JPH05220955A - インクジェットヘッド及びその製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッド及びその製造方法

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JPH05220955A
JPH05220955A JP2283392A JP2283392A JPH05220955A JP H05220955 A JPH05220955 A JP H05220955A JP 2283392 A JP2283392 A JP 2283392A JP 2283392 A JP2283392 A JP 2283392A JP H05220955 A JPH05220955 A JP H05220955A
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ink chamber
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】圧電素子22の変位方向の位置決めを、製造
上、より正確に実施するため平坦化層10で補正するこ
とにより、圧電素子22の変位を忠実かつ効率良くイン
ク室5に伝え、安定してインク滴を吐出させること。 【構成】インク室5の一部を形成する弾性部材8を圧電
素子22により変位させ、ノズル2からインク滴を吐出
させるインクジェットヘッドにおいて、弾性部材8と圧
電素子22の間に平坦化層10を設け、金属薄板6面を
インク51に接し、平坦化層10面を圧電素子22と接
合した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印字信号に応じてイン
ク滴を吐出して、記録紙等の記録媒体上にインク像を形
成するオンデマンド型インクジェットプリンタの記録ヘ
ッド及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】印字信号に応じてインク滴を飛翔させ
る、いわゆるオンデマンド型インクジェットプリンタの
記録ヘッドは、大きく分けて3種類の形式のものがあ
る。その第1の形式のものは、インクを瞬間的に気化さ
せるヒータをノズルの先端に設け、インク気化時の膨張
圧力によりインク滴を生成、飛翔させる、いわゆるバブ
ルジェット型である。また、第2の形式のものは、イン
ク室を形成する容器の一部を電圧印加で変形する圧電素
子により構成し、圧電素子の変形で生じた容器内の圧力
によりインクを液滴として飛翔させるものである。さら
に第3の形式のものは、ノズルを備えたインク室に圧電
素子を設け、圧電素子の伸縮によりインク室のインク圧
を変化させて、ノズルからインクを液滴として飛翔させ
るものである。上記第3の形式のオンデマンド型インク
ジェットヘッドは、日本特許公報特公平2ー45985
号公報や特公平2ー52625号に示されたように、一
端が基台に固定された圧電素子の他端を、インク室を形
成する容器の弾性壁に、脚部を介して弾接させて構成さ
れる。同公報の技術によると、両公報の第3図、第4図
に示されるように、予め弾性壁をインク室側にたわませ
ている。この状態から圧電素子を収縮させて弾性壁のた
わみを戻し、再び圧電素子を伸長させることでインク室
のインクをノズルから液滴として吐出している。この、
予め弾性壁をたわませる手段としては、脚部と弾性壁の
間に粘弾性部材を押し込む、脚部もしくは弾性壁に突起
部分を設ける、と開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】記録ヘッドの小型化、
高密度化を図るほど圧電素子やインク室は小さくなる。
よって、圧電素子の変位量も小さくなり、より効率良く
圧電素子の変位をインク室に伝えねばならない。そのた
めに、圧電素子と弾性部材の接合部、特に圧電素子の変
位方向の位置決めに注意をはらうことが極めて重要にな
る。しかし、前出の公報の構成においては、粘弾性部材
や、突起部分の周囲の弾性壁が少なからず圧力を吸収し
てしまう。更に圧電素子の変位方向については、粘弾性
部材や弾性壁を予めたわませる構造を備えることによ
り、圧電素子の復元位置が安定しにくく、たわみ量がバ
ラつく可能性が高い。その結果、吐出されるインク滴の
