JPH05249268A - 燃料集合体 - Google Patents

燃料集合体

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JPH05249268A
JPH05249268A JP4050700A JP5070092A JPH05249268A JP H05249268 A JPH05249268 A JP H05249268A JP 4050700 A JP4050700 A JP 4050700A JP 5070092 A JP5070092 A JP 5070092A JP H05249268 A JPH05249268 A JP H05249268A
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JP
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fuel
channel box
flow
bundle
tie plate
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Application number
JP4050700A
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Inventor
Shungo Sakurai
俊吾 桜井
Atsuji Hirukawa
厚治 蛭川
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】チャンネルボックスの内面に設けたフロートリ
ッパーに接続する厚い水膜を形成する複数の縦溝を刻設
し、冷却材の燃料束への供給を円滑化して、出力効果の
優れた燃料集合体を提供する。 【構成】上下部に夫々上部タイプレート5および下部タ
イプレート6を配し、上端が前記上部タイプレート5
に、また下端が下部タイプレート6に保持されて内部に
複数の燃料ペレットを充填した複数の燃料棒2と、この
燃料棒2を間隔をもって保持する複数のスペーサー21
a,21bを前記上下タイプレート間に配した燃料束23
と、この燃料束23を囲繞し冷却材流路を形成する筒状の
チャンネルボックスからなる燃料集合体において、前記
チャンネルボックス24の内面に複数の横溝からなるフロ
ートリッパー13を設けてチャンネルボックス24内面の冷
却材流を前記燃料束23に転向させると共に、チャンネル
ボックス24の下部から前記フロートリッパー13に達する
複数の縦溝25を前記燃料束外周部の燃料棒2に対応する
位置に設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、沸騰水型原子炉におけ
る冷却材流路に係り、特に燃料集合体内部における燃料
束の冷却と出力効率の向上に関する。
【0002】
【従来の技術】沸騰水型原子炉における燃料集合体は図
14の斜視図に示すように、燃料集合体1は、核燃料物質
を含む多数の燃料棒2と、1本または複数本のウォータ
ーロッド3、およびこれ等燃料棒2とウォーターロッド
3を所定の間隔をもって保持する複数のスペーサー4
と、これ等を上部タイプレート5と下部タイプレート6
に装着してなる燃料束7を、4角筒状のチャンネルボッ
クス8で包囲して構成されている。なお、前記チャンネ
ルボックス8の肉厚は上下、周方向とも均一であり、こ
のチャンネルボックス8により燃料集合体1は燃料集合
体の内部と外部に区分される。
【0003】燃料集合体1の内部では燃料棒2からの熱
伝達により冷却材である水の蒸気ボイドが発生するが、
燃料集合体1の外部では熱伝達や発熱が少ないため蒸気
ボイドは発生しない。特に沸騰水型原子炉においては、
燃料集合体1外部の冷却材は中性子の減速作用に効果的
なように水の密度が高く、蒸気ボイドが発生しないよう
にチャンネルボックス8内部の流れと外部の流れの特性
を設定している。またチャンネルボックス8の外側には
図示しない十字形の制御棒を配して、この制御棒がチャ
