JPH05255641A - カラーフィルター保護膜形成用組成物、カラーフィルター付き電極基板及び液晶表示素子 - Google Patents

カラーフィルター保護膜形成用組成物、カラーフィルター付き電極基板及び液晶表示素子

Info

Publication number
JPH05255641A
JPH05255641A JP4089990A JP8999092A JPH05255641A JP H05255641 A JPH05255641 A JP H05255641A JP 4089990 A JP4089990 A JP 4089990A JP 8999092 A JP8999092 A JP 8999092A JP H05255641 A JPH05255641 A JP H05255641A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
color filter
protective film
film
composition
liquid crystal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP4089990A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsuko Kaneko
敦子 金子
Tomoko Suzuki
智子 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AG Technology Co Ltd
Original Assignee
AG Technology Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by AG Technology Co Ltd filed Critical AG Technology Co Ltd
Priority to JP4089990A priority Critical patent/JPH05255641A/ja
Publication of JPH05255641A publication Critical patent/JPH05255641A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Optical Filters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】厚膜化可能できわめて高い平坦化能を有するカ
ラーフィルター保護膜形成用組成物を得る。 【構成】(a)一般式R1 xSi(OR24-x で表され
るオルガノシラン、(b)一般式R34 Si(OR
52 (式中でR3 、R4 は同一または異なる水素、フ
ェニル基または炭素数1〜10の飽和炭化水素基、R5
は有機基)で表されるオルガノシラン、(c)無機酸化
物ゾルを主原料とする組成物を硬化してカラーフィルタ
ー用保護膜とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカラーフィルター保護膜
用組成物、カラーフィルター付き電極基板およびそれを
用いた液晶表示素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子等の受光型表示素子はその
薄さ、軽さ、低消費電力などの特徴から従来表示装置の
主流を占めてきたCRT(陰極線管)に替わり得るもの
として近年目覚ましい発展を示している。この表示素子
をカラー化し、よりCRTに近い表示性能を得るために
欠くことができないものがカラーフィルターであり、こ
れまでに様々な材料や方式が提案されてきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】その代表例はゼラチン
などの高分子の薄膜を染料により染色して得られる染色
カラーフィルターであり、これまでの液晶方式の小型カ
ラーテレビなどに用いられてきている。この染色カラー
フィルターは透過率、色度の点で優れているものであっ
たが、近年液晶表示素子の大型化が進むに及んで幾つか
の欠点が指摘されている。すなわち、大面積にわたる色
度の均一性の不足、工程の複雑さからくるコスト高、あ
るいは染料を用いることによる耐熱性や耐候性の不足等
である。
【0004】こうした欠点を補うものとして、近年、様
々なカラーフィルターの製造法が提案されている。例え
ば、色素を感光性樹脂の中にあらかじめ分散させてフォ
トリソグラフィーによりパターニングしていく、いわゆ
るスラリー法、無機あるいは有機の顔料や染料を用い
て、スクリーン、オフセット、グラビア印刷等により基
板上に直接パターンを形成する印刷法などである。
【0005】しかし、これらのカラーフィルター付き基
