JPH0526299Y2 - - Google Patents

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JPH0526299Y2
JPH0526299Y2 JP1985164780U JP16478085U JPH0526299Y2 JP H0526299 Y2 JPH0526299 Y2 JP H0526299Y2 JP 1985164780 U JP1985164780 U JP 1985164780U JP 16478085 U JP16478085 U JP 16478085U JP H0526299 Y2 JPH0526299 Y2 JP H0526299Y2
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pressure
fuel injection
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、デイーゼルエンジンに燃料を噴射供
給する燃料噴射装置に関し、特に、燃料圧力を受
けてリフトするニードル弁の該リフト量に応じて
燃料噴射用の噴孔の開口面積を変化させるピント
ル型の燃料噴射ノズルを備えたものの改良に関す
る。尚、本考案では、ピントル型の燃料噴射ノズ
ルは、ニードル弁のリフト範囲のうちニードル弁
が燃料噴孔を絞つた状態で得られるスロツトル域
が比較的広いいわゆるスロツトル型のものをも含
む。
(従来の技術) 従来、この種のピントル型燃料噴射ノズルの一
例として、例えば特開昭57−151058号公報等に開
示されているように、ニードル弁の後端側に該ニ
ードル弁と同軸上に摺動自在なプランジヤ部材を
設け、該プランジヤ部材への燃料圧力の印加によ
りニードル弁の所定リフト量以上でのリフトを抑
制して、該ニードル弁のリフト範囲のうちニード
ル弁が燃料噴孔を絞つた状態のスロツトル域を一
定時間持続させるようにすることにより、燃料噴
射率を自己制御し得るようにしたものはよく知ら
れている。
(考案が解決しようとする課題) しかし、この従来のものでは、1回の燃料噴射
期間中の前半期はスロツトル域により燃料噴射率
の低下を図り得るが、後半期には燃料圧力の増大
によるニードル弁のリフト量の増大が許容されて
燃料噴射率が通常の噴射率に増大することにな
る。このため、エンジンの低負荷時に燃料噴射率
の低下によつて燃費の向上及びノツキングの低減
化を狙つたとしても、上記噴射期間後半期の燃料
噴射率の増大により目的を有効に達成することが
できなくなる虞れがあつた。
本考案は斯かる点に鑑みてなされたもので、そ
の目的とするところは、上記説明したプランジヤ
部材を備えたピントル型の燃料噴射ノズルに対し
て、そのプランジヤ部材のニードル弁に対するリ
フトの抑制力をエンジン負荷に応じて変動する燃
料噴射ポンプの特定条件に基づいて変化させるよ
うにすることにより、プランジヤ部材を持つ燃料
噴射ノズルにおける燃料噴射率の自己制御特性を
活用しつつ、エンジンの低負荷域ではその噴射期
間の後半期での噴射率の増大を抑制して、噴射期
間の全体に亘つて低燃料噴射率を維持できるよう
にし、よつてエンジンの低負荷時の燃費の向上及
びノツキングの低減化を有効に実現できるように
することにある。
(課題を解決するための手段) 上記の目的を達成するために、本考案では、デ
イーゼルエンジンの低負荷時にポンプ室内の燃料
をリリーフして該ポンプ室内の圧力を高負荷時よ
りも低下させることにより、燃料噴射時期を遅ら
せる噴射時期制御機構を有するとともに、燃料を
吐出しかつその吐出行程の少なくとも前半部で燃
料吐出圧力特性がエンジン負荷の変化に拘らず略
一定となる特性を有する燃料噴射ポンプを備え
る。
また、上記燃料噴射ポンプの吐出燃料圧力がリ
フト方向たる後方向に作用する第1受圧面が形成
され、上記燃料噴射ポンプからの吐出燃料圧力の
作用により後方向にリフトして開弁するニードル
弁と、該ニードル弁の後端側にニードル弁と同軸
上に摺動自在に設けられ、先端がニードル弁の後
