JPH05213786A - ジメチルナフタレンの製造方法 - Google Patents

ジメチルナフタレンの製造方法

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JPH05213786A
JPH05213786A JP4047545A JP4754592A JPH05213786A JP H05213786 A JPH05213786 A JP H05213786A JP 4047545 A JP4047545 A JP 4047545A JP 4754592 A JP4754592 A JP 4754592A JP H05213786 A JPH05213786 A JP H05213786A
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崇泰 藤森
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】5−トリル−ペンタ−2−エンを原料として環
化脱水素反応により一段の反応でジメチルナフタレンを
製造するための高性能触媒を開発する。 【構成】結晶性アルミノシリケート、シリカアルミナ、
アルミナから選ばれる1種以上と、パラジウムおよび/
または白金と、担体とを組み合わせて成る触媒の存在下
に、5−トリル−ペンタ−2−エンを環化脱水素させる
ことを特徴とするジメチルナフタレンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジメチルナフタレン
(以下DMNと記す)の製造法に関する。DMNは、ポ
リエステル等のプラスチック製造に使用するナフタレン
ジカルボン酸の原料として非常に重要な化合物である。
例えば、2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレング
リコールから製造されるポリエチレン2,6−ナフタレ
ンジカルボキシレートは、ポリエチレンテレフタレート
より良好な耐熱性、機械的性質を有し、フィルムや繊維
の製造に使用される。
【0002】
【従来技術】プラスチック用原料としてのナフタレンジ
カルボン酸は、異性体的に高純度であることが要求さ
れ、又その原料としてのDMNも異性体的に高純度であ
ることが要求される。即ちDMNは、そのメチル基の位
置により1,2−、1,3−、1,4−、1,5−、
1,6−、1,7−、1,8−、2,3−、2,6−、
及び2,7−なる10個の異性体があり、ナフタレンジ
カルボン酸用原料としてのDMNは他の異性体を含まな
い特定のDMNである必要がある。DMN類の製造法と
しては、石油精製の高沸点留分、石炭由来のタール分か
らの分離による方法、ナフタレンのアルキル化による方
法、アルキルベンゼンとオレフィンを出発物質とする合
成法等がある。石油精製の高沸点留分、石炭由来のター
ル分からの分離による方法の場合、これら留分は多くの
DMN異性体の混合物であり、この異性体混合物から所
望の特定のDMNを得るためには、異性化及び異性体か
らの分離が必要である。異性化に関してDMNの10異
性体は、以下の4つの属に分けられ、各属内の異性化は
比較的容易であるのに対して、属間の異性化は起こりに
くいことが良く知られている。又、所望の特定のDMN
を多くの異性体混合物から分離するのは非常に難しい。
更にこれら留分中にはDMN以外の成分も多く含まれ、
これらの混合物から所望の特定のDMNを高純度で分離
回収することは非常に困難である。 A属 1,5−DMN、1,6−DMN、2,6−DM
N。 B属 1,7−DMN、1,8−DMN、2,7−DM
N。 C属 1,3−DMN、2,3−DMN、1,4−DM
N。 D属 1,2−DMN。
【0003】ナフタレンのアルキル化による方法は、通
常はゼオライト、シリカアルミナ等の固体酸を触媒とし
て実施されるが、DMN以外にモノメチルナフタレン、
トリメチルナフタレン等も生成しDMNへの選択性は高
くない上に、生成するDMNは多くの異性体の混合物で
あり、石油精製の高沸点留分、石炭由来のタール分から
の分離による場合と同様、特定のDMNを高収率で得る