板には、各色内または各色間で厚みむらを生じる(通常
0.1μm以上)という問題点がある。特に、上記のス
ラリー法ではパターン精度の良いカラーフィルターを形
成することが可能である一方、色間の重なりによる厚み
むらが大きい。かかる厚みむらは、このようなカラーフ
ィルター付き基板を液晶表示素子の一方の電極基板とし
て用いたとき、十分なコントラストや階調がとれないな
どの問題をひきおこす。
【0006】かかるカラーフィルターにおいては、着色
層保護等を目的として着色層の上に透明な保護膜を形成
することが多いが、このような保護膜は、同時に着色層
の平坦化の機能もある程度有する。したがって、保護膜
として平坦化機能の高いものを用いることは重要であ
る。保護膜には、いくつかの材料が提案されており、大
別して、アクリル系、ポリイミド・ポリアミド系、シリ
コーン系などが例示される。
【0007】アクリル系としては、特開昭61−171
24号公報、特開昭61−141401号公報、特開昭
62−89022号公報等に記載されているが、一般
に、上記の平坦化機能が十分でない欠点を有する上、透
明電極との密着性、およびパターニング性が十分でない
欠点を有する。すなわち、保護膜の上には透明導電膜を
形成し、フォトリソ工程・ウェットエッチング処理によ
り、微細加工(パターニング)が施されるが、この際、
十分な保護膜/透明導電膜間の付着力が得られにくく、
透明導電膜のパターニング中において、剥離が発生した
り、アンダーカットやサイドエッチが激しい等の問題が
あった。
【0008】ポリイミド・ポリアミド系としては、特開
昭60−78401号公報、特開昭61−77007号
公報等に記載されている。これは、一般に、上記の透明
電極との密着性、およびパターニング性についてはアク
リル系に比べて勝るものの、平坦化機能が極めて低い欠
点があるうえ、コストが高いことから、あまり使用され
ることがない。
【0009】さらに、シリコーン系については、特開昭
62−56902号公報、特開昭63−7883号公報
特開昭63−199318号公報、特開昭63−218
771号公報、特開平1−140186号公報等に記載
されているが、数μm以上の厚膜化が困難で、上記の平
坦化機能が十分でない。また、保護膜形成液の固形分濃
度を増加させることにより、むりに厚膜化すると、クラ
ック発生のおそれがあるうえ、形成液のポットライフが
短く、大変使用しにくいものであった。
【0010】また、保護膜表面を平坦化するための別な
試みとして、保護膜の上を研磨することが特開平1−1
93781号公報、特開平1−206304号公報など
により提案されている。
【0011】しかし、これは研磨という生産性の悪い工
程を必要とするために、コストアップの大きな要因とな
ってしまう。また、研磨により保護膜上にキズが発生し
やすいことなどの問題点をも有する。
【0012】本発明は、従来技術が有していた前述の欠
点を解消しようというものであり、着色層の平坦化能に
優れ、また電極層との密着性等がよい保護膜を設けるこ
とにより、高品質、かつ品質が安定で、高生産性、低コ
ストのカラーフィルター付き電極基板を得ることを目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の課題を
解決すべく鋭意研究を行った結果、特定の組成物を硬化
せしめた保護膜を用いることが上記課題解決に極めて有
効であることを見出すに至った。
【0014】すなわち、本発明は、下記(a)〜(c)
を主原料として混合して得られるカラーフィルター保護
膜形成用組成物である。 (a)一般式R1xSi(OR2 )4-x (式中でR1 、R
2 は同一または異なる有機基。xは0または1。)で表
されるオルガノシラン、または、このオルガノシランの
加水分解物および/または部分的縮合物 (b)一般式R3 R4 Si(OR5 )2 (式中でR3 、
R4 は同一または異なる水素、フェニル基または炭素数
1〜10の飽和炭化水素基。R5 は有機基。)で表され
るオルガノシラン、または、このオルガノシランの加水
分解物および/または部分的縮合物 (c)無機酸化物ゾル
【0015】また、基板と、該基板上に形成された着色
層と、前記組成物を硬化して前記着色層の上に形成され
た保護膜と、該保護膜上に設けられた電極層とを有する
ことを特徴とするカラーフィルター付き電極基板、並び
に前記のカラーフィルター付き電極基板を用いたことを
特徴とする液晶表示素子を提供するものである。
【0016】(a)のオルガノシランにおけるR1 は、
好ましくは炭素数1〜10の有機基であり、例えば、メ
チル基、エチル基、、n−プロピル基、i−プロピル
基、ブチル基、ビニル基、フェニル基等が挙げられる。
また、R2 は好ましくは炭素数1〜4の有機基であり、
