JPH05242071A - 対象システムを制御または決定・推定する方法、およびその装置 - Google Patents

対象システムを制御または決定・推定する方法、およびその装置

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JPH05242071A
JPH05242071A JP32468592A JP32468592A JPH05242071A JP H05242071 A JPH05242071 A JP H05242071A JP 32468592 A JP32468592 A JP 32468592A JP 32468592 A JP32468592 A JP 32468592A JP H05242071 A JPH05242071 A JP H05242071A
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variable
equation
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JP32468592A
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Kiyoshi Yoda
潔 依田
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
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    • G06F30/20Design optimisation, verification or simulation
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 物体についての所望の機能特性分布を与える
形状や物性値などのパラメータの値を決定するにあたっ
て、決定するまでの時間を短縮する。 【構成】 境界要素法や有限要素法を用いて、物体の機
能特性分布を、変数パラメータの関数として算出する。
そして、算出された分布と所望の分布とを等値して方程
式を立てる。その方程式を解いて、変数パラメータの値
を得る。 【効果】 物体の機能特性分布についての最適設計が容
易になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば磁束分布や温
度分布などの物体の機能特性分布について所望の分布を
得るために、形状や材料物性値などの物体を規定するパ
ラメータの制御または決定を行い、また、物体について
得られた測定値にもとづいて材料物性値などの物体の内
部状態の推定を行う、対象システムを制御または決定・
推定する方法、およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図27は例えば電気学会論文誌A第10
9巻第9号(平成元年)P.393に示された電磁石の
形状を最適化して所望の均一磁束分布を得る方法を示す
フローチャートである。また、図28は対象となる電磁
石の2次元解析モデルを示したものである。
【0003】図28において、90は磁性体91の空隙
93に磁界を発生させるために電流が流されるコイル部
分、92は電磁石の極である。この場合には、極92の
形状によって空隙93における磁界分布が決定される。
そこで、空隙93中の点線で囲まれた評価領域94のy
方向の磁束密度をできるだけ均一にするような極92の
形状を求めることを考える。なお、この電磁石は空気領
域に置かれているとする。
【0004】次に動作について説明する。この場合に
は、物体を規定するパラメータは極92の形状であり、
所望の機能特性分布は均一磁界分布である。また、上記
文献において、解析方法として境界要素法が用いられて
いる。境界要素法とは、境界積分方程式を用いて、複雑
な解析対象の特性を境界上の要素分割によって解析する
方法である。
【0005】まず、初期状態を設定する(ステップST
51)。初期状態の設定とは、解析対象を有限個の境界
要素に分割したときの、各節点の座標の設定および各境
界要素における材料物性値の設定などである。この場合
には、極92の初期形状が図19(a)に示されるよう
に、平坦形状とされる。
【0006】次に、評価領域94内の有限個の評価点i
(i=1,…,M)における目標値、この場合には所望
の均一磁界の値を設定する(ステップST52)。次い
で、M個の評価点における磁界のy成分を境界要素法に
よって算出する(ステップST53)。さらに、M個の
評価点における算出された値と目標値との誤差の2乗和
を算出し、その2乗和の誤差評価を行う(ステップST
54)。
【0007】誤差が所定値以下であれば処理を終了し、
そうでなければ上記文献に記載されている評価関数の計
算を行う(ステップST56)。さらに、評価関数の計
算結果を用いて、極92の形状の修正量を決定する(ス
テップST55)。そして、修正された形状に対して境
界要素解析を再び実行し、評価点における磁界のy成分
を算出する(ステップST53)。
【0008】以上のように、ステップST53〜ST5
5の処理を何回か実行することにより、すなわち境界要
素解析を反復することにより、極92の形状は、所望の
均一磁界分布に適合したものに収束していく。図29
は、極92の形状の収束過程を示したものである。図
中、(a)〜(f)は、境界要素解析の各反復回数に対
応した極92の形状を示している。すなわち、反復回数
が増加するに従って、目標磁界に対する発生磁界の相対
誤差が減少する様子が示されている。
【0009】図30は米国電気電子学会医用工学部門の
学会誌第32巻第3号(IEEETransaction on Biome
dical Engineering, vol. BME-32,No.3,1985) に記載さ
れた人体内部の導電率の分布を求めるための人体の胸部
断面モデルを示す断面図である。人体内部の導電率の分
布を求める方法は、物体についての測定値から物体の内
部状態を推定する方法の一例であり、この場合には、導
電率の分布が物体の内部状態である。
【0010】人体の胸部は肺(図30において点が付さ
れている部分)を含み、導電率は、空間的に大きく異な
る。そこで、図30に示すように、外部から電流を流し
たときに、人体表面に生ずる電位を多数の点において測
定することにより、人体内部の導電率の分布を推定す
る。これは、インピーダンスCT問題とも呼ばれる。
【0011】処理を行う際に、人体内部を、図30に示
すように三角形状の要素に分割し、各要素の導電率をσ
i (i=1,…,M)とする。処理手順は、図27のフ
ローチャートに示された手順と同様であり、まず、初期
状態を設定する。すなわち、各節点101〜120の座
標を設定し、電流を注入する節点を決める。例えば、節
点101,111間に電流を注入することとする。ま
た、各要素の導電率σiの初期値を設定する。
【0012】次に、有限要素法により、人体表面の電
位、すなわち節点102〜110,111〜120にお
ける電位を算出する。有限要素法とは、複雑な形状や物
性値分布を有する解析対象の内部を有限個の要素に分割
し、エネルギー最小の原理により各要素に割り当てられ
る物理状態を計算する近似解法である。有限要素法によ
る解析の結果、この場合には、各節点電位が算出され
る。
【0013】そこで、算出された各節点電位と現実に測
定された各節点電位との誤差を評価する。そして、誤差
が所定値を越えていれば、評価結果を用いて各要素の導
