JPH05228143A - 油性ゲル組成物およびそれを用いた音響媒体 - Google Patents

油性ゲル組成物およびそれを用いた音響媒体

Info

Publication number
JPH05228143A
JPH05228143A JP27276792A JP27276792A JPH05228143A JP H05228143 A JPH05228143 A JP H05228143A JP 27276792 A JP27276792 A JP 27276792A JP 27276792 A JP27276792 A JP 27276792A JP H05228143 A JPH05228143 A JP H05228143A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acoustic medium
oily
acoustic
gel composition
ultrasonic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27276792A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Konno
真之 今野
Fumiya Shirai
文哉 白井
Hideo Sato
英生 佐藤
Yuichi Inoue
祐一 井上
Mitsuru Konno
満 今野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP27276792A priority Critical patent/JPH05228143A/ja
Priority to AU29788/92A priority patent/AU2978892A/en
Priority to US07/983,713 priority patent/US5318035A/en
Publication of JPH05228143A publication Critical patent/JPH05228143A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 水分によって影響を受けず、保形性や柔軟
性、適度な弾性を有する油性ゲル組成物、および超音波
診断や超音波治療に用いる音響媒体を提供する。 【構成】 イソプレンゴムやスチレン−ブタジエンゴム
のような疎水性高分子物質と、これを溶解する油状物質
とを含有する組成物に放射線を照射することによって標
記油性ゲル状組成物を得る。また、これを適当な形状に
成形することによって超音波診断や超音波治療に用いる
音響媒体とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は油性ゲル組成物、および
超音波を利用して生体内の画像診断や家畜の肉質診断を
行なったり、あるいは治療を行なう際に用いる油性ゲル
組成物からなる音響媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、生体内部組織の異常や血流の
脈動などを診断するために超音波診断装置を用いた診断
が盛んに行われている。このような超音波診断では診断
装置から発生する超音波パルスを、被験者の生体面に密
着させた探触子(プローブ)を通じて被検者の体内へ照
射して、体内からの反射波を検出している。この際、診
断時に探触子と生体面との密着が不充分で空気層などが
介在すると、照射された超音波が大きく減衰して正確な
診断を行うことができないので、通常、動植物油やパラ
フィン、ポリエチレングリコールなどの油状物やペース
ト状物、ゼリー状物を生体面に塗布して密着性を向上さ
せる方法が採用されている。
【0003】しかしながら、上記方法では被験者の生体
面がベトつき汚れて不快感を与えると共に、油状物など
は流動しやすいので、均一に塗布することができず、診
断結果もばらつきやすいという問題点を有するものであ
る。
【0004】また、超音波診断において体表面に近い部
位を診断する場合、プローブから照射される超音波パル
スの焦点領域を診断部位に移動させる必要があり、従っ
て、ペースト状物やゼリー状物のように保形性がなく流
動しやすいものでは取扱性が悪いので、保形性を有して
厚みも自由に変化できるような音響媒体の開発が望まれ
ている。
【0005】このような問題点を解決するものとして近
年、保形性や柔軟性、適度な弾性を有するゲル状物が超
音波診断用の音響媒体として提案されている。このよう
な媒体の材質としては、特開昭59−82838号公報
や、特開平1−146234号公報などに記載されてい
る水性高分子物質と水とからなる水性ゲルや、特開平1
−304109号公報などに記載されている液体セグメ
ントを内部構造に有するポリウレタンゲルなどがある。
【0006】しかしながら、上記ゲル状物を用いてなる
音響媒体では従来の油状物やペースト状物、ゼリー状物
が有するような欠点は解消されるものの、水性ゲルの場
