JPH05209291A - フッ素ガスの電解製造用電極及び電解槽並びにフッ素ガスの電解製造法並びに直接フッ素化法 - Google Patents

フッ素ガスの電解製造用電極及び電解槽並びにフッ素ガスの電解製造法並びに直接フッ素化法

Info

Publication number
JPH05209291A
JPH05209291A JP4189684A JP18968492A JPH05209291A JP H05209291 A JPH05209291 A JP H05209291A JP 4189684 A JP4189684 A JP 4189684A JP 18968492 A JP18968492 A JP 18968492A JP H05209291 A JPH05209291 A JP H05209291A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
anode
current collector
fluorine
electrolytic cell
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4189684A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3343139B2 (ja
Inventor
Gerald L Bauer
リー バウアー ジェラルド
William Ves Childs
ベス チャイルズ ウィリアム
Charles F Kolpin
フレデリック コルピン チャールズ
Dean T Rutten
トーマス ルッテン ディーン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
3M Co
Original Assignee
Minnesota Mining and Manufacturing Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Minnesota Mining and Manufacturing Co filed Critical Minnesota Mining and Manufacturing Co
Publication of JPH05209291A publication Critical patent/JPH05209291A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3343139B2 publication Critical patent/JP3343139B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25BELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES FOR THE PRODUCTION OF COMPOUNDS OR NON-METALS; APPARATUS THEREFOR
    • C25B1/00Electrolytic production of inorganic compounds or non-metals
    • C25B1/01Products
    • C25B1/24Halogens or compounds thereof
    • C25B1/245Fluorine; Compounds thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25BELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES FOR THE PRODUCTION OF COMPOUNDS OR NON-METALS; APPARATUS THEREFOR
    • C25B11/00Electrodes; Manufacture thereof not otherwise provided for
    • C25B11/02Electrodes; Manufacture thereof not otherwise provided for characterised by shape or form
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25BELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES FOR THE PRODUCTION OF COMPOUNDS OR NON-METALS; APPARATUS THEREFOR
    • C25B9/00Cells or assemblies of cells; Constructional parts of cells; Assemblies of constructional parts, e.g. electrode-diaphragm assemblies; Process-related cell features
    • C25B9/60Constructional parts of cells
    • C25B9/65Means for supplying current; Electrode connections; Electric inter-cell connections

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)
  • Electrodes For Compound Or Non-Metal Manufacture (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶融KF・2HF系電解浴の電解によってフ
ッ素を発生させるための電解槽におけるアノードとして
使用する炭素電極を提供する。さらに、直接フッ素化反
応器と組み合わせたフッ素電解槽の操業方法についても
開示する。 【構成】 本発明の電極は、(1)集電装置、(2)ア
ノード、並びに(3)(a)金属スリーブ及び(b)前
記金属スリーブに円周方向の圧縮力を均一に加える手段
を含んで成る電流キャリヤー、を含んで成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融フッ化カリウム−
フッ化水素系電解浴の電気分解によってフッ素を発生さ
せるための電解槽のアノードとして使用する炭素電極に
