JPH05224626A - 液晶表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アクティブマトリックス型の液晶表示装置に
関し、電圧変動による画質劣化が無く階調を明確に出す
ことができる液晶表示装置の提供を目的とする。 【構成】 各画素電極６に対して液晶７を介して対向す
る位置にそれぞれ複数のコモン電極８を設け、コモン用
ゲートドライバ１２により該コモン電極８に対して設け
られたコモン用スイッチング素子９のスイッチングを行
い、コモン電圧供給回路１３からのコモン電圧を前記画
素電極６に設けたデータ用スイッチング素子５の動作に
対応して制御するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は液晶表示装置に関し、特
に、アクティブマトリックス型の液晶表示装置に関す
る。近年、液晶表示装置は、従来のＣＲＴを代替する表
示装置として期待されており、その技術開発が盛んに行
われている。その中でも、特に、薄膜トランジスタ（Ｔ
ＦＴ）を使用したアクティブマトリックス型の液晶表示
装置は、表示速度が速く、また、表示品質が優れている
ことから有望とされている。このような液晶表示装置に
おいて、画素電極とＴＦＴのゲート線やデータ線の間等
に存在する容量による画素電極の電圧変動が問題となっ
ている。そこで、この画素電極の電圧変動に起因した表
示画像の劣化等を解決することの可能な液晶表示装置の
提供が要望されている。

【０００２】

【従来の技術】現在、ＴＦＴを使用したアクティブマト
リックス型の液晶表示装置では、ＴＦＴで該当する画素
を選択してデータ線のデータを書き込むようになってい
る。このとき、画素電極とＴＦＴのゲート線間に存在す
る容量に起因する画素電極の電圧変動で正常な表示がで
きなくなることが問題となっている。また、同様な現象
は、データ線と画素電極との間でも生じることになり、
特に、各ライン毎にデータの極性を反転する場合、或い
は、データ電圧の変動が激しい場合等に問題である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述したような問題を
解決するために、例えば、次のようなことが考えられて
いる。 予め、データ電圧に対して変化すると予想される逆
の電圧を加えておく。しかし、この場合、予想されるも
のに対してだけの解決策であり、また、補正する回路が
複雑になることから、多くの費用を要し、高価な液晶表
示装置にしか使えないことになる。

【０００４】 画素電極に補助容量を付けてゲート線
間やデータ線間の影響を少なくする。これは、画素電極
とＴＦＴのゲート線間やデータ線間に存在する容量の影
響を減少するだけであり、完全に取り除くことはできな
い。本発明は、上述した従来の液晶表示装置が有する課
題に鑑み、電圧変動による画質劣化が無く階調を明確に
出すことができる液晶表示装置の提供を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、複数の
画素電極６と、該複数の画素電極６に対してそれぞれ設
けられた複数のデータ用スイッチング素子５と、該各デ
ータ用スイッチング素子５を介して前記各画素電極６に
データ信号を供給するデータドライバ１と、前記データ
用スイッチング素子５のスイッチングを制御するデータ
用ゲートドライバ２とを備えた液晶表示装置であって、
前記各画素電極６に対して液晶７を介して対向する位置
にそれぞれ設けた複数のコモン電極８と、該コモン電極
８に対して設けられたコモン用スイッチング素子９と、
該コモン用スイッチング素子９を介して前記コモン電極
８にコモン電圧を供給するコモン電圧供給回路１３と、
前記コモン用スイッチング素子９のスイッチングを前記
データ用スイッチング素子５の動作に対応して制御する
コモン用ゲートドライバ１２とを具備することを特徴と
する液晶表示装置が提供される。

【０００６】

【作用】本発明の液晶表示装置によれば、コモン電圧供
給回路１３は、コモン用スイッチング素子９を介してコ
モン電極８にコモン電圧を供給するようになっている。
そして、コモン用ゲートドライバ１２は、コモン用スイ
ッチング素子９のスイッチングを、画素電極６に設けた
データ用スイッチング素子５の動作に対応して制御する
ようになっている。

