JPH0525876A - 床パネル取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】高さの高い大梁１と高さの低い小梁２とで梁を
形成し、この梁の上に床パネル３を敷設する。このと
き、小梁２の上端が大梁１の上端より低く、また小梁２
の下端が大梁１の下端より低くならないように形成し、
床パネル３を小梁２の上面にのみ敷設する。床パネル３
の目地にはモルタル等を打設する。 【効果】大梁１の下端と床パネル３の上面との距離が短
くなり、下の階の天井とその上の階の床パネルとの間の
たかさを低くすることができ、床と天井の間の居住空間
を高くできる。また、同じ階層の建物であっても、建物
高さを低くでき、建築法上の斜線制限があっても所望の
階数の建物を建設できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は床パネルの取付構造に関
し、特に軽量気泡コンクリート（ＡＬＣ）等の床パネル
をＨ型鋼材で構成される梁の上に複数枚敷設して床とす
る際の床パネルの取付構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、軽量気泡コンクリート（ＡＬＣ）
等のパネルを床パネルとして使用する際には、建築躯体
の主要梁材として丈が高くて強度が強いＨ型鋼材で構成
された大梁を使用し、この大梁間にＨ型鋼材で構成され
床荷重を大梁に伝える小梁を接合して梁を構成し、その
梁の上に床パネルを複数枚敷設して床とすることが行わ
れている。そしてこのような床パネルの具体的な取付構
造としては、特開昭６２−１７４４３２号公報等に示さ
れるように、大梁に小梁取付金物を取付け、この小梁取
付金物に小梁を小梁の上端が大梁の上端とほぼ同じ高さ
になるように構成して、全ての大梁や小梁の上にも軽量
気泡コンクリートパネルを乗せてパネル床としたものが
ある。また、図１４に示したように大梁１には継手部分
に突起２１があるために、図１５に示すように、大梁１
の上面より小梁２を嵩上げして取付け、大梁１の上には
Ｃ型鋼２０を設置して小梁間を平滑にした後、図１６や
図１７に示すように全ての大梁１や小梁２の上にも軽量
気泡コンクリートパネル３を乗せてパネル床とすること
も多く実施されている。尚、図１６に示されている大梁
１は小梁２と垂直であり、図１７に示されている大梁４
は小梁２と平行である。このように大梁１と大梁４が共
に同じ高さに設けられているのは、大梁１も大梁４も共
に建物の高さ方向に設けられた鉄骨柱に垂直に取り付け
られているからである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の床パネル取付構
造では、床パネル３の下面と大梁１の下面との間の距離
があり、大梁１の下に天井が張られるので、居住空間の
床面から天井までの高さを不変とすると複数階の建物で
は一つの階層に要する高さは高くならざるをえず、複数
階の建物とするには、建物高さを高くするか、階層を減
らして建築せざるを得なかった。

【０００４】本発明は、以上の点に鑑み、下層階の天井
とその上の階の床パネル上面との高さを低くすることが
できる床パネル取付構造を提供することであり、居住空
間である床と天井との間を高くすることにも対応できる
し、また同じ階層の建物を建築する場合、建物高さを低
くできる床パネル取付構造を提供することを課題とす
る。特に、建物の高さを低くできると建築法上の斜線制
限の条件があっても所望の階数の建物を得ることができ
るため有効となる。

【０００５】

【課題を解決する為の手段】本発明は、高さの高い大梁
と高さの低い小梁とによって梁が形成され、該梁上に床
パネルが敷設されている床パネル取付構造において、前
記小梁の上端が前記大梁の上端より低くなされ、前記床
パネルの下面が前記小梁の上端に沿って敷設されている
ことを特徴とするものである。

【０００６】一般の建物では少なくともその四隅部には
大梁が存在し、その結果小梁と平行な方向にも大梁が存
在するが、この小梁と平行に存在する大梁の側面に床パ
ネル載置部材を取付け、この床パネル載置部材の上部と
隣の小梁の上部に床パネルの下面を載置して床パネルを
敷設することができる。小梁の上面と大梁の上面の距離
は、大梁の上面がおよそ床パネルの厚さの半分程度とな
るようにするのが望ましい。これは床パネルの上面が大
梁の上面よりおよそ床パネルの厚さの半分程度上にする
ことにより、床パネル間に目地鉄筋を入れてモルタルで
床パネルの相互間を固定し、床パネルが動かないように
するためである。また、小梁の下面が大梁の下面より下
に出ていると、床パネルの下面と小梁の下面との間の距
離が大きくなるので好ましくない。

