JPH05247022A - 新規フタリドおよびフタリドを有効成分とする脳機能改善剤 - Google Patents

新規フタリドおよびフタリドを有効成分とする脳機能改善剤

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JPH05247022A
JPH05247022A JP19364591A JP19364591A JPH05247022A JP H05247022 A JPH05247022 A JP H05247022A JP 19364591 A JP19364591 A JP 19364591A JP 19364591 A JP19364591 A JP 19364591A JP H05247022 A JPH05247022 A JP H05247022A
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JP
Japan
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formula
phthalide
compound
hexane
max
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Pending
Application number
JP19364591A
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English (en)
Inventor
Takashi Naito
崇 内藤
Yukinobu Iketani
幸信 池谷
Takuji Yamaguchi
琢児 山口
Hiroshi Mihashi
博 三橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tsumura and Co
Original Assignee
Tsumura and Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】たとえば一般式Iで表わされるフタリド、
たとえば一般式Vで表わされるフタリドを有効成分とす
る脳機能改善剤。 〔式Iにおいて式中ROHのときROHであり、ROHのときROHである。また式Vにおいては、R11はHそしてR
12はn−ブチルであるか、R11とR12が一緒にな
って=CH−(CH−CHをあらわす。R13
はOHまたはブチリル基、R14はOHまたはClを示
す。〕 【効果】上記フタリド類はコリンアセチルトランスフェ
ラーゼ賦活活性を有することから、アルツハイマー病お
よびアルツハイマー型痴呆症の治療等の脳機能改善剤と
して、また重症筋無力症の治療薬、胃腸機能改善剤等の
医薬として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コリンアセチルトラン
スフェラーゼ(CAT)賦活作用を有し、脳機能改善剤等の
医薬として有用なフタリドに関するものである。
【0002】
【従来の技術および課題】アセチルコリンは、コリンと
アセチル補酵素A(以下、アセチルCo Aと称する。)から
コリン・アセチルトランスフェラーゼにより合成される
コリン作動性神経繊維の伝達物質であり、種々の生体反
応に関与している極めて重要な生体内物質である。この
アセチルコリンは、諸疾患の発症に関与している。例え
ば、自己免疫疾患である重症筋無力症は、骨格筋のアセ
チルコリン受容体が減少しており、シナプス間隙アセチ
ルコリン量を増加することにより症状が緩解する。
【0003】また、アルツハイマー病およびアルツハイ
マー型痴呆症の患者においては、大脳皮質中のアセチル
コリンの減少が認められており、脳内のアセチルコリン
量を増加することにより症状が改善するといわれてい
る。
【0004】さらにアセチルコリンは、胃液の分泌を刺
激し、胃腸管の運動を亢進するため、消化管でのアセチ
ルコリン量を増加させれば、低下した胃腸機能は緩解す
る。
【0005】従って、生体組織でのアセチルコリン濃度
を高める方法が諸疾患の治療法として有望視されてい
る。
【0006】アセチルコリンは生体内のあらゆる組織中
で合成されるものであり、現在、組織中のアセチルコリ
ン濃度を高めるために、以下に示す方法が用いられてい
る。
【0007】アセチルコリンの原料となるコリンの前
駆物質を与え、アセチルコリンの生合成を促進する。
【0008】コリンアセチルトランスフェラーゼ活性
を賦活し、アセチルコリンの生合成を促進する。
【0009】アセチルコリンの分解酵素であるコリン
エステラーゼの酵素活性を阻害して分解を抑制する。
【0010】しかし、に関しては、優れた薬効を有す
る薬剤はなく、コリンアセチルトランスフェラーゼ活性
を賦活する薬剤の開発が望まれていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、コリンア
セチルトランスフェラーゼ活性を賦活する薬剤を開発す
べく鋭意検討を行った結果、セリ科の植物であり、中枢
抑制作用、筋弛緩作用、抗血栓作用等を有し、漢方薬で
ある温経湯、葛根湯加川きゅう辛夷等に配剤されている
生薬川きゅう、その原植物であるセンキュウまたはその
他同属植物に含まれるフタリド類にその作用があること
を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち本発明は、以下に示すごとくであ
る。 (1)下記式I で表されるフタリド。
【0012】(2)下記式II で表されるフタリド。
【0013】(3)下記式III で表されるフタリド。
【0014】(4)下記式IV [式中R3は水素原子または水酸基を示し、R4を示すか、またはR3およびR4が一緒になって、 を示す。また、R5とR10、R6とR7、R8とR9の組み合せの
うち、少なくとも一組が一緒になって結合し、かつ結合
しないR5からR10はすべて水素原子であるか、R5とR6、R
7とR8、R9とR10の組み合せのうち、少なくとも一組が一
緒になって結合し、かつ結合しないR5からR10はすべて
水素原子であるか、R5からR10まですべて水素原子であ
る。]で表されるフタリドを有効成分とする脳機能改善
剤。
【0015】(5)下記式V (式中、R11が水素原子のとき、R12を示すか、R11およびR12が一緒になって を示す。また、R13は水酸基またはブチリル基を示し、R
14は水酸基または塩素原子を示す。)で表されるフタリ
ドを有効成分とする脳機能改善剤。
【0016】(6)下記式VI (式中、R15が水素原子のとき、R16を示すか、R15およびR16が一緒になって を示す。またR17は水酸基またはメトキシル基を示す。)
で表されるフタリドを有効成分とする脳機能改善剤。
【0017】以下、式I、IIおよびIIIで表される化合物
をまとめて本発明のフタリド、式IV、VおよびVIで表さ
れる化合物をまとめて式の化合物という。
【0018】式の化合物は例えば以下のようにして得る
ことができる。
【0019】すなわち、生薬川きゅう、その原植物であ
るセンキュウまたはその他同属植物を、ヘキサン、ジエ
チルエーテル、石油エーテル、酢酸エチル、クロロホル
ム、アセトン、メタノール、エタノール、水より選ばれ
る少なくとも一つの溶媒で抽出し、得られた抽出液から
溶媒を除去して得た残渣を、ヘキサン、ジエチルエーテ
ル、石油エーテル、酢酸エチル、クロロホルム、アセト
ン、メタノール、エタノール、アセトニトリル、テトラ
ヒドロフラン、水より選ばれる少なくとも一つの溶媒を
溶出溶媒として、ダイヤイオンHP-20、MCIゲルCHP20Pな
どのポーラスポリマー、セファデックスLH-20などのセ
ファデックス、逆相系シリカゲル、シリカゲル、ポリア
ミド、セルロースまたはセライト等を担体に用いたカラ
ムクロマトグラフィーまたは高速液体クロマトグラフィ
ー(HPLC)に1回または数回付し、薄層クロマトグラフィ
ーまたは高速液体クロマトグラフィーで目的成分を確認
しながら分画することにより、式の化合物を得ることが