端部に対峙し、後端面に上記燃料噴射ポンプから
の吐出燃料圧力が上記リフト方向と反対方向に作
用する第2受圧面が形成されたプランジヤ部材と
を有し、該プランジヤ部材の受圧により上記ニー
ドル弁のリフト量を抑制するピントル型の燃料噴
射ノズルを備える。
そして、上記燃料噴射ノズルのプランジヤ部材
の中間部に、上記燃料噴射ポンプのポンプ室内の
圧力が上記リフト抑制方向と反対方向に作用して
ニードル弁に対するリフト抑制力を低減する第3
受圧面を設ける。
(作用) 燃料噴射ポンプの吐出燃料圧力はニードル弁の
第1受圧面に該ニードル弁をリフトさせる方向た
る後方向に作用し、またプランジヤ部材に対して
はその第2受圧面に上記ニードル弁のリフト方向
と反対方向に作用する。このポンプの吐出燃料圧
力は、燃料吐出行程の少なくとも前半部でエンジ
ン負荷の変化に拘らず略一定となる特性を有する
ので、燃料噴射ノズルに第3受圧面がない場合、
吐出燃料圧力の作用するニードル弁及びプランジ
ヤ部材については、エンジンの負荷状態の如何に
拘らず同様の動きとなり、ニードル弁のリフト特
性も一定となる。
しかし、本考案では、上記燃料噴射ノズルのプ
ランジヤ部材の中間部に、燃料噴射ポンプのポン
プ室内の圧力がリフト抑制方向と反対方向に作用
してニードル弁に対するリフト抑制力を低減する
第3受圧面が設けられているので、この第3受圧
面へポンプ室内の圧力が上記第2受圧面によるプ
ランジヤ部材のリフト抑制方向と反対方向に作用
することにより、プランジヤ部材のニードル弁に
対するリフト抑制力が変わり、エンジンの負荷に
応じて燃料噴射率を変えることができる。
すなわち、エンジンの低負荷時に、燃料噴射時
期を遅らせるために燃料噴射ポンプの噴射時期制
御機構によりポンプ室内の燃料がリリーフされて
その内圧が高負荷時よりも低下したとき、それに
伴い、そのポンプ室内の圧力が作用するノズルの
第3受圧面への圧力も低下する。一方、燃料噴射
ポンプの燃料吐出行程の少なくとも前半部で燃料
吐出圧力特性がエンジン負荷の変化に拘らず略一
定で、プランジヤ部材の第2受圧面に対する燃料
吐出圧力の作用も負荷に関係なく略一定となるの
で、上記第3受圧面への圧力が低下した分だけ、
プランジヤ部材のニードル弁に対するリフト抑制
力が増大し、ニードル弁のリフト量が抑制され
て、燃料噴射率が噴射期間の後半期を含む全体に
亘つて低下されることになる。よつてエンジンの
燃費向上やノツキングの低減化が図られる。
逆に、エンジンの高負荷時には、上記燃料噴射
ポンプのポンプ室から燃料がリリーフされず、そ
のポンプ室の内圧が上昇するので、燃料噴射ノズ
ルの第3受圧面に作用する圧力も増大して該第3
受圧面によるプランジヤ部材のリフト抑制力が低
減され、このリフト抑制力の低減によりニードル
弁のリフト量が増大して燃料噴射率が増大し、よ
つてエンジンの出力を増大確保できる。
(実施例) 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。
第2図は本考案の実施例に係る分配型燃料噴射
ポンプAを示し、1はハウジング、2は該ハウジ
ング1内に形成された燃料が貯溜される密閉状の
ポンプ室、3はエンジン(図示せず)と同期して
回転するドライブシヤフト4に取り付けられて燃
料を圧送するフイードポンプ、5は該フイードポ
ンプ3で発生した燃料圧力をエンジン回転数に比
例するように調整するレギユレーテイングバルブ
であつて、上記フイードポンプ3とレギユレーテ
イングバルブ5とにより、エンジン回転数に応じ
て変動する燃料圧力をポンプ室2内に発生するよ
うになされている。
6はハウジング1に形成したシリンダ7内を回
転しながら摺動してシリンダ7内の高圧室7aの
燃料を縦孔6aを介して燃料吐出通路8に送り出
すプランジヤであつて、該プランジヤ6の基端部
にはエンジンの気筒数に対応する数の山を有する
カム面9aが形成されたカムデイスク9が固定さ
れ、該カムデイスク9と上記ドライブシヤフト4
とはドライビングデイスク10を介して一体回転
