JPH05235473A - 面型発光素子およびその製造方法 - Google Patents

面型発光素子およびその製造方法

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JPH05235473A
JPH05235473A JP3917192A JP3917192A JPH05235473A JP H05235473 A JPH05235473 A JP H05235473A JP 3917192 A JP3917192 A JP 3917192A JP 3917192 A JP3917192 A JP 3917192A JP H05235473 A JPH05235473 A JP H05235473A
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JP
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mirror
semiconductor
layer
light emitting
cavity
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JP3917192A
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Goji Kawakami
剛司 川上
Yoshiaki Kadota
好晃 門田
Taketaka Kohama
剛孝 小濱
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S5/00Semiconductor lasers
    • H01S5/10Construction or shape of the optical resonator, e.g. extended or external cavity, coupled cavities, bent-guide, varying width, thickness or composition of the active region
    • H01S5/18Surface-emitting [SE] lasers, e.g. having both horizontal and vertical cavities
    • H01S5/183Surface-emitting [SE] lasers, e.g. having both horizontal and vertical cavities having only vertical cavities, e.g. vertical cavity surface-emitting lasers [VCSEL]
    • H01S5/18308Surface-emitting [SE] lasers, e.g. having both horizontal and vertical cavities having only vertical cavities, e.g. vertical cavity surface-emitting lasers [VCSEL] having a special structure for lateral current or light confinement
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S5/00Semiconductor lasers
    • H01S5/20Structure or shape of the semiconductor body to guide the optical wave ; Confining structures perpendicular to the optical axis, e.g. index or gain guiding, stripe geometry, broad area lasers, gain tailoring, transverse or lateral reflectors, special cladding structures, MQW barrier reflection layers
    • H01S5/2054Methods of obtaining the confinement
    • H01S5/2059Methods of obtaining the confinement by means of particular conductivity zones, e.g. obtained by particle bombardment or diffusion
    • H01S5/2063Methods of obtaining the confinement by means of particular conductivity zones, e.g. obtained by particle bombardment or diffusion obtained by particle bombardment