電率σi (i=1,…,M)を修正し、修正された各要
素の導電率σi を用いて、有限要素法による解析を再度
実行する。さらに、算出された各節点電位と測定された
節点電位との誤差が所定値以下となるまで、例えば、誤
差の2乗和が所定値以下になるまで以上の処理を繰り返
す。
【0014】図31は、有限要素法による解析の反復回
数が増すに従って、推定誤差の平均、すなわち算出され
た節点電位と測定された節点電位との誤差の平均が減少
していく様子を示したものである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従来の対象システムを
制御または決定・推定する方法、およびその装置は以上
のように行われて、また構成されているので、初期状態
(初期形状や初期物性値分布など)が最終状態(最終形
状や真の物性値分布など)から大きく逸脱していると、
境界要素法や有限要素法の反復計算回数が増加し、最終
状態を得るまでに要する時間が増大するという問題点が
あった。1回の境界要素法や有限要素法の実行に要する
時間はかなり長いからである。
【0016】また、誤差評価において、局所的な最小値
が多数存在する場合に真の誤差の最小を与える状態に到
達する前に処理を打ち切ってしまう可能性があるという
問題点があった。例えば、図32に示すように、物体を
規定するパラメータの初期値としてC点におけるパラメ
ータ値を採用した場合には、誤差を最小とする真の値に
到達できるが、初期値としてA点またはB点におけるパ
ラメータ値を採用した場合には、誤ったパラメータを最
終状態におけるパラメータと決定してしまう。
【0017】この発明は上記のような課題を解消するた
めになされたもので、所望の機能特性分布を実現するパ
ラメータを得るまでの時間、または誤差を最小とする物
体の内部状態を得るまでの時間を短縮するとともに、誤
ったパラメータを最適パラメータとすること、または真
の内部状態の推定値としては誤った内部状態を得ること
を防止しうる対象システムを制御または決定・推定する
方法、およびその装置を得ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
る対象システムを制御または決定する方法は、以下の各
ステップを備えたものである。 (1)物体を規定する各パラメータのうちの少なくとも
1つのパラメータを変数とする。 (2)物体の機能特性分布をそれらの変数の関数として
算出する。 (3)算出された機能特性分布と所望の機能特性分布と
を等値してそれらの変数を含む方程式を作成する。 (4)その方程式を解いて所望の機能特性分布を実現す
るパラメータを制御または決定する。
【0019】請求項2記載の発明に係る対象システムを
制御または決定する方法は、以下の各ステップを備えた
ものである。 (1)物体を規定する各パラメータのうちの少なくとも
1つのパラメータを変数とする。 (2)物体の機能特性分布をそれらの変数の関数として
算出する。 (3)算出された機能特性分布と所望の機能特性分布と
の残差の2乗和によってそれらの変数を含む残差方程式
を作成する。 (4)その残差方程式を最小化して所望の機能特性分布
を実現するパラメータを制御または決定する。
【0020】請求項3記載の発明に係る対象システムを
推定する方法は、以下の各ステップを備えたものであ
る。 (1)物体の内部状態を変数とする。 (2)その物体について測定しうる物理量分布をそれら
の変数の関数として算出する。 (3)算出された物理量分布と現実に測定された物理量
分布とを等値としてそれらの変数を含む方程式を作成す
る。 (4)その方程式を解いて物体の内部状態を推定する。
【0021】請求項4記載の発明に係る対象システムを
推定する方法は、以下の各ステップを備えたものであ
る。 (1)物体の内部状態を変数とする。 (2)その物体について測定しうる物理量分布をそれら
の変数の関数として算出する。 (3)算出された物理量分布と現実に測定された物理量
分布との残差の2乗和によってそれらの変数を含む残差
方程式を作成する。 (4)その残差方程式を最小化して物体の内部状態を推
定する。
【0022】請求項5記載の発明に係る対象システムを
制御または決定する装置は、以下の手段を備えたもので
ある。 (1)物体を規定する各パラメータのうちの少なくとも
1つのパラメータを変数として、その物体の機能特性分
布をそれらの変数の関数として算出する手段。 (2)算出された機能特性分布と所望の機能特性分布と
を等値して、それらの変数を含む方程式を作成する手
段。 (3)その方程式を解いて所望の機能特性分布を実現す
るパラメータの制御もしくは決定を行う手段。
【0023】請求項6記載の発明に係る対象システムを
制御または決定する装置は、以下の手段を備えたもので
ある。 (1)物体を規定する各パラメータのうちの少なくとも
1つのパラメータを変数として、その物体の機能特性分
布をそれらの変数の関数として算出する手段。 (2)算出された機能特性分布と所望の機能特性分布と
の残差の2乗和によってそれらの変数を含む残差方程式
を作成する手段。 (3)その残差方程式を最小化して所望の機能特性分布
を実現するパラメータの制御もしくは決定を行う手段。
【0024】請求項7記載の発明に係る対象システムを
推定する装置は、以下の手段を備えたものである。 (1)物体の内部状態を変数として、その物体について
測定しうる物理量分布をそれらの変数の関数として算出
する手段。 (2)算出された物理量分布と現実に測定された物理量
分布とを等値してそれらの変数を含む方程式を作成する
手段。 (3)その方程式を解いて物体の内部状態の推定を行う
手段。
【0025】請求項8記載の発明に係る対象システムを
推定する装置は、以下の手段を備えたものである。 (1)物体の内部状態を変数として、その物体について
測定しうる物理量分布をそれらの変数の関数として算出
する手段。 (2)算出された物理量分布と現実に測定された物理量
分布との残差の2乗和によってそれらの変数を含む残差
方程式を作成する手段。 (3)その残差方程式を最小化して物体の内部状態の推
定を行う手段。
【0026】
【作用】請求項1ないし請求項4記載の発明における各
変数の関数を算出するステップは、物体を規定するパラ
メータを未知変数のままとして、境界要素法や有限要素
法を実行することにより、物体の機能特性分布(空間の
少なくとも1点で規定される)または物理量分布を未知
変数の関数として出力する。
【0027】また、請求項2または請求項4記載の発明
における残差方程式を最小化して所望の機能特性分布を
実現するパラメータを決定するまたは物体の内部状態を
推定するステップは、未知変数を含む誤差関数を取り扱
うことにより、複数の誤差極小値の中に存在する真の最
小値を決定することを可能にする。
【0028】さらに、請求項5ないし請求項8記載の発
明における各変数の関数を算出する手段は、物体を規定
するパラメータを未知変数のままとして、境界要素法や
有限要素法を実行することにより、物体の機能特性分布
または物理量分布を未知変数の関数として出力する。
【0029】また、請求項6または請求項8記載の発明
における残差方程式を最小化する手段は、未知変数を含
んだ誤差関数を取り扱うことにより、複数の誤差極小値
の中に存在する真の最小値を決定することを可能とす
る。
【0030】
【実施例】以下、この発明の実施例について説明する
が、まず、各実施例の基本となる概念について説明す
る。図1は、本発明の基本概念を示したもので、境界要