【０００７】そして、コモン電圧供給回路１３からのコ
モン電圧は、データ用スイッチング素子５がスイッチオ
ンして画素電極６にデータ信号が供給されているときだ
け、コモン電極８に印加されるようになっている。これ
により、書き込み期間以外における画素電極６とデータ
用ゲート線４間に存在する容量等に起因した画素電極６
の電圧変動に対しては、書き込み期間以外のコモン電極
８はコモン用スイッチング素子９がスイッチオフでフロ
ーティング状態となっており、また、画素電極６, 液晶
７, および, コモン電極８で構成された画素はコンデン
サと同じ構造であるため、画素に書き込まれたデータが
保持されることになり、画質の劣化を防止することがで
きる。すなわち、データを書き込む時以外はコモン電極
８がコモン電圧供給回路１３から切り離されることにな
るため、画素電極６の電圧が変化しても、該画素電極６
の電圧変化分だけコモン電極８の電位が変動し、液晶７
に印加される電圧は入力された電圧に等しくなる。

【０００８】従って、本発明の液晶表示装置によれば、
画素電極６の電圧変動による画質劣化が無くし、階調を
明確に出すことができる。

【０００９】

【実施例】以下、図面を参照して本発明に係る液晶表示
装置の実施例を説明する。図１は本発明に係る液晶表示
装置の一実施例を示すブロック図であり、同図におい
て、参照符号１はデータドライバ, ２はデータ用ゲート
ドライバ, ３はデータ線, ４はデータ用ゲート線, ５は
データ用スイッチング素子（薄膜トランジスタ：ＴＦ
Ｔ),そして, ６は画素電極をそれぞれ示している。これ
らデータドライバ１〜画素電極６は、一般的なＴＦＴを
使用したアクティブマトリックス型の液晶表示装置と同
様に、画素電極側パネルに設けられている。ここで、参
照符号７は、画素電極側パネルとコモン電極側パネルと
により挟まれる液晶（液晶層）を示している。

【００１０】さらに、図１において、参照符号８はコモ
ン電極, ９はコモン用スイッチング素子（ＴＦＴ),１０
はコモン用電圧供給線, １１はコモン用ゲート線, そし
て,１２はコモン用ゲートドライバを示している。これ
らコモン電極８〜コモン用ゲートドライバ１２は、画素
電極側パネルと液晶７を介して対向するコモン電極側パ
ネルに設けられている。ここで、参照符号１３はコモン
電圧供給回路を示している。

【００１１】図１に示されるように、各画素電極６には
それぞれデータ用スイッチング素子５が設けられ、デー
タドライバ１からデータ線３を介して供給されるデータ
信号を該各データ用スイッチング素子５を介して一列毎
の各画素電極６に順次供給するようになっている。すな
わち、データ用スイッチング素子５のゲートには、各ラ
イン毎にデータ用ゲートドライバ２の出力信号ＤＧ１〜
ＤＧｎがデータ用ゲート線４を介して供給され、一列毎
のデータ用スイッチング素子５を順次スイッチオンとし
て、データドライバ１からデータ線３を介して供給され
るデータ信号を一列毎の画素電極６（画素）に順次書き
込むようになっている。

【００１２】コモン電極８（コモン電極側パネルに設け
らている）は、各画素電極６（画素電極側パネルに設け
らている）に対して液晶７を介して対向する位置にそれ
ぞれ設けられている。さらに、各コモン電極８には、画
素電極６と同様に、それぞれコモン用スイッチング素子
９が設けられ、コモン電圧供給回路１３からコモン電圧
供給線１０を介して供給されるコモン電圧を該各コモン
用スイッチング素子９を介して一列毎の各コモン電極６
に順次供給するようになっている。すなわち、コモン用
スイッチング素子９のゲートには、各ライン毎にコモン
用ゲートドライバ１２の出力信号ＣＧ１〜ＣＧｎがコモ
ン用ゲート線１１を介して供給され、一列毎のコモン用
スイッチング素子９を順次スイッチオンとして、コモン
電圧供給回路１３からコモン電圧供給線１０を介して供
給されるコモン電圧を一列毎のコモン電極８（画素）に
順次印加するようになっている。

【００１３】ここで、各列のコモン用スイッチング素子
９のスイッチングは、対応する列のデータ用スイッチン
グ素子５の動作に応じて制御されるようになっている。
また、コモン用ゲートドライバ１２の出力信号ＣＧ１〜
ＣＧｎは、データ用ゲート線４に寄生する容量とコモン
用電圧供給線１０に寄生する容量との大きさの違い等に
起因したデータ用ゲートドライバ２の出力信号ＤＧ１〜
ＤＧｎとの波形のタイミングずれを考慮して、コモン用
スイッチング素子９のスイッチングを厳密に制御するよ
うになっている。