できる。
【0020】さらに必要に応じて、トリストリフェニル
ホスフィンロジウムクロリド、パラジウム-炭素、ラネ
ーニッケル、酸化白金、ルテニウム-炭素等を用いて還
元することによっても式の化合物を得ることができる。
【0021】また、アセトン、n-ヘキサン、酢酸エチ
ル、石油エーテル等の適当な溶媒を用いて、再結晶を行
ってもよい。
【0022】式の化合物の製造の具体例を、以下に示
す。
【0023】具体例1 唐川きゅう10kgを細切し、メタノール36lで2回、加熱抽
出した。この操作を6回繰り返し、総量で55.8kgの唐川
きゅうを抽出した。得られたメタノール抽出エキスをク
ロロホルム-メタノール-水(3:2:1)の混合溶媒で分配
し、クロロホルム画分3.33kgを得、さらにn-ヘキサン-
メタノール-水(10:5:1)で3回分配し、メタノール層をま
とめ、溶媒を留去して残渣1.35kgを得た。この残渣をセ
ライト6kgに吸着させたのち、n-ヘキサン48l、ベンゼン
45l、メタノール28lで順次溶出し、各々n-ヘキサン溶出
部905g、ベンゼン溶出部414g、メタノール溶出部125gに
分画した。
【0024】ベンゼン溶出部301gをシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーに付し、クロロホルム-メタノールを
溶出溶媒として、順次比率を変え、1-1から1-16フラク
ションに分画した。
【0025】このフラクションのうち、1-7フラクショ
ン[クロロホルム-メタノール(25:1)溶出部]の溶媒を留
去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー[クロロホ
ルム-メタノール(20:1)]に付したのち、さらにシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー[クロロホルム-アセトン(3
0:1)]によって精製し、無色プリズム晶0.99gを得た。
【0026】この無色プリズム晶は、下記に示す理化学
的性質を有することから、文献[M.Kobayashi,M.Fujita
and H.Mitsuhashi,Chem.Pharm.Bull.,35,1427(198
7)]記載の、6,7-シス-3-ブチリデン-4,5-ジヒドロ-6,7-
ジヒドロキシフタリド(6,7-cis-3-Butylidene-4,5-dihy
dro-6,7-dihydroxyphthalide)であると確認された。
【0027】 性状:無色プリズム晶(エーテルより再結晶) 融点:92〜93°C 比旋光度(C=1.07,CHCl3):[α]28 D=0° 紫外線吸収スペクトル[λ max nm(log ε),EtOH]:27
4(4.29) 赤外線吸収スペクトル(IR,ν max cm-1,KBr):3360,17
68,1680,1640,998,796 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in CDCl3):
0.95(3H,t,J=7.4Hz),1.50(2H,sext,J=7.4Hz),1.79〜1.8
5(1H,m),2.10〜2.17(1H,m),2.36(2H,dt,J=7.9,7.4Hz),
2.36〜2.42(1H,m),2.62〜2.69(1H,m),4.06(1H,ddd,J=2.
5,3.9,7.9Hz),4.61(1H,d,J=3.9Hz),5.31(1H,t,J=7.9Hz) マススペクトル(EI-MS)m/z(%):224(M+,33),206(4),180
(100),165(20),151(49),138(16),123(21),95(36),55(6
3)
【0028】具体例2 具体例1で得られた1-10フラクション[クロロホルム-メ
タノール(25:1)溶出部]の溶媒を留去し、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー[クロロホルム-ジエチルエーテ
ル(1:1,1:2)→クロロホルム-メタノール(1:1)]に付した
のち、クロロホルム-ジエチルエーテル(1:1)で溶出され
た画分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[n-ヘキ
サン-アセトン(3:1)]で精製し、無色油状物質1.06gを得
た。
【0029】この無色油状物質は、下記に示した理化学
的性質を有することから、文献[M.Kobayashi,M.Fujita
and H.Mitsuhashi,Chem.Pharm.Bull.,35,1427(198
7)]記載の、6,7-トランス-3-ブチリデン-4,5-ジヒドロ-
6,7-ジヒドロキシフタリド(6,7-trans-3-Butylidene-4,
5-dihydro-6,7-dihydroxyphthalide)であることが確認
された。
【0030】比旋光度(C=1.07,CHCl3):[α]23 D=0° 紫外線吸収スペクトル[λ max nm(log ε),EtOH]:27
4(4.33) 赤外線吸収スペクトル(IR,ν max cm-1,neat):3392,1
758,1746,1680,1640,1024,798 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in CDCl3):
0.95(3H,t,J=7.4Hz),1.49(2H,sext,J=7.4Hz),1.85〜1.9
3(1H,m),2.07〜2.12(1H,m),2.35(2H,dt,J=7.9,7.4Hz),
2.45 〜2.60(2H,m),3.35(2H,br s),3.96(1H,ddd,J=3.
3,5.8,9.2Hz),4.49(1H,d,J=5.8Hz),5.28(1H,t,J=7.9Hz) マススペクトル(EI-MS)m/z(%):224(M+,25),206(3),180
(100),165(20),151(44),138(18),123(15),95(28),55(6
3)
【0031】具体例3 具体例1で得られた1-3および1-4フラクション[クロロホ
ルム溶出部およびクロロホルム-メタノール(50:1)溶出
部]の溶媒を留去し、残渣35.75gを得た。これを再度シ
リカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n-ヘキサン
-酢酸エチル(3:1,1:1)を溶出溶媒として、2-1から2-11
フラクションに分画した。
【0032】2-4フラクション[n-ヘキサン-酢酸エチル
(3:1)溶出部]の溶媒を留去し、アセトン-n-ヘキサン系
の混合溶媒で結晶化し、無色鱗片状晶0.31gを得た。
【0033】この無色鱗片状晶は、下記に示した理化学
的性質を有することから、文献[Peking Institute of
Pharmaceutical Industries,Yao Hsueh Hsueh Pa
o,14,670(1979)]記載の、(3S)-3-ブチル-4-ヒドロキシ
フタリド[(3S)-3-Butyl-4-hydroxyphthalide]であると
確認された。
【0034】 性状:無色鱗片状晶(アセトン-n-ヘキサンより再結晶) 融点:198.5〜199°C 比旋光度(C=0.89,CHCl3):[α]27 D=-132.48° 紫外線吸収スペクトル[λ max nm(log ε),EtOH]:21
2(4.60),237(3.88),296(3.65) 赤外線吸収スペクトル(IR,ν max cm-1,KBr):3224,17
22,1614,1500,1470,1292,1094,946,746 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in acetone-
d6):0.89(3H,t,J=7.2Hz),1.28〜1.44(4H,m),1.72〜1.80
(1H,m),2.28〜2.35(1H,m),5.56(1H,dd,J=3.1,7.8Hz),7.