素法または有限要素法の計算手段(SOLVER)に、
1個以上の変数パラメータr1…,rn (n≧1)が入
力されると、機能特性分布(場)の計算値yk =f
k (r1 ,…,rn )(kは機能特性分布を計算するた
めの空間座標点の数で、k≧1)が出力される様子を示
している。
【0031】従来は、SOLVERは数値演算型であっ
たが、ここでは記号演算型のものである。また、記号演
算が可能な計算機言語として、マシマティカ(mathemat
ica)などが知られている。
【0032】なお、変数パラメータとして考えられるも
のに、例えば、形状を規定する座標値や物体の性質を規
定する材料物性値がある。また、計算出力としての機能
特性分布の例として、電磁機器については、電界分布,
磁界分布,電磁界分布,電位分布および固有周波数など
がある。機械構造体については応力分布,歪みエネルギ
ー,変位分布および固有振動数なとが考えられる。ま
た、熱利用機器については、温度分布および熱流束分布
などが考えられ、流体応用機器については、流速分布,
流線分布及び圧力分布などが考えられる。
【0033】図1に示すように、計算値yk は、変数パ
ラメータrk の関数となっている。従来は、SOLVE
Rの入力は具体的な数値であり、計算値も具体的な数値
であった。そして、計算値について誤差評価を行い、評
価結果に応じて修正された値を再度SOLVERに入力
していたことになる。
【0034】しかし、この場合には、未知関数を含む機
能特性分布の計算値yk を得て、その計算値yk を用い
て、物体の形状や物性値などを最適化するパラメータ値
を決定することができる。すなわち、境界要素法や有限
要素法の反復実行を要せずに、対象となる物体の形状や
物性値などの最適化設計を行うことができる。
【0035】従って、計算機を用いた場合に、計算時間
が従来の方法に比べて短縮される。また、従来の方法に
よると、計算途中で生ずる桁落ちや丸め誤差のため計算
精度が低下するという欠点があった。特に、扱われる数
値が非常に小さい値から非常に大きい値にわたる場合に
は、非常に小さい値が0になってしまう可能性がある。
しかし、本発明によれば、途中の計算では記号が扱われ
るのでその可能性はなく、精度は最後に実行される数値
計算のみによって定まる。
【0036】以下、この発明による方法およびその装置
を、図2〜図5および図6〜図9についてさらに詳しく
説明する。上述したように、すなわち、図2のステップ
ST1およびST2において、図6に符号201を付し
て示した関数を算出する手段によって変数パラメータr
1 ,…,rn が選定され、境界要素法や有限要素法によ
って、機能分布の計算値yk が得られる。
【0037】そして、物体の最適化設計を行う設計者
が、n個の点における所望の分布y1a,…,yna(n≧
1)を与える。n個の変数パラメータが選定されていれ
ば、図2のステップST2において、図6に符号202
を付した方程式を作成する手段によって、次の(1)式
で表わされる連立方程式が得られる。
【0038】
【数1】
【0039】この連立方程式は、n個の式からなり、未
知変数もn個であるから、解くことができる。すなわ
ち、図2のステップST4において、図6に符号203
を付した方程式を解く手段によってこの(1)式を解け
ば、変数パラメータr1 ,…,rn の最適値を得ること
ができる。
【0040】以上に述べた方法は、計算値yk と所望の
機能特性分布を示す各値とを等価として変数パラメータ
の値を決定する方法であるが、図3に示すように、最小
2乗法によって、計算値yk と所望の機能特性分布との
残差の2乗和を最小とするような各値を、未知変数の値
と決定してもよい。
【0041】すなわち、図3のステップST11および
ST12において、図7に符号211を付して示した関
数を算出する手段によって変数パラメータr1 ,…,r
n が選定され、計算値yk が得られた後、図3のステッ
プST13において、図7に符号212を付した残差方
程式を作成する手段によって、次の(2)式に示す残差
の2乗和を示す式を立てる。
【0042】
【数2】
【0043】そして、図3のステップST14におい
て、図7に符号213を付した残差方程式を最小化する
手段によって、(2)式のεを最小にするような未知変
数r1,…,rn の値を求める。このεを最小にする方
法としては次の2通りの方法が考えられる。1つの方法
は、公知の最急降下法などの最適化方法である。他の方
法は、εを未知変数r1 ,…,rn のそれぞれで偏微分
した各式を0とし、それを解く方法である。すなわち、
次に示す(3)式で示される連立方程式を解く方法であ
る。
【0044】
【数3】
【0045】この連立方程式も、未知変数r1 ,…,r
n がn個であり、n個の式からなっているので、解くこ
とができる。このような方法は、未知変数r1 ,…,r
n が変数の形で(2)式に残っているので可能となった
ものである。従来の場合には、2乗和は数値として得ら
れ、その数値に対して所定の誤差評価を行い、その評価
結果を次回の境界要素法や有限要素法の実行に反映させ
ていた。
【0046】また、既に述べたように、従来の方法によ
れば、局所的な最小値が多数存在する場合に、真の最小
誤差を与える状態に到達する前に処理が打ち切られる可
能性がある。しかし、(3)式を用いる方法によれば、
全ての極大値および極小値を求めることができるので、
それらの中から真の最小値を得ることができる。
【0047】例えば、ある初期値を用いて近似解
(r11,r12,…r1n)を求めた後、(3)式中の各式
を、それらの近似解を与える項の積(r1 −r11)・
(r2 −r12)・(rn −r1n)で割って、次数を下げ
た各式を作る。そして、それらの式について新たな初期
値を用いて第2の近似解を求める。逐次この処理を繰り
返すと、全ての解(極大値および極小値)を求めること
ができる。
【0048】なお、この処理は、例えば情報処理ハンド
ブック(昭和55年オーム社)P.376に記載されて
いるように公知の処理であり、減次(deflation)処理と
呼ばれている。このような減次処理が可能になったこと
もこの発明の特徴である。また、得られた全ての極大値
および極小値の中から真の最小値を探すことは容易であ
る。例えば、次の(4)式を満たすri の領域または点
を乱数を用いて探索する。なお、この(4)式における
αは、例えば、0.001程度の小さい数である。
【0049】
【数4】
【0050】これらのri を初期値群として、最急降下
法などによって最小値を探索する。すると、すべての極
小値が求まるので、その中から真の最小値を見つけるこ
とができる。
【0051】以上に述べた各方法および装置は、機器を
設計する場合などに用いられる方法、およびその装置す
なわち物体の所望の機能特性に適合するパラメータを決
定する、対象システムを制御または決定する方法、およ
びその装置であるが、物体の内部状態を推定する、対象
システムを推定する方法および装置も同様に構築でき
る。図4および図5はそれぞれその方法を示すフローチ
ャートであり、図8および図9はその装置の構成を示す
ブロック図である。
【0052】図4に示された方法によると、図8に符号
221を付して示した関数を算出する手段によって、ま
ず、物体の内部状態に対応した変数パラメータを選定
し、これらの未知変数r1 ,…,rn とする(ステップ
ST21)。次に、有限要素法によって、物体の測定可
能な物理量分布を変数パラメータr1 ,…,rn の関数
