JPH0524377A - 平版印刷版用支持体の陽極酸化方法 - Google Patents

平版印刷版用支持体の陽極酸化方法

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JPH0524377A
JPH0524377A JP18737791A JP18737791A JPH0524377A JP H0524377 A JPH0524377 A JP H0524377A JP 18737791 A JP18737791 A JP 18737791A JP 18737791 A JP18737791 A JP 18737791A JP H0524377 A JPH0524377 A JP H0524377A
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Japan
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electrolyte
electrode
anodizing
aluminum
anodic oxidation
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Nagayoshi Kaneko
修芳 金子
Akio Uesugi
彰男 上杉
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】平版印刷版用支持体の製造過程における陽極酸
化処理において、帯状物であるアルミニウム製品の側端
部に、陽極酸化皮膜が増加し過ぎたり焼け故障が発生し
たりすることなく、処理ラインの高速化、陽極酸化皮膜
量の増加等をできるようにする。 【構成】アルミニウム製品18の陽極酸化しようとする方
の面を給電ローラー16、17に接触させた状態で支持ロー
ラー15にも密着させ、支持ローラー15を回転させてアル
ミニウム製品18を搬送させるとともに、電解液12を200m
m/秒以上の流速で陽極酸化槽11内に流す。そして、電源
をONして電流を供給する。この給電された電流は、給
電ローラー16、17からアルミニウム製品18に流れ、さら
に、アルミニウム製品18内をそれぞれ図中最下端部に流
れ、そして、電解液14を介して電極12に流れ込み、アル
ミニウム製品18の露出面に陽極酸化皮膜が形成される。
このとき、アルミニウム製品18の側端部に発生する過剰
な熱を電解液が除去し、過剰な陽極酸化皮膜生成反応を
抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平版印刷版用支持体の
製造方法に関するものであり、特にアルミニウムまたは
その合金製の機械的、化学的又は電気化学的方法で粗面
化処理された平版印刷版用支持体を陽極酸化処理する方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、平版印刷版に使用されるアルミ
ニウム支持体は、親水性及び保水性に優れていることが
要求され、そのために機械的、化学的又は電気化学的な
方法で表面に微細な凹凸を形成して粗面化処理されてい
る。さらに、この粗面化処理された表面の機械的強度及
び保水性を向上させるために、表面を陽極酸化処理する
ことも一般に行われている。
【0003】従来、平版印刷版用支持体の陽極酸化処理
は、特開昭48−26638号、特公昭58−24517号、特開昭47
−18739号各公報等で開示されている陽極酸化処理方法
で行われており、この方法は、いわゆる液中給電方式と
呼ばれている。この液中給電方式による陽極酸化処理装
置としては、例えば、図2に示す装置があった。図2に
示す陽極酸化処理装置は、アルミニウム製品1を負に帯
電するための給電部2、その負に帯電したアルミニウム
製品1を陽極酸化処理するための陽極酸化処理部3およ
び給電部2と陽極酸化処理部3との液中間での電流の短
絡を防止するための中間部4の三つの部分によって構成
されている。そして、給電部2と陽極酸化処理部3に
は、給電電極5と電解電極6がそれぞれ電解液中に配設
され、これらの給電電極5と電解電極6は直流電源7を
介して接続されている。
【0004】このような陽極酸化処理装置においては、
直流電源7からの電流は、給電部2で給電電極5から電
解液を介してアルミニウム製品1に流れ、その電流がア
ルミニウム製品1内を陽極酸化処理部3へ流れる。これ
により、陽極酸化処理部においてアルミニウム製品1の
