JPH05231469A - 防振支持装置 - Google Patents

防振支持装置

Info

Publication number
JPH05231469A
JPH05231469A JP3226092A JP3226092A JPH05231469A JP H05231469 A JPH05231469 A JP H05231469A JP 3226092 A JP3226092 A JP 3226092A JP 3226092 A JP3226092 A JP 3226092A JP H05231469 A JPH05231469 A JP H05231469A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluid chamber
vibration
main fluid
partition member
electromagnetic actuator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3226092A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeki Sato
佐藤  茂樹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP3226092A priority Critical patent/JPH05231469A/ja
Publication of JPH05231469A publication Critical patent/JPH05231469A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】一つの電磁アクチュエータによって主流体室内
の容積とオリフィス通路内の容積との両方を変動できる
ようにし、もって、装置の大型化等を招くことなく、広
い周波数帯域に渡って良好な防振特性が得られるように
する。 【構成】流体が封入された主流体室23及び副流体室2
4の間を、枠体12に固定された仕切り板16と、この
仕切り板16の主流体室23側に配設された可動板18
とで仕切り、可動板18を、電磁コイル17及び永久磁
石20で構成される電磁アクチュエータによって、仕切
り板16との間の隙間が拡縮する方向に変位可能とす
る。そして、主流体室23及び副流体室24間を、仕切
り板16及び可動板18間の隙間を介して構成されたオ
リフィス通路を介して連通させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、エンジン等の振動体
を車体等の支持体に防振的に支持するための防振支持装
置に関し、特に、広い周波数帯域に渡って有効な防振特
性が得られるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】従来の防振支持装置として特開昭61−
2939号公報に記載されたものがある。この従来の装
置は、車体及びエンジン間に介装された弾性体で主流体
室を画成するとともに、ダイアフラムで画成された副流
体室をオリフィス通路を介して主流体室に連通させ、そ
れら主流体室,副流体室及びオリフィス通路内に流体を
封入し、さらに、主流体室内に、外部からの指令信号に
応じて能動的に振動してその主流体室の容積を増減させ
る振動子を配設したものである。
【0003】このような構成であると、車体及びエンジ
ン間に比較的低周波の振動入力があった場合には、弾性
体の弾性変形に伴う主流体室内の圧力変動は、オリフィ
ス通路を介しての主流体室及び副流体室間の流体の移動
によって吸収され、オリフィス通路を通じての流体移動
が追従できない程度の高周波の振動入力があった場合に
は、主流体室の圧力変動が、その主流体室内に配設され
た振動子の振動により吸収されるから、比較的広い周波
数帯域での振動低減を図ることができた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の防振支持装置にあっては、低周波振動入力であるア
イドル振動及びエンジンシェイクの両方に対して有効な
防振特性を得ることができなかった。即ち、車両の通常
走行時に防振支持装置に要求される特性は、質量体とし
てのエンジンの剛体共振現象をなるべく車体側に伝達さ
せない特性であるから、共振現象(エンジンシェイク)
ができるだけ速やかに減衰するよう、具体的には、エン
ジン共振周波数(10〜16Hz程度)での減衰効果が
大きくなるように、弾性体の伸縮方向のバネ定数と、オ
リフィス内の流体の質量とで決まる共振周波数を、その
エンジン共振周波数にチューニングし、大きな減衰効果
が得られるようにすることが望ましい。
【0005】しかし、アイドリング時の主たる振動周波