として算出する(ステップST22)。すなわち、計算
値yk =fk (r1 ,…,rn )が得られる。次いで、
図8の方程式を作成する手段222によって、計算値y
k と物体について実際に測定した値とを等値とし、
(1)式で示される連立方程式を得る(ステップST2
3)。そして、図8の方程式を解く手段223でその連
立方程式を解くと、内部状態に対応した変数パラメータ
の値が得られる(ステップST24)。
【0053】また、図5に示された方法によると、図9
に符号231を付した関数を算出する手段によって、ま
ず、物体の内部状態に対応した変数パラメータを選定
し、これらを未知変数r1 ,…,rn とする(ステップ
ST31)。次に、有限要素法によって、物体の測定可
能な物理量分布を変数パラメータr1 ,…,rn の関数
として算出する(ステップST32)。次いで、図9の
残差方程式を作成する手段232によって、残差の2乗
和を示す(2)式を立てる(ステップST33)。そし
て、図9の残差方程式を解く手段233で、そのεを最
小にするような変数パラメータの値を求める(ステップ
ST34)。
【0054】この図6,図7に示した対象システムを制
御または決定する装置、および図8,図9に示した対象
システムを推定する装置を具体的に実現するための装置
構成を図10に示す。図において、300は所定の演算
制御処理を実行する中央演算ユニット(以下CPUとい
う)である。301a,301bはCPU300が用い
る計算機プログラムやデータ類が入力されるキーボード
やマウスなどの入力装置であり、302はCPU300
による処理の過程や処理結果などが表示されるCRTデ
ィスプレイなどの表示装置である。また、303は記号
計算、数値計算などのための計算機言語が格納されてい
るハードディスク装置であり、304〜306はCPU
が各種処理の過程でデータの格納などに用いる主メモリ
である。
【0055】CPU300は入力装置301を用いて入
力された計算機プログラムに従って動作し、図6に示し
た対象システムを制御または決定する装置を実現する場
合であれば、関数を算出する手段201を主メモリ30
4において実行し、方程式を作成する手段202を主メ
モリ305において、さらには方程式を解く手段203
を主メモリ306においてそれぞれ実行する。これら各
手段の実行には、必要に応じてハードディスク装置30
3に格納されている計算機言語が用いられる。また、C
PU300は計算途中における演算データや、計算終了
後の結果データを随時表示装置302に送って表示す
る。
【0056】なお、図7に示した対象システムを制御ま
たは決定する装置、さらには図8,図9に示した対象シ
ステムを推定する装置についても前述の場合と同様であ
り、それらの各手段211〜213,221〜223,
231〜233が主メモリ304〜306によってそれ
ぞれ実行される。
【0057】このようにして得られた値は各要素におけ
る物理量の推定値であり、それらの値にもとづいて物体
の内部状態を推定することができる。以下、この発明の
各実施例を図について説明する。
【0058】実施例1.図10は、ケンブリッジ ユニ
バーシティ プレス刊 ファイナイト エレメンツ フ
ォー エレクトリカル エンジニアズ(Finite Element
s for Electrical Engineers, 2nd Edition, Cambridga
University Press,1990) のP.1〜P.19に記載さ
れた1次元伝送線路問題を示したものである。以下、こ
れを例にとって説明を行う。
【0059】図11(a)は、長さ2mの伝送線路1
(例えば平行配置された2本の裸銅線)が電気的に損失
のある媒質(例えば地中、損失は0.5s/mとする)
に配置された状態を示している。そして、伝送線路1の
一端には1Vの電圧が印加され、他端は開放されてい
る。そして、伝送線路1上の節点電圧が所望の値になる
ような伝送線路1の材料特性を求めることを考える。こ
の場合には、図11(b)に示すように伝送線路1を長
さ方向に3分割し、要素数3の有限要素解析を行う。
【0060】なお、上記文献には、伝送線路1の寸法や
抵抗率および媒質の導電率など伝送線路を規定するパラ
メータを数値で与え、有限要素法によって、3つの要素
の両端の節点電圧V1 ,V2 ,V3 を求める例が示され
ているが、本実施例では、節点電圧V1 ,V2 ,V3
所望の値になるような伝送線路1の材料特性を得ること
を考える。
【0061】まず、各要素の抵抗率をr1 ,r2 ,r3
と記号で表す。他のパラメータ、例えば各要素の長さや
媒質の導電率などは数値で表現される。そして、有限要
素法によって節点電圧V1 ,V2 ,V3 を算出する。こ
こで、計算結果は、(5)式に示すように、各要素の抵
抗率r1 ,r2 ,r3 の関数として表される。
【0062】 V1 =(9r1 −0.333333r1 2 −0.333333r1 3 +0.0123457 r1 2 3 )・(3r3 −0.111111r2 3 ) /(−27r1 3 −2r1 2 3 −14r1 2 3 −0.703704r1 2 2 3 −8r1 3 2 −0.259259r1 2 3 2 −1.14815 r1 2 3 2 −0.0356653 r1 2 2 3 2 ) V2 =(9r1 +0.666667r1 2 −0.333333r1 3 −0.0246914 r1 2 3 )・(3r3 −0.111111r2 3 ) /(−27r1 3 −2r1 2 3 −14r1 2 3 −0.703704r1 2 2 3 −8r1 3 2 −0.259259r1 2 3 2 −1.14815 r1 2 3 2 −0.0356653 r1 2 2 3 2 ) V3 =(9r1 +0.666667r1 2 −2.66667 r1 3 +0.0864198 r1 2 3 )・(3r3 −0.111111r2 3 ) /(−27r1 3 −2r1 2 3 −14r1 2 3 −0.703704r1 2 2 3 −8r1 3 2 −0.259259r1 2 3 2 −1.14815 r1 2 3 2 −0.0356653 r1 2 2 3 2 ) ・・・・・・(5)
【0063】なお、(5)式を求める際に、具体的に
は、記号演算を実行しうるマシマティカ言語を用いてコ
ーディングし、計算機によって記号計算を行った。ま
た、フォートランなどには記号演算の機能がないので、
それを使用することはできない。
【0064】例えば、所望の値として、V1 =0.2
V,V2 =0.4V,V3 =0.9Vが選択された場合
には、(5)式にそれらの値を代入して得られる3元連
立方程式を解けばよい。よって、本実施例は、図2のフ
ローチャートによる処理の一例である。この場合、この
方程式は非線形であり、よく知られているニュートン法
などを用いて解くことができる。マシマティカ言語に用
意されているニュートン法を用いて解くと、2秒程度で
以下の解答が得られる(アップルコンピュータ社のマッ
キントッシュを用いた場合)。
【0065】r1 =6.75Ω/m r2 =0.317647Ω/m r3 =3.85714Ω/m
【0066】このように、所望の電圧値を実現するパラ
メータが容易に決定される。つまり、設計目標値を与え
れば、直ちに材料特性分布が得られる。
【0067】なお、ここでは、説明を容易にするための
1次元のモデルを用いて要素数を3としたが、要素数を
増やして精度を上げることもできる。また、2次元や3
次元のモデルについても、本実施例による方法は適用可
