JPH0524915U - 自動車用排気装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 触媒コンバータを装備した排気装置を、その
基本形を維持して触媒コンバータを装備しない他の排気
系に転用できるようにする。 【構成】 エキゾーストマニホールド４に触媒コンバー
タ用ケース２の一端を結合すると共に、該ケース２の他
端を排気管５を介してマフラに接続し、かつ前記ケース
２とエキゾーストマニホールド４との結合面に１個また
は複数個の孔20aを仕切板20を介装し、ケース２をマフ
ラの膨張室として機能させて消音効果が低下するのを防
止する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車用排気装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

近年、自動車の排気ガス対策として触媒コンバータを装備した排気装置が多用 されている。図５は、このような排気装置を示したもので、図中、１で示す触媒 コンバータは、その一端がエキゾーストマニホールド４に結合されると共に、そ の他端が排気管５を介してマフラ６に接続されている。触媒コンバータ１は、ケ ース２内に触媒３を収納して成っており、この触媒コンバータ１内の触媒３によ り排気ガス中に含まれる炭化水素、一酸化炭素、窒素酸化物等が浄化されるよう になっている。

【０００３】 ところで、排気ガス対策としては、上記触媒コンバータ１による方式の他に、 エンジン自体の特性を改良する、いわゆるエンジンモディフィケーションや排気 ガスの一部をエンジン吸気系に再循環させる、いわゆる排気ガス再循環装置によ る方式（ＥＧＲ）などがあり、それぞれの視点で自動車の排気系に用いられてい る。一方、自動車の製造においては、生産設備の集約、製品管理、コストダウン 等の観点から部品または装置の共通化を図ることが行なわれており、排気装置に ついてもその共通化が重要な課題となっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかるに、上記触媒コンバータ１を装備した排気装置において、その触媒３特 にモノリス触媒は消音効果を有しており、このためマフラ６としては小型のもの の使用で足りるようになっている。したがって、いまこの触媒コンバータ１を装 備した排気装置を、触媒コンバータを必要としない他の排気系に転用しようとす ると、当然のこととしてケース２内から触媒３を抜き取るため、消音効果が不足 してしまうこととなり、この場合、別途マフラ６を大型のものに変更するとか、 排気管５に他のマフラを付加設置するとこかの消音対策が必要で、その基本形を 維持しての転用は不能になる。

【０００５】 本考案は、上記背景に鑑みてなされたもので、触媒コンバータを装備した基本 形を維持して他の排気系に転用しても所望の消音効果を得ることができる自動車 用排気装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案は、エキゾーストマニホールドに触媒コンバ ータ用ケースの一端を結合すると共に、該ケースの他端を排気管を介してマフラ に接続し、かつ前記ケースと前記エキゾーストマニホールドとの結合面に１個ま たは複数個の孔を有する仕切板を介装するように構成したことを特徴とする。

【０００７】 また本考案は、上記仕切板の介装に代えて前記ケース内に触媒無担持のハニカ ム構造体または吸音材を収納するようにしても良いものである。

【０００８】

【作用】

上記のように構成した自動車用排気装置において、ケースとエキゾーストマニ ホールドとの結合面に孔を有する仕切板を介装した場合には、ケース内がマフラ の膨張室として機能して消音効果を生じる。また、ケース内に触媒無担持のハニ カム構造体を収納した場合には消音機能部材としてのハニカム構造体自体の存在 により、ケース内に吸音材を収納した場合には吸音材の吸音によりそれぞれ消音 効果を生じるようになる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を添付図面にもとづいて説明する。

【００１０】 図１および図２は、本考案の第１実施例を示したものである。なお、全体構造 （基本形状）は前出の図５に示したものと同じであるので、こゝでは要部のみを 示しかつ図５に示した部分と同じ部分には同一符号を付すこととする。本第１実 施例において、触媒コンバータ用のケース２は、大径の本体部１１とこの本体部 １１に連設された小径の出口部１２とから成っており、本体部１１と出口部１２ の開口端にはそれぞれフランジ１１ａ，１２ａが設けられている。ケース２は、 その本体部１１のフランジ１１ａをエキゾーストマニホールド４のフランジ４ａ に合わせて、ボルト１３とナット１４とによりエキゾーストマニホールド４に一 体化結合されている。しかして、ケース２とエキゾーストマニホールド４との結 合部には多数の小孔１５ａを有する多孔仕切板１５が一対のガスケット１６にサ ンドイッチ状に挟まれた状態で介装されている。一方、ケース２の内部には前記 した触媒３（図５参照）の代わりに環状の吸音材１７が収納され、ケース２の内 周面に嵌合保持されている。この吸音材１７は高周波（２ＫＨｚ以上）の音を吸 収できる材料から成るもので、焼結によって形成されている。なお、ケース２の 出口部１２には、そのフランジ１２ａを利用して排気管５が接続される。また多 孔仕切板１５の外周にはボルト１３の挿通するボルト挿通孔１５ｂが設けられて いる。

