JPH05230877A - プレキャスト鉄筋コンクリート鉛直部材の接合方法 - Google Patents
プレキャスト鉄筋コンクリート鉛直部材の接合方法Info
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- JPH05230877A JPH05230877A JP8668492A JP8668492A JPH05230877A JP H05230877 A JPH05230877 A JP H05230877A JP 8668492 A JP8668492 A JP 8668492A JP 8668492 A JP8668492 A JP 8668492A JP H05230877 A JPH05230877 A JP H05230877A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 モルタルスリーブを脚部に埋設した構造のプ
レキャスト鉄筋コンクリート（ＰＣと略記）鉛直部材と
水平部材との接合工法に関し本発明者がさきに出願した
接合工法の改良工法。前の工法の問題点であったグラウ
ト注入時の注入圧による鉛直部材持ち上がりによるグラ
ウト漏洩の防止が目的。 【構成】 ＰＣ鉛直部材１の下端面に凹陥部３を設ける
とともに、水平部材７の上端面に鉛直部材下端部が嵌入
できる凹欠部８を設け、この凹欠部に下端部が嵌入する
よう鉛直部材を建て入れる。このとき、鉛直部材主鉄筋
４と水平部材から突き出ている鉛直主鉄筋９とは鉛直部
材脚部に埋設されているモルタルスリーブ１２内で突合
せ状に向い合う。モルタルスリーブの注入口６からグラ
ウト１１を注入する。凹欠部と鉛直部材側壁との間を充
填する穴埋めモルタル１０により、グラウト注入時のグ
ラウト漏洩が防止される。
レキャスト鉄筋コンクリート（ＰＣと略記）鉛直部材と
水平部材との接合工法に関し本発明者がさきに出願した
接合工法の改良工法。前の工法の問題点であったグラウ
ト注入時の注入圧による鉛直部材持ち上がりによるグラ
ウト漏洩の防止が目的。 【構成】 ＰＣ鉛直部材１の下端面に凹陥部３を設ける
とともに、水平部材７の上端面に鉛直部材下端部が嵌入
できる凹欠部８を設け、この凹欠部に下端部が嵌入する
よう鉛直部材を建て入れる。このとき、鉛直部材主鉄筋
４と水平部材から突き出ている鉛直主鉄筋９とは鉛直部
材脚部に埋設されているモルタルスリーブ１２内で突合
せ状に向い合う。モルタルスリーブの注入口６からグラ
ウト１１を注入する。凹欠部と鉛直部材側壁との間を充
填する穴埋めモルタル１０により、グラウト注入時のグ
ラウト漏洩が防止される。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、モルタルスリーブまた
はセミモルタルスリーブを脚部に埋設した構造のプレキ
ャスト鉄筋コンクリート柱部材または壁部材（以下ＰＣ
鉛直部材と記す）脚部と水平部材（基礎コンクリート部
材、梁コンクリート部材、床コンクリート部材、等）と
の接合方法に関するものであり、本発明者の先に提供し
た同旨発明の改良に関するものである。
はセミモルタルスリーブを脚部に埋設した構造のプレキ
ャスト鉄筋コンクリート柱部材または壁部材（以下ＰＣ
鉛直部材と記す）脚部と水平部材（基礎コンクリート部
材、梁コンクリート部材、床コンクリート部材、等）と
の接合方法に関するものであり、本発明者の先に提供し
た同旨発明の改良に関するものである。
【０００２】
【背景技術】モルタルスリーブまたはセミモルタルスリ
ーブ（詳細後述）を脚部に埋設した構造のＰＣ鉛直部材
脚部と水平部材との接合は従来、水平部材上に目地モル
タルとなるべき敷モルタルを置きこの上に鉛直部材を建
て入れて両部材を目地モルタルを介在させて接合する方