可能に連結されている。一方、11は上記ドライ
ビングデイスク10の回りにドライブシヤフト4
と同心に相対回転可能に支持されたリング状のロ
ーラホルダであつて、該ローラホルダ11には上
記カムデイスク9のカム面9aの山数と同数のロ
ーラ12,12,……が支承保持され、該ローラ
12,12,……にはカムデイスク9のカム面9
aがプランジヤスプリング13によつて押し付け
られており、カムデイスク9がそのカム面9aを
ローラ12,12,……に当接しながら回転する
ことにより、プランジヤ6にエンジンに供給され
る燃料の吸入圧送のための往復動とエンジンの各
気筒への分配のための回転とを同時に行わせる。
そして、上記プランジヤ6のシリンダ7内での往
復動により燃料を吐出し、かつそのとき、第4図
aに示すように、その燃料吐出行程の前半部で燃
料吐出圧力特性(尚、第4図aでは燃料噴射ポン
プAから燃料を後述の燃料噴射ノズルBに供給す
る吐出管の内圧にて示している)がエンジン負荷
の変化に拘らず略一定となる特性とされている。
また、上記ハウジング1の底壁内にはシリンダ
14が形成され、該シリンダ14内にはシリンダ
14内を上記ポンプ室2に連通する加圧室14a
に区画するタイマピストン15が摺動可能に嵌装
され、該タイマピストン15は一端を上記ローラ
ホルダ11に固定せしめたレバー16の他端に連
結されており、タイマピストン15の加圧室14
aに臨む受圧面に対しポンプ室2内の燃料圧力を
作用させてタイマピストン15をタイマスプリン
グ17の付勢力に抗して移動させ、このタイマピ
ストン15の移動によりレバー16を介してロー
ラホルダ11を回動させて、ローラ12,12,
……とカムデイスク9のカム面9aとの接触位置
を相対的に変化させることにより、燃料噴射時期
をポンプ室2内の燃料圧力に応じて調整し、エン
ジンの低回転時に燃料圧力が低い場合には燃料噴
射時期を遅らせ、またエンジン回転数の上昇によ
り燃料圧力が高くなると燃料噴射時期を進ませる
ように構成されている。
18は上記プランジヤ6のポンプ室2内に突出
する部分に摺動自在に外嵌合されたコントロール
スリーブであつて、該コントロールスリーブ18
は、プランジヤ6によつて燃料が吸入加圧される
シリンダ7内の高圧室7aをプランジヤ6の上記
縦孔6aを介してポンプ室2に連通するカツトオ
フポート6b,6bを開閉制御し、コントロール
スリーブ18をプランジヤ6上で図中左方へ移動
させたときにはカツトオフポート6b,6bの開
口時期を早めて燃料噴射量を減少させ、逆に右方
へ移動させたときにはカツトオフポート6b,6
bの開口時期を遅くして燃料噴射量を増加させる
ようになされている。
また、19はアクセルペダル(図示せず)に連
動するコントロールレバーであつて、該コントロ
ールレバー19はハウジング1の上壁にコントロ
ールレバーシヤフト20を介して軸支され、該シ
ヤフト20のポンプ室2内に臨む内端部には偏心
ピン21が取り付けられ、該偏心ピン21にはガ
バナスプリング22を介してテンシヨンレバー2
3の上端部が連結され、該テンシヨンレバー23
の下端部はハウジング1に軸支せしめたコレクタ
レバー24にピン25により枢支されている。ま
た、該ピン25にはスタートレバー26がテンシ
ヨンレバー23に対して回動自在に枢支され、該
スタートレバー26の上端部には下端部がテンシ
ヨンレバー23に当接する板ばねよりなるスター
トスプリング27の上端部が固定されている一
方、下端部には上記コントロールスリーブ18に
係合するボールヘツドピン28が立設されてお
り、エンジンの負荷に応じてコントロールレバー
19の角度を変えてガバナスプリング22の張力
を変化させ、このガバナスプリング22の張力変
化によりテンシヨンレバー23を揺動させてコン
トロールスリーブ18を移動させることにより、
燃料噴射量を制御するように構成されている。
29はポンプ室2に内蔵された遠心力フライウ
エイト機構であつて、該フライウエイト機構29
は、ハウジング1に固定したガバナシヤフト30
に回転自在に支承され上記ドライブシヤフト4に