【００１４】図２は図１の液晶表示装置の動作を説明す
るための波形図である。同図から明らかなように、例え
ば、１列目のデータ用スイッチング素子５のゲートに供
給される信号ＤＧ１が高レベル“Ｈ”となって該１列目
のデータ用スイッチング素子５がスイッチオンとなると
き、すなわち、１列目の画素（画素電極６）にデータド
ライバ１からのデータ信号が供給されるとき、１列目の
コモン用スイッチング素子９のゲートに供給される信号
ＣＧ１も同じタイミングで高レベル“Ｈ”となって１列
目の画素（コモン電極８）にコモン電圧供給回路１３か
らのコモン電圧供給線１０が印加される。これにより、
１列目の画素に対する書き込みが行われる。同様に、ｎ
列目のデータ用スイッチング素子５のゲートに供給され
る信号ＤＧｎが高レベル“Ｈ”となると、ｎ列目のコモ
ン用スイッチング素子９のゲートに供給される信号ＣＧ
ｎも同じタイミングで高レベル“Ｈ”となってｎ列目の
画素に対する書き込みが行われる。

【００１５】そして、各列のデータ用スイッチング素子
５のゲートに供給される信号ＤＧ１〜ＤＧｎが低レベル
“Ｌ”のときは、対応する列のコモン用スイッチング素
子９のゲートに供給される信号ＣＧ１〜ＣＧｎも低レベ
ル“Ｌ”となるため、その間中、コモン電圧供給回路１
３からのコモン電圧はコモン電極８に印加されないこと
になる。従って、この期間において、画素電極６の電圧
が変動しても、コモン電極８がフローティング状態とな
っているため、画素に書き込まれたデータ（画素の液晶
容量の電荷）が保持されることになり、画質の劣化を防
止することができる。すなわち、本実施例の液晶表示装
置によれば、画素電極とＴＦＴのゲート線間に存在する
容量に起因して画素電極の電圧が変動した場合でも、画
質劣化を防止して階調を明確に出すことができる。

【００１６】図３は本発明の液晶表示装置の他の実施例
を示すブロック図であり、図４は本発明の液晶表示装置
のさらに他の実施例を示すブロック図である。図３およ
び図４において、図１と同じ参照符号は図１で説明した
ものと同様のものを示し、以下の各実施例では、その説
明を省略する。尚、図３および図４に示す液晶表示装置
において、各列に対してそれぞれ設けるコモン用スイッ
チング素子９は、コモン電極側パネルではなく、データ
用スイッチング素子５が形成されている画素電極側パネ
ルに形成し、該画素電極側パネルに形成したコモン用ス
イッチング素子９と各コモン電極８とを配線（コモン電
圧供給線１０')により接続するようにしてもよい。

【００１７】まず、図３に示す実施例では、図１に示す
実施例のように、各コモン電極８に対してそれぞれコモ
ン用スイッチング素子９が設けるのではなく、１列のコ
モン電極８に対して１つのコモン用スイッチング素子９
を設けるようにしたものである。本実施例の液晶表示装
置は、コモン用スイッチング素子９を削減することによ
り、コモン用スイッチング素子９の動作速度等の面にお
いて、図１に示す実施例よりも劣ることになるが、製造
コストの低減等の効果が期待できる。

【００１８】次に、図４に示す実施例では、図１および
図３に示す実施例のように、データ用ゲートドライバ２
およびコモン用ゲートドライバ１２を別に設けるのでは
なく、データ用ゲートドライバ２がコモン用ゲートドラ
イバ１２を兼用するようになっている。すなわち、本実
施例の液晶表示装置は、図３の液晶表示装置において、
各列のコモン電極８に対して設けたコモン用スイッチン
グ素子９のゲートに対して、対応する列の画素電極６に
供給するデータ用ゲートドライバ２の出力信号を供給す
るようになっている。この場合、データ用ゲート線４に
寄生する容量とコモン用電圧供給線１０, １０' 等に寄
生する容量との大きさの違いによるタイミングのずれを
考慮して、コモン用スイッチング素子９のスイッチング
を厳密に制御することはできないが、コモン用ゲートド
ライバ１２が不要となり、製造コスト等の面でさらに有
利なものとなる。

【００１９】そして、本発明の液晶表示装置の各実施例
によれば、従来の液晶表示装置と比較して、データ電圧
の補正を行わなくて良いため回路のコストを下げること
ができ、さらに、余分な回路がなくなるため、特に、ア
ナログ回路では回路による誤差が減少することができ
る。その上、各画素電極に対して蓄積容量（補助容量）
を設ける必要がないため、余分なプロセスを減少して歩
留りの改善を行うことができる。

