JPH05230459A - 塩害地用栽培土壌構造 - Google Patents

塩害地用栽培土壌構造

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JPH05230459A
JPH05230459A JP3320473A JP32047391A JPH05230459A JP H05230459 A JPH05230459 A JP H05230459A JP 3320473 A JP3320473 A JP 3320473A JP 32047391 A JP32047391 A JP 32047391A JP H05230459 A JPH05230459 A JP H05230459A
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JP
Japan
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soil
anion exchange
porous inorganic
bag
inorganic mineral
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Application number
JP3320473A
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English (en)
Inventor
Kazuo Ran
一夫 蘭
Teruo Hiramatsu
輝夫 平松
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JFE Engineering Corp
Yamato Giken KK
Original Assignee
Yamato Giken KK
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
Application filed by Yamato Giken KK, NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical Yamato Giken KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】アニオン交換能を付与された不織布よりなる袋
1の内部に、塩基置換能力を有する多孔性無機鉱物と塩
基置換能力を有しアニオン交換能を付与された多孔性無
機鉱物を含む用土2が充填されてなる塩害地用栽培土壌
構造。 【効果】塩害の強い地域でも植物を生育させることがで
きる。その結果、砂防林等の維持管理を容易にすること
ができ、また、地下水塩濃度の極めて高いところでも植
物を植えることが可能になった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、海岸地帯、酸性雨地帯
等の塩害地において、植物を良好に生育させうる土壌構
造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、海岸地帯には松等の塩害に強い植
物が植えられており、酸性雨地帯では石灰等の撒布が行
なわれているが、効果の大きな対策はとられていないの
が現状である。
【0003】ところで、多孔性で塩基置換能力をもつ鉱
物質に、イオン交換基を既有するか導入容易なポリマー
あるいはモノマーの水溶状液を含浸させた後、これを乾
燥脱水して重合固結させて、イオン交換基を付与するこ
とを特徴とする多孔状吸脱着剤は既に開発されている
(特開昭60−106531号公報)。本発明者らは、この多孔
状吸脱着剤が土壌改良剤としてすぐれていることに着目
し、種々の改良研究を行なった(特公平2−15600号公
報、実公昭63−11144号公報、実公平2−28687号公報、
特開平1−256588号公報、特開平2−158686号公報、特
開平2−158627号公報、特開平2−163009号公報な
ど)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ウバメガシ、松等の塩
害に強い植物であっても台風等によって海水が大量に吹
きつけられると枯れてしまうことがある。そして、一旦
枯死してしまうと新たな苗木を活着させるのが容易では
ない。ところが、砂防林などは実用上重要であり、これ
を維持させなければならない。また、海岸に至近であっ
て海水の浸入により地下水の塩濃度の高い地帯では、塩
害に強い植物であっても生育が困難である。酸性雨対策
としての石灰の撒布は、地面を固化させてかえって植物
を弱らせてしまう弊害も生じている。ところが、これら
の特に塩害の強い地帯、例えば海を埋め立てて形成した
飛行場とか、高速道路脇であって地形の関係で特に酸性
雨の降りやすいところに美観等の目的で樹木を植えるこ
ともある。この樹木は比較的短期間で枯れてしまうた
め、植えかえる手間が大変である。
【0005】この発明は、上記のような問題点を解決す
るためになされたもので、塩害の強い地帯であっても植
物を容易に活着させ、枯死させずに安定生育させうる土
壌構造を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題は、アニオン交
換能を付与された不織布(アニオン交換不織布)よりな
る袋の内部に、塩基置換能力を有する多孔性無機鉱物
(多孔性無機鉱物)と塩基置換能力を有しアニオン交換
能を付与された多孔性無機鉱物(多孔性アニオン交換鉱
物)を含む用土が充填されてなる塩害地用栽培土壌構造
によって解決される。
【0007】不織布は、羊毛、木綿、ポリエステル、ナ
イロン、テトロン、アクリル、ポリプロピレン、レーヨ
ン、PAN、パラフェニレンイソフタルアミド、メタフ
ェニレンイソフタルアミド、グラスウール等の繊維製の
ものを好ましく用いることができる。イオン交換基は
中、弱塩基のものである。このイオン交換基の導入方法
は、イオン交換基を有する有機高分子の水溶液を前記繊
維の不織布に含浸させ、有機高分子を架橋反応させて硬
化することによって行なうことができる。例えば、エチ
レンジアミン、ペンタエチレンヘキサミン等の鎖状構造
の脂肪族ポリアミンを水で希釈してエピクロルヒドリン
を加え、50℃以下で緩慢に反応させると低重合度の水溶
性ポリマーが得られる。この液を不織布に含浸させて必
要によりさらにエピクロルヒドリンを加え放置あるいは
加熱すると架橋反応が進行し、水分が蒸発してアニオン
交換基を有する水に不溶性の被膜が不織布上に形成され
る。脂肪族アミンはその適当な誘導体を用いてもよく、
エピクロルヒドリンも同様のオキサイド開環反応基を有
する化合物や低分子エポキシ系化合物で代替することが
できる。
【0008】また、塩素化ポリオレフィン、塩素化ゴ