速度低下や、インク滴体積の減少や、吐出応答周波数の
低下を招き、インク滴の吐出特性が不安定になる可能性
もある。更に同技術の構成は、脚部を軸受け部に線接触
させて支持する構造をとるため、ここでの損失も起こり
うる。
【0004】一方、同ヘッドの製造方法については、複
数のインク室と圧電素子を並列する場合、圧電素子の変
位方向の位置を製造時に安定させることが重要である
が、弾性壁や粘弾性部材を使用することにより、製造時
に圧電素子の変位方向の位置のバラつきを少なくするこ
とが極めて困難となる。
【0005】そこで、本発明の目的は、インク圧力損失
の少ない、インク滴の吐出が安定したヘッド及びその製
造方法を簡素な構成及び方法で実現することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
ヘッドは、インク室の一部を形成する弾性部材を圧電素
子により変位させ、インク室内のインク圧力を高め、ノ
ズルからインク滴を吐出させるインクジェットヘッドに
おいて、前記弾性部材と前記圧電素子との少なくとも一
方に、製造時の前記圧電素子の変位方向の位置のバラつ
きを補正する目的で、平坦化層を設けたことを特徴とす
る。また、前記平坦化層が、感光性樹脂で構成されたこ
とを特徴とする。更に、その製造方法においては、前記
平坦化層を設ける部材が、少なくとも2部材が接合され
た後に、前記平坦化層を形成することを特徴とする。ま
た、前記平坦化層が、流動性を有する硬化性物質を、基
準平板側と前記弾性部材または前記圧電素子との間に設
けた後に、前記硬化性物質を選択的に硬化して、形成す
ることを特徴とする。
【0007】
【実施例】図1は本発明の実施例の構成を示す斜視図で
あり、組立後に各部品を分解したものである。図2、図
3、図4はそれぞれ、同実施例をより詳細に描いた部分
断面図、同実施例を下方より見た部分斜視図、同実施例
を真上より見た部分平面図である。尚、図4は、構成部
品を上から順次剥いだ状態を示す。図5、図6、図7、
図8は本発明の実施例の構成に基ずいて、平坦化層を形
成する製造方法を示す。図9、図10は本発明の他の実
施例の部分断面図、図11は従来例の問題点を説明する
部分断面図、図12は本発明の効果を説明する部分断面
図を示す。
【0008】これらの図において、1はノズル基板であ
る。ノズル基板1には、複数のノズル2を設けてある。
3はキャビティ形成基板である。キャビティ形成基板3
は、ノズル基板1と、弾性壁となる弾性部材8とで挟ま
れて、リザーバ4とインク室5を形成する。弾性部材8
は、金属薄板6と壁部材7とからなる積層構造をなす。
弾性部材8、キャビティ形成基板3、ノズル基板1は順
次密着接合された後、後述する平坦化層10を弾性部材
8側に形成し、ヘッドフレーム11上に密着接合されて
いる。
【0009】インク滴吐出の駆動源となる圧電素子22
は、その長手方向の約半分の一面をを固定台21に固着
され、固着されない半分の先端を平坦化層10と接合し
ている。固定台21には正極と負極の導通配線パターン
24が施され、リードフレーム25を介して、制御基板
13により制御された電界を圧電素子22に与える。1
1はヘッドフレームである。12はヘッドフレーム11
内を貫通する取り付け穴で、圧電素子22のX,Y方向
の位置決め(図1のXYZ座標参照)をするべく固定台
21を支持する。尚、圧電素子22のZ方向は、平坦化
層10と弾性部材8とキャビティ形成基板3とノズル基
板1を接合した接合体を、ヘッドフレーム11に接合
後、圧電素子22の先端を平坦化層10に当接して位置
決めする。31はインク溜部(図示せず)からインク5
1を供給するインク供給管である。インク供給管31
は、ヘッドフレーム11に圧入接着されている。インク
流路は、ヘッドフレーム11にあるインク接続口32と
平坦化層10、弾性部材8にあるインク連絡口33を経
て、キャビティ形成基板3のリザーバ4、更にインク室
5と連通している。以上が概略構成である。
【0010】図2に従って、構造について更に詳しく述
べる。圧電素子22は、正電極41と負電極42が対向
している。正電極41は、固定台21上の配線パターン
24特に正極導通パターンに接合と同時に電気接続され
ている。負電極42は、共通板23により、固定台21
上の配線パターン24特に負極導通パターンと電気接続