【００２０】

【発明の効果】以上、詳述したように、本発明の液晶表
示装置によれば、画素電極の電圧が変動してもそれに応
じてコモン電極の電位が変化するため、液晶に印加され
る電圧を入力電圧に保持することができ、電圧変動によ
る画質劣化が無く階調を明確に出すことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る液晶表示装置の一実施例を示すブ
ロック図である。

【図２】図１の液晶表示装置の動作を説明するための波
形図である。

【図３】本発明の液晶表示装置の他の実施例を示すブロ
ック図である。

【図４】本発明の液晶表示装置のさらに他の実施例を示
すブロック図である。

【符号の説明】

１…データドライバ ２…データ用ゲートドライバ ３…データ線 ４…データ用ゲート線 ５…データ用スイッチング素子（ＴＦＴ） ６…画素電極 ７…液晶 ８…コモン電極 ９…コモン用スイッチング素子（ＴＦＴ） １０, １０' …コモン用電圧供給線 １１…コモン用ゲート線 １２…コモン用ゲートドライバ １３…コモン電圧供給回路

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の画素電極（６）と、該複数の画素
   電極（６）に対してそれぞれ設けられた複数のデータ用
   スイッチング素子（５）と、該各データ用スイッチング
   素子（５）を介して前記各画素電極（６）にデータ信号
   を供給するデータドライバ（１）と、前記データ用スイ
   ッチング素子（５）のスイッチングを制御するデータ用
   ゲートドライバ（２）とを備えた液晶表示装置であっ
   て、 前記各画素電極（６）に対して液晶（７）を介して対向
   する位置にそれぞれ設けた複数のコモン電極（８）と、 該コモン電極（８）に対して設けられたコモン用スイッ
   チング素子（９）と、 該コモン用スイッチング素子（９）を介して前記コモン
   電極（８）にコモン電圧を供給するコモン電圧供給回路
   （１３）と、 前記コモン用スイッチング素子（９）のスイッチングを
   前記データ用スイッチング素子（５）の動作に対応して
   制御するコモン用ゲートドライバ（１２）とを具備する
   ことを特徴とする液晶表示装置。
2. 【請求項２】 前記コモン用スイッチング素子（９）
   を、前記複数のコモン電極（８）に対してそれぞれに設
   けるようにしたことを特徴とする請求項１の液晶表示装
   置。
3. 【請求項３】 前記コモン用スイッチング素子（９）
   を、前記コモン電極（８）の各ラインに対してそれぞれ
   設けるようにしたことを特徴とする請求項１の液晶表示
   装置。
4. 【請求項４】 前記コモン用スイッチング素子（９）
   を、データ用スイッチング素子（５）が形成される画素
   電極側パネルに形成するようにしたことを特徴とする請
   求項３の液晶表示装置。
5. 【請求項５】 前記コモン用ゲートドライバ（１２）
   を、前記データ用ゲートドライバ（２）と共用するよう
   にしたことを特徴とする請求項１の液晶表示装置。
6. 【請求項６】 前記各ラインのコモン電極（８）に接続
   されたコモン用スイッチング素子（９）のスイッチング
   を、当該ラインの画素電極（６）に接続されたデータ用
   スイッチング素子（５）と同じタイミングで制御するよ
   うにしたことを特徴とする請求項１の液晶表示装置。
7. 【請求項７】 前記データ用スイッチング素子（５）お
   よび前記コモン用スイッチング素子（９）を、薄膜トラ
   ンジスタで構成したことを特徴とする請求項１の液晶表
   示装置。
8. 【請求項８】 複数の画素電極（６）と、該複数の画素
   電極（６）に対してそれぞれ設けられた複数のデータ用
   スイッチング素子（５）と、該各データ用スイッチング
   素子（５）を介して前記各画素電極（６）にデータ信号
   を供給するデータドライバ（１）と、前記各データ用ス
   イッチング素子（５）のスイッチングを制御するデータ
   用ゲートドライバ（２）と、前記複数画素電極（６）に
   対して液晶（７）を介して設けられたコモン電極（８）
   とを備えた液晶表示装置の駆動方法であって、 前記各ライン毎の画素電極（６）にデータ電圧を印加す
   るときにだけ、当該ラインに対応するコモン電極（８）
   にコモン電圧を印加するようにしたことを特徴とする液
   晶表示装置の駆動方法。