数成分は、エンジン共振周波数よりも高い25〜30H
z程度であるため、上記のようなチューニングを行う
と、アイドル振動発生時には、オリフィス内の流体の動
きが止まるスティック現象が生じ、防振支持装置が高動
バネ化してしまい、エンジンから車体への振動伝達を低
減できなくなってしまう。
【0006】このような不具合は、アイドル振動発生時
にオリフィス通路を拡径する構成とすれば解決されるも
のではあるが、これでは、高周波振動を吸収するための
振動子と別個にアクチュエータ等を設けなければならな
いから、装置の大型化や大幅なコスト上昇を招いてしま
う。本発明は、このような従来の技術が有する未解決の
課題に着目してなされたものであって、アクチュエータ
等の個数の増加を招くことなく、広い周波数帯域に渡っ
て良好な防振特性が得られる防振支持装置を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、支持体及び振動体間に介装
される支持弾性体と、この支持弾性体と並列に構成され
且つ前記支持体及び振動体間の相対変位により容積が変
化する主流体室と、容積可変の副流体室と、これら主流
体室及び副流体室間を仕切る第1の仕切り部材と、この
第1の仕切り部材の前記主流体室側にその第1の仕切り
部材との間の隙間が拡縮する方向に変位可能に配設され
且つ前記主流体室及び副流体室間を仕切る第2の仕切り
部材と、前記第1の仕切り部材及び第2の仕切り部材間
の隙間を含んで構成され且つ前記主流体室及び副流体室
間を連通させるオリフィス通路と、前記第2の仕切り部
材を変位させる電磁アクチュエータと、を備えた。
【0008】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載
の防振支持装置を、パワーユニットを車体に支持する装
置に適用したものである。また、請求項3記載の発明
は、上記請求項1又は請求項2記載の発明において、主
流体室内の圧力変動を検出する圧力変動検出手段と、こ
の圧力変動検出手段の検出結果に応じて電磁アクチュエ
ータを制御する制御手段と、を備えた。
【0009】そして、請求項4記載の発明は、上記請求
項1又は請求項2記載の発明において、振動体側の振動
加速度を検出する加速度検出手段と、この加速度検出手
段の検出結果に応じて電磁アクチュエータを制御する制
御手段と、を備えた。さらに、請求項5記載の発明は、
上記請求項2記載の発明において、エンジンのクランク
角を検出するクランク角検出手段と、このクランク角検
出手段の検出結果に応じて電磁アクチュエータを制御す
る制御手段と、を備えた。
【0010】また、請求項6記載の発明は、上記請求項
2記載の発明において、エンジンの回転数を検出するエ
ンジン回転数検出手段と、このクランク角検出手段の検
出結果に応じて電磁アクチュエータを制御する制御手段
と、を備えた。
【0011】
【作用】請求項1記載の発明にあっては、電磁アクチュ
エータが第2の仕切り部材を変位させると、主流体室の
容積が変化するとともに、主流体室及び副流体室間の隙
間が拡縮するから、それらを連通させるオリフィス通路
径(オリフィス通路内容積)が変化し、弾性体の伸縮方
向のバネ定数とオリフィス通路内の流体の質量とで決ま
る共振周波数が変化する。
【0012】従って、かかる発明を請求項2記載の発明
のように車両に適用すれば、主流体室容積と、オリフィ
ス通路内容積との両方を制御することにより、パワーユ
ニット側から車体側への振動伝達の低減が図られる。ま
た、支持体(車体)及び振動体(パワーユニット)間
に、オリフィス通路を介しての主流体室及び副流体室間
の流体移動が生じない程の高周波の振動入力があると、
その高周波振動成分に応じて、主流体室内の流体に圧力
変動が生じることになる。
【0013】そこで、請求項3記載の発明のように、圧
力変動検出手段によって主流体室内の圧力変動が検出さ
れ、制御手段が、その圧力変動に応じて電磁アクチュエ
ータを制御すると、第2の仕切り部材の変位による主流
体室の容積変化は、支持体及び振動体間の高周波振動成
分に同期したものとなる。また、上記のような高周波振
動成分に応じて主流体室内の流体に圧力変動が生じてい
る際には、振動体にはその高周波振動成分に応じた振動
が生じているから、請求項4記載の発明のように、加速
度検出手段によって振動体側の振動加速が検出され、制
御手段が、その振動加速度に応じて電磁アクチュエータ
を制御すると、上記請求項3記載の発明と同様に、第2
の仕切り部材の変位による主流体室の容積変化は、支持
体及び振動体間の高周波振動成分に同期したものとな
る。
【0014】そして、車両のパワーユニットに生じる振
動の周波数や振幅は、結局はエンジンの駆動に起因する
から、請求項5記載の発明のように、クランク角検出手
