JPH05216495A - 音声信号入力装置 - Google Patents

音声信号入力装置

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JPH05216495A
JPH05216495A JP4022519A JP2251992A JPH05216495A JP H05216495 A JPH05216495 A JP H05216495A JP 4022519 A JP4022519 A JP 4022519A JP 2251992 A JP2251992 A JP 2251992A JP H05216495 A JPH05216495 A JP H05216495A
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JP
Japan
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microphone
speaker
microphones
sub
main
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JP4022519A
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Mizuhiro Hida
瑞広 飛田
Yoshitake Suzuki
義武 鈴木
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 騒音環境下で高いSN比を得る。 【構成】 発声者11の前方において単一指向性主マイ
クロホン12がその最大指向方向を口元に向けて配さ
れ、発声者11の後方において単一指向性副マイクロホ
ン13が、その最大指向方向が発声者11と反対向きに
配される。マイクロホン12,13の各出力はそれぞれ
帯域通過ろ波器14,15で、音声の特徴量抽出に十分
な周波数帯域のみが通過され、その各出力はそれぞれ利
得調整器16,17でレベル調整され、更に移相器1
8,19を通じて減算器21で互いに減算される。発声
者11が発声しない状態で、減算器21の出力がゼロに
なるように利得調整器16,17、移相器18,19が
調整される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、周囲騒音や反射音の
生ずる環境下で発声した音声収音してその音声を認識す
る、音声認識装置や各種の音響信号収録装置に適用され
る音声信号入力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】情報の伝達手段としては、一般的には手
で操作するタイプライタや押しボタン等に比べて、音声
を用いた場合の方が伝送速度や操作性の点で優れてい
る。音声を情報伝達の手段に用いる場合には、伝達する
相手が人間もしくは機械の別なく、発声音声の内容を正
しく認識理解出来ることが必要である。
【0003】発声音声の認識・理解を向上するために
は、騒音や反響音の影響を極力排除してクリヤな音声信
号を得ることが必要となり、これを実現するために指向
性の鋭いマイクロホンを用いたり、2個の指向性マイク
ロホンをほぼ同一箇所でその基準軸(感度が最大となる
指向性の主軸) を互いに逆方向に設定して各マイクロホ
ン間の差分信号を用いたり、さらには複数のマイクロホ
ンを用いた構成により騒音源方向に対して感度を低下さ
せ、話者方向に高感度となるような技術を用いて騒音を
除去する等の手法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、指向性の鋭い
マイクロホンを実現するにはその外形寸法、特に長さ方
向の寸法を大きくする必要が有り、狭い空間での使用に
際しての制約や、スペースが十分にある場所での使用に
おいても外観上目障りになるという欠点がある。さら
に、複数のマイクロホンを用いて感度指向特性を適応的
に設定する技術を用いた収音装置は、現在ではまだ汎用
的に使用するには高価であると言う欠点がある。一方、
従来例の構成法の一つとして、2個の指向性マイクロホ
ンをほぼ同一箇所に設定して各々のマイクロホンの基準