法が実施されてきた。ところがこの方法には種々の問題
点があり、これを解決する改良された接合方法を本発明
者は提供した。（特開平３−２９５９４７号公報に開
示）
ーブ（詳細後述）を脚部に埋設した構造のＰＣ鉛直部材
脚部と水平部材との接合は従来、水平部材上に目地モル
タルとなるべき敷モルタルを置きこの上に鉛直部材を建
て入れて両部材を目地モルタルを介在させて接合する方
法が実施されてきた。ところがこの方法には種々の問題
点があり、これを解決する改良された接合方法を本発明
者は提供した。（特開平３−２９５９４７号公報に開
示）
【０００３】上記改良方法を図５に例示する。この例に
おいてはＰＣ鉛直部材としてＰＣ柱部材を用いている。
ＰＣ鉛直部材（ＰＣ柱部材）１の脚部にはモルタルスリ
ーブ１２が埋設されており、その上半部には部材主鉄筋
４の下端部が挿入されており、その下半部は空虚のまま
部材下端面に開口している。部材下端面は縁取部２を残
して目地モルタルに相当する深さ凹陥する凹陥部３が設
けられており、上記モルタルスリーブはこの凹陥部底面
に開口している。水平部材７の上端面からは鉛直主鉄筋
９の上端部が突き出て露出している。この鉛直主鉄筋９
と柱部材主鉄筋４とは上下対をなす対応位置にありこれ
ら両鉄筋をそれぞれ接合することにより柱部材と水平部
材との接合がなされる。ＰＣ柱部材１を上記鉛直主鉄筋
突出部が埋設モルタルスリーブ下半部内に挿入されるよ
う建て入れる。このとき、上記縁取部は水平部材上端面
と接触する。埋設モルタルスリーブの下端付近および上
端付近にはそれぞれ注入口６および排出口５が付属して
おり、その一つの注入口から高流動性の充填モルタル
（グラウトという）１１を注入する（このとき、グラウ
ト注入に使用される注入口以外の注入口は塞いでお
く）。グラウトは凹陥部を充填し、さらに複数個の埋設
モルタルスリーブをすべて充填し各埋設スリーブの排出
口から溢れ出てくる。上下対をなす両主鉄筋は埋設スリ
ーブ内の長手方向ほぼ中央位置において突合せ状に相会
する。かくて、目地モルタル形成とスリーブ内グラウト
注入とが一工程で実施できる。よってこれを一気注入工
法という。従来工法では、目地モルタル形成とグラウト
注入とは別工程であり、かつ複数個の埋設スリーブに対
し一本毎に注入していた。よってこれを個別注入工法と
いう。
おいてはＰＣ鉛直部材としてＰＣ柱部材を用いている。
ＰＣ鉛直部材（ＰＣ柱部材）１の脚部にはモルタルスリ
ーブ１２が埋設されており、その上半部には部材主鉄筋
４の下端部が挿入されており、その下半部は空虚のまま
部材下端面に開口している。部材下端面は縁取部２を残
して目地モルタルに相当する深さ凹陥する凹陥部３が設
けられており、上記モルタルスリーブはこの凹陥部底面
に開口している。水平部材７の上端面からは鉛直主鉄筋
９の上端部が突き出て露出している。この鉛直主鉄筋９
と柱部材主鉄筋４とは上下対をなす対応位置にありこれ
ら両鉄筋をそれぞれ接合することにより柱部材と水平部
材との接合がなされる。ＰＣ柱部材１を上記鉛直主鉄筋
突出部が埋設モルタルスリーブ下半部内に挿入されるよ
う建て入れる。このとき、上記縁取部は水平部材上端面
と接触する。埋設モルタルスリーブの下端付近および上
端付近にはそれぞれ注入口６および排出口５が付属して
おり、その一つの注入口から高流動性の充填モルタル
（グラウトという）１１を注入する（このとき、グラウ
ト注入に使用される注入口以外の注入口は塞いでお
く）。グラウトは凹陥部を充填し、さらに複数個の埋設
モルタルスリーブをすべて充填し各埋設スリーブの排出
口から溢れ出てくる。上下対をなす両主鉄筋は埋設スリ
ーブ内の長手方向ほぼ中央位置において突合せ状に相会
する。かくて、目地モルタル形成とスリーブ内グラウト