段によってエンジンのクランク角が検出され、制御手段
が、そのクランク角に応じて電磁アクチュエータを制御
すると、振動発生状態に応じて主流体室及びオリフィス
通路内の容積が変化することになる。
【0015】同様に、請求項6記載の発明のように、エ
ンジン回転数検出手段によってエンジンの回転数が検出
され、制御手段が、その回転数に応じて電磁アクチュエ
ータを制御すると、振動発生状態に応じて主流体室及び
オリフィス通路内の容積が変化することになる。
【0016】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。この実施例は、本発明に係る防振支持装置を、
車両用のパワーユニット支持装置に適用したものであ
る。先ず、構成を説明すると、図1は、パワーユニット
支持装置10の構成を示す断面図であって、底板11
は、その中央部に支持体としての車体(図示せず)への
取付け用のボルト11aが設けられるとともに、その周
縁部は、円筒状の枠体12の下端側にかしめ止めされて
いる。
【0017】そして、間口が拡がった枠体12の上端部
には、軸心が垂直に形成され且つゴム等の弾性体からな
る支持弾性体13の下面側が加硫接着され、その支持弾
性体13の上面中央部には、振動体としてのパワーユニ
ット(図示せず)への取付け用のボルト14aを有する
枠体14が加硫接着されている。従って、パワーユニッ
トの静荷重は、枠体14,支持弾性体13,枠体12及
び底板11を介して、車体側に支持される。
【0018】一方、枠体12の下部には、底板11とと
もに、ダイアフラム15と、第1の仕切り部材としての
仕切り板16とが、底板11及び仕切り板16間にダイ
アフラム15が挟み込まれるように、かしめ止めされて
いる。なお、底板11及びダイアフラム15で囲まれた
空間は、大気圧に通じている。図2は、仕切り板16の
平面図である。なお、図1における仕切り板16は、図
2のA−A線断面に対応する。
【0019】即ち、仕切り板16は、平らなフランジ部
16aと、このフランジ部16aよりも肉厚の中央部1
6bとから構成されていて、中央部16bは、中心が盛
り上がった円錐形をしている。そして、中央部16bに
は、その中心に枠体14側に延びた心棒16cが固定さ
れるとともに、その心棒16cを取り囲むように、仕切
り板16aを貫通する四つの貫通孔16dが形成されて
いる。
【0020】さらに、仕切り板16のダイアフラム15
とは逆側の面には、フランジ部16aと中央部16bと
の境目の段差を囲むように、電磁コイル17が心棒16
cと同軸に配設されていて、この電磁コイル17は、信
号線17aを介して外部から制御電流を供給可能になっ
ている。また、仕切り板16のダイアフラム15とは逆
側の面には、第2の仕切り部材としての磁性材料からな
る可動板18が配設されている。
【0021】この可動板18は、中心部を心棒16cが
上下に貫通するとともに、それらの間にリニアベアリン
グ19を介在させているので、心棒16cに沿って仕切
り板16との間の隙間が拡縮する方向(図1上下方向)
に変位可能になっている。そして、可動板18は、仕切
り板16の中央部16bに対向する部分は、その中央部
16bと整合するように円錐形に凹んでおり、且つ、仕
切り板16のフランジ部16aに対向する部分は、枠体
14側を向く面に連続した肉薄のフランジ部18aとな
っている。
【0022】さらに、可動板18のフランジ部18aの
仕切り板16側を向く面には、軸方向に極が存在するリ
ング状の永久磁石20が心棒16cと同軸に固着されて
おり、その永久磁石20の仕切り板16側の面には、磁
性材料からなるリング部材21が心棒16cと同軸に配
設されている。なお、永久磁石20及びリング部材21
の径は、その内側に電磁コイル17が非接触に入り込む
ことができ、且つ、電磁コイル17と永久磁石20,リ
ング部材21との間の隙間が極僅かとなる程度とし、こ
れにより、電磁コイル17のフランジ部18a側を向く
面,可動板18の外周面,フランジ部18aの仕切り板
16側を向く面及び永久磁石20の内周面で囲まれた周
方向に連続する流路22を画成している。
【0023】そして、この流路22は、可動板18のフ
ランジ部18aに形成された流路18bを介して、枠体
14側の空間に通じるとともに、その流路18bから周
方向に180度離隔した位置の可動板18に形成された
流路18cを介して、仕切り板16及び可動板18間の
隙間に通じている。また、可動板18は、仕切り板16
及び可動板18間に配設されたコイルスプリング25
と、心棒16cの先端部に固定されたコイルシート16
及び可動板18間に配設されたコイルスプリング26と
によって、弾性支持されている。従って、可動板18の
軸方向位置は、外部から他の力が作用していない状態で