ことは困難である。これらに対して特定のDMNをアル
キルベンゼンとオレフィンから多段階の工程を経て製造
する方法がある。例えば、特開平2−96540では、
メタキシレンとプロピレンと一酸化炭素から2,6−D
MNを製造する方法が示され、又USP5008479
では、トルエンとブテンと一酸化炭素から2,6−DM
Nを製造する方法が示されている。又、特開昭49−1
34634では、オルトキシレンとブタジエンから5−
(O−トリル)−ペンタ−2−エンを製造する方法、特
開昭50−89353では、5−(O−トリル)−ペン
タ−2−エンを環化して1,5−ジメチルテトラリンを
製造する方法、特開昭48−67261では、1,5−
ジメチルテトラリンを脱水素して1,5−ジメチルナフ
タレンを製造する方法、が示されている。これらの方法
を組合わせることによりオルトキシレンとブタジエンか
ら異性体的に高純度の1,5−DMNを製造することが
できる。更に、特開平1−503389では、1,5−
DMNを異性化して、1,5−DMN、1,6−DM
N、2,6−DMNの混合物となし、この混合物から結
晶化により高純度の2,6−DMNを採取する方法を示
している。この場合には異性化に関して同じ属に属する
3個のDMN異性体間での異性化、及び結晶化であり、
多くの異性体からの異性化、及び結晶化に比べ非常に有
利である。2,6−DMNは、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸用原料としてDMN各異性体のなかで最も注目
されている化合物であり、その工業的製造法の出現が待
たれているものである。 前述の特開昭49−1346
34では、パラキシレンとブタジエンから5−(P−ト
リル)−ペンタ−2−エンを製造する方法も示されてい
るが、この場合は引き続く環化及び脱水素により1,7
−DMNが得られ、更に、異性化、結晶化により2,7
−DMNを高純度で得ることが想定できる。又、メタキ
シレンを用いた場合は1,6−DMNと1,8−DMN
の混合物が得られると想定できる。
【0004】上記のようにキシレンとブタジエンを出発
原料とした場合には、特定のDMNを異性体的に高純度
で製造することができるので、工業的に優れたDMN製
造方法であると云える。キシレンとブタジエンからDM
Nを製造する方法は、側鎖アルケニル化による5−トリ
ル−ペンタ−2−エンの合成、環化によるジメチルテト
ラリンの合成、脱水素によるDMNの合成、更にDMN
の異性化、結晶化分離の各工程から成っている。環化に
よる5−トリル−ペンタ−2−エンからのジメチルテト
ラリンの合成については、特開昭49−93348では
固体燐酸を、公表特許公報平3−500052では白金
および銅で修飾した超安定化Y型ゼオライトを、それぞ
れ触媒として用い、実施例では何れも95%以上の収率
が示されている。脱水素によるジメチルテトラリンから
のDMNの合成では、特開昭48−76852ではクロ
ミアアルミナを、特開昭48−67261では担体に担
持したパラジウム及びレニウムを触媒として、実施例で
は何れも95%以上の収率が示されている。
【0005】このように環化及び脱水素に関してそれぞ
れ高収率が得られているが、環化反応と脱水素反応を同
時に行う試みもある。例えば、特開昭50−31151
ではクロミアを担持したシリカアルミナ系触媒を用い、
5−(o−トリル)−ペンタ−2−エンを環化脱水素し
てDMNを得る方法を示しており、実施例では転化率9
7%、DMN類収率75%の成績が示されている。又、
特開昭50−1036では、アルミナあるいは活性炭に
担持したパラジウムを、特開昭50−1037ではシリ
カアルミナに担持したパラジウム、ロジウム、レニウム
を、特開昭50−17983ではシリカアルミナに担持
した白金を、それぞれ触媒として5−(O−トリル)−
ペンタ−2−エンを環化脱水素してDMN類を製造する
方法を示しているが、実施例ではDMN類の収率は高々
60%である。 このように、環化反応と脱水素反応を
別々に2段階でおこなう方法では、両反応合わせて90
%以上の収率が得られているが、環化反応と脱水素反応
を同時に1段階で行う方法では収率は高々75%であ