18(1H,dd,J=0.8,7.9Hz),7.31(1H,dd,J=0.8,7.9Hz),7.41
(1H,t,J=7.9Hz),9.31(1H,br s) マススペクトル(EI-MS)m/z(%):206(M+,9),188(5),149(1
00),121(17),93(8),65(9)
【0035】具体例4 具体例3における、アセトン-n-ヘキサン系の混合溶媒で
結晶化した際のろ液部について、クロロホルム-n-ヘキ
サン-ジエチルエーテル(30:10:1)、クロロホルム、n-ヘ
キサン-酢酸エチル(5:1)を溶出溶媒として用いたシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーを繰り返し、2種類の無
色プリズム晶[無色プリズム晶C(化合物Cという)0.11g、
無色プリズム晶D(化合物Dという)0.24g]、無色油状物質
0.32g(化合物Eという)および無色針状晶30mgをそれぞれ
得た。
【0036】化合物Cは、下記に示す理化学的性質を有
することから、文献[M.Kobayashi,M.Fujita and H.Mi
tsuhashi,Chem.Pharm.Bull.,35,1427 (1987)]記載の、
3-ブチリデン-4-ヒドロキシフタリド(3-Butylidene-4-h
ydroxyphthalide)であると確認された。
【0037】 性状:無色プリズム晶(アセトン-n-ヘキサンより再結晶) 融点:175〜176°C 紫外線吸収スペクトル[λ max nm(log ε),EtOH]:22
4(4.40),258(4.16),332(3.95) 赤外線吸収スペクトル(IR,ν max cm-1,neat):3240,1
738,1686,1610,1498,1468,1304,1102,1002,748 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in aceton-d
6):0.99(3H,t,J=7.4Hz),1.57(2H,sext,J=7.4Hz),2.43(2
H,dt,J=7.9,7.4Hz),5.99(1H,t,J=7.9Hz),7.25(1H,dd,J=
0.9,7.7Hz),7.37(1H,dd,J=0.9,7.7Hz),7.42(1H,t,J=7.7
Hz),9.78(1H,br s) マススペクトル(EI-MS)m/z(%):204(M+,28),175(100),16
2(23),147(28),119(11),91(14)
【0038】化合物Dは、下記に示す理化学的性質を有
することから、文献[M.Kobayashi,M.Fujita and H.Mi
tsuhashi,Chem.Pharm.Bull.,35,1427(1987)]記載の、3-
ブチリデン-5-ヒドロキシフタリド(3-Butylidene-5-hyd
roxyphthalide)であると確認された。
【0039】性状:無色プリズム晶(酢酸エチル-n-ヘキ
サンより再結晶) 融点:133〜134°C 紫外線吸収スペクトル[λ max nm(log ε),EtOH]:22
8(4.13),256(4.54) 赤外線吸収スペクトル(IR,ν max cm-1,KBr):3244,17
54,1684,1622,1594,1462,1316,1108.860,834 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in aceton-d
6):0.98(3H,t,J=7.4Hz),1.55(2H,sext,J=7.4Hz),2.39(2
H,dt,J=7.8,7.4Hz),5.74(1H,t,J=7.8Hz),7.07(1H,dd,J=
2.1,8.4Hz),7.21(1H,dd,J=0.5,2.1Hz),7.71(1H,dd,J=0.
5,8.4Hz),9.57(1H,br s) マススペクトル(EI-MS)m/z(%):204(M+,25),175(100),16
2(63),147(46),119(20),91(15)
【0040】化合物Eは、下記に示す理化学的性質を有
することから、文献[M.Kobayashi,M.Fujita and H.Mi
tsuhashi,Chem.Pharm.Bull.,35,1427(1987)]記載の、3-
ブチリル-4,5-ジヒドロ-3-ヒドロキシフタリド(3-Butyr
yl-4,5-dihydro-3-hydroxyphthalide)であると確認され
た。
【0041】比旋光度(C=1.00,CHCl3):[α]27 D=0° 紫外線吸収スペクトル[λ max nm(log ε),EtOH]:20
1(3.87),290(3.24) 赤外線吸収スペクトル(IR,ν max cm-1,neat):3400,1
778,1700,1686,1604,1278,1056,702 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in pyridine
-d5+D2O):0.83(3H,t,J=7.3Hz),1.62(2H,sext,J=7.3Hz),
2.24(2H,ddt,J=2.0,4.6,9.5Hz),2.63(2H,t,J=9.5Hz),2.
71(2H,t,J=7.3Hz),6.02(1H,dt,J=4.6,9.5Hz),6.41(1H,b
r d,J=9.5Hz) マススペクトル(EI-MS)m/z(%):222(M+,1),204(5),151(6
4),134(81),106(50),105(48),79(57),77(66),43(100)
【0042】具体例5 具体例3で得られた2-5および2-6フラクション[n-ヘキサ
ン-酢酸エチル(3:1)溶出部]の溶媒を留去し、n-ヘキサ
ン-酢酸エチル溶出部2.87gを得た。
【0043】n-ヘキサン-酢酸エチル溶出部を、n-ヘキ
サン-アセトン(6:1)、ベンゼン-アセトン(30:1)および
ベンゼン-酢酸エチル(10:1)を溶出溶媒として用いたシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーを繰り返すことによ
り、3種類の無色油状物質(化合物F 0.54g、化合物G
0.2g、化合物H 28mg)を得た。
【0044】これらの無色油状物質のうち、化合物F
は、下記に示す理化学的性質を有することから、文献
[M.Kobayashi,M.Fujita and H.Mitsuhashi,Chem.Phar
m.Bull.,35,1427(1987)]記載の、3-ブチル-4,5-ジヒド
ロ-3-ヒドロキシフタリド(3-Butyl-4,5-dihydro-3-hydr
oxyphthalide)であると確認された。
【0045】比旋光度(C=0.88,CHCl3):[α]27 D=0° 紫外線吸収スペクトル[λ max nm(log ε),EtOH]:20
2(3.84),283(3.41) 赤外線吸収スペクトル(IR,ν max cm-1,neat):3364,1
740,1668,1606,1278,1068,698 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in pyridine
-d5+D2O):0.80(3H,t,J=7.3Hz),1.27(2H,sext,J=7.3Hz),
1.40( 2H,br quint,J=7.3Hz),2.15(2H,br s),2.36(2
H,ddt,J=2.1,4.2,10.0Hz),2.60(2H,br t,J=10.0Hz),5.
91(1H,dt,J=4.2,9.6Hz),6.32(1H,dt,J=2.1,9.6Hz) マススペクトル(EI-MS)m/z(%):208(M+6),190(37),161(5
4),151(100),148(50),123(67),105(39),79(5 0),77(4
7)
【0046】化合物Gは、下記に示した理化学的性質を
有することから、文献[M.Kobayashiand H.Mitsuhashi,
Chem.Pharm.Bull.,35,4789(1987)]記載の、6,7-トラン
ス-3-ブチリデン-6-ブチリル-4,5-ジヒドロ-7-ヒドロキ
シフタリド(6,7-trans-3-Butylidene-6-butyryl-4,5-di
hydro-7-hydroxyphthalide)であると確認された。
【0047】比旋光度(C=0.96,CHCl3):[α]25 D=0° 紫外線吸収スペクトル[λ max nm(log ε),EtOH]:20
0(4.04),275(4.28) 赤外線吸収スペクトル(IR,ν max cm-1,neat):3476,1
766,1710,1680,1640,1274,1030,798 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in CDCl3):
0.93(3H,t,J=7.4Hz),0.95(3H,t,J=7.4Hz),1.50(2H,sex
t,J=7.4z),1.64(2H,sext,J=7.4Hz),1.77 〜1.87(1H,
m),2.04 〜2.09(1Hm),2.36(2H,dt,J=7.9,7.4Hz),2.46
〜2.53(2H,m),2.58(2H,t,J=7.4Hz),2.81(1H,ddd,J=3.3,
8.0,11.4Hz),4.91(1H,d,J=8.0Hz),5.26(1H,t,J=7.9Hz) マススペクトル(EI-MS)m/z(%):278(M+,23),260(65),231
(36),217(100),207(88),190(41),175(88),161(28),148
(23),71(50),43(72)
【0048】化合物Hは、下記に示した理化学的性質を
有することから、文献[M.Kobayashiand H.Mitsuhashi,
Chem.Pharm.Bull.,35,4789(1987)]記載の、6,7-シス-3-
ブチリデン-7-クロロ-4,5-ジヒドロ-6-ヒドロキシフタ
リド(6,7-cis-3-Butylidene-7-chloro-4,5-dihydro-6-h
ydroxyphthalide)であると確認された。
【0049】比旋光度(C=1.00,CHCl3):[α]25 D=0° 紫外線吸収スペクトル[λ max nm(log ε),EtOH]:20
1(3.55),277(4.21) 赤外線吸収スペクトル(IR,ν max cm-1,neat):3456,1
766,1678,1634,1242,1090,1042,798,762 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in CDCl3):
0.96(3H,t,J=7.4Hz),1.51(2H,sext,J=7.4Hz),2.00〜2.0
6(1H,m),2.15〜2.21(1H,m),2.38(2H,dt,J=7.9,7.4Hz),
2.50〜2.55(1H,m),2.63〜2.71(1H,m),4.34(1H,ddd,J=2.
