JPH0524073B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、スラグ等を吸引、移動するためのリ
フテイングマグネツト装置の励磁電流制御回路に
関する。

（従来の技術） 天井クレーン等に用いられるリフテイングマグ
ネツトは、無線化に伴い機上操作と無線遠隔操作
の２系統で操作されている。このような操作系統
相互の切換時には他系統の状態を確かめずに切換
えをする事があり、吊荷落下事故が発生してい
る。従来の吊荷落下事故防止策としては次のもの
があつた： 作業手順によつて、機上操作と無線操作の切
換えは、吊荷中は行わないこととする。

残存磁界の多い直流化（短時間の電源断では
落下しない）か、別系統電源を用いる等の安全
対策を採る。

誤操作による吊荷落下防止回路を組み込む
（実開昭61−176186号）。

（発明が解決しようとする問題点） 機上操作と無線操作の切換えは、吊荷中は行わ
ない、等の作業手順で吊荷落下を防止している場
合において、例えば無線操作で材料を吸引中に機
上操作に切換えた時、機上コントローラー釈放位
置にあれば、操作切換えを行つただけで材料が落
下してしまう。実際にもこのような事故は無くな
つていない。また系統毎に電源を分けるのは不経
済であり、従来の吊荷落下防止回路は複雑であ
る。

従つて本発明の目的は、２以上の操作系統を有
するリフテイングマグネツトの操作系統切換えに
伴う吊荷落下事故を確実に防止できる単純な構成
の落下防止回路を提供することである。

（問題点を解決するための手段） かくして本発明の要旨とするところは、２以上
の操作系統によりリフテイングマグネツト装置の
励磁電流を制御する回路において、 操作系統を切り換える切換スイツチと、 各操作系統毎に励磁電流状態を指令する操作回
路と、 励磁指令が少なくともいづれかひとつの操作系
統で出力されている場合に励磁指令を出力する制
御回路と、 を備え、かつ各操作系統の制御回路が、 励磁指令を自己保持する自己保持回路と、 励磁指令をリセツトするリセツト回路とを備
え、 前記切換スイツチが当該操作系統に切り換えら
れている場合は当該リセツト指令で、また他の操
作系統に切り換えられた場合はその励磁指令で当
該励磁指令の自己保持回路をリセツトすることを
特徴とするリフテイングマグネツト吊荷落下防止
回路である。

（作用） 自己保持回路により、たとえば機上操作系統で
励磁吸引中に、切換スイツチが遠隔操作系統に切
換えられても励磁指令は機上操作系統で保持され
る。

この励磁指令をリセツトして解除できるのは、
次の２つの場合に限られる： 切換スイツチが当該機上操作系統自身に切り
換えられていて、励磁リセツト指令が出力され
た場合。

切換スイツチが遠隔操作系統に切換えられ
て、遠隔操作による励磁指令が出力された場
合。

は、機上操作系統を用いて操作中に励磁電流
切、または釈放の操作を行つた場合である。操作
員の意図に基づく正常なスイツチ操作による。

は、機上操作系統での励磁指令が遠隔操作系
統での励磁指令に引き継がれた場合である。

なお、励磁と逆励磁（釈放）についてはそれぞ
れ他方が断でなければ入とならない保護回路を設
けることが好ましい。

（実施例） 次に本発明の実施例について添付図面を参照し
ながら詳しく説明する。

第１図は、本発明にかかる制御回路の基本構成
を示す回路図であつて、この制御回路は、操作ス
イツチS₁，S₂，S₃を有する機上操作系統と、操作
スイツチS₄，S₅，S₆を有する無線（遠隔）操作系
統の２系統を備える。操作系統の切換えは切換え
スイツチＳにより行われる。