合は水を含有するために、含有する水分の揮散や大気中
の湿度の影響などによって媒体中の水分含有率が変動し
て柔軟性がなくなるなど保管上の問題がある。また、ポ
リウレタンゲルの場合も使用できる原材料が限定され、
実用上有用なものは未だ開発されていないのが実状であ
る。
【0007】一方、超音波治療目的での利用では、超音
波を患部に照射して局所の温度上昇や局所循環促進、細
胞膜の透過性亢進などを生じさせ鎮痛効果、消炎効果、
筋痙攣の寛解などの効果を目的とした慢性疼痛性疾患の
治療に使用されている。このような治療を目的とした用
途においても、超音波治療器の探触子が生体と良好に密
着しないと超音波エネルギーを被験者の体内に充分に照
射できないので、上述のような油状物やペースト状物を
用いる場合と同様、種々の問題を有する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来の音響媒
体が有する課題を解決するためになされたものであっ
て、水分の影響を受けず保形性や柔軟性、適度な弾性を
有し、しかも優れた音響特性を有するゲル状組成物およ
び音響媒体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは上
記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、水分を
含有するような水性ゲルではなく、油状物質を含有しブ
ルーミングも抑制した特定の油性ゲル組成物が優れた保
形性および音響特性を有することを見い出し、本発明を
完成するに至った。
【0010】即ち、本発明は放射線架橋可能な疎水性高
分子物質と、該高分子物質を溶解する油状成分とを含
み、実質的に水を含有しない組成物に放射線を照射して
なる油性ゲル組成物、およびこの油性ゲル組成物を超音
波診断用あるいは超音波治療用に用いてなる音響媒体を
提供するものである。
【0011】本発明において用いる疎水性高分子物質と
しては、放射性の照射によって架橋構造体となり、高弾
性や保形性、柔軟性を有するのであって、具体的には天
然ゴムや合成イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレ
ン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴムの如きジエン系
高分子物質や、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸、ポリ
アクリル酸エステル、ポリスチレンの如きビニル系高分
子物質などが使用できる。これらの高分子物質のうち保
形性、柔軟性、材質の安定性の点からイソプレンゴム
や、スチレン−ブタジエンゴムを用いることが好まし
い。これらの高分子物質は放射線を照射することによっ
て後述する油状成分を含有した状態でゲル化を起こし、
適度な弾性と保形性を有するようになる。
【0012】なお、本発明に用いる上記疎水性高分子物
質とは、実質的に水に対して不溶性であって、具体的に
は水を吸収しても自重の1.1倍以下の重量増加しか起
こさないような高分子物質を意味するものである。
【0013】また、上記疎水性高分子物質に含有・保持
する油状物質の量は、超音波診断や超音波治療に用いる
音響媒体として用いる場合、所望する音響特性やゲル強
度、弾性率などによって任意であるが、本発明の音響媒
体では上記疎水性高分子物質3〜150重量部に対して
100重量部程度添加することが好ましい。含有させる
油状物質としては、具体的にはオリーブ油、ヒマシ油な
どの植物油、流動パラフィン、プロセスオイルなどの鉱
物油、セバシン酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、アジ
ピン酸ジオクチル、桂皮酸エチル、フェニル酢酸エチ
ル、オレイン酸エチル、安息香酸ベンジルなどのエステ
ル油、スクワラン、スクワレンなどの動物油、液状乳化
剤などが用いられる。
【0014】本発明の油性ゲル組成物からなる音響媒体
が有する音響特性は、使用目的によってその特性を任意
に変えることができるが、超音波診断や超音波治療用途
では対象物が生体であるので、音響特性は基本的には水
の特性に合わせるのが好ましい。即ち、20℃付近での
音響媒体の内部音速が約1500m/秒、音響インピー
ダンスが約1.5×106 kg/m2 ・秒程度となるよ
うに調整することが好ましく、また減衰率は超音波診断
用では診断部位によって異なるが、減衰を大きくするこ
とによって多重エコーを低減させるという点から、約0
〜3.0dB/cm・MHzの範囲に調整し、超音波治
療用としては、超音波エネルギーの損失を少なくするた
めに、減衰率を0〜1.5dB/cm・MHzの範囲と
することが好ましい。従って、本発明の音響媒体では常
温下での内部音速が1300〜1600m/秒、音響イ
ンピーダンスが1.0〜1.7×106 kg/m2
秒、減衰率が0〜3.0dB/cm・MHzであるもの