軸が逆方向となるように設定して、各マイクロホンの出
力信号の減算により騒音信号を低減しようとするものが
ある。しかしこの場合は、2個のマイクロホンが近接し
ているために音声に対する2個のマイクロホン間の出力
比が十分大きくとれないと言う欠点があった。従って、
騒音や反響音の大きな場所で収音した音声から、音声以
外の不要な成分を除去した音声信号の抽出に関しては、
上記した従来例においては形状寸法、価格及び性能等の
面からそれぞれ一長一短があり、実用上十分な特性を得
ているとはいい難い状況下にある。
【0005】この発明はこの様な点に鑑み、騒音や反射
音の存在する環境下で発声した音声から、これらの不要
成分を除去して認識・理解を向上できるクリーンな音声
を得ることを狙いとし、小型化を図ってかつ安価に提供
できる音声信号入力装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明によれば発声者
の前方に単一指向特性の主マイクロホンが配され、その
主マイクロホンの基準軸と発声者の口元を通る前後方向
とがなす角度は90°以下とされる。発声者の後方に単
一指向特性の副マイクロホンが配され、その副マイクロ
ホンの基準軸と前記前後方向とがなす角度は90°以上
とされる。これら主マイクロホン、副マイクロホンの各
出力相互の位相を変化することができる移相器が設けら
れる。その相互に位相変化された両マイクロホンの出力
は互いに減算器で差がとられる。
【0007】発声者の近くにその前後方向に延長した音
響的反射体が存在する場合は、その反射体に主マイクロ
ホン、副マイクロホンがなるべく接近され、かつこれら
両マイクロホンの各基準軸は反射体とほぼ平行とされ
る。
【0008】
【作用】主マイクロホンの出力中の騒音成分と、副マイ
クロホンの出力中の騒音成分とが同位相となるように移
相器が調整され、両マイクロホン出力の差分がとられ
て、その騒音成分はほぼ零となる。一方、発声者の音声
に対しては、主マイクロホンと副マイクロホンとがその
基準軸が異なることと、発声者自身の頭部回折効果によ
って前方と後方とで生ずる指向性との相乗効果とによ
り、両マイクロホンの出力中の音声のレベル差が強調さ
れ、両マイクロホン出力の差分をとった状態で主マイク
ロホン出力中の音声がそれ程レベル低下することなく取
り出される。
【0009】
【実施例】図1Aにこの発明の実施例を示す。発声者1
1の前方に単一指向特性の主マイクロホン12が配され
る。主マイクロホン12は主に音声信号を収音するため
のものであり、その基準軸は、発声者11の口元に向か
い、前後方向と平行とされている。発声者11の後方に
単一指向特性の副マイクロホン13が配される。副マイ
クロホン13は主として騒音信号を収音するためのもの
であり、その基準軸は発声者11の口元と反射向きで前
後方向と平行とされている。
【0010】マイクロホン12,13の各基準軸を図に
おいて矢印で示している。マイクロホン12,13は例
えば図1Bに実線で示すような単一指向特性、あるいは
更に指向特性の鋭いものであり、同図に示すようにマイ
クロホンの基準軸(信号源方向に対して最大感度となる
方向) を0度として、その180度方向の感度が低減し
ている、通常的に使用される汎用的なものを用いること
ができる。図1B中の破線は、全方向に対して同等の感
度を有する無指向性マイクロホンの特性を比較のために
示している。
【0011】主マイクロホン12、副マイクロホン13
の各出力はそれぞれ帯域通過ろ波器14,15に通され
て、音声信号の特徴量を抽出するために十分な周波数帯
域幅の信号が取り出される。これら帯域通過ろ波器1
4,15の各出力はそれぞれ利得調整器16,17を通
り、更に移相器18,19を通って減算器21へ供給さ
れる。
【0012】まず、主マイクロホン12及び副マイクロ
ホン13によって受音される各音響信号の中で、音声信
号を含まない騒音信号に対する出力が以下の過程で各部
の調整及び制御が行われる。すなわち、主マイクロホン
12及び副マイクロホン13によって受音される騒音信
号は、音声信号の特徴量を抽出するのに十分な帯域幅で
設定された帯域通過ろ波器14,15で周波数制限さ