表面に陽極酸化皮膜が生成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、平版印刷版
用支持体の製造ラインにおいては、平版印刷版製品のサ
イズが非常に多様であるので、通常、被処理物であるア
ルミニウム製品も多様な巾のものが用いられている。
【0006】そこで、従来、電解電極の巾をアルミニウ
ム製品の最大巾よりも広くして、多様な全てのアルミニ
ウム製品に対応できるようにしていた。
【0007】したがって、陽極酸化処理部においてはア
ルミニウム製品の側端部に電流が集中し、両側端部にお
ける酸化皮膜量が中央部に比べて増大するものであっ
た。このような現象は、供給電流量が小さい場合は余り
問題にならないが、生産性向上のために処理ラインを高
速化させたり、品質性能を向上させるために陽極酸化皮
膜量を増加させる場合には、アルミニウム製品の側端部
における酸化皮膜量の増大が著しくなり、品質上の許容
限界を越えたり、局所的な反応の集中により所謂焼け故
障が発生するものであった。したがって、処理ラインの
高速化、陽極酸化皮膜量の増加等を行うことができなか
った。
【0008】本発明は、以上の問題点を解決し、帯状物
の側端部に悪影響を与えることなく、処理ラインの高速
化、陽極酸化皮膜量の増加等を行うことができる平版印
刷版用支持体の陽極酸化方法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、帯状物の
側端部の焼け故障について鋭意研究した結果、側端部の
ように電流が集中する個所では、他の個所に比べて酸化
皮膜生成反応速度が早く、さらに、反応熱の発生によっ
て温度上昇が著しく、この温度上昇により反応が一層加
速されていることを見出した。そこで、本発明者らは、
さらに鋭意研究し、電解液を所定の流速以上で流すと、
側端部における熱を有効に除去し酸化皮膜生成反応を抑
制することを見出し、本発明を完成させた。
【0010】すなわち、本発明の平版印刷版用支持体の
陽極酸化方法は、電解液中で長尺のアルミニウム又はそ
の合金製の帯状物を走行させるとともに、電解液中に設
けた電極で帯状物に通電させて陽極酸化する方法におい
て、電解液を少なくとも流速200mm/秒で流すことを特徴
として構成されている。
【0011】電解液の流速は、例えば、支持ローラーを
用いた陽極酸化装置の場合、電解液流入口からの流入量
を、支持ローラーと電極との間隙の面積で除した値であ
る。この流速は、少なくとも200mm/秒であるが、好まし
くは300mm/秒以上、特に好ましくは400mm/秒以上であ
る。流速が200mm/秒未満であると、側端に発生する熱を
効率よく除去できず焼け故障が発生するおそれがある。
【0012】また、電解液の流量は、帯状物の巾方向に
おいて、側端部の流速を中央部の流速より早くすること
が好ましい。これにより、中央部の反応を抑制すること
なく側端部のに発生した熱を効率よく除去することがで
きる。
【0013】本発明の陽極酸化方法は、従来用いられて
いる公知の陽極酸化装置に適用することができるが、帯
状物を支持する支持ローラーと、該支持ローラーの上流
または下流の少なくとも一方に設けられた帯状物と接触
する給電ローラーと、前記支持ローラーの外周面に沿っ
て設置された略同心円状の電極とを有する装置に適用す
ることが以下の点で好ましい。
【0014】すなわち、支持ローラーを用いない装置
は、電解液中で生ずる電圧ロスが無視できないほど大き
なものであった。つまり、給電部及び陽極酸化処理部に
おいて、アルミニウム製品と電極の距離が短いと、アル
ミニウム製品のばたつきや不安定な搬送によるアルミニ
ウム製品の電極への接触により、傷つきやスパーク等の
品質故障が発生する場合がある。したがって、これらの
品質故障を防止するためには、アルミニウム製品と電極
の距離を大きくしなければならず、通常、50mm以上の距
離を取る必要があった。その結果、電解液中で生ずる電
圧ロスが大きいものとなっていた。
【0015】また、従来の装置は、アルミニウム製品の
両面が電解液に漬かっているので、陽極酸化処理を施さ
ない反対側の面にも電流が回り込んで酸化皮膜を生成さ
せる。したがって、片面処理製品を製造する場合には、
アルミニウム製品の反対側の面への電流の回り込みを防
止するための手段、例えば特開昭57−47894号公報に開
示されているような特別な手段を設ける必要があった。
【0016】以上のような問題点を支持ローラーを用い
た装置は解決できるので好ましいものである。
【0017】また、上述した支持ローラーを用いた装置
において、給電ローラーは、以下に示す点で、支持ロー