能である(なお、以下の実施例についても同様なことが
言える)。すなわち、任意の対象について、任意の機能
分布特性を実現するための、複雑な材料特性分布を決定
するという物体の設計手段を、この発明は提供すること
ができる。
【0068】実施例2.第1の実施例では、有限要素法
によって得られた(5)式における節点電圧V1
2 ,V3 を、所望の値と等値として抵抗率r1
2 ,r3 を決定したが、本実施例では、残差の2乗和
を最小とする抵抗率r1 ,r2 ,r3 の値を求める。よ
って、この実施例は、図3のフローチャートによる処理
の一例である。各節点電圧V1 ,V2 ,V3 と所望の値
との残差の2乗和は、次の(6)式で表される。
【0069】 ε=(V1 −0.2)2 +(V2 −0.4)2 +(V3 −0.9)2 ・・・・・・(6)
【0070】この(6)式に(5)式で表される節点電
圧V1 ,V2 ,V3 を代入し、εを最小とする抵抗率r
1 ,r2 ,r3 の値を求める。例えば、よく知られてい
る最急降下法(最小値となっている関数の谷底を探すに
は、常に関数の勾配が最も急になっている方向に降下す
ればよいという方法)でεの最小値を定めることができ
る。最急降下法によって、抵抗率r1 ,r2 ,r3 の値
として、以下の値が得られた。
【0071】r1 =6.78157Ω/m r2 =0.317731Ω/m r3 =3.85387Ω/m
【0072】また、既に述べたように、εの最小値を求
めるために、(6)式をr1 ,r2,r3 でそれぞれ偏
微分し、得られた値を0として方程式を立てる方法があ
る。この場合には、得られる式は以下の(7)式であ
る。
【0073】
【数5】
【0074】すなわち、(6)式に(5)式で表わされ
る節点電圧V1 ,V2 ,V3 を代入し、その結果得られ
た式に(7)式を適用すると、3元連立方程式が得られ
る。その方程式は非線形であり、ニュートン法などで解
くことができる。V1 =0.255984V、V2
0.31742V、V3 =0.531Vを所望の値とし
て、マシマティカ言語に用意されているニュートン法を
用いて解くと、以下の解答が得られた。
【0075】r1 =2.0Ω/m r2 =2.00127Ω/m r3 =1.99811Ω/m
【0076】実施例3.図12はラプラス方程式で現象
が表現される長方形領域における境界値問題の一例を示
したものである。つまり、点Pにおけるポテンシャルを
所望の値にするために、寸法cを決めることを考える。
また、他の一辺の長さを1mとする。境界条件として、
向かい合う2辺のポテンシャルがu=1,u=0として
与えられ、他の2辺について、境界線に対する法線方向
のポテンシャルの変化率0(ポテンシャルの等高線は境
界線に垂直である)が与えられる。なお、11〜14は
節点を示し、節点の近傍のかっこの数値は座標値であ
る。
【0077】図12に示す問題に対応した具体的な例と
して、図13に示す熱伝導問題がある。これは例えばマ
イコンによる境界要素解析(昭和61年培風館)p.6
3に記載されている。この熱伝導問題は、互いに異なる
温度を有する平行配置された2枚の壁2a,2bを考え
(例えば、左壁の外部表面温度500℃、右壁の外部表
面温度0℃)、間隙空間(領域(3))の温度ポテンシ
ャルを考える問題である。
【0078】他の例として、図14に示すような、平行
平板電極4a,4b間に電圧を印加したときの内部電位
を求める問題がある。平行平板電極4a,4bの中心近
くでは等電位線は、平行平板電極4a,4bに平行にな
るので、仮想的な境界6を設ければ、この問題は図12
に示すようなモデルにモデル化される。
【0079】図12における点Pのポテンシャルが所望
の値になるような寸法cを、図2のフローチャートによ
る処理によって決定することを考える。この場合には、
変数パラメータは寸法cである。そして、点Pのポテン
シャルを境界要素法を用いて求める。境界要素法による
解析によって、点Pのポテンシャルは、寸法cの関数と
して与えられる。
【0080】例えば、点Pのポテンシャルを0.5とす
る場合には、寸法cの関数と0.5とを等値して方程式
を立てる。そして、その方程式を解くと、c=0.99
8469が得られた。
【0081】また、点Pのポテンシャルが寸法cの関数
として与えられるので、図15に示すような点Pのポテ
ンシャル(u(0.5,0.5))対寸法cの特性図を
得るのも容易である。従来の数値演算による方法では、
寸法cを具体的な数値とした上で、境界要素法によって
点Pのポテンシャルを求めていた。そして、寸法cの数
値を変化させて再び境界要素法によって点Pのポテンシ
ャルを求める。その処理を繰り返して図15に示す特性
を得ていた。
【0082】特に、この特性が複雑に変化するときに
は、寸法cの種々の数値を定める際に数値の刻み幅を適
切に選ぶことは難しい。しかし、本実施例によれば、点
Pのポテンシャルが寸法cの関数で表されるから、容易
にその特性を得ることができる。また、微分係数など
も、関数を解析的に微分して得ることができ、ポテンシ
ャルの変化の様子を正確に把握することができる。
【0083】実施例4.図16は、円板状導電体モデル
を示したものである。このモデルは、例えば現代電気系
有限要素法(オーム社)P.5に記載されている。図1
6(a)に示すように、2点のそれぞれに+100V、
−100Vの電圧が印加されている。なお、図16
(a)に示されたものは対称性を有しているので、解析
に際して、第1象限の部分のみを対象とすることができ
る。そこで、図16(b)に示すように第1象限の部分
を解析対象とし、その部分を7つの要素に分割する。
【0084】各節点21〜28の座標は、図16(c)
に示すようになっている。すなわち、ここでは、節点2
2のx座標を変数パラメータdとする。そして、節点2
3の電圧が所望の値となるようなdを、図2のフローチ
ャートによる方法を用いて決定することを考える(すな
わち、円板形状をどの程度歪ませるか定めることにな
る)。
【0085】有限要素法によって、節点23の電圧は、
変数パラメータdの関数として表される。また、節点2
3の所望の電圧を40.767Vとする。そして、関数
と40.767Vとを等値として方程式を得、その方程
式を解くと、d=4.5cmを得た。また、節点23の電
圧が変数パラメータdの関数として表されているので、
容易に図17に示す特性図を得ることができる。
【0086】実施例5.図16(b)に示すモデルにお
いて、節点23の電圧と節点24の電圧とが所望の値と
なる変数パラメータdの値を、図3のフローチャートに
よる方法を用いて求めることを考える。有限要素法によ
って、節点23の電圧V3 と節点24の電圧V4 とは、
変数パラメータdの関数として与えられる。また、節点
23の所望の電圧を40.7V、節点24の所望の電圧
を27.3Vとする。すると、残差の2乗和は、次の
(8)式で与えられる。
【0087】 ε=(V3 −40.7)2 +(V4 −27.3)2 ・・・・・(8)
【0088】このεを最小にするdを求めると、d=
4.49345を得る。また、(8)式をdで微分した
ものを0として得た方程式を解いても同一の結果が得ら
れた。なお、図18は、変数パラメータdに対する
3 ,V4 およびεの特性を示したものである。V3
4 およびεは、いずれもdの関数として表されている
ので、容易に各特性を得ることができる。
【0089】以上の各実施例は電気分野に関するもので
あるが、本発明は、流体工学の分野においても適用可能