関する。別の態様では、本発明はフッ素電解槽に関す
る。さらに別の態様では、本発明は、フッ素電解槽及び
フッ素化反応器の操業法に関する。
【0002】
【従来の技術】(例えば、有機物質のフッ素化に用いら
れる)フッ素ガスの電解製造において、通常用いられて
いる電解槽は耐電解浴性容器、カソード、電解浴、ガス
分離手段、及びアノードを含んで成る。耐電解浴性容器
はさらに、電解浴温度を維持する手段と、発生工程の際
に消費されたフッ化水素を補充する手段とを含んで成
る。カソードは、典型的には通常軟鋼、ニッケル、また
はモネル(商標)ニッケル合金から成る。電解浴は、典
型的にはおよそKF・2HFの組成であり、そして約3
9〜42%のフッ化水素を含有する。Rudge のThe Manu
facture and Use ofFluorine and Its Compounds ,18-4
5,82-83 Oxford University Press (1962)を参照された
い。ガス分離手段は、(カソードで生成した)発生水素
及び(アノードで生成した)発生フッ素が自発的に且つ
しばしば激しくフッ化水素を再生成するのを防止する。
米国特許第4,602,985号明細書(Hough)を参照
されたい。
【0003】フッ素電解槽に使用されるアノードは、典
型的には未黒鉛化炭素でできている。炭素は低透過性ま
たは高透過性の、一体構造または複合構造であることが
できる。複合構造では、低透過性炭素の内部コアと、そ
の内部コアの上に形成させた(英国特許出願公開第2
135 335 A号明細書(Marshall) を参照された
い) 、またはそうでなければ組み立てもしくは二次加工
した(米国特許第3,655,535号(Ruehlenら) 、
同第3,676,324号(Mills)、同第3,708,
416号(Ruehlenら) 、及び同第3,720,597号
(Asheら) の各明細書を参照されたい) 高透過性炭素の
外部シェルとがある。
【0004】電極の形状や、電極に使用する材料の特性
が、電極の効率及び寿命を決める。電解槽中のアノード
として通常用いられている炭素電極は、一般に圧縮炭素
の付形素材である。典型的には、工業上用いられている
アノードはほぼ平面または平面を有する。
【0005】先述のRudge によると、溶融塩例えばKF
・2HFから発生したフッ素がよく知られている。しか
しながら、アノードの表面にまたは表面付近に存在する
状態がアノードの性能に影響を及ぼすことは知られてい
るが、電解法の本質はいまだに十分には説明されていな
い(先述のRudge を参照されたい) 。炭素電極を電解浴
中に浸漬すると、炭素が電解浴によって「濡れる」。し
かしながら、その電極を別の電極に対してアノードとす
ると、炭素は液状の電解浴にはもはや濡れず、すなわち
「接触角」が0から90度をはるかに超えるまで増大す
る。本出願明細書に用いられる語句「濡れる」とは、液
体が固体表面に連続皮膜として広がり、その結果接触角
が0に近づくことを意味する。本出願明細書に用いられ
る語句「接触角」とは、液体表面と固体表面とがなす角
度を意味する。アノード表面におけるフッ素の泡はレン
ズ状になり、アノード表面に付着する。電解浴による炭
素アノードの濡れを不十分にする作用は、アノードの細
孔内へ電解浴を強制的に入り込ませるに十分な静水圧が
加えられるまで存在しうるアノードの細孔へ、電解浴を
入り込ませることを困難にする(先述のRudge を参照さ
れたい) 。例えば、アノードとしてしばしば使用される
炭素は、5.0×102 パスカル(Pa)(0℃、圧力
760mmHg) で、炭素の全体積の50%以下またはそれ
以上の内部気孔率を有する厚み2.54cm(1インチ)
のプレート中、0.3〜3m3 空気・m-2分(1.0〜
10ft3 空気・ft-2分)の範囲の透過性を示す。炭素ア
ノードでは、発生したフッ素はそれが発生したアノード
表面を去り、細孔の網状構造内へ貫入し、この網状構造
を貫通し、そして電解浴の液面付近または液面上部のこ
の網状構造からフッ素捕集空間へと通過していく。著し
く深いところでは静水圧によって細孔内へ強制的に入り
込まされる電解浴が、フッ素が細孔内へ入り込むことを
妨害するように思われるかもしれない。しかしながら、
電解浴は炭素を不十分に濡らすだけなので、アノード表
面で発生したフッ素ガスは、電解浴を排除し且つ上述の
ように網状構造の細孔に入るのに十分なエネルギーを有
する。気孔率の高い炭素の電気抵抗は、以下に記載する
高密度炭素のそれの4倍になりうる。これは、より不十
分な電流密度分布をもたらす。
【0006】上述のRudge によると、炭素アノードを不
透質の炭素、すなわち低透過性炭素から加工した場合に
も、アノードの電解浴による濡れが不十分になる傾向が
ある。中から漏出するほどに顕著な内部網状構造の細孔
がないので、表面で発生したフッ素ガスはアノード表面
にレンズ上の泡を形成する。より多くの電流がアノード
を通過するにつれて、泡が成長し、そして静水圧が泡を
アノード表面に沿って上方に押しやり、電解浴表面上部
のフッ素捕集空間へと送り込む。その結果、アノード表
面の大部分がこれらのレンズ状の泡によって覆われてし
まう。これは、アノードから電解浴への電解電流の通過
に利用できる表面積の減少をもたらし、そして一般に同
じ量の電流を得るためにはより高い電圧の操業を必要と
する。低透過性炭素の電気抵抗は、高透過性炭素のそれ
のほんのわずかであって、アノード本体内部に改善され
た電流分布をもたらす。
【0007】先述のRudge に記述されているように、
「分極」は低透過性炭素アノードに伴う問題であって、
高透過性炭素アノードにとってはその問題はより小さい
ようである。高透過性炭素電極は分極に対してより高い
しきい値を有する傾向がある。しかしながら、高透過性
炭素は低透過性炭素よりも本質的に導電性が低いので、
不十分な電流分布を示す傾向がある。一定電流の操業下
では、電解槽の電圧は、最初は徐々に増大し、次いで急
激に増大して通常の2倍の電圧でさえも電流がアノード
をほとんど流れなくなる。これが起こったときを、アノ
ードが分極したという。高電圧処理が軽減を提供するこ
とが知られている。分極の始まりを防止するための各種
の添加剤及び処理もまた提案されてきた。例えば、平滑
な研磨面を有する改善された電解槽効率を示す炭素電極
について記載している米国特許第4,602,985号
明細書(Hough)を参照されたい。研磨方法についても記
載されている。
【0008】先述のRudge はさらに、発生したフッ素の
