JPH0523827Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、圧縮−点火式内燃機関に用いられ
る燃料噴射装置に用いられるチエツクバルブに関
するものである。

（従来の技術） この種の燃料噴射装置として、例えば実開昭59
−88270号公報に示されているように、加圧部と
噴射部とを一体にしたユニツトインジエクタが知
られている。このユニツトインジエクタは、プラ
ンジヤバレルに挿入されたプランジヤにより高圧
室の燃料が加圧され、高圧燃料通路を介してノズ
ルまで送られ、このノズルから内燃機関のシリン
ダ内に噴射するようになつている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記従来のユニツトインジエクタにおいては、
高圧室の燃料がカツトオフされることにより噴射
後の高圧燃料通路の圧力が急激に低下し、２次噴
射等の不具合を起こすことがあつた。そのため、
高圧燃料通路にチエツクバルブを設けて２次噴射
等を防ぐことが考えられるが、例えば実開昭60−
143166号に示される通常のチエツクバルブは、通
路の軸方向に変位可能な弁体の他に、通路内に弁
体の移動を規制するストツパを配置して構成され
るので、通路の軸方向にストツパを配置するスペ
ース分の寸法を要し、チエツクバルブの小型化が
図れないという問題点があつた。

そこで、この考案は上記問題点を解消し、チエ
ツクバルブの弁体変位方向の寸法を縮めてチエツ
クバルブの小型化を図ることを課題としている。

（問題点を解決するための手段） しかして、この考案の要旨とするところは、燃
料加圧手段に連通する第１の高圧燃料通路２５
と、噴射ノズルとの連通の第２の高燃料通路２８
との間に設けられる燃料噴射装置のチエツクバル
ブ３３において、前記第１の高圧燃料通路２５
に、該第１の高圧燃料通路方向にボール弁体３４
が配される弁挿入孔３０が連通され、この弁挿入
孔３０の第１の高圧燃料通路側にシート面３５を
形成すると共に、反第１の高圧燃料通路側をスト
ツパ３７とし、さらに該弁挿入孔３０の径方向に
溝３２を形成し、この溝３２に前記第２の高圧燃
料通路２８の反噴射ノズル側を接続して成る燃料
噴射装置のチヤツクバルブにある。

（作用） したがつて、チエツクバルブにあつて、第１の
高圧燃料通路の延長上に弁挿入孔が設けられ、こ
の弁挿入孔の第１の高圧燃料通路側にシート面を
反第１の高圧燃料通路側にストツパを有してい
て、前記弁挿入孔の径方向に形成の溝を介して第
２のスペースを前記第２の高圧燃料通路の前方に
確保しなくてよい分チエツクバルブの弁体変位方
向の短縮化が図れ、そのため、上記課題を達成す
ることができるものである。

（実施例） 以下、この考案の実施例を図面によつて説明す
る。

第３図において、燃料噴射装置はユニツトイン
ジエクタ方式のもので、縦孔２が形成された装置
本体１を有し、この装置本体１の縦孔２の上部に
はプランジヤバレル３が挿入されている。このプ
ランジヤバレル３は、その上端が縦孔２に螺合さ
れたプラグ４により閉鎖されていると共に、装置
本体１に例えば冷し嵌めにより固定されている。

プランジヤ５は、プランジヤバレル３に摺動自
在に挿入されており、上記プランジヤバレル３、
上記プラグ４及びこのプランジヤ５により囲まれ
て高圧室６が構成されている。この高圧室６は、
プランジヤバレル３に形成された燃料吸排孔７を
介してプランジヤバレル３の周囲に形成された燃
料溜り室８に連通している。この燃料溜り室８
は、装置本体１に形成された燃料入口９に接続さ
れている。また、プランジヤ５の上端やや手前に
は周知の燃料制御溝１０が形成され、プランジヤ
５が上昇し、燃料吸排孔７がプランジヤ５の上端
縁で閉鎖されてからこの燃料制御溝１０に開口す
るまでの距離が有効ストロークであり、この有効
ストローク中に高圧室６の燃料が加圧されるよう
になつている。