ンネルボックス8の滑らかな外面を案内として炉心へ円
滑に挿抜できる構造となっている。
【0004】さらに、炉心で直接蒸気ボイドを発生させ
る沸騰水型原子炉においては、燃料集合体1の出力に応
じて燃料集合体1の発生ボイド量が異なるため、燃料集
合体1の夫々にチャンネルボックス8を装着して、冷却
材流路を横方向に制限しないと2相流の燃料束7間の横
流(クロスフロー)が生じ、熱出力の大きい燃料束周囲
から熱出力の小さい燃料束へ冷却材が逃れて燃料の冷却
能力が低下する。従って、このような目的で設けられて
いるチャンネルボックス8の内側と外側の間には圧力差
が存在し、内圧の方が高くなっている。
【0005】この結果、チャンネルボックス8は熱効
果、中性子照射効果等も加わって外側に膨脹する。この
膨脹量を抑制し、制御棒の挿入を滑らかにして燃料集合
体1の剛性を確保するため、チャンネルボックス8には
中性子吸収の少ないジルコニウム合金製で、ある程度の
板厚材を使用している。従来は、このようなチャンネル
ボックス8を、板材を曲げて]形の角筒の半分を形成
し、これを2つ組み合わせて一体に溶接し、角筒にする
ことによって製作している。
【0006】図15の要部拡大縦断面図に示すようにチャ
ンネルボックス8の下端近傍では冷却材9の水が飽和温
度以下から飽和温度にまで加熱されている領域であり、
チャンネルボックス8の内部には蒸気は存在せず、冷却
材9が燃料集合体1の内部に充満している。しかしチャ
ンネルボックス8内部の軸方向の大半の領域では冷却材
流は蒸気10と水の混合物からなり、チャンネルボックス
8の内面に一層の水膜11が形成され、また各燃料棒2の
表面にも一層の水膜11が接する。なお、符号12は水滴を
示す。
【0007】この冷却材流は軸方向に上方に行くに従っ
て、燃料棒2の表面で発生した蒸気10が冷却材流の中で
占める体積が増え、燃料棒2の表面に接する水膜11の厚
さは減少する。若し、燃料棒2に接する水膜11の厚さが
過少になり、そこでの燃料棒2の発熱が大きい時は、過
熱と熱的不安定が生じる(遷移沸騰、膜沸騰が生じて冷
却不足になる)。水はまた燃料束7を囲むチャンネルボ
ックス8の内面に接する形で水膜11を形成して上方に流
れる。
【0008】しかしながら、燃料棒2と異なりチャンネ
ルボックス8は、主に中性子やγ線で加熱されるのみで
あり、その加熱量は僅かである。その結果、チャンネル
ボックス8の内面に接する水膜11は厚いままで上方に流
れて、燃料束出力、燃料束7内への冷却水量および軸方
向高さに比較的無関係である。
【0009】またチャンネルボックス8内の水平断面に
おける流れの分布の数値解析の結果では、冷却材流の速
度分布の違いからチャンネルボックス8の内面に接する
水膜11は、図16の要部拡大横断面図に示すように波打っ
ており、燃料束7の最外周の燃料棒2とチャンネルボッ
クス8の内壁との間隙の小さい部分は薄くなっている。
なお、最近の燃料集合体設計では、最大熱中性子束と最
大局所出力はチャンネルボックス8の壁に隣接する燃料
棒2において生じている。
【0010】この問題を解決するために特開昭63−2611
91号には、その要旨を図17の要部拡大縦断面図に示すよ
うに、チャンネルボックス8の上部内面に切削により斜
面型の横溝を設けてフロートリッパー13を設けることに
より、チャンネルボックス8内面壁上を上方に流れる水
膜11を、このフロートリッパー13とエッジ部13aにより
チャンネルボックス8に隣接する燃料棒2の方へ反転さ
せ、燃料束7の冷却に利用してチャンネルボックス8に
隣接する燃料棒2の遷移沸騰発生を抑制し、その結果燃
料束7全体の限界出力(燃料束内のどこかで遷移沸騰が
生じ始める燃料束の最大出力)を向上させることが開示
されている。
【0011】また上記のほか、冷却材9を積極的に燃料
束7の上部に誘導する方法として、図18の燃料集合体の
一部切断正面図で示すように、チャンネルボックス8の
内側に第2のチャンネルボックス15を2重に配設すると
共に、チャンネルボックス8と第2のチャンネルボック
ス15との間隙に流路16を形成し、第2のチャンネルボッ