が好適である。
【0015】上記音響特性は疎水性高分子物質と油状物
質とのそれぞれが有する音響特性によって左右される
が、特に前記油状物質によって影響を受けやすい。従っ
て、超音波診断や超音波治療の用途では生体が有する音
響特性に近い油状物質を一種もしくは二種以上併用して
用いることが好ましい。従来の油状物質としては通常、
水よりも遅い音速を有し、超音波の減衰も比較的大きい
ので、超音波診断においては眼球等の部位に適用できる
ような音速が水に近く、しかも超音波の減衰も0に近い
音響媒体を得がたいものであった。本発明の特徴の一つ
である前記疎水性高分子物質を溶解する油状成分として
は、セバシン酸ジエチルやセバシン酸ジブチル、アジピ
ン酸ジオクチルなどの二塩基酸エステルが超音波パルス
の減衰が少なく、疎水性高分子物質の溶解性に優れ、溶
解後の溶液粘度も低く作業性が良好であり好ましい。ま
た、桂皮酸エチルやフェニル酢酸エチル、安息香酸ベン
ジル、フタル酸ベンジルブチルなどの分子内にベンゼン
環を有し25℃における比重が0.95以上の有機化合
物が内部音速が水に近く音響インピーダンスも水に近い
ので好ましいものである。
【0016】本発明では上記疎水性高分子物質と油状物
質とを含む組成物に放射線を照射することによって所望
のゲル特性を有する組成物とし、これを適当な形状に成
形することによって目的とする音響媒体を得ることがで
きる。照射する放射線としてはγ線や電子線などが使用
でき、その線量は通常、0.25〜5.0Mrad、好
ましくは0.5〜3.0Mradの範囲である。線量が
0.25Mradに満たない場合は、ゲル強度を維持で
きるような架橋密度を得ることができにくく、また5.
0Mradを超える線量では、架橋密度が大きすぎて得
られるゲル組成物が硬くなり、音響媒体として皮膚面な
どに適用するに際して密着性が低下したり、油状成分が
ブルーミングするなどの問題を有することがある。
【0017】また、本発明のゲル組成物および音響媒体
には超音波パルスの減衰率を調整するために、炭酸カル
シウム、カオリン、シリカ、酸化チタンなどの無機充填
剤やガラスビーズ、ポリスチレンやポリメタクリル酸メ
チルなどのプラスチックビーズ、レーヨン、ポリエステ
ルなどの繊維類、疎水性高分子物質や油状物質と相溶す
る各種乳化剤のような油状物質などを適宜配合すること
もできる。さらに、本発明では疎水性高分子物質や油状
物質を用いているので、熱劣化や酸化劣化、光劣化など
を起こしやすく、これらを防止する目的で各種老化防止
剤を添加することが好ましい。また、必要に応じて各種
顔料や香料、粘度付与剤、ゲル強度増強剤としての各種
油状ゴムを添加することもできる。
【0018】次に、本発明のゲル組成物および音響媒体
を製造する方法の一例を以下に示す。
【0019】まず、疎水性高分子物質を油状物質に常温
下もしくは加熱下、必要に応じて不活性ガス雰囲気にて
溶解し、得られた溶液中に気泡が入らないように脱気処
理を行う。脱気が不充分で内部に気泡が残存すると、音
響媒体として成形した場合、気泡部分で超音波が散乱、
吸収されて減衰が生じ、得られる画像が不鮮明となった
り、異常パルスやゴーストが生じたりするので好ましく
ない。
【0020】脱気処理を施した溶液は所定形状の型枠内
に注入し、注入部をシールしそののち、0.5〜5.0
Mradの線量で放射線を照射して疎水性高分子物質の
架橋処理を行って溶液をゲル化させ、本発明の油性ゲル
組成物を得る。このようにして得られた本発明の油性ゲ
ル組成物はそのままで、音響媒体として利用することが
できるが、適当な形状に裁断して用いることもできる。
また、本発明の油性ゲル組成物は適度な弾性と機械的強
度を有するので、上記音響媒体以外に褥創を予防するた
めのクッション材や、防音・防振材として利用すること
もできる。
【0021】なお、上記本発明のゲル組成物および音響
媒体はそのままで長時間、紙や塩化ビニルシートなどの
上に放置しておくと、ゲル組成物や音響媒体中の油状成
分が紙や塩化ビニルシートに移行して染みができたり、
シートを膨潤させてしまう恐れがあるので、使用後には
所定のケース内に収納して油状成分の移行を防止する必
要がある。また油状成分の移行を防止する方法として
は、音響媒体の表面をポリアミドやポリウレタンなどの
耐油性プラスチックフィルムに被覆する方法がある。
【0022】このような耐油性プラスチックフィルムは
ゲル組成物や音響媒体を構成する油状成分と混ざり合わ
ないものであって、また、プラスチックフィルム材料を
溶剤に溶解して音響媒体の表面に塗布、被覆する場合に
は、用いる溶剤が油状成分と混ざり合わないものを用い
る必要がある。この際に用いる溶剤としては低級アルコ
ール類と有機溶剤との混合溶剤が好ましく、特に好まし
く用いることができる耐油性プラスチックとしてはアル
コキシメチル化ポリアミドである。
【0023】上記耐油性プラスチックフィルムによって
音響媒体の表面を被覆する場合、異常パルスやゴースト