り、反応成績からは環化反応と脱水素反応を別々に2段
階で行う方が優れている。しかしながら、両反応を同時
におこなうことができれば工程を短縮することができ、
工業的には非常に有利である。
【0006】更に、環化反応はほぼ20kcal/mo
lの大きな発熱反応であり、この反応熱を如何に除去す
るかがプロセス上の大きな問題である。これに対し、脱
水素反応は約30kcal/molの大きな吸熱反応で
あり、環化反応の場合とは逆に、必要な熱を如何に供給
するかが、プロセス上の大きな問題である。従って、両
反応を同時に行うことができれば、工程短縮に加えて反
応熱有効利用の面及び熱処理の面からも非常に有利であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】キシレンとブタジエン
から特定のDMNを多段階で製造する方法において、側
鎖アルケニル化で生成した5−トリル−ペンタ−2−エ
ンから対応するDMNを製造するに際し、従来技術で
は、反応成績の点から、5−トリル−ペンタ−2−エン
を環化してジメチルテトラリンとし、次いでこれを脱水
素して対応するDMNを製造すると云う2段階の反応を
必要としている。両反応を結合した環化脱水素を実現す
ることができれば、工程の短縮、反応熱の有効利用、熱
収支の合理化が可能となり、その工業的意義は大きい。
即ち、5−トリル−ペンタ−2−エンを環化脱水素反応
よにって対応するDMNを一段階で製造する方法の開発
が望まれている。本発明者らは、5−トリル−ペンタ−
2−エンを環化脱水素して対応するDMNを一段階で高
収率で製造する方法につき鋭意検討を進め、本発明に到
達した。即ち本発明は、5−トリル−ペンタ−2−エン
を環化脱水素して対応するDMNを製造する方法を提供
するものであり、更に詳しくは5−トリル−ペンタ−2
−エンを環化脱水素して対応するDMNを製造するに有
効な触媒を開発したものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、5−トリル
−ペンタ−2−エンを環化脱水素して対応するDMNを
製造するに際して、結晶性アルミノシリケート、アルミ
ナ、シリカアルミナから選ばれる1種以上と、パラジウ
ムおよび/または白金、および担体から成る触媒を用い
る。5−トリル−ペンタ−2−エンから対応するDMN
を一段で合成するための触媒は、環化能と脱水素能を併
せ持つ必要がある。5−トリル−ペンタ−2−エンの環
化は、固体燐酸、ゼオライト、シリカアルミナ等の固体
酸触媒により可能である。しかしながら、これらの触媒
と、代表的な脱水素触媒である白金、レニウム、パラジ
ウム、ロジウム、クロミアアルミナ等を単に組み合わせ
ただけでは、有効な環化脱水素触媒とはならない。それ
は、特公昭50−31151でのクロミアを担持したシ
リカ・アルミナ触媒や、特公昭50−1036、50−
1037、及び昭50−17983でのアルミナ、シリ
カアルミナあるいは活性炭に担持したパラジウム、ロジ
ウム、レニウム、白金なる各触媒の使用において、高い
環化脱水素収率が得られていないことからも明かであ
る。本発明者らは、5−トリル−ペンタ−2−エンを環
化脱水素して対応するDMNを高収率で与える触媒につ
いて検討を加え、結晶性アルミノシリケート、アルミ
ナ、シリカアルミナから選ばれる1種以上と、パラジウ
ムおよび/または白金と、さらにこれらの触媒成分を良
好に分散させるための担体とを組み合わせることによっ
て高収率でDMNが得られることを見出し、本発明に到
達した。
【0009】例えば、X型ゼオライト、超安定化Y型ゼ
オライト(以下USYと記す)、Y型ゼオライト、アル
ミナ等環化反応に有効な固体酸触媒に、高い脱水素能を
持つパラジウム、レニウム、ロジウムあるいは白金を担
持しても環化脱水素収率は低い。これは、通常の担持法
では得られる触媒の貴金属担持量を上げることができな
い為に得られた触媒の脱水素能を高めることができない
ことによると考えられる。反応温度を上げることにより
脱水素能を上げることはある程度可能であるが、分解、
重合等を併発し、結果的に環化脱水素収率を向上させる
ことはできない。即ち、担持法による触媒では、製造さ