は、それらコイルスプリング25及び26の付勢力の釣
合いによって決まる。
【0024】しかし、永久磁石20で生成された磁束
は、可動板18の周面とリング部材21の内周面との間
の隙間において、心棒16cに直交する方向を向くか
ら、その磁束と電磁コイル17を流れる電流とが鎖交す
ることにより、心棒16cに沿った方向の電磁力が発生
し、可動板18は、コイルスプリング25及び26の付
勢力に抗しつつ、任意の位置に変位することができる。
つまり、本実施例では、電磁コイル17及び永久磁石2
0によって、電磁アクチュエータが構成される。
【0025】また、本実施例では、枠体12,支持弾性
体13及び可動板18で囲まれた空間が主流体室23を
画成し、ダイアフラム15及び仕切り板16で挟まれた
空間が副流体室24を画成している。そして、貫通孔1
6d,流路18b,18c,22及び仕切り板16と可
動板18との間の隙間によって、主流体室23及び副流
体室24間を連通させるオリフィス通路が形成されてい
て、それら主流体室23,副流体室24及びオリフィス
通路内には、流体が封入されている。
【0026】さらに、この実施例の制御システムの構成
のブロック図である図3に示すように、マイクロコンピ
ュータやA/D変換器等から構成されたコントローラ3
0には、車速を検出する車速センサ31の出力である車
速検出信号Vと、エンジン回転数を検出するエンジン回
転数検出手段としてのエンジン回転数センサ32の出力
であるエンジン回転数検出信号Rと、エンジンのクラン
ク角を検出するクランク角検出手段としてのクランク角
センサ33の出力であるクランク角検出信号θと、可動
板18の変位を測定する変位センサ34の出力である変
位検出信号Xと、主流体室23内の圧力変動を検出する
圧力変動検出手段としての圧力変動センサ35の出力で
ある圧力変動検出信号PC とがそれぞれ供給されてい
る。
【0027】コントローラ30は、それら各検出信号
V,R,θ,X及びPC に基づいて後述する所定の演算
処理を実行して、パワーユニット側の振動が車体側に伝
達されないように、パワーユニット支持装置10の電磁
コイル17に制御電流IC を供給する。図4は、コント
ローラ30内で実行される処理の概要を示すフローチャ
ートである。
【0028】即ち、ステップ001において、車速セン
サ31から供給される車速検出信号Vを読み込み、ステ
ップ002に移行し、その車速検出信号V=0であるか
否かを判定する。このステップ002でV≠0と判定さ
れた場合は、車両は走行中であるから、走行時の防振制
御を実行するためにステップ003に移行する。
【0029】そして、ステップ003では、エンジン回
転数センサ32から供給されるエンジン回転数検出信号
R,クランク角センサ33から供給されるクランク角検
出信号θ,変位センサ34から供給される変位検出信号
X及び圧力変動センサ35から供給される圧力変動検出
信号PC を読み込む。次いで、ステップ004に移行
し、エンジン回転数検出信号Rと、クランク角検出信号
θとに基づいて、交流制御電流Is1を求める。
【0030】ここで、パワーユニット支持装置10にパ
ワーユニット側から入力される振動は、エンジンの駆動
に起因するものであるから、低減すべき振動は、クラン
クの回転に相関があることになる。そして、エンジンで
発生しパワーユニット支持装置10に伝達される振動の
伝達特性は、その振動が伝わる経路の物理的な構成は一
定であると考えられるから、振動の周波数によって変化
する。
【0031】従って、交流制御電流Is1は、クランク角
検出信号θを基準に生成した正弦波を、エンジン回転数
検出信号Rに基づいて適宜変化させることにより求める
ことができる。そして、ステップ004からステップ0
05に移行し、下記の(1)式に基づいて、制御電流I
C を算出する。ただし、Is2は車両走行時における直流
制御電流値、Xs は走行時における可動板18の目標変
位、K2 ,K3 はフィードバックゲインである。
【0032】 IC =Is1+Is2−K2 (X−Xs )−K3 C ……(1) 制御電流IC が求められたら、ステップ007に移行
し、電磁コイル17に制御電流IC を供給する。一方、
ステップ002でV=0と判定された場合には、車両は
停車中であるから、停車時に発生するアイドル振動に対
する防振制御を実行するためにステップ007に移行す
る。
【0033】そして、ステップ007で、変位センサ3
4から供給される変位検出信号Xを読み込み、次いでス
テップ008に移行し、下記の(2)式に基づいて、制
御電流IC を算出する。ただし、Ii はアイドリング時
における直流制御電流、Xiはアイドリング時における
可動板18の目標変位、K1 はフィードバックゲインで
ある。