クス15に開けた下部開口17と上部開口18と連通した構成
の燃料集合体19が知られている。この燃料集合体19は冷
却材を前記下部開口17から流路16を介して上部開口18に
導き、燃料集合体19の上部の燃料束7に供給するもので
ある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記燃料集合体1およ
び燃料集合体19については、下記のような課題がある。
すなわち、前記燃料集合体1では、チャンネルボックス
8の内面に生じる水膜11の厚さの周方向の分布は、チャ
ンネルボックス8の上部の最も冷却材9が要求される最
外周の燃料棒2近傍で薄く、フロートリッパー13を介し
て燃料束最外周の燃料棒の上部へ効率良く冷却材9が供
給され難いため、フロートリッパー13よる限界出力の向
上が十分でない。
【0013】またフロートリッパー13はチャンネルボッ
クス8の上部内面に斜面型に設けた横溝で形成している
が、チャンネルボックス8を燃料束7の上部から装着す
る際に、燃料束7の最外周にあるスペーサー4のサイド
バンドの突起部とフロートリッパー13のエッジ部13aが
引っかかり、燃料集合体1の組立に不都合を生じ易い。
【0014】さらに、またチャンネルボックス8は、角
筒を2分割した形の]形材を2つ溶接して製作するが、
フロートリッパー13部における溶接作業は、断面厚さが
軸方向に変化しているため溶接入熱の制御が困難で良好
な溶接がし難い。燃料集合体19においては、流路16を形
成する2重チャンネルボックスの構造と製作が複雑で、
しかも形状が大きくなるという難点があった。
【0015】本発明の目的とするところは、チャンネル
ボックスの内面に設けたフロートリッパーに接続する厚
い水膜を形成する複数の縦溝を刻設し、冷却材の燃料束
への供給を円滑化して、出力効率の優れた燃料集合体を
提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上下部に夫々上部タイプ
レートおよび下部タイプレートを配し、上端が前記上部
タイプレートに、また下端が下部タイプレートに保持さ
れて内部に複数の燃料ペレットを充填した複数の燃料棒
と、この燃料棒を間隔をもって保持する複数のスペーサ
ーを前記上下部タイプレート間に配した燃料束と、この
燃料束を囲繞し冷却材流路を形成する筒状のチャンネル
ボックスからなる燃料集合体において、前記チャンネル
ボックスの内面に複数の横溝からなるフロートリッパー
を設けてチャンネルボックス内面の冷却材流を前記燃料
束に転向させると共に、チャンネルボックスの下部から
前記フロートリッパーに達する複数の縦溝を前記燃料束
外周部の燃料棒に対応する位置に設けたことを特徴とす
る。
【0017】
【作用】チャンネルボックス内面の下部から昇流する水
膜は、燃料棒正面で水膜が薄くなり易い部位に設けた縦
溝により内面より実効的に厚くなり、従って最下段のフ
ロートリッパーに達する冷却材の供給量が増加する。こ
の結果、フロートリッパー部でチャンネルボックス内壁
から剥がれて燃料束最外周の燃料棒の方向に偏向される
水滴の量が増加して燃料棒の遷移沸騰発生を抑制し、限
界出力が向上する。
【0018】またチャンネルボックスにおいては、内面
に設けたフロートリッパーと縦溝は、組立て時の溶接部
と、スペーサーのサイドバンドの突起部と摺動する部
分、さらにチャンネルボックス下端の下部タイプレート
に摺動して嵌合する部分には設けられていないので、溶
接作業が容易で、チャンネルボックスを燃料束の上方か
ら装着する燃料集合体の組立て工程において、チャンネ
ルボックスとスペーサーの滑りが良くなり、スペーサー
の破損が生じない。
【0019】さらに、フロートリッパーの横方向端の局
所形状によってフロートリッパーが設けられていない部
分においても、隣接のフロートリッパーから冷却材が誘
導されのため、燃料束最外周の燃料棒に対する冷却効果
が均一化される。
【0020】
【実施例】本発明の一実施例を図面を参照して説明す
る。なお、上記した従来技術と同じ構成部分については
