JPH0522779A - 音声認識遠隔制御装置 - Google Patents

音声認識遠隔制御装置

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JPH0522779A
JPH0522779A JP3193616A JP19361691A JPH0522779A JP H0522779 A JPH0522779 A JP H0522779A JP 3193616 A JP3193616 A JP 3193616A JP 19361691 A JP19361691 A JP 19361691A JP H0522779 A JPH0522779 A JP H0522779A
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JP
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voice
noise
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speech recognition
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JP3193616A
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Yasushi Katsumata
泰 勝又
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ユーザ1が発声したコマンド音声をテレビジ
ョン受像機2のマイクロホン3で受信(収音)し、適応
ノイズ低減装置10でノイズ低減して、音声認識装置4
に送る。適応ノイズ低減装置10は、ノイズとなるスピ
ーカ8からの音声に相当する音声出力回路6からの音声
信号(参照入力)に基づいて適応フィルタ16でフィル
タ処理した出力を加算器15に送って、マイクロホン3
からの主要入力から減算し、この減算出力(残差)を最
小にするように適応フィルタ16のフィルタ特性が制御
される。音声認識装置4からの認識出力に応じて、コン
トロール回路5はテレビジョン受像機2の動作を制御す
る。 【効果】 ユーザ1は、音声のみでテレビジョン受像機
2を遠隔制御することができ、遠隔操作ユニット等が不
要となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テレビジョン受像機等
の発音源を有する電気機器本体に一体的に取付けられる
ような、あるいは該電気機器を制御するための単体の装
置として分離可能に設けられるような音声認識遠隔制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来において、テレビジョン受像機等の
発音源を有する電気機器の遠隔操作を行うために、赤外
線遠隔制御(いわゆるリモコン)装置等が用いられてい
る。この遠隔制御装置は、コマンダあるいはリモコンユ
ニット等と称される遠隔操作ユニットの操作パネル面上
にいくつかのスイッチを配置し、これらのスイッチを手
動操作することにより変調された赤外線を発生させ、こ
れをテレビジョン受像機等の本体側に取り付けられた受
信ユニットの赤外線センサ等で受信し、上記遠隔操作ユ
ニットでのスイッチ操作に対応した制御動作、例えば電
源のオン/オフ、チャンネルの切り替え、音量の調整等
の動作を行わせるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した遠
隔制御装置においては、遠隔操作ユニットを見失いやす
いという欠点がある。これは、一般家庭用の各種機器毎
にそれぞれ個別の遠隔操作ユニットが付属していて管理
が煩雑である点や、遠隔操作ユニットの携帯性の良さか
ら思わぬ場所に置き忘れる点等が原因であり、例えば他
人や子供が使った後等では、自分の予期しない場所に置
かれて、捜し回らなければならないことがある。遠隔操
作ユニットが見つからないと、電気機器本体側で最低限
の操作は行えても、遠隔操作ユニットでしか行えない操
作もあり、何かと不便である。
【0004】また、最近のテレビジョン受像機等のよう
に、制御対象となる電気機器の機能が豊富となるにつれ
て、遠隔操作ユニットの操作も複雑化し、慣れないと使
いこなせないことが多く、またスイッチの数が多くなる
ことからユニットの寸法形状も大きくなってしまう、と
いった弊害が起こることになる。
【0005】これらの欠点を解消するための方法とし
て、ユーザが音声で指示を与え、制御対象となる電気機
器側の受信部等でこの音声を認識して機器を制御するよ
うな音声認識遠隔制御装置が考えられるが、音声認識の