注入とが一工程で実施できる。よってこれを一気注入工
法という。従来工法では、目地モルタル形成とグラウト
注入とは別工程であり、かつ複数個の埋設スリーブに対
し一本毎に注入していた。よってこれを個別注入工法と
いう。
【０００４】上記一気注入工法は個別注入工法にくらべ
目地モルタル形成とグラウト注入とが一工程で実施でき
る等の種々の利点があるが、なお以下に述べるような問
題点がある。すなわち、 （イ）鉛直部材と水平部材間の剪断伝達につき不満があ
る。鉛直部材と水平部材間の剪断伝達は凹陥部内に形成
されている目地モルタル（その材料はグラウトと同じ）
と鉄筋により負担されているのであるが、周知の如くモ
ルタルの剪断応力は圧縮応力にくらべ大幅に小さいので
部材間剪断伝達は不満な水準に止まらざるを得ない。 （ロ）グラウト注入時縁取部と水平部材間に間隙を生じ
グラウトがここから漏れる不都合がある。個別注入と異
なり一気注入は一度に注入するグラウトの量が多いため
注入圧が大きくなる。このため、鉛直部材の持ち上がり
がおこり接触していた縁取部と水平部材間に間隙が生じ
ここからグラウトが漏れ出す不都合がおこる。本発明は
このような問題点を解決した改良された一気注入工法の
提供を目的としてなされたものである。
目地モルタル形成とグラウト注入とが一工程で実施でき
る等の種々の利点があるが、なお以下に述べるような問
題点がある。すなわち、 （イ）鉛直部材と水平部材間の剪断伝達につき不満があ
る。鉛直部材と水平部材間の剪断伝達は凹陥部内に形成
されている目地モルタル（その材料はグラウトと同じ）
と鉄筋により負担されているのであるが、周知の如くモ
ルタルの剪断応力は圧縮応力にくらべ大幅に小さいので
部材間剪断伝達は不満な水準に止まらざるを得ない。 （ロ）グラウト注入時縁取部と水平部材間に間隙を生じ
グラウトがここから漏れる不都合がある。個別注入と異
なり一気注入は一度に注入するグラウトの量が多いため
注入圧が大きくなる。このため、鉛直部材の持ち上がり
がおこり接触していた縁取部と水平部材間に間隙が生じ
ここからグラウトが漏れ出す不都合がおこる。本発明は
このような問題点を解決した改良された一気注入工法の
提供を目的としてなされたものである。
【０００５】
【発明の開示】本発明をその実施例を示す図１により説
明する。この例はＰＣ鉛直部材としてＰＣ柱部材を用い
ている。なお、同（ａ）図は接合状態を示す縦断図、同
（ｂ）図は鉛直部材（柱部材）下面図である。本発明
は、脚部に複数個のモルタルスリーブが埋設されている
構造のプレキャスト鉄筋コンクリート鉛直部材の脚部を
水平部材に接合する方法において、 （イ）上記鉛直部材１が、（ａ）その下端面に、部材辺
を一周する縁取部２を残して目地モルタル厚さ相当深さ
切り欠いてなる凹陥部３が設けられており、（ｂ）モル
タルスリーブ１２が、その各上半部に部材主鉄筋４の下
端部が挿入され、その各下半部が上記凹陥部の底面に開
口する態様で部材脚部に埋設されており、（ｃ）上記複
数個の埋設スリーブの上端付近にはそれぞれ部材側壁に
開口する排出口５が付属しており、また、その少なくと
も一個の埋設スリーブの下端付近には部材側壁に開口す
る注入口６が付属している、脚部構造のものであり、 （ロ）水平部材７が、（ａ）上記鉛直部材が建て入れら
れる位置に、該鉛直部材下端部が余裕をもって嵌入でき
る断面積の、上記凹陥部深さと同程度の深さの凹欠部８
が設けられており、（ｂ）該凹欠部底面からは複数個の
鉛直主鉄筋９の上端部が突き出て露出しており、該鉛直
主鉄筋は上記複数個の鉛直部材主鉄筋とそれぞれ上下対
をなすような対応位置にある、上端部構造であり、 （ハ）上記鉛直部材１を、（ａ）その下端部が上記凹欠
部８内に嵌入して、縁取部２が凹欠部底面に接触するよ
う、（ｂ）かつ、上記鉛直主鉄筋９の上端部が埋設スリ