同一符号を付して詳細な説明を省略する。図1の縦断面
図に示すように燃料集合体20は、多数本の細長い燃料棒
2とウォーターロッド3を備え、この燃料棒2等は上部
タイプレート5と下部タイプレート6との間に支持され
ている。
【0021】燃料棒2は複数のスペーサー21a,21bを
貫通しており、これらのスペーサー21a,21bは中間支
持手段として燃料棒2を相隔てて保持する共に、水平方
向の振動を抑制する。各燃料棒2は、細長い管内にペレ
ット状の核***性燃料を下部端栓22aおよび上部端栓22
bで密封したものである。下部端栓22aは、下部タイプ
レート6に形成した支持穴に嵌合して支持され、上部端
栓22bには延長部が形成され上部タイプレート5に設け
た支持穴に嵌合する。
【0022】下部タイプレート6の支持穴のいくつか
(例えば、周縁にある特定位置の穴)にはネジ山が形成
され、ネジ付き下部端栓を持つ燃料棒2をネジ結合す
る。同じ燃料棒2の上部端栓22bの延長部は上部タイプ
レート5の支持穴を貫通して上部タイプレート5の上面
に突出し、図示しない保持ナットで螺合されて燃料束23
が構成される。さらに、この燃料束23の外周を薄板で角
筒状のチャンネルボックス24で包囲して燃料集合体20が
構成される。
【0023】チャンネルボックス24は、水平断面がほぼ
正方形で、上部および下部タイプレート5,6とスペー
サー21a,21bに滑りばめ構造とし、上端に溶接した片
材によりチャンネルボックス24をボルトで燃料束23に固
定する。なお、下部タイプレート6には先端片が形成さ
れており、この先端片は図示しない炉心支持板の燃料支
持金具の開口に挿入される。
【0024】さらに、チャンネルボックス24の内側に
は、図2の斜視図および図3の一部切断斜視図に示すよ
うに、燃料束23の燃料有効部(燃料棒内の燃料ペレット
が充填されている部分)に対する上部1/4乃至1/2
の区間に、複数の横溝のフロートリッパー13を設ける。
さらに、この複数のフロートリッパー13の最下段に達す
る縦溝25をチャンネルボックス24の下部から刻設し、こ
の縦溝25は幅が10mm以下で軸方向に平行に複数本設け
る。
【0025】なお、前記フロートリッパー13および縦溝
25は、チャンネルボックス24の内面に切削、放電、電
解、腐食エッチング等の加工により刻設するが、チャン
ネルボックス24を燃料束23に装着する時に、図4,5に
示すスペーサー21a,21bのサイドバンド30の突起部32
と摺動する内面部分26や、チャンネルボックス24の下端
の下部タイプレート6と摺動する内面には、フロートリ
ッパー13と縦溝25のいずれも配設せず、軸方向に平坦な
内面とする。
【0026】また縦溝25は、図4の図1におけるA−A
矢視断面図に示すように、チャンネルボックス24の内面
で、燃料棒2の正面に位置するように設けてある。この
図4に示すスペーサー21a、および図5の図1における
B−B矢視断面図に示すスペーサー21bは、いずれもフ
ェルールスペーサーの例で、燃料有効長を軸方向にほぼ
7分割して、その分割区間の上端にスペーサーを配した
例である。
【0027】この例では、燃料集合体20の上部の2相流
圧損と炉停止余裕の改善のため、下方から数えて第6、
第7のスペーサー21b,21bには8ヶ所の燃料棒2を配
置しない空所27がある。この空所27部分の燃料棒2は、
上端が第5のスペーサー21aを貫通した位置で終わって
いる部分長燃料棒28が配置されている。このスペーサー
21a,21bは燃料棒2と同数の円筒スリーブ29を格子状
に配列して、さらに、この円筒スリーブ29の束の外周を
帯状のサイドバンド30にて取り囲んだものである。
【0028】格子状に配列された円筒スリーブ29は、隣
接しているもの同士が点溶接にて接合されている。また
円筒スリーブ29の上下端部には、突起が2個ずつ設けら
れている。これらの突起は、円筒スリーブ29の一部を内
側に突出させたものである。また隣接している2個の円
筒スリーブ29に跨って連続ループバネ31が設置されてお