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  • Semiconductor Lasers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】発光領域が微細で、レーザ発振のしきい値が低
く、かつ低抵抗で高性能の面型発光素子や面型半導体レ
ーザおよびその製造方法を提供する。 【構成】発光層を含むキャビティ領域と上部ミラーとの
整合性を容易に、かつ完全にするために上部ミラーには
半導体多層膜ミラーを使用し、下部ミラーからキャビテ
ィ領域および上部ミラーまでを、1回のエピタキシャル
成長により連続して形成する。さらに、イオン注入の電
圧を小さくして活性層へのダメージを極小さく抑え、か
つ微細構造の発光領域および光学的ガイド構造を容易に
形成するため、半導体多層膜からなる上部ミラーをメサ
エッチングして活性層までの距離を短くする。また、イ
オン注入および電極形成の際には、メサ部をイオン注入
のマスクとしてセルフアライン的に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は基板に対し垂直方向に発
光またはレーザ発振する面型発光ダイオードまたは面発
光型半導体レーザおよびその製造方法に係り、特に素子
抵抗の低減と、低しきい値で高効率の面型発光素子およ
びその製造方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】基板に対し垂直方向に発光または発振す
る自然発光制御型の面発光ダイオードあるいは面発光型
半導体レーザは、微細で指向性がよく高効率で(または
しきい値が小さく)2次元アレイ化に適しているため、
光応用の新しい道を開くものとして期待されている。し
かし、自然発光を効率よく制御し、低しきい値でレーザ
発振を得るためには100%に近い反射率のミラーが要
求される。このため、半導体または誘電体の多層膜等か
らなるDBRミラー(Distributed Bragg Reflector)
が使用されている。
【0003】図4は、従来の面型発光素子構造の一例
で、n型半導体(n−GaAs)基板1上に、GaAsまた
はInGaAs歪層の発光層を含むキャビティ領域2を持
ち、そのキャビティ厚さを1または1/2光学波長とし
たものが、いわゆるマイクロキャビティ型素子である。
発光層を含むキャビティ領域2の両側には、n型半導体
多層膜からなる下部ミラー3およびp型半導体多層膜か
らなる上部ミラー4が形成されており、各々GaAs/A
lAs、またはAlGaAs/AlAsの各λ/4n(λは発
光波長、nは各屈折率)の厚さからなる半導体多層膜ミ
ラーを使用している。この素子は、じょうご形といわれ
るもので、プロトンまたは酸素イオン注入により内部に
半絶縁領域5を設けることにより電流狭窄と低抵抗化を
はかったものである。すなわち、プロトンまたは酸素イ
オンの注入では、注入電圧と注入量を適切に選ぶことに
より、表面では元の電気伝導性を維持したまま内部のみ
を絶縁化することができる。あるいは、プロトンまたは
酸素イオン注入後、p型イオン、例えばベリリウムを表
面に注入すれば内部のみを絶縁化することもできる。こ
のドーナツ状イオン注入部分にp型電極7を形成し、さ
らに基板側にn型電極6を形成すると、電流はドーナツ
状電極からプロトンまたは酸素イオン注入による内部の
半絶縁領域5を避けて流れ、活性層内の所定の発光領域
8のみで発光する。この構造では、オーミック接触部を
発光領域8周辺のドーナツ状部分とすることにより、そ
の面積を増大して低抵抗とすることができる。また、発
光部の直上には電極を設けていないことから容易に上面
発光型の素子を作製することができるという長所があ
る。しかし、この従来の素子では、以下に示す欠点を有
している。すなわち、上部半導体ミラーの表面から、そ
の下の活性層までプロトンまたは酸素イオン注入を行う
ため、注入電圧を高くして深くまでイオンを到達させな
ければならない。注入電圧を高くすることは、活性層へ
のダメージを大きくすることになる。活性層へのダメー
ジは、有効な発光領域8の周辺の非発光中心を増大さ
せ、それが発光領域8へ注入されるキャリアを死滅させ
るので発光効率が低下する。このため、発光ダイオード
の発光出力を低下させ、またレーザ発振のしきい値を上
昇させる結果となる。また、内部深くまでプロトンまた
は酸素イオンを注入するため、その横広がりが問題とな
り、発光領域8を微細に限定することが困難となる。さ
らに、キャビティ上部に光学的なガイド構造が設けられ
ていないためにガイドロスが大きく、これがレーザしき
い値を上昇させるという問題があった。
【0004】図5は、従来の素子構造の他の一例であ