よりガバナギヤ31を介して回転駆動されるフラ
イウエイトホルダ32と、該フライウエイトホル
ダ32内に組み込まれたガバナウエイト33,3
3,……と、上記ガバナシヤフト30にスライド
可能に取り付けられたガバナスリーブ34とで構
成され、遠心力によるガバナウエイト33,3
3,……の拡張動作によつてガバナスリーブ34
をスライドさせ、該ガバナスリーブ34のスライ
ドにより上記スタートレバー26を介してコント
ロールスリーブ18の動きを制御し、燃料噴射量
をエンジン回転数に応じて調整するものである。
また、35は上記タイマピストン15による燃
料噴射時期をエンジン負荷に応じて補正制御する
噴射時期制御機構(ロードタイマ)であつて、該
噴射時期制御機構35は、上記遠心力フライウエ
イト機構29のガバナスリーブ34に形成した孔
36を介して上記ポンプ室2とフイードポンプ3
の吸入側とを連通する燃料リリーフ通路37を有
し、エンジンの低負荷時に、上記ガバナスリーブ
34の図で右方向への移動による孔36の開放に
よりリリーフ通路37を開き、該リリーフ通路3
7を介してポンプ室2内の燃料をリリーフしてポ
ンプ室2内の燃料圧力をエンジンの高負荷時より
も低下させることにより、燃料噴射時期を遅らせ
るように構成されている。
一方、第1図は上記燃料噴射ポンプAのプラン
ジヤ6により吐出圧送された燃料(吐出燃料)を
エンジンの燃焼室に噴射供給するピントル型の燃
料噴射ノズルBを示す。該ノズルBは、先端側
(図で下側)にエンジンの燃焼室に臨む燃料噴孔
51が、また後端側(同上側)に上記燃料噴射ポ
ンプAの燃料吐出通路8に接続された燃料導入口
52がそれぞれ開口するノズルボデイ50を備え
ている。該ノズルボデイ50内には後端側から先
端側に向かつて順にシリンダ53、スプリング室
54、ニードル弁支持孔55及び燃料圧力室56
が形成され、これらの空洞部は上記燃料導入口5
2及び燃料噴孔51と同軸上にかつ互いに連通す
るように設けられている。また、上記燃料導入口
52と燃料圧力室56(燃料噴孔51)とはノズ
ルボデイ50に上記の空洞部をバイパスするよう
に形成した燃料通路57によつて連通されてい
る。
上記スプリング室54から燃料噴孔51までの
空洞部内にはニードル弁58がニードル弁支持孔
55にて液密支持されて摺動自在に嵌装されてい
る。該ニードル弁58は、上記スプリング室54
内に配置されたスプリング受部58aと、ニード
ル弁支持孔55内を摺動するピストン部58b
と、ニードル弁58の中間部に形成され、上記燃
料圧力室56内の燃料圧つまり燃料噴射ポンプA
からの燃料吐出圧がニードル弁58のリフト方向
たる後方向に作用する中間受圧面58cと、上記
燃料噴孔51を開閉する弁部58dと、燃料噴孔
51内に配置されたスロツトル部58eと、上記
弁部58dの近傍であるニードル弁58先端部に
形成され、かつノズルボデイ50の先端部とその
内部のニードル弁58との間の間隙を介して上記
燃料圧力室56に連通されて、該燃料圧力室56
からの燃料圧(燃料噴射ポンプAからの燃料吐出
圧)がニードル弁58のリフト方向たる後方向に
作用する先端受圧面58fとを備えてなり、この
先端受圧面58fと上記中間受圧面58cとで本
考案の第1受圧面を構成している。また、上記ス
ロツトル部58eと燃料噴孔51の壁面との間に
は一定の間隙が形成されている。
また、上記スプリング室54内には一端を上記
ニードル弁58のスプリング受部58aに当接せ
しめて該ニードル弁58を閉弁方向(先端方向)
に付勢するノズルスプリング59が縮装されてお
り、燃料噴射ポンプAからの高圧吐出燃料が燃料
導入口52及び燃料通路57を通つて燃料圧力室
56に導入されると、該吐出燃料圧力がニードル
弁58の先端及び中間受圧面58f,58c(第
1受圧面)へ作用することで、ニードル弁58が
ノズルスプリング59の付勢力に抗して後方(図
で上方)にリフトして開弁され、燃料が燃料噴孔
51を通つてエンジンの燃焼室内に噴射され、か
つそのときにニードル弁58のリフト量に応じて
