JPH05215338A

JPH05215338A - ガスタービン燃焼器とその燃焼方法

Info

Publication number: JPH05215338A
Application number: JP4196992A
Authority: JP
Inventors: Shigemi Bandai; 重実萬代; Satoshi Tanimura; 聡谷村; Sadao Minagawa; 貞夫皆川; Katsunori Tanaka; 克則田中; Nobuo Sato; 亘男佐藤
Original assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Current assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date: 1992-01-31
Filing date: 1992-01-31
Publication date: 1993-08-24

Abstract

(57)【要約】【目的】ガス燃料と液体燃料とを使用するガスタービ
ン燃焼器において、ＮＯｘの低減と保炎性能を向上する
こと。【構成】パイロットノズル１１を内筒１４の中心線上
に配置する。また、このパイロットノズル１１を中心と
して、その周辺に異なった直径ｄ，Ｄのピッチ円上に夫
々複数個のノズルから成る第１，第２の群のメインノズ
ル１２，１３を配置する。そして、各群のメインノズル
１２，１３において燃料は空気と混合して予混合燃焼を
行い、パイロットノズル１１では拡散燃焼を行って、予
混合火炎の保炎器として作用する。また、負荷に応じて
使用するメインノズル群を適宜選択することにより、部
分負荷から全負荷範囲にわたって、ＮＯｘの低減を実現
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ガス燃料と液体燃料と
を使用するデュアルフュエル焚ガスタービン燃焼器とそ
の燃焼方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、天然ガスなどのガス燃料と、灯
油や軽油などの液体燃料とを使用し、単独に燃焼させた
り、又は両者を任意の比率で混合させて燃焼させる燃焼
器として、デュアルフュエル焚ガスタービン燃焼器が知
られている。図３は、従来のデュアルフュエル焚ガスタ
ービン燃焼器のノズル部分を示した縦断面図である。

【０００３】図３において、デュアルフュエル焚ガスタ
ービン燃焼器の内筒１は燃焼器ケーシング２内に円周方
向に複数個配置されている。そして、内筒１の中心線上
には液体燃料ノズル３が配置されており、これを取り囲
むようにして噴霧空気ノズル４、水噴射ノズル５および
ガス燃料ノズル６が夫々同心円状に設置されている。さ
らに、ガス燃料ノズル６の外周部には、保炎と燃焼促進
のために旋回空気流を作るスワーラ７が設けられてい
る。

【０００４】以上述べたガスタービン燃焼器において、
液体燃料は液体燃料ノズル３から噴射される。また、ガ
ス燃料と噴射水は、それぞれ、ガス燃料ノズル６および
水噴射ノズル５に円周方向に等ピッチに穿設された穴
Ａ，Ｂから噴射される。さらに、噴霧空気は、噴霧空気
ノズル４の環状の通路Ｃから噴出されるようになってい
る。そして、水噴射ノズル５から噴射される噴射水は、
燃焼温度や火炎の温度を下げて、ＮＯｘを低減させる役
目を担っている。また、噴霧空気ノズル４から噴出され
る噴霧空気は、液体燃料ノズル３から噴射される液体燃
料の微粒化を促進して、燃焼を助成している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、以上述べた
構成の従来のガスタービン燃焼器では、ＮＯｘを低減さ
せるために、水や蒸気を噴射させて燃焼温度や火炎の温
度を下げるようにしているが、火炎の温度を下げると保
炎が困難となり、運転条件によっては失火してしまい、
ガスタービンを停止させてしまうという問題があった。
また、水や蒸気の噴射は、ガスタービンの効率を低下さ
せることにもなっていた。

【０００６】本発明は、このような従来技術の課題を解
決するとともに、環境汚染を防止するために益々厳しく
なるＮＯｘの排出規制に対してクリアできるような、ガ
スタービン燃焼器とその燃焼方法を提供することを目的
とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、ガス燃料と液体燃料とを使用するガス
タービン燃焼器において、内筒の中心線上に配置したパ
イロットノズルと、このパイロットノズルを中心とし
て、その周辺に異なった直径のピッチ円上に夫々複数個
のノズルを配置した複数のメインノズル群とを備えたも
のである。

【０００８】

【作用】上記の手段によれば、メインノズル群におい
て燃料は空気と混合して予混合燃焼を行い、パイロット
ノズルでは拡散燃焼を行って、予混合火炎の保炎器とし
て作用する。また、メインノズルは異なった直径のピッ
チ円上に複数群設けられているので、負荷に応じて使用
するメインノズル群を適宜選択することにより、部分負
荷から全負荷範囲にわたって、ＮＯｘの低減を実現する
ことができる。

【０００９】

【実施例】以下、図１，図２を参照して本発明の一実施
例について詳細に説明する。図１は本実施例に係るガス
タービン燃焼器のノズル部分を示した正面図、図２は図
１のＩＩ−ＩＩ線に沿う断面図である。

【００１０】本実施例に係るガスタービン燃焼器は、図
１に示すように、１本のパイロットノズル１１と、この
パイロットノズル１１を中心とした直径ｄのピッチ円上
に等間隔に配置した例えば４本を１組とした第１の群の
メインノズル１２と、パイロットノズル１１を中心とし
た直径Ｄ（ただしＤ＞ｄ）のピッチ円上に等間隔に配置
した例えば４本を１組とした第２の群のメインノズル１
３とから成る燃焼ノズルを備えており、これらは図示し
ない燃焼器ケーシング内に設けられた内筒１４の頭部に
設置されて、燃焼領域を共用している。