る。この素子の電流狭窄構造は、上述の素子と同様、内
部に半絶縁領域5を形成したじょうご型と類似の構造で
あって、キャビティの上側のクラッド層の一部10をp
型化し、これを通して電流注入が行われる。上部ミラー
には、半導体DBRミラーを使用しないで誘電体多層膜
からなる上部ミラー11を用いるものである。この素子
は、上記の素子とは異なり、イオン注入電圧が低くて済
むのでダメージが少なく発光領域も微細化でき、かつ上
部には光学的ガイドが形成されているためしきい値は低
下するものと考えられる。しかし、実際には良好な素子
特性は得られないという問題があった。これは、誘電体
多層膜のエッチングが半導体多層膜に比べて困難であり
微細構造が作りにくいこと、また発光層を含むキャビテ
ィ領域2上に、誘電体多層膜からなる上部ミラー11を
形成する際に、その界面9に光学的異物、すなわち半導
体結晶の酸化物や汚物等が混入し易く、マイクロキャビ
ティの条件が損なわれ易いためであると考えられる。マ
イクロキャビティ型面発光素子では、共振器内に発生す
る定在波の光強度分布のピーク位置をキャビティの中心
に正確に合わせ、その位置に活性層を配置するが、この
条件がわずかでもずれると発光出力が著しく低下する。
キャビティの極く近傍での光学的不均一は、マイクロキ
ャビティ特性に大きな影響を与えるため、発光層を含む
キャビティ領域2の極近傍に半導体とは異種の誘電体多
層膜からなる上部ミラー11を設けることで素子特性を
低下させていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した従来技術の欠点を改善し、発光領域が微細で、レー
ザ発振のしきい値が低く、かつ低抵抗の面型発光素子お
よび面型半導体レーザ、およびその製造方法を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的を達成
するために、発光層を含むキャビティ領域と上部ミラー
との整合性を容易に、かつ完全にするために上部ミラー
には半導体多層膜ミラーを使用し、下部ミラーからキャ
ビティ領域および上部ミラーまでを、1回のエピタキシ
ャル成長により連続して形成させる。さらに、イオン注
入の電圧を小さくして活性層へのダメージを極小さく抑
え、かつ微細構造の発光領域および光学的ガイド構造を
容易に形成するため、上記半導体多層膜ミラーをメサエ
ッチングして活性層までの距離を短くする。また、イオ
ン注入および電極形成の際には、上記メサ部をイオン注
入のマスクとしセルフアライン的に行うものである。
【0007】本発明は、半導体基板上に、半導体多層膜
からなる第1の半導体ミラーと、活性層を含むキャビテ
ィ領域と、上記第1の半導体ミラーとは異なる半導体多
層膜からなる第2の半導体ミラーとを少なくとも備え、
基板に対し垂直方向に発光もしくはレーザ発振する面型
発光素子であって、上記第2の半導体ミラーは凸部を有
する形状となし、この第2の半導体ミラーの凸部の周辺
部で、その層厚方向の活性層近傍に半絶縁領域を設定
し、上記第2の半導体ミラーの凸部の周辺部に電流注入
用の電極を有する構造とした面型発光素子である。
【0008】そして本発明は、半導体基板上に、少なく
とも半導体多層膜からなる第1の半導体ミラー部と、活
性層を含むキャビティ領域と、上記第1の半導体ミラー
とは異なる半導体多層膜からなる第2の半導体ミラー部
とを順次積層する工程と、上記第2の半導体ミラー部の
表面をメサエッチングするためのマスクを形成する工程
と、メサエッチングにより第2の半導体ミラー部に凸部
を形成する工程と、上記凸部に形成したメサエッチング
用のマスクをイオン注入用のマスクとしてイオン注入を
行う工程と、電極層を蒸着してリフトオフを行い上部電
極を形成する工程とを少なくとも含む面型発光素子の製
造方法である。また、上記のメサエッチングにより第2
の半導体ミラー部に凸部を形成する工程の後に、メサエ
ッチングするために設けたマスクを除去する工程と、凸
部を形成した第2の半導体ミラー部をマスクとしてイオ
ン注入する工程と、電極リフトオフ用のリソグラフを施
す工程と、電極層を蒸着してリフトオフを行い上部電極
を形成する工程とを少なくとも含む面型発光素子の製造
方法である。さらに、上記の凸部を形成した第2の半導
体ミラー部をマスクとしてイオン注入した後に、凸部を
有する第2の半導体ミラーの全面に電極層の蒸着を行
い、上部電極を形成する工程を少なくとも含む面型発光
素子の製造方法である。
【0009】
【実施例】図1は、本発明の面型発光素子および面型半
導体レーザの構成の一例を示すもので、図2(1)〜
(5)に本発明の面型発光素子の代表的な製造工程を示
す模式図である。まず、n型半導体(GaAs)基板1上
に、基板側ミラーとしてn型半導体多層膜からなる下部
ミラー3を形成する。例えば、その組成をAlAsとGa
Asとすると、その4分の1光学波長は、それぞれ80.