れた触媒の環化活性、脱水素活性、分解活性、重合活性
等の各種触媒能のバランスが悪く、本発明の目的である
5−トリル−ペンタ−2−エンの環化脱水素には不適当
である。このように単に環化触媒と脱水素触媒とを組み
合わせただけでは高い環化脱水素能が得られないのは、
反応圧力、反応温度、接触時間等の、環化に有効な反応
条件と脱水素に有効な反応条件がかけ離れていることに
も起因している。
【0010】本発明者らは,固体酸触媒の環化能と貴金
属触媒の脱水素能を結合させて、高い環化脱水素能を有
する触媒を調製する方法について検討を加え、固体酸と
して結晶性アルミノシリケート、アルミナ、シリカアル
ミナを、貴金属としてパラジウム、白金を選び、さらに
実質的に不活性な担体を加えて、これらを良く分散させ
ると同時に、固体酸成分と、パラジウムおよび/または
白金成分との量比を調節することにより、環化反応と脱
水素反応を同時に進行させることができ、更に分解、重
合等の副反応がほとんど起こらない触媒を開発すること
ができた。
【0011】本発明で用いられる触媒は、結晶性アルミ
ノシリケート、アルミナ、シリカアルミナから選ばれる
1種以上と、パラジウムおよび/または白金、及び担体
の組み合わせを必須構成成分とする。 5−トリル−ペ
ンタ−2−エンの環化に対しては、固体燐酸、ヘテロポ
リ酸も有効であるが、貴金属と組み合わせて5−トリル
−ペンタ−2−エンの環化脱水素触媒とする為には、固
体燐酸、ヘテロポリ酸は不適当であり、結晶性アルミノ
シリケート、アルミナ、シリカアルミナを用いることに
より、貴金属と組み合わせて5−トリル−ペンタ−2−
エンの環化脱水素触媒とすることができた。又、貴金属
のうちレニウム、ロジウムは非常に高い脱水素能を有し
ているが、固体酸と組み合わせて、5−トリル−ペンタ
−2−エンの環化脱水素触媒とする為には、レニウム、
ロジウムは不適当であり、パラジウム、白金を用いるこ
とにより、固体酸と組み合わせて5−トリル−ペンタ−
2−エンの環化脱水素触媒とすることができた。
【0012】本発明で用いる結晶性アルミノシリケート
としては、モルデナイト、X型ゼオライト、Y型ゼオラ
イト等公知の結晶性アルミノシリケートを用いることが
できる。特に、モルデナイト、Y型ゼオライト、USY
が好ましい。結晶性アルミノシリケート、アルミナ、シ
リカアルミナから選ばれる1種以上とパラジウムおよび
/または白金との混合割合は、結晶性アルミノシリケー
ト、アルミナ、シリカアルミナの酸量、酸強度により変
化するが、一般にパラジウムに対して結晶性アルミノシ
リケート、アルミナ、シリカアルミナから選ばれる1種
以上の量は、0.1〜10倍重量、好ましくは0.2〜
10倍重量である。結晶性アルミノシリケート、アルミ
ナ、シリカアルミナから選ばれる1種以上の量が多い
と、異性化、分解、重合等の副反応が起き易くなり、少
ないと5−トリル−ペンタ−2−エンの反応性が低下す
る。
【0013】本発明の触媒に用いられる担体は、担体以
外の成分、特にパラジウムおよび/または白金を良く分
散させるものである必要がある。但し、活性アルミナ等
の酸性の強いものは、重合、分解等の副反応を起こし易
いので5−トリル−ペンタ−2−エンの反応性が低いも
のである必要がある。そのような担体として、炭素、酸
化珪素、酸化チタニウム、酸化ジルコニウム等の酸性で
ないもの、又は酸性の弱いものが好ましい。担体の量
は、主としてパラジウムおよび/または白金の量と関係
づけられ、パラジウムおよび/または白金の10〜20
0倍重量、好ましくは15〜100倍重量である。担体
がパラジウムおよび/または白金の10倍重量以下では
パラジウムおよび/または白金の分散が悪くなり、好ま
しくない。
【0014】本発明の触媒の調製方法としては、調製さ
れた触媒中で結晶性アルミノシリケート、アルミナ、シ
リカアルミナから選ばれる1種以上、パラジウムおよび
/または白金がよく分散されるような方法であれば良
く、特に制限はない。このような方法としては、例え
ば、パラジウムおよび/または白金を担体に担持し、こ
れと結晶性アルミノシリケート、アルミナ、シリカアル
ミナから選ばれる1種以上とを混合して調製する方法が