回収の問題及び炭素アノードの分極の問題の他に、認識
されている問題がいくつかあることを述べている。それ
らには、(1)炭素アノードと電流伝送金属接触部との
間の電気的接続、(2)電極の金属−炭素接合部におけ
る金属の腐食、(3)機械的応力が一定ではない状況下
での炭素アノードの機械的破損、及び(4)アノード全
体の電流分布、が含まれる。
【0009】先述のRudge によると、最初の二つの問題
は密接に関係しており、そして電解浴中に吊り下げられ
る電極を提供する場合に考慮されるべきである。電流伝
送接触部の金属と炭素アノードとの間の機械的及び電気
的接続は、少なくとも二つの主要な破損様式に従属す
る。第一の破損状況は、堅固な電気接続を提供する機械
的及び電気的能力である。第二の破損状況は、金属−炭
素接合部における「バイメタル」腐食または電蝕であ
る。電解浴の上面と集電装置の金属界面との間の炭素ア
ノードの領域は、抵抗加熱を受ける。米国特許第3,7
73,664号明細書(Tricoli ら) に記載されている
この金属−炭素接合部腐食は、時間の経過と共に悪化す
る傾向がある。電解槽の運転中に、金属−炭素接合部に
高電気抵抗性の生成物が形成する。これはおそらく、電
解浴液面上部のアノード帯域中で発生した蒸気、及び金
属−炭素接合部に浸入する電解浴によるためである。こ
れらの付着物は過熱を促進する傾向がある。その上これ
は、接合部のさらに高い抵抗によって、腐食の促進、腐
食生成物の蓄積、及び増大した抵抗加熱の周期的問題を
もたらす。
【0010】米国特許第3,773,644号明細書
(Tricoli ら) は、電解槽から突出している炭素アノー
ドを備えた改善された電解槽について記載している。電
解槽から突出している部分は、良好な導電性材料ででき
たガス耐性被膜によって被覆されている。その被膜は、
アノード上に押し付けてアノードの末端上を滑り嵌めす
ることによって結合させたキャップから成ると記載され
ている。
【0011】炭素アノードの上部の穴にねじ込まれるね
じ込みロッドにニッケル板が溶接されている電極が、英
国特許出願公開第2 135 334号明細書(Marsha
ll)に記載されている。次いで、その電極の外部に溶融
ニッケルをスプレーする。これが電極の内部コアと外部
コアとの間に導電的連続性を提供する。
【0012】特開昭60−221591号明細書(Koba
yashi ら) には、炭素電極の接触面に銅またはニッケル
を炎溶射した電極が記載されている。いくつかの金属、
例えば黄銅、金、錫、アルミニウム、銀、鉄、ステンレ
ススチール、もまた開示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】簡潔にいうと、本発明
の一態様において、溶融KF・2HF系電解浴からフッ
素ガスを電気分解的に発生または製造するための電解槽
のアノードとして有用な電極が提供される。本出願明細
書における「アノード」とは、電極に電流を印加したと
きに電解槽中のフッ素が発生する電気化学的に活性な電
極部分を意味する。電極は、電流キャリヤーと、集電装
置と、及び非黒鉛からなるアノードとを含んで成り、そ
して炭素のアノード面においてフッ素を発生させるのに
用いられる。電流キャリヤーは、集電装置とアノードと
の隣接部分を取り囲む金属スリーブ、及びそのスリーブ
に円周方向の圧縮力を均一に加える手段を含んで成る。
アノードは、好ましくは、集電装置の円筒部分に隣接し
て配置され、しかもその円筒部分の軸方向に並べられて
いる円筒部分を有する。電流キャリヤーは、アノードと
電源との間の電気的接続を提供する。
【0014】金属スリーブに適した材料は、操業条件下
の電解槽内部の腐食性雰囲気に対して反応性がなく、し
かも十分な導電性及び強度を有する材料である。このよ
うな材料には、ニッケル、金めっきニッケル、NiGold
(商標) めっきニッケル、白金、パラジウム、イリジウ
ム、レニウム、ルテニウム、オスミウム、モネル(商
標)ニッケル合金、銅、他の銅−ニッケル合金、または
他の非反応性金属もしくは合金が含まれるが、これらに
は限定されない。本出願明細書に用いられる「非反応
性」とは、材料がフッ素またはフッ化水素の蒸気に対し
て熱力学的に安定であるか、あるいは材料がフッ素また
はフッ化水素の蒸気と接触するとすぐに材料表面に不動
態コーティングを形成することを意味する。円周方向の
圧縮力を加える手段は、いくつかの圧縮バンドの適用で
ある。バンドは、典型的には、通常の軟鋼、すなわち炭
素含有量が非常に低い(<0.25%炭素)炭素鋼、か
ら加工されうる。圧縮手段として使用できる他の材料
は、電解槽の操業条件下で耐蝕性であり、そしてアノー
ド重量を支え且つ圧縮接続を提供するのに十分な引張強
度を提供する。
【0015】代わりに、集電装置は、金属スリーブのよ
うに機能し、集電装置の外径と同じかまたはほぼ同じ外
径、及びアノードの円筒部分と同じかまたはそれよりも
若干小さい内径を有する延長カフス(extension cuff)
を用いて加工されることができる。延長カフスはさらに
圧縮手段として機能する。例えば、延長カフスを十分に
加熱してカフスの径を拡大させ、次いでその拡張した延
長カフスにアノードを嵌合することができる。続いて嵌
合品を冷却し、アノードの円筒部分周辺を延長カフスに
「焼嵌め」させて、機械的及び電気的な接続を提供す
る。
【0016】円周方向の圧縮力を加える圧縮手段が、ア
ノードの亀裂を促進する一定でない機械応力の問題を回
避する金属−炭素接続を提供することが有利である。例
えば、金属−炭素接合を提供する従来の技法は、炭素電
極内部に金属ロッドを挿入することである。この技法
は、電極に膨張応力を加え且つ亀裂を促進する傾向があ
る。亀裂による電極の機械的破損は一定でない機械応力
に起因するものであり、金属−炭素接合部のまたは接合
部付近の炭素を破壊することになる。
【0017】アノードのある実施態様は、炭素表面に配
置された複数の平行で且つ実質的に垂直な溝(このよう
な溝が、発生したフッ素の流れ及びその捕集を容易にす
る)を有する非黒鉛炭素の一部分を含んで成るものであ
る。非黒鉛炭素が低い透過性を有すること、すなわち典
型的に1.4g・cm-3以上の密度及び典型的に22%以
下の気孔率を有する炭素であることが好ましい。その炭
素の透過性は、典型的には、5.0×102 Pa(0
℃、圧力760mmHg) において、厚み2.54cm(1イ
ンチ)のプレート中、0.03m3 空気・m-2分(0.
