JPH0523522A - フイルターエレメント - Google Patents

フイルターエレメント

Info

Publication number
JPH0523522A
JPH0523522A JP18235691A JP18235691A JPH0523522A JP H0523522 A JPH0523522 A JP H0523522A JP 18235691 A JP18235691 A JP 18235691A JP 18235691 A JP18235691 A JP 18235691A JP H0523522 A JPH0523522 A JP H0523522A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filter material
filter
filter element
air
ptfe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18235691A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Inoue
治 井上
Tomoo Kusumi
智男 楠見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP18235691A priority Critical patent/JPH0523522A/ja
Publication of JPH0523522A publication Critical patent/JPH0523522A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Filtering Materials (AREA)
  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィルター材料が撓まないフィルターエレメ
ントを提供する。 【構成】 屈曲したフィルター材料の頂上部分に向かっ
てテンションを作用させる手段をフィルター材料の両側
に配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フィルターエレメン
ト、特にエアーフィルター装置用のフィルターエレメン
トに関し、より詳しくは高性能エアーフィルター装置、
例えばHEPA(High Efficiency Particulate
Air)、ULPA(Ultra Low Penetration Ai
r)または超ULPAフィルターとして使用されるフィ
ルター装置に使用されるフィルターエレメントに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年における科学技術の進歩および生活
様式の変化に伴い、清浄な空間や清澄な空気が必要とさ
れる場合が増えてきている。病院や住居内において清澄
な空気が望ましいのは当然であり、種々の空気清浄器が
用いられている。また、精密機械工業や食品産業におい
ても同様である。更に、集積回路や半導体の製造、薬品
の製造、人工臓器などのメディカル関連製品の製造にお
いては、通常の清浄空間より遥かに少ない量の塵埃しか
許容されず、一般的にはHEPAフィルター、好ましく
はULPAフィルター、より好ましくは超ULPAフィ
ルターグレードのフィルター装置が必要とされている。
【0003】上述のような空気清浄用のフィルター装置
は、清浄にすべき空気を通過させて塵埃を除去するフィ
ルター材料から成るフィルターエレメントを有するフィ
ルターをフィルター装置に装着するようになっている。
【0004】このフィルターエレメントの一例を図3に
模式的に斜視図にて示す。フィルターエレメント1は、
複数の畝状部2を形成するように屈曲されたフィルター
材料3、例えばガラス繊維の瀘布から成る。更に、一般
的にはフィルター材料を均等に配置するためにスペーサ
ー4が畝状部と畝状部との間に配置されている(2つの
みを例示的に図示)。このようなフィルターエレメント
1の周囲を矩形のフレーム(図示せず)内に気密的に結
合してフィルターとする。フィルターを通過する空気
は、矢印で示すように、図3の右手後方からフィルター
材料を通過して左手前方に向かって流れる。このような
フィルターエレメントは、例えば高機能フィルターの展
開(大阪ケミカル・リサーチシリーズ VOL.5NO.