例えば、メチル基、エチル基、、n−プロピル基、i−
プロピル基、ブチル基である。(a)のオルガノシラン
としては、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエト
キシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリ
エトキシシラン等が例示される。また、これらの3官能
オルガノシランに4官能のテトラメトキシシラン、テト
ラエトキシシラン等のオルガノシランを本発明の効果を
損しない範囲で添加してもよい。
【0017】これらのオルガノシランは加水分解するこ
とにより、その加水分解物を形成し、更に、触媒存在下
で部分縮合することにより、オルガノポリシロキサンを
生成する。
【0018】また、(b)のオルガノシランで、式中R
3 、R4 は、同一または異なる水素、フェニル基または
炭素数1〜10の飽和炭化水素基であり、例えば、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基な
どが挙げられる。また、R5は好ましくは炭素数1〜4
の有機基であり、例えば、メチル基、エチル基、、n−
プロピル基、i−プロピル基、ブチル基である。かかる
オルガノシランとしては、ジメチルジメトキシシラン、
メチルエチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシ
ラン、メチルフェニルジメトキシシラン等が例示され
る。
【0019】R3 、R4 を、同一または異なる水素、フ
ェニル基または炭素数1〜10の飽和炭化水素基とした
のは、炭素数が10より大きくなると組成物中のシリコ
ーンが大分子量となり、所望の平坦性が得られにくくな
るからである。また、側鎖に一般的な不飽和炭化水素基
を導入した場合、ビニル基の反応により架橋密度が高く
なり易く、膜にクラックが入り易くなり、耐熱性が低下
してしまうおそれがある。
【0020】また、かかるオルガノシランの加水分解物
または、部分的縮合物でも良い。この部分的縮合物とし
ては、ジメチルポリシロキサン、メチルエチルポリシロ
キサン、メチルフェニルポリシロキサンなどが例示され
る。
【0021】また、(c)の無機酸化物ゾルとしては、
シリカゾル、アルミナゾル、チタニアゾル等が例示され
る。これは、シリカ、アルミナ、チタニア等の微粒子を
メタノールやi−ブタノール、ヘキシレングリコール、
ジアセトンアルコールなどのアルコール等の溶媒に分散
したもので、粒子の粒径は、5〜50nm、好ましく
は、10〜20nmである。特に透明性等の観点から
は、シリカゾルを用いることが好ましい。
【0022】また、本発明の保護膜形成用組成物には、
塗布性向上等のため、界面活性剤を添加してもよい。
【0023】本発明の保護膜形成用組成物の各成分の混
合量は、成分(a)100重量部に対し、(b)は0.
1〜20重量部、好ましくは1〜10重量部、(c)は
3〜40重量部、好ましくは5〜30重量部程度であ
る。
【0024】成分(b)のオルガノポリシロキサンがこ
れより多いと、保護膜硬度が十分でなく、これより少な
いと、厚膜化が困難で十分な保護膜平坦性が得られない
おそれがある。また、成分(c)の無機酸化物ゾルがこ
れより少ないと、保護膜硬度が十分でなく、これより多
いと、厚膜化した際にクラック等が発生するおそれがあ
る。
【0025】さらに、この組成物はメタノールやエタノ
ール、i−ブタノール、ヘキシレングリコール、ジアセ
トンアルコール、エチルセロソルブアセテートなどの溶
剤で固形分濃度20%程度まで希釈してもよい。
【0026】最終的には硬化膜の硬度は、鉛筆硬度でH
B以上好ましくは3H以上とされることが好ましい。
【0027】保護膜の厚みは、硬化後で 1μm〜100
μm、特に2μm〜10μm程度が好ましい。これより
薄いと、平坦化性能が不足し、これより厚いと、透明性
が低下したり、クラック等を生じて強度低下の原因とな
るおそれがある。特に、厚みを3μm以上とすると着色
層上の異物の影響を受けにくくすることが可能になるた
め、きわめて好ましい。
【0028】本発明に用いられる基板としては特に限定
されない。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
エステル、ジアセテート等の有機シート、各種ガラス板
等の透明基板が例示される。基板の厚みは、目的により
選ばれ、特に限定されない。液晶表示素子用でガラス基
板を用いる場合については、0.3mm〜1.5mm程
度が通常用いられる。
【0029】本発明のカラーフィルターは、上記のスラ
リー法の他、どのような方法で形成されていても良い。
カラーフィルターのパターンも特に限定されるものでは