1ft3 空気・ft-2分)である。電気抵抗は典型的には
0.00414オームcmである。
【0018】本発明の電極のある実施態様では、電解槽
の操業の際にアノードで発生したフッ素をパージするた
めの手段がアノードに設けられている。パージ手段は、
電解浴液面のすぐ上の点においてアノードに不活性ガス
(すなわち、電解槽の操業の際にフッ素に対して「非反
応性」である)を流入させる手段を提供する。電解槽内
の電解浴液面上部の密閉空間は、典型的には「ヘッドス
ペース」と呼ばれ、そこでは発生したフッ素が捕集及び
/または蓄積される。不活性ガスは、フッ素をアノード
の長さ方向に沿って上向きにヘッドスペースへと流動さ
せるというよりは、むしろフッ素を電解浴面上部のアノ
ードの細孔からパージする。パージ手段は、電解槽のヘ
ッドスペース内部のアノード部分及び電流キャリヤー
に、腐食に対する保護を提供する。スリーブと電極との
接触部は、電極をパージすることによって、あるいは電
解浴の上部でフッ素を電極から流出させることによっ
て、保護される。アノードをパージすると、発生したフ
ッ素が不活性パージガスで希釈されるので有利である。
これが、金属−炭素接合部の腐食に対する保護の別の方
法を提供すると同時に、使用に適した希釈されたフッ素
ガス(図7に関連して記述される)を提供する。透過性
炭素アノードの密度は典型的には約1.0g・cm -3であ
り、気孔率は典型的には45〜50%であることが好ま
しい。炭素の透過性は、5.0×102 Pa(0℃、圧
力760mmHg) において、厚み2.54cm(1インチ)
のプレート中、0.3〜3m3 空気・m-2分(1.0〜
10ft3 空気・ft-2分)の範囲である。電気抵抗は典型
的には0.0177オームcmである。
【0019】本発明の別の態様は、溶融KF・2HF系
電解浴からフッ素ガスを電解製造するための電解槽を提
供する。前記電解槽は槽ハウジングと、電流キャリヤー
と、集電装置と、水素発生用カソードとして用いられる
第一電極と、フッ素発生用アノードとして用いられる第
二電極とを含んで成り、電極のアノードは非黒鉛炭素か
らなる。好ましくは、電解槽は、カソードとして機能す
る槽ハウジングと、アノードとして使用するための、以
下の(1)〜(4)の組合せ、すなわち(1)集電装
置、(2)アノード、(3)(a)アノードの一部を被
覆している金属スリーブと、(b)該金属スリーブが集
電装置とアノードとの間に電気接続を提供するように、
アノードを被覆している金属スリーブに円周方向の圧縮
力を均一に加える手段とからなる電流キャリヤー、及び
(4)アノード面で発生したフッ素をパージするまたは
希釈する手段の組合せ、を含んで成る電極とを含んで成
る。
【0020】本発明の別の態様は、フッ素の電解発生と
有機物質の直接フッ素化とを組み合わせた統合された方
法を提供する。この方法は、本発明の電解槽中でフッ素
−不活性ガス混合物を生成物として発生させることから
なる。次いで、電解槽の生成物を、例えばPCT WO
90/06296号明細書(Costelloら) に記載(そ
の反応器についての記載を本明細書では参照する)され
ているように、直接フッ素化(DF)反応器に直接供給
してフッ素化有機物質を製造する。DF反応器の気体状
流出生成物は、何かのフッ素化生成物と、不活性ガス
と、及びフッ化水素を含みうる。
【0021】DF反応器の流出生成物は慣例の手段、例
えばデカンテーション、または蒸留によって分離するこ
とができ、その結果、直接フッ素化のフッ素化生成物を
適当に収集且つ使用し、一方、不活性ガスを再循環して
電解槽に戻すことができる。さらに、DF反応器の生成
物から分離されたフッ化水素を電解槽に再循環して、溶
融KF・2HF系電解浴を補充することができる。
【0022】
【課題を解決するための手段、作用、及び効果】ここで
図面を参照すると、類似の要素を表すために類似の参照
番号が付されており、そして最初に図1〜4を参照する
と、参照番号11で一般的に表された電極集成体が例示
されており、これは隣接する集電装置16が上に載って
いる円筒状の非黒鉛アノード10を含んで成る。アノー
ド10と集電装置16は、金属スリーブ18(図2及び
3を参照のこと)と圧縮手段20とを含んで成る参照番
号13で一般的に表されたアノード電流キャリヤーによ
って取り囲まれている。アノード10、集電装置16、
及び金属スリーブ18は、圧縮手段20によって一緒に
円周方向に圧縮されている。電解浴溶液を含有する電解
槽(図6を参照のこと)中に電極11を配置したとき
の、電解槽中の電解浴のおよその上部液面が参照番号1
4で表されている。ヘッドスペース(図6に示されてい
る)内の電極11の上部、すなわち電解浴液面14の上
の領域は、通常の電解槽操業条件の際にヘッドスペース
内に存在する発生したフッ素や他の蒸気による攻撃及び
抵抗加熱を受け易い。集電装置16の中央の開口部を通
してアノード10中にぶらさがっている任意のアノード
プローブ12は、アノード10中における温度及び電圧
を測定する外装熱電対であり、その末端が電解浴液面1
4のすぐ上にきている。典型的には、アノード10の幾
何学的中心部に小孔23があけられている。
【0023】上部円筒部分を有するアノード10は、低
透過性または高透過性の一体構造のものであっても、複
合構造のものであってもよい。英国特許出願公開第2
135 335号明細書に記載されているように、複合
構造では、低透過性炭素の内部コアと、その低透過性部
分上に形成された高透過性炭素の外部シェルとが存在す
る。
【0024】集電装置16は、典型的には、通常の軟
鋼、ニッケル、モネル(商標)ニッケル合金、または他
の適当な材料から加工される。集電装置16は、電流を
アノード10へ伝導し、アノード10を機械的に支持す
る役割をもち、そして発生したフッ素を捕集するための
導管として機能することができる(図4、集電装置16
0も参照のこと)。
【0025】金属スリーブ18は、集電装置16とアノ
ード10との間の機械的及び電気的な連続性を提供す
る。代わりに、集電装置16は、集電装置16の一体部