9 大阪ケミカルマーケッティングセンター発行)の4
0〜41頁に記載されている。
【0005】フィルター装置の性能の判断基準のひとつ
に瀘過面積なる概念がある。より詳しくは、フィルター
エレメントの単位体積当たりの瀘過面積がフィルター装
置の性能の尺度となる。一般的に、可能な限りコンパク
トなフィルターエレメントが可能な限り大きい瀘過面積
を有する態様が、高性能を有する態様として好ましい。
【0006】図3のフィルターエレメント1において
は、フィルター材料3の総面積が瀘過面積となる。この
ような構造のフィルターエレメントの性能を上げるため
に瀘過面積を増やすには、畝状部と畝状部との間隔、即
ち、ピッチ(図3の長さp)をできる限り小さくして、
畝状部を襞状にすることが通常行われている。
【0007】使用するフィルター材料が可撓性を有する
場合、図3にも示すようにフィルター材料が湾曲したり
撓む場合がしばしばある。上述のようにフィルターエレ
メントはピッチを可能な限り小さくするように構成され
ているので、フィルター材料が湾曲すると、一方側では
隣接する襞との間隔が狭くなり、逆に他方側では間隔が
大きくなる。その結果、間隔が狭い部分の圧力損失は大
きく、逆に、広い部分では圧力損失が小さくなり、瀘過
される気体の流れに偏流が生じて全体としては圧力損失
が増加し、また、フィルター材料が均一に使用されない
ことになり好ましくない。
【0008】また、フィルター材料が撓むと、気体がフ
ィルター材料を通過する角度がフィルターの各部分で異
なることになる。通過する角度が異なると、フィルター
材料を通過する距離が異なり、その結果、フィルター材
料を通過することによる圧力損失に違いが生じる。例え
ば気体の流れ方向とフィルター材料とが平行に近い程、
フィルター材料を通過する距離が長くなり、圧力損失が
増加する。このように、圧力損失が異なると、先に説明
した場合と同様に好ましくない結果となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、上述のような
従来のフィルターエレメントにおけるフィルター材料の
湾曲が抑制されたフィルターエレメントを提供すること
が本発明が解決しようとする課題である。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の課題は、テンショ
ン作用手段を有する折り畳み構造のフィルター材料を有
して成るフィルターエレメントにおいて、テンション作
用手段は、折り込まれたフィルター材料の少なくとも頂
上部分を支持して、フィルター材料に頂上部分向きのテ
ンションを作用させることにより、実質的に平坦なフィ
ルター材料が角度を為して折り込まれている構造にする
ことを特徴とするフィルターエレメントにより解決され
ることが見出された。
【0011】
【作用】以下、添付図面を参照して本発明のフィルター
エレメントを具体的に説明する。図1に本発明のフィル
ターエレメントの分解斜視図を模式的に示している。本
発明のフィルターエレメントは、所定の形状に折り込ま
れて長手方向の両端部15および両縁部17が枠19に
気密的に結合されたフィルター材料部材11および対の
テンション作用手段21を有して成る。
【0012】対のテンション作用手段21は、フィルタ
ー材料部材11の枠19の開口に適合するフレーム部分
23およびフレーム部分が為す面から垂直に突出する複
数のテンション作用部材25を櫛歯状に有して成る。テ
ンション作用手段21は、フィルター材料部材11のそ
れぞれの窪み部分にそれぞれのテンション作用部材25
が挿入され、テンション作用部材の先端が折り込まれた
フィルター材料の頂点(頂上)を支持する。テンション
作用手段21をフィルター材料部材11に挿入した状態
において、フィルター材料には屈曲部分の頂点方向への
張力が作用するようになっている。即ち、テンション作
用部材25の(フレーム部分からの)長さ(k)を屈曲
したフィルター材料の高さ(h)より大きくする。
【0013】この場合、テンション作用部材25の先端
部分のみがフィルター材料の頂点部分を支持しても、あ
るいは図1に示すようにテンション作用部材の形状を屈
曲したフィルター材料の形状に適合させて、フィルター
材料の頂上部分だけでなく斜面も支持するようにしてよ
い。
【0014】テンション作用手段は、図示した態様に限
られるものではなく、フィルター材料の斜面を実質的に
斜面の両側の頂点に向けて引っ張るような力を作用させ
るものであればいずれの態様であってもよい。例えば、
屈曲したフィルター材料の頂点のみを支持するだけであ
っても、図2にフィルター材料に垂直な方向の断面図で