を生じないようにするために、音響媒体表面とプラスチ
ックフィルムとの間に空気などが入らないように完全に
密着させる必要があり、好ましい被覆方法としては耐油
性プラスチックの溶液中への音響媒体の浸漬、乾燥によ
る方法や、音響媒体へ耐油性プラスチック溶液を1回も
しくは複数回塗布、乾燥することによる方法、スプレー
にて噴霧塗布、乾燥する方法などが挙げられる。このよ
うにして形成される耐油性プラスチックフィルムの厚み
は、音響特性を阻害しないようにするために、通常、1
0〜300μm、好ましくは20〜150μm程度の厚
みとする。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて具体的に説明
する。
【0025】実施例1 セバシン酸ジエチル480gに、スチレン−ブタジエン
ゴム(スチレン量24%、ムーニー粘度〔ML1+4、
100℃〕32)120gを細かく裁断しながら配合
し、窒素ガス雰囲気下で100℃に加熱して攪拌して完
全に溶解させ、粘稠な溶液とした。
【0026】得られた粘稠溶液を40℃以下まで冷却
し、これを金型(10cm×10cm×2cm)に流延
し、脱気処理を行った。
【0027】脱気処理終了後、2.0Mradのγ線を
照射して金型内の粘稠溶液をゲル化させ、本発明の音響
媒体としての油性ゲル組成物を得た。
【0028】得られたゲル状の音響媒体は柔軟で弾力性
があり、しかもこのゲルを水中に1昼夜浸漬してもほと
んど吸水することはなく、また、60℃で7日間放置し
ても保形性を充分に維持しており、油状物質のブルーミ
ングも観察されなかった。
【0029】さらに、この音響媒体は、生体面への密着
性が極めてよく、音響特性は内部音速が1394m/
秒、音響インピースダンスが1.34×106 kg/m
2 ・秒、減衰率0.21dB/cm・MHzであり、甲
状腺の超音波診断を行ったところ、多重反射の少ない鮮
明画像が得られた。
【0030】実施例2 桂皮酸エチル250g、フェニル酢酸エチル250gの
混合溶液にスチレン−ブタジエンゴム(実施例1と同
様)100gを細かく裁断しながら配合し、窒素ガス雰
囲気下で100℃に加熱、攪拌して完全に溶解させ粘稠
溶液を得た。
【0031】得られた粘稠溶液を40℃以下まで冷却し
て、実施例1と同様の金型に流延して脱気処理を施した
のち、2.0Mradのγ線を照射して金型内の粘稠溶
液をゲル化させ、本発明の音響媒体としての油性ゲル組
成物を得た。
【0032】得られた音響媒体は実施例1とほぼ同様の
物性を有し、超音波治療器として用いたところ、生体面
への密着性が極めてよく、音響特性は内部音速が147
6m/秒、音響インピースダンスが1.45×106
g/m2 ・秒、減衰率0.24dB/cm・MHzであ
り、鮮明な画像が得られた。
【0033】実施例3 セバシン酸ジブチル250gとフタル酸ベンジルブチル
175gとの混合溶液に、スチレン−ブタジエンゴム
(実施例1と同様)100gを細かく裁断しながら配合
し、窒素ガス雰囲気下で100℃に加熱、攪拌して完全
に溶解させ粘稠溶液を得た。
【0034】得られた粘稠溶液を40℃以下まで冷却し
て、これを金型(10cm×10cm×0.5cm)に
流延して脱気処理を施したのち、ポリエステルフィルム
にて溶液表面を被覆して空気を遮断し、2.5Mrad
のγ線を照射して金型内の粘稠溶液をゲル化させ、本発
明の音響媒体としての油性ゲル組成物を得た。
【0035】得られた音響媒体は実施例1とほぼ同様の
物性を有し、超音波治療器として用いたところ、生体面
への密着性が極めてよく、音響特性は内部音速が144
0m/秒、音響インピースダンスが1.44×106
g/m2 ・秒、減衰率0.45dB/cm・MHzであ
り、鮮明な画像が得られた。
【0036】実施例4 流動パラフィン500gにポリイソプレンゴム(シス
1,4結合98%、ムーニー粘度〔ML1+4、100
℃〕90)60gを細かく裁断しながら配合し、窒素ガ
ス雰囲気下で100℃に加熱して攪拌して完全に溶解さ
せ、粘稠な溶液とした。
【0037】得られた粘稠溶液を40℃以下まで冷却し
て、実施例1と同様の金型に流延して脱気処理を施して
同様の放射線照射処理を施して金型内の粘稠溶液をゲル
化させ、本発明の音響媒体としての油性ゲル組成物を得
た。
【0038】得られた音響媒体は実施例1とほぼ同様の
物性を有し、乳腺の超音波診断に用いたところ、生体面
への密着性が極めてよく、音響特性は内部音速が139
6m/秒、音響インピースダンスが1.12×106
g/m2 ・秒、減衰率1.1dB/cm・MHzであ
り、鮮明な画像が得られた。
【0039】実施例5 実施例1にて得た音響媒体をアルコキシメチル化ポリア
ミド溶液(固定分濃度20重量%、メタノール/トルエ
ン混合溶媒=50/50重量%)に浸漬後、すぐに取り
出して風乾し、30μm厚の耐油性プラスチックフィル
ム層を表面に有する音響媒体を得た。
【0040】この音響媒体の音響特性は実施例1とほぼ