分として延長カフスを設けることができ、そして金属ス
リーブ18として機能する。
【0026】ここで図2を参照すると、金属スリーブ1
8の好ましい実施態様が示されており、それは典型的に
は、ニッケルをめっきした銅から加工されている。しか
しながら、金めっきまたは他の非反応性金属をオーバー
プレートしたニッケル、モネル(商標)ニッケル合金、
または他の耐蝕性合金もまた使用可能である。めっき
は、銅板上にニッケル層を直接電気めっきし、次いでそ
のニッケル層上に金属を電気めっきすることを含んで成
る。銅は、3または4アンペアから数千アンペアまでの
電流を伝導するのに十分な厚みと、圧縮接続を提供する
のに十分な柔軟性とをもつべきであるが、一方では電解
槽の組立や取扱いの際にアノード10を支持するのに十
分な強度をもつべきである。ニッケルは、層の厚みが1
〜100マイクロメートルの範囲になるまで銅上に電気
めっきすることができる。金の電気めっきは、典型的に
はニッケルめっきよりも薄く、しかも保護性の、非反応
性の導電層を提供するのに十分な厚みでなければならな
い。金めっきの厚みは、典型的には0.1〜100マイ
クロメートルの範囲にある。金属スリーブ18の長さ及
び直径は、アノード10及び集電装置16の直径によっ
て決まる。スプリットスリーブ18とアノード10との
間の接触面積は、電気的連続性及び機械的安定性を保証
するのに十分でなければならない。
【0027】任意ではあるが、アノード10に吹付塗ニ
ッケル層をコーティングして、集電装置16とアノード
10との間に改善された電気接続を提供することができ
る。吹付塗ニッケル層は、典型的には、アノード電流キ
ャリヤー13によってアノード10と集電装置16を集
成する前に適用される。吹付塗ニッケルコーティング
は、当業者には周知の方法、例えばプラズマスプレー、
電着、または無電解付着、によって付与することができ
る。
【0028】図3を参照すると、図1及び2に示した金
属スリーブ18とは別の実施態様は、シム26を有する
金属板24からなる金属スリーブ22である。金属板2
4は、銅、ニッケルめっき銅、ニッケル、モネル(商
標)ニッケル合金、金めっき銅、またはそれらのいずれ
かの組合せであることができる。シム26の数は、スリ
ーブ22とシム26との相対的寸法に依存する。シム2
6は様々な方法で挿入される。簡単な方法は、アノード
10(図1に示された)と集電装置16(図1に示され
た)を組み立てて、アノード10及び集電装置16の周
囲に金属スリーブ22をゆるく配置する方法である。次
いで、金属板24(図3に示された)の下にシム26を
配置し、そしていくつかのバンド20(図1に示した)
を用いてスリーブ22をしっかりと締め付ける。シム2
6は、ニッケルめっき銅、銅、ニッケル、金めっきニッ
ケル、もしくは金めっき銅、または他の非反応性金属
(例、白金、パラジウム)から加工することができる。
シム26が、NiGold(商標)金めっきニッケルストリッ
プから加工されたものであることが好ましい。シム26
は、典型的には、少なくとも1マイクロメートルの金め
っきを有する。NiGold(商標)金めっきニッケル(Inco
Alloys International,Inc.,Huntington,WVより入手可
能な有標製品)は、制御された表面を作るために熱処理
された金属合金のストリップである。
【0029】商業的に利用できる圧縮手段20(図1及
び4に示された)は、いくつかの軟鋼バンド(例えば、
Fast Lok,Decorah,IA から入手できるもの) である。い
くつかの圧縮手段20は、圧縮力によって、集電装置1
6に隣接して配置されたアノード10を保持する。圧縮
手段20は、典型的には、図1及び4に示したよりも共
に接近して配置されている。図に示したように圧縮手段
20が離れているのは、正確さよりも明確さのためにそ
うしたものである。
【0030】図4を参照すると、参照番号110で一般
的に示された電極の一部が例示されており、それは集電
装置160に隣接したアノード10(アノード)の円筒
状の非黒鉛部分を含んで成る。アノード10及び集電装
置160は、金属シム120といくつかの圧縮手段20
(簡素化のため一つだけを示す)とを有する金属スリー
ブ140を含んで成る参照番号130で一般的に示され
たアノード電流キャリヤーによって、取り囲まれてい
る。集電装置160及びアノード10の幾何学的中心部
または中心部付近に配置されている開口部240に、管
200が挿入されている。管200の底部は、開口部2
40の底部に小さな空間280が残るように配置されて
いる。管200は、典型的には、ニッケル、銅、モネル
(商標)ニッケル合金、または他の非反応性金属ででき
ており、すなわちアノード10で発生したフッ素に対し
て非反応性である。電解槽(図6を参照のこと)の操業
の際には、矢印42で一般的に示された非反応性ガス
は、管200の中を通って流れ、管200の底部に到達
し、電解浴液面14のすぐ上のアノード10を通過して
ヘッドスペースへ入り込む。フッ素発生の際には、非反
応性ガス42及び発生フッ素40は矢印のように流れ
て、矢印44で一般的に示された流出生成物は集電装置
160の開口部220を通り開口部240を通過してい
く。本発明の実施に適した非反応性ガスには、窒素、ア
ルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、S
6 、及びCF4 が含まれるが、これらには限定されな
い。
【0031】流出生成物44は、慣例の分離技法、例え
ば蒸留を用いて、本質的に純粋なフッ素と、パージ手段
で使用された非反応性ガスとを提供することができる。
流出生成物44は、PCT WO90/06296号明
細書(Costelloら)(図7及びその記載についても参照
のこと)に記載されているように直接フッ素化反応に使
用するか、Surface Treatment of Polymers,II.Effecti
veness of Fluorination as a Surface Treatment for
Polyethylene,J.Appl.Polym.Sci.vol.12,pp 1231-37(19