示すように、基部33から垂直に突出した棒状部材35
を有するテンション作用手段31を使用することによ
り、フィルター材料には(矢印により示すように)両方
の頂点37に向かって引っ張る力が作用する。
【0015】高さhと長さkの違いは、使用するフィル
ター材料の引っ張り強さおよび可撓性などを考慮して適
当に選択でき、実質的に平坦なフィルター材料面が確保
される。また、頂点を支持の態様についても、使用する
フィルター材料に応じて種々の態様の中から好ましい態
様を選択できる。例えば、フィルター材料の可撓性が大
きい場合は、多数の箇所(頂上部分および斜面部分)で
支持するのが適当である。逆に、それほど可撓性を有さ
ない場合には、頂点部分のみの支持で十分である。
【0016】本発明のフィルターエレメントに使用する
シート状材料は、フィルターエレメントにより清浄化す
べき気体に対して不透過性である必要がある。空気用の
フィルターエレメントの場合、例えばポリエステルのよ
うな接着剤による接着または熱融着による接着を行うこ
とができる材料を使用する。シート状材料の厚さは、薄
いのが望ましいが、少なくともフィルターエレメントの
畝状部の形状が変形しない程度に選択するのが好まし
い。
【0017】本発明のフィルターエレメントに使用する
フィルター材料は、波形形状にする処理が可能であるよ
うにある程度の可撓性を有するものであれば、一般的に
エアーフィルター装置に使用されているフィルター材料
であってよい。例えば、ガラス繊維の瀘布、合成繊維の
瀘布を使用できる。ピッチを小さくする(即ち、畝状部
の開き具合を小さくする)ことを考慮した場合、ガラス
繊維のフィルター材料より、ポリマー物質のフィルター
材料、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
の多孔膜が好ましく、更に、微小粒子の捕集効率を大き
くすること、圧力損失を小さくすることなどを考慮した
場合、孔径が微小でかつ膜厚が薄いPTFE多孔膜のよ
うなフィルター材料を使用するのが特に好ましい。
【0018】なかでも、ポリエチレン、ポリプロピレン
のようなポリマー繊維の織布または不織布とラミネート
構造にしたPTFE多孔膜のようなフィルター材料は、
完全に折り目を付けても、ガラス繊維のフィルター材料
のように折れてそれ故に新たに塵埃を発生することもな
いので好ましい。
【0019】本発明のフィルターエレメントにおいて、
圧力損失、塵埃の捕集効率、フィルター材料の可撓性な
どを考慮した場合、ポリテトラフルオロエチレンからな
るフィルター材料を用いるのが好ましく、また、フッ素
系樹脂特有の耐薬品性を有する点からも有利である。例
えばポリエステル、ポリエチレンテトラフタレートをコ
アとしてその周囲にポリオレフィン、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、低融点ポリエステルのような熱融
着性樹脂を被覆した複合繊維の織布または不織布とフィ
ルター材料をラミネート構造にした場合、接着剤を使用
しなくても畝状部分を挟むシート状材料と気密的に熱融
着できるので更に好都合である。
【0020】このようなポリテトラフルオロエチレンか
らなる多孔質フィルター媒体は、例えば、ポリテトラフ
ルオロエチレン半焼成体を延伸したのちこれをポリテト
ラフルオロエチレン焼成体の融点以上の温度でヒートセ
ットしてなるポリテトラフルオロエチレン多孔膜であっ
て、走査型電子顕微鏡写真の画像処理によるフィブリル
と結節の面積比が99:1〜75:25であり、平均フ
ィブリル径が0.05μm〜0.2μmであり、結節の最大
面積が2μm2以下であり、かつ平均孔径が0.2μm〜
0.5μmであるポリテトラフルオロエチレン多孔膜、平
均孔径が0.2μm〜0.5μmであり、かつ5.3cm/秒
の流速で空気を透過させた時の圧力損失が10mmH2
〜100mmH2Oであるポリテトラフルオロエチレン多
孔膜、ポリテトラフルオロエチレン半焼成体を二軸方向
に少なくとも50倍の伸張面積倍率で延伸し、ポリテト
ラフルオロエチレン焼成体の融点以上でヒートセットさ
れたポリテトラフルオロエチレン多孔膜のようなもので
ある。
【0021】このような多孔膜は、粒子を確実に捕集す
る為にはフィルターの繊維に付着した粒子の再離脱の防
止や貫通粒子の遮蔽が必要である。その為には、確実に
捕集したい粒子の大きさよりも小さい孔径のフィルター
材を用いるべきである。従って、PTFE多孔膜にあっ
ては平均孔径の小さいものが好ましい。
【0022】フィルター材料の孔径と空孔率が同一であ
れば圧力損失は膜厚に比例するので、膜厚は薄い方が好
ましい。
【0023】フィルター材料の圧力損失、孔径、空孔