である。図19はマーセル デッカー社刊 ホワット
エブリ エンジニア シュッド ノウ アバウト ファ
イナイト エレメント アナリシス(What Every Engin
eer Should Know About Finite Element Analysis,Marc
el Dekker, 1988 )P.192に記載された自動車周囲
の空気の流れの解析例を示したものである。
【0090】図において、31は自動車、32は周囲の
空気を示している。図19(b)の各網の内部は分割さ
れた各要素である。また、図19(c)は空気の流れを
示したものであり、図19(d)は速度ベクトル分布図
である。本発明によれば、図19(b)に示すように要
素分割を行い、かつ、自動車31の形状を変数パラメー
タとした上で、有限要素法を用いて方程式を立て、さら
に、その方程式について解析を行えば、空気の流れを最
も妨げないような自動車31の外形形状を設計すること
が可能である。
【0091】また、この発明は、機械工学の分野におい
ても適用可能である。図20は、マグロウヒル社刊 ザ
ファイナイト エレメント メソッド( The Finite
Element Method. 4th edition, McGraw-Hill, 1989)
P.269に記載された中空金属シャフトをねじ切った
ときに生ずる金属内部の応力分布の解析例を示したもの
である。
【0092】図において、41a,41bはそれぞれ互
いに異なる金属である。また、図20(a)は中空金属
シャフトを示す斜視図、図20(b)は中空金属シャフ
ト内部に設定された各要素を示したものである。なお、
上記文献には各節点における応力値も示されている。こ
の発明によれば、図20(b)に示すように要素分割を
行い、かつ、中空金属シャフトの形状や金属41a,4
1bの物性値などを変数パラメータとした上で、有限要
素法を用いて方程式を立て、さらに、その方程式につい
て解析を行えば、内部に応力の集中が生じないようなシ
ャフト形状や材料物性値の設計を行うことが可能であ
る。
【0093】実施例6.次に、物体について得られた測
定値から物体の内部状態を推定する方法の実施例を説明
する。ここでは、図21に示す正方形の導電体モデルを
用いて、インピーダンスCT問題について説明する。図
21に示すように、導電体内部が8つの要素に分割され
た場合を考える。図において、51〜59はそれぞれ節
点を示し、節点近傍のかっこ内の数値は座標値である。
【0094】この場合には、導電率分布が未知である正
方形の導電体に外部から電圧を印加し、導電体表面の電
圧分布を測定する。そして、図5のフローチャートによ
る方法を用いて、測定値から導電体分布を推定する。各
節点51〜59の電圧をV1,…V9 とし、各要素の導
電率をσ1 ,…σ8 とする。また、正方形の各辺の長さ
を2mとする。
【0095】導電体表面上の8つの節点51〜54,5
6〜59のうちの2点に電圧を印加すると、他の6節点
の電圧は測定可能である。そして、有限要素法を用い
て、それらの6節点を導電率σ1 〜σ8 の関数として表
わした式を得る。すなわち、導電率σ1 〜σ8 が変数パ
ラメータである。そして、それらの式と6節点の電圧の
実測値とを用いて、残差の2乗和を作成し、その2乗和
が最小となるような導電率σ1 〜σ8 の値を求めれば、
それらの値が導電率の推定値を与える。
【0096】例えば、節点52に1Vを与え、節点58
を0Vとした場合を考える。なお、計算を簡単にするた
めに、導電率σ1 〜σ8 のうちσ4 〜σ8 は既知の値で
あるとした。また、電圧の測定値を、シミュレーション
計算で作成した。つまり、あらかじめ、σ1 =0.1s
/m、σ2 〜σ8 を1.0s/mとしたときの各節点電
圧を通常の有限要素法(従来の方法)で求め、それらの
節点電圧を電圧測定値として用いることとした。
【0097】そして、この場合には、3つの導電率σ1
〜σ3 を変数とする節点電圧を示す式が得られる。そし
て、それらの式によって示される各節点電圧と上述した
電圧測定値との残差の2乗和を求める。この2乗和は、
未知変数としてσ1 〜σ3 を含むので、その2乗和が最
小となるようなσ1 〜σ3 の値を求める。そのようにし
て、以下の値が求められた。
【0098】σ1 =0.0927542S/m σ2 =1.03182S/m σ3 =0.971097S/m
【0099】なお、この実施例6では、図5のフローチ
ャートによる方法を用いて、すなわち残差の2乗和を最
小とする方法を用いた場合について説明したが、図4の
フローチャートによる方法を用いることもできる。ただ
し、物体についての測定値(実測値)を用いているた
め、その測定値に測定誤差(雑音など)が含まれる可能
性がある。よって、測定誤差が含まれる可能性が無視で
きないときには、得られた関数と測定値とを等値とする
図4のフローチャートによる方法よりも図5のフローチ
ャートによる方法を用いた方がよい。このことは、一般
に、計測データを処理するときに、最小2乗法を用いて
特性を調べる方法がよく採用されることからも理解され
る。
【0100】なお、以上の図21に関する説明は測定デ
ータを用いて内部状態を推定する場合であったが、より
一般的にはx線CT・電気インピーダンスCTなどで代
表される断層像などの内部の像の取得、構造診断にも使
える。さらに、原子炉冷却パイプや各種構造物の劣化診
断・非破壊検査などにも使える。また、図21の表面電
位をある制御目標に近づけるために、内部状態(すなわ
ち、この場合は導電率分布)を制御する場合にも同様に
使用できる。
【0101】以上まとめるとこの発明は対象システムを
制御または決定・推定する方法およびその装置に関する
ものである。対象システムの制御に関して補足説明する
と、例えば化学反応などを利用したプラントの制御など
が挙げられる。たとえば、この場合反応炉壁の温度・内
部圧力を測定して、内部の温度分布推定・制御が考えら
れる。図22はそのような適用例を示す概念図であり、
図において、61は反応炉、61はその内壁であり、6
3はこの内壁62に配置された温度センサ、64は反応
炉61内に配置された圧力センサである。具体的には、
すでに説明した有限要素法・境界要素法などを用いて反
応炉システムの計算を行なえばよい。
【0102】次に、対象システムの決定に関して補足説
明すると、例えば電磁石システムを始めとする各種電磁
機器の最適設計が考えられる。この場合は、電磁石の発
生する磁界分布を与えて、磁石の形状を最適設計する。
また、最近問題になっている電磁雑音の遮蔽方法・遮蔽
体の設計にも応用できる。図23はそのような適用例を
示す概念図であり、図において、65は電磁雑音の発生
源であり、66は電磁雑音の発生源65の周囲をとり囲
むように配置された遮蔽体、67はこの遮蔽体66にあ
けられた冷却用の穴である。この場合には、例えば発生
している雑音の強度分布を測定して、電磁雑音の発生源
65の電流分布を推定し、これに基づいて遮蔽体の構造
を決定する。例えば図23のように、遮蔽体66の内部
を冷却するための穴67をどこにあければよいかなど、
遮蔽体66の構造を決定できる。
【0103】なお、図22および図23に示した適用例
は、一般的には図24に示すプロセス装置の制御または
決定と考えることができる。図において、71はそのプ
ロセス装置であり、72はこのプロセス装置71の所定
のポイントに配置されたセンサ、73はこのセンサ72
の出力データを処理するデータ処理部である。74はこ
のデータ処理部73の処理結果に基づいて、プロセス装
