JPH05220291A - 洗濯機の濁度検知装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】この洗濯機の濁度検知装置は、排水弁５を有す
る排水路４に設けた濁度センサによって、水槽１内の水
の汚れを検知する。排水路４の、排水弁５よりも水槽１
側の部分を、水槽１内の底部の、回転翼３の下方側部分
に連通させる循環路８を設けた。循環路８は排水路４内
の水を水槽１内に循環させる。 【効果】簡単な構造にて、水槽１内の汚れを、時間遅れ
なく且つ精度良く検知できる。ひいては、水の汚れや汚
れの変化に応じた、洗濯機の運転制御が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、洗濯機の水槽内の水
の汚れを検知する洗濯機の濁度検知装置に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
洗濯時の水の汚れを、発光素子と受光素子を有する濁度
センサを用いて、光学的に検知することが行われてい
る。このように、光学的に検知を行う場合、検知部分で
の気泡の存在が、検知に悪影響を及ぼしていた。そこ
で、気泡除去機構を設けたり、濁度センサを気泡の発生
しない排水路に設けたりすることが行われている。

【０００３】前者の場合、気泡を確実に除去することは
非常に困難であるとともに、装置が大掛かりになってい
た。また、後者の場合、排水路では気泡が発生しない代
わりに、水槽内と排水路内とでは水の交流があまりない
ので、水槽内の汚れが濁度センサまで伝わってくるまで
に時間を要し、しかも、検知の精度も悪かった。ひいて
は、汚れや汚れの変化に応じた運転制御を行う場合の妨
げとなっていた。

【０００４】この発明の目的は、簡単な構造にて水槽内
の水の汚れを時間遅れなく且つ精度良く検出することが
できる洗濯機の濁度検知装置を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの請求項１記載の洗濯機の濁度検知装置は、水槽内の
水を排水弁を介して排水する排水路の、上記排水弁より
も水槽側に配置された濁度センサによって、水槽内の水
の濁りを検知する洗濯機の濁度検知装置において、排水
路の、濁度センサと排水弁との間の部分を、水槽内の底
部の、回転翼の下方側部分に連通させることにより、排
水路内の水を水槽内に循環させる循環路を設けたことを
特徴とするものである。

【０００６】

【作用】上記の構成によれば、洗濯時やすすぎ洗い時
に、回転翼の下方側の水は回転翼によって上方へ吸い上
げられるため、水槽内の底部には、弱い負圧となってい
る。この負圧により、循環路内の水が水槽内の底部側へ
吸い上げられ、これに伴って、水槽内の水が排水路内に
流入する。これにより、水槽内の水を排水路内に循環さ
せることができ、したがって、水槽内の汚れた水を、濁
度センサ部分にいち早く導くことができ、水槽内の汚れ
を、時間遅れなく且つ精度良く検知することができる。
しかも、これを、循環路を設けるという簡単な構造にて
実現することができる。

【０００７】

【実施例】以下実施例を示す添付図面によって詳細に説
明する。図１はこの発明の一実施例の濁度検知装置が配
置された洗濯機の下部を示す概略図である。図１を参照
して、外槽としての水槽１内に、内槽としての脱水槽を
兼ねる洗濯槽２が配置されている。

【０００８】洗濯槽２内の底部には、洗濯水流を起こす
ための回転翼３が配置されており、この回転翼３は、水
槽１の下方に配置されたモータ（図示せず）により回転
軸３ａを介して駆動される。洗濯槽２の底面の、回転翼
３の下方部分には、洗濯槽２内と水槽１内とを連通させ
る複数の連通孔２ａが穿設されている。水槽１の底面の
外周近傍位置には、水槽１内の水を排出するための排水
路４が連通されている。この排水路４の途中部には、排
水弁５が設けられており、この排水弁５の開閉により、
保水・排水が制御される。排水路４の、上記排水弁５よ
りも水槽１側の位置には、水の濁りを検知する濁度セン
サ７が取り付けられている。排水路４の、濁度センサ７
と排水弁５との間の部分と、水槽１内の底部の、回転翼
３の下方側部分とは、排水路４内の水を水槽１内に循環
させるための循環路８を介して連通されている。