れ、次に利得調整器16,17で各マイクロホンの出力
レベルが等しくなるように調整される。さらに、騒音信
号に対する両マイクロホン12,13間の位相差がほぼ
零となるように移相器16,17で調整される。このよ
うにして振幅並びに位相差の補正がなされたマイクロホ
ン12,13で収音された各騒音信号の出力レベルは、
減算器21で差分処理がなされその出力が信号出力端子
22へ取り出される。以上の処理によれば基本的に、騒
音信号に対しての出力端子22の出力レベルは零とな
る。
【0013】このような調整の後、発声者11からの音
声信号を収音する。この音声信号は、主マイクロホン1
2と副マイクロホン13との各々のマイクロホン基準軸
が互いに逆方向に設定されていることによって生ずるマ
イクロホンの指向特性によるレベル差と、後述する発声
者11自身による頭部の回折効果による放射指向特性に
よって生ずるレベル差とが相乗的に加算されて得られ、
比較的大きなレベルで音声信号は得られる。
【0014】図2に、マイクロホンの個数を増加した場
合のその配置構成例を示す。図2Aは水平面内で主マイ
クロホン12a,12b,12cと副マイクロホン13
a,13b,13cとを配した場合で、主マイクロホン
12a,12b,12cは発声者11の前方に位置し、
その各基準軸は発声者11の口元に向かっている。副マ
イクロホン13a,13b,13cは発声者11の後方
に位置し、その各基準軸は発声者11の口元と反対向方
に向いている。主マイクロホン12aと副マイクロホン
13aとの各基準軸は発声者11の口元を前後に通る直
線23上に位置し、主マイクロホン12bと副マイクロ
ホン13bとの各基準軸は発声者11の口元を通り、直
線23に対し角度θ1 (<90°) だけ左に斜めの直線
24上に位置し、主マイクロホン12cと副マイクロホ
ン13cとの各基準軸は発声者11の口元を通り、直線
23に対し角度θ2 (<90°) だけ右に斜めの直線2
5上に位置している。マイクロホン12aと13aとの
各出力中の騒音の差がゼロとなり、マイクロホン12b
と13bとの各出力中の騒音の差がゼロとなり、マイク
ロホン12cと13cとの各出力中の騒音の差がゼロと
なるように、各マイクロホンの出力側に図1Aと同様に
設けられた利得調整器、移相器が調整される。
【0015】図2Bは垂直面内で発声者11の前方に主
マイクロホン12a,12d,12eを、後方に副マイ
クロホン13a,13d,13eを配した例である。主
マイクロホン12d、副マイクロホン13dの各基準軸
は発声者11の口元を通り、直線23に対し角度θ
3 (<90°) だけ上に斜めの直線26上に位置し、主
マイクロホン12e、副マイクロホン13eの各基準軸
は発声者11の口元を通り、直線23に対し角度θ
4 (<90°) だけ下に斜めの直線27上に位置してい
る。これら対応する主マイクロホンの出力と副マイクロ
ホンの出力との各騒音を互いにゼロにするようにされ
る。
【0016】なお、主マイクロホン12(12a) と副
マイクロホン13(13a) との各特性が全く同一の場
合は利得調整器16,17は省略できる。つまり、各マ
イクロホンの騒音に対する出力特性を考えると、騒音源
が発声者11よりも遠方にあるとすればマイクロホン1
2,13で収音されて出力されるレベル差は、騒音源に
対するマイクロホン12,13の基準軸が同一方向を向
いた配置であるため、発声者11の音声に比べて少ない
かほぼ同等と見なされるため、単純にマイクロホン1
2,13の出力信号の差分成分を抽出しただけでも、騒
音信号成分はかなり除去されることとなる。同様に主マ
イクロホン12b(又は12c,12d,12e) と副
マイクロホン13b(又は13c,13d,13e) と
の各特性を全く同一とする時は対応する利得調整器を省
略できる。角度θ1 とθ2 は等しくてもよいし、同様に
θ3 とθ4 は等しくてもよい。
【0017】また利得調整器16,17、移相器18,
19を設けることにより、主マイクロホン12(12
a) の基準軸と、副マイクロホン13(13b) の基準
軸とは必ずしも同一直線上になくてもよく、互いに角度
をなす二つの直線上にそれぞれ位置していてもよい。主