置71の内部状態量を推定する内部状態量推定部であ
り、75は推定された内部状態量によってプロセス量の
最適化をはかるプロセス量最適化部、76はこのプロセ
ス量最適化部75の出力に従って、プロセス装置71の
プロセス量を制御するプロセス量制御部である。
【0104】さらに、この発明の方法を実現するための
装置としては、例えば、複数のエンジニアリング・ワー
クステーション(EWS)を計算機ネットワーク接続
し、そのメモリにストアされたプログラムにて、図6〜
図9に示した各手段を実現することによって得られる。
また、図26に示すように、複数のEWS81を大型計
算機などと階層化構造にしてネットワーク化することな
どにより、計算機の効率よい利用を図ることができる。
【0105】以上の各実施例の優位性は、以下のように
説明できる。例えば、対象の全体寸法を変数xで表現
し、各要素の寸法もxを用いて表現する。図26(a)
には、それぞれの寸法をx/3とした3つの寸法要素を
含む例が示されている。従来の場合のように、寸法固定
部分を含む対象の全体寸法yを求めるような方法(図2
6(b)参照)では、y>1でなければならず、また、
yが1に近づくにつれて斜線が施された要素においてつ
ぶれが発生する。ところが、図26(a)で説明される
方法によれば、x>0とできより大きく寸法を変化させ
ることができる。すなわち、各要素を同率で伸縮させる
ことができる。つまり、設計に本発明を適用すると、設
計しうる寸法範囲を拡大することができる。
【0106】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、対象システムを制御または決定する方法を、変数
パラメータを含む物体の機能特性分布を算出し、その機
能特性分布と所望の分布とを等値して方程式を作成し、
その方程式を解いて所望の分布を与えるパラメータ値を
決定するようにしたので、境界要素法や有限要素法を繰
り返し実行する必要がなくなって、パラメータ値を得る
までの時間が短縮でき、かつ、途中の計算が記号を用い
て行れるため、処理途中の計算精度の低下が防止され、
精度のよい結果を得ることができるという効果がある。
また、変数パラメータを含む物体の機能特性分布が得ら
れることから、そのパラメータに対する分布の特性を容
易に把握できるという効果もある。
【0107】また、評価すべき機能特性分布が形状の物
性値などの未知パラメータで直接関数表現できるため、
複数の所望機能特性分布を与える形状や物性値などを同
時に一挙に計算できるという効果もある。従来の方法に
よれば、1つの機能特性分布について設計作業などが完
了したら、他の分布について再び最初から計算を行う必
要があった。このように、複数の設計目標があっても、
計算時間は、従来法によるよりも、大きく低減される。
【0108】請求項2記載の発明によれば、対象システ
ムを制御または決定する方法を、変数パラメータを含む
物体の機能特性分布を算出し、その機能特性分布と所望
の分布との残差の2乗和を最小化する値をパラメータ値
として決定するようにしたので、境界要素法や有限要素
法を繰り返し実行する必要がなくなって、パラメータ値
を得るまでの時間が短縮でき、かつ、途中の計算が記号
を用いて行れるため、処理途中の計算精度の低下が防止
され、精度のよい結果を得ることができるという効果が
ある。また、変数パラメータを含む物体の機能特性分布
が得られることから、そのパラメータに対する分布の特
性を容易に把握できるという効果もある。さらに、残差
の2乗和を最小化するにあたって最小値でない値を最小
値と誤認することを防止でき、正しく最適のパラメータ
値を決定できるという効果もある。
【0109】また、例えば、ある座標値に対して重みを
つけて残差を計算することにより、空間のある場所の設
計値と計算値とのずれを特に小さくすることができる
が、そのような場合に、複数の残差の2乗和の評価(重
みが均一な場合の評価などの種々の評価)も同時に行う
ことができる。従来の方法によれば、評価の種類が異な
れば、それぞれを順次に行う必要があった。
【0110】請求項3記載の発明によれば、対象システ
ムを推定する方法を、変数パラメータを含む物体の物理
量分布を算出し、その物理量分布と実際に測定された分
布とを等値して方程式を作成し、その方程式を解いて物
体の内部状態の推定値を得るようにしたので、境界要素
法や有限要素法を繰り返し実行する必要がなくなって、
推定値を得るまでの時間が短縮でき、かつ、途中の計算
が記号を用いて行れるため、処理途中の計算精度の低下
が防止され、精度のよい結果を得ることができるという
効果がある。
【0111】請求項4記載の発明によれば、対象システ
ムを推定する方法を、変数パラメータを含む物体の物理
量分布を算出し、その物理量分布と実際に測定された分
布との残差の2乗和を最小化する値を推定値として得る
ようにしたので、境界要素法や有限要素法を繰り返し実
行する必要がなくなって、推定値を得るまでの時間が短
縮でき、かつ、途中の計算が記号を用いて行れるため、
処理途中の計算精度の低下が防止され、精度のよい結果
を得ることができるという効果がある。さらに、残差2
乗和を最小化するにあたって最小値でない極小値を最小
値と誤認することを防止でき、正しく最適の推定値を決
定できるという効果がある。
【0112】請求項5記載の発明によれば、対象システ
ムを制御または決定する装置を、物体の機能特性分布を
変数の関数として算出する手段と、その機能特性分布と
所望の機能特定分布とを等値して方程式を作成する手段
と、その方程式を解いて所望の機能特性分布を実現する
手段とによって構成したので、パラメータ値を得るまで
の時間を短縮することが可能となり、精度のよい結果を
得ることができ、パラメータに対する分布の特性の把握
も容易となるばかりか、複数の所望機能特性分布を与え
る形状や物性値などを同時に一挙に計算できるなどの効
果がある。
【0113】請求項6記載の発明によれば、対象システ
ムを制御または決定する装置を、物体の機能特性分布を
変数の関数として算出する手段と、その機能特性分布と
所望の機能特性分布の残差の2乗和より残差方程式を作
成する手段と、その残差方程式を最小化して所望の機能
特性分布を実現する手段とによって構成したので、パラ
メータ値を得るまでの時間を短縮することが可能とな
り、精度のよい結果を得ることができ、パラメータに対
する分布の特性の把握も容易となり、最適なパラメータ
値を正しく決定できるばかりか、残差の2乗和の評価を
複数同時に行えるなどの効果がある。
【0114】請求項7記載の発明によれば、対象システ
ムを推定する装置を、変数パラメータを含む物体の物理
量分布を変数の関数として算出する手段と、その物理量
分布と実測された物理量分布とを等値して方程式を作成
する手段と、その方程式を解いて物体の内部状態を推定
する手段とによって構成したので、推定値を得るまでの
時間を短縮することが可能となり、精度のよい結果を得
ることができるという効果がある。
【0115】請求項8記載の発明によれば、対象システ
ムを推定する装置を、変数パラメータを含む物体の物理
量分布を変数の関数として算出する手段と、その物理量
分布と実測された物理量分布との残差の2乗和より残差
方程式を作成する手段と、その残差方程式を最小化して
物体の内部状態を推定する手段とによって構成したの
で、推定値を得るまでの時間を短縮することが可能とな
り、精度のよい結果を得ることもでき、さらに、最適な