1,3.3,5.3Hz),4.63(1H,J=3.3Hz),5.36(1H,t,J=7.9Hz) マススペクトル(EI-MS)m/z(%):244(M+,22),242(M+,64),
213(35),206(67),200(58),177(42),169(79),164(65),13
5(90),55(100)
【0050】具体例6 具体例3で得られた2-7および2-8フラクション[n-ヘキサ
ン-酢酸エチル(1:1)溶出部]の溶媒を留去し、n-ヘキサ
ン-酢酸エチル溶出部6.36gを得た。
【0051】このn-ヘキサン-酢酸エチル溶出部を、さ
らにn-ヘキサン-アセトン(7:1)を溶出溶媒として用いた
シリカゲルカラムクロマトグラフィーを繰り返すことに
より、無色油状物質0.83gを得た。この無色油状物質
は、下記に示す理化学的性質を有することから、文献
[M.Kobayashi,M.Fujita and H.Mitsuhashi,Chem.Phar
m.Bull.,35,1427(1987)]記載の、3-ブチリデン-4,5-ジ
ヒドロ-9-ヒドロキシフタリド(3-Butylidene-4,5-dihyd
ro-9-hydroxyphthalide)であると確認された。
【0052】比旋光度(C=1.10,CHCl3):[α]25 D=0° 紫外線吸収スペクトル[λ max nm(log ε),EtOH]:20
6(4.01),284(3.80),299(3.79),322(3.88) 赤外線吸収スペクトル(IR,ν max cm-1,neat):3420,1
766,1670,1628,1590,1276,1048,964,708 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in CDCl3):
0.97(3H,t,J=7.5Hz),1.59〜1.68(1H,m),1.68〜1.77(1H,
m),2.46〜2.52(2H,m),2.59 〜2.63(2H,m),4.68(1H,br
s),4.74(1H,dt,J=6.5,8.4Hz),5.22(1H,d,J=8.4Hz),6.
06(1H,dt,J=4.3,9.7Hz),6.28(1H,dt,J=2.1,9.7Hz) マススペクトル(EI-MS)m/z(%):206(M+,7),188(100),177
(65),149(64),117(93),105(55),91(60),77(78)
【0053】具体例7 具体例6でn-ヘキサン-酢酸エチル溶出部を分離した後、
さらにn-ヘキサン-ジエチルエーテル(3:2)を溶出溶媒と
して用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーを繰り
返すことにより得られた混合物0.26gを、HPLC[メタノー
ル-水(1:1)]で再度分離を行うことにより、無色針状晶
0.12gおよび無色油状物質17mgを得た。
【0054】このうち無色針状晶は、下記に示す理化学
的性質を有することから、文献[M.Kobayashi,M.Fujita
and H.Mitsuhashi,Chem.Pharm.Bull.,35,1427(198
7)]記載の、(Z)-3-ブチリデン-9-ヒドロキシフタリド
[(Z)-3-Butylidene-9-hydroxyphthalide]であると確認
された。
【0055】 性状:無色針状晶(酢酸エチル-n-ヘキサンより再結晶) 融点:88〜88.5°C 比旋光度(C=0.98,CHCl3):[α]26 D=0° 紫外線吸収スペクトル[λ max nm(log ε),EtOH]:21
2(4.17),216(4.18),235(4.23),259(4.24),269(4.11),30
8(3.74) 赤外線吸収スペクトル(IR,ν max cm-1,KBr):3516,17
70,1692,1612,1478,1464,1280,1060,1008,766 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in CDCl3):
1.00(3H,t,J=7.5Hz),1.65〜1.74(1H,m),1.75〜1.82(1H,
m),2.08(1H,br s),4.86(1H,dt,J=8.5,6.9Hz),5.65(1H,
d,J=8.5Hz),7.56(1H,dt,J=1.0,7.8Hz),7.67(1H,dt,J=7.
8,1.0Hz),7.71(1H,dt,J=1.0,7.8Hz),7.91(1H,dt,J=7.8,
1.0Hz) マススペクトル(EI-MS)m/z(%):204(M+,3),186(93),175
(21),158(52),129(73),115(74),104(44),76(65),43(10
0)
【0056】具体例8 具体例1で分画したn-ヘキサン溶出部99.7gをシリカゲル
カラムクロマトグラフィーに付し、n-ヘキサン-酢酸エ
チルを溶出溶媒とし、順次比率を変え、3-1から3-16フ
ラクションに分画した。
【0057】3-3および3-4フラクション[n-ヘキサン-酢
酸エチル(15:1)溶出部]について、さらにn-ヘキサン-ア
セトン(50:1)を溶出溶媒として用いたシリカゲルカラム
クロマトグラフィーに付すことにより、無色油状物質0.
37gを得た。
【0058】この無色油状物質は、下記に示した理化学
的性質を有することから、文献[山岸喬、金島弘恭、薬
学雑誌,97,237(1977)]記載のブチリデンフタライド(But
ylidenephthalide)であると確認された。
【0059】紫外線吸収スペクトル[λ max nm(log
ε),EtOH]:211(4.06),217(4.06),236(4.15),261(4.17),
271(4.04),312(3.70) 赤外線吸収スペクトル(IR,ν max cm-1,neat):1778,1
688,1614,1474,1272,1068,760 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in CDCl3):
0.99(3H,t,J=7.3Hz),1.56(2H,sext,J=7.3Hz),2.46(2H,d
t,J=7.8,7.3Hz),5.64(1H,t,J=7.8Hz),7.50(1H,dt,J=1.