採用される。又、結晶性アルミノシリケート、アルミ
ナ、シリカアルミナから選ばれる1種以上と担体とを混
合して調製した触媒に、パラジウムおよび/または白金
を担持する方法が採用される。又、結晶性アルミノシリ
ケート、アルミナ、シリカアルミナから選ばれる1種以
上、パラジウムおよび/または白金の化合物、及び担体
の3者を同時に混合して調製する方法が採用される。
【0015】本発明の触媒を用いて5−トリル−ペンタ
−2−エンの環化脱水素反応を行うう場合、その反応方
式には特に制限はなく、バッチ法、連続法いずれも採用
できる。又、反応装置にも特に制限はなく、固定床、移
動床、流動床等いずれも採用できる。しかしながら、操
作性の面から固定床流通式による方が好ましい。反応温
度としては、150〜400゜C、好ましくは200〜
300゜Cの範囲である。又、環化脱水素反応により生
成する水素により原料5−トリル−ペンタ−2−エンが
水素化される反応が併発するのを防ぐために、不活性ガ
スを共存させるのが好ましい。このような不活性ガスと
しては、窒素、スチーム、炭酸ガス等が好ましい。又、
生成物DMNは室温では固体であり、反応に際して原料
を適当な溶媒により希釈するのが反応操作上好ましい。
その場合、溶媒を不活性ガスの代わりに用いることもで
きる。このような溶媒としては、反応条件下で安定であ
り、生成するDMNをよく溶解するものが好ましく、こ
のような溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン等
の芳香族炭化水素、ヘプタン、ヘキサン等の飽和脂肪族
炭化水素等が挙げられる。
【0016】本発明により5−トリル−ペンタ−2−エ
ンを環化脱水素する場合、原料が5−(O−トリル)−
ペンタ−2−エンの場合には1,5−DMNを主成分と
するDMNが高収率で得られ、原料が5−(P−トリ
ル)−ペンタ−2−エンの場合には1,7−DMNを主
成分とするDMNが高収率で得られ、原料が5−(m−
トリル)−ペンタ−2−エンの場合には1,6−DMN
と1,8−DMNを主成分とするDMNが高収率で得ら
れる。5−(O−トリル)−ペンタ−2−エンを原料と
した場合に得られる1,5−DMNを主成分とするDM
Nは、主として1,5−DMN、1,6−DMN、及び
2,6−DMNから成る。これら3種の異性体は異性化
に関しては同じ属に属しており、従ってこのDMN混合
物を異性化し、その後結晶化分離することにより容易に
2,6−DMNを採取することができる。5−(P−ト
リル)−ペンタ−2−エンを原料とした場合に得られる
1,7−DMNを主成分とするDMNは、主として1,
7−DMN、1,8−DMN、及び2,7−DMNから
成る。これら3種の異性体は異性化に関しては同じ属に
属しており、従ってこのDMN混合物を異性化し、その
後結晶化分離することにより容易に2,7−DMNを採
取することができる。
【0017】
【発明の効果】本発明により、5−トリル−ペンタ−2
−エンを原料として対応するDMNを製造するにあた
り、従来は二段の反応を要するが、一段の反応により高
収率で得ることができる方法を開発した。 その工業的
意義は極めて大きい。
【0018】
【実施例】以下に、実施例、及び比較例にて本発明を詳
細に説明する。 1)実施例1〜10、及び比較例1〜5に関しては、下
記の各当該実施例及び比較例にて調製した触媒20gを
内径20mmの石英製反応管に充填し、常圧下、反応温
度250〜300゜Cの条件下において、原料5−(O
−トリル)−ペンタ−2−エンを30重量%溶かしたヘ
プタン溶液を、供給速度毎時80g、及び窒素供給速度
毎分500ccなる条件で環化脱水素反応を行った。得
られた結果を表−1に示した。各実施例及び比較例にお
いて、原料5−(O−トリル)−ペンタ−2−エンの転
化率は、全て100%であった。 各当該実施例で調製
した触媒は、いずれも高いDMN収率を示しており、D
MN中の1,5−DMNの割合も高い。 これに対して
各当該比較例でのDMN収率は低く、本発明の触媒が非
常に優れていることが判る。 2)実施例11、比較例6及び比較例7に関しては、下