ラーの両側にそれぞれ設けることが好ましい。
【0018】すなわち、従来の陽極酸化処理では以下に
示す問題点があった。
【0019】第1に、陽極酸化処理ラインの高速化、陽
極酸化皮膜量の増加等を安価に行えなかった。すなわ
ち、生産性を向上させるために陽極酸化処理ラインを高
速化する際や、品質性能を向上させるために陽極酸化皮
膜量を増加させる際には、供給電流量を上げなければな
らず、供給電流量を上げるとアルミニウム製品内でのオ
ーム損による電圧降下が増加する。したがって、電源の
電解電圧を増大させることが必要となってくる。
【0020】このように電解電圧を増加させると供給電
力量が増大するので、ランニングコストが増加し、か
つ、電源能力を大きくする必要があるので設備コストも
増加することになった。また、電解電圧が大きくなるこ
とから、給電電極と電解電極の間におけるアルミニウム
製品内のジュール熱の発生量が大きくなるので、アルミ
ニウム製品および電解液を定常の規定温度にまで冷却す
るための冷却費も増加することになる。以上のように、
従来の装置で電解処理ラインの高速化等を図ろうとする
と、極めて高価になるものであった。
【0021】第2に、薄いアルミニウム製品では、陽極
酸化処理ラインの高速化等が困難であった。すなわち、
給電部と陽極酸化処理部の間の中間部では、供給される
全電流がアルミニウム製品に流れるため、供給電流量が
大きい場合、厚さの薄いアルミニウム製品は必要以上に
発熱し、溶断した。したがって、薄いアルミニウム製品
の場合は、供給電流量に限界があり、陽極酸化処理ライ
ンの高速化、陽極酸化皮膜量の増加等を行うことは困難
であった。
【0022】そこで、支持ローラーの両側に給電ローラ
ーを設けると、帯状物への電流の供給が上流側給電ロー
ラーを介す部分と下流側給電ローラーを介す部分との2
つのルートで行われるので、従来に比べて1/2の電流量
でよくなる。
【0023】したがって、ラインの高速化等に際し、従
来に比して供給電力が少なくてすみ、工程中の発熱量も
低減するので冷却負荷が小さくなり、工程に要するコス
トが激減する。また、電源電圧の昇圧能力の大きなもの
を使用する必要がないので、コンパクトで設備費の少な
くてすむ電源設備とすることができる。さらに、薄物の
アルミニウム製品の場合でも、アルミニウム製品が溶断
することが無く、安定した陽極酸化処理を行うことがで
きる。
【0024】また、給電ローラーが接触するのは、帯状
物の被処理面(陽極酸化皮膜の生成面)であっても反対
面(陽極酸化皮膜の生成されない面)であってもよい
が、反対面であることが好ましい。何故なら、帯状物の
被処理面は、陽極酸化処理以前の工程で粗面化処理され
ているため表面に微小な凹凸が存在する。したがって、
被処理面に給電ローラーを接触させて給電した場合、帯
状物と給電ローラーの接触が不均一になって接触部に電
流が集中し、帯状物の表面にスパーク故障などの品質故
障が発生する場合があり、この品質故障は、高速、高効
率処理のために電流値を増大させた場合に特に発生し易
くなる。また、給電ローラーを帯状物の被処理面に接触
させると、給電ローラーを支持ローラーの下流側に配置
した場合、支持ローラーの下流側では酸化皮膜を通して
給電が行なわれることになり、傷つき故障発生の原因と
なるばかりでなく、電圧ロスにもつながる。以上のよう
に、給電ローラーを帯状物の被処理面の反対側の面に接
触させることにより、上述した欠点を防止でき、高速、
高皮膜量処理においても品質の優れた安定した処理が可
能になる。
【0025】支持ローラーは、帯状物を一方の面のみ電
解液に浸漬した状態で搬送させるもので、駆動源が設け
られてそれ自身が回転するものであっても、フリーに設
けられ単に回転自在なだけであってもよい。
【0026】電極は、支持ローラーと同心円状に設けら
れるのが好ましく、支持ローラーと電極の間隙は1〜40
mmの範囲にあることが好ましい。
【0027】帯状物は、純アルミニウム又はアルミニウ
ム合金で形成されており、このアルミニウム合金として
は、例えば、珪素、鉄、銅、マンガン、マグネシウム、
クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケルなどの金属とのアル
ミニウム合金がある。帯状物の厚みは、一般に、0.1〜
0.5mmの範囲である。
【0028】電解液としては、例えば、硫酸、燐酸、シ
ュウ酸又はそれらの塩の水溶液、あるいはそれらの混合
液があるが、所望の品質を得るために最適なものを選べ
ばよい。電解液の濃度、温度も自由に選択できる。