り、この連続ループバネ31の形状は、高さ方向の中央部
が外側に突設している。
【0029】スペーサー21a,21bのサイドバンド30の
外側にはチャンネルボックス24の内壁との距離を保ち、
またスペーサー21a,21bとチャンネルボックス24との
摺動部の役目をする突起部32がスペーサー21a,21b外
周の隅部近傍に各辺に2個ずつ設けられている。さらに
スペーサー21a,21bのサイドバンド30の上端には、一
定の間隔をおいて複数のフロータブ33を設けて構成され
ている。
【0030】次に上記構成による作用について説明す
る。原子炉の冷却材である水は、下部タイプレート6の
下部開口から燃料支持枠の開口を通って、チャンネルボ
ックス24内の冷却チャンネルに入る。冷却材は燃料棒2
と、部分長燃料棒28からの熱を受けて飽和温度に達し、
さらに蒸気ボイドが発生する。この蒸気ボイドは軸方向
に上昇するに従ってボイド量が増加する。
【0031】従って、このような2相流は、図6の要部
拡大縦断面図に示すように、燃料棒2および部分長燃料
棒28の表面とチャンネルボックス24の内面、およびウォ
ーターロッド3の表面に薄い冷却材の水膜11ができ、そ
の水膜11の厚さが発熱している燃料棒2および部分長燃
料棒28では軸方向に上方に行くに従って薄くなる。燃料
棒2、部分長燃料棒28間の空間では蒸気流の中に水滴12
が混じるような流れで、上方に行くに従って蒸気流中の
水滴12量が減る。
【0032】沸騰水型原子炉の炉心に装架された燃料棒
集合体20の相互間には、チャンネルボックス24の外側に
水ギャップを有し、ここで中性子が効率的に熱化される
ので、燃料束23の最外周近傍で熱中性子束が大きく、燃
料棒2の発熱も燃料束23の中心部のものに比較して大き
い。従って、燃料集合体20の燃料束23における燃料有効
部(燃料棒内の燃料ペレットが充填されている部分)に
対する下部1/2乃至3/4の領域で冷却材9がより多
く、最外周の燃料棒2とチャンネルボックス24の内面と
の間は、チャンネルボックス24の内面に設けた縦溝25の
表面張力によって、従来のチャンネルボックス8の平坦
な内面の場合と異なり、厚い水膜11aが形成されて流れ
る。
【0033】さらに、燃料束23内の冷却材流は軸方向に
上昇するに従って蒸気の占める体積が増加し、燃料棒
2、部分長燃料棒28の表面の水膜11が薄くなり、その傾
向が強い燃料束23の最外周の燃料棒2で、燃料棒2の冷
却が悪くなる沸騰遷移の始まる条件との余裕が小さくな
る燃料有効長の下方から1/2乃至3/4の位置におい
て、フロートリッパー13に冷却材がより多く供給され
る。また、この際にフロートリッパー13に供給される冷
却材の量は、縦溝25により厚い水膜11aとなって多く集
まり、その水滴12は燃料棒2の正面位置にて効率良く燃
料棒2に偏向される。
【0034】なお、燃料束23の下部の蒸気ボイドが少な
い領域から、燃料束23の最外周の燃料棒2とチャンネル
ボックス24の内面との間隔をチャンネルボックス24の周
方向内面全てに亘って大きくすると、冷却水の流れが燃
料束23の外周に片寄りすぎ、逆に燃料束23内部の燃料棒
2、部分長燃料棒28の冷却不足を生じたり、チャンネル
ボックス24の内面に付着した水膜11が高速の2相流によ
りはぎ取られて、チャンネルボックス24の内面と最外周
の燃料棒2との間の空間に水滴12として流れ、フロート
リッパー13に供給される水の量が増加せず、燃料棒2の
冷却に寄与しない。
【0035】従って、図7の要部拡大横断面図に示すよ
うに、縦溝25の幅はチャンネルボックス24の内面の水膜
11が2相流によってはぎ取られないように、水膜11とチ
ャンネルボックス24の内面との表面張力を利用するよう
に、縦溝25の幅を小さくすることが考えられる。例え
ば、3mm以下で1mm程度が加工と表面張力利用の兼ね合
いで望ましい。
【0036】また燃料束23の外周の燃料棒2の冷却が悪
くなる燃料上部1/4乃至1/2の部分のチャンネルボ
ックス24の内面に斜面型の溝を切ったフロートリッパー
13を形成することによって、加熱されないチャンネルボ