【０００７】

【作用】本発明によれば、下の階の天井と床パネル上面
との間の距離を短くでき、居住空間を高くしたり、建物
の高さを低くできる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明す
る。図１は、本発明の実施例を示す図であって、２枚の
床パネルのみを示して床パネル取付構造を示した斜視図
である。図において、１は大梁、２は小梁、３は床パネ
ル、６は小梁取付金具である。大梁１は小梁２に比べ高
さ方向の距離が大きく、小梁２は大梁１の垂直面にＬ状
の小梁取付金具６によって所定の位置に接続されてい
る。図に示すように小梁２の上端は大梁１の上端よりも
下となるように取付けられており、また小梁２の下端は
大梁１の下端を超えて低くならないように取付けられて
おり、例えば図では小梁２の下端と大梁１の下端がほぼ
等しい高さとなっている。このようにして大梁と小梁で
梁が構成され、小梁２の上には床パネル３が載置され、
小梁２の間に長手方向に敷設されている。大梁１の上面
には床パネルは敷設されていない。このようにすると床
パネル取付構造の高さは、床パネルと小梁の高さの合計
のみとなるため、下の階の天井と床パネル上面との間の
距離を短くできる。

【０００９】上記のように梁の上に床パネルが敷設され
た後、床パネルの目地にモルタルを打設して、床パネル
が動かないようにする。図２はこのような構造を示す断
面図であって、大梁１に小梁２が小梁取付金具６によっ
て垂直に取付けられ、小梁２の上面に床パネル３が敷設
されており、床パネル３間は目地鉄筋１１を通してモル
タル１２が打設されている。また、大梁１の上面にもモ
ルタル１２が打設されている。

【００１０】小梁２と平行な大梁４との間に床パネルを
敷設する場合には、例えば図３、図４、図５に示すよう
に大梁４の側面に床パネル載置部材５を取付け、床パネ
ル載置部材５の上部と隣の小梁の上面との間に床パネル
が長手方向となるように敷設される。床パネル載置部材
５は図３に示すようにＬ型の鋼材５ａでも良いし、図４
に示すようにＣ型の鋼材５ｂでも良いし、図５に示すよ
うに平プレート５ｃでも良い。Ｌ型の鋼材５ａやＣ型の
鋼材５ｂを大梁４に取付けるには、板状の取付部材７を
大梁４に溶接等の手段で固定し、この取付部材７に床パ
ネル載置部材５を溶接やボルト締めによって固定すれば
よい。また、平プレート５ｃを大梁４に取付けるには、
リブ状の取付部材８を溶接等で固定し、平プレート５ｃ
を取付部材８に溶接等で固定すればよい。

【００１１】前述のように小梁２の目地や大梁４の上に
は床パネルの上面に合わせてモルタルが打設されるが、
大梁４の上端側面と床パネルの側面に隙間があれば、下
に洩れることがある。これを防止するにはモルタル洩れ
のための部材を設置し、モルタルが下に洩れないように
構成することが望ましい。モルタル洩れ防止部材として
は、ロックウールのような不定型の材料でもよいが、板
状のモルタル止め部材を溶接等の手段で固定して使用し
てもよい。

【００１２】図６、図７、図８は、それぞれ前述した小
梁と大梁が平行な場合を示す図３、図４、図５にモルタ
ル洩れ防止部材を固定した場合の断面図である。図６は
Ｌ型の鋼材５ａと大梁４の上端との間にモルタル洩れ防
止部材９ａを固定した断面図であり、図７はＣ型の鋼材
５ｂと大梁４の上端との間にモルタル洩れ防止部材９ｂ
を固定した断面図であり、図７は平プレート５ｃと大梁
４の上端との間にモルタル洩れ防止部材９ｃを固定した
断面図である。