【0034】 IC =Ii −K1 (X−Xi ) ……(2) 制御電流IC が求められたら、ステップ006に移行
し、電磁コイル17に制御電流IC を供給する。図5
は、車両走行時における制御の内容をブロック図で示し
たものであり、以下、図5に従って車両走行時の動作を
説明する。
【0035】クランク角検出信号θ及びエンジン回転数
検出信号Rに基づいてステップ004で生成される交流
制御電流Is1は、上述したようにパワーユニットで発生
する振動に相関を持った交流信号であるため、この交流
制御電流Is1を制御電流ICとして電磁コイル17に供
給すると、振動の発生状態に基づいたフィードフォワー
ド制御が実行されることになる。
【0036】そこで、本実施例では、このフィードフォ
ワード制御を基礎とし、さらに高周波微振幅振動の低減
及び制御安定性を考慮したフィードバック制御を実行す
ることにより、走行時の振動低減を図っている。即ち、
高周波微振幅振動に対しては、オリフィス通路を通じて
主流体室23及び副流体室24間での流体移動が追従で
きないので、このままでは、枠体14側に入力された高
周波振動成分は、主流体室23内の伸縮作用の小さい流
体を介して車体に伝達されることになる。
【0037】しかし、本実施例では、上述したようなフ
ィードフォワード制御を実行する結果、制御電流IC
は、高周波振動成分に応じた交流成分も含まれるから、
その交流成分に応じた電磁力が可動板18に働き、可動
板18が上下に変動することになる。可動板18が上下
に変動すると、主流体室23の容積が変動するから、交
流制御電流Is1が、この容積変動が枠体14に入力され
る高周波振動と逆相となるように上記ステップ004の
内容を選定すれば、主流体室23内の流体はこのパワー
ユニット支持装置10の動バネ定数には影響を与えな
い。
【0038】そして、かかるフィードフォワード制御に
よって吸収しきれなかった主流体室23内の圧力変動に
対しては、圧力変動検出信号PC に基づくフィードバッ
ク制御によって制御電流IC が補正されることによって
対処できる。このように、高周波微振幅振動による主流
体室23内の圧力変動が吸収されると、枠体14に伝達
された高周波振動は、支持弾性体13,枠体12及び底
板11を介して車体に伝達されるから、パワーユニット
支持装置10の動バネ定数は、支持弾性体13によって
決まる。
【0039】従って、支持弾性体13のバネ定数を適宜
選定することにより、微振幅入力に対するパワーユニッ
ト支持装置10の動バネ定数は、図7に鎖線で示すよう
に、高周波微振幅振動が入力されても上昇することがな
く、広い周波数帯域に渡って低い値となり、車室内のこ
もり音を有効に低減することができる。一方、走行時の
低周波振動入力に対しては、エンジンの剛体共振現象を
速やかに減衰させることが望まれるから、直流制御電流
s2を適宜選定することにより、エンジン共振周波数
(10〜16Hz程度)での減衰効果が大きくなるよう
な位置に可動板18を変位させておく。
【0040】即ち、可動板18の位置が変われば、仕切
り板16と可動板18との間の隙間が変化するから、主
流体室23及び副流体室24を連通させるオリフィス通
路の容積が変化し、そのオリフィス通路内の流体の質量
と、支持弾性体13の伸縮方向のバネ定数とで決まる共
振周波数を、任意の周波数にチューニングすることがで
きる。
【0041】そこで、その共振周波数が、上記エンジン
共振周波数に一致するように、可動板18を比較的仕切
り板16の近傍に位置させる。なお、この場合にも、変
位検出信号Xと、目標変位Xs との差に基づいたフィー
ドバック制御が行われ、制御電流IC が補正される。そ
の結果、低周波振動入力に対しては、主流体室23及び
副流体室24間でのオリフィス通路を通じての流体移動
による高減衰作用が得られるから、エンジンシェイクの
低減が図られる。
【0042】なお、低周波振動入力時にも、交流制御電
流Is1及び圧力変動検出信号PC による交流成分が制御
電流IC に含まれるため、可動板18が変動することに
なるが、そもそも、交流制御電流Is1は高周波微振幅振
動を低減するために設定したものであり、そのような交
流成分による可動板18の変動の振幅は、オリフィス通
路の断面積に比較して十分小さく、低周波振動入力時に
おけるオリフィス通路内の流体の共振現象にはほとんど
影響を与えない。
【0043】従って、エンジン共振周波数帯域の振動入
力に対するパワーユニット支持装置10の動バネ定数
は、図7に実線で示すように、比較的高い値を示す。図
6は、車両停車時における制御の内容をブロック図で示
したものであり、以下、図6に従って停車時の動作を説
明する。車両停車時に入力されるアイドル振動は、上記
エンジン共振周波数よりも若干高い25〜30Hz程度