機上操作系統 回路図の円内の各記号Ａ１，Ｂ１，Ｃ１は、そ
れぞれ機上操作系統における励磁（吸引）指令、
切指令、逆励磁（釈放）指令である。

回路図中の各平行線Ａ１，Ｄ１，Ｄ２は、リレ
ー接点を示し、それぞれ指令Ａ１，Ｄ１，Ｄ２が
オンの時にオンとなる。ただし平行線に斜線が施
してある接点Ａ１，Ｂ１は、それぞれ指令Ａ１，
Ｂ１がオフのときにオンとなる。

無線操作系統 円内のＡ２，Ｂ２，Ｃ２は、無線操作系統にお
ける励磁、切、逆励磁の各指令で、それぞれ機上
操作系統のＡ１，Ｂ１，Ｃ１に対応する。同様に
操作スイツチS₄，S₅，S₆はそれぞれS₁，S₂，S₃に
対応する。またリレー接点の動作も前述の機上操
作系統の場合と同様である。

最終指令 励磁電流状態を最終的に指令する励磁指令Ａ
は、指令Ａ１，Ａ２のうちいづれかがオンのとき
にオンとなる。逆励磁指令Ｃも、指令Ｃ１，Ｃ２
のうちいずれかがオンのときにオンとなる。ただ
しＡ，Ｂとも互いに他方の指令がオフの場合以外
はオンとならない。

第２図は、リフテイングマグネツトの励磁電流
電源へ接続状態を示す回路図であつて、図中、各
平行線で示される接点Ａ，Ｃは、それぞれ最終指
令Ａ，Ｃがオンのときオン（接触状態）となる。

動 作 この実施例の具体的動作例について説明する： スイツチＳを無線系統に切換えた状態で操作
スイツチS₄により吸引操作（強励、弱励を問わ
ない）をすると、無線吸引指令Ａ２はホールド
される。

の状態でスイツチS₅をオンにして切操作を
すると、吸引指令Ａ２はリセツトされマグネツ
トは無励磁となる。

の状態でスイツチS₅，S₆を順次オンにして
釈放操作をすると、吸引指令Ａ２はリセツトさ
れ、マグネツトは逆励磁される。

の状態（材料を吸引中）でスイツチＳによ
り機上選択に切換えた時、機上の操作スイツチ
が万が一、切または釈放位置にあつても、無線
吸引指令Ａ２がセツトされたままで、材料は落
下しない。

の状態で、切ないし釈放操作をしたい時
は、機上操作スイツチS₁を一度オンにして機上
吸引指令Ａ１をセツトし、無線吸引指令Ａ２を
リセツトさせた後、切ないし釈放操作を行う。

なお、機上選択の状態から、無線選択へ切換え
た場合の動作も上の〜と同様である。

（発明の効果） 上の説明から分かるように、本発明の回路を用
いれば、材料を吸引中に操作系統を切換えた時、
切換え後の操作系統スイツチが釈放位置にあつて
も、操作切換えを行つただけでは材料は落下しな
い。

このように本発明はリフテイングマグネツトの
操作系統切換え時の吊荷落下事故を単純な構成で
確実に防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の実施例の基本構成を示す回
路図；および 第２図は、最終指令に基づくリフテイングマグ
ネツトの励磁電流接続状態を示す回路図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ２以上の操作系統によりリフテイングマグネ
   ツト装置の励磁電流を制御する回路において、 操作系統を切り換える切換スイツチと、 各操作系統毎に励磁電流状態を指令する操作回
   路と、 励磁指令が少なくともいづれかひとつの操作系
   統で出力されている場合に励磁指令を出力する制
   御回路と、 を備え、かつ各操作系統の制御回路が、 励磁指令を自己保持する自己保持回路と、 励磁指令をリセツトするリセツト回路とを備
   え、 前記切換スイツチが当該操作系統に切り換えら
   れている場合は当該リセツト指令で、また他の操
   作系統に切り換えられた場合はその励磁指令で当
   該励磁指令の自己保持回路をリセツトすることを
   特徴とするリフテイングマグネツト吊荷落下防止
   回路。