0,7.8Hz),7.64(1H,dt,J=7.8,1.0Hz),7.67(1H,dt,J=1.0,
7.8Hz),7.88(1H,dt,J=7.8,1.0Hz) マススペクトル(EI-MS)m/z(%):188(M+,22),159(100),14
6(37),131(22),103(17)
【0060】具体例9 具体例8で得られた3-5フラクション[n-ヘキサン-酢酸エ
チル(15:1)溶出部]について、さらにn-ヘキサン-酢酸エ
チル(40:1)を溶出溶媒として用いたシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーに付すことにより、無色油状物質0.74
gを得た。
【0061】この無色油状物質は、下記に示した理化学
的性質を有することから、文献[山岸喬、金島弘恭、薬
学雑誌,97,237(1977)]記載のリグスチリド(Ligustilid
e)であると確認された。
【0062】紫外線吸収スペクトル[λ max nm(log
ε),EtOH]:204(4.12),273(3.88),285(3.90),298(3.91),
323(4.02) 赤外線吸収スペクトル(IR,ν max cm-1,neat):1768,1
668,1626,1588,11270,1052,704 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in CDCl3):
0.96(3H,t,J=7.3Hz),1.51(2H,sext,J=7.3Hz),2.38(2H,d
t,J=7.8,7.3Hz),2.43〜2.49(2H,m),2.56 〜2.63(2H,
m),5.22(1H,t,J=7.8Hz),6.00(1H,dt,J=9.8,4.4Hz),6.29
(1H,dt,J=9.8,2.0Hz) マススペクトル(EI-MS)m/z(%):190(M+,64),161(100),14
8(95),133(18),106(42)
【0063】具体例10 具体例8で得られた3-8フラクション[n-ヘキサン-酢酸エ
チル(7:1)溶出部]について、さらにn-ヘキサン-酢酸エ
チル(10:1)およびベンゼンを溶出溶媒として用いたシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーを繰り返すことによ
り、無色油状物質0.50gを得た。
【0064】この無色油状物質は、下記に示した理化学
的性質を有することから、文献[山岸喬、金島弘恭、薬
学雑誌,97,237(1977)]記載のブチルフタリド(Butylphth
alide)であると確認された。
【0065】比旋光度(C=1.01,CHCl3):[α]26 D=-64.9° 紫外線吸収スペクトル[λ max nm(log ε),EtOH]:20
3(4.46),227(4.00),274(3.30),281(3.29) 赤外線吸収スペクトル(IR,ν max cm-1,neat):1762,1
616,1600,1468,1286,1062,742 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in CDCl3):
0.91(3H,t,J=7.3Hz),1.31〜1.54(4H,m),1.72 〜1.82(1
H,m),2.01〜2.09(1H,m),5.48(1H,dd,J=4.4,7.8Hz),7.44
(1H,d,J=7.3Hz),7.52(1H,t,J=7.3Hz),7.67(1H,t,J=7.3H
z),7.90(1H,d,J=7.3Hz) マススペクトル(EI-MS)m/z(%):190(M+,7),133(100),105
(30),77(8)
【0066】具体例11具体例8で得られた3-10フラクシ
ョン[n-ヘキサン-酢酸エチル(3:1)溶出部]について、さ
らにn-ヘキサン-酢酸エチル(10:1)およびベンゼン-酢酸
エチル(100:1)を溶出溶媒として用いたシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーを繰り返すことにより、無色油状
物質1.84gを得た。
【0067】この無色油状物質は、下記に示した理化学
的性質を有することから、文献[山岸喬、金島弘恭、薬
学雑誌,97,237(1977)]記載のセンキュノリド(Senkyunol
ide)であると確認された。
【0068】比旋光度(C=1.64,CHCl3):[α]24 D=-128.3
° 紫外線吸収スペクトル[λ max nm(log ε),EtOH]:20
2(4.00),279(3.56) 赤外線吸収スペクトル(IR,ν max cm-1,neat):1756,1
658,1608,1274,1044,714 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in CDCl3):
0.89(3H,t,J=7.3Hz),1.31〜1.44(4H,m),1.48〜1.57(1H,
m),1.83〜1.90(1H,m),2.44〜2.48(4H,m),4.91(1H,dd,J=
3.7,7.8Hz),5.90(1H,dt,J=9.8,4.4Hz),6.18(1H,dt,J=9.
8,2.0Hz) マススペクトル(EI-MS)m/z(%):192(M+,27),135(4),107
(100),79(17)
【0069】具体例12 具体例1におけるn-ヘキサン溶出部703.5gをシリカゲル
カラムクロマトグラフィーに付し、n-ヘキサン-酢酸エ
チルを溶出溶媒とし、順次比率を変え、4-1から4-12フ
ラクションに分画した。
【0070】4-3から4-7フラクションをn-ヘキサン-酢
酸エチル(10:1)、ベンゼン-酢酸エチル(100:1)、n-ヘキ
サン-ジエチルエーテル(5:1)、を溶出溶媒として用いた
シリカゲルカラムクロマトグラフィーを繰り返すことに
より、無色葉状晶I(化合物Iという)1.65gおよび無色油
状物質J(化合物Jという)0.61gをそれぞれ得た。
【0071】化合物Iは、下記に示した理化学的性質を
有することから、文献[H.Mitsuhsshiand T.Muramatsu,
Tetrahedron,20,1971(1964)]記載のネオクニジリド(neo
cnidilide)であると確認された。
【0072】性状:無色葉状晶(n-ヘキサンより再結晶) 融点:30.0〜31.0°C 比旋光度(C=1.03,CHCl3):[α]D=-81.0° 紫外線吸収スペクトル[λ max nm(log ε),EtOH]:21
8(4.07) 赤外線吸収スペクトル(IR,ν max cm-1,neat):1764,1
682,1226,1024,724 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in CDCl3):
0.93(3H,t,J=7.2Hz),1.13〜1.21(1H,m),1.32〜1.45(3H,
m),1.49〜1.56(2H,m),1.71〜1.82(2H,m),1.91〜1.96(1
H,m),2.06(1H,ddt,J=12.3,5.3,3.5Hz),2.15〜2.24(1H,
m),2.35(1H,dddt,J=20.3,6.4,1.3,3.8Hz),2.46〜2.53(1
H,m),3.96(1H,ddd,J=8.9,7.5,5.1Hz),6.77(1H,dt,J=3.
3,3.8Hz) マススペクトル(EI-MS)m/z(%):194(M+,2),137(4),108(1
00),80(26),79(30)
【0072】化合物Jは、下記に示した理化学的性質を
有することから、文献[H.Mitsuhsshiand T.Muramatsu,
Tetrahedron,20,1971(1964)]記載のクニジリド(cnidili
de)であると確認された。
【0073】比旋光度(C=1.00,CHCl3):[α]D=-143.0° 赤外線吸収スペクトル(IR,ν max cm-1,neat):1770,1
656,1176,1126,698 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in CDCl3):
0.93(3H,t,J=7.3Hz),1.26〜1.35(1H,m),1.36〜1.43(3H,
m),1.46〜1.53(1H,m),1.55〜1.61(1H,m),1.72〜1.80(2
H,m),1.95〜2.02(1H,m),2.11〜2.17(1H,m),2.46〜2.52
(1H,m),3.16(1H,ddd,J=9.4,4.6,2.5Hz),4.43(1H,dt,J=
8.5,5.1Hz),5.87(1H,ddd,J=9.9,4.6,3.2Hz),5.95(1H,dd
t,J=9.9,5.8,2.5Hz) マススペクトル (EI-MS)m/z(%):150(M+-CO2,28),107(12),94(49),93(4
6),80(53),79(100) (FAB-MS)m/z(%):195([M+H]+)
