暖房装置は床下密閉空
間６と室内機７とをつなぐクローズドサイクルがあるた
め、小風量でもって床暖房を行うことができる。また、
床下密閉空間６をダクトスペースとして利用するため、
別途ダクトスペースを設ける必要がなく、床下のスペー
スを有効に利用することができる。また、この床暖房装
置は前述のごとく床下密閉空間６と室内機７とをつなぐ
クローズドサイクルであるため、調和空気の温度が一定
化し、床材の温度ムラが少なくなる。また、このように
クローズドサイクルであるため、外部からのごみなどが
入ってくる恐れがなく、空気調和機のエアーフィルター
の交換回数を極めて少なくすることができ、また、エア
ーフィルターを省略することも可能である。また、この
床暖房装置は温水配管や電気ヒーターなどを埋設してい
ないため、敷設工事が簡単で、またメンテナンスはほと
んど不要であるという利点を有する。また、この床暖房
装置は空気調和機７，８を用いて暖房を行うため、電気
ヒーターを使う場合(エネルギー効率０．８６％)に比べ
て、エネルギー熱効率が３となり、極めて高い。

【００１０】図３は第２実施例の斜視図を示し、図４は
第２実施例を模式的に示す平面図である。この第２実施
例において、第１実施例と同一構成部は同一符号を付し
て説明を省略し、異なる部分のみを以下に説明する。こ
の第２実施例では、床下断熱材３３とスペーサ３５は一
体に形成されている。したがって、この床暖房装置の敷
設時の工事が簡単になる。また、吹出口３１は、床下断
熱材３３から上方に向けて開口しており、床下断熱材３
３の下側に配設したディフューザ２１につながってい
る。ディフューザ２１はダクト２５を経由して、室内機
７に連結している。このように、ディフューザ２１およ
びダクト２５を荒床２の下の地下空間に設けているた
め、居住空間を狭めるようなことはない。スリット状の
吹出口３１から出た調和空気は図４において矢印Ｃに示
すように流れてスリット状の吸込口３２を通り、さらに
ダクト２５を経由して空気調和機の室内機７に戻る。

【００１１】この第２実施例の作用，効果は第１実施例
の作用，効果と全く同じであり、さらに敷設時の工事が
簡単にできるという利点と、ダクト２５およびディフュ
ーザ２１を荒床２下に設けることによって、地下のスペ
ースを有効に利用できるという利点を有するものであ
る。

【００１２】

【発明の効果】以上より明らかなように、この発明は、
荒床上に設けた床下断熱材と床材との間にスペーサを配
設して、上記床下断熱材と床材との間に床下密閉空間を
形成し、この密閉空間に空気調和機に連なる吹出口と吸
込口を開口して、熱媒である調和空気が循環するクロー
ズドサイクルを形成しているので、次の作用，効果を有
する。この発明によれば、床下密閉空間に供給された熱
は床下断熱材の存在により下側に熱が逃げることがない
ため、床下密閉空間に供給された熱を有効に部屋の中に
供給することができる。また、この床暖房装置は熱媒と
して調和空気を利用するため、安全性が極めて高く、漏
れても問題が生じない。また、調和空気の温度が温水な
どに比べて比較的低いため、床材の熱影響が少なく、床
材の寿命が長くなる。また、この床暖房装置は水配管や
配線電気ヒーターなどを埋設していないため、敷設時の
工事が簡単でまたメンテナンスがほとんど不要である。
また、この床暖房装置は調和空気を用いるため、電気ヒ
ーターなどを用いる場合に比べてエネルギー効率が極め
て高い。また、吹出口から吸込口に至る調和空気を床下
密閉空間の全体を経由するように間仕切を設けた場合に
は、床下密閉空間に全体にわたって調和空気が循環し、
床材の至るところを均等に暖ためることができる。また
断熱材からなるスペーサを床下断熱材と一体に形成した
場合には、この床暖房装置の敷設工事が簡単になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明の第１実施例の床暖房装置の縦断
面図である。

【図２】 図１の示す床暖房装置の平面図である。

【図３】 この発明の第２実施例の床暖房装置の要部
の斜視図である。

【図４】 この発明の第２実施例の床暖房装置の平面
図である。

【符号の説明】

１…部屋、 ２…荒床、 ３,３３…床下断熱材、 ４…床材、 ５,３５…スペーサ、 ６…床下密閉空間、 ７…室内機、 ８…室外機、 １１,３１…吹出口、 １２,３２…吸込口、 １５…ダクト、 ２１…ディフューザ、 ２５…ダクト。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 荒床（２）上に設けられた床下断熱材
   （３，３３）上にスペーサ（５，３５）を介して床材
   （４）を配置して、上記床下断熱材（３，３３）と床材
   （４）との間に床下密閉空間（６）を形成し、上記床下
   密閉空間(６）に、空気調和機に連なる吹出口（１１）と
   吸込口（１２）が開口していることを特徴とする床暖房
   装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の床暖房装置において、
   上記床下密閉空間（６）に間仕切（１５）を設けて、上
   記吹出口（１１）から吸込口（１２）に至る調和空気が
   上記床下密閉空間（６）の全体を経由するようにしたこ
   とを特徴とする床暖房装置。
3. 【請求項３】 請求項１または２に記載の床暖房装置に
   おいて、上記スペーサ（３５）は断熱材からなり、上記
   床下断熱材（３３）と一体に形成されていることを特徴
   とする床暖房装置。