ックス24の内面に沿って縦溝25によって実効的に厚くな
って上昇する膜状水流は、最下段のフロートリッパー13
の横溝に流入し、その後、横溝の上のエッジ部13aで燃
料束23方向に転向され、隣合う発熱燃料棒2に向られ
る。
【0037】なお、横溝の下縁は水膜11の流れが滑らか
に流入できるようにテーパーが付いている。このテーパ
ーは流れの剥離が生じないような浅い角度とし、フロー
トリッパー13の溝の上縁エッジ部13aでチャンネルボッ
クス24の内面から剥がされた水流は水滴12となって、一
部は隣合う燃料棒2の表面に付着し、核沸騰からの遷移
と燃料棒2の加熱を防ぐ。
【0038】また最初のフロートリッパー13のエッジ部
13aで剥がれなかった水膜11は、次のフロートリッパー
13に供給される。こうして図6に示すように、上記図18
に示した従来のフロートリッパー13の下方が平滑な内面
のチャンネルボックス8の場合よりもフロートリッパー
13による最外周の燃料棒2に対する冷却効果は極めて向
上する。
【0039】さらに、燃料束23を保持しているスペーサ
ー21a,21bのサイドバンド30の上縁には、燃料束23の
内部に冷却水流を誘引するフロータブ33を設けてあるの
で、このフロータブ33により、チャンネルボックス24の
内面と燃料束23の最外周の燃料棒2との間の冷却水流
を、最外周の燃料棒2および外側から2層目の燃料棒2
と部分長燃料棒28に向ける。この結果、スペーサー21
a,21bを通過した冷却水流中の水滴12は燃料棒2と部
分長燃料棒28の表面に大量に付着して、核沸騰からの遷
移と燃料棒2および部分長燃料棒28の過熱を防ぐ。
【0040】なお、チャンネルボックス24の内面に加工
するフロートリッパー13、および縦溝25を刻設するに当
たって、チャンネルボックス24の溶接部14、およびスペ
ーサー21a,21bのサイドバンド30の突起部32と摺動す
る内面部分にはフロートリッパー13および縦溝25のいず
れも加工を施さない。
【0041】チャンネルボックス24を角筒を2分割した
形の2つの]形材を溶接して組立てる工程において、溶
接部14にフロートリッパー13および縦溝25の溝が加工さ
れていると、溶接部14における断面厚さが軸方向により
変化し、溶接入熱の制御が難しくなる。すなわち、薄い
部分では溶接部14が溶け過ぎ、ピットができたりして溶
接強度が低下したり、金属結晶粒の大きさ、相が変化し
て耐食性が低下したりする不具合が生じるが、溶接部14
における厚さ変化がないと、これ等の不具合が生じるこ
とは無く溶接が容易で堅固にできる。
【0042】さらに、燃料束23の上方からチャンネルボ
ックス24の下端開口をかぶせて、燃料集合体20に組立て
る工程において、チャンネルボックス24の内面とスペー
サー21a,21bのサイドバンド30にある突起部32との摺
動部分でチャンネルボックス24の内面が平滑であるので
滑りが良い。特にフロートリッパー13の溝は斜面型をし
ていて、下縁はテーパー付きで、上縁が垂直状のエッジ
部13aであり、このような構造でないと燃料束23の上方
からチャンネルボックス24を装着する作業においてサイ
ドバンド30の突起部32に引っかかり易い。
【0043】またチャンネルボックス24の下端内面の下
部タイプレート6と摺動する区間はチャンネルボックス
24の内面と下部タイプレート6側面との間隙からバイパ
ス領域に冷却水が流れるので、この部分の流量を抑制す
るためにも、また下端のチャンネルボックス24の肉厚が
薄くなって間隙がクリープ等によって使用中に大きくな
ることを防止するためにもチャンネルボックス24の下端
内面には縦溝25を設けない方が良い。
【0044】さらに、縦溝25を燃料集合体20の下部の非
沸騰水領域に設けたことにより、縦溝25による冷却材の
整流効果が得られて、非沸騰水領域での冷却材の乱流が
抑制され摩擦圧損が低減する。燃料集合体20の遷移沸騰
を生じない最大熱力を決めている燃料束23上部の最外周
燃料棒2の周囲への冷却材流量を増大するために、縦溝