している。配線パターン24と制御基板13とをリード
フレーム25で結び、それぞれ接続箇所を半田で固着し
ている。尚、固定板21は、圧電素子22が平坦化層1
0に当接した状態で、ヘッドフレーム11に接着固定さ
れている。つまり、圧電素子22のZ方向は平坦化層1
0で位置決めする。そこで、平坦化層10と当接するヘ
ッドフレーム11の平面60は、平面研磨等の手段によ
り高精度に仕上げられている。しかし、平坦化層10を
形成しない従来例では、図11に示すごとく、圧電素子
22aと弾性部材8aを当接後直接接着すると、ノズル
基板1a、キャビティ形成基板3a、弾性部材8aの製
造過程による厚み方向のバラつきやソリにより、圧電素
子22aの固定板と固着されない半分の先端と当接する
弾性部材8aとの間に発生する間隙がバラつくことにな
る。この間隙には、圧電素子22aと弾性部材8aとを
固着する接着剤が介在することとなる。前記接着剤塗布
方法としては、一般に一定量の接着剤を圧電素子22a
または弾性部材8aに、各塗布部分間にバラつきがでな
いように塗布した後、両者を接合した状態で保持し同接
着剤を硬化させている。これ以外に、例えば、圧電素子
22aと弾性部材8aとを当接後、圧電素子22aと弾
性部材8aとの各間隙に応じた適度な量を充填すること
が考えられるが、構造上、製法上制約が大きく実現する
可能性は極めて小さい。そこで、一定量の接着剤を管理
しながら塗布する方法を採ることとなる。圧電素子22
aと弾性部材8aとの間隙がバラつくと、図11に示す
ごとく、接着剤の接合状態において9a、9b、9c、
‥‥のごとく、バラつきの大きい状態が形成されること
となる。ここでは、代表的な3タイプを図示している
が、実際にはもっと多くの接合状態が生じている。9a
は、望ましい接合状態を示し、硬化する以前の流動性の
状態ではメニスカスが形成され、接合としては安定状態
で硬化することとなる。これは、即ち弾性部材8aと圧
電素子22aとの前記間隙が適度に保たれているからで
ある。一方、9bはノズル基板1a、キャビティ形成基
板3a、弾性部材8aの製造過程による厚み方向のバラ
つきやソリにより、圧電素子22aと弾性部材8aとの
間隙が、適度な間隙より大きくなった状態を示す。この
状態においては、圧電素子22aと弾性部材8aとの間
隙に設けられた接着剤はZ方向に引っ張られた状態のご
とくとなり、接着剤の硬化にバラつきが生じ、硬化後の
接着剤のヤング率が安定せず、接着強度も低下する。9
cは、同様の理由により、バラつきが発生し圧電素子2
2aと弾性部材8aとの間隙が適度な間隙より小さくな
った状態を示す。この状態においては、間隙が小さすぎ
ることにより、9aで言うメニスカスが破壊され弾性部
材8aに流れ込んでしまう。接着剤が弾性部材8aに流
れ込むと、弾性部材8aの剛性に影響を及ぼし、圧電素
子22aの伸縮がインク室5に効率良く伝えられない。
更に、圧電素子22aと弾性部材8aの接着強度の低下
にもつながる可能性がある。よって、圧電素子22のZ
方向の位置決めを正確に行うと共に、圧電素子22の固
着されない半分の先端と当接面の間隙を安定させること
が重要である。図12は、本発明で実施される平坦化層
10を設けたことによる効果を説明する部分断面図であ
る。同図において、後述する方法で平坦化層を形成し、
圧電素子22aと接合された状態を示す。平坦化層は同
図のごとく、10d、10e、10f‥‥で、前述した
ノズルプレート1a、キャビティ形成基板3a、弾性部
材8aの製造過程による厚み方向のバラつきやソリを補
正し、9d、9e、9fで示す様に、適度な間隙により
接着剤に安定したメニスカスを形成することが可能であ
る。この状態で保持し、接着剤を硬化させることによ
り、安定した接着強度が得られ、且つ弾性部材8aに接
着剤が流れ込むことが防止できる。
【0011】一方、インク51が充填されるインク室5
及びリザーバ4は、キャビティ形成基板3とノズル基板
1と弾性部材8とで形成される。キャビティ形成基板3
は、ガラスのエッチング加工、金属薄板の積層、感光性
樹脂の露光形成、樹脂の射出成形等で作ることができる
が、本実施例では、コスト的に安価な感光性樹脂を用い
ている。キャビティ形成基板3の上面を覆うノズル基板
1は、プレス加工によって、複数のインク室5にそれぞ
れ一つずつノズル2が開けられた、0.1mm程のステ
