JPH0521392Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、成型品自動取出装置において成型
品をチヤツキングするチヤツク部材の姿勢を制御
する駆動装置に関する。

［従来技術］ 従来の成型品自動取出装置においては、成型品
の取出時及び解放時にチヤツク部材を反転制御し
て該チヤツク部材を成型品の取出動作及び解放動
作に適した姿勢とし、成型品の取出時間の短縮を
図つている。

そしてチヤツク部材の姿勢を制御する駆動部材
としは、エアーシリンダーと往復運動を回転運動
へ変換するトグル機構或いはリンク機構とにより
前記チヤツク部材を所要の回転量にて回動させて
いる。

また、駆動部材として高い位置精度の電動モー
タ（DCモータ、ステツプモータ）を使用したも
のもある。

［考案が解決しようとする問題点］ 然し乍、上記した前者の駆動部材はその機構が
複雑化して大型化及び重量化する欠点を有してい
る。このような駆動部材を使用してチヤツク部材
を姿勢制御すると、該チヤツク部材の移動停止時
に該チヤツク部材が大きく振動して直ちに取出動
作へ移行できなかつた。このため、成型品の取出
時間が長くなつている。

また、駆動部材として電動モータを使用した場
合においては、姿勢制御のための反転時間が長く
なり、成型品の取出時間が長くなつていた。

［考案の目的］ 本考案の目的は、上記した従来の欠点に鑑み、
軽量化及び小型化を図りながら所要の回動角度を
短時間に得ることが出来、成型品の取出サイクル
を短縮し得る成型品自動取出装置における駆動部
材を提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ このため本考案は、シリンダーチユーブ内にて
軸線方向へ摺動可能に支持された移動体と、前記
シリンダーチユーブの軸線方向中間部にて該軸線
と直交する方向に軸線を有し、該シリンダーチユ
ーブ内に位置する部分に外歯が形成された回転軸
と、前記移動体に取付けられ、前記回転軸の回転
量に応じた軸線長さからなり、前記外歯が噛合さ
れるラツクギヤとからなり、前記シリンダーチユ
ーブ内に供給される流体圧による前記移動体の移
動に伴つて前記回転軸を回動させるように成型品
自動取出装置における駆動部材が構成されてい
る。

［考案の作用］ 本考案は上記のように構成されるため、前記シ
リンダーチユーブの一方端から流体が供給される
と、その流体圧により移動体が所要の方向へ移動
される。このとき、前記移動体と一体的に移動す
るラツクギヤに外歯が噛合わされているため、該
移動体の移動に伴つて回転軸が所要の方向へ前記
移動体の移動量に応じた回転角度にて回動され
る。これにより前記回転軸に取付けられた部材の
姿勢を反転制御させることが可能である。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例を図面に従つて説明す
る。

第１図は本考案に係る駆動部材の分解斜視図、
第２図は組立てられた駆動部材の中央縦断面図で
あり、駆動部材１が取付けられる成型品自動取出
装置は、例えば成形機に取付けられた走行フレー
ム上を長手方向へ移動可能に支持される走行体
と、該走行体に取付けられた前後シリンダーにて
前記走行体の移動方向と直交する前後方向へ移動
可能なホルダと、該ホルダに取付けられた上下シ
リンダーにより上下方向へ移動可能で、成型品を
チヤツキングするチヤツク部材（何れも図示せ
ず）とから構成されている。そして前記駆動部材
１は前記上下シリンダーのロツド下端とチヤツク
部材との間に取付けられ、該チヤツク部材を所要
の角度にて反転回動させる。

前記駆動部材１のシリンダーチユーブ３内には
両端に摺接部５ａを有する移動体としてのピスト
ン５が軸線方向へ摺動可能に支持され、前記摺接
部５ａ間に応じたピストンには凹所５ｂが形成さ
れている。尚、前記摺接部５ａの外周面にはシリ
ンダーチユーブ３内面に対する気密を保持するた
めのパツキング（図示せず）が取付けられてい
る。

前記シリンダーチユーブ３の軸線方向中間部の
上下壁には透孔９ａ，９ｂが、その中心線が一致
するように形成されている。そして各透孔９ａ，
９ｂ内には回転軸１１が軸受１３ａ，１３ｂを介
して回転可能に支持されている。また、前記シリ
ンダーチユーブ３内に位置する回転軸１１には所
要の歯数からなる外歯１１ａが形成されている。

