JPH0524344U - 段ボールシート用切断装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 厚みのある段ボールシート等の複合紙であっ
ても、切断部が潰れたり，破れたり，亀裂が生じたりす
ることなしに、一次，二次の切断加工によって完全切断
を行なう。 【構成】 段ボールシート５又は１３を進行方向に沿っ
て裁断分離する段ボールシート用切断装置であり、ナイ
フ４を有するナイフシリンダ２とアンビルシリンダ１よ
りなる二次の切断を行なうシリンダ切断部の上流に、シ
ート幅方向へ移動調整可能なブラケット８に固定された
一次の切断を行なうカッタナイフ６を設け、かつ段ボー
ルシート５又は１３の反対側に同カッタナイフ６との相
対的位置（間隙）が変更できるようガイド棒１２上を移
動できるシートガイド１１を設けてなるものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は段ボールシートをシート走行方向に沿ってスリッティングする段ボー ルシート用切断装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図６〜図８は従来の段ボールシート切断装置の構成及び機能の説明図で、段ボ ール製凾機のダイカッタ部を例示している。また図９は一般的な段ボール製凾機 の概略構成図であり、図１０は図９の製凾機と上下位置的に対応させた段ボール シートの加工状態説明図である。先ず図９に示す段ボール製凾機に設備されたダ イカット部は、給紙部１７から１枚ずつ搬送され、１組或いは複数組の印刷部１ ８ａ，１８ｂを経て所定の印刷を施された段ボールシート５に対して、所定の製 品形状に打抜き加工を行なう機構を有し、１枚の段ボールシート５から機械幅方 向に２枚，３枚（２丁取，３丁取と言う）と複数枚の製品シート１９を１度に打 抜き、分離する部分である。

【０００３】 さて前記ダイカット部におけるシート切断部は、図６〜図８に例示した如く、 外周面に刃物取付台３を介してナイフ４を固着したナイフシリンダ２と、アンビ ルシリンダ１によって構成されており、同ナイフシリンダ２のナイフ４と、アン ビルシリンダ１の挟持対向回転によって両シリンダ１，２間を走行する段ボール シート５を切断するようになっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前記図６〜図８に示す従来の段ボールシート切断装置では、ナイフ４が走行す るシート５へ接触してから切断が完了する迄の間を、一度の工程で行なわせるた め、厚みのある段ボールシート５等の複合紙では、ナイフの押圧挟持に伴う急激 な作用力によって切断部が押潰され、圧縮によってライナ１６が急激に引張られ 、ナイフ４の係合部に近接してライナ部に破れや、通称カラスの足跡と言われる 亀裂が生じる等の不具合があった。

【０００５】 本考案は前記従来の課題を解決するために提案されたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

このため本考案は、段ボールシートを進行方向に沿って裁断分離する切断装置 において、シート切断部の上流に位置してシート幅方向へ移動調整可能なブラケ ットを備え、同ブラケットに刃先の出代調整可能なカッタナイフを設けると共に 、被切断材である段ボールシートの反対側に前記カッタナイフとの相対的位置（ 間隙）が変更できるようにしたシートガイドを設けてなるもので、これを課題解 決のための手段とするものである。

【０００７】

【作用】

切断装置の上流側に設けたカッタナイフにより、走行する段ボールシートに対 して所定深さの一時切断としての切込み（ライナ紙のみ切断）を入れた後、前記 切断装置により二次切断を行なわせ、２回の断裁加工によって完全切断を行なわ せる。これによって特に両面段ボールシート等複合紙の切断において発生し易か った表面ライナ部への亀裂（通称カラスの足跡）や、芯紙波形部の潰れがなくな り、製品品質の向上を図ることができる。

【０００８】

【実施例】

以下本考案を図面の実施例について説明すると、図１〜図５は本考案に係る段 ボールシート切断装置の構成，機能説明図であり、シートパスラインの上下にお いてナイフとアンビルシリンダを対設させた形式の切断装置を例示している。先 ず構造について説明すると、図１に示す如くシートパスラインの上下に対設した アンビルシリンダ１とナイフシリンダ２を有し、同ナイフシリンダ２の周面に設 けた刃物取付台３を介して固着されたナイフ４と、アンビルシリンダ１との挟持 回転によって中間を走行する段ボールシート５が切断できるよう構成した公知の 二次の切断を行なうシート切断装置に近接して、上流側に一次の切込みを行なう カッタナイフ６が配置されている。