ーブ１２の下半部内に挿入されるように、水平部材７に
対して建て入れ、 （ニ）嵌入された鉛直部材下端部側壁と凹欠部側壁との
間の間隙空間をモルタルまたはコンクリートよりなる穴
埋めモルタル１０により塞ぎ、 （ホ）一つの注入口６（複数個あるときは他の注入口は
塞いでおく）から、高流動性のモルタルであるグラウト
１１を、すべての排出口５からグラウトが溢れ出てくる
まで注入して、凹陥部３内およびすべての埋設モルタル
スリーブ１２内をグラウトにより充填する、 ことを特徴とするプレキャスト鉄筋コンクリート鉛直部
材の接合方法、である。（以下第１発明と記す）
明する。この例はＰＣ鉛直部材としてＰＣ柱部材を用い
ている。なお、同（ａ）図は接合状態を示す縦断図、同
（ｂ）図は鉛直部材（柱部材）下面図である。本発明
は、脚部に複数個のモルタルスリーブが埋設されている
構造のプレキャスト鉄筋コンクリート鉛直部材の脚部を
水平部材に接合する方法において、 （イ）上記鉛直部材１が、（ａ）その下端面に、部材辺
を一周する縁取部２を残して目地モルタル厚さ相当深さ
切り欠いてなる凹陥部３が設けられており、（ｂ）モル
タルスリーブ１２が、その各上半部に部材主鉄筋４の下
端部が挿入され、その各下半部が上記凹陥部の底面に開
口する態様で部材脚部に埋設されており、（ｃ）上記複
数個の埋設スリーブの上端付近にはそれぞれ部材側壁に
開口する排出口５が付属しており、また、その少なくと
も一個の埋設スリーブの下端付近には部材側壁に開口す
る注入口６が付属している、脚部構造のものであり、 （ロ）水平部材７が、（ａ）上記鉛直部材が建て入れら
れる位置に、該鉛直部材下端部が余裕をもって嵌入でき
る断面積の、上記凹陥部深さと同程度の深さの凹欠部８
が設けられており、（ｂ）該凹欠部底面からは複数個の
鉛直主鉄筋９の上端部が突き出て露出しており、該鉛直
主鉄筋は上記複数個の鉛直部材主鉄筋とそれぞれ上下対
をなすような対応位置にある、上端部構造であり、 （ハ）上記鉛直部材１を、（ａ）その下端部が上記凹欠
部８内に嵌入して、縁取部２が凹欠部底面に接触するよ
う、（ｂ）かつ、上記鉛直主鉄筋９の上端部が埋設スリ
ーブ１２の下半部内に挿入されるように、水平部材７に
対して建て入れ、 （ニ）嵌入された鉛直部材下端部側壁と凹欠部側壁との
間の間隙空間をモルタルまたはコンクリートよりなる穴
埋めモルタル１０により塞ぎ、 （ホ）一つの注入口６（複数個あるときは他の注入口は
塞いでおく）から、高流動性のモルタルであるグラウト
１１を、すべての排出口５からグラウトが溢れ出てくる
まで注入して、凹陥部３内およびすべての埋設モルタル
スリーブ１２内をグラウトにより充填する、 ことを特徴とするプレキャスト鉄筋コンクリート鉛直部
材の接合方法、である。（以下第１発明と記す）
【０００６】第１発明におけるモルタルスリーブ１２は
図２に示すように、両端に開口を有する細長い中空筒状
体よりなり、この中に接合しようとする一対の鉄筋の端
部を対向方向に挿入して筒状体長手方向ほぼ中央におい
て向かい合わせ、筒状体内にグラウトを充填しこれの硬
化により一対の鉄筋の突合せ状接合をなす鉄筋継手金物
である。その内壁面上には輪状突起１３が多数設けられ
ていてスリーブ内への鉄筋の保持力向上に役立ってい
る。また、その側壁の各開口端付近には貫通孔である側
孔１４−ａ、１４−ｂが設けられており、これにビニル
管のような管を取り付けて図１に示した排出口５および
注入口６を形成する。モルタルスリーブは、特公昭５３
−１２７３２号公報、特開昭６１−２００２４６号公報
等に開示されている。モルタルスリーブはモルタル充填
式継手、スプライススリーブ等とも呼ばれている。
図２に示すように、両端に開口を有する細長い中空筒状
体よりなり、この中に接合しようとする一対の鉄筋の端