そのスロツトル部58eと燃料噴孔51壁面との
間隙の断面積が変化して、ニードル弁58のリフ
ト量と燃料噴孔51の開口面積とが第3図に示す
如く変化するように構成されている。すなわち、
ニードル弁58は、開弁後、先ずスロツトル部5
8eが燃料噴孔51内に位置して該スロツトル部
58eの燃料噴孔51の絞りにより燃料噴孔51
の開口面積が略一定に保たれるスロツトル域に入
り、次いで燃料噴孔51からのスロツトル部58
eの脱出によりニードル弁58のリフト量に比例
して燃料噴孔51の開口面積が増大する比例変化
域に移行した後、ニードル弁支持孔55上側のス
トツパ部55aへのピストン部58bの当接によ
りフルリフト位置にリフトされる。
また、上記ノズルボデイ50後部のシリンダ5
3内にはプランジヤ部材60が摺動自在に嵌挿さ
れている。該プランジヤ部材60はその先端部
(ニードル弁58側部分)に上記スプリング室5
4内に延びるロツド部60aを有し、該ロツド部
60aの先端は上記ニードル弁58のスプリング
受部58aに凹設した嵌合孔58f内に遊嵌合さ
れ、その嵌合孔58fの底面とロツド部60a先
端との間には所定の間隙dがあけられている。ま
た、上記ロツド部60aのスプリング室54内に
臨む後端には上記ノズルスプリング59の他端を
受けるスプリング受部60bが一体に設けられて
いる。よつて、プランジヤ部材60はニードル弁
58後端側にニードル弁58と同軸上に摺動自在
に配設され、該プランジヤ部材60のロツド部6
0a先端はニードル弁58の後端部たるスプリン
グ受部58aに間隙dをあけて対峙されている。
また、プランジヤ部材60の後端面には、上記燃
料導入口52に導入された燃料噴射ポンプAから
の吐出燃料圧力が上記ニードル弁58のリフト方
向と反対方向に作用する第2受圧面60dが形成
されており、このプランジヤ部材60後端の第2
受圧面60dに作用する高圧の吐出燃料圧力の受
圧により、プランジヤ部材60のロツド部60a
先端とニードル弁58のスプリング受部58aと
の間に間隙dがある状態ではノズルスプリング5
9のばね力を介して、またロツド部60a先端が
スプリング受部58aに当接した状態では直接的
にそれぞれニードル弁58のリフト量を抑制する
ように構成されている。
さらに、本考案の特徴として、上記燃料噴射ノ
ズルBのノズルボデイ50にはそのシリンダ53
の側方に該シリンダ53に連通する環状シリンダ
61がシリンダ53を取り囲むように形成され、
該環状シリンダ61内には上記プランジヤ部材6
0の中間部の外周に一体に突設した環状のピスト
ン部60cが摺動自在に嵌合され、該ピストン部
60cにより環状シリンダ61内は、プランジヤ
部材60をニードル弁58に対するリフト抑制力
を低減する方向(ニードル弁58から離れる方
向)に押圧する環状の圧力室62と、シリンダ5
3内に常時連通する連通室63とに区画されてい
る。上記圧力室62はノズルボデイ50の連通路
64及び該ノズルボデイ50に取り付けた管継手
65を介して上記燃料噴射ポンプAのポンプ室2
に連通され、上記ピストン部60cの圧力室62
側の面は、上記燃料噴射ポンプAのポンプ室2内
の圧力が上記第2受圧面60dによるプランジヤ
部材60のリフト抑制方向と反対方向に作用して
ニードル弁に対するリフト抑制力を低減する第3
受圧面60eとされている。一方、連通室63
は、上記燃料圧力室56からニードル弁58のピ
ストン部58bとニードル弁支持孔55との間の
微小間隙を通つてスプリング室54内に漏出した
リーク燃料を管継手66を介してノズルB外の燃
料タンク(図示せず)に排出するための燃料排出
通路67に連通されている。
次に、上記実施例の作動について説明するに、
基本的には、燃料噴射ポンプAから燃料が、吐出
行程の前半部で燃料吐出圧力がエンジン負荷の変
化に拘ず略一定となる特性で吐出される。このポ
ンプAから吐出された高圧燃料が燃料噴射ノズル
Bに圧送されると、該高圧燃料は、燃料噴射ノズ
ル7の燃料導入口52から燃料通路57を経て燃
料圧力室56に導入され、該燃料圧力室56に臨