なく、例えばストライプパターン、モザイクパターン、
デルタパターン等のいずれでもよい。また、コントラス
トを向上させるために、パターン間にブラックマトリク
スなどの光遮蔽パターンを形成してもよく、ブラックマ
トリクスの形成も黒色クロム等の蒸着法のほか、黒色感
光性レジストをフォトリソグラフィーでパターニングし
たものでも良い。
【0030】以下、スラリー法を採用した場合につい
て、本発明に係るカラーフィルター付き電極基板の製造
方法について説明する。
【0031】まずガラス、プラスチック等の透明基板に
ブラックマトリクスと呼ばれる遮光層を形成する。この
遮光層はTFT方式の液晶素子においてはトランジスタ
の特性の保持あるいはコントラストの低下防止のために
設けられるもので、通常遮光性に優れた黒色クロム薄膜
により形成される。
【0032】またSTN(スーパーツイステッドネマチ
ック)方式の液晶素子に代表される単純マトリクス駆動
においては、もともとこれらの素子のコントラストがT
FT方式に比べて低いことや、低コスト化の追求のため
に、ブラックマトリクスは省略されたり、あるいは3原
色の重ね合わせにより形成されたり、着色レジストで形
成されることが多い。
【0033】次に、基板上に顔料等の色素と感光性樹脂
とを含む着色レジストを塗布し、さらにこの着色レジス
ト層に重ねて酸素遮断膜としてPVA(ポリビニルアル
コール)層等を塗布した後、所定のパターン形状のフォ
トマスクを介して露光を行い、その後現像により未露光
部分を除去してカラーパターンを形成する。この操作を
さらに別の色で2回繰り返し3原色のカラーフィルター
が形成される。
【0034】この上に、上記組成物からなる層を形成す
る。その方法としては、ロールコーター、エアナイフコ
ーター、ブレードコーター、ロッドコーター、バーコー
ター、スピンコーター等の各種コーターによることがで
きる。
【0035】保護膜形成用組成物層の硬化は、オーブン
やホットプレートあるいは遠赤外線ヒーターなどで加熱
することにより行われれば良い。コーターによる塗布時
に膜をパターニングして形成してもよい。このようにす
ると、カラーフィルター付き電極基板と対向する電極パ
ターン付き基板を重ねた間に液晶を封入してシールする
際に、シール部分の保護膜を選択的に除去しておくこと
ができるので、シール接着効果を向上させることが可能
となる。
【0036】次いで、保護膜の上には電極層が形成され
る。電極層は、アルミニウム、またはクロム等からな
る。また、透過型表示体においては光透過性である必要
があり、一般に酸化インジウム錫(ITO)や酸化錫等
を用いることが好ましいが、これに限られない。また、
電極層は、表示に対応してパターニングされていてもよ
いし、共通電極として用いられる場合などにはベタ電極
とされてもよい。電極層の形成方法としては、特にこれ
に限るものではないが、層厚を均一にする見地からは、
蒸着法、スパッタ法等が好ましく用いられる。
【0037】なお、本発明においては、必要に応じて電
極の上もしくは下にSiO2 、TiO2 等の絶縁膜、T
FT、MIM、薄膜ダイオード等の能動素子、位相差
膜、偏光膜、反射膜、光導電膜等が形成されていてもよ
い。
【0038】さらに、電極付基板上に、液晶表示体の場
合は、必要に応じて配向膜を形成する。これは、ポリイ
ミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール等の有機樹脂
膜をラビングしたものであってもよいし、SiO等を斜
め蒸着しても良いし、垂直配向剤を塗布したものであっ
てもよい。
【0039】さらに、液晶表示体を製造する方法につい
ては、通常用いられる方法が採用できる。すなわち、一
対の基板のうちの一方を上記カラーフィルター付き電極
基板とし、他方を適宜パターニングされた電極付基板と
し、上記基板上に必要に応じて液晶配向膜を形成し、次
いで、前記一対の基板を電極面側を相対向させて周辺部
をシールしてその内部に液晶を封入する。これにより、
鮮明度の高いカラー液晶表示体を得ることができる。
【0040】本発明のカラーフィルター付き電極基板を
用途の面からみれば、液晶ディスプレイ面、ブラウン管
表示面、撮像管の受光面等があげられる。また、特に、
厚みむらのきわめて少ないカラーフィルターが得られる
ことから、基板間隔精度の要求の厳しい液晶素子用とし
て好ましいものである。
【0041】したがって、後工程でカラーフィルターの
表面を研磨する必要がなくなることから、研磨による異
物やキズの発生がなくなることによる品質の向上の他、
カラーフィルターの製造時間の短縮、コストの低減、ク
リーン度のアップなどの効果を得ることができる。
【0042】さらに、この保護膜はITOとの透明導電
膜との付着力がよく、ITOの抵抗値もガラス基板上に