【００１１】さて、パイロットノズル１１は内筒１４の
中心線上に配置されていて、保炎に使われるもので、図
２に詳細を示すように、中央に液体燃料を噴射する液体
燃料ノズル１５が設けられ、その周りに噴霧空気を噴出
させる噴霧空気ノズル１６、さらにガス燃料噴射穴１７
Ａを有する予混合パイロットガスノズル１７が設けられ
ている。そして、予混合パイロットガスノズル１７の外
側には、燃焼用空気の循環流を拡大して保炎を確実にす
るためのスワーラ１８が設けられている。

【００１２】一方、第１の群のメインノズル１２は、上
流側に位置していて、中央に液体燃料を噴射する液体燃
料ノズル１９が設けられ、その周りにガス燃料噴射穴２
０Ａを有する予混合メインガスノズル２０が設けられて
いる。また、第２の群のメインノズル１３は、第１の群
のメインノズル１２の先端よりも軸方向に距離ｌだけ下
流側に位置している。そして、中央に液体燃料を噴射す
る液体燃料ノズル２１が設けられ、その周りにガス燃料
噴射穴２２Ａを有する予混合メインガスノズル２２が設
けられている。なお、第１，第２の群のメインノズル１
２，１３の外側には、スワーラを設けていないが、これ
は、隣接するバーナとの混合を抑制して、部分負荷時の
ＣＯの発生を防止するためである。

【００１３】次に、作用について説明する。先ず、パイ
ロットノズル１１を点火してこれを火種とする。このパ
イロットノズル１１からの燃料は、拡散燃焼を行い、予
混合火炎の保炎器として作用する。そして、起動からほ
ぼ１／２負荷までの間は、パイロットノズル１１のすぐ
外側に配置されている第１の群のメインノズル１２だけ
を使用するものとし、第２の群のメインノズル１３には
液体燃料やガス燃料を供給しない。ただし、この時、第
２の群のメインノズル１３からは空気だけが噴き出てい
る。そして、１／２負荷から全負荷までは、第１の群の
メインノズル１２に加えて、第２の群のメインノズル１
３も使用するようにする。この場合、第１の群のメイン
ノズル１２は第２の群のメインノズル１３の火種とな
る。

【００１４】すなわち、各群のメインノズル１２，１３
において、燃料は空気と混合して予混合燃焼を行うが、
負荷に対応して使用するメインノズル群を加減できるの
で、予混合気が稀薄になることはない。また、各群のメ
インノズル１２，１３は軸方向の位置やピッチ円の直径
が異なるため、使用していないメインノズル群があった
としても、使用中のメインノズル群の予混合炎が隣接す
る未使用のメインノズル群の空気流で冷やされることは
なく、失火の恐れもない。

【００１５】なお、各群のメインノズル１２，１３にお
いて、液体燃料ノズル１９，２１から噴射される液体燃
料は、予混合メインガスノズル２０，２２から噴射され
るガス燃料によって微粒化され、ガス燃料を使用しない
ときには空気によって、液体燃料が微粒化されるもので
ある。また、パイロットノズル１１の液体燃料の微粒化
は、噴霧空気ノズル１６から噴射される噴霧空気によっ
て行われる。

【００１６】

【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、メ
インノズルの液体燃料は、特別な噴霧空気を必要とせ
ず、予混合メインガスノズルから噴射されるガス燃料に
よって微粒化することができる。また、この液体燃料
は、燃焼領域と同じ空間で空気と予混合するので、逆火
が防止される。さらに、燃焼器内に水や蒸気を噴射させ
ないので、失火が防止される。そして、メインノズルを
ピッチ円直径の異なる複数の組みに分割して配置し、負
荷に対応して使用するメインノズル群を加減するように
したので、部分負荷から全負荷にわたって、大幅にＮＯ
ｘを低減することができ、しかも、ＮＯｘの低減時に懸
念される失火も防止することができるという、顕著な作
用効果を奏するガスタービン燃焼器とその燃焼方法が提
供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係るガスタービン燃焼器の
ノズル部分を示す正面図である。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線に沿う断面図である。

【図３】従来のガスタービン燃焼器のノズル部分を示す
縦断面図である。

【符号の説明】

１１パイロットノズル１２第１の群のメインノズル１３第２の群のメインノズル１４内筒

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者田中克則兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目１番１号三菱重工業株式会社高砂製作所内 (72)発明者佐藤亘男兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目１番１号三菱重工業株式会社高砂研究所内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ガス燃料と液体燃料とを使用するガスター
ビン燃焼器において、内筒の中心線上に配置したパイロ
ットノズルと、このパイロットノズルを中心として、そ
の周辺に異なった直径のピッチ円上に夫々複数個のノズ
ルを配置した複数のメインノズル群とを備えたことを特
徴とするガスタービン燃焼器。
【請求項２】請求項１記載のガスタービン燃焼器におい
て、パイロットノズルを中心とする異なった直径のピッ
チ円上に位置するメインノズル群のうち、負荷に応じ
て、前記パイロットノズルに近い側のメインノズル群か
ら順次燃焼させるようにしたことを特徴とするガスター
ビン燃焼器の燃焼方法。