25によってフロートリッパー13に対してより多くの水膜
流を供給する。
【0045】またスペーサー21a,21bのサイドバンド
30のフロータブ33、およびチャンネルボックス24内面の
フロートリッパー13によって、チャンネルボックス24の
内面に沿って昇流する水膜11を水滴12の形で燃料束23へ
誘引することにより、燃料束23の遷移沸騰開始と過熱を
防止し、燃料集合体20の限界出力が向上する。なお以上
は、スペーサー21a,21bの構造をフェルール型を例と
して説明したが、上記と同様の作用と効果はエッグプレ
ート型等、他の方式でも同様に得られる。
【0046】次にフロートリッパー等に係る本発明の変
形例について説明する。図8はチャンネルボックスの斜
視図で、第2の実施例を示し、図9はチャンネルボック
スの一部切断斜視図、また図10はフロートリッパーの拡
大斜視図である。図8に示すように4角筒状のチャンネ
ルボックス40の内面の上部には、複数の横溝のフロート
リッパー41を設け、その下部には多数の縦溝25が上端を
前記フロートリッパー41の最下部の横溝に接し、下端は
前記図1に示す燃料集合体の下部タイプレート6と嵌着
する部分を避けた位置まで刻設する。
【0047】またフロートリッパー41はチャンネルボッ
クス40を組立てた際の溶接部14および、このチャンネル
ボックス40内に挿入する前記図1および図4,5に示す
燃料束23のスペーサー21a,21bのサイドバンド30との
摺動部分26には設けない。従って、この近傍に隣接する
燃料棒2はチャンネルボックス40の内面からの水膜11の
はぎ取り付着は少ない。そこでフロートリッパー41の左
右端では図10において矢印で示すように、左右の外側方
向に水膜11を誘導して、はぎ取り付着を両端で増加させ
るため、斜面型の横溝の両端を外側へ斜め上方に形成し
たことを特徴としている。なお、この角度は45度以上と
する。
【0048】図11に示すチャンネルボックスの一部切断
斜視図は、第3の実施例で、4角筒状のチャンネルボッ
クス50の内面の隅部において、前記図1および図4,5
に示す燃料束23のスペーサー21a,21bのサイドバンド
30と摺動しない部分にも前記図3に示す、フロートリッ
パー13および縦溝25と同形状のフロートリッパー51およ
び縦溝52を刻設したものである。
【0049】また図12に示すチャンネルボックスの一部
切断斜視図は、第4の実施例で、チャンネルボックス60
の内面の隅部において、前記図1および図4,5に示め
す燃料束23のスペーサー21a,21bのサイドバンド30と
摺動しない部分にも、前記図9に示したフロートリッパ
ー41および縦溝25と同形状のフロートリッパー61および
縦溝62を刻設した例である。この第3、第4の実施例の
チャンネルボックス50,60においては、燃料束23の最外
周の隅部の燃料棒2においても遷移沸騰や過熱が防止さ
れる効果がある。
【0050】以上の実施例は、いずれも燃料束23が4角
筒状のチャンネルボックスに囲まれている構造の燃料集
合体の例であるが、第5の実施例として、図13の燃料集
合体の横断面図に示すように、燃料集合体70は4角筒状
の外筒71内に冷却チャンネル区画板72を設けて、燃料集
合体70の内部に十字形のウォータークロス(水ギャッ
プ)73を設け、このウォータークロス73で4つに分割さ
れた各小燃料束74に対して外筒71の内面、および冷却チ
ャンネル区画板72の小燃料束74側にフロートリッパー1
3、および図示しない縦溝を設けた構成としている。な
お、符号75は制御棒を示し、さらに小燃料束74における
図示しないスペーサーと、この配置は前記一実施例と同
じにすることにより同様の作用、効果が得られるもので
ある。
【0051】
【発明の効果】以上本発明によれば、チャンネルボック
スの内面に形成されて上方に流れる水の層を、縦溝によ
り実効的に厚さを増し、かつ整流してチャンネルボック
ス上部に設けたフロートリッパーから燃料束に対する水
滴量を効果的に増加供給して、燃料束の有効冷却に利用
し、燃料棒の遷移沸騰発生を抑制する。その結果、燃料