ンレス鋼板からなる。
【0012】ノズル基板1は、ニッケルの電鋳加工法に
よっても作ることができる。
【0013】また、キャビティ形成基板3の下面を覆う
弾性部材8は、ニッケルの電鋳加工法で5ミクロン以下
の厚さに形成した金属薄板6に、同加工法で10〜10
0ミクロン程度の厚さに形成した壁部材7を積層した構
造をなす。金属薄板6は、圧電素子22の伸縮をインク
室5に効率良く伝えるために薄いほど好ましいが、イン
ク室5内のインク51がしみ出してはならない。インク
51が導電性を呈する場合、圧電素子22の正電極41
と負電極42間や制御基板13にインク51が付着し
て、電気的にショートしてしまうからである。上記理由
から、金属薄板6をフィルム等の樹脂で代替することが
できない。樹脂は、5ミクロン程度の厚さではインク5
1がしみ出してしまう上、機械的強度も不足する。圧電
素子22を金属薄板6に直接接合すれば構成としては簡
素になるが、以下の理由によりこれができない。一つの
理由として、図2に示すように、正電極41が金属薄板
6と接触すると隣接する圧電素子が短絡してしまう。仮
に、正電極41側を共通電極とした場合には、インク5
1に電界が加わることになる。このことは、インク51
が経時的にイオン化して、信頼性の劣化を招くことにつ
ながる。つまり、平坦化層10に絶縁部材即ち感光性樹
脂を配することにより上記の問題から開放され、圧電素
子22を制御するための配線の自由度が増すことにな
る。もう一つの理由は、図4に示すように、圧電素子2
2の断面形状とインク室5の断面形状が、コスト面及び
製造上の理由から異なる。このことは、圧電素子22が
インク室5を加減圧する際、図4に示すように、変位で
きる弾性部材8の長さ(イ)が短すぎて充分にたわむこ
とができず、逆に変位できる弾性部材8の長さ(ロ)は
長すぎて発生する圧力を吸収してしまう。よって、圧電
素子22の変位を効率良くインク室5に圧力伝達するた
めに、長さ(イ)(ロ)を適切に確保できる中間部材が
必要となる。上記理由から壁部材7が必要とされる。壁
部材7は、電鋳加工法によって、図3に示す形が作られ
る。同図に示すように、壁部材7の島状部7a先端に形
成された平坦化層の島状部10aに、圧電素子22の先
端が接合されている。島状部7aと10aは、図4に示
すように、インク室5の投影面より一回り小さく設計さ
れている。
【0014】インク滴吐出動作は、図2において、印字
信号に応じて制御基板13からリードフレーム25、配
線パターン24を通じて圧電素子22の正電極41と負
電極42とに電界を印加する。電界を印加された圧電素
子22は長手方向(同図上下方向)に収縮しようとす
る。この時、圧電素子22の下半分は、ヘッドフレーム
11に保持されている固定台21に固着されており、収
縮変位できない。一方、圧電素子22の上半分は、他の
拘束を受けることなく収縮変位して、その収縮力により
平坦化層10を介して弾性部材8を引張る。平坦化層1
0を介して圧電素子22に引張られた弾性部材8の金属
薄板6が下方へたわみ、その結果インク室5の体積が膨
張する。インク室5が膨張すると、リザーバ4からイン
ク供給口3aを通じてインク51が流入する。次いで、
圧電素子22の電界を解除すると、圧電素子22は元の
長さに伸長してインク室5を圧縮する。この圧力でノズ
ル2からインク滴を吐出する。圧電素子22の変位をイ
ンク室5に伝える平坦化層の島状部10aと弾性部材8
の島状部7aは前述したように、インク室5の投影面よ
り一回り小さいため、金属薄板6のたわみ部を残しつつ
インク室5をまんべんなく加減圧する。以上が、インク
滴の吐出動作である。
【0015】一方、以上の実施例の他にも、例えば図9
の様に、圧電素子22側に平坦化層14を形成すること
もできる。また図10の様に、圧電素子22側に平坦化
層16を形成し、弾性部材8側に平坦化層15を形成す
ることもできる。
【0016】次に図5、図6、図7、図8に従って、平
坦化層10の製造方法について述べる。図5は、キャビ
ティ形成基板3のノズル基板側3aとノズル基板1の接
合体70を製造する方法を工程順に示す。最初に、前述
のごとくプレス加工または電鋳加工法によって加工され
たノズル基板1に感光性樹脂フィルム(以下ドライフィ
ルムと呼ぶ)61をラミネートする。次に紫外線を露光