また、上記プランジヤ５の下端は、ローラ１１
を有するタペツト１２に当接し、このタペツト１
２と装置本体１との間には上部スプリング受け１
３及び下部スプリング受け１４を介してプランジ
ヤスプリング１５が弾装されている。ローラ１１
には図示しないカムが当接し、内燃機関からの駆
動力が伝達され、プランジヤスプリング１５と協
動してプランジヤ５を往復動させるようになつて
いる。さらに、プランジヤバレル３にはコントロ
ールスリーブ１６が回動自在に外嵌され、このコ
ントロールスリーブ１６がプランジヤ５に形成さ
れたフエース部（図示せず）に上下動を許すよう
に係合し、また、コントロールスリーブ１６には
コントロールロツド１７が噛み合つている。した
がつて、このコントロールロツド１７によりコン
トロールスリーブ１６を回動すると、プランジヤ
５がそれに伴つて回動し、燃料吸排孔７と燃料制
御溝１０との周方向の相対位置が変わり、有効ス
トロークが調節されて噴射量の制御が成されるも
のである。

装置本体１には、ノズルホルダを構成する第１
の部材１８が横方向に延びるように形成され、こ
の第１の部材１８にノズルを構成する第２の部材
１９がリテーニングナツト２０を介して連結され
ている。この第１の部材１８と第２の部材１９と
の間にはスペーサを構成する弁座体２１が挟まれ
ている。第２の部材１９は、周知のものと同様
で、図示しない針弁を有し、後述する第１及び第
２の高圧燃料通路２５，２８から高圧の燃料をこ
の第２の部材１９に供給すると、針弁が開かれ、
該第２の部材の先端に形成された噴孔（図示せ
ず）から内燃機関のシリンダ内に燃料が噴射され
るものである。第１の部材１８にはスプリング室
２２が形成され、このスプリング室２２にノズル
スプリング２３が収納され、このノズルスプリン
グ２３により上記針弁が図中右方向に押圧されて
いる。スプリング室２２は装置本体１に形成され
た溢流孔２４を介して前述した燃料溜り室８に接
続され、第２の部材からスプリング室２２に漏れ
た燃料がこの溢流孔２４を介して燃料溜り室２３
に戻るようになつている。

第１の高圧燃料通路２５は、プランジヤバレル
３に形成されて一端が高圧室６に開口する吐出孔
２６と第１の部材１８に形成された連通孔２７と
から構成され、第２の高圧燃料通路２８（第１図
に示す）は、第２の部材１９に形成され、これら
第１及び第２の高圧燃料通路２５，２８の間にチ
エツクバルブ３３が設けられ、その具体例が第１
図、第２図に示されている。

チエツクバルブ３３は、前述した弁座体２１
と、球体のボール弁体３４とを具備し、この弁体
３４が弁座体２１に形成された弁挿入孔３０（第
１の高圧燃料通路方向に形成）に収納されて移動
できるようになつている。この弁挿入孔３０は、
弁座体２１の端面に対して垂直に穿設されてお
り、連通孔２７との接続端を径を小さくしてチエ
ツクバルブ３３の入口３１としている。そして、
入口３１に続いてボール弁体３４が着座するテー
パ状のシート面３５が形成され、このシート面３
５に対向する第２部材１９の端面がボール弁体３
４の移動を規制するストツパ３７を構成してい
る。

また、弁座体２１の第２の部材１９側の端面に
は、該端面から円弧状に切欠いて構成された溝３
２が形成されている。この溝３２は、ボール弁体
３４よりも小さい溝巾を有し、その一端近傍が前
記弁挿入孔３０と交差し連通している。即ち、溝
３２は前記弁挿入孔３０に対し径方向に形成さ
れ、その他端近傍に第２の部材１９に形成の第２
の高圧燃料通路２８がチエツクバルブ３３の出口
３８を介して接続されている。