【0074】具体例13 具体例11で得たセンキュノリド0.511gをベンゼン50mlに
溶解し、反応系を水素で置換したのち、トリストリフェ
ニルホスフィンロジウムクロリド0.0298gを加え、室温
で27.5時間撹拌し、水素を吸収させた。反応終了後、ト
リストリフェニルホスフィンロジウムクロリドを除去し
たのち、溶媒を留去し、得られた残渣をn-ヘキサン-酢
酸エチル(10:1)を溶出溶媒として用いたシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーに付すことにより、無色油状物質
0.476gを得た。
【0075】この無色油状物質は、下記に示した理化学
的性質を有することから、文献A.Tanaka,H.Suzuki and
K.Yamashita,Agric.Bio.Chem.,53,2253(1989)記載
の、(3S)-3-ブチル-4,5,6,7-テトラヒドロフタリド[(3
S)-3-Butyl-4,5,6,7-tetrahydrophthalide]であると確
認された。
【0076】比旋光度(C=1.02,CHCl3):[α]D=-37.7° 紫外線吸収スペクトル[λ max nm(log ε),EtOH]:21
8(4.05) 赤外線吸収スペクトル(IR,ν max cm-1,neat):2936,2
864,1756,1680,1028 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in CDCl3):
0.91(3H,t,7.1Hz),1.29〜1.41(4H,m),1.41〜1.52(1H,
m),1.64〜1.79(4H,m),1.81〜1.88(1H,m),2.19〜2.25(4
H,m),4.78〜4.79(1H,m) マススペクトル(EI-MS)m/z(%):194(M+,19),165(5),137
(25),109(100),81(39)
【0077】具体例14 5%パラジウム-炭素0.0296gを酢酸エチル20mlに懸濁さ
せ、水素を吸着させたのち、酢酸エチル10mlに溶解した
具体例12で得た化合物J(クニジライド)0.307gを加え、
室温で40分間撹拌し、理論量の水素を吸収させた。反応
終了後、5%パラジウム-炭素を除去したのち、溶媒を留
去した。得られた残渣を石油エーテルから結晶化させる
ことにより、無色針状晶0.252gを得た。
【0078】この無色針状晶は、下記に示した理化学的
性質を有することから、文献H.Mitsuhsshi and T.Mur
amatsu,Tetrahedron,20,1971(1964)記載の、(3S,3aS,7a
R)-3-ブチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロフタリド[(3
S,3aS,7aR)-3-Butyl-3a,4,5,6,7,7a-hexahydrophthalid
e]であると確認された。
【0079】 性状:無色針状晶(石油エーテルより再結晶) 融点:46.5〜47.5°C 比旋光度(C=1.03,CHCl3):[α]D=-16.7° 赤外線吸収スペクトル(IR,ν max cm-1,CHCl3):2940,
2860,1766,1178,1132 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in CDCl3):
0.91(3H,t,J=7.3Hz),1.07〜1.19(3H,m),1.30〜1.40(3H,
m),1.44〜1.56(3H,m),1.60〜1.68(2H,m),1.69〜1.76(2
H,m),2.16〜2.20(1H,m),2.29〜2.34(1H,m),2.72(1H,br
t,J=6.4Hz),4.23(1H,ddd,J=8.3,5.6,4.2Hz) マススペクトル(EI-MS)m/z(%):196(M+,1),152(17),139
(20),109(22),96(86),82(100),81(87),67(86)
【0080】具体例15 触媒量のラネーニッケルを酢酸エチル30mlに懸濁させ、
水素を吸着させたのち、酢酸エチル20mlに溶解した具体
例12で得た化合物I(ネオクニジリド)0.500gを加え、室
温で1時間撹拌し、水素を吸収させた。反応終了後、ラ
ネーニッケルを除去したのち、溶媒を留去した。得られ
た残渣をn-ヘキサン-酢酸エチル(15:1)を溶出溶媒とし
て用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付すこ
とにより、無色板状晶0.318gを得た。
【0081】この無色板状晶は、下記に示した理化学的
性質を有することから、文献H.Suzuki,A.Tanaka and
K.Yamashita,Agric.Bio.Chem.,51,3369(1987)記載の、
(3S,3aR,7aS)-3-ブチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロフ
タリド[(3S,3aR,7aS)-3-Butyl-3a,4,5,6,7,7a-hexahydr
ophthalide]であると確認した。
【0082】 性状:無色板状晶(石油エーテルより再結晶) 融点:45.0〜45.5°C 比旋光度(C=1.03,CHCl3):[α]D=-8.47° 赤外線吸収スペクトル(IR,ν max cm-1,KBr):2936,28
56,1764,1162,1128 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in CDCl3):
0.91(3H,t,J=7.2Hz),1.23〜1.41(5H,m),1.42〜1.70(7H,
m),1.77〜1.82(1H,m),1.94〜2.00(1H,m),2.16〜2.21(1
H,m),2.69(1H,brdt,J=5.2,6.7Hz),4.23(1H,ddd,J=8.3,
5.3,3.1Hz) マススペクトル(EI-MS)m/z(%):196(M+,7),139(100),111
(27),96(30),93(40),81(35),67(48)
【0083】次に式の化合物が、コリンアセチルトラン
スフェラーゼ賦活作用を有し、脳機能改善剤等の医薬と
して有用であることについて、実験例を挙げて説明す
る。
【0084】実験例 8週齢のウイスター系雄性ラットをエーテル麻酔下に致
死させ、直ちに脳を摘出し、線条体を取り出した。線条
体は、25mMナトリウム-リン酸緩衝液(pH7.4)にてホモジ
ナイズし、20,000×gで60分間遠心した。その上清をコ
リンアセチルトランスフェラーゼ活性測定の検体とし
た。また、以上の操作はすべて4°Cで行い、検体は-20
°Cで保存した。
【0085】コリンアセチルトランスフェラーゼ活性の
測定は、金田、永津らの方法[J.Choromatogra.,341,23-
30(1985)]により行った。すなわち、50mMコリン50、2mM
アセチルCoA50μl、1mMエゼリン50μl、および0.1Mナト
リウム-リン酸緩衝液(pH7.4)250μlに上記の検体50μl
および実施例または具体例で得た化合物をそれぞれジメ
チルスルフォキシド(DMSO)に1.0×10-4Mまたは1.0×10
-3Mの終濃度になるように溶解させた薬物溶液50μlをそ
れぞれ加え、37°Cにて20分間反応させた。
【0086】次に、氷水にて6%過塩素酸50μlを加えて
反応を停止させ、10分後内部標準物質として2.5mMエチ
ルホモコリン10μlを加え、3,000rpmで10分間遠心し
た。この上清をHPLC-電気化学検出器にてアセチルコリ
ン含量を測定した。
【0087】なお、HPLCは以下の条件で行った。カラム
は、逆相系カラムおよび酵素カラムを用い、移動相とし
て1-デカンスルホン酸ソーダ300mg/lおよびテトラメチ
ルアンモニウムクロライド65mg/lを含む0.1Mカリウム-
リン酸緩衝液(pH8.0)、流速は1ml/min.、温度は35°Cと
した。検出器は、電気化学検出器ECD-100を用いた。
【0088】また、実施例または具体例で得た化合物の
溶解液を加えるかわりにDMSOを加える以外は上記と同様
にして反応させコントロールとした。
【0089】実験の結果をコリンアセチルトランスフェ
ラーゼ賦活率(%)として表1に示した。
【0090】
【表1】
【0091】表1から、式の化合物がコリンアセチルト
ランスフェラーゼ賦活作用を有し、脳機能改善薬等の医
薬として有用であることが確認された。
【0092】また、式の化合物の急性毒性試験をICR系
雄性マウスを用いて行ったところ、1g/kgの経口投与で
死亡例はなかった。従って、式の化合物は安全性の高い
化合物であることが確認された。
【0093】次に、式の化合物の投与量および製剤化に
ついて説明する。
【0094】式の化合物はそのまま、あるいは慣用の製
剤担体と共に動物および人に投与することができる。投
与形態としては、特に限定がなく、必要に応じ適宜選択
して使用され、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散