【0029】電源波形としては、直流の場合が一般的で
あるが、他にも交流波形や交直重畳波形など所望の品質
を得るために最適なものを選択できる。
【0030】陽極酸化時の電流密度は、自由に選択でき
る。例えば、処理時間中常に一定値としてもよいし、次
第に電流密度を上げていくようにしてもよい。
【0031】本発明の陽極酸化処理の前段階において、
通常、粗面化処理が施されている。この粗面化処理は、
アルミニウム支持体の保水性及びその上に塗設される感
光材料との密着性を向上させるためのもので、機械的粗
面化法、化学的粗面化法、電気化学的粗面化法又はそれ
らを組み合わせた方法により行われる。
【0032】機械的粗面化法としては、例えば、ワイヤ
ーブラシングレイニング法、ブラシグレイニング法、サ
ンドブラスト法、ボールグレイニング法がある。化学的
粗面化法としては、例えば、選択的に表面を溶解させる
方法がある。電気化学的粗面化法としては、例えば、硝
酸、塩酸及びその混合液を電解液として用いる方法があ
る。さらに、これらに硝酸アルミニウム、塩化アルミニ
ウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸マン
ガン、塩化マンガン、硝酸鉄、塩化鉄などの塩類を添加
してもよい。また、塩化ナトリウムや硝酸ナトリウムな
どの中性塩水溶液も用いられる。
【0033】また、粗面化処理した後陽極酸化処理前
に、必要に応じてアルカリエッチング処理、中和処理、
デスマット処理などが適宜選択、複合して実施すること
ができる。
【0034】また、以上のような装置を1ユニットとし
て2つ以上の複数のユニットを長手方向に連結させ、複
数回上述した同様の陽極酸化処理を繰り返してもよい。
【0035】帯状物を陽極酸化処理した後、必要により
特開平1−150583号公報記載の封孔処理、特開昭60−14
9491号公報記載の親水化処理、米国特許3181461号明細
書記載のアルカリ金属シリケート水溶液処理、米国特許
3860426号明細書記載の水溶性金属塩を含む親水性セル
ロースの下塗り層塗設などを適宜選択して実施できる。
【0036】本発明による平版印刷版用支持体は、その
表面に感光層を設けて感光性平版印刷版とすることがで
きる。この感光層の組成物としては、ジアゾ樹脂からな
るもの、o-キノンジアジゾ化合物からなるもの、感光性
アジド化合物からなるもの、光重合性組成物、分子中に
不飽和二重結合を有する感光性樹脂からなる組成物等が
ある。
【0037】
【作用】本発明では、電解液を少なくとも200mm/秒の流
速で流すことにより、側端に発しする熱を効率よく除去
し、酸化皮膜生成反応が過剰になるのを抑制する。
【0038】
【実施例】本発明の平版印刷版用支持体の陽極酸化方法
の一実施例を図1に基づいて説明する。
【0039】図1は、平版印刷版用支持体の陽極酸化方
法を実施する装置の帯状物の搬送方向に接断した断面図
である。図1において、符号11は陽極酸化槽で、この陽
極酸化槽11内に、帯状物の搬送方向に切断した断面形状
が円弧状の電極12が設けられている。この電極12の一方
の端部上方には電解液流入口13が設けられ、この電解液
流入口13から電解液14が陽極酸化槽11内に充填されてい
る。また、電解液流入口13の近傍には流速調整手段( 図
示せず) が設けられ、陽極酸化槽11内を流れる電解液14
の流速を制御している。
【0040】電極12の上方には、僅かな距離を隔てて同
心円状の周面を持つ支持ローラー15が電解液14に略下半
分が浸漬した状態で回転自在に配設されている。この支
持ローラー15の両側には、上流側給電ローラー16及び下
流側給電ローラー17が回転自在に設けられ、これら給電
ローラー16、17は電源(図示せず)を介して電極12に接
続されている。そして、帯状物としてのアルミニウム製
品18が、支持ローラー15に巻きつけられるとともに、給
電ローラー16、17に巻付けられている。
【0041】以上のような陽極酸化装置でアルミニウム
製品を陽極酸化する方法について説明する。
【0042】まず、アルミニウム製品18の陽極酸化しよ
うとする面と反対の面を給電ローラー16、17に接触させ
た状態で支持ローラー15にも密着させ、支持ローラー15
を回転させてアルミニウム製品18を搬送させるととも
に、流速調整手段で電解液12の流速vが200mm/秒以上に
なるように調整して陽極酸化槽11に流し込み、そして、
電源をONして電流を供給する。この給電された電流
は、給電ローラー16、17からアルミニウム製品18に流