【００１３】図９、図１０は、それぞれ前述した小梁と
大梁が直交な場合を示す図１、図２にモルタル洩れ防止
部材を固定した場合の断面図である。図９は小梁２と大
梁１の上端との間にモルタル洩れ防止部材としてＬ型の
鋼材１０ａを連続して固定した断面図であり、図１０は
モルタル洩れ防止部材としてＺ型の鋼材１０ｂを連続し
て固定した断面図である。

【００１４】図２に示したような隣接する床パネル３間
に通す目地鉄筋１１の高さを一定にするには、図１１に
示すように小梁２や小梁２に平行な大梁４の上に固定金
物１３を取付け、この固定金物１３に目地鉄筋１１が貫
通するような孔を設け、鉄筋の高さを保持するようにす
ればよい。小梁２の上に設けられた固定金物１３の拡大
図を図１２に示す。さらに、目地鉄筋１１は図１１に示
すように、端から端まで連続させることが耐震性等の理
由から好ましく、目地鉄筋１１を継ぎ足す場合は、例え
ば図１３に示すように固定金物１３の両側にナット１４
を溶接固定し、目地鉄筋１１の端部にネジを切り、目地
鉄筋１１をナット１４にねじ込んで相互に接続したり、
図１１に示すように途中に長ナット１５を配して目地鉄
筋１１を相互に接続すればよい。

【００１５】

【発明の効果】本発明によれば、下の階の天井とその上
の階の床パネル上面との距離を短くすることができ、居
住空間である床と天井との間を高くすることができる。
また、同じ階層の建物を建築する場合、建物高さを低く
することもできる。特に、建物の高さを低くできると建
築法状の斜線制限の条件があっても所望の階数の建築を
得ることができる。

【００１６】更に、小梁と平行な大梁が存在するような
鉄骨躯体の場合は、小梁と平行な大梁の側面に床パネル
載置部材を取り付けると、上記と同様の効果が達成でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の床パネル取付構造を示す図である。

【図２】図１にモルタル等を施工した断面図である。

【図３】小梁と平行な大梁の側面に床パネル載置部材が
取付けられた構造を示す図である。

【図４】小梁と平行な大梁の側面に床パネル載置部材が
取付けられた構造を示す図である。

【図５】小梁と平行な大梁の側面に床パネル載置部材が
取付けられた構造を示す図である。

【図６】図４の構造にモルタル洩れ防止部材を設置し、
モルタル等を施工した断面図である。

【図７】図５の構造にモルタル洩れ防止部材を設置し、
モルタル等を施工した断面図である。

【図８】図６の構造にモルタル洩れ防止部材を設置し、
モルタル等を施工した断面図である。

【図９】小梁と垂直な大梁にモルタル洩れ防止部材を設
置し、モルタル等を施工した断面図である。

【図１０】小梁と垂直な大梁にモルタル洩れ防止部材を
設置し、モルタル等を施工した断面図である。

【図１１】図１の構造に目地鉄筋を挿入した状態を示す
斜視図である。

【図１２】図１１の小梁上の固定金物を示す図である。

【図１３】図１１の大梁上の固定金物を示す図である。

【図１４】従来の床パネル取付構造を示す図である。

【図１５】従来の大梁と小梁の接合を示す図である。

【図１６】従来の小梁の上に敷設された床パネルを示す
断面図である。

【図１７】従来の大梁の上に敷設された床パネルを示す
断面図である。

【符号の説明】

１ 大梁（小梁に垂直） ２ 小梁 ３ 床パネル ４ 大梁（小梁に平行） ５ 床パネル載置部材 ６ 小梁取付用金具 ７ 大梁取付部材 ８ 大梁取付部材 ９ モルタル洩れ防止部材 １０ モルタル洩れ防止部材 １１ 目地鉄筋 １２ モルタル １３ 鉄筋高さ固定金物

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 高さの高い大梁と高さの低い小梁とによ
   って梁が形成され、該梁上に床パネルが敷設されている
   床パネル取付構造において、前記小梁の上端が前記大梁
   の上端より低くなされ、前記床パネルの下面が前記小梁
   の上端に沿って敷設されていることを特徴とする床パネ
   ル取付構造。