したがつて、チエツクバルブ３３は、入口３１
と出口３８との軸心がずれており、連通孔２７か
らチエツクバルブ３３内に導かれる燃料は、弁挿
通孔３０を第２の部材１９側まで流れた後に90度
方向を変えて溝３２を通り、溝３２の他端近傍で
再び方向を変えて出口３８に至り、第２の高圧燃
料通路２８に送られる。

尚、弁座体２１の加工は、最初、弁座体２１に
弁挿入孔３０を形成し、次にこの弁挿入孔３０を
横切るように該弁座体２１の端面を切欠いて溝３
２を形成すればよく、その後、弁挿入孔３０にボ
ール弁体３４を挿入する。

上記構成において、タペツト１２のローラ１１
にカムを介して内燃機関からの駆動力が伝達され
ると、プランジヤスプリング１５と協動してプラ
ンジヤ５が往復動する。プランジヤ５が図示の下
死点から上昇して燃料吸排孔７を閉じると、高圧
室６が閉じ込められて該高圧室６内の燃料の圧力
が上昇し、その高圧燃料が第１及び第２の高圧燃
料通路２５，２８を介して第２の部材１９に送ら
れ、この第２の部材１９から内燃機関のシリンダ
に燃料が噴射される。この場合、チエツクバルブ
３３のボール弁体３４は、第１の高圧燃料通路２
５の圧力が高いので、ストツパ３７に押付けられ
て開かれた状態となり、燃料の流れを妨げること
がない。

さらにプランジヤ５が上昇すると、プランジヤ
５の燃料制御溝１０とプランジヤバレル３の燃料
吸排孔７とが連通し、高圧室６の燃料が燃料吸排
孔７を介して燃料溜り室８へ逃げ、高圧室６の燃
料の圧力が急激に低下し、第２の部材１９からの
燃料の噴射が終了する。この時、第１の高圧燃料
通路２５の圧力が急激に低下するので、ボール弁
体３４は第２の高圧燃料通路との圧力差によりシ
ート面３５に着座して閉状態となり、燃料の逆流
を防止する。

（考案の効果） 以上述べたようにこの考案によれば、第１の高
圧燃料通路と、第２の高圧燃料通路とは、ボール
弁収納の弁挿入孔と該弁挿入孔の径方向に形成の
溝を介して連通されるので、ストツパを弁挿入孔
の反第１の高圧燃料通路側に設けられ、第２の高
圧燃料通路の前方に確保しなくて良い分、ボール
弁体の変位方向の寸法を小さくすることができ、
チエツクバルブを小型にすることができるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案における燃料噴射装置のチ
エツクバルブ付近を示す第２図の−線の断面
図、第２図は第１図の−線方向から見た弁座
体の平面図、第３図は燃料噴射装置全体を示す断
面図である。 １８……第１の部材、１９……第２の部材、２
１……弁座体、２５……第１の高圧燃料通路、２
８……第２の高圧燃料通路、３１……入口、３３
……チエツクバルブ、３４……ボール弁体、３５
……シート面、３７……ストツパ、３８……出
口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃料加圧手段に連通する第１の高圧燃料通路２
   ５と、噴射ノズルとの連通の第２の高燃料通路２
   ８との間に設けられる燃料噴射装置のチエツクバ
   ルブ３３において、前記第１の高圧燃料通路２５
   に、該第１の高圧燃料通路方向にボール弁体３４
   が配される弁挿入孔３０が連通され、この弁挿入
   孔３０の第１の高圧燃料通路側にシート面３５を
   形成すると共に、反第１の高圧燃料通路側をスト
   ツパ３７とし、さらに該弁挿入孔３０の径方向に
   溝３２を形成し、この溝３２に前記第２の高圧燃
   料通路２８の反噴射ノズル側を接続して成る燃料
   噴射装置のチエツクバルブ。