部を対向方向に挿入して筒状体長手方向ほぼ中央におい
て向かい合わせ、筒状体内にグラウトを充填しこれの硬
化により一対の鉄筋の突合せ状接合をなす鉄筋継手金物
である。その内壁面上には輪状突起１３が多数設けられ
ていてスリーブ内への鉄筋の保持力向上に役立ってい
る。また、その側壁の各開口端付近には貫通孔である側
孔１４−ａ、１４−ｂが設けられており、これにビニル
管のような管を取り付けて図１に示した排出口５および
注入口６を形成する。モルタルスリーブは、特公昭５３
−１２７３２号公報、特開昭６１−２００２４６号公報
等に開示されている。モルタルスリーブはモルタル充填
式継手、スプライススリーブ等とも呼ばれている。
【０００７】埋設モルタルスリーブ１２はその長手方向
ほぼ中央を境として上半部と下半部とに分けられるが、
鉛直部材主鉄筋４はその下端末が該中央部位に達するよ
う上半部に挿入された状態で鉛直部材が製作される。こ
のとき、鉄筋とスリーブとのシールと結合を兼ねてゴム
プラグがスリーブ上端部に装着され部材中に埋め殺され
ている（図示省略）。鉛直部材を建て入れたときスリー
ブ下半部に挿入された鉛直主鉄筋９の上端末は上記中央
部位に達し両鉄筋は該中央部位において突合せ状に向い
合う。
ほぼ中央を境として上半部と下半部とに分けられるが、
鉛直部材主鉄筋４はその下端末が該中央部位に達するよ
う上半部に挿入された状態で鉛直部材が製作される。こ
のとき、鉄筋とスリーブとのシールと結合を兼ねてゴム
プラグがスリーブ上端部に装着され部材中に埋め殺され
ている（図示省略）。鉛直部材を建て入れたときスリー
ブ下半部に挿入された鉛直主鉄筋９の上端末は上記中央
部位に達し両鉄筋は該中央部位において突合せ状に向い
合う。
【０００８】凹欠部の底部と縁取部下面との接触面には
セメントペーストのような接着剤を介在させる。凹欠部
側壁と鉛直部材側壁との間の間隙は２〜５ｃｍ程度が適
当である。
セメントペーストのような接着剤を介在させる。凹欠部
側壁と鉛直部材側壁との間の間隙は２〜５ｃｍ程度が適
当である。
【０００９】鉛直主鉄筋は一般に、下階ＰＣ鉛直部材主
鉄筋であって、該鉛直部材上端部に結合された水平部材
を貫通して上方に突き出て露出している下階ＰＣ鉛直部
材主鉄筋上端部である。なお、グラウトは２８日圧縮強
度が５００Ｋｇ／ｃｍ２以上の高強度のものが用いら
れ、かかるグラウトを用いた場合、スリーブの長さはこ
れにより接合される異形鉄筋径の約１３〜１７倍程度で
ある。（ＰＣ鉛直部材主鉄筋および鉛直主鉄筋としては
一般に異形鉄筋が使用される。）
鉄筋であって、該鉛直部材上端部に結合された水平部材
を貫通して上方に突き出て露出している下階ＰＣ鉛直部
材主鉄筋上端部である。なお、グラウトは２８日圧縮強
度が５００Ｋｇ／ｃｍ２以上の高強度のものが用いら
れ、かかるグラウトを用いた場合、スリーブの長さはこ
れにより接合される異形鉄筋径の約１３〜１７倍程度で
ある。（ＰＣ鉛直部材主鉄筋および鉛直主鉄筋としては
一般に異形鉄筋が使用される。）
【００１０】つぎに、本発明においては、モルタルスリ
ーブの代りにセミモルタルスリーブを用いたＰＣ鉛直部
材接合方法を提供する。（以下第２発明と記す）
ーブの代りにセミモルタルスリーブを用いたＰＣ鉛直部
材接合方法を提供する。（以下第２発明と記す）
【００１１】第２発明におけるセミモルタルスリーブと
は図３に例示するように、スリーブ部１５と鉄筋固着部
１６とが同軸一体に結合してなる鉄筋継手である。スリ
ーブ部１５は上述のモルタルスリーブをその長手方向ほ
ぼ中央部位で横方向に半裁したような形状の筒状体であ
って、一端が開口し他端が鉄筋固着部１６と結合してい
る。その内壁面上にはモルタルスリーブと同旨の輪状突
起１３が設けられている。また、その側壁の両端（開口