同等であり、紙や軟質塩化ビニルシート上に40℃で7
日間放置していたが、油状成分の移行はほとんど確認さ
れなかった。
【0041】実施例6 実施例4にて得た音響媒体をポリウレタン樹脂溶液(固
定分濃度20重量%、トルエン/酢酸エチル混合溶媒=
50/50重量%)に浸漬後、すぐに取り出して風乾
し、50μm厚の耐油性プラスチックフィルム層を表面
に有する音響媒体を得た。
【0042】この音響媒体の音響特性は実施例1とほぼ
同等であり、紙や軟質塩化ビニルシート上に40℃で7
日間放置していたが、油状成分の移行はほとんど確認さ
れなかった。
【0043】
【発明の効果】本発明の油性ゲル組成物および音響媒体
は以上のような構成からなるので、保形性や柔軟性、適
度な弾性に優れ、含有する油状物質が経日的にブルーミ
ングすることもなく、クッション材として応力緩和性に
優れるものである。また、この媒体は水分をほとんど吸
収しないので、大気中の水分の影響を受けることがなく
特別な密封包装をする必要がなく品質も安定している。
さらに、生体に近い音響特性を有するので超音波診断や
超音波治療に用いた場合も優れた効果を発揮するもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 祐一 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 今野 満 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射線架橋可能な疎水性高分子物質と、
    該高分子物質を溶解する油状成分とを含み、実質的に水
    を含有しない組成物に放射線を照射してなる油性ゲル組
    成物。
  2. 【請求項2】油状成分が二塩基酸エステル、または分子
    内にベンゼン環を有し25℃における比重が0.95以
    上の有機化合物の何れかを含む請求項1記載の油性ゲル
    組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の油性ゲル組成物
    を超音波診断用あるいは超音波治療用に用いてなる音響
    媒体。
  4. 【請求項4】 常温下での内部音速が1300〜160
    0m/秒、音響インピーダンスが1.0〜1.7×10
    6 kg/m2 ・秒、減衰率が0〜3.0dB/cm・M
    Hzである請求項3記載の音響媒体。
  5. 【請求項5】 減衰調整剤として無機質充填剤、プラス
    チックビーズまたは繊維等から選ばれる少なくとも一種
    を含有する請求項3記載の音響媒体。
  6. 【請求項6】 表面を耐油性プラスチックフィルムにて
    被覆してなる請求項3記載の音響媒体。
JP27276792A 1991-12-02 1992-10-12 油性ゲル組成物およびそれを用いた音響媒体 Pending JPH05228143A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27276792A JPH05228143A (ja) 1991-12-02 1992-10-12 油性ゲル組成物およびそれを用いた音響媒体
AU29788/92A AU2978892A (en) 1991-12-02 1992-12-01 Crosslinked molding, sound medium using it and ultrasonic coupler
US07/983,713 US5318035A (en) 1991-12-02 1992-12-01 Crosslinked molding, sound medium using it and ultrasonic coupler

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3-347908 1991-12-02
JP34790891 1991-12-02
JP27276792A JPH05228143A (ja) 1991-12-02 1992-10-12 油性ゲル組成物およびそれを用いた音響媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05228143A true JPH05228143A (ja) 1993-09-07

Family

ID=26550367

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27276792A Pending JPH05228143A (ja) 1991-12-02 1992-10-12 油性ゲル組成物およびそれを用いた音響媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05228143A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008275607A (ja) * 2007-04-05 2008-11-13 Asahi Organic Chem Ind Co Ltd 超音波流量計