【００１１】 上記のように構成した自動車用排気装置においては、エキゾーストマニホール ド４からの排気ガスが多孔仕切板１５の小孔１５ａを通過してケース内に流入し 急激に膨張することとなり、ケース２内が丁度マフラの膨張室として機能して消 音効果を生じる。また、これと同時にケース２内の吸音材１７にも音が吸収され 、しかも、機械音の発生源に近いマニホールド直下で消音するので、消音はより 効果的に行なわれる。この結果、触媒コンバータ１を装備した排気装置（図５） を、そのマフラ６に何らの変更も加えることなくその基本形を維持して触媒コン バータを必要としない他の排気系に転用しても、消音効果が低下することはなく なり、したがって排気装置の共用化が可能になる。

【００１２】 図３および図４は、本考案の第２実施例を示したものである。本第２実施例の 特徴とするところは、上記多孔仕切板１５に代えて比較的大きな複数（こゝでは ２個）の孔２０，２０ｂを有する仕切板２０をケース２とエキゾーストマニホー ルド４との結合部に介装した点にある。仕切板２０の各孔２０ａ，２０ｂは、こ ゝではバーリング加工により形成され、かつその開口面積の総和がエキゾースト マニホールド４の流路断面積より小さくなるようにそれぞれの孔径ｄ_１，ｄ_２が 設定されている。かゝる構成により、ケース２内がマフラの膨張室として機能し 、上記第１実施例と同様にて消音効果を生じるようになる。なお、この仕切板２ ０に設ける孔は１つでも良い。

【００１３】 なお、上記２つの実施例において、仕切板１５，２０と吸音材１７とを併せ持 つ構成としたが、本考案は仕切板１５，２０と吸音材１７との何れか一方を設け る構成としても良いものである。また、本考案は上記２つの実施例における仕切 板１５，２０と吸音材１７の使用を省略して、ケース２内に触媒無担持のハニカ ム構造体を収納しても良いもので、この場合は、ハニカム構造体自体が有する消 音機能により所望の消音効果を生じるものとなる。さらに、上記第２実施例にお いて、その仕切板２０に２つの孔２０ａ，２０ｂを設けたが、この孔は１個でも 、あるいは３個以上であっても良い。

【００１４】

【考案の効果】

以上、詳細に説明したように、本考案にかゝる自動車用排気装置によれば、触 媒コンバータのケースを消音器として機能させるようにしたので、触媒コンバー タを装備した基本形を維持して他の排気系に転用することが可能になり、自動車 の生産性の向上や生産コストの低減に大きく寄与する効果を奏した。また、音の 発生源の近くに消音器が配置されるので、消音効果に著しく優れた排気装置を実 現できる効果を奏した。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかゝる自動車用排気装置の第１実施例
を示す要部断面図である。

【図２】本第１実施例で用いる多孔仕切板の平面図であ
る。

【図３】本排気装置の第２実施例を示す要部断面図であ
る。

【図４】本第２実施例で用いる仕切板の平面図である。

【図５】触媒コンバータを装備した排気装置の全体構造
を示す断面図である。

【符号の説明】

２ 触媒コンバータ用ケース ４ エキゾーストマニホールド ５ 排気管 ６ マフラ １５ 多孔仕切板 １５ａ小孔 １７ 吸音材 ２０ 仕切板 ２０ａ孔

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 エキゾーストマニホールドに触媒コンバ
   ータ用ケースの一端を結合すると共に、該ケースの他端
   を排気管を介してマフラに接続し、かつ前記ケースと前
   記エキゾーストマニホールドとの結合面に１個または複
   数個の孔を有する仕切板を介装したことを特徴とする自
   動車用排気装置。
2. 【請求項２】 エキゾーストマニホールドに触媒コンバ
   ータ用ケースの一端を結合すると共に、該ケースの他端
   を排気管を介してマフラに接続し、かつ前記ケース内に
   触媒無担持のハニカム構造体を収納したことを特徴とす
   る自動車用排気装置。
3. 【請求項３】 請求項２に記載の自動車用排気装置にお
   いて、ハニカム構造体に代えて吸音材をケース内に収納
   したことを特徴とする自動車用排気装置。