精度を高めるために周囲の騒音や雑音を極力少なくする
ことが必要とされる。特に、テレビジョン受像機等のよ
うに発音源を有する電気機器の場合には、機器本体側に
受信部を設けてマイクロホンを配置すると、発音源から
の音声がユーザからの音声と混ざり合って、音声認識精
度が極めて低下することになり、実用的とはいえない。
【0006】ここで、マイクロホンのみを取り外し可能
とし、ユーザの口元にマイクロホンを近づけて不用雑音
を減らすことで音声認識精度を上げることが考えられる
が、手でマイクロホンを持つ等の操作が必要となってく
る。この場合、有線マイクロホンを用いる場合には、上
述した赤外線リモコン等に比べて遠隔操作性が悪くなっ
てしまい、また無線マイクロホンを用いる場合には、上
述したユニットを見失いやすいという欠点が解決されな
いことになる。
【0007】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであり、手元で操作するような操作ユニットを用
いずに音声だけで電気機器の制御が行え、しかも、電気
機器に設けられている発音源からの音声等が制御操作の
ための音声に混入しても音声認識が精度良く行えるよう
な音声認識遠隔制御装置の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る音声認識遠
隔制御装置は、発音源を有する電気機器本体の近傍に設
けられた音声受信手段と、この音声受信手段で受信され
て得られた主要入力が供給される減算手段と、上記発音
源からの信号に基づいてフィルタ処理した出力を上記減
算手段に送ると共に該減算手段からの出力のパワーを最
小にするようにフィルタ特性を制御する適応フィルタ
と、上記減算手段からの出力が供給される音声認識部
と、この音声認識部からの認識出力に応じて上記電気機
器を制御する制御部とを有することにより、上述の課題
を解決する。
【0009】上記音声受信手段にはマイクロホンを用い
ることができ、発音源を有する電気機器としては、テレ
ビジョン受像機、ラジオ受信機、ラジオ付きカセットテ
ープレコーダ、VTR(ビデオテープレコーダ)等の音
響・映像機器や、モータ音や風切り音等がノイズ音とな
りやすいエアコンディショナ(エアコン)、クーラ、扇
風機等を挙げることができる。音声受信手段は、電気機
器本体に一体的に取付けてもよいが、音声を受けて電気
機器を制御するため専用の電気機器とは独立した制御装
置に設けるようにしてもよい。上記減算手段と適応フィ
ルタとは、いわゆる適応ノイズ低減装置を構成する。
【0010】上記音声認識部としては、ユーザ等が発声
した音声が予め定義されたコマンドの1つであるかをパ
ターンマッチングにより識別するものを用いることがで
き、このパターンマッチングは、音声分析を行って音声
の特徴を抽出し、正規化を行って個人差による要素を取
り除いた後のパターンに対して行うのが好ましい。音声
分析では、バンドパスフィルタ群等を使って周波数分析
を行うのが一般的であり、周波数分析結果はパワースペ
クトラム包絡等の形で得るようにすればよい。この音声
分析結果から、音の強弱、継続時間、声帯の特徴等の個
人差による要素を取り除くため、正規化を行って、得ら
れた正規化パターンを、事前に得られている比較用のパ
ターンと照合して、識別結果を出すようにすればよい。
【0011】
【作用】上記適応フィルタからは、上記音声受信手段か
らの主要入力に混入された上記発音源等からのノイズ成
分に近似した出力が取り出され、これが減算手段に送ら
れて上記主要入力から減算される。従って、減算手段か
らは、略々音声等の信号成分のみが音声認識部に送ら
れ、音声認識部での認識精度が高められる。
【0012】
【実施例】先ず図1は、本発明の第1の実施例となる音
声認識遠隔制御装置の概略構成を示すブロック回路図で
ある。この第1の実施例においては、制御対象となる電
気機器としてテレビジョン受像機2を用いている。ユー
ザ1が予め定義されたコマンドを発声すると、これがテ
レビジョン受像機2に設置されたマイクロホン3によっ
て受信(収音)され、適応ノイズ低減装置10でノイズ
成分が低減されて、音声認識装置4に送られる。音声認
識装置4では上記コマンドを解釈し、この解釈されたコ
マンドに応じてコントロール回路5がテレビジョン受像
機2を制御する動作を行う。
【0013】この図1の制御対象電気機器であるテレビ
ジョン受像機2においては、テレビジョン音声出力回路
6からの音声出力信号が、アンプ7で増幅されて、発音
源としてのスピーカ8に送られている。従って、このテ
レビジョン受像機2の本体に設けられた音声認識遠隔制
御装置の音声受信手段であるマイクロホン3は、ユーザ