ム、エピクロルヒドリンゴムにアミン系のアニオン交換
基を導入したものであってもよい。その場合、上記ポリ
マーの低重合度のものを有機溶媒に溶かしておき、エピ
クロルヒドリンの水溶液に少量の乳化剤及びアミンなど
の反応物質とともに上記ポリマー溶液を添加混合して乳
化物をつくる。これを水で適当濃度に希釈して不織布に
含浸させ、放置あるいは加熱すると架橋反応が進行し、
水分が蒸発してアニオン交換基を有する水に不溶性の被
膜が不織布上に形成される。アクリル酸やメタアクリル
酸のモノマー及び非架橋低重合度ポリマーを利用するこ
ともできる。その場合、上記のモノマー又は低重合度ポ
リマーの水溶液に過酸化ベンゾイルなどの触媒とジビニ
ルベンゼンなどの架橋剤を加えてこれを不織布に含浸さ
せる。この不織布を放置あるいは加熱すると架橋反応が
進行し、水分が蒸発してカチオン交換基を有する水に不
溶性の被膜が不織布上に形成される。被膜の強度を増す
ためにアクリルゴムやアクリル系ポリマーを前記水溶液
に乳濁させておくことができる。不織布の厚みは0.2〜1
0mm程度でよい。
【0009】袋の形状は円筒状、角筒状等任意の形状を
とることができる。また、大きさは植物の種類等に応じ
て適当になるように定める。袋は、必要により2重等に
して使用することができる。
【0010】塩基置換能力を有する多孔性無機鉱物はバ
ーミキュライト、イソライト、ゼオライト、モンモリロ
ナイト、スラグウール等である。多孔性無機鉱物にアニ
オン交換能を付与する方法は前述の不織布と同様でよ
い。多孔性無機鉱物と多孔性アニオン交換鉱物はいずれ
も単一であってもよく、2種以上の混合物であってもよ
い。
【0011】用土は、多孔性無機鉱物と多孔性アニオン
交換体のみからなっていてもよいが、他の成分を含むこ
ともできる。他の成分としては、大地から採取した土壌
のほか、保水材、肥効分、酸素等を挙げることができ
る。保水材はピートモス、ポリアクリルアミド等であ
り、イソライトは保水材としても機能する。用土を構成
する各成分の配合割合としては、多孔性無機鉱物が0〜
50重量%程度、好ましくは0〜20重量%程度、多孔性ア
ニオン交換体が20〜90重量%程度、好ましくは50〜90重
量%程度、その他の成分が30重量%以下程度である。
【0012】この用土に植付ける植物は、目的に応じて
適宜選択することができるが、塩害に強い植物が通常選
択され、例えば松、ウバメガシ、竹類、笹等が好適であ
る。
【0013】植物を苗の状態で用土に植付ける際には、
苗を予め不織布又はアニオン交換不織布よりなる小袋に
用土として多孔性アニオン交換鉱物が充填されているな
かに植付けるのがよい。この用土は、多孔性アニオン交
換鉱物のみあるいはこれに少量の保水材、肥効成分、酵
素等が含まれているものが好ましい。小袋の不織布の材
質は前述と同様であるが、植物の生育に伴って根が小袋
を破って外に出られるようにする必要があり、従って比
較的強度が弱く、厚さの薄いものが用いられる。小袋の
開口部は紐、ゴム紐等でゆるく結えて狭めておく。
【0014】一方、大きな袋の外側は一般の土壌であっ
てもよいが塩濃度が高い場合には、多孔性無機鉱物を周
囲に埋めておくことが好ましい。
【0015】本発明の土壌構造は、塩害の問題のある地
帯に有効なものであり、例えば地下2mの塩素イオン濃
度が300〜1000ppm程度、特に300〜400ppm程度のところ
であっても塩害を防止して植物を安定生育させることが
できる。
【0016】
【作用】本発明の土壌構造においては、アニオン交換不
織布がアニオンを吸着し、多孔性無機鉱物がカチオンを
吸着し、さらに多孔性アニオン交換鉱物がアニオンとカ
チオンを吸着する。さらにこれらはアニオン、カチオン
を反発する能力も発揮することができ、これらの作用に
よって植物を塩害から保護している。上記のアニオン交
換能を発揮するイオン交換基は中、弱塩基性であり、塩
基置換能力も弱酸性基によるものであるから、吸着され
たカチオン及びアニオンは降雨、撒水等によって容易に
離脱される。その結果、塩害を継続的に阻止することが
可能である。
【0017】アニオン交換不織布の近傍では細根が出や
すい。多孔性アニオン交換鉱物が充填されたアニオン交
換不織布よりなる小袋に苗を植付けることにより、苗を
塩害から強力に保護するとともに、発根を促進して活着
及び生育を確実にしている。
【0018】
【実施例】
実施例1 ナイロン製不織布に、アミノ基を導入した厚さ2mmのア
ニオン交換不織布(和技研(株)製)を直径100cm、深さ1
00cmの円筒状袋1に加工した。海岸から100mで地下2
mの塩素イオン濃度が500ppmの土地にこの袋1と同形の
穴を堀り、そこにこの袋1を入れた。バーミキュライト
にアミン基を導入したバーミキュライト系アニオン交換
体(和技研(株)製)40%、バーミキュライト30%及びイ
ソライト30%よりなり、肥効分10g/l及び酵素0.3g/lを
含む用土2を袋1のなかに充填した。ナイロン製不織布
にアミノ基を導入した厚さ0.2mmのアニオン交換不織布
を直径20cm、深さ30cmの円筒状小袋3に加工し、そのな
かにバーミキュライト系アニオン交換体よりなり、肥効
分10g/l及び酵素0.3g/lを含む用土4を充填した。この
用土4に松の苗木5を植え、小袋3の開口部を緩くゴム
紐6で結えた。この小袋3を前記の用土2に埋めて植付
けを完了した。この状態を図1に示す。この状態で放置
しておいたところ松は枯れずに生育し、根は小袋3を破
って図1に点線で示すように張った。このようにして松
5株を植えたところ全部が枯れないで順調に生育した。
【0019】一方、比較のために松の苗木5株をそのま
ま同じ土地に植えておいたところ6ヵ月後には2株が枯
死していた。
【0020】実施例2 海岸から300mで地下2mの塩素イオン濃度300ppmのと
ころに、実施例1より深さが20cm、径が40cm、大きな穴
を堀り底にゼオライト20cmを敷き詰めた。次いで、袋1
を2重にしたほかは実施例1と同様にして松の苗木5を
植えた袋1を穴の中央に置き、周囲の隙間にゼオライト
7を充填した。こうして松の苗木5株を植えておいたと
ころ全部が枯れないで順調に生育した。
【0021】一方、比較のために松の苗木5株をそのま
ま同じ土地に植えておいたところ6ヵ月後には2株が枯
死していた。
【0022】
【発明の効果】本発明により、塩害の強い地域でも植物
を生育させることができる。その結果、砂防林等の維持
管理を容易にすることができ、また、地下水塩濃度の極
めて高いところでも植物を植えることが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である土壌構造を示す断面図
である。
【図2】本発明の別の実施例である土壌構造を示す断面
図である。
【符号の説明】 1 袋 2 用土 3 小袋 4 用土 5 苗木 6 ゴム紐 7 ゼオライト