するパターンと露光しないパターンを形成したガラスマ
スク62をドライフィルム61側に配し、紫外線を照射
し露光を行う。露光後には、ドライフィルム61上に、
露光によって硬化した部分と露光されない未露光部分が
形成される。次に、現像を行うことによって未露光部分
を除去し、キャビティ形成基板3aとノズル基板1の接
合体70が完成する。
【0017】一方、図6はキャビティ形成基板3の弾性
部材側3bと弾性部材8の接合体80を製造する方法を
工程順に示す。最初に、前述のごとく電鋳加工法によっ
て加工された弾性部材8にドライフィルム71をラミネ
ートする。次に、前述と同様にガラスマスク72をドラ
イフィルム71側に配し、紫外線を照射し露光を行う。
露光後には、ドライフィルム71上に、露光によって硬
化した部分と露光されない未露光部分が形成される。次
に、現像を行うことによって未露光部分を除去し、キャ
ビティ形成基板3bと弾性部材8の接合体80が完成す
る。
【0018】図7は、キャビティ形成基板3aとノズル
基板1の接合体70、キャビティ形成基板3bと弾性部
材8の接合体80の両者を融着によって、キャビティ形
成基板完成体90を製造する方法を示す。融着は、15
0〜170℃の温度で行う。この時、ドライフィルム表
面は熱によって融着されるが、加圧力と時間によってド
ライフィルムのつぶれ量が決定される。また、加圧が均
等にされることがドライフィルムのつぶれ量のバラつき
を少なくする上で、重要となる。しかし実際には、ドラ
イフィルム上における融着肉の有無即ちパターンの配し
方によって、つぶれ量のアンバランスが起こり易い。ま
た、融着時の加熱から常温への冷却過程では、ソリが発
生しやすくなる。以上の理由から、製造時にキャビティ
形成基板完成体90の厚みhのバラつきが発生しやすく
なる。このことは、前述したように、圧電素子22と弾
性部材8との間隙がバラつく原因となり、圧電素子22
の変位が効率良くインク室5に圧力伝達しなくなり、そ
の結果インク滴の吐出特性不安定の原因となる。よっ
て、平坦化層10を設けることが重要になる。
【0019】図8は、前記平坦化層10を形成する過程
を示す。90は、キャビティ形成基板完成体である。ま
ず、キャビティ形成基板完成体90の弾性部材8側に、
平坦化層10を形成する流動性物質10bを塗布する。
必要に応じて、塗布前に密着力向上を目的として、弾性
部材8にプライマー処理を施すこともある。流動性物質
10bは、感光性樹脂、熱硬化性樹脂、常温硬化性樹脂
があげられるが、特にポリエステル樹脂、アクリル樹
脂、エポキシ樹脂、APR樹脂、各種レジストが使用さ
れる。本実施例では、比較的簡単に扱えコスト的にも安
価なポリエステル樹脂(感光性樹脂)を用いている。次
に、弾性部材8の最も凸となる部分から、一定の距離を
離間せしめる間隙部材(図示せず)を設けた部分に、離
型性を目的としたPETフィルムを少なくとも流動性物
質10bよりも広い範囲に載置する。次に、前記フィル
ム上にガラスマスク91(請求項4の基準平板)を載置
する。このガラスマスク91には、流動性物質10bに
対して露光部と未露光部を選択的に形成する目的で、パ
ターンが配されている。更に、このガラスマスクの少な
くともフィルム側の片面は、研磨加工で平面度0.1〜
0.2ミクロン程度に仕上げられている。該ガラスマス
ク91を載置した後、300〜400nm程度の波長を持
つ紫外線を照射することによって、露光を行う。流動性
物質10bは、可視光線400nm以上には感光しにくい
ので、暗室や特別な設備は必要ない。前記露光後には、
流動性物質10bは2分化され、被露光部は化学変化を
起こして硬化し未露光部は流動性の状態を保っている。
この状態で、未露光部で流動性の部分の除去を行う。流
動性物質10bは、弱アルカリ液或は水で簡単に除去で
きるので、作業は安全且つ無害である。また、硬化部分
を更に確実に硬化させる目的で、後露光を必要に応じて
実施することもできる。以上の方法により、平坦化層1
0を形成することができ、平面精度については前記ガラ
スマスク91と同程度な高精度の平坦化層10を形成す
ることができる。尚、本実施例以外でも、前記熱硬化性
樹脂や常温硬化性樹脂についても、同様に高精度な平坦
化層10を形成することができる。
【0020】以上述べたごとく形成された平坦化層10