3nmと66.9nmになる。ここで、発光波長(λ)
を980nm、AlAsとGaAsの屈折率(n)を、それ
ぞれ3.05、3.66とした。この材料で、20.5ペ
ア(最上層はAlAsとした)を形成すると、全体の層の
厚みは3.0μm、発光層側から基板側をみた反射率の
最高値は99.8%となる。なお、AlAsとGaAsは所
望する反射率、抵抗値、発光波長等によりAl組成およ
び厚さを変更することができる。ついで、活性層として
InGaAs歪量子井戸層を中央に持ち、厚さがλ/nの
Al0.3Ga0.7Asからなる内部に発光層を含むキャビテ
ィ領域(いわゆるλキャビティ)2、半導体多層膜から
なる上部ミラー12を成長させる。これらの成長は、光
学的諸条件を容易に満足させるために一回の結晶成長で
形成させる。半導体多層膜からなる上部ミラー12は、
n型半導体多層膜からなる下部ミラー3と同様に、Al
AsとGaAsまたはこれらに相当する半導体組成の4分
の1光学波長厚さの多層膜からなるが、キャビティ長が
λの場合、p型半導体多層膜からなる上部ミラーの最下
層13をAlAsとすれば屈折率の大小関係から、キャビ
ティの中央を発振モードの最大強度(定在波の腹)とす
ることができる。また、λ/2キャビティ等の場合も同
様の条件を満足するようにミラーの屈折率構成を調整す
る。半導体多層膜からなる上部ミラー12の電気伝導型
は、本実施例では全部p型としたが、正孔の流れるキャ
ビティ近傍の1ペアまたは数ペアのみをp型とすればよ
く、それ以外の部分は光学的吸収の少ないn型またはノ
ンドープ型でもよい。次に、半導体多層膜からなる上部
ミラー12の表面に、メサエッチングするためのマスク
となるレジスト(またはポリイミド)15を形成する
〔図2(1)〕。この後、半導体多層膜からなる上部ミ
ラー12の一部を、キャビティ近傍までメサ状にドライ
またはウエットエッチングする〔図2(2)〕。メサエ
ッチング表面は、オーミック接触の容易なGaAsとする
ことが望ましい。なお、このp型電流注入層(本実施例
ではGaAsからなるオーミック層)14を厚くしてシリ
ーズ抵抗を低減したい場合には、マイクロキャビティの
定在波条件を損なわないように4分の1光学厚の奇数倍
とする。また、活性層内での電流の均一性を上げるため
に、このp型電流注入層14の最下層を数ペアのp型半
導体補助ミラー13としてもよい。次に、このまま、す
なわちメサエッチング用レジストおよびメサ型半導体層
をマスクとして、プロトンまたは酸素イオン注入をす
る。必要ならば、ベリリウムイオン注入等により内部絶
縁層である半絶縁領域5および表面p層を形成し〔図2
(3)の(a)〕、最後にp型電極7を形成し〔図2
(4)の(a)〕、セルフアライン的にリフトオフによ
り電極のパタニングを行う〔図2(5)の(a)〕。こ
のように本実施例では、キャビティと上部ミラーとの整
合性を容易に、かつ完全にするために上部ミラーには半
導体多層膜ミラーを使用し、この半導体多層膜ミラーを
メサエッチした後にイオン注入を行うため、イオン注入
の電圧を大きくせずに活性層へのダメージを極小に抑
え、かつ微細発光層および微小光学ガイドを容易に形成
することができる。また、p型半導体多層膜を使用する
ことがないため、低抵抗で光学的ロスが少なく、高効率
で低しきい値の上面発光および裏面発光が可能な面型発
光素子、または面型発光型半導体レーザが得られる。本
発明の面型発光素子の製造方法において、上記の図2
(2)の工程の後に、レジスト15を除去し、メサエッ
チングしたメサ部18をマスクとしてイオン注入を行う
〔図2(3)の(b)〕。このメサ部18におけるイオ
ン注入部16は、電気的には絶縁層となるが、素子動作
において電流は流さず、またイオン注入によりDBRミ
ラーとしての性能は損なわれないので、このメサ部18
が上面DBRミラーとなっても、電流狭窄領域(発光領
域)がこのメサ部18によりセルフアライン的に形成さ
れるためミラーロスの生じないキャビティが効果的に形
成される。ついで、電極リフトオフ用リソグラフ〔図2
(4)の(b)〕を形成し、電極の蒸着およびリフトオ
フによって電極をパターニング〔図2(5)の(b)〕
する工程を経ることにより、微細発光領域を有し、レー
ザ発振等のしきい値が低く、低抵抗で高性能の面型発光
素子が得られる。また、本発明の面型発光素子の製造方
法において、上記図2(3)の(b)に示す工程の後