率、膜厚が同じであっても粒子捕集性能は異なるもので
あり、理論上は0.5μm以下の細かい繊維を用い又バ
インダーを可能なかぎり少量に抑える、すなわち繊維以
外の部分を減らすことが好ましいといわれている(化学
工学協会52年会江見準講演要旨集参照)。上述のPT
FE多孔膜は、このような諸条件を満足するものであ
る。
【0024】これらPTFE多孔膜について製法を含め
てより詳細に説明する。PTFE多孔膜の延伸前の材料
は、特開昭59−152825公報で定義されたPTF
E半焼成体に準拠するものである。このPTFE半焼成
体を二軸方向に伸張面積倍率で少なくとも50倍、好ま
しくは少なくとも70倍、さらに好ましくは少なくとも
100倍延伸し焼成した延伸多孔体の構造は、ほとんど
結節のない微細な繊維からなる特有な膜構造を有する。
【0025】しかも、そのようにして製造したPTFE
多孔膜の平均孔径はきわめて小さく、通常0.5μm〜
0.2μmであり、さらに膜の厚みも延伸前の20分の1
から50分の1程度に減少している。
【0026】これらの諸要件は、半導体の微細パターン
を加工する高度な清浄空間を維持するためのエアフィル
ター材料に適している。
【0027】低圧損のフィルターを作成するための一つ
の要件は、薄いPTFE多孔膜で良いことになるが、従
来法(特公昭56−17216号公報)では延伸倍率を増
大させても巾も厚みもほとんど減少しない。けれども、
極端に延伸倍率を増大させると孔径は大きくなるので延
伸前のフィルム厚みを薄くせざるを得ない。しかし工業
的に利用できるフィルムの延伸前厚みはせいぜい30μ
m〜50μmまでである。品質及び歩留りを考えると、1
00μm前後の厚みの延伸前フィルムが通常である。
【0028】前記したPTFE半焼成体を二軸方向に伸
張面積倍率で少なくとも50倍延伸し焼成する製法で
は、工業的に生産性に支障のない厚み100μm程度の
延伸前フィルムを用いて目的を達成することができる。
逆にいえば延伸前のフィルム厚みを薄くすればする程、
目的とする用途に貢献するのである。
【0029】PTFE多孔膜における各パラメータの一
般的な範囲および好ましい範囲をまとめて示す。 一般的な範囲 好ましい範囲 焼成度: 0.30〜0.80 0.35〜0.70 延伸倍率: MD 2〜10 MD 3〜8 TD 10〜100 TD 15〜70 合計 50〜500 合計 50〜400 平均孔径: 0.2〜0.5μm 0.2〜0.4μm 膜厚: 0.5〜15μm 1〜10μm フィブリル/結節面積比:99/1〜75/25 99/1〜85/15 平均フィブリル径: 0.05〜0.2μm 0.05〜0.2μm 結節の最大面積: 2μm2以下 0.05〜1μm2 圧力損失: 10〜100mmH2O 10〜70mmH2
【0030】前記の各特性は次の測定方法で求められ
る。平均孔径 ASTM F−316−86の記載に準じて測定される
ミーンフローポアサイズ(MFP)を平均孔径とする。実
際の測定は、コールター・ポロメーター(Coulter Por
ometer)[コールター・エレクトロニクス(Coulter Ele
ctronics)社(英国)製]で測定を行う。
【0031】膜厚 株式会社ミツトヨ製1D−110MH型膜厚計を使用
し、多孔膜を5枚重ねて全体の膜厚を測定し、その膜厚
を5で割り、得られた値を1枚の膜の膜厚とする。
【0032】圧力損失 多孔膜を直径47mmの円形に切り出し、透過有効面積1
2.6cm2のフィルターホルダーにセットし、これの入口
側を0.4kg/cm2に加圧し、出口側から出る空気の流量
を上島製作所製流量計で多孔膜透過流速を5.3cm/秒
に調節し、その時の圧力損失をマノメーターで測定す
る。
【0033】焼成度 まず、PTFE未焼成体から3.0±0.1mgの試料を秤
量して切取り、この試料を用いてまず結晶融解曲線を求
める。同様にPTFE半焼成体から3.0±0.1mgの試
料を秤量して切取り、この試料を用いて結晶融解曲線を
求める。
【0034】結晶融解曲線は、示差走査熱量計(以下、
「DSC」という。例えば島津製作所社製DSC−50
型)を用いて記録する。まずPTFE未焼成体の試料
を、DSCのアルミニウム製パンに仕込み、未焼成体の
融解熱および焼成体の融解熱を次の手順で測定する。 (1) 試料を50℃/分の加熱速度で250℃に加熱
し、次いで10℃/分の加熱速度で250℃から380
℃まで加熱する。この加熱工程において記録された結晶
融解曲線の1例を図4の曲線Aとして示す。この工程に
おいて現われる吸熱カーブのピーク位置を「PTFE未
焼成体の融点」または「PTFEファインパウダーの融