68) に記載されているように、各種フィルム処理技法の
雰囲気ガスとして使用するか、米国特許第4,491,
653号明細書に記載されている六フッ化ウランや三フ
ッ化コバルトの生産に使用するか、あるいは非反応性ガ
ス混合物で希釈したフッ素が使用できるどんな場合にで
も使用できる。
【0032】スカート230は、カソード(図示なし)
で発生した生成物水素と、アノード110で発生した生
成物フッ素とを隔離する。スカート230は、電解浴1
4によるものを除いて、アノード10またはカソードの
いずれにも電気的に接続されていない。スカート230
は、ガスケット180によって集電装置160とは電気
的に隔離されている。スカート230は、典型的には、
モネル(商標)ニッケル合金、マグネシウム、マンガ
ン、通常軟鋼、ニッケル、または(フッ素に対して非反
応性の)他の適当な材料でできている。アノード10へ
の電気的接続は、母線(図示なし)からバスコネクター
260、集電装置160、及びアノード電流キャリヤー
を通っている。図4は図3に示したものに類似した形状
の金属スリーブを例示しているが、図2に示した金属ス
リーブ18または上述の延長カフスを使用することも可
能である。
【0033】図5(a)を参照すると、アノード50が
示されており、それはアノード50の外周部に配置され
た複数の平行で且つ実質的に垂直な溝51を有する低透
過性の非黒鉛炭素を一部含んで成る。溝51は、発生し
たフッ素ガスを溝51の中を上方向に移動させるのに十
分に深いものでなければならない。溝51が狭すぎる
と、ガスをアノード50の上方向に流動させるには小さ
すぎる手段となる。溝51の幅が広すぎると、電解浴が
溝51に流れ込んでくる。溝が広すぎることは、溝が狭
すぎることよりも問題としては顕著に小さいものであ
る。溝が広すぎる場合には、電解浴を溝から追い出すた
めに若干のエネルギーを要するだけである。溝51はV
形、U形、角形、楕円形、または規則的ないずれかの幾
何学的形状であることができ、そして溝51の内部表面
は任意に平滑化や研磨されることができる。溝51は、
およそ幅10〜1000マイクロメートル(μm)、深
さ100〜5000μmの範囲にあり、そして発生した
フッ素の流れを促進するのに十分な長さのものである。
好ましくは、溝51は、電流キャリヤーのすぐ下の点か
らアノード50の底部へと延びている。溝51は、溝5
1の幅の約3〜50倍である溝間隔で、円筒体の周囲に
配置されるか、あるいは炭素スラブ上に垂直に配置され
る。溝51は、それがないと発生したフッ素が電流を遮
断してしまうであろう場所において、発生したフッ素の
流れや捕集を促進する。炭素アノードを図5(a)に示
したようにほぼ円筒状にした場合、溝51はアノード5
0の円周部に垂直に配置される。炭素アノードを図5
(b)に示したようにほぼ平板状にした場合、溝51は
アノード52の電解活性部分53を横切って垂直に配置
される。任意ではあるが、溝51の間の面54を平滑化
及び研磨することができる。溝51の間の面54の研磨
方法は周知であり、米国特許第4,602,985号明
細書(Hough)に記載されている方法が含まれる。
【0034】任意ではあるが、炭素アノード(どちらの
形状のものも)は、高透過性の非黒鉛炭素から加工する
こと、あるいは英国特許出願公開第2 135 335
号明細書に記載されている複合構造体であることができ
る。さらに、炭素アノードは、遷移金属、例えばニッケ
ルを内部に分散させて含有することができる(米国特許
第4,915,829号明細書を参照されたい)。
【0035】図6を参照すると、溶融KF・2HF系電
解浴においてフッ素ガスを製造するための改善された電
解槽30が例示されている。電解槽30は、電解浴36
を含有するための容器またはハウジング37を含んで成
り、そして電解浴36に対して不活性な壁と、直流電源
(図示なし)に接続された電極35とを含んで成る。容
器37もまた直流電源(図示なし)に接続されている。
電極35を電解浴36の中に浸漬するように容器37内
で配置することができ、その結果、電流を電流キャリヤ
ー33に加えたときに電極35は電気化学的にアノード
となり、電流を容器37に加えたときに容器37は電気
化学的にカソードとなる。カソードから発生するガス
(水素ガス)を捕集する手段31、及び電解浴36の操
業温度を制御し且つ制限する手段(図示なし)もまた設
けられている。ヘッドスペース45も図示されている
が、これについては既に規定したとうりである。
【0036】本発明の電解槽は、電極として、図1、
4、及び5を参照して上述した本発明の三種類の電極の
うちのいずれか一つを利用する。好ましい電極は、アノ
ード10、アノード電流キャリヤー13、及びパージ手
段を含んで成る電極110(図4を参照されたい)であ
る。電解槽30は、例えば、Organic Electrochemistr
y,An Introduction and a Guide,(3rd ed.), Anodic Fl
uorination ,Chap 26,pp1103-27,(Marcel Dekker,Inc.,
1991) 、及びTechniques of Chemistry,"Techniques of
Electroorganic Synthesis", The Phillips Electroch
emical Fluorination Process ,Chap 7,pp 341-84,(Joh
n Wiley & Sons,1982)に記載されている方法に従って操
作することができる。
【0037】図7を参照すると、フッ素発生及び直接フ
ッ素化の統合された方法の概略図が例示されている。好
ましい統合法は、以下の(1)〜(10)の段階を含ん
で成る: (1)パージ手段(図示なし)を有する電解槽60にお
いてフッ化カリウム−フッ化水素系電解浴(図示なし)
からフッ素を発生させる段階; (2)不活性ガス62を電解槽60内へ導入し、発生し
たフッ素を電解槽60のアノード(図示なし)からパー
ジする段階; (3)気体状混合物65を電解槽60から除去する段