成膜したときの透明導電膜並みに低くすることができ
る。この機構は必ずしも明確ではないが、保護膜樹脂の
官能基と透明導電膜との間の結合手の化学的結合が関与
していると考えられる。
【0043】したがって、保護膜と透明導電膜との間に
SiO2 膜のような中間膜を設ける必要もなく、カラー
フィルターの製造時間の短縮やコストの低減が図れる。
【0044】
【実施例】
(実施例1)本発明に関わるカラーフィルターの製造方
法を図1(a)〜(e)を参照して説明する。
【0045】まず、透明ガラス基板1上に、感光性を有
する黒色レジスト20をスピンコ−ターで全面に塗布形
成した後、フォトマスクを用いて露光する(図1
(a))。その後、黒色レジスト層20の未露光部のみ
を溶解する溶剤で現像して、黒色の光遮閉パターン21
を形成した後、熱処理を施して樹脂を硬化させる(図1
(b))。
【0046】次に、同様にして赤色21R、緑色21
G、青色21Bの着色パターンを光遮閉パターンの間に
順次形成する(図1(c))。
【0047】この着色パターンの上に、トリエトキシメ
チルシラン10重量部とジエトキシジメチルシラン1重
量部、および平均粒径が約15μmのシリカゾル3重量
部をエタノール、イソブタノール、メタノールの混合溶
剤に溶かして30%濃度にした組成物溶液をスピンコー
ターで硬化後の保護膜3の膜厚が3μmになるように全
面に塗布した(図1(d))。その後、オーブンを用い
て200℃で10分間加熱して、該保護膜を硬化した。
【0048】次に、マグネトロンスパッタリング法で、
ITO膜40を0.25μmの厚みに成膜した(図1
(e))。 上記のITO膜上にライン形状のレジスト
(マスキング剤)を塗布した後、塩酸・塩化第二鉄系エ
ッチング剤中に浸漬して、ITO膜のパターニングを行
った。
【0049】(実施例2)実施例1の組成物で、ジエト
キシジメチルシランの量を5重量部とした組成物溶液を
用いたほかは、実施例1と同様に行った。
【0050】(比較例1)実施例1の組成物の替わり
に、アクリル系樹脂(日本合成ゴム社製 商品名「オプ
トマーSS−7235」)を用い、220℃で1時間オ
ーブンで加熱して硬化させたほかは実施例1と同様に行
った。
【0051】(比較例2)実施例1の組成物の替わり
に、実施例1で成分(b)のオルガノポリシロキサンを
含まないシリコーン系熱硬化性樹脂の20%エタノール
溶液を用い、硬化後の膜厚を1.5μmとし、220℃
で10分間オーブンで加熱して硬化させたほかは実施例
1と同様に行った。
【0052】上記実施例および比較例の方法により製造
されたカラーフィルターについて、表面粗さ計を用いて
着色層上のコート層形成前後の表面の凹凸を調べ、下記
式により定義された平坦化率δを求めて平坦化能を評価
した。
【0053】 平坦化率 δ=(1−a/b)×100 (%) (式中aはコート層形成後の表面の段差を表し、bは形
成前の段差を表す。)
【0054】また、ITO膜をパターニングした際のI
TO膜のサイドエッチング量(マスキング剤の幅よりさ
らにエッチングが進行し、細くなった量)A(μm)、
ITO膜の面抵抗値r(Ω/cm2 )もともに評価し
た。結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】表1から明らかなように、実際例の方法で
は比較例の方法よりも、着色層の表面の凹凸を大幅に改
善できることがわかる。
【0057】保護膜形成前には着色層表面の段差は、実
施例、比較例ともに1.2μmであったが、比較例の方
法ではいずれも保護膜形成後の表面の段差は0.3〜
0.5μmあり、このままでは、例えば単純マトリクス
方式の液晶表示装置に用いた場合、十分なコントラスト
や階調がとれないなどの問題が発生する。したがって、
保護膜を研磨して表面を物理的に平坦化する必要があ
る。
【0058】これに対して実施例の方法では、保護膜形
成後に表面段差が最大で0.1μmの平坦性を有する面
が形成され、表面研磨を必要とせず、高品位の液晶表示
を達成できるレベルであった。
【0059】また、ITO膜をパターニングした際のI
TO膜のサイドエッチング量も実施例のものは極めて少
なく、良好であった。また、実施例のITO膜の面抵抗
値は9〜10Ω/cm2 で、ガラスのみの上に成膜した
ITO膜の値とほぼ同じで、下地膜によるITO膜の比
抵抗値上昇がほとんど見られなかった。
【0060】(実施例3、4)実施例1、2で得られた
カラーフィルター付き電極基板を一方の基板として使用
し、もう一方の電極付き基板とともに、表面にポリイミ
ド膜をラビングして得た配向膜を形成した。液晶として
はカイラル化合物を添加した液晶ZLI2293(商品
名、メルク社製)を使用してこの基板間に挟持し、24