端および鉄筋固着部と結合している端）付近にはモルタ
ルスリーブと同旨の側孔１４−ａおよび１４−ｂが設け
られている。開口端付近に設けられている側孔１４−ｂ
には排出口が、反対側端に設けらている側孔１４−ａに
は注入口が付属される。鉄筋固着部１６はスリーブ部と
は異なる鉄筋固着機構により鉄筋を固着する鉄筋固着手
段である。この鉄筋固着機構としては、螺合、ビス止
め、カプラー圧着等の各種機構が利用できるが、一般に
は螺合であり、図においても螺合の場合が示されている
（かかるセミモルタルスリーブをネジスリーブ継手とい
う）。なお、セミモルタルスリーブは実開昭６２−２０
３３１８、特開昭６３−８９７６４、特開平３−２４４
７４７、特開平３−２６２８６１各号公報に開示されて
いる。
は図３に例示するように、スリーブ部１５と鉄筋固着部
１６とが同軸一体に結合してなる鉄筋継手である。スリ
ーブ部１５は上述のモルタルスリーブをその長手方向ほ
ぼ中央部位で横方向に半裁したような形状の筒状体であ
って、一端が開口し他端が鉄筋固着部１６と結合してい
る。その内壁面上にはモルタルスリーブと同旨の輪状突
起１３が設けられている。また、その側壁の両端（開口
端および鉄筋固着部と結合している端）付近にはモルタ
ルスリーブと同旨の側孔１４−ａおよび１４−ｂが設け
られている。開口端付近に設けられている側孔１４−ｂ
には排出口が、反対側端に設けらている側孔１４−ａに
は注入口が付属される。鉄筋固着部１６はスリーブ部と
は異なる鉄筋固着機構により鉄筋を固着する鉄筋固着手
段である。この鉄筋固着機構としては、螺合、ビス止
め、カプラー圧着等の各種機構が利用できるが、一般に
は螺合であり、図においても螺合の場合が示されている
（かかるセミモルタルスリーブをネジスリーブ継手とい
う）。なお、セミモルタルスリーブは実開昭６２−２０
３３１８、特開昭６３−８９７６４、特開平３−２４４
７４７、特開平３−２６２８６１各号公報に開示されて
いる。
【００１２】第２発明は、第１発明におけるモルタルス
リーブの代りに埋設鉄筋継手としてセミモルタルスリー
ブを用いた発明であって、図４を実施例として説明す
る。この例においてはＰＣ鉛直部材としてＰＣ柱部材が
用いられている。（イ）セミモルタルスリーブが、その
上半部である鉄筋固着部１６に鉛直部材主鉄筋４の下端
部が固着され、その下半部であるスリーブ部１５が凹陥
部３の底面に開口する態様で鉛直部材脚部に埋設されて
おり、（ロ）鉛直部材建て入れに際し、鉛直主鉄筋９の
上端部がスリーブ部１５内に挿入され、（ハ）埋設され
ている複数個のセミモルタルスリーブの少なくとも一個
のセミモルタルスリーブのスリーブ部の下端付近に付属
している注入口６（複数個あるときは他の注入口は塞い
でおく）からグラウト１１を、すべてのセミモルタルス
リーブのスリーブ部の上端付近に付属している排出口５
のすベてからグラウトが溢れ出るまで注入する、ことを
特徴とする第１発明と同旨のＰＣ鉛直部材の接合方法、
である。
リーブの代りに埋設鉄筋継手としてセミモルタルスリー
ブを用いた発明であって、図４を実施例として説明す
る。この例においてはＰＣ鉛直部材としてＰＣ柱部材が
用いられている。（イ）セミモルタルスリーブが、その
上半部である鉄筋固着部１６に鉛直部材主鉄筋４の下端
部が固着され、その下半部であるスリーブ部１５が凹陥
部３の底面に開口する態様で鉛直部材脚部に埋設されて
おり、（ロ）鉛直部材建て入れに際し、鉛直主鉄筋９の
上端部がスリーブ部１５内に挿入され、（ハ）埋設され
ている複数個のセミモルタルスリーブの少なくとも一個
のセミモルタルスリーブのスリーブ部の下端付近に付属
している注入口６（複数個あるときは他の注入口は塞い
でおく）からグラウト１１を、すべてのセミモルタルス
