JPH0523239Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、洗浄用、農薬噴霧用等の噴霧ノズ
ルの切替装置に関する。

〔従来の技術〕

洗浄液、農薬等の噴霧機において、噴霧管の先
端に二頭式の分岐管を設け、その一方に遠距離狭
角噴霧用の遠達ノズル、他方に近距離広角噴霧用
の広角ノズルを装着したものが従来から知られて
いる。

上記の二頭式の分岐管は、相互に平行な分岐部
と、それらの分岐部を連通する連通部とから構成
され、上記の連通部中央に噴霧管の先端が接続さ
れる。連通部内に切替弁が設けられ、この切替弁
に接続した切替シヤフトを噴霧管の手元の操作部
で操作することにより切替弁を作動せしめ、噴霧
管内の流体をどちらか一方の分岐部に導くように
したものである。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記構成の分岐部を有する噴霧
機においては、切替弁と、噴霧管から連通部に至
る部分、連通部から分岐部に至る部分において、
それぞれ流路が直角に屈曲するので、これらの部
分において流体の圧力損失が生じる。このような
損失があると、特に遠達ノズル使用時において、
噴霧圧力が低減し、噴霧の到達距離が短くなる欠
点がある。

そこで、この考案の課題は、圧力の損失を小さ
くするようにした噴霧ノズル用切替装置を提供す
ることである。

〔課題を解決するための手段〕

上記の課題を解決するため、この考案は、噴霧
管の先端に分岐管を設け、その分岐管を遠達分岐
部、遠達分岐部と平行の広角分岐部及び両分岐部
を接続する連通部により構成し、上記の遠達分岐
部を噴霧管と同一軸線上に設け、遠達分岐部の内
部に連通部より先端側に寄つて遠達用弁装置を設
け、同弁装置の弁棒を噴霧管元端の開閉操作部に
連結し、広角分岐部の内部に連通部より先端側に
寄つて広角用弁装置を設けると共に、連通部より
後端側にピストンをスライド自在に挿入し、広角
用弁装置の弁棒を上記ピストンに一体化し、この
ピストンに弁孔閉塞方向の弾性力を付与した構成
を採用したのである。

〔作用〕

噴霧管手元の開閉操作部を操作して遠達用弁装
置を開放した状態で元コツクを開放し圧力水を供
給すると、噴霧管内の圧力水は、遠達分岐部に導
かれて遠達噴霧が行なわれる。このとき、遠達分
岐部内の圧力は、一定以下に低下するため、これ
と連通したピストンは、これに付与された弾性力
により前進状態に維持される。このため、広角用
弁装置は閉状態になる。

次に、噴霧管の開閉操作部を操作して遠達用弁
装置を開放すると、遠達分岐部内の圧力が上昇す
る。このため、広角分岐部内の圧力も上昇し、そ
の圧力がピストンに付与された弾性力に打ち勝つ
と、ピストンが後退する。これにより、広角用弁
装置が開放され、広角噴霧が行なわれる。

〔実施例〕

この考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図及び第２図に示すように、内管１と外管
２の二重管により噴霧管３を構成し、外管２の先
端に継手４を介して分岐管５を接続する。また、
その外管２の元端に上記内管１の元端と連結した
開閉操作部６を設ける。内管１は、上記の継手４
内を○リング７により水密を保持した状態に貫通
され、その先端部に弁体８が装着される。また、
内管１の先端部には孔９が設けられる。

上記分岐管５は、遠達分岐部１０と、その遠達
分岐部１０と平行の広角分岐部１１と、両分岐部
１０，１１の中央を接続する連通部１２とにより
構成される。上記遠達分岐部１０は、噴霧管３と
同一軸線上に設けられる。

上記遠達分岐部１０の内部において、連通部１
２より先端寄りの位置に弁座１３が設けられ、こ
の弁座１３中央に弁孔１４が形成される。前記の
内管１を遠達分岐部１０後部に挿入し、その先端
の弁体８を弁孔１４に対向させる。また、遠達分
岐部１０と内管１が、内管１に形成した孔９によ
り連通される。