マイクロホン12(12a) の基準軸は発声者11の口
元に向き、副マイクロホン13(13a) の基準軸は口
元と反対向きとなればよい。これらのことは他のマイク
ロホン12b,12c,12d,12e,13b,13
c,13d,13eについても同様のことが云える。
【0018】つまり、例えば主マイクロホン12aと副
マイクロホン13bとを組にして用いてもよいことも意
味している。ここで、発声者11自身による発声時の放
射指向特性について述べる。図3は、文献(例えば、電
子通信学会編,“聴覚と音声”,p236,s44年1
1月30日発行,コロナ社) から引用した発声者の発声
レベルについての指向特性を示したもので、図中Aは水
平面内での値、Bは垂直面内での値であって、これから
発声者の口元前方と口元よりも後方の背面部では、音声
の明瞭性に効果のある1kHz以上の高周波数領域で
は、頭部回折効果により10dB以上のレベル差が得ら
れることが分かる。この発明は、この物理現象を効果的
に利用すべく、収音用マイクロホンの配置とその基準軸
の方向とに制約を設けて構成したものである。椅子など
に腰を掛けた状態での使用に際しては、例えば主マイク
ロホンを胸元に付けてその基準軸を口元方向(上向き)
とし、副マイクロホンを椅子の背もたれ等に配置し、そ
の基準軸を下方向に設定して構成することが有効であ
る。
【0019】図4に、発声者11に近接して音響的な反
射体28が配置されている場合のマイクロホンの配置例
を示す。図4Aは反射体28が天井のように発声者11
上側で水平に配された場合、Bは壁のように発声者11
の側面で垂直に配された場合を示している。また図4A
は6つのマイクロホンが図2Aの相対関係で配され、図
4Bは6つのマイクロホンが図2Bの相対関係で配され
ているものとする。何れの配置においても主マイクロホ
ンは、発声者11の口元から前方に配置すると共に反射
体28に対して各マイクロホンの基準軸を平行にし、副
マイクロホンは発声者11の口元から後方に配置すると
共に反射体28に対して各マイクロホンの基準軸を平行
にして配置する。マイクロホンの基準軸を反射体28に
対して平行にすることの利点は、以下の理由による。
【0020】図5は、単一指向性マイクロホンを反射体
に近接して配置して、音響信号(ここではピンクノイズ
を用いた) の入力方向を変化したときのマイクロホンの
感度周波数特性の相対レベルを示したものである。同図
Aは、マイクロホンの基準軸を常に反射体に平行に配置
した場合、Bはマイクロホンの端面を反射体に接近させ
かつマイクロホンの基準軸を音源方向及び音源に対して
180度方向としたときの測定結果である。同図Aか
ら、音源方向とマイクロホン基準軸との角度θが、0度
(曲線31) と45度(曲線32) とは、反射体なし
(図中の実線) の場合よりも、全ての周波数領域でレベ
ルが上昇していることが分かる。θが90度の(曲線3
3) の場合では、2〜3kHzにディップ(落込み) を
生じた特性を示しており、音声を収音するためには好ま
しくない特性となる。さらに曲線34,35は、θが1
35度と180度の場合であって、反射体が無い場合の
実線で示したレベルよりも何れの周波数領域でもレベル
が低減している。これらから、発声者11が反射体28
に極めて接近して発声しているような場合には、主マイ
クロホン12aの出力特性は図4A中の曲線31とな
り、副マイクロホン13aの出力特性は曲線35とな
り、音声に対する出力はこれらの差分となって出力され
る。図4に示したように発声者11が反射体28から多
少離れている状態で、主、副マイクロホンを前述したよ
うに反射体28に平行に配置して収音した場合は、図A
の曲線32,34で示したレベルの差分として音声信号
が検出される。
【0021】図5Bはマイクロホン端面を反射体から5
mm程度離して、かつ反射体とマイクロホン基準軸との
角度を45度とし、マイクロホン基準軸の延長上に音源
があるとしたとき(曲線36) と、マイクロホン基準軸
を音源と逆方向すなわち反射体の方向に向けたとき(曲
線37) の特性とを示す。この結果を、図5A中の曲線
32,34の値と比較すると、顕著な差は認められな
い。従って、マイクロホン反射体に取り付ける場合の容