点」と定義する。 (2) 380℃まで加熱した直後、試料を10℃/分の
冷却速度で250℃に冷却する。 (3) 試料を再び10℃/分の加熱速度で380℃に加
熱する。加熱工程(3)において記録される結晶融解曲線
の1例を図4の曲線Bとして示す。加熱工程(3)におい
て現われる吸熱カーブのピーク位置を「PTFE焼成体
の融点」と定義する。
【0035】続いてPTFE半焼成体について結晶融解
曲線を工程(1)に従って記録する。この場合の曲線の1
例を図5に示す。PTFE未焼成体、焼成体、半焼成体
の融解熱は吸熱カーブとベースラインとの間の面積に比
例し、島津製作所社製DSC−50型では解析温度を設
定すれば自動的に計算される。
【0036】そこで焼成度は次の式によって計算され
る。 焼成度=(ΔH1−ΔH3)/(ΔH1−ΔH2) ここで、ΔH1はPTFE未焼成体の融解熱、ΔH2はP
TFE焼成体の融解熱、ΔH3はPTFE半焼成体の融
解熱である。PTFE半焼成体に関しては、特開昭59
−152825号公報に詳細な説明がある。
【0037】画像解析 フィブリルと結節の面積比、平均フィブリル径、最大の
結節面積は次に示す方法で測定する。多孔膜表面の写真
を走査型電子顕微鏡(日立S−4000型蒸着は日立E
1030型)でとる(SEM写真。倍率1000倍〜50
00倍)。この写真を画像処理装置(ラットク・エンジニ
アリング株式会社イメージ・コマンド(Image Comman
d)4198、TVIP−4100)に取り込み、結節と
フィブリルに分離し、結節のみからなる像と繊維のみか
らなる像を得る。結節のみからなる像を演算処理するこ
とで最大の結節面積を求め、フィブリルのみからなる像
を演算処理しフィブリルの平均径を求める(総面積を総
周長の1/2で割る)。フィブリルと結節の面積比は、
フィブリル像の面積の総和と結節像の面積の総和の比か
ら求めることができる。
【0038】結節の定義 結節は、次のいずれかを満足するものをいう。 (1)複数のフィブリルがつながっているかたまり(図
6:点で埋められた部分。) (2)つながっているかたまりがフィブリル径より太い
(図9及び図10:斜線部) (3)一次粒子及び一次粒子がかたまっていて、そこか
らフィブリルが放射線状に伸びている(図7、図8及び
図11:斜線部) なお、図12は、結節とは見なさない例である。すなわ
ち、フィブリルが枝分かれしているが、フィブリルと分
岐部分の径が同じである場合、分岐分岐は結節とは見な
さない。
【0039】具体的には、PTFEファインパウダー
(ダイキン工業株式会社製「ポリフロン・ファインパウ
ダーF−104UF」)のペースト押出成形によって得
られた未焼成フィルム(厚さ100μm)を339℃の
オーブン中で50秒間加熱処理して、焼成度0.50の
半焼成フィルムを得、このフィルムを320℃に加熱し
てフィルムの長手方向に100%/秒の延伸速度で8
倍、フィルムの幅方向に25倍延伸し(合計で延伸前の
フィルム面積の200倍とする。)、この延伸フィルム
が収縮しないように350℃で3分間熱固定処理を行う
ことにより得られる。このようにして得られるPTFE
多孔膜は、厚さ1.0μm、平均孔径が0.28μm、フィ
ブリルと結節の面積比が95:5、平均フィブリル径
0.14μm、最大結節面積0.38μm2であり、5.3cm
/秒の流速で空気を通過させた時の圧力損失が45mmH
2Oである。
【0040】また、上述のようなフィルター材料とラミ
ネート構造にする織布または不織布は、例えばユニチカ
株式会社から市販されているエルベス(登録商標)を使
用できる。
【0041】上述のラミネート構造のフィルター材料を
使用する場合、使用するフィルター材料に応じて、完全
な折り目を付けることができる、即ち、明確な頂点部分
を形成でき、それによりフィルター材料としての剛性が
増すので、その頂点を支持すればフィルター材料の撓み
は殆ど防止される。特に、ポリテトラフルオロエチレン
から成るフィルター材料をラミネート構造にて使用する
場合、このような効果が顕著になる。
【0042】
【発明の効果】このような構造のフィルターエレメント
とすることにより、従来のフィルターエレメントを使用
する場合より遥かに均一な気体の流れを確保でき、フィ
ルター材料全体にわたって均等に空気を分配することが
可能となる。従来のフィルターエレメントでは、襞の頂
上部分(または谷底部分)のフィルター材料に対しての
み空気が実質的に垂直方向に衝突し、他の部分について
は、斜め方向に空気がフィルター材料に衝突することに
なってしまう。従って、空気が通過すべきフィルター材
料の厚さ(距離)は、頂上部分が最も薄く、それ以外の