上記広角分岐部１１の内部において、連通部１
２より先端寄りの位置に弁座１３が設けられ、弁
座１３中央に弁孔１４が形成される。また、連通
部１２より後端側に、広角分岐部１１の内部をス
ライドするピストン１５が設けられる。このピス
トン１５の前端に弁棒１６を一体に形成し、この
弁棒１６に弁体８を取り付ける。ピストン１５の
後端には、調節バネ１７を押圧してピストン１５
に弁孔１４閉塞方向に弾性力を付与する。また、
上記広角分岐部１１後端にキヤツプ１８がネジ結
合され、このキヤツプ１８の中央に調節用ネジ棒
１９が嵌入される。上記ネジ棒１９の前端に押圧
板２０を設け、この押圧板２０により調節バネ１
７を押圧してバネ１７の弾性力を調節する。

また、上記の遠達分岐部１０及び広角分岐部１
１のそれぞれの先端に継手管２１が強固に嵌入さ
れ、この継手管２１に接続ネジ２２が取り付けら
れ、この接続ネジ２２にそれぞれ遠達ノズル２３
と広角ノズル２４が取り付けられる。

実施例の噴霧ノズル用切替装置は、上記のよう
に構成され、次にその作用を説明する。

予め広角分岐部１１に設けた調節用ネジ棒１９
を調節してピストン１５に所要の弾性力を付与し
たのち、外管２の元端の開閉操作部６を操作して
遠達用弁装置の弁孔１４を開けた状態で元コツク
を開放し、圧力水を供給する。内管１の圧力水
は、内管１の孔９から流出して遠達用弁装置の弁
孔１４に導かれ、遠達ノズル２３より遠達噴霧が
行なわれる。このとき、遠達分岐部１０内の圧力
は、一定以下に低下するため、これと連通したピ
ストン１５は、ピストン１５に付与された調節バ
ネ１７の弾性力により前進状態に維持される。

次に、外管２の元端の開閉操作部６を操作して
遠達用弁装置の弁孔１４を閉じると、遠達分岐部
１０内の圧力が上昇する。このため、連通部１２
及び広角分岐部１１内の圧力も上昇し、圧力水の
圧力がピストン１５に付与された調節バネ１７の
弾性力に打ち勝つと、ピストン１５が後退する。
これにより、広角用弁装置の弁孔１４が開かれ、
広角ノズル２４から広角噴霧が行なわれる。

〔考案の効果〕

この考案によれば、以上のように、噴霧管と同
一軸線上に遠達分岐部を構成したので、遠達分岐
部内における流体の圧力損失が小さくなり、遠達
噴霧の到達距離を長くする効果がある。

また、連通部の切替弁が不要なので、分岐管を
小形化できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例の取り付けた状態を示す噴霧管
の部分断面図、第２図は実施例の断面図である。 ３……噴霧管、５……分岐管、６……開閉操作
部、８……弁体、１０……遠達分岐部、１１……
広角分岐部、１２……連通部、１３……弁座、１
４……弁孔、１５……ピストン、１６……弁棒、
１７……調節バネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 噴霧管の先端に分岐管を設け、その分岐管を遠
   達分岐部、遠達分岐部と平行の広角分岐部及び両
   分岐部を接続する連通部により構成し、上記の遠
   達分岐部を噴霧管と同一軸線上に設け、遠達分岐
   部の内部に連通部より先端側に寄つて遠達用弁装
   置を設け、同弁装置の弁棒を噴霧管元端の開閉操
   作部に連結し、広角分岐部の内部に連通部より先
   端側に寄つて広角用弁装置を設けると共に、連通
   部より後端側にピストンをスライド自在に挿入
   し、広角用弁装置の弁棒を上記ピストンに一体化
   し、このピストンに弁孔閉塞方向の弾性力を付与
   した噴霧ノズル用切替装置。