に、電極層を全面に蒸着することにより〔図2(5)の
(c)〕、裏面発光型の素子が得られる。この場合、上
部半導体ミラーの最上層にマッチング層を設け、電極
に、例えば金のような高反射率金属を用いることによ
り、半導体DBRと金属ミラーとの複合ミラーによる高
反射率ミラーが得られる。
【0010】次に、本実施例において、上部ミラーとし
て半導体多層膜ミラーを用い、かつエピタキシャル成長
により下部ミラー、キャビティと一貫して成長させる場
合の効果について説明する。例えば従来の素子構造(図
5)において、発光層を含むキャビティ領域2と誘電体
多層膜からなる上部ミラー11との間に、なんらかの光
学的不均一または異物が混入する。これは、結晶成長炉
から取り出し後、または誘電体多層膜ミラーの形成時に
も発生し易い。この光学的不均一および異物の混入があ
った場合に、半導体レーザのキャビティ特性にどのよう
な影響を与えるかを反射率スペクトルで示したものが図
3(1)、(2)である。なお、図3(2)は図3
(1)のλが970〜990nmの範囲を拡大したグラ
フである。n−GaAs基板上に、下部ミラーとしてAl
As/GaAsを11.5ペア、キャビティ長1波長(λ
キャビティ)、上部ミラーとしてSiO2/TiO2を4ペ
ア形成した場合である。ここで、各DBRミラーの屈折
率差(Δn)は、半導体ミラーの場合Δn/n=0.1
82、誘電体ミラーの場合はΔn/n=0.369とし
た。図において、(a)曲線は理想的なもので全く光学
的不均一または異物がない場合の反射率スペクトル、
(b)曲線はキャビティ/誘電体ミラーの界面24に光
学的不均一または異物として吸収性の薄膜(例えば厚さ
1nm、複素屈折率2.6〜5.3i)が混入した場合で
ある。上記(a)では、キャビティモード波長での反射
率は0%(透過率100%)、かつキャビティモード幅
も非常にシャープであるが、(b)では、キャビティモ
ード波長のシフト、キャビティモード反射率の増大(透
過率の減少)、キャビティモード幅の増大が発生してい
る。これは、面発光レーザのしきい値等の発振特性に重
大な影響を与える。(c)および(d)は、キャビティ
上に1ペア(c)および3ペア(d)の半導体ミラーを
挿入した後、同一の異物および誘電体ミラーを設置した
場合である。異物とキャビティとの間に半導体ペアを挿
入することにより、キャビティ特性が理想的な(a)曲
線に近付く。このように、キャビティ上に半導体ペアを
挿入し、その半導体ペア数を増大させることにより光学
的不均一や異物の混入による影響を少なくすることが可
能である。半導体のペア数を増大させていくと、半導体
ペアだけで上部ミラーとしての高反射率を満足させるこ
とができるようになり、半導体ミラー上の誘電体ミラー
は不要となる。このように構成したものが図1に示す本
実施例の上部ミラーである半導体多層膜からなる上部ミ
ラー12である。このように本発明の面型発光素子は、
光学的キャビティ特性を損なうことなく、かつイオン注
入によるダメージを減少し、また微細なキャビティ面に
おいても有効な素子構造が得られる。なお、上記実施例
においては、発光層がInGaAs歪量子井戸、多層膜ミ
ラーがAlGaAs系のものを用いた場合について説明し
たが、本発明の基本概念は、発光層がGaAs、またはA
lGaAsの量子井戸、あるいはバルク薄膜の場合、さら
にはInGaAsP/InP長波系発光素子、AlGaInP
系可視光素子などにおいても適用可能である。いずれの
場合も、半導体ミラーの組成、キャビティ組成、オーミ
ック組成等は、素子の発光特性、電気特性などを考慮し
て適宜最適化することができる。また、発光層の量子構
造は上記の1次元井戸構造だけでなく、2次元、3次元
量子井戸、すなわち量子線、量子箱型についても、各々
発光スペクトル幅などに合わせてミラー特性を設定する
ことにより本発明の構造を適用することができる。ま
た、素子形態についても面発光レーザ、面型発光ダイオ
ードの他に、面型双安定レーザ、面型アンプ・スイッ
チ、pnpn光サイリスタ、およびそれらを用いた光論
理素子等に対しても適用可能である。
【0011】
【発明の効果】本発明の面型発光素子およびその製造方
法によれば、活性層を含むキャビティ領域の上部に設け
る上部ミラーには半導体多層膜ミラーを用い、下部ミラ
ーからキャビティ領域および上部ミラーまでを1回のエ