0度ツイストの1/240デューティ液晶表示素子を作
成した。この液晶表示素子を駆動したところ、面内の色
差が少なくコントラストや色再現性等が良好であって、
高品位のフルカラー表示ができることが確認された。
【0061】
【発明の効果】本発明の組成のカラーフィルター保護膜
形成用組成物を硬化した膜をカラーフィルターの保護膜
とすることによって、厚膜化可能で極めて高い平坦化能
を有する保護膜が得られる。
【0062】すなわち、本発明のカラーフィルター付き
基板においては、後工程でカラーフィルターの表面を研
磨する必要がなくなることから、研磨による異物やキズ
の発生がなくなることによる品質の向上の他、カラーフ
ィルターの製造時間の短縮、コストの低減、クリーン度
のアップなどの効果を得ることができる。
【0063】さらに、本発明のカラーフィルター付き電
極基板を用いることにより、面内の色差が少なくコント
ラストや色再現性等が良好であって、高品位のフルカラ
ー液晶表示素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルター付き電極基板の製造
工程を示す概略断面図
【符号の説明】
1:透明ガラス基板 21R、21G、21B:着色パターン 3:保護膜 40:ITO膜
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年9月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】すなわち、本発明は、下記(a)〜(c)
を主原料として混合して得られるカラーフィルター保護
膜形成用組成物である。 (a)一般式R1 xSi(OR24-x (式中でR1 、R
2 は同一または異なる有機基。xは0または1。)で表
されるオルガノシラン、または、このオルガノシランの
加水分解物および/または部分的縮合物 (b)一般式R34 Si(OR52 (式中でR3
4 は同一または異なる水素、フェニル基または炭素数
1〜10の飽和炭化水素基。R5 は有機基。)で表され
るオルガノシラン、または、このオルガノシランの加水
分解物および/または部分的縮合物 (c)無機酸化物ゾル
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】(a)のオルガノシランにおけるR1 は、
好ましくは炭素数1〜10の有機基であり、例えば、メ
チル基、エチル基、、n−プロピル基、i−プロピル
基、ブチル基、ビニル基、フェニル基等が挙げられる。
また、R2 は好ましくは炭素数1〜4の有機基であり、
例えば、メチル基、エチル基、、n−プロピル基、i−
プロピル基、ブチル基である。(a)のオルガノシラン
としては、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエト
キシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリ
エトキシシラン等が例示される。また、これらの3官能
オルガノシランに4官能のテトラメトキシシラン、テト
ラエトキシシラン等のオルガノシランを本発明の効果を
損しない範囲で添加してもよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】また、(b)のオルガノシランで、式中R
3 、R4 は、同一または異なる水素、フェニル基または
炭素数1〜10の飽和炭化水素基であり、例えば、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基な
どが挙げられる。また、R5は好ましくは炭素数1〜4
の有機基であり、例えば、メチル基、エチル基、、n−
プロピル基、i−プロピル基、ブチル基である。かかる
オルガノシランとしては、ジメチルジメトキシシラン、
メチルエチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシ
ラン、メチルフェニルジメトキシシラン等が例示され
る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】R3 、R4 を、同一または異なる水素、フ
ェニル基または炭素数1〜10の飽和炭化水素基とした
のは、炭素数が10より大きくなると組成物中のシリコ
ーンが大分子量となり、所望の平坦性が得られにくくな
るからである。また、側鎖に一般的な不飽和炭化水素基
を導入した場合、ビニル基の反応により架橋密度が高く
なり易く、膜にクラックが入り易くなり、耐熱性が低下
してしまうおそれがある。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】なお、本発明においては、必要に応じて電