記の各当該実施例及び比較例に記載する方法にて実施し
た。 得られた結果は表−1に示した。尚、本発明は以
下の実施例の範囲に限定されるものではない。
【0019】実施例1 市販モルデナイト15g、パラジウムを5重量%担持し
た活性炭270g、及びバインダーとしてアルミナ含量
70重量%のアルミナゾル21gをステンレス製容器に
採り、純水500gを加えて室温下よく混合撹拌した。
その後、押し出し成型器を用いて成型後、110゜Cで
乾燥し、350゜Cで3時間焼成して触媒を調製し、反
応に使用した。実施例2 市販モルデナイト10g、パラジウムを1重量%担持し
た活性炭320g用いた以外は、実施例1と同様にして
触媒を調製し、反応に使用した。
【0020】実施例3 市販USYゼオライト10g、パラジウムを2重量%担
持の活性炭550g、アルミナ含量70重量%のアルミ
ナゾル41gを用いて実施例1と同様に触媒を調製し、
反応に使用した。実施例4 市販USYゼオライト10g、パラジウムを5重量%担
持のシリカ550g、シリカ含量25重量%のシリカゾ
ル160gを用い、純水を加えずに、実施例1と同様に
して触媒を調製し、反応に使用した。実施例5 市販USYゼオライト10g、白金を2重量%担持した
シリカ550g、アルミナ含量70重量%のアルミナゾ
ル41gを用いて実施例1と同様に触媒を調製し、反応
に使用した。実施例6 市販モルデナイト15gの代わりに市販Y型ゼオライト
15gを、パラジウムを5重量%担持の活性炭270g
に代えて白金を2重量%担持の活性炭200gを用いた
以外は、実施例1と同様にして触媒を調製し、反応に使
用した。
【0021】実施例7 市販シリカアルミナ45g、パラジウムを2重量%担持
した活性炭250g、シリカ含量25重量%のシリカゾ
ル120gを用い、純水を加えずに、実施例1と同様に
して触媒を調製し、反応に使用した。実施例8 パラジウムを5重量%担持の活性炭に代えて、パラジウ
ムを5重量%担持のチタニアを用いた以外は、実施例1
と同様にして触媒を調製し、反応に使用した。 実施例9 パラジウムを5重量%担持の活性炭の代わりに、白金を
2重量%担持のジルコニアを用いた以外は、実施例1と
同様にして触媒を調製し、反応に使用した。
【0022】実施例10 市販H型モルデナイト10g、シリカゲル500g、ア
ルミナ含量70重量%のアルミナゾル30gをステンレ
ス製容器に採り、純水700gを加えて室温下良く混合
撹拌した。その後、押し出し成型器を用いて成型後、1
10゜Cで乾燥し、350゜Cで3時間焼成した。得ら
れた成型体100gを塩化白金酸2.65gを溶解した
0.1規定塩酸水溶液に加え、攪拌下にて50゜Cで2
時間含浸後、110゜Cで乾燥した。次に、550゜C
で2時間焼成後、水素にて還元し触媒となし反応に使用
した。
【0023】比較例1 パラジウムを2重量%担持の活性炭に代えて、パラジウ
ムを2重量%担持のアルミナを用いた以外は、実施例3
と同様にして触媒を調製し、反応に使用した。 比較例2 モルデナイト、パラジウムを5重量%担持した活性炭、
アルミナ含量70重量%のアルミナゾルの量を各々70
g、140g、33gとした以外は、実施例1と同様に
して触媒を調製し、反応に使用した。比較例3,4 パラジウムを2重量%担持の活性炭に代えて、比較例3
ではレニウムを2重量%担持した活性炭を、比較例4で
はロジウムを2重量%担持した活性炭を用いた以外は、
実施例3と同様にして触媒を調製した。比較例5 シリカを用いず、モルデナイトの量、アルミナゾルの
量、純水の量をそれぞれ240g、14g、300gと
した以外は、実施例11と同様にして触媒を調製し、反
応に使用した。
【0024】比較例6 パラジウムを2重量%担持した活性炭20gをそのまま
触媒として用い、上記実施例及び比較例と同様の反応方
法、反応条件にて、反応温度を300゜Cとして5−
(O−トリル)−ペンタ−2−エンの環化脱水素反応を
おこなった。原料5−(O−トリル)−ペンタ−2−エ
ンの転化率は62%と低かった。主生成物はインダン
類、及び原料の水素化物であり、DMNの生成はほとん
ど認められなかった。比較例7 市販USY20gをそのまま触媒として用い、上記実施