ピタキシャル成長により形成するため、キャビティ領域
と上部ミラーとの整合性を容易、かつ完全にすることが
でき優れた光学的キャビティ特性が得られる。さらに、
半導体多層膜からなる上部ミラーをメサエッチングして
活性層までの距離を短くし、イオン注入による半絶縁領
域の形成または電極の形成には上記メサエッチング部を
それぞれのマスクとしてセルフアライン的に行うため、
イオン注入電圧が小さく活性層へのダメージを極めて小
さくすることができ、微細構造の発光領域および光学的
ガイド構造を容易に形成することができ高性能の面型発
光素子、面型半導体レーザ等を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において例示した面型発光素子
の構造を示す模式図。
【図2】本発明の実施例において例示した面型発光素子
の製造工程を示す模式図。
【図3】本発明の実施例で例示した面型発光素子のキャ
ビティ特性(面発光レーザ構造の反射率スペクトル)を
示すグラフ。
【図4】従来の面型発光素子の構造の一例を示す模式
図。
【図5】従来の面型発光素子の構造の他の一例を示す模
式図。
【符号の説明】
1…n型半導体(n−GaAs)基板 2…発光層を含むキャビティ領域 3…n型半導体多層膜からなる下部ミラー 4…p型半導体多層膜からなる上部ミラー 5…半絶縁領域 6…n型電極 7…p型電極 8…発光領域 9…界面 10…クラッド層の一部 11…誘電体多層膜からなる上部ミラー 12…半導体多層膜からなる上部ミラー 13…p型半導体多層膜よりなる上部ミラーの最下層、
またはp型半導体補助ミラー 14…p型電流注入層(GaAsからなるオーミック層) 15…レジスト(またはポリイミド) 16…イオン注入部 17…レジスト(またはポリイミド) 18…メサ部(凸部)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板上に、半導体多層膜からなる第
    1の半導体ミラーと、活性層を含むキャビティ領域と、
    上記第1の半導体ミラーとは異なる半導体多層膜からな
    る第2の半導体ミラーとを少なくとも備え、基板に対し
    垂直方向に発光もしくはレーザ発振する面型発光素子で
    あって、上記第2の半導体ミラーは凸部を有する形状と
    なし、該第2の半導体ミラーの凸部の周辺部で、その層
    厚方向の活性層近傍に半絶縁領域を設定し、上記第2の
    半導体ミラーの凸部の周辺部に電流注入用の電極を有す
    る構造としたことを特徴とする面型発光素子。
  2. 【請求項2】半導体基板上に、少なくとも半導体多層膜
    からなる第1の半導体ミラー部と、活性層を含むキャビ
    ティ領域と、上記第1の半導体ミラーとは異なる半導体
    多層膜からなる第2の半導体ミラー部とを順次積層する
    工程と、上記第2の半導体ミラー部の表面をメサエッチ
    ングするためのマスクを形成する工程と、メサエッチン
    グにより第2の半導体ミラー部に凸部を形成する工程
    と、上記凸部に形成したメサエッチング用のマスクをイ
    オン注入用のマスクとしてイオン注入を行う工程と、電
    極層を蒸着してリフトオフを行い上部電極を形成する工
    程とを少なくとも含むことを特徴とする面型発光素子の
    製造方法。
  3. 【請求項3】請求項2において、メサエッチングにより
    第2の半導体ミラー部に凸部を形成する工程の後に、メ
    サエッチングするために設けたマスクを除去する工程
    と、凸部を形成した第2の半導体ミラー部をマスクとし
    てイオン注入する工程と、電極リフトオフ用のリソグラ
    フを施す工程と、電極層を蒸着してリフトオフを行い上
    部電極を形成する工程とを少なくとも含むことを特徴と
    する面型発光素子の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項3において、凸部を形成した第2の
    半導体ミラー部をマスクとしてイオン注入した後に、凸
    部を有する第2の半導体ミラーの全面に電極層の蒸着を
    行って上部電極を形成する工程を少なくとも含むことを
    特徴とする面型発光素子の製造方法。
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