一方、前記凹所５ｂに応じたピストン５には前
記回転軸１１の回動角度に応じた軸線方向長さか
らなるラツクギヤ１５が軸線方向へ向うように取
付けられ、該ラツクギヤ１５には前記外歯１１ａ
が噛合わされている。

前記ピストン５が収容されたシリンダーチユー
ブ３の両端には閉鎖板１７，１９が取付けられ、
該閉鎖板１７，１９には前記シリンダーチユーブ
３の内部と連通する透孔１７ａ，１９ａが形成さ
れている。そして前記透孔１７ａ，１９ａには前
記シリンダーチユーブ３内部にエアーを供給及び
排出するための配管（図示せず）を接続するため
のノズル２１，２３が夫々取付けられている。

前記シリンダーチユーブ３から外部に突出した
回転軸１１の上端部にはチヤツク取付板２５が取
付けられている。また、前記シリンダーチユーブ
３の外側面にはストツパー（図示せず）が回動し
た前記チヤツク取付板２５と当接可能に取付けら
れ、該チヤツク取付板２５の回動量を規制してい
る。そして前記チヤツク取付板２５には射出成形
された成型品をチヤツキングするチヤツク部材
が、また前記シリンダーチユーブ３には上下シリ
ンダーのロツド端が取付けられる。

次に、上記のように構成された駆動部材１の作
用を第２図及び第３図に従つて説明する。

第２図及び動作状態を示す第３図において、第
２図に示す状態にて図示する左側のノズル２１を
介してエアーがシリンダーチユーブ３内に供給さ
れると、ピストン５は第３図に示すようにこのエ
アー圧にて図示する右側へ移動される。このと
き、シリンダーチユーブ３の右室内のエアーは他
方のノズル２３を介して外部に排出される。ま
た、前記ピストン５の凹所５ｂに取付けられたラ
ツクギヤ１５に前記回転軸１１の外歯１１ａが噛
合わされているため、前記ラツクギヤ１５の移動
に伴つて前記回転軸１１がラツクギヤ１５の移動
量に応じ且つチヤツク取付板２５がストツパーに
当接する所要の角度にて回動される。

これにより前記回転軸１１の回動に伴つてチヤ
ツク取付板２５に取付けられたチヤツク部材の姿
勢が所要の角度にて反転制御される。

一方、第３図に示す状態にて右側のノズル２３
を介してエアーがシリンダーチユーブ３内に供給
されると、ピストン５は第２図に示すようにこの
エアー圧にて図示する右側へ移動して回転軸１１
を所要の角度にて回動復帰させる。これによりチ
ヤツク部材が原位置に戻される。

このように本実施例は、リンク機構或いはトグ
ル機構を設けることなく供給されたエアーの圧力
によるピストン５の移動に伴つて回転軸１１を往
復回動させて該回転軸１１に取付けられたチヤツ
ク部材を所要の姿勢に制御することが可能であ
る。

上記実施例は、回動するチヤツク取付板２５と
ストツパーとの当接により所要の回動量を得る構
成としたが、ピストン５の移動量により回転軸１
１の回転量を規制して所要のチヤツク部材の回動
量を得るものであつてもよい。

また、前記駆動部材１が取付けられる成型品自
動取出装置は、上記した形式の他にチヤツク部材
を旋回移動させて成型品の自動取出しを図るもの
であつてもよい。

［考案の効果］ このため本考案は、軽量化及び小型化を図りな
がら所要の回動角度を短時間に得ることが出来、
成型品の取出サイクルを短縮し得る成型品自動取
出装置における駆動部材を提供することが可能で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る駆動部材の分解斜視図、
第２図は組立てられた駆動部材の中央縦断面図、
第３図は動作状態を示す中央縦断面図である。 図中１は駆動部材、３はシリンダーチユーブ、
５は移動体としてのピストン、１１は回転軸、１
５はラツクギヤである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シリンダーチユーブ内にて軸線方向へ摺動可能
   に支持された移動体と、 前記シリンダーチユーブの軸線方向中間部にて
   該軸線と直交する方向に軸線を有し、該シリンダ
   ーチユーブ内に位置する部分に外歯が形成された
   回転軸と、 前記移動体に取付けられ、前記回転軸の回転量
   に応じた軸線長さからなり、前記外歯が噛合され
   るラツクギヤと、 からなり、前記シリンダーチユーブ内に供給され
   る流体圧による前記移動体の移動に伴つて前記回
   転軸を回動させることを特徴とする成型品自動取
   出装置の駆動部材。