例及び比較例と同様の反応方法、反応条件にて、反応温
度を260゜Cとして5−(O−トリル)−ペンタ−2
−エンの環化脱水素反応をおこなった。原料5−(O−
トリル)−ペンタ−2−エンの転化率は100%であっ
たが、環化生成物であるジメチルテトラリン類が主生成
物であり、DMNの収率は10%以下であった。反応温
度を300゜Cとした場合には、インダン類の生成、分
解、重合が著しく、DMN収率は10%以下であった。
【0025】実施例11 5−(O−トリル)−ペンタ−2−エンの代わりに、5
−(P−トリル)−ペンタ−2−エンを用いた以外は、
実施例1と同様に反応を行った。結果を表−1に示す。
5−(P−トリル)−ペンタ−2−エンの転化率は1
00%であった。
【0026】
【表1】 表1 反応温度 反 応 生 成 液 組 成 (重量%) (℃) DMN DMN中異性体濃度 DMT 原料 1,5- 1,6- 2,6- Others 水素化物 実施例1 260 91.2 91.4 6.1 2.5 0 3.2 3.7 実施例2 250 85.5 83.9 12.2 3.8 0.1 5.3 3.9 実施例3 250 90.3 88.2 8.4 3.4 0 4.5 2.8 実施例4 280 88.4 93.0 4.6 2.4 0 4.2 3.0 実施例5 270 88.2 90.4 7.1 2.5 0 4.6 3.9 実施例6 270 90.0 87.8 6.9 5.3 0 3.8 4.1 実施例7 280 86.3 81.8 12.2 5.8 0.2 4.3 3.8 実施例8 260 89.3 90.3 6.9 2.8 0 4.4 3.9 実施例9 260 90.3 88.0 7.8 4.2 0 3.6 4.0実施例10 260 90.8 92.6 4.6 2.8 0 5.2 2.8 比較例1 280 7.6 56.6 18.7 8.4 16.3 68.9 7.4 比較例2 300 51.6 36.5 24.1 18.4 21.0 38.5 3.7 比較例3 260 24.1 80.3 13.4 6.1 0.2 67.3 2.0 比較例4 260 34.3 77.0 14.9 7.8 0.3 57.9 2.8 比較例5 280 4.8 48.3 21.5 11.8 18.4 62.3 11.0 比較例6 300 0.6 ──────────── 4.3 23.3 比較例7 260 3.1 29.3 43.2 20.1 7.4 81.5 0.3 300 9.0 27.2 33.3 18.7 20.8 51.3 0.8 実施例11 260 90.7 91.2 5.3 3.5 0 3.4 3.9 (1,7- 2,7- 1,8- Others) (注)DMT:ジメチルテトラリン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 5/41 // C07B 61/00 300

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶性アルミノシリケート、シリカアルミ
    ナ、アルミナから選ばれる1種以上と、パラジウムおよ
    び/または白金と、担体とを組み合わせて成る触媒の存
    在下に、5−トリル−ペンタ−2−エンを環化脱水素さ
    せることを特徴とするジメチルナフタレンの製造方法。
  2. 【請求項2】結晶性アルミノシリケート、シリカアルミ
    ナ、アルミナから選ばれる1種以上が、パラジウムおよ
    び/または白金の0.1〜10倍重量である請求項第1
    項記載の方法。
  3. 【請求項3】担体が、パラジウムおよび/または白金の
    10〜200倍重量である請求項第1項記載の方法。
  4. 【請求項4】担体が、炭素、酸化珪素、酸化チタニウ
    ム、酸化ジルコニウムから選ばれる1種以上である請求
    項第1項記載の方法。
  5. 【請求項5】結晶性アルミノシリケートが、モルデナイ
    ト、X型、及びY型ゼオライトである請求項第1項記載
    の方法。
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