は、樹脂の特性により軽いので、圧電素子22の伸縮力
をほとんど損失することがなく、吐出応答周波数を向上
させることができる。また、平坦化層10を設けること
により、平面精度を向上する目的で弾性部材8を削るよ
りも、更にトータルで高精度を実現することができる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、インクのしみだし
を防ぎつつその厚さを極めて薄くした金属薄板とこれと
積層した壁部材とからなる弾性部材と、圧電素子の少な
くとも一方に樹脂の平坦化層を設けたことにより、圧電
素子の変位方向の位置決めが高精度に行えるようにな
る。また、平坦化層形成が、少なくとも2部材が接合さ
れた後に基準平板を使い選択的に硬化して行われること
により、各部材のソリやツブレのバラつきが平坦化層で
補正され、圧電素子当接面として、高精度な平面を作り
出すことができる。また、圧電素子接合面の間隙が安定
するので、接着強度も安定し、接着剤のはみだしも抑え
られる。その結果、圧電素子の変位を忠実且つ効率良く
インク室に伝えることができる。圧電素子の変位を効率
良くインク室に伝えることは、インク滴の吐出特性が安
定するばかりでなく、記録ヘッドの小型化、高密度化を
も可能にする。また、平坦化層に絶縁部材である感光性
樹脂を用いることで、製法上、コスト的に安価且つ簡単
に扱えると同時に、弾性部材と圧電素子とを電気的に絶
縁することにより、インクに電界が加わることを防止
し、隣接する圧電素子をも絶縁するため電気配線の自由
度が増す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例の構成を示す斜視図。
【図2】同上実施例の部分断面図。
【図3】同上実施例を下方より見た部分斜視図。
【図4】同上実施例を真上より見た平面図。
【図5】本発明の1実施例の1製法を示す図。
【図6】同上実施例の1製法を示す図。
【図7】同上実施例の1製法を示す図。
【図8】同上実施例の1製法を示す図。
【図9】本発明の他の実施例の部分断面図。
【図10】本発明の他の実施例の部分断面図。
【図11】従来例の問題を説明する部分断面図。
【図12】本発明の効果を説明する部分断面図。
【符号の説明】
1、1a ノズル基板 3、3a キャビティ形成基板 5 インク室 6 金属薄板 7 壁部材 8、8a 弾性部材 9a、9b、9c、9d,9e,9f 接着剤の流動硬
化状態 10、10d、10e、10f、14、15、16 平
坦化層 10b 流動性物質 11 ヘッドフレーム 12 取り付け穴 21 固定板 22、22a 圧電素子 23 共通板 24 配線パターン 25 リードフレーム 31 インク供給管 32 インク接続口 33 インク連絡口 51 インク 60 ヘッドフレーム平面 61、71 感光性樹脂フィルム(ドライフィル
ム) 62、72 ガラスマスク 90 キャビティ形成基板完成体 91 ガラスマスク(基準平板)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電素子によってインク室の一部を形成
    する弾性部材を変位させ、インク室内のインク圧力を高
    め、ノズルからインク滴を吐出させるインクジェットヘ
    ッドにおいて、前記弾性部材と前記圧電素子との少なく
    とも一方に平坦化層を設けたことを特徴とするインクジ
    ェットヘッド。
  2. 【請求項2】 前記平坦化層が、感光性樹脂で構成され
    たことを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のインクジェットヘッドに
    おいて、前記平坦化層を設ける部材が、少なくとも2部
    材が接合された後に、前記平坦化層を形成することを特
    徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記平坦化層が、流動性を有する硬化性
    物質を、基準平板側と前記弾性部材または前記圧電素子
    との間に設けた後に、前記硬化性物質を選択的に硬化し
    て、形成することを特徴とする請求項3記載のインクジ
    ェットヘッドの製造方法。
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