階; (4)カソードで発生した気体状水素64を電解槽60
から除去し、そして処分する段階; (5)PCT WO90/06296号明細書(Costel
loら) に記載されている反応器と類似の型の直接フッ素
化反応器66に、気体状混合物65を供給する段階; (6)有機炭化水素前駆体72を直接フッ素化反応器6
6に供給し、有機炭化水素前駆体72と気体状混合物6
5とを一緒に反応させて、フッ素化生成物70と、フッ
化水素67と、不活性ガス62と、及び未反応フッ素と
を含んで成る反応器生成物68を生成させる段階; (7)反応器生成物68を捕集手段69内に捕集する段
階(該捕集手段69は、反応器生成物68をフッ素化生
成物70と、フッ化水素67と、不活性ガス62と、及
び未反応フッ素とに分離する手段を提供することができ
る); (8)任意ではあるが、段階(2)に記載したように、
不活性ガス62を電解槽60に再循環させる段階; (9)任意ではあるが、フッ化水素67を電解槽60に
再循環させる段階(再循環されたフッ化水素67は、フ
ッ化カリウム−フッ化水素系電解浴(図示なし)から消
耗したフッ化水素を補充する);及び (10)任意ではあるが、フッ素を再循環させる段階。
【0038】
【実施例】本発明の目的及び利点を以下の実施例によっ
てさらに説明するが、これらの実施例に記載された特定
の材料及びその量、並びに他の条件や詳細部分を本発明
を不当に限定するものと解釈すべきではない。以下の実
施例では、溶融電解浴は電解浴1グラム当たり20.8
5meq のHF(HF41.7重量%)を含有する一般に
KF・2HFと記述される電解浴とした。
【0039】実施例1 この実施例は、図1に例示されているような金めっきを
有さないニッケルめっきスリーブを有する電極を用いた
電解槽の実施例である。先述のRudge らが記載したよう
な標準的実験室用電解槽を使用した。カソードは軟鋼製
電解槽容器とした。電解槽のケースは温度を制御するた
めにジャケットを設けた。電極のアノード部は、市販さ
れている高透過性の非黒鉛炭素(Union Carbide より入
手できるタイプPC−25)とした。炭素アノード片
は、長さ約36.5cm、外径(O.D.)3.5cmであ
った。金属スリーブは、長さ約25cm、直径3.5cm、
厚み0.32cmのニッケルめっき銅とした。集成後、電
極をKF・2HF系電解浴中の深さ約26.4cmまで浸
漬した。電解槽は約90℃で操業した。電解槽は59.
6アンペアにランプすることによって始動した。フッ素
が発生すると、それをエタンと反応させた。エタンは、
過剰のエタンを確保するのに十分な速度で電解槽に供給
した。フッ素が発生するにつれてフッ化水素(HF)が
消耗していく電解浴を補充する要求に応じて、フッ化水
素を電解槽に供給した。実験は、電解槽のヘッドスペー
ス内に位置している金属−炭素接合部の腐食によって、
54時間後に停止した。ヘッドスペースは、未反応フッ
素、HF、フッ化カリウム、及び未反応エタンを含んで
成るガス混合物で満たされていた。1400アンペア時
後の59.6アンペアにおいて、集電装置と高透過性炭
素との間の電圧降下は45ミリボルト(mV) であり、そ
して上昇していた。
【0040】実施例2 この実施例は、図1に例示されているような金をめっき
したニッケルめっき銅製スリーブを有する電極を用いた
電解槽の実験例である。実施例1及び上述のRudge らに
記載されているような標準的実験室用電解槽を使用し
た。カソードは軟鋼製電解槽容器とした。電解槽のケー
スは温度を制御するためにジャケットを設けた。アノー
ドは、市販されている高透過性の非黒鉛炭素(Union Ca
rbide より入手できるモデルPC−25)とした。炭素
アノード片は、長さ約36.5cm、外径(O.D.)
3.5cmであった。金属スリーブは、長さ約25cm、直
径3.5cm、厚み0.32cmの1.3マイクロメートル
の金をめっきしたニッケルめっき銅とした。集成後、電
極をKF・2HF系電解浴中の深さ約26.4cmまで浸
漬した。電解槽は約90℃で操業した。電解槽は59.
6アンペアにランプすることによって始動した。フッ素
が発生すると、それをエタンと反応させた。エタンは、
過剰のエタンを確保するのに十分な速度で電解槽に供給
した。フッ素が発生するにつれてフッ化水素(HF)が
消耗していく電解浴を補充する要求に応じて、フッ化水
素を電解槽に供給した。電極は、数百時間運転された。
8000アンペア時後の59.6アンペアにおいて、電
圧降下は7.7mVだけであり、金属−炭素接合部の腐食
を示す抵抗の増加はまったく示されなかった。
【0041】実施例3 この実施例は、図1に例示されているようなNiGold (商
標)めっき銅をめきしたスリーブを有するアノードを用
いた実験例である。電解槽条件及び実験操作条件は、実
施例1及び2のそれらと同じとしたが、但し炭素アノー
ドは長さ約100cm、外径20cmとした。集成後、電極
をKF・2HF系電解浴中の深さ約80cmまで浸漬し
た。電解槽は約90℃で操業した。電解槽は720アン
ペアにランプすることによって始動した。フッ素が発生
すると、それをエタンと反応させた。エタンは、過剰の
エタンを確保するのに十分な速度で電解槽に供給した。
フッ素が発生するにつれてフッ化水素(HF)が消耗し
ていく電解浴を補充する要求に応じて、フッ化水素を電
解槽に供給した。金属−炭素接合部を横切る電圧降下
は、900時間後、720アンペアにおいて330〜3
50mVで安定しており、金属−炭素接合部の腐食を示す
抵抗の増加はまったく示されなかった。実験終了後、目
視観察によって軽微な崩壊が認められた。
【0042】実施例4 この実施例は、図5(a)に例示されているような溝付
の低透過性炭素アノードを用いた実験例である。
【0043】円筒状の低透過性炭素アノード(Stackpol
e Carbon Co.,St.Marys,PAより入手できるグレード62
31)をフッ素電解槽で使用した。炭素アノードは長さ
33.0cm、外径3.5cmであった。集成後、電極をK
F・2HF系電解浴中の深さ約26.4cmまで浸漬し