むニードル弁58の中間受圧面58cを、また燃
料圧力室56に連通する先端受圧面58fをそれ
ぞれ後方向に押圧して該ニードル弁58をノズル
スプリング59の付勢力に抗してリフトさせて開
弁させ、このニードル弁58の開弁により燃料圧
力室56内の燃料が燃料噴孔51を通つてエンジ
ンの燃焼室に噴射供給される。
また、上記燃料噴射ノズルBの燃料導入口52
に導入された高圧燃料の圧力はシリンダ53内の
プランジヤ部材60後端の第2受圧面60dにも
作用してプランジヤ部材60をニードル弁58側
に押圧し、このプランジヤ部材60への燃料圧力
の印加により上記ニードル弁58のリフト動作が
制御される。
さらに、エンジンの負荷状態に応じて燃料噴射
ポンプAにおけるポンプ室2内の燃料圧力が制御
され、エンジンが高負荷域にあるときには、ポン
プ室2内の燃料はリリーフされず、その燃料圧力
が高圧に保たれて該燃料圧力に応じてタイマピス
トン15が移動制御され、燃料噴射時期が通常の
制御特性でもつて制御されるが、エンジンの低負
荷時には、遠心力フライウエイト機構29におけ
るガバナスリーブ34の孔36の開放によりポン
プ室2内の燃料がリリーフ通路37を介してリリ
ーフされて、該ポンプ室2内の燃料圧力が低下
し、このことによりタイマピストン15の移動制
御量が変化して燃料噴射時期が上記高負荷時に比
べて遅れ側に補正制御される。
そして、本実施例では、上記燃料噴射ノズルB
に、上記燃料噴射ポンプAのポンプ室2に連通す
る圧力室62が形成され、該圧力室62に臨んで
プランジヤ部材60には、燃料噴射ポンプAのポ
ンプ室2の圧力が上記ニードル弁58に対するリ
フト抑制方向と反対方向に作用することでニード
ル弁58へのリフト抑制力を低減する第3受圧面
60eが設けられているため、プランジヤ部材6
0のニードル弁58に対するリフト抑制力がエン
ジンの負荷状態に応じて変化する。
すなわち、燃料噴射ポンプAからの燃料吐出圧
力特性が吐出行程の前半部でエンジン負荷の変化
に拘らず略一定であり、この燃料吐出圧を第2受
圧面60dにて受けるプランジヤ部材60の燃料
吐出圧による作用はエンジン負荷に関係なく略一
定となるが、これに対し、エンジンの低負荷時
は、上記燃料噴射ポンプAのポンプ室2の燃料圧
力の低下に伴い、上記ノズルBの圧力室62にお
いてプランジヤ部材60の第3受圧面60eに作
用する圧力も下がるので、この低下分だけ、プラ
ンジヤ部材60のニードル弁58に対するリフト
抑制力が強くなり、プランジヤ部材60によりニ
ードル弁58のリフトが抑制されてそのリフト量
が低く保たれる。その結果、第4図bで一点鎖線
にて示すように、燃料噴射率が燃料噴射期間の前
半から後半にかけて低く抑えられ、噴射期間の後
半期でも第4図bで破線(従来例を示している)
にて示す如く燃料噴射率が増大することはなく、
よつて燃費の向上やノツキングの低減化を図るこ
とができる。
一方、エンジンが高負荷域になると、燃料噴射
ポンプAのポンプ室2の燃料圧力の上昇によりノ
ズルBの圧力室62の内圧も上昇し、プランジヤ
部材60の第3受圧面60eに作用する圧力も上
がるので、その分、プランジヤ部材60のニード
ル弁58へのリフト抑制力が低減されてニードル
弁58のリフト量が増大する。その結果、第4図
bで実線にて示すように、燃料噴射率が通常のプ
ランジヤ部材付きノズルと同様に制御されて上記
低負荷時よりも高いレベルに修正され、よつて高
負荷時のエンジン出力を確保することができる。
しかも、こうしたエンジン負荷に応じた燃料噴
射率の可変制御を、通常のプランジヤ部材付きの
ピントル型燃料噴射ノズルに対して圧力室62を
追加し、その圧力室62を燃料噴射ポンプAにお
けるポンプ室2への連通させるだけの簡単な変更
で達成することができる。
(考案の効果) 以上の如く、本考案によれば、デイーゼルエン
ジンの低負荷時にポンプ室内の燃料をリリーフし
てポンプ室内の圧力を高負荷時よりも低下させ、
かつ燃料の吐出行程の少なくとも前半部で燃料吐
出圧力特性がエンジン負荷の変化に拘らず略一定