極の上もしくは下にSiO2 、TiO2 等の絶縁膜、T
FT、MIM、薄膜ダイオード等の能動素子、位相差
膜、偏光膜、反射膜、光導電膜等が形成されていてもよ
い。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】したがって、保護膜と透明導電膜との間に
SiO2 膜のような中間膜を設ける必要もなく、カラー
フィルターの製造時間の短縮やコストの低減が図れる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正内容】
【0054】また、ITO膜をパターニングした際のI
TO膜のサイドエッチング量(マスキング剤の幅よりさ
らにエッチングが進行し、細くなった量)A(μm)、
ITO膜の面抵抗値r(Ω/cm2 )もともに評価し
た。結果を表1に示す。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正内容】
【0059】また、ITO膜をパターニングした際のI
TO膜のサイドエッチング量も実施例のものは極めて少
なく、良好であった。また、実施例のITO膜の面抵抗
値は9〜10Ω/cm2 で、ガラスのみの上に成膜した
ITO膜の値とほぼ同じで、下地膜によるITO膜の比
抵抗値上昇がほとんど見られなかった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(a)〜(c)を主原料として混合し
    て得られるカラーフィルター保護膜形成用組成物。 (a)一般式R1xSi(OR2 )4-x (式中でR1 、R
    2 は同一または異なる有機基。xは0または1。)で表
    されるオルガノシラン、または、このオルガノシランの
    加水分解物および/または部分的縮合物 (b)一般式R3 R4 Si(OR5 )2 (式中でR3 、
    R4 は同一または異なる水素、フェニル基または炭素数
    1〜10の飽和炭化水素基。R5 は有機基。)で表され
    るオルガノシラン、または、このオルガノシランの加水
    分解物および/または部分的縮合物 (c)無機酸化物ゾル
  2. 【請求項2】基板と、該基板上に形成された着色層と、
    請求項1のカラーフィルター保護膜形成用組成物を硬化
    して前記着色層の上に形成された保護膜と、該保護膜上
    に設けられた電極層とを有することを特徴とするカラー
    フィルター付き電極基板。
  3. 【請求項3】液晶パネルを構成する少なくとも一方の電
    極基板として請求項2のカラーフィルター付き電極基板
    を用いたことを特徴とする液晶表示素子。
JP4089990A 1992-03-13 1992-03-13 カラーフィルター保護膜形成用組成物、カラーフィルター付き電極基板及び液晶表示素子 Withdrawn JPH05255641A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4089990A JPH05255641A (ja) 1992-03-13 1992-03-13 カラーフィルター保護膜形成用組成物、カラーフィルター付き電極基板及び液晶表示素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4089990A JPH05255641A (ja) 1992-03-13 1992-03-13 カラーフィルター保護膜形成用組成物、カラーフィルター付き電極基板及び液晶表示素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05255641A true JPH05255641A (ja) 1993-10-05

Family

ID=13986076

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4089990A Withdrawn JPH05255641A (ja) 1992-03-13 1992-03-13 カラーフィルター保護膜形成用組成物、カラーフィルター付き電極基板及び液晶表示素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05255641A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2720329A1 (fr) * 1994-05-31 1995-12-01 Sagem Article protégé comprenant un substrat et une couche à base de gélatine et procédé de fabrication d'un tel article.