リーブのスリーブ部の上端付近に付属している排出口５
のすベてからグラウトが溢れ出るまで注入する、ことを
特徴とする第１発明と同旨のＰＣ鉛直部材の接合方法、
である。
【００１３】
【発明の効果】本発明の一気注入工法は従来の一気注入
工法にくらべ下記の改良効果がある。 （１）凹欠部側壁により鉛直部材が水平方向に動こうと
する傾向が阻止されるので接合両部材間の剪断伝達が向
上する。 （２）グラウト注入圧による鉛直部材の持ち上がりが穴
埋めモルタルの鉛直部材側壁との固着力により防止され
る。かりに若干の持ち上がりがおこってもグラウトの漏
れはが穴埋めモルタルにより防止される。 （３）セミモルタルスリーブを用いた場合、モルタルス
リーブを用いるとき必要であったゴムプラグが不要とな
る。さらに、スリーブ部の高さがモルタルスリーブの約
半分となるので注入圧が低く注入量も少なく、グラウト
注入作業が簡易化される。 なお、個別注入工法においても、水平部材に凹欠部を設
け、鉛直部材をこれに嵌入するようにして建て入れれば
接合部材間の剪断伝達向上効果がある。
工法にくらべ下記の改良効果がある。 （１）凹欠部側壁により鉛直部材が水平方向に動こうと
する傾向が阻止されるので接合両部材間の剪断伝達が向
上する。 （２）グラウト注入圧による鉛直部材の持ち上がりが穴
埋めモルタルの鉛直部材側壁との固着力により防止され
る。かりに若干の持ち上がりがおこってもグラウトの漏
れはが穴埋めモルタルにより防止される。 （３）セミモルタルスリーブを用いた場合、モルタルス
リーブを用いるとき必要であったゴムプラグが不要とな
る。さらに、スリーブ部の高さがモルタルスリーブの約
半分となるので注入圧が低く注入量も少なく、グラウト
注入作業が簡易化される。 なお、個別注入工法においても、水平部材に凹欠部を設
け、鉛直部材をこれに嵌入するようにして建て入れれば
接合部材間の剪断伝達向上効果がある。
【図１】第１発明を例示する図。同（ａ）図は接合状態
を示す縦断図。同（ｂ）図は鉛直部材（柱部材）の下面
図。
を示す縦断図。同（ｂ）図は鉛直部材（柱部材）の下面
図。
【図２】モルタルスリーブを例示する縦断図。
【図３】セミモルタルスリーブを例示する縦断図。
【図４】第２発明を例示する縦断図。
【図５】従来の一気注入工法を例示する縦断図。
１ ：ＰＣ鉛直部材 ２ ：縁取部 ３ ：凹陥部 ４ ：ＰＣ鉛直部材主鉄筋 ５ ：排出口 ６ ：注入口 ７ ：水平部材 ８ ：凹欠部 ９ ：鉛直主鉄筋 １０ ：穴埋めモルタル １１ ：グラウト １２ ：モルタルスリーブ １３ ：輪状突起 １４−ａ：側孔 １４−ｂ：側孔 １５ ：セミモルタルスリーブのスリーブ部 １６ ：セミモルタルスリーブの鉄筋固着部
Claims (2)
- 【請求項１】脚部に本文記載のモルタルスリーブが複数
個埋設されている構造のプレキャスト鉄筋コンクリート
鉛直部材の脚部を水平部材に接合する方法において、 （イ）上記鉛直部材が、 （ａ）その下端面に、部材辺を一周する縁取部を残して
目地モルタル厚さ相当深さ切り欠いてなる凹陥部が設け
られており、 （ｂ）モルタルスリーブが、その各上半部に部材主鉄筋
の下端部が挿入され、その各下半部が上記凹陥部の底面
に開口する態様で部材脚部に埋設されており、 （ｃ）上記複数個の埋設スリーブの上端付近にはそれぞ
れ部材側壁に開口する排出口が付属しており、また、そ
の少なくとも一個の埋設スリーブの下端付近には部材側
壁に開口する注入口が付属している、 脚部構造のものであり、 （ロ）水平部材が、 （ａ）上記鉛直部材が建て入れられる位置に、該鉛直部
材下端部が余裕をもって嵌入できる断面積の、上記凹陥
部深さと同程度の深さの凹欠部が設けられており、 （ｂ）該凹欠部底面からは複数個の鉛直主鉄筋の上端部
が突き出て露出しており、該鉛直主鉄筋は上記複数個の