【０００９】図２を参照して、濁度センサ６は、排水路
４を挟んで対向配置された発光素子６ａと受光素子６ｂ
からなり、発光素子６ａから出力された光を排水路４内
の水を通して受光素子６ｂにより受光し、受光素子６ｂ
の出力に基づいて濁り度合いを検知する。これらの発光
素子６ａおよび受光素子６ｂは、樹脂やガラス等の透光
性材料からなる検知窓１１，１２を通して発光および受
光する。発光素子６ａおよび受光素子６ｂは、樹脂成形
部等からなる取付部９，１０により、検知窓１１，１２
以外の外部からの光を遮断した密閉状態で取り付けられ
ている。

【００１０】この実施例によれば、洗濯時やすすぎ洗い
時に、回転翼３が回転すると、水槽１内の底部の、回転
翼３の下方側部分には、弱い負圧が発生する。この負圧
のために、排水路４の、濁度センサ６よりも下流側部分
の水が、循環路８を通して、水槽１内へ循環されると共
に、水槽１内の水が排水路４内に導入される。したがっ
て、水槽１内の汚れた水を、排水路４に配した濁度セン
サ６の位置へ素早く導いて、時間遅れなしに汚れを検知
することができる。また、水が循環されることから、排
水路４内の水の汚れを水槽１内の水の汚れに略等しくす
ることができ、精度の良い汚れ検知が行える。しかも、
この時間遅れがなくて精度の良い検知を、循環路８を設
けるという簡単な構造にて達成することができる。そし
て、ひいては、下記のように、濁度や濁度変化に応じ
て、洗濯・すすぎ洗いの方法や時間等を制御を行うこと
も可能となる。

【００１１】すなわち、図３は、洗濯運転を行った際
の、受光素子６ｂの出力の経時変化を示している。図中
の実線は、洗濯物なしの清水で洗濯運転を行った場合を
示し、破線は、清水で汚れた洗濯物の洗濯運転を行った
場合を示している。洗濯運転中は、破線のように、受光
素子６ｂの出力（汚れ）が、次第に低下していき、最後
には、変化しなくなる。そこで、受光素子６ｂの出力
（汚れ）の変化に応じて洗濯運転を行い、汚れ変化がな
くなった時点で、洗濯運転を終了し、次工程に移るとい
った制御を行うことができる。

【００１２】また、すすぎ運転中は、図中の破線と逆の
変化をし、時間の変化とともに受光素子６ｂの出力が上
昇し、最終的に出力変化がなくなると考えられる。そこ
で、受光素子６ｂの出力（汚れ）変化がなくなった時点
ですすぎ運転を終了し、次工程に移るといった制御が可
能となる。なお、回転翼３の下方に発生する弱い水流に
よる負圧を利用して、排水路４内の水を循環させるの
で、濁度検知に悪影響を及ぼす気泡の発生を抑制するこ
とができる。

【００１３】この発明は上記実施例に限定されるもので
はなく、この発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更
を施すことが可能である。

【００１４】

【発明の効果】以上のように、この発明の洗濯機の濁度
検知装置によれば、循環路により水槽内の水を排水路内
に循環させることができるので、水槽内の汚れた水を、
濁度センサ部分にいち早く導くことができ、水槽内の汚
れを、時間遅れなく且つ精度良く検知することができ
る。しかも、これを、循環路を設けるという簡単な構造
にて実現できる。そして、ひいては、水の汚れや汚れの
変化に応じた洗濯機の運転制御を行うことも可能とな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例としての濁度検知装置を含
む洗濯機の概略図である。

【図２】濁度検知装置の要部拡大図である。

【図３】受光素子の出力の経時変化を示す図である。

【符号の説明】

１ 水槽 ３ 回転翼 ４ 排水路 ５ 排水弁 ６ 濁度センサ ８ 循環路

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】水槽内の水を排水弁を介して排水する排水
   路の、上記排水弁よりも水槽側に配置された濁度センサ
   によって、水槽内の水の濁りを検知する洗濯機の濁度検
   知装置において、 排水路の、濁度センサと排水弁との間の部分を、水槽内
   の底部の、回転翼の下方側部分に連通させることによ
   り、排水路内の水を水槽内に循環させる循環路を設けた
   ことを特徴とする洗濯機の濁度検知装置。