1が発声したコマンド音声のみならず、発音源であるス
ピーカ8からのテレビジョン音声(放送音声等)も回り
込んで受信(収音)されることになる。このスピーカ8
からの音声は、上記コマンド解釈には不用なノイズ成分
である。
【0014】マイクロホン3で受信されて得られた主要
入力は、適応ノイズ低減装置10の入力端子10Aを介
して減算手段となる加算器15に送られる。加算器15
からの出力は、適応ノイズ低減装置10の出力端子10
Bを介して取り出され、音声認識装置4に送られる。上
記ノイズ成分となるスピーカ8からの音声に対応する信
号として、音声出力回路6からの音声信号が、適応ノイ
ズ低減装置10の入力端子10Cを介して適応フィルタ
16に参照信号として送られる。適応フィルタ16から
の出力は加算器15に減算信号として送られる。適応フ
ィルタ16は、加算器15からの出力(残差)のパワー
を最小にするようにフィルタ特性が制御される。これに
よって、後述するように、上記主要入力中のノイズ成分
(主としてスピーカ8からの音声)が低減処理され、適
応ノイズ低減装置10の出力端子10Bから取り出され
る。
【0015】音声認識装置4は、このノイズ低減された
出力(残差)に対して音声認識処理を行い、上記コマン
ド解釈を行う。この場合の音声認識は、上記ユーザが発
声したコマンド音声以外のノイズ成分が低減されている
ため、高精度に行える。この認識結果に応じて、コント
ロール回路5は、上記コマンドに応じた制御動作、例え
ば電源のオン/オフ、チャンネルの切り替え、音量の調
整等の動作を、テレビジョン受像機2に対して行わせ
る。
【0016】次に上記適応ノイズ低減装置10につい
て、図2及び図3を参照しながら説明する。先ず図2
は、適応ノイズ低減装置10の基本動作を説明するため
のブロック回路図であり、上記ユーザが発声したコマン
ド音声に相当する信号源11と、この信号源11からの
音声を受信するために設けられたマイクロホン12と、
上記スピーカ8からの音声に相当するノイズ源13と、
このノイズ源からのノイズを受信するために設けられた
マイクロホン14とを有する構成を想定している。この
構成中で、信号受信用のマイクロホン12は、上記図1
のマイクロホン3に対応し、ノイズ受信用のマイクロホ
ン14からの入力は、上記図1の音声出力回路6からの
音声信号に対応している。
【0017】この図2において、信号源11からの音声
(上記コマンド音声)がマイクロホン12に、ノイズ源
13からのノイズがマイクロホン12及び14にそれぞ
れ受信される。従って、マイクロホン12には、信号源
11からの信号成分sと、ノイズ源13からのノイズ成
分na とが重畳(加算)された信号s+na が受信さ
れ、これが主要入力として適応ノイズ低減装置10の入
力端子10Aに送られている。マイクロホン14には、
ノイズ源13からのノイズ成分nb が得られ、これを参
照入力として適応ノイズ低減装置10の入力端子10C
に送られている。上記コマンド音声に相当する信号成分
sと、上記スピーカ音声に相当するノイズ成分na 、n
b とは無相関であるが、ノイズ成分na とnb とは相関
がある。
【0018】マイクロホン12で受信されて得られた上
記主要入力s+naは、減算手段である加算器15に送
られている。マイクロホン14で受信されて得られた上
記参照入力nb は、入力xとして適応フィルタ16に送
られてフィルタ処理され、出力yとなる。このフィルタ
出力yは加算器15に減算信号として送られて上記主要
入力s+na から減算され、その残差eは、適応フィル
タ16に送られると共に出力端子17より取り出され
る。適応フィルタ16は、この残差eのパワーを最小に
するようにフィルタ特性を適応的に制御する。
【0019】この適応フィルタ16は、図3に示すよう
に、フィルタ部21と適応アルゴリズム部22とを有し
て成っており、上記参照入力nb に基づいて、学習によ
って上記ノイズ成分na の疑似出力(疑似ノイズ)yを
生成するものである。上記参照入力nb は、端子16a
を介して入力xとしてフィルタ部21及び適応アルゴリ
ズム部22に供給される。フィルタ部21からの出力y
がこの適応フィルタ16の出力として端子16bを介し
て取り出され、上記減算手段である加算器15に送られ
る。加算器15からの上記残差eは、端子16cを介し
て適応アルゴリズム部22に供給される。適応アルゴリ
ズム部22は、フィルタ部21のフィルタ係数を変化さ
せてフィルタ特性を変化させることにより、入力xをフ
ィルタ処理して得られる出力yを上記主要入力s+na
から減算して得られた残差eのパワーを最小にするよう
な適応制御を行うものである。
【0020】すなわち、上記残差eは、e=s+na