集合体における燃料束全体の限界出力が向上する。また
チャンネルボックス等の溶接部にはフロートリッパーを
配設しないため、チャンネルボックスの組立てが容易と
なる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施例の燃料集合体の縦断面
図。
【図2】本発明に係る一実施例のチャンネルボックスの
斜視図。
【図3】本発明に係る一実施例のチャンネルボックスの
一部切断斜視図。
【図4】図1のA−A矢視断面図。
【図5】図1のB−B矢視断面図。
【図6】本発明に係る一実施例のチャンネルボックス要
部拡大縦断面図。
【図7】本発明に係る一実施例のチャンネルボックス要
部拡大横断面図。
【図8】本発明に係る第2の実施例を示すチャンネルボ
ックスの斜視図。
【図9】本発明に係る第2の実施例を示すチャンネルボ
ックスの一部切断斜視図。
【図10】本発明に係る第2の実施例を示すフロートリ
ッパーの拡大斜視図
【図11】本発明に係る第3の実施例を示すチャンネル
ボックスの一部切断斜視図。
【図12】本発明に係る第4の実施例を示すチャンネル
ボックスの一部切断斜視図。
【図13】本発明に係る第5の実施例を示す燃料集合体
の横断面図。
【図14】従来の燃料集合体の一部切断斜視図。
【図15】従来の燃料集合体の要部拡大縦断面図。
【図16】従来のチャンネルボックスの要部拡大横断面
図。
【図17】従来のチャンネルボックスの要部拡大縦断面
図。
【図18】従来の2重チャンネルボックス式燃料集合体
の一部切断斜視図。
【符号の説明】
2…燃料棒、3…ウォーターロッド、5…上部タイプレ
ート、6…下部タイプレート、10…蒸気ボイド、11…水
膜、11a…厚い水膜、12…水滴、13,41,51,61…フロ
ートリッパー、13a…エッジ部、14…溶接部、20,70…
燃料集合体、21a,21b…スペーサー、23…燃料束、2
4,40,50,60…チャンネルボックス、25,52,62…縦
溝、26…摺動部、27…空所、28…部分長燃料棒、29…円
筒スリーブ、30…サイドバンド、31…連続ループバネ、
32…サイドバンドの突起部、33…サイドバンドのフロー
タブ、71…外筒、72…冷却チャンネル区画板、73…ウォ
ータークロス、74…小燃料束。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下部に夫々上部タイプレートおよび下
    部タイプレートを配し、上端が前記上部タイプレート
    に、また下端が下部タイプレートに保持されて内部に複
    数の燃料ペレットを充填した複数の燃料棒と、この燃料
    棒を間隔をもって保持する複数のスペーサーを前記上下
    部タイプレート間に配した燃料束と、この燃料束を囲繞
    し冷却材流路を形成する筒状のチャンネルボックスから
    なる燃料集合体において、前記チャンネルボックスの内
    面に複数の横溝からなるフロートリッパーを設けてチャ
    ンネルボックス内面の冷却材流を前記燃料束に転向させ
    ると共に、チャンネルボックスの下部から前記フロート
    リッパーに達する複数の縦溝を前記燃料束外周部の燃料
    棒に対応する位置に設けたことを特徴とする燃料集合
    体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111613350A (zh) * 2020-06-04 2020-09-01 中国核动力研究设计院 一种可增强燃料元件间导热的压水堆燃料组件
JP2020530898A (ja) * 2018-04-13 2020-10-29 ジョイント ストック カンパニー “ステート サイエンティフィック センター オブ ザ ロシアン フェデレーション − インスティテュート フォー フィジックス アンド パワー エンジニアリング ネームド アフター エー・アイ リピンスキー” 原子炉の原子炉心

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