推定値を正しく決定できるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の基本となる概念を説明するための説
明図である。
【図2】請求項1記載の発明の一実施例による対象シス
テムを制御または決定する方法を示すフローチャートで
ある。
【図3】請求項2記載の発明の一実施例による対象シス
テムを制御または決定する方法を示すフローチャートで
ある。
【図4】請求項3記載の発明の一実施例による対象シス
テムを推定する方法を示すフローチャートである。
【図5】請求項4記載の発明の一実施例による対象シス
テムを推定する方法を示すフローチャートである。
【図6】請求項5記載の発明の一実施例による対象シス
テムを制御または決定する装置を示すブロック図であ
る。
【図7】請求項6記載の発明の一実施例による対象シス
テムを制御または決定する装置を示すブロック図であ
る。
【図8】請求項7記載の発明の一実施例による対象シス
テムを推定する装置を示すブロック図である。
【図9】請求項8記載の発明の一実施例による対象シス
テムを推定する装置を示すブロック図である。
【図10】上記図6〜図9に示す装置の具体的な構成例
を示すブロック図である。
【図11】1次元伝送線路問題を示す説明図である。
【図12】ラプラス方程式で現象が表現される長方形領
域における境界値問題を示す説明図である。
【図13】熱伝導問題のモデルを示す説明図である。
【図14】平行平板電極間の内部電位を求める問題のモ
デルを示す説明図である。
【図15】ポテンシャルの寸法に対する特性を示す特性
図である。
【図16】円板状導電体モデルを示す説明図である。
【図17】節点の電圧の寸法に対する特性を示す特性図
である。
【図18】節点の電圧および残差2乗和の寸法に対する
特性を示す特性図である。
【図19】自動車周囲の空気の流れの解析例を示す説明
図である。
【図20】中空金属シャフト内部の応力分布の解析例を
示す説明図である。
【図21】正方形導電体モデルの内部導電率の推定方法
を説明するための説明図である。
【図22】この発明による対象システムを制御または決
定・推定する方法およびその装置を、反応炉内部の温度
分布推定・制御に適用した適用例を示す概念図である。
【図23】この発明による対象システムを制御または決
定・推定する方法およびその装置を、電磁雑音の遮蔽体
の設計に適用した適用例を示す概念図である。
【図24】上記各適用例を一般化したプロセス装置の構
成を示すブロック図である。
【図25】この発明による対象システムを制御または決
定・推定する装置を実現する計算機システムを示すブロ
ック図である。
【図26】この発明の優位性を説明するための説明図で
ある。
【図27】従来の物体のパラメータ決定方法の処理を示
すフローチャートである。
【図28】電磁石の2次元解析モデルを示す説明図であ
る。
【図29】電磁石の形状の収束の様子を示す説明図であ
る。
【図30】人体の胸部断面モデルを示す説明図である。
【図31】推定誤差平均と有限要素法による解析の反復
回数との関係を示す説明図である。
【図32】局所的な最小値が存在する様子を示す説明図
である。
【符号の説明】 201 関数を算出する手段 202 方程式を作成する手段 203 方程式を解く手段 211 関数を算出する手段 212 残差方程式を作成する手段 213 残差方程式を最小化する手段 221 関数を算出する手段 222 方程式を作成する手段 223 方程式を解く手段 231 関数を算出する手段 232 残差方程式を作成する手段 233 残差方程式を最小化する手段

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体を規定する各パラメータのうちの少
    なくとも1つのパラメータを変数とし、前記物体の機能
    特性分布を前記変数の関数として算出し、算出された前
    記機能特性分布と所望の機能特性分布とを等値して前記
    変数を含む方程式を作成し、前記方程式を解いて前記所
    望の機能特性分布を実現するパラメータの制御もしくは
    決定を行う対象システムを制御または決定する方法。
  2. 【請求項2】 物体を規定する各パラメータのうちの少
    なくとも1つのパラメータを変数とし、前記物体の機能
    特性分布を前記変数の関数として算出し、算出された前
    記機能特性分布と所望の機能特性分布との残差の2乗和
    によって前記変数を含む残差方程式を作成し、前記残差
    方程式を最小化して前記所望の機能特性分布を実現する
    パラメータの制御もしくは決定を行う対象システムを制
    御または決定する方法。
  3. 【請求項3】 物体の内部状態を変数とし、前記物体に
    ついて測定しうる物理量分布を前記変数の関数として算
    出し、算出された前記物理量分布と現実に測定された物
    理量分布とを等値して前記変数を含む方程式を作成し、
    前記方程式を解いて前記物体の内部状態の推定を行う対
    象システムを推定する方法。
  4. 【請求項4】 物体の内部状態を変数とし、前記物体に
    ついて測定しうる物理量分布を前記変数の関数として算
    出し、算出された前記物理量分布と現実に測定された物
    理量分布との残差の2乗和によって前記変数を含む残差
    方程式を作成し、前記残差方程式を最小化して前記物体
    の内部状態の推定を行う対象システムを推定する方法。
  5. 【請求項5】 物体を規定する各パラメータのうちの少
    なくとも1つのパラメータを変数とし、前記物体の機能
    特性分布を前記変数の関数として算出する手段と、算出
    された前記機能特性分布と所望の機能特性分布とを等値
    して前記変数を含む方程式を作成する手段と、前記方程
    式を解いて前記所望の機能特性分布を実現するパラメー
    タの制御もしくは決定を行う手段とを備えた対象システ
    ムを制御または決定する装置。
  6. 【請求項6】 物体を規定する各パラメータのうちの少
    なくとも1つのパラメータを変数とし、前記物体の機能
    特性分布を前記変数の関数として算出する手段と、算出
    された前記機能特性分布と所望の機能特性分布との残差
    の2乗和によって前記変数を含む残差方程式を作成する
    手段と、前記残差方程式を最小化して前記所望の機能特
    性分布を実現するパラメータの制御もしくは決定を行う
    手段とを備えた対象システムを制御または決定する装
    置。
  7. 【請求項7】 物体の内部状態を変数とし、前記物体に
    ついて測定しうる物理量分布を前記変数の関数として算
    出する手段と、算出された前記物理量分布と現実に測定
    された物理量分布とを等値して前記変数を含む方程式を
    作成する手段と、前記方程式を解いて前記物体の内部状
    態の推定を行う手段とを備えた対象システムを推定する
    装置。
  8. 【請求項8】 物体の内部状態を変数とし、前記物体に
    ついて測定しうる物理量分布を前記変数の関数として算
    出する手段と、算出された前記物理量分布と現実に測定
    された物理量分布との残差の2乗和によって前記変数を
    含む残差方程式を作成する手段と、前記残差方程式を最
    小化して前記物体の内部状態の推定を行う手段とを備え
    た対象システムを推定する装置。
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