WO1997049775A1 (fr) * 1996-06-24 1997-12-31 Catalysts & Chemicals Industries Co., Ltd. Fluide de revetement pour revetement transparent, substrat comportant un revetement transparent et utilisation de ces derniers
CN1302316C (zh) * 1997-11-07 2007-02-28 罗姆和哈斯公司 用于电子显示应用的塑料基片
JP2016009698A (ja) * 2014-06-23 2016-01-18 Jsr株式会社 硬化性樹脂組成物、保護膜、液晶表示素子および固体撮像素子

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2720329A1 (fr) * 1994-05-31 1995-12-01 Sagem Article protégé comprenant un substrat et une couche à base de gélatine et procédé de fabrication d'un tel article.
WO1997049775A1 (fr) * 1996-06-24 1997-12-31 Catalysts & Chemicals Industries Co., Ltd. Fluide de revetement pour revetement transparent, substrat comportant un revetement transparent et utilisation de ces derniers
CN1302316C (zh) * 1997-11-07 2007-02-28 罗姆和哈斯公司 用于电子显示应用的塑料基片
JP2016009698A (ja) * 2014-06-23 2016-01-18 Jsr株式会社 硬化性樹脂組成物、保護膜、液晶表示素子および固体撮像素子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2739315B2 (ja) カラーフィルターおよびカラー液晶素子
US5101289A (en) Chiral smectic color display device with interval between color filters: color filter film thickness ratio of 0-5
JPH04318816A (ja) 液晶表示装置およびカラーフィルター
JPH06294907A (ja) 保護膜用組成物及びそれを用いたカラーフィルター付き基板ならびに液晶表示素子
JPH05255641A (ja) カラーフィルター保護膜形成用組成物、カラーフィルター付き電極基板及び液晶表示素子
JPH05288926A (ja) カラーフィルター保護膜形成用組成物及びカラーフィルター付き電極基板
JPH0713147A (ja) カラーフィルター基板及び液晶表示素子
JP2006003571A (ja) Ips用カラーフィルタおよび液晶表示装置
JPH08262425A (ja) カラーフィルターおよびその製造方法
JPH05181123A (ja) カラーフィルター付き電極基板及びそれを用いた液晶表示素子
JP3034669B2 (ja) 表示装置用カラーフィルター付基板の作製方法及びそれを用いた液晶表示装置
JPS6360422A (ja) 強誘電性液晶素子
JPH05100112A (ja) カラーフイルター基板および液晶素子
JPH0746161B2 (ja) カラーフィルター基板および強誘電性液晶素子
JP3248734B2 (ja) カラーフィルターおよびその製造方法
JPH06265720A (ja) カラーフィルター基板及び液晶表示素子の製造方法
JPH04181219A (ja) 強誘電性液晶素子
JPH06148414A (ja) カラーフィルター付き電極基板の製造方法及びそれを用いた液晶表示素子
JPS63191105A (ja) カラ−フイルタ−
JP2691955B2 (ja) カラーフィルター基板および液晶素子
JPH09230132A (ja) ブラックマトリックス基板の製造方法及びカラーフィルタ付き基板及び液晶表示素子
JP3027622B2 (ja) カラーフィルターの製造方法
JPH1039291A (ja) 液晶素子
JPH08248222A (ja) カラーフィルターおよびカラー液晶素子
JP2845559B2 (ja) 液晶表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19990518