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アニオン交換能を付与された不織布より
    なる袋の内部に、塩基置換能力を有する多孔性無機鉱物
    と塩基置換能力を有しアニオン交換能を付与された多孔
    性無機鉱物を含む用土が充填されてなる塩害地用栽培土
    壌構造
  2. 【請求項2】 塩基置換能力を有しアニオン交換能を付
    与された多孔性無機鉱物が充填され、該無機鉱物に苗が
    植付けられた、アニオン交換能を付与された不織布より
    なる小袋が、前記用土に埋められている請求項1に記載
    の土壌構造
JP3320473A 1991-12-04 1991-12-04 塩害地用栽培土壌構造 Pending JPH05230459A (ja)

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JP3320473A JPH05230459A (ja) 1991-12-04 1991-12-04 塩害地用栽培土壌構造

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JP3320473A JPH05230459A (ja) 1991-12-04 1991-12-04 塩害地用栽培土壌構造

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JPH05230459A true JPH05230459A (ja) 1993-09-07

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JP (1) JPH05230459A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009284872A (ja) * 2008-05-30 2009-12-10 Sogo Sekkei Kenkyusho:Kk 土壌養分環境調節方法及びこれに使用する袋状資材と堆肥抽出溶液
CN115777489A (zh) * 2022-11-23 2023-03-14 山东省林业科学研究院 一种园林工程生物绿化方法

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