れ、さらに、アルミニウム製品18内をそれぞれ図中最下
端部に流れ、そして、電解液14を介して電極12に流れ込
み、アルミニウム製品18の露出面に陽極酸化皮膜が形成
される。
【0043】このとき、アルミニウム製品18の側端部に
おける過剰な反応熱が電解液で除去されるので、陽極酸
化皮膜量を適度な範囲内にすることができ、かつ焼け故
障が発生することも無い。また、アルミニウム製品18を
傷つけることなくアルミニウム製品18と電極12の距離を
短くでき、かつアルミニウム製品18を流れる電流が半減
するので、電解電圧を減少させることができる。さら
に、上述したようにアルミニウム製品18を流れる電流が
半減するので、薄いアルミニウム製品18を高速で処理し
ても溶断することがない。
【0044】次に、本発明の陽極酸化方法と従来の陽極
酸化方法とを比較した実験結果に付いて説明する。
【0045】陽極酸化処理する帯状物;長尺のJIS 1050
アルミニウムの帯板状製品(厚み0.15mm、幅1000mm)を
ライン搬送速度50m/分で以下の処理を行なった。まず、
パミスー水懸濁液を研磨剤として回転ナイロンブラシで
表面を砂目立てした。この時の表面粗さ(中心線平均粗
さ)は0.5μmであった。水洗後、70℃の10%苛性ソー
ダ水溶液中でアルミニウムの溶解量が6g/m2になるよう
にエッチングした。水洗後、30%硝酸水溶液中で中和
し、再び水洗を行なった。その後、0.7%硝酸水溶液中
で陽極時電圧13ボルト、陰極時電圧6ボルトの矩形波交
番波形を用いて(特開昭52−77702号公報実施例に記載
の電源波形)20秒間電解粗面化を行ない、20%硫酸水溶
液中で表面を洗浄した後、水洗した。
【0046】実施例1 上記アルミニウム製品を、図1に示す陽極酸化処理装置
を用い、電解液として20%の硫酸水溶液、ライン搬送速
度50m/分、電解電圧27V、供給電力900kw、電流密度50A
/dm2で陽極酸化処理した。また、電解液の平均流速は50
0mm/秒とした。
【0047】その結果、膜厚1.5μmの酸化皮膜が良好
に形成され、焼け故障等も発生せず良好な品質であっ
た。また、支持ローラー出口でのアルミニウム製品の表
面温度は50℃であり、長時間経過しても安定的に陽極酸
化処理が行われた。
【0048】実施例2 ライン搬送速度を100m/分とした他は実施例1と同様の
条件で陽極酸化処理を行ったが、実施例1と同様な結果
を得た。
【0049】比較例1 上記アルミニウム製品を、図2に示す陽極酸化処理装置
を用い、電解液として20%の硫酸水溶液、ライン搬送速
度50m/分、電解電圧120V、供給電力5000kw、電流密度2
5A/dm2で陽極酸化処理した。なお、電解液の平均流速は
100m/秒とした。
【0050】その結果、アルミニウム製品の側端部に焼
け故障が発生し、中間部でのアルミニウム製品の表面温
度は120℃であり、処理開始後約1分間でアルミニウム
製品が溶断し、処理を継続することができなかった。
【0051】
【発明の効果】本発明は、電流密度を上げても帯状物の
側端部で酸化皮膜量が増加し過ぎたり焼け故障が発生す
ることがないので、処理ラインを高速化でき、また陽極
酸化皮膜量を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による平版印刷版用支持体の陽極酸化方
法を実施する陽極酸化装置の一実施例の帯状物の搬送方
向に切断した断面模式図。
【図2】従来の平版印刷版用支持体の陽極酸化装置の断
面模式図。
【符号の説明】
12…電極 14…電解液 15…支持ローラー 16…上流側給電ローラー 17…下流側給電ローラー 18…アルミニウム製品(帯状物)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解液中で長尺のアルミニウム又はその
    合金製の帯状物を走行させるとともに、電解液中に設け
    た電極で帯状物に通電させて陽極酸化する方法におい
    て、電解液を少なくとも流速200mm/秒で流すことを特徴
    とする平版印刷版用支持体の陽極酸化方法
  2. 【請求項2】 帯状物の巾方向において側端部の流速を
    中央部の流速より早くした請求項1に記載の平版印刷版
    用支持体の陽極酸化方法
JP18737791A 1991-07-26 1991-07-26 平版印刷版用支持体の陽極酸化方法 Pending JPH0524377A (ja)

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