部分は、フィルター材料を斜めに通過する必要があるの
で、空気が通過する距離はフィルター材料自体の厚さよ
り相当厚くなる。そのため、フィルター材料を通過する
際の圧力損失に分布が生じて、全体として圧力損失が増
大してしまう。
【0043】従来の構造のフィルターエレメントでは、
その奥行き(図3のc)が大きくなる程、襞の数を増や
すために、空気の流れる方向とフィルター材料の角度と
が平行に近い角度になるので、上述のような傾向は更に
顕著になる。
【0044】この点、本発明のフィルターエレメント
は、フィルター材料面が実質的に平坦であるので、全体
としての空気の流れ方向とフィルター材料の角度がフィ
ルター材料のいずれの部分において実質的に同じとな
り、従って、気体が通過すべきフィルター材料の距離は
等しくなる。その結果、フィルター材料通過に伴う圧力
損失は等しくなり、気体は偏流を生じることなく、一様
にフィルター材料を通過する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のフィルターエレメントの分解した状
態を模式的に示す斜視図である。
【図2】 本発明のフィルターエレメントの別の態様を
模式的に示す断面図である。
【図3】 従来技術のフィルターエレメントを模式的に
示す斜視図である。
【図4】 焼成度を測定する場合にDSCにより測定さ
れた未焼成PTFEおよび焼成PTFEの結晶融解曲線
の一例を示す図。
【図5】 焼成度を測定する場合にDSCによる測定さ
れた半焼成PTFEの結晶融解曲線の一例を示す図。
【図6】 フィブリル一結節構造の一例の模式図。
【図7】 フィブリル一結節構造の一例の模式図。
【図8】 フィブリル一結節構造の一例の模式図。
【図9】 フィブリル一結節構造の一例の模式図。
【図10】 フィブリル一結節構造の一例の模式図。
【図11】 フィブリル一結節構造の一例の模式図。
【図12】 フィブリル一結節構造の一例の模式図。
【符号の説明】
1…フィルターエレメント、2…畝状部、3…フィルタ
ー材料、4…スペーサー、11…フィルターエレメント
部材、13…フィルター材料、15…端部分、17…縁
部分、19…枠、21…テンション作用手段、23…フ
レーム部分、25…テンション作用部材、31…テンシ
ョン作用手段、33…フレーム部分、35…テンション
作用部材、37…頂点。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テンション作用手段を有する折り畳み構
    造のフィルター材料を有して成るフィルターエレメント
    において、 テンション作用手段は、折り込まれたフィルター材料の
    少なくとも頂上部分を支持して、フィルター材料に頂上
    部分向きのテンションを作用させることにより、実質的
    に平坦なフィルター材料が角度を為して折り込まれてい
    る構造にすることを特徴とするフィルターエレメント。
  2. 【請求項2】 フィルター材料が、織布または不織布に
    より少なくとも片面がラミネートされたポリテトラフル
    オロエチレン多孔膜である請求項1記載のフィルターエ
    レメント。
JP18235691A 1991-07-23 1991-07-23 フイルターエレメント Pending JPH0523522A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18235691A JPH0523522A (ja) 1991-07-23 1991-07-23 フイルターエレメント

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18235691A JPH0523522A (ja) 1991-07-23 1991-07-23 フイルターエレメント

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0523522A true JPH0523522A (ja) 1993-02-02

Family

ID=16116886

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18235691A Pending JPH0523522A (ja) 1991-07-23 1991-07-23 フイルターエレメント

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0523522A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09187612A (ja) * 1995-10-31 1997-07-22 Takasago Thermal Eng Co Ltd ガス状不純物処理システム及び粒子除去フィルタ