た。アノードは、アノードの円周部に配置された垂直な
溝を有した。溝の幅は0.3mm、深さは2mmで、中心部
の間隔は約2mmとした。カソードは、アノードを取り囲
む内径(I.D.)7.6cmのモネル(商標)ニッケル
合金の円筒とした。KF・2HF系電解浴は90℃に維
持した。電解槽の操業中は、フッ素及び水素を製造しな
がら電解浴を補充するためにフッ化水素(HF)を連続
的に添加した。
【0044】アノードは、9日間にわたって53.6ア
ンペア(180macm-2)までランプすることによってゆ
っくりと始動させた。電流表示が53.6アンペアに到
達すると、電解槽電位は8.1ボルトとなった。電位は
急激に上昇し、そして46時間でアノードは分極した。
アノードを24ボルトで約30秒間保持することによっ
て脱分極させた。次いで電圧を解除し、電解槽を再始動
した。53.6アンペア(180macm-2)の定常電流が
すぐに確立された。その後電解槽及びアノードは、再度
分極することなく、さらに1000時間以上の操業を継
続した。
【0045】比較用実施例C1 この実施例は、溝を有さない固体の低透性製炭素アノー
ドを用いた例である。
【0046】円筒状の固体炭素アノード(Stackpole Ca
rbon Co.,St.Marys,PAより入手できるグレード623
1)をフッ素電解槽で使用した。炭素アノードは長さ3
3.0cm、外径3.5cmであった。集成後、電極をKF
・2HF系電解浴中の深さ約26.4cmまで浸漬した。
アノードは溝を有さなかった。カソードは、アノードを
取り囲む内径7.6cmのモネル(商標)ニッケル合金の
円筒とした。KF・2HF系電解浴は90℃に維持し
た。電解槽の操業中は、フッ素及び水素を製造しながら
電解浴を補充するためにHFを添加した。
【0047】アノードは、5アンペア(17macm-2)で
最初に始動した。5アンペアにおいてわずか1.3時間
後にアノードが分極した。アノードを24ボルトで約3
0秒間保持することによって脱分極させた。次いで電流
を切り、電解槽を再始動した。24時間にわたって電流
を5アンペアから53.6アンペアにランプした。その
後、53.6アンペアにおいてわずか139時間後にア
ノードは再度分極した。
【0048】実施例5 窒素パージ管200を有する図4に示されたようなアノ
ード集成体において、高透過性炭素アノード(Union Ca
rbide より入手できるPC−25)を使用した。熱電対
(図示なし)を管200を通して管200の底部付近に
まで挿入した。流量約1000ml/分の窒素を、管20
0を通して、電解浴液面付近の炭素アノード内へ計量注
入した。窒素を、供給管を通してアノードの底部に加え
ることはしなかった。
【0049】アノードは、53.6アンペア(200ma
cm-2)において350時間にわたって良好に操業した。
その後、電流レベルは80アンペアに上昇した。電解槽
を約4時間操業した後、端子電圧は安定であるように見
えた。電解槽の操業を停止して、アノード集成体を検査
した。アノードはまったく損傷を受けていないことが明
かであった。電極上部の炭素部分は堅固であり、焼けた
兆候はまったくなかった。焼けは通常白色物質の存在に
よって示される。
【0050】比較用実施例C2 窒素パージ管200を有さない、図4に示されたような
アノード集成体において、高透過性炭素アノード(Unio
n Carbide より入手できるPC−25)を使用した。流
量約100ml/分の窒素を、供給管を通してアノード底
部へ計量注入した。
【0051】アノードは、53.6アンペア(200ma
cm-2)において500時間にわたって操業した。その
後、電流レベルは80アンペアに上昇した。電解槽を約
30分間操業した後、端子電圧が上昇した。アノードの
損傷が予想された。電解槽の操業を停止して、アノード
集成体を検査した。アノードがニッケルスリーブのすぐ
下で焼けている明白な証拠が存在した。損傷は厳しいも
のであり、アノードを電解槽から取り出したときにアノ
ードは崩壊した。
【0052】本発明の範囲及び精神を逸脱することなく
本発明を様々に改変及び改質できることは当業者には明
白であり、本発明は本明細書に記載した例示的実施態様
に不当に限定されるべきものではないことを理解すべき
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電極の一実施態様を示す立面図におけ
る横断面図である。
【図2】本発明によるスリーブの立面図における等角図
である。
【図3】スリーブ形状の平面図である。
【図4】スカート及びパージ手段と共に示された図1の
電極配置の立面図における横断面図である。
【図5】それぞれアノード面に複数の溝を有するアノー
ドの二つの実施態様を示す等角図である。
【図6】本発明の電解槽の立面図における横断面図であ
る。
【図7】本発明のフッ素発生及び直接フッ素化の統合さ
れた方法を示す略線図である。
【符号の説明】
10,50,52…アノード 11…電極集成体 12…アノードプローブ 13,33,130…アノード電流キャリヤー 14…電解浴液面 16,160…集電装置 18,22,140…金属スリーブ 20…圧縮手段 23…小孔 24…金属板 26,120…シム 30,60…電解槽 31,69…ガス捕集手段 35…電極 36…電解浴 37…容器 51…溝 62…不活性ガス 64…気体状水素 65…気体状混合物 66…直接フッ素化反応器 67…フッ化水素 68…反応器生成物 70…フッ素化生成物 72…有機炭化水素前駆体 180…ガスケット 200…管 220,240…開口部 230…スカート 260…バスコネクター
フロントページの続き (72)発明者 ウィリアム ベス チャイルズ アメリカ合衆国,ミネソタ 55144−1000, セント ポール,スリーエム センター (番地なし) (72)発明者 チャールズ フレデリック コルピン アメリカ合衆国,ミネソタ 55144−1000, セント ポール,スリーエム センター (番地なし) (72)発明者 ディーン トーマス ルッテン アメリカ合衆国,ミネソタ