yとして表せ、これを二乗したものの平均値E〔e2
は、e2 =s2 +(na −y)2 +2s(na −y)よ
り、E〔s2 〕+E〔(na −y)2 〕+2E〔s(n
a −y)〕となる。これの長い時間の平均をとった期待
値を考慮すると、sがna と、またyと無相関であるか
ら、3項目の2E〔s(na −y)〕が0になってゆ
き、E〔e2 〕の期待値は、E〔s2 〕+E〔(na
y)2 〕 となる。適応フィルタが収束するものとすれ
ば、これはE〔e2 〕が最小となるように調整され、一
方E〔s2 〕は影響を受けないので、Emin 〔e2 〕=
E〔s2 〕+Emin 〔(na −y)2 〕となる。すなわ
ち、E〔e2 〕が最小化されることによってE〔(na
−y)2 〕が最小化され、フィルタ出力yはna の推定
値になる。
【0021】図3においては、上記フィルタ部21とし
ていわゆるFIR(有限インパルス応答)フィルタを用
いた具体例を示している。すなわち、入力端子16aか
らの参照入力xは、タップ数に応じた遅延素子231
232 、・・・、23L の直列回路に送られている。入
力端子16aからの入力x0 及び各遅延素子231 、2
2 、・・・、23L からの各出力x1 、x2 、・・
・、xL は、それぞれ係数乗算器240 、241 、24
2 、・・・、24L に送られ、それぞれフィルタ係数w
0 、w1 、w2 、・・・、wL と乗算されて加算器25
に送られている。各フィルタ係数w0 、w1 、w2 、・
・・、wL は、適応アルゴリズム部22からの係数修正
信号により修正され、加算器25からの出力yが出力端
子16bから取り出される。
【0022】適応アルゴリズム部22で用いられる適応
アルゴリズムとしては、多くの手法のものが提案されて
いるが、その一具体例として、LMS(最小平均自乗、
リースト・ミーン・スクウェア)アルゴリズムについて
説明する。
【0023】入力xのデータ系列のk回目のサンプル周
期時点(時刻k)における入力データ及び上記各遅延素
子231 、232 、・・・、23L からの各遅延出力デ
ータを、それぞれxk0、xk1、xk2、・・・、xkLとす
るとき、FIRフィルタ処理される入力ベクトルX
k を、 Xk =〔xk0k1k2 ・・・ xkLT ・・・(1) とおく。この(1)式のTは転置記号を示す。この入力
ベクトルXk に対して、上記各フィルタ係数(加重係
数)をwk0、wk1、wk2、・・・、wkLとし、FIRフ
ィルタ出力をyk とすると、入出力の関係は次の(2)
式のようになる。 yk =wk0k0+wk1k1+・・・+wkLkL ・・・(2) さらに、フィルタ係数ベクトル(加重ベクトル)W
k を、 Wk =〔wk0k1k2 ・・・ wkLT ・・・(3) と定義すれば、入出力関係は、 yk =Xk T k ・・・(4) のように記述される。希望の応答をdk とすれば、出力
との誤差εk は、 εk =dk −yk =dk −Xk T k ・・・(5) のように表される。これらを用いて、LMSアルゴリズ
ムは、 Wk+1 =Wk +2μεk k ・・・(6) のように表される。(6)式中のμは、適応の速度と安
定性を決める利得因子である。
【0024】FIRフィルタは、上記図2におけるマイ
クロホン14からマイクロホン12までの空間経路の伝
達特性を線形特性として近似する。従って、近似の精度
が上がれば、適応フィルタ出力yは上記ノイズ成分na
に近づくことになり、これを上記主要入力s+na から
減算することによってノイズ成分na を相殺することが
でき、上記残差eが上記信号成分sに近づくことにな
る。このようにしてノイズ低減された出力(残差e)が
出力端子17を介して取り出され、上記図1の音声認識
装置4に送られる。この音声認識装置4における音声認
識については種々の方式が考えられているが、以下図4
を参照しながら、単語単位での認識方式を用いた音声認
識の具体例について説明する。
【0025】ずなわち図4は、音声分析を行って音声の
特徴抽出を行い、単語単位で認識を行うような音声認識
装置の具体的構成の一例を示している。この図4におい
て、入力端子31に供給された音声信号は、音響分析あ
るいは音声分析ブロック32に送られて音響的特徴が抽
出された後、正規化パターン生成ブロック33により個
別の単語に対応する音声パターン(NATパターン)が
生成されると共に、音声区間判定ブロック34により区
間判定が行われて判定結果がパターン生成ブロック33
に送られる。パターン生成ブロック33から得られた正
規化パターンがパターンマッチングブロック35に送ら
れ、比較パターンブロック36からの比較パターンと照
合されることによって、認識結果が出力端子37より取
