JPH0525589Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はミシンの改良された大糸掛けに関す
る。

（従来の技術と考案が解決しようとする問題点） ミシンの上糸道経路上において上糸に糸張力を
付与する上糸調子器と天秤との間に発生する糸タ
ルミを吸収する糸案内を含む大糸掛けが用いられ
ている。

従来の大糸掛けは第４図に示す如くであつてミ
シン機枠１３に固着の糸調子軸に嵌装してバネに
より糸挟持圧を発生する一対の糸調子皿２と上下
動する天秤３との間に糸取りバネ５を保持する大
糸掛け１０が配置されている。

図中１５はバネ押えであつてネジ手段により前
記大糸掛け１０に固着されている。上糸供給源か
ら引出された上糸１１は前記一対の糸調子皿２の
間に導かれて張力を付与され、前記大糸掛け１０
の下端を経由して前記天秤３に糸掛けされ針１２
の針穴に糸通しされる。

以上のように糸かけされた上糸１１は前記糸調
子皿２から前記天秤に至る糸経路上で前記糸取り
バネ５の両側に糸掛けされており天秤の上下動に
伴う糸タルミの発生をバネ５の上下動により吸収
している。

この状態において前記糸取りバネ５から前記天
秤３へ至る上糸１１ａと１１ｂとが前記天秤３か
ら前記針１２に至る上糸糸取り糸タルミの発生時
にからみ合い上糸１１ａが前記上糸１１ｂと前記
ミシン機枠１３との間にはさまれ上糸切れ等の縫
い障害が発生する。この糸がらみを防止すること
を目的とする。

（問題点を解決するための手段） 前記糸取りバネ５から前記天秤３への糸と前記
天秤３から、前記針１２への糸との糸からみを防
止するため、大糸掛けへの糸かけ操作により前記
二つの糸を分ける分糸板を設けた。

（実施例） 次に本考案の実施例を第１図から第３図に示
す。大糸掛け１は上糸道経路内の糸調子器の糸調
子皿２と、天秤３との間に位置し、大糸掛け１に
は公知の機能をなす糸取りバネ５が配置されてい
る。糸取りバネ５の作動域に対し上糸が大糸掛け
１より天秤３に至る側には分糸板６が配置されて
いる。該分糸板は大糸掛け１の開口部側より上糸
摺動部側に傾斜面７を有し、さらに下端が上方に
向かつて傾斜する傾斜部７ａを形成している傾斜
面７の先端部８は糸掛け９に対しスキ間Ｘ，Ｙを
もつて立体的に交差している。

本考案の分糸板６を有する大糸掛けに於いて
は、上糸を大糸掛け１に掛ける際には上糸が分糸
板６の傾斜面７に沿つてスムーズに糸掛け室１４
内に入り、万一入らない場合に於いても天秤３が
上糸を引き上げる時に入る。糸掛け室１４内に入
つた後に於いては分糸板６の傾斜面の先端部８と
糸掛け９とによつて、糸掛け室１４内に保持され
る。従つて大糸掛け１より天秤３に至る上糸１１
Ａと、天秤３より針１２に至る上糸１１Ｂは常に
分離される。

（効果） 以上の如く本考案の大糸掛けを使用することに
より、通常の糸かけ操作により糸案内から天秤へ
至る糸と天秤から針へ至る糸とを分離することが
でき、糸からみにより生ずる針糸の切断や縫い目
の不調などを防止することが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図から第３図は本考案の実施例に係り、第
１図は大糸掛け部分の斜視図、第２図は第１図Ａ
矢方向から見た説明図、第３図は第１図中−
断面図、第４図は従来の例の説明図であり、１は
大糸掛け、２は糸調子皿、３は天秤、５は糸取り
バネ、６は分糸板、７は傾斜面である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ミシンの上糸道経路内の糸調子器の一対の糸調
   子皿と天秤との間に配置され内部に糸取りバネを
   有する大糸掛けに於いて、前記糸取りバネの作動
   域に対し上糸が大糸掛けより天秤に至る側に分子
   板を備え、該分子板はその先端に向かつて前記大
   糸掛けの開口部側より上糸摺動部側に傾斜面を形
   成して糸掛けとで糸案内室を形成すると共に傾斜
   面の下端は糸を糸案内室に誘導するため上方に向
   かつて傾斜する傾斜部を形成していることを特徴
   とするミシンの大糸掛け。