易さと反射体面からの突起量の低減化を図ることを考え
れば、マイクロホンの一端を反射体から離して発声者方
向に設定してやる必要性は見あたらない。すなわちマイ
クロホンの反射体への取り付けは、まずマイクロホン基
準軸を反射体と平行にした状態として、次にマイクロホ
ン基準軸が主マイクロホンにおいては発声者の口元方向
を、副マイクロホンにおいては発声者とは逆方向となる
ように設定することが推奨されるものである。
【0022】以上の結果から、発声者に対するマイクロ
ホン基準軸の推奨設定範囲は主マイクロホンについては
その基準軸と、発声者の口元を通る前後方向とのなす角
度を90°以下とし、副マイクロホンについてはその基
準軸と発声者の口元を通る前後方向とのなす角度を少く
とも90°以上とすることが重要である。なお、反射体
28へ極力マイクロホンを近接して配置することの有効
性は、以下の理由による。そのモデルを示すごとく、音
源からマイクロホンへの直接音と反射体28よりの反射
音との各距離D1とD2との差と、音源が出力する波長
との関係から、音源・マイクロホン間の伝送周波数特性
は図6Bに示すような特性を呈する。すなわち、同図
(B) の実線は、音源・マイクロホン間の水平距離Lが
50cm、音源と反射体28との距離H1が30cm、
反射体28とマイクロホンとの間の距離H2が2.5c
mの時の音源・マイクロホン間の伝送特性を示したもの
である。さらに、同図(B) の破線は、H1,H2が共
に30cm、Lが50cmの場合の音源・マイクロホン
間の伝送特性を示したものである。これから、反射体2
8とマイクロホンとの距離H2が小となってD1がD2
に近い値になると、H2が大の場合よりディップ(落込
み) を生ずる最初の周波数fd1が高い方へ移動すると
共にそのディップ量も大となる。このとき、ディップを
生ずる周波数を音声を収音するに必要な帯域外になるよ
うな寸法のH2としてやれば、所要周波数帯域内では平
坦な伝送特性を得ることが出来ることとなる。
【0023】図7Aは、この発明を自動車内の発声者か
らの音声の収音に適用した場合のマイクロホンの配置例
を示したものである。自動車内では、マイクロホンの設
置場所の候補として、エンジン音やカーステレオなどの
音を拾わずに、かつ発声者11から主マイクロホンまで
の距離が小さく、これら間の伝送特性が平坦な箇所が望
ましく、一方副マイクロホンについては、発声者11の
声が入らずに騒音のみが収音される場所が好ましい。主
マイクロホン12aはサンバイザ部を含む天井部分、主
マイクロホン12bはフロントガラスやフロントピラ部
分、主マイクロホン12cはダッシュボード部分、主マ
イクロホン12dはハンドル部分、主マイクロホン12
eは発声者11の胸元位置、主マイクロホン12fは側
面のフロントガラス部分などであり、副マイクロホン1
3aは車両天井部分、副マイクロホン13bはリヤガラ
スやリヤピラー部分、副マイクロホン13cはリヤトレ
イ部分、副マイクロホン13dは座席ヘッドレスト部
分、副マイクロホン13eは座席背もたれ部分、副マイ
クロホン13fはサイドウィンド部分にそれぞれ配置さ
れた場合である。
【0024】この中で、マイクロホン12a,13aの
配置位置が図4Aで説明した反射体28がある場合の例
に相当し、反射体28が天井部分である。実際に走行す
る車内で発声した音声について、音声の認識実験を行っ
てみた。このとき認識実験は、比較のために2個のマイ
クロホンをマイクロホン12aとほぼ同じ位置に各々の
基準軸を逆方向に配置した従来技術で収音した時につい
ても、同一の騒音低減法と認識手法を用いて行った。こ
の結果、従来技術によるマイクロホンの配置での認識率
が90.5%であったのに対し、この発明の実施例によ
るマイクロホン配置での認識率は96.5%と言う結果
が得られ、この発明によるマイクロホン配置を用いたと
きの認識装置への有効性が確認された。
【0025】次に、使用するマイクロホンの数と配置位
置との関係については、例えば発声者が運転席と助手席
とで異なる場合などでは、主マイクロホンの配置は前に
も述べたように発声者の口元に近いことがより高いSN
比を得ることが出来るため有利であることから、それぞ