剤等の経口剤、注射剤、坐剤等の非経口剤が挙げられ
る。
【0095】経口剤として所期の効果を発揮するために
は、患者の年令、体重、疾患の程度により異なるが、通
常成人で式の化合物の重量として50mg〜5gを、1日数回
に分けての服用が適当と思われる。
【0096】経口剤は、例えばデンプン、乳糖、白糖、
マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスタ
ーチ、無機塩類等を用いて常法に従って製造される。
【0097】この種の製剤には、適宜前記賦形剤の他
に、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進
剤、矯味剤、着色剤、香料等を使用することができる。
それぞれの具体例は以下に示すごとくである。
【0098】[結合剤]デンプン、デキストリン、アラビ
アゴム末、ゼラチン、ヒドロキシプロピルスターチ、メ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウ
ム、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、
エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロゴー
ル。
【0099】[崩壊剤]デンプン、ヒドロキシプロピルス
ターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カル
ボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチル
セルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロース。
【0100】[界面活性剤]ラウリル硫酸ナトリウム、大
豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリソルベート8
0。
【0101】[滑沢剤]タルク、ロウ類、水素添加植物
油、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウ
ム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウ
ム、ポリエチレングリコール。
【0102】[流動性促進剤]軽質無水ケイ酸、乾燥水酸
化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸
マグネシウム。
【0103】また、式の化合物は、懸濁液、エマルジョ
ン剤、シロップ剤、エリキシル剤としても投与すること
ができ、これらの各種剤形には、矯味矯臭剤、着色剤を
含有してもよい。
【0104】非経口剤として所期の効果を発揮するため
には、患者の年令、体重、疾患の程度により異なるが、
通常成人で式の化合物の重量として1日0.1mg〜1gまでの
静注、点滴静注、皮下注射、筋肉注射が適当と思われ
る。
【0105】この非経口剤は常法に従って製造され、希
釈剤として一般に注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖
水溶液、注射用植物油、ゴマ油、ラッカセイ油、ダイズ
油、トウモロコシ油、プロピレングリコール、ポリエチ
レングリコール等を用いることができる。さらに必要に
応じて、殺菌剤、防腐剤、安定剤、乳化剤を加えてもよ
い。
【0106】また、この非経口剤は安定性の点から、バ
イアル等に充填後冷凍し、通常の凍結乾燥技術により水
分を除去し、使用直前に凍結乾燥物から液剤を再調製す
ることもできる。さらに、必要に応じて適宜、等張化
剤、安定剤、防腐剤、無痛化剤等を加えても良い。
【0107】その他の非経口剤としては、外用液剤、軟
膏等の塗布剤、直腸内投与のための坐剤等が挙げられ、
常法に従って製造される。
【0108】次に実施例を示して本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれによって何ら制限されるもの
ではない。
【0109】実施例1 具体例2におけるクロロホルム-ジエチルエーテル(1:2)
およびクロロホルム-メタノール(1:1)で溶出された画分
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[n-ヘキサン-ア
セトン(5:2)]さらにHPLC[テトラヒドロフラン-水(1:9)]
によって精製し、無色油状物質A(化合物Aという)0.37g
および無色油状物質B(化合物Bという)0.35gを得た。
【0110】これら2種類の無色油状物質のうち、化合
物Aは、下記に示す理化学的性質を有することから、[(3
S,6R,7R)-3-ブチル-4,5-ジヒドロ-6,7-ジヒドロキシフ
タリド[(3S,6R,7R)-3-Butyl-4,5-dihydro-6,7-dihydrox
yphthalide]であると決定された。
【0111】比旋光度(C=1.04,CHCl3):[α]28 D=+9.77° 紫外線吸収スペクトル[λ max nm(log ε),EtOH]:21
4(4.05) 赤外線吸収スペクトル(IR,ν max cm-1,CHCl3):3448,
1744,1678,1042 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in CDCl3):
0.91(3H,t,J=7.2Hz),1.29〜1.42(4H,m),1.49〜1.56(1H,
m),1.83〜1.91(3H,m),2.09(1H,dddd,J=3.0,5.4,5.6,13.
7Hz),2.31〜2.46(2H,m),2.95(1H,br s),3.69(1H,br
s),3.95(1H,ddd,J=3.0,5.6,9.1Hz),4.40(1H,ddd,J=1.6,
3.2,5.6Hz),4.86(1H,dd,J=3.7,8.0Hz) マススペクトル(EI-MS)m/z(%):226(M+,1),208(1),182(7
2),139(50),126(100)
【0112】また化合物Bは、下記に示す理化学的性質
を有することから、[(3S,6S,7S)-3-ブチル-4,5-ジヒド
ロ-6,7-ジヒドロキシフタリド[(3S,6S,7S)-3-Butyl-4,5
-dihydro-6,7-dihydroxyphthalide]であると決定され
た。
【0113】 比旋光度(C=1.01,CHCl3):[α]28 D=-41.72° 紫外線吸収スペクトル[λ max nm(log ε),EtOH]:21
4(4.00) 赤外線吸収スペクトル(IR,ν max cm-1,neat):3424,1
744,1674,1040 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in CDCl3):
0.91(3H,t,J=7.2Hz),1.30〜1.45(4H,m),1.50 〜1.57(1
H,m),1.81〜1.92(3H,m),2.09(1H,dddd,J=3.3,5.0,5.2,1
3.5Hz),2.35〜2.40(2H,m),2.98(1H,br s),3.60(1H,br
s),3.91(1H,ddd,J=3.3,6.1,9.8Hz),4.41(1H,dddd,J=
2.0,2.1,2.5,6.1Hz),4.86(1H,ddd,J=2.5,3.7,8.1Hz) マススペクトル(EI-MS)m/z(%):226(M+,1),208(1),182(7
1),139(48),126(100)
【0114】実施例2 具体例4おいて分離された無色針状晶30mgは、下記に示
す理化学的性質を有することから、6,7-シス-3-ブチリ
デン-6-ブチリル-4,5-ジヒドロ-7-ヒドロキシフタリド
(6,7-cis-3-Butylidene-6-butyryl-4,5-dihydro-7-hydr
oxyphthalide)であると決定された。
【0115】 性状:無色針状晶(酢酸エチル-n-ヘキサンより再結晶) 融点:100.5〜101.5°C 比旋光度(C=1.10,CHCl3):[α]26 D=0° 紫外線吸収スペクトル[λ max nm(log ε),EtOH]:20
0(3.86),273(4.35) 赤外線吸収スペクトル(IR,ν max cm-1,KBr):3416,17
56,1702,1678,1644,1286,1020,798 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in CDCl3):
0.94(3H,t,J=7.4Hz),0.95(3H,t,J=7.4Hz),1.50(2H,sex
t,J=7.4Hz),1.66(2H,sext,J=7.4Hz),2.01〜2.15(2H,m),
2.32〜2.41(3H,m),2.54(1H,dt,J=17.1,7.4Hz),2.56〜2.
60(1H,m),2.61(1H,dt,J=17.1,7.4Hz),2.68(1H,ddd,J=2.