り出される。
【0026】すなわち、音声分析(音響分析)では、B
PF(バンドパスフィルタ)群等を用いて、周波数分析
を行うのが一般的である。これは、人間の内耳の奥の基
底膜では、このような周波数分析に近い処理が行われて
いる理由による。音響分析の主たる目的は、言語の記述
単位である音素に関連する音韻情報の抽出にある。この
情報を含む量で、周波数スペクトルに関連したものとし
て、パワースペクトル包絡、ホルマント周波数等、何種
類かが考えられている。これらの内、直接的に扱える点
でパワースペクトル包絡が実用に向いている。このパワ
ースペクトル包絡の求め方にも、フィルタバンク法、F
FT(高速フーリエ変換)法、ケプストラム法等があ
り、演算量からいえばフィルタバンク法が最も実現しや
すい。このことから、上記図4の例では、フィルタバン
ク(例えばBPF群)により求めたパワースペクトル包
絡を特徴量に採用している。
【0027】次に、音声分析結果から、音の強弱、継続
時間、声帯の特徴等の個人差による要素を取り除くた
め、パターン生成ブロック33で正規化を行う。すなわ
ち、音声の音響的特徴の中には、音韻情報等の他、音の
強さ、継続時間長、声帯音源の特性等といった個人差に
強く依存するものもある。これらは明らかに認識を妨害
する要素であって、音声パターン生成までに取り除く必
要がある。
【0028】音声区間判定ブロック34での音声区間の
判定には、パワーの検出が有効である。ただ、無声音の
立ち上がりではそのパワーが乏しいため、判定し損なう
場合が多い。これを補うため、ゼロクロス、すなわち一
定時間内に信号が0レベルを交差する回数も検出してい
る。
【0029】このようにして正規化パターン生成ブロッ
ク33から得られた正規化パターンをパターンマッチン
グブロック35に送って、比較パターンブロック36か
らの事前に得られている比較用のパターンと照合するこ
とで、認識結果を出す。
【0030】もし、認識しようとする音声に他の音声が
重畳されると、得られるパワースペクトラム包絡は明ら
かに元の音声とは異なる分布になり、正規化パターンも
変化する。従って、認識結果はユーザが発声したコマン
ドとは異なるものになってしまう可能性がでてくる。特
に、上記図1に示すようなテレビジョン受像機2に設け
られたマイクロホン3で受信された音声を認識しようと
する場合には、ユーザ2以外の発音源であるスピーカ8
からの音声が比較的大レベルで混入するため、誤認識が
生ずる場合が多い。そこで、本発明実施例においては、
上記図1の適応ノイズ低減装置10によりユーザが発声
したコマンド音声以外の音声、すなわち主としてスピー
カ8からの音声(ノイズ成分)を低減し、このノイズ低
減された信号を音声認識装置4に送ることにより、誤認
識を防止している。
【0031】従って、テレビジョン受像機2等のように
スピーカ8等の発音源を有する電気機器であっても、音
声だけで制御することが可能となる。すなわち、ユーザ
2はテレビジョン受像機2(のマイクロホン3)に向か
って予め定義されたコマンドを発声するのみで、テレビ
ジョン受像機2を動作制御することができ、従来のよう
な遠隔操作ユニットが不要となる。これは、遠隔操作ユ
ニットを見失うことによる欠点や、操作の複雑さ、ユニ
ットの大型化等の欠点を、完全に回避できることにな
る。
【0032】次に、図5は、本発明の第2の実施例を示
し、上記図1の第1の実施例と対応する部分について
は、同じ指示符号を付して説明を省略する。この図5に
示す第2の実施例は、ステレオあるいは音声多重タイプ
のテレビジョン受像機に本発明を適用した具体例を示し
ている。すなわち、左(L)チャンネル用の音声出力回
路6Lからの音声信号がアンプ7Lを介してスピーカ8
Lに送られ、右(R)チャンネル用の音声出力回路6R
からの音声信号がアンプ7Rを介してスピーカ8Rに送
られている。これらのスピーカ8L、8Rから発声され
た音声もマイクロホン3に回り込むことを考慮して、左
(L)チャンネル用の音声出力回路6Lからの音声信号
を適応フィルタ16Lに、右(R)チャンネル用の音声
出力回路6Rからの音声信号を適応フィルタ16Rに、
それぞれ参照信号として送り、これらの適応フィルタ1
6L、16Rからの各出力を、それぞれ減算信号として
加算器15に送るように構成している。なお、減算手段
としての加算器15からの出力(残差)は、適応フィル
タ16L、16Rにそれぞれ送られている。
【0033】この図5の構成において、適応フィルタ1
6Lは左(L)チャンネルの音声信号のみが参照信号と
して入力されるため、これによって推定される回り込み
成分は左(L)チャンネルのものだけになる。同様に、
適応フィルタ16Rによって右(R)チャンネルの回り