鉛直部材主鉄筋とそれぞれ上下対をなすような対応位置
にある、 上端部構造のものであり、 （ハ）上記鉛直部材を、 （ａ）その下端部が上記凹欠部内に嵌入して、縁取部が
凹欠部底面に接触するよう、 （ｂ）かつ、上記鉛直主鉄筋上端部が埋設スリーブ下半
部内に挿入されるように、 水平部材に対して建て入れ、 （ニ）嵌入された鉛直部材下端部側壁と凹欠部側壁との
間の間隙空間をモルタルまたはコンクリートよりなる穴
埋めモルタルにより塞ぎ、 （ホ）一つの注入口（複数個あるときは他の注入口は塞
いでおく）から、高流動性のモルタルであるグラウト
を、すベての排出口からグラウトが溢れ出てくるまで注
入して、凹陥部内およびすべての埋設モルタルスリーブ
内をグラウトにより充填する、ことを特徴とするプレキ
ャスト鉄筋コンクリート鉛直部材の接合方法 - 【請求項２】モルタルスリーブの代りに、スリーブ部と
鉄筋固着部が同軸一体に結合してなる鉄筋継手である本
文記載のセミモルタルスリーブを用い、 （イ）該セミモルタルスリーブが、その上半部である鉄
筋固着部に鉛直部材主鉄筋の下端部が固着され、その下
半部であるスリーブ部が凹陥部底面に開口する態様で鉛
直部材脚部に埋設されており、 （ロ）鉛直部材建て入れに際し、鉛直主鉄筋の上端部が
スリーブ部内に挿入され、 （ハ）埋設されている複数個のセミモルタルスリーブの
少なくとも一個のセミモルタルスリーブのスリーブ部の
下端付近に付属している注入口からグラウトを、すべて
のセミモルタルスリーブのスリーブ部の上端付近に付属
している排出口のすべてからグラウトが溢れ出るまで注
入する、ことを特徴とする請求項１記載のプレキャスト
鉄筋コンクリート鉛直部材の接合方法
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08668492A JP3277468B2 (ja) | 1992-02-25 | 1992-02-25 | プレキャスト鉄筋コンクリート鉛直部材の接合方法 |
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| JP08668492A JP3277468B2 (ja) | 1992-02-25 | 1992-02-25 | プレキャスト鉄筋コンクリート鉛直部材の接合方法 |
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|---|---|
| JPH05230877A true JPH05230877A (ja) | 1993-09-07 |
| JP3277468B2 JP3277468B2 (ja) | 2002-04-22 |
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|---|---|---|---|
| JP08668492A Expired - Fee Related JP3277468B2 (ja) | 1992-02-25 | 1992-02-25 | プレキャスト鉄筋コンクリート鉛直部材の接合方法 |
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|---|---|
| JP (1) | JP3277468B2 (ja) |
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-
1992
- 1992-02-25 JP JP08668492A patent/JP3277468B2/ja not_active Expired - Fee Related
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