の成分を主成分とした振動である。
【0044】そして、アイドリング時には、エンジンシ
ェイクは考慮する必要がないから、オリフィス通路内の
流体の質量と、支持弾性体13の伸縮方向のバネ定数と
で決まる共振周波数を、30Hz程度に設定する。具体
的には、可動板18を仕切り板16から離れる方向に変
位させて、オリフィス通路内の容積を比較的大きい状態
とする。なお、この場合にも、変位検出信号Xと、目標
変位Xi との差に基づいたフィードバック制御が行わ
れ、制御電流IC が補正される。
【0045】すると、枠体14にアイドル振動が入力さ
れても、主流体室23及び副流体室24間でのオリフィ
ス通路を通じての流体移動は比較的自由になり、図7に
破線で示すように、低動バネ化が図られるから、パワー
ユニット支持装置10が低剛性となり、アイドル振動が
低減される。このように、本実施例の構成であれば、一
組の電磁コイル17及び永久磁石からなる電磁アクチュ
エータによって、主流体室23内の容積と、オリフィス
通路内の容積との両方を適宜変動させることができるの
で、複数のアクチュエータを設ける必要がないから、パ
ワーユニット支持装置10の大型化やコストの大幅な上
昇を招くことなく、広い周波数帯域に渡って良好な防振
特性を得ることができる。
【0046】そこで、本実施例のように車両に適用すれ
ば、高周波微振幅振動入力時,エンジンシェイク時及び
アイドング時のいずれに対しても良好な防振特性を得る
ことができ、車室内騒音の低減が図られる。なお、上記
実施例では、走行時における直流制御電流Is2及び停車
時における直流制御電流Ii を、エンジンシェイク及び
アイドル振動を低減するのに適した一定値としている
が、これら直流制御電流Is2及びIi を例えばエンジン
回転数検出値Rに基づいて可変とすれば、入力振動に対
しても最も振動低減効果が発揮できる状態に可動板18
を変位させることができる。
【0047】また、上記実施例では、クランク角検出信
号θ及びエンジン回転数検出信号Rに基づいて生成した
交流制御電流Is1及び圧力変動検出信号PC に基づいて
可動板18を変動させて高周波振動成分の低減を図って
いるが、パワーユニット支持装置10のパワーユニット
側の高周波振動を検出する加速度センサを設け、その加
速度センサが検出した振動加速度に基づいて可動板18
を変動させても、同様の作用効果を得ることができる。
【0048】さらに、上記実施例において、コイルスプ
リング25及び26の付勢力を、電磁コイル17に制御
電流を供給していない状態で、可動板18がエンジンシ
ェイクを低減するのに好適な位置に変位するような値に
選定すれば、走行時における直流制御電流Is2をほとん
ど零にすることができるから、振動制御を実行する上で
最も割合の大きいエンジンシェイク時の消費電力が小さ
くなり、全体的な消費電力を大幅に低減することができ
る。
【0049】さらに、上記実施例では、本発明に係る防
振支持装置を車両用のパワーユニット支持装置10に適
用した場合について説明したが、本発明の適用対象はこ
れに限定されるものではなく、パワーユニット以外の振
動体のための防振支持装置であってもよい。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
一つの電磁アクチュエータによって、主流体室内の容積
と、オリフィス通路内の容積との両方を変動させること
ができるので、装置の大型化や大幅なコスト上昇を招く
ことなく、広い周波数帯域に渡って良好な防振特性を得
ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示す断面図である。
【図2】仕切り板の一例を示す平面図である。
【図3】実施例のシステム構成を示すブロック図であ
る。
【図4】処理の概要を示すフローチャートである。
【図5】走行時における制御の内容を示すブロック図で
ある。
【図6】停車時における制御の内容を示すブロック図で
ある。
【図7】実施例の効果を説明するグラフである。
【符号の説明】
10 パワーユニット支持装置(防振支持装
置) 13 支持弾性体 15 ダイアフラム 16 仕切り板(第1の仕切り部材) 16d 貫通孔 17 電磁コイル 18 可動板(第2の仕切り部材) 18b,18c 流路 20 永久磁石 22 流路 23 主流体室 24 副流体室

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体及び振動体間に介装される支持弾
    性体と、この支持弾性体と並列に構成され且つ前記支持
    体及び振動体間の相対変位により容積が変化する主流体
    室と、容積可変の副流体室と、これら主流体室及び副流
    体室間を仕切る第1の仕切り部材と、この第1の仕切り