WO2010137706A1 (ja) * 2009-05-28 2010-12-02 財団法人電力中央研究所 非破壊検査用走査装置および非破壊検査装置
JP2014144155A (ja) * 2013-01-30 2014-08-14 Nippon Zeon Co Ltd 音響媒体
JP2015205124A (ja) * 2014-04-23 2015-11-19 ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー 音響整合体、プローブアタッチメント、超音波プローブ及び超音波診断装置
CN118078333A (zh) * 2024-04-22 2024-05-28 汕头市超声仪器研究所股份有限公司 一种乳腺探头的超声耦合垫

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008275607A (ja) * 2007-04-05 2008-11-13 Asahi Organic Chem Ind Co Ltd 超音波流量計
WO2010137706A1 (ja) * 2009-05-28 2010-12-02 財団法人電力中央研究所 非破壊検査用走査装置および非破壊検査装置
JP4961051B2 (ja) * 2009-05-28 2012-06-27 一般財団法人電力中央研究所 非破壊検査用走査装置および非破壊検査装置
JP2014144155A (ja) * 2013-01-30 2014-08-14 Nippon Zeon Co Ltd 音響媒体
JP2015205124A (ja) * 2014-04-23 2015-11-19 ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー 音響整合体、プローブアタッチメント、超音波プローブ及び超音波診断装置
CN118078333A (zh) * 2024-04-22 2024-05-28 汕头市超声仪器研究所股份有限公司 一种乳腺探头的超声耦合垫
CN118078333B (zh) * 2024-04-22 2024-07-23 汕头市超声仪器研究所股份有限公司 一种乳腺探头的超声耦合垫

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4871490A (en) Method of manufacturing hydrogel dressings
US4764382A (en) Device for controlled release drug delivery
US4958626A (en) Method for applying electromagnetic wave and ultrasonic wave therapies
US5219325A (en) Wound dressing and method of preparing the same
CN1293923C (zh) 创伤护理装置
US20040097807A1 (en) Production of lubricious coating on adhesive hydrogels
US5318035A (en) Crosslinked molding, sound medium using it and ultrasonic coupler
JPS6238143A (ja) 超音波を伝達するための音響カプリング媒体
JPH04235124A (ja) 高水和された自己支持フィルムの形態のゲル
JPH0478310B2 (ja)
ATE218376T1 (de) Getrocknete hydrogele aus acemannan
US7736619B2 (en) Hydrogel compositions and manufacturing process for ultrasound couplants
JP2008504912A (ja) 非接着性ヒドロゲル
US5534561A (en) Adhesives composition for a wound dressing
JPH05228143A (ja) 油性ゲル組成物およびそれを用いた音響媒体
EP1799754B1 (en) Polymeric film
JPH0221252B2 (ja)
JP2008073287A (ja) ハイドロゲル創傷被覆材
JP5931318B2 (ja) 硬膜の閉鎖のための流動可能なコラーゲン材料
JPH05220143A (ja) 音響媒体
JPH07163560A (ja) 超音波診断用補助シート、カプラントおよび超音波探触子
JP2005194200A (ja) 化粧料
EP1099447A2 (en) Hydrogel sheets
JP2006043204A (ja) 創傷治癒促進材
TWI429462B (zh) 水凝膠被覆傷口材料