1,5.4,18.6Hz),5.02(1H,d,J= 3.5Hz) マススペクトル(EI-MS)m/z(%):278(M+,27),260(33),231
(21),217(56),207(51),190(92),175(55),161(64),148(8
4),71(84),43(100)
【0116】実施例3 具体例7において分離された無色油状物質17mgは、下記
に示す理化学的性質を有することから、[(E)-3-ブチリ
デン-9-ヒドロキシフタリド[(E)-3-Butylidene-9-hydro
xyphthalide]であると決定された。
【0117】比旋光度(C=1.54,CHCl3):[α]25 D=0° 紫外線吸収スペクトル[λ max nm(log ε),EtOH]:21
1(4.19),216(4.16),239(4.08),261(4.14),270(4.03),30
7 (3.67) 赤外線吸収スペクトル(IR,ν max cm-1,neat):3420,1
782,1674,1612,1474,1462,1282,1076,1004,766 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in CDCl3):
1.03(3H,t,J=7.5Hz),1.70〜1.78(1H,m),1.80〜1.89(1H,
m),2.08(1H,br s),4.89(1H,dt,J=8.9,6.5Hz),5.85(1H,
d,J=8.9Hz),7.58(1H,dt,J=1.0,7.6Hz),7.73(1H,dt,J=1.
0,7.6Hz),7.92(2H,dt,J=7.6,1.0Hz) マススペクトル(EI-MS)m/z(%):186(M+,18,47),175(6),1
58(30),129(46),115(51),104(43),76(53),43(100)
【0118】実施例4 触媒量のラネーニッケルを酢酸エチル30mlに懸濁させ、
水素を吸着させたのち、酢酸エチル20mlに溶解した具体
例12で得た化合物I(ネオクニジリド)0.500gを加え、室
温で1時間撹拌し、水素を吸収させた。反応終了後、ラ
ネーニッケルを除去したのち、溶媒を留去した。得られ
た残渣をn-ヘキサン-酢酸エチル(15:1)を溶出溶媒とし
て用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付すこ
とにより、無色油状物質16mgを得た。
【0119】この無色油状物質は、下記に示した理化学
的性質を有することから、(3S,3aR,7aR)-3-ブチル-3a,
4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロフタリド[(3S,3aR,7aR)-3-But
yl-3a,4,5,6,7,7a-hexahydrophthalide]であると決定さ
れた。
【0120】比旋光度(C=1.01,CHCl3):[α]D=-42.9° 赤外線吸収スペクトル(IR,ν max cm-1,neat):2932,2
860,1780,1210,1176 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in CDCl3):
0.91(3H,t,J=7.3Hz),1.20〜1.44(7H,m),1.50〜1.74(5H,
m),1.83〜2.00(3H,m),2.13〜2.17(1H,m),4.02(1H,ddd,J
=10.0,8.2,3.8Hz) マススペクトル(EI-MS)m/z(%):196(M+,7),152(13),139
(43),111(22),95(50),82(98),81(40),67(100)
【0121】実施例5 コーンスターチ 44g 結晶セルロース 40g カルボキシメチル セルロースカルシウム 5g 軽質無水ケイ酸 0.5g ステアリン酸マグネシウム 0.5g実施例1で得た化合物A 10g 計 100g 上記の処方に従って〜を均一に混合し、打錠機にて
圧縮成型して一錠200mgの錠剤を得た。
【0122】この錠剤一錠には、実施例1で得た化合物A
20mgが含有されており、成人1日10〜25錠を数回にわ
けて服用する。
【0123】実施例6 結晶セルロース 84.5g ステアリン酸マグネシウム 0.5g カルボキシメチル セルロースカルシウム 5g実施例2で得た化合物B 10g 計 100g 上記の処方に従って、およびの一部を均一に混合
し、圧縮成型した後、粉砕し、およびの残量を加え
て混合し、打錠機にて圧縮成型して一錠200mgの錠剤を
得た。
【0124】この錠剤一錠には、実施例2で得た化合物B
20mgが含有されており、成人1日10〜25錠を数回にわ
けて服用する。
【0125】実施例7 結晶セルロース 49.5g 10%ヒドロキシプロピル セルロースエタノール溶液 35g カルボキシメチル セルロースカルシウム 5g ステアリン酸マグネシウム 0.5g実施例3で得た化合物 10g 計 100g 上記の処方に従って、およびを均一に混合し、常
法によりねつ和し、押し出し造粒機により造粒し、乾燥
・解砕した後、およびを混合し、打錠機にて圧縮成
型して一錠200mgの錠剤を得た。
【0126】この錠剤一錠には、実施例3で得た化合物2
0mgが含有されており、成人1日10〜25錠を数回にわけて
服用する。
【0127】実施例8 コーンスターチ 34.5g ステアリン酸マグネシウム 50g カルボキシメチル セルロースカルシウム 5g 軽質無水ケイ酸 0.5g具体例1で得た化合物 10g 計 100g 上記の処方に従って〜を均一に混合し、圧縮成型機
にて圧縮成型後、破砕機により粉砕し、篩別して顆粒剤
を得た。
【0128】この顆粒剤1gには、具体例1で得た化合物1
00mgが含有されており、成人1日2〜5gを数回にわけて服
用する。
【0129】実施例9 結晶セルロース 55g 10%ヒドロキシプロピル セルロースエタノール溶液 35g具体例2で得た化合物 10g 計 100g 上記の処方に従って〜を均一に混合し、ねつ和し
た。押し出し造粒機により造粒後、乾燥し、篩別して顆
粒剤を得た。
【0130】この顆粒剤1gには、具体例2で得た化合物1
00mgが含有されており、成人1日2〜5gを数回にわけて服
用する。
【0131】実施例10 コーンスターチ 89.5g 軽質無水ケイ酸 0.5g具体例3で得た化合物 10g 計 100g 上記の処方に従って〜を均一に混合し、200mgを2号
カプセルに充填した。
【0132】このカプセル剤1カプセルには、具体例3で
得た化合物20mgが含有されており、成人1日10〜25カプ
セルを数回にわけて服用する。
【0133】実施例11 大豆油 5g 注射用蒸留水 89.5g 大豆リン脂質 2.5g グリセリン 2g具体例4で得た化合物C 1g 全量 100g 上記の処方に従ってをおよびに溶解し、これに
との溶液を加えて乳化し、注射剤を得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三橋 博 茨城県稲敷郡阿見町吉原3586 株式会社ツ ムラ内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式I で表されるフタリド。
  2. 【請求項2】下記式II で表されるフタリド。
  3. 【請求項3】下記式III で表されるフタリド。
  4. 【請求項4】下記式IV [式中R3は水素原子または水酸基を示し、R4を示すか、またはR3およびR4が一緒になって、 を示す。また、R5とR10、R6とR7、R8とR9の組み合せの
    うち、少なくとも一組が一緒になって結合し、かつ結合
    しないR5からR10はすべて水素原子であるか、R5とR6、R
    7とR8、R9とR10の組み合せのうち、少なくとも一組が一
    緒になって結合し、かつ結合しないR5からR10はすべて
    水素原子であるか、R5からR10まですべて水素原子であ
    る。]で表されるフタリドを有効成分とする脳機能改善
    剤。
  5. 【請求項5】下記式V (式中、R11が水素原子のとき、R12を示すか、R11およびR12が一緒になって を示す。また、R13は水酸基またはブチリル基を示し、R
    14は水酸基または塩素原子を示す。)で表されるフタリ
    ドを有効成分とする脳機能改善剤。
  6. 【請求項6】下記式VI (式中、R15が水素原子のとき、R16を示すか、R15およびR16が一緒になって を示す。またR17は水酸基またはメトキシル基を示す。)
    で表されるフタリドを有効成分とする脳機能改善剤。
JP19364591A 1990-07-10 1991-07-09 新規フタリドおよびフタリドを有効成分とする脳機能改善剤 Pending JPH05247022A (ja)

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