となる特性を有する燃料噴射ポンプと、該燃料噴
射ポンプからの吐出燃料圧力をニードル弁のリフ
ト方向と反対方向に作用させてニードル弁のリフ
トを抑制するプランジヤ部材を有するピントル型
の燃料噴射ノズルとを組み合わせ、上記ノズルの
プランジヤ部材に、燃料噴射ポンプのポンプ室内
の圧力がニードル弁に対するリフト抑制方向と反
対方向に作用してニードル弁のリフト抑制力を低
減する受圧面を形成し、この受圧面を用いてプラ
ンジヤ部材のニードル弁に対するリフト抑制力を
燃料噴射ポンプにおけるポンプ室内の燃料圧力で
制御するようにしたことにより、プランジヤ部材
を有する燃料噴射ノズルの持つ燃料噴射量の自己
制御特性を有効に活かしつつ、簡単な構成で、エ
ンジンの低負荷時に噴射期間後半期の燃料噴射率
の増大を抑制して燃料噴射率の低下を確保でき、
よつてデイーゼルエンジンの低負荷時における燃
費の向上及びノツキングの低減化を有効に実現す
ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
図面は本考案の実施例を示し、第1図は燃料噴
射ノズルの縦断面図、第2図は燃料噴射ポンプの
断面図、第3図は燃料噴射ノズルのニードル弁リ
フト量に対する噴孔の開口面積の関係を示す特性
図、第4図は燃料噴射ポンプの燃料吐出圧力特性
及び燃料噴射ノズルの燃料噴射率特性を示す特性
図である。 A……燃料噴射ポンプ、2……ポンプ室、6…
…プランジヤ、7……シリンダ、7a……高圧
室、15……タイマピストン、18……コントロ
ールスリーブ、29……遠心力フライウエイト機
構、35……噴射時期制御機構、36……孔、3
7……燃料リリーフ通路、B……燃料噴射ノズ
ル、51……燃料噴孔、52……燃料導入口、5
3……シリンダ、56……燃料圧力室、58……
ニードル弁、58c……中間受圧面(第1受圧
面)、58d……弁部、58e……スロツトル部、
58f……先端受圧面(第1受圧面)、60……
プランジヤ部材、60c……ピストン部、60d
……第2受圧面、60e……第3受圧面、62…
…圧力室。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 エンジンの低負荷時にポンプ室内の燃料をリリ
    ーフして該ポンプ室内の圧力を高負荷時よりも低
    下させることにより、燃料噴射時期を遅らせる噴
    射時期制御機構を有するとともに、燃料を吐出し
    かつその吐出行程の少なくとも前半部で燃料吐出
    圧力特性がエンジン負荷の変化に拘らず略一定と
    なる特性を有する燃料噴射ポンプを備える一方、 上記燃料噴射ポンプの吐出燃料圧力がリフト方
    向たる後方向に作用する第1受圧面が形成され、
    上記燃料噴射ポンプからの吐出燃料圧力の作用に
    より後方向にリフトして開弁するニードル弁と、
    該ニードル弁の後端側にニードル弁と同軸上に摺
    動自在に設けられ、先端がニードル弁の後端部に
    対峙し、後端面に上記燃料噴射ポンプからの吐出
    燃料圧力が上記リフト方向と反対方向に作用する
    第2受圧面が形成されたプランジヤ部材とを有
    し、該プランジヤ部材の受圧により上記ニードル
    弁のリフト量を抑制するピントル型の燃焼噴射ノ
    ズルを備えてなり、 上記燃料噴射ノズルのプランジヤ部材の中間部
    には、上記燃料噴射ポンプのポンプ室内の圧力が
    上記リフト抑制方向と反対方向に作用してニード
    ル弁に対するリフト抑制力を低減する第3受圧面
    が設けられていることを特徴とするデイーゼルエ
    ンジンの燃料噴射装置。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60169634A (ja) * 1984-02-10 1985-09-03 Mazda Motor Corp ディ−ゼルエンジンの燃料噴射装置

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