れの発声者に専用の主マイクロホンを配置して使用者に
応じて切り替えて使用するか、SN比が最も向上するマ
イクロホンの組合せを適応的に抽出、選択して実用に供
することが大切な要素となる。
【0026】図7Bは、発声者が11a,11bの2人
で、各発声者に対応して主マイクロホン12a,12b
及び副マイクロホン13a,13bが配置されている状
態を例示したものである。この時、発声者11aが発声
している場合は、主マイクロホンとしては12aが、副
マイクロホンとしては13aまたは13bが選択され、
発声者11bが発声している場合は、主マイクロホンと
して12bが、副マイクロホンとして13bもしくは1
3aが選択されることとなる。なお、車室内に限らず一
般の室内での使用を考えた場合でも、発声者が増加すれ
ばその人数に応じてマイクロホンの数を増やしても良い
し、マイクロホンの数を増やさずに既に設定されている
マイクロホンの中からSN比の向上するマイクロホンの
組合せを選択して使用しても良いことは言うまでもな
い。各マイクロホンで収音した後の騒音成分の除去につ
いては、前に述べた通りである。
【0027】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば、発
声者の前方において単一指向特性の主マイクロホンをそ
の基準軸が口元に向くように配し、かつ単一指向特性の
副マイクロホンを、発声者の後方においてその基準軸を
発声者と反対向きとして配しているため、マイクロホン
の指向特性と、発声者の頭部回折効果による指向特性と
の相乗効果により、音声信号のレベルの低下が少なく、
かつ騒音を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Aはこの発明の実施例を示すブロック図、Bは
マイクロホンの指向特性の例を示す図である。
【図2】この発明の実施例における複数の主、副マイク
ロホンの配置の他の例を示し、Aは平面図、Bは側面図
である。
【図3】発声者自身の発声時の放射特性を示し、Aは水
平面内特性図、Bは垂直面内特性図である。
【図4】Aは発声者の上側に接近して反射体が在る場合
にこの発明を適用したマイクロホンの配置例を示す側面
図、Bは発声者の横に接近して反射体が在る場合に、こ
の発明を適用したマイクロホンの配置例を示す平面図で
ある。
【図5】反射体の影響による単一指向マイクロホンの基
準軸と音源方向との角度をパラメータとする伝送周波数
特性を示す図。
【図6】Aは音源とマイクロホンと、反射体との配置寸
法を示す図、Bは音源とマイクロホンとの間の伝送周波
数特性を示す図である。
【図7】Aはこの発明を自動車内の収音に適用した場合
のマイクロホンの配置例を示す側面図、Bは発声者が2
名の場合にこの発明を適用した場合のマイクロホンの配
置例を示す平面図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発声者の前方に配され、その発声者の口
    元を通る前後方向に対し、基準軸が90°以下の主マイ
    クロホンと、 上記発声者の後方に配され、その発声者の口元を通る前
    後方向に対し、基準軸が90°以上の副マイクロホン
    と、 上記主マイクロホン及び上記副マイクロホンの各出力の
    相対位相を変化させることができる移相器と、 その移相器により相対位相が変化された上記主及び副マ
    イクロホンの両出力の差をとる減算器と、 を具備する音声信号入力装置。
  2. 【請求項2】 上記主マイクロホン及び上記副マイクロ
    ホンは上記発声者と近接し、その発声者の前後方向に延
    長した反射体に極力接近して設けられ、かつ両マイクロ
    ホンの各基準軸が上記反射体とほぼ平行とされているこ
    とを特徴とする請求項1記載の音声信号入力装置。
JP4022519A 1992-02-07 1992-02-07 音声信号入力装置 Pending JPH05216495A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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