KR20030085203A (ko) * 2002-04-29 2003-11-05 엘지전자 주식회사 공기청정기의 집진필터
KR100759420B1 (ko) * 2001-09-05 2007-09-17 한라공조주식회사 공조장치용 필터
JP2010088993A (ja) * 2008-10-07 2010-04-22 Akushii:Kk エアフィルタ
WO2012105208A1 (ja) * 2011-01-31 2012-08-09 パナソニック株式会社 集塵フィルターユニット、投写型画像表示装置、及び空気清浄機

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09187612A (ja) * 1995-10-31 1997-07-22 Takasago Thermal Eng Co Ltd ガス状不純物処理システム及び粒子除去フィルタ
KR100759420B1 (ko) * 2001-09-05 2007-09-17 한라공조주식회사 공조장치용 필터
KR20030085203A (ko) * 2002-04-29 2003-11-05 엘지전자 주식회사 공기청정기의 집진필터
JP2010088993A (ja) * 2008-10-07 2010-04-22 Akushii:Kk エアフィルタ
WO2012105208A1 (ja) * 2011-01-31 2012-08-09 パナソニック株式会社 集塵フィルターユニット、投写型画像表示装置、及び空気清浄機

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6030428A (en) Porous polytetrafluoroethylene membrane, process for producing the same, sheet-form polytetrafluoroethylene molding, and air filter medium
JP2792354B2 (ja) ポリテトラフルオロエチレン多孔膜
EP0707033B1 (en) Composite porous polytetrafluoroethylene membrane
TWI503163B (zh) Teflon porous film and air filter filter
KR101353726B1 (ko) 폴리테트라플루오로에틸렌 다공질막의 제조 방법과 필터 여과재 및 필터 유닛
EP0525630A2 (en) Polytetrafluoroethylene porous film and preparation and use thereof
JP2000079332A (ja) エアフィルタ用ろ材
KR100429718B1 (ko) 공기 필터 여과재, 그것을 사용한 공기 필터 팩과 공기필터 유닛, 및 공기 필터 여과재의 제조 방법
EP3520874B1 (en) Air filter medium, air filter pack, and air filter unit
JP2000300921A (ja) エアフィルタ濾材およびそれを用いたエアフィルタユニット
JP2008055407A (ja) ポリテトラフルオロエチレン多孔質膜の製造方法およびエアフィルタ濾材
TW201446323A (zh) 空氣過濾器濾材之製造方法、空氣過濾器濾材及空氣過濾器包
JP2014087740A (ja) フィルタ濾材およびフィルタユニット
JP2002370020A (ja) タービン用吸気フィルタ濾材およびその使用方法と製造方法
JPH0523522A (ja) フイルターエレメント
JPH05184844A (ja) フィルターエレメント
EP1260261A1 (en) Turbine air filter media
JPH0523517A (ja) フイルターエレメント
JP2000153122A (ja) フィルタユニット
JP2002172316A (ja) ポリテトラフルオロエチレン多孔質膜とこれを用いた通気性積層体およびフィルタユニット
JP2005205305A (ja) エアフィルタ濾材
JPH10211409A (ja) エアフィルタ用濾材並びにエアフィルタ
JP2000033244A (ja) ラミネ―ト構造物
JPH05184843A (ja) フィルター材料およびフィルターエレメント
JPH0523518A (ja) フイルターエレメント