    部材の前記主流体室側にその第1の仕切り部材との間の
    隙間が拡縮する方向に変位可能に配設され且つ前記主流
    体室及び副流体室間を仕切る第2の仕切り部材と、前記
    第1の仕切り部材及び第2の仕切り部材間の隙間を含ん
    で構成され且つ前記主流体室及び副流体室間を連通させ
    るオリフィス通路と、前記第2の仕切り部材を変位させ
    る電磁アクチュエータと、を備えたことを特徴とする防
    振支持装置。
  2. 【請求項2】 車両に適用される防振支持装置であっ
    て、支持体が車体であり、振動体がパワーユニットであ
    る請求項1記載の防振支持装置。
  3. 【請求項3】 主流体室内の圧力変動を検出する圧力変
    動検出手段と、この圧力変動検出手段の検出結果に応じ
    て電磁アクチュエータを制御する制御手段と、を備えた
    請求項1又は請求項2記載の防振支持装置。
  4. 【請求項4】 振動体側の振動加速度を検出する加速度
    検出手段と、この加速度検出手段の検出結果に応じて電
    磁アクチュエータを制御する制御手段と、を備えた請求
    項1又は請求項2記載の防振支持装置。
  5. 【請求項5】 エンジンのクランク角を検出するクラン
    ク角検出手段と、このクランク角検出手段の検出結果に
    応じて電磁アクチュエータを制御する制御手段と、を備
    えた請求項2記載の防振支持装置。
  6. 【請求項6】 エンジンの回転数を検出するエンジン回
    転数検出手段と、このクランク角検出手段の検出結果に
    応じて電磁アクチュエータを制御する制御手段と、を備
    えた請求項2記載の防振支持装置。
JP3226092A 1992-02-19 1992-02-19 防振支持装置 Pending JPH05231469A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3226092A JPH05231469A (ja) 1992-02-19 1992-02-19 防振支持装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3226092A JPH05231469A (ja) 1992-02-19 1992-02-19 防振支持装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05231469A true JPH05231469A (ja) 1993-09-07

Family

ID=12354044

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3226092A Pending JPH05231469A (ja) 1992-02-19 1992-02-19 防振支持装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05231469A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6406010B1 (en) * 1999-02-05 2002-06-18 Tokai Rubber Industries, Ltd. Fluid-filled active vibration damping device
US6565072B2 (en) * 2000-09-28 2003-05-20 Tokai Rubber Industries, Ltd. Damping actuator and active vibration damping device equipped with the actuator
KR100391519B1 (ko) * 2000-09-20 2003-07-12 기아자동차주식회사 능동 자기제어형 엔진 마운팅 구조
US6702267B2 (en) * 2000-02-23 2004-03-09 Woco Avs Gmbh Hydraulic bearing
WO2004065818A1 (de) * 2003-01-22 2004-08-05 Trelleborg Automotive Technical Centre Gmbh Schaltbares lager mit zentralem stellantrieb
KR100501361B1 (ko) * 2002-09-25 2005-07-18 현대자동차주식회사 차량의 반 능동 마운트 장치
DE112009001851T5 (de) 2008-12-18 2012-06-21 Tokai Rubber Industries, Ltd. Fluidgefüllte Schwingungsdämpfungsvorrichtung