込み成分が推定される。これら二つの推定信号をマイク
ロホン3からの主要入力から差し引いた結果、略々ユー
ザ2が発声したコマンド音声だけが取り出され、音声認
識装置4に送られる。従って、上記第1の実施例と同様
な効果が得られる。
【0034】なお、本発明は上記実施例のみに限定され
るものではなく、例えば、制御対象となる電気機器は、
発音源を有するものであれば何でもよく、テレビジョン
受像機の他にも、ラジオ受信機、ラジオ付きカセットテ
ープレコーダ、VTR(ビデオテープレコーダ)等の音
響・映像機器が挙げられるのみならず、モータ音や風切
り音等がノイズ音となりやすいエアコンディショナ(エ
アコン)、クーラ、扇風機等に本発明を適用しても同様
な効果を得ることができる。また、マイクロホン等の音
声受信手段は、電気機器本体に設ける場合のみならず、
制御対象となる電気機器を制御するために別個に設けら
れる制御専用装置に配置するようにしてもよい。さら
に、音声認識装置は図4の例に限定されず、この他種々
の方式の音声認識装置を用いることができる。
【0035】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係る音声認識遠隔制御装置によれば、発音源を有す
る電気機器本体の近傍に設けられた音声受信手段で受信
されて得られた主要入力を減算手段に供給し、この減算
手段からの出力及び上記発音源からの信号が入力される
適応フィルタからの出力を上記減算手段に送り、この適
応フィルタでは上記減算手段からの出力のパワーを最小
にするようにフィルタ特性を制御し、上記減算手段から
の出力を音声認識部で認識して、その認識出力に応じて
上記電気機器を制御しているため、上記適応フィルタか
らは、上記音声受信手段からの主要入力に混入された上
記発音源等からのノイズ成分に近似した出力が取り出さ
れ、これが減算手段に送られて上記主要入力から減算さ
れ、減算手段からは、略々音声等の信号成分のみが音声
認識部に送られ、音声認識部での認識精度が高められ
る。
【0036】従って、音声認識を利用して発音源を有す
る電気機器の遠隔操作をユーザが発声するコマンド音声
によって行う際に、電気機器の発音源が発する音が回り
込んで上記音声受信手段に受信(収音)されることによ
って起こる誤動作(誤認識)を防ぐことができ、従来の
ような遠隔操作ユニット(リモコンユニットあるいはコ
マンダ)無しで遠隔制御を行わせることが実現可能とな
る。この遠隔操作ユニットが不要となるため、遠隔操作
ユニットを見失うことによる不具合や、遠隔操作ユニッ
トの操作が複雑化して、慣れないと使いこなせないと
か、スイッチの数が多くなってユニットが大型化する等
の欠点もなくなることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る音声認識遠隔制御装置の第1の実
施例の概略構成を示すブロック回路図である。
【図2】図1中の適応ノイズ低減装置の構成及び動作を
説明するためのブロック回路図である。
【図3】図1中の適応フィルタの具体的な構成例を示す
ブロック回路図である。
【図4】図1中の音声認識装置の内部構成の具体例を示
すブロック図である。
【図5】本発明に係る音声認識遠隔制御装置の第2の実
施例の概略構成を示すブロック回路図である。
【符号の説明】
1・・・・・ユーザ 2・・・・・テレビジョン受像機 3・・・・・マイクロホン(音声受信手段) 4・・・・・音声認識装置 5・・・・・コントロール装置 6・・・・・音声出力回路 8・・・・・スピーカ(発音源) 10・・・・・適応ノイズ低減装置 15・・・・・加算器(減算手段) 16・・・・・適応フィルタ 21・・・・・フィルタ部 22・・・・・適応アルゴリズム部 32・・・・・音声分析ブロック 33・・・・・正規化パターン生成ブロック 35・・・・・パターンマッチングブロック

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 発音源を有する電気機器本体の近傍に設
    けられた音声受信手段と、 この音声受信手段で受信されて得られた主要入力が供給
    される減算手段と、 上記発音源からの信号に基づいてフィルタ処理した出力
    を上記減算手段に送ると共に該減算手段からの出力のパ
    ワーを最小にするようにフィルタ特性を制御する適応フ
    ィルタと、 上記減算手段からの出力が供給される音声認識部と、 この音声認識部からの認識出力に応じて上記電気機器を
    制御する制御部とを有することを特徴とする音声認識制
    御装置。
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