【０００９】 カッタナイフ６は、固定ネジ７を介してブラケット８に対し上下方向の移動及 び所定位置において固定する事ができるようになっている。また前記ブラケット ８は機械幅方向に横設したタイバー９に係合し、同タイバー９の軸方向へ移動で きると共に、固定ボルト１０によって軸方向の所定位置に固定する事ができるよ うになっている。一方シートパスラインの上部には押さえバー１１が設備されて おり、同押さえバー１１は前記ブラケット８と同様にガイド棒１２に係合して軸 方向へ移動できると共に、所定位置において固定できるようになっている。また 押さえバー１１は図示省略の昇降手段を介してナイフ刃先（ブラケット上端）と の距離（間隙）調整が可能で、段ボールシート５のフルート変更に伴う種々多様 なシート厚さに対応できるようになっている。なお、前記押さえバー１１は、カ ッタナイフ６の作用によってカット始め、或いは切断途中において段ボールシー ト５が上側へ逃げるのを防止すべく機能するものである。また図１中２０ａ，２ ０ｂ，２１ａ，２１ｂは中間に位置する段ボールシート５を挟持搬送する送りロ ールである。

【００１０】 次に作用を説明すると、二次の切断（完全切断）に先立って、カッタナイフ６ によりシート５の一部を切断する一次の切断としての予備切断を行ない、この切 断（切込み）線に沿って最終切断を行なわせる。つまり図３〜図５に示す如く、 一次切断である予備切断は主として図４，図５の如く片側（裏）ライナ１６部の みを切込みすべく設定してある。従って図３の二次切断（最終切断）では、片面 段ボールシート１３の片側（表）ライナ１４と中芯１５部のみの切断になり、裏 ライナ１６の急激な引張りがなくなるため、切断部に発生する亀裂（カラスの足 跡）及び破れ等の不具合が防止できると共に、シート端部の潰れがなくなり、製 品シートの品質が向上する。なお、本形式はカッタナイフの出入調整によって、 片面又は両面段ボールシート等の種々な複合シートの切断に対応できる。また完 全切断装置部の形式及びライナカット部（予備切断部）の構造等において、本考 案は前記実施例にのみ限定されるものでない。

【００１１】

【考案の効果】

以上詳細に説明した如く本考案によれば、２丁取り，３丁取り等１枚のシート を幅方向において複数枚に分割する形式の切断装置において、二次切断を行う従 来型切断装置の上流にて、カッタナイフにより片側ライナ部を一時（予備）切断 した後、同切込みに合せて前記切断装置によって二次の完全切断を行わせるよう にした為、ライナへ急激な引張りを作用させる事がなく、切断部に発生する亀裂 ，破れ等を防止でき、きれいな切断面を得ることができる。また二次切断部では 芯紙と片側ライナ部のみの切断となる為、圧縮変形が少なく、シート切断部の潰 れがなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す段ボールシート切断装置
の側面図である。

【図２】図１のＡ〜Ａ矢視図である。

【図３】図１のＰ部における段ボールシートの二次の切
断状態を示す断面図である。

【図４】図１のＲ部における段ボールシートの一次の切
断状態を示す断面図である。

【図５】図１におけるカッタナイフによる一次及び二次
の切断状態を示す説明図である。

【図６】従来の段ボールシート切断装置を示す正面図で
ある。

【図７】図６の側面図である。

【図８】図６のＢ部における詳細断面図である。

【図９】従来の段ボール製凾機の側面図である。

【図１０】図９の給紙部，印刷部，ダイカット部に対応
させた段ボールシートの加工状態説明図である。

【符号の説明】

１ アンビルシリンダ ２ ナイフシリンダ ３ 刃物取付台 ４ ナイフ ５ 両面段ボールシート ６ カッタナイフ ７ 固定ネジ ８ ブラケット ９ タイバー １０ 固定ボルト １１ 押さえバー １２ ガイド棒 １３ 片面段ボールシート １４ 表ライナ １５ 中芯（芯紙） １６ 裏ライナ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 段ボールシートを進行方向に沿って裁断
   分離する切断装置において、シート切断部の上流に位置
   してシート幅方向へ移動調整可能なブラケットを備え、
   同ブラケットに刃先の出代調整可能なカッタナイフを設
   けると共に、被切断材である段ボールシートの反対側に
   前記カッタナイフとの相対的位置（間隙）が変更できる
   ようにしたシートガイドを設けたことを特徴とする段ボ
   ールシート用切断装置。