CN103148158A (zh) * 2013-03-15 2013-06-12 重庆大学 基于挤压模式的发动机磁流变液压悬置
US8616536B2 (en) 2010-06-23 2013-12-31 Hyundai Motor Company Active dynamic vibration absorber apparatus for vehicle

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6406010B1 (en) * 1999-02-05 2002-06-18 Tokai Rubber Industries, Ltd. Fluid-filled active vibration damping device
US6702267B2 (en) * 2000-02-23 2004-03-09 Woco Avs Gmbh Hydraulic bearing
KR100391519B1 (ko) * 2000-09-20 2003-07-12 기아자동차주식회사 능동 자기제어형 엔진 마운팅 구조
US6565072B2 (en) * 2000-09-28 2003-05-20 Tokai Rubber Industries, Ltd. Damping actuator and active vibration damping device equipped with the actuator
KR100501361B1 (ko) * 2002-09-25 2005-07-18 현대자동차주식회사 차량의 반 능동 마운트 장치
WO2004065818A1 (de) * 2003-01-22 2004-08-05 Trelleborg Automotive Technical Centre Gmbh Schaltbares lager mit zentralem stellantrieb
DE112009001851T5 (de) 2008-12-18 2012-06-21 Tokai Rubber Industries, Ltd. Fluidgefüllte Schwingungsdämpfungsvorrichtung
DE112009001851B4 (de) * 2008-12-18 2014-07-10 Tokai Rubber Industries, Ltd. Fluidgefüllte Schwingungsdämpfungsvorrichtung
US9068625B2 (en) 2008-12-18 2015-06-30 Tokai Rubber Industries, Ltd. Fluid-filled type vibration damping device
US8616536B2 (en) 2010-06-23 2013-12-31 Hyundai Motor Company Active dynamic vibration absorber apparatus for vehicle
CN103148158A (zh) * 2013-03-15 2013-06-12 重庆大学 基于挤压模式的发动机磁流变液压悬置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH1038020A (ja) 制振器
JP2002235798A (ja) 空気圧制御式制振器
JPH05231469A (ja) 防振支持装置
JPH09100868A (ja) 防振支持装置
JP3978908B2 (ja) 防振支持装置
JPH06117475A (ja) 防振マウント装置
JPH051739A (ja) 防振支持装置
JPH05126200A (ja) パワーユニツト用マウント
JP3366089B2 (ja) 車両の振動低減装置
JPH11287288A (ja) 防振装置
JP3502970B2 (ja) 液体封入式防振装置
JP3409567B2 (ja) 防振支持装置
JPH09317816A (ja) 能動型振動制御装置
JP3609310B2 (ja) 能動型防振装置を用いたエンジン支持機構
JP3458320B2 (ja) 液体封入式防振装置
JPH07139581A (ja) 防振支持装置
JP3846086B2 (ja) 防振支持装置及びそれを搭載した車両
JPH07310776A (ja) 防振支持装置
JPH06117476A (ja) 防振支持装置
JPH06185567A (ja) 防振マウント装置
JPH0814321A (ja) 防振支持装置
JPH07119788A (ja) 防振支持装置
JP3336946B2 (ja) 防振支持装置
JP2002005226A (ja) 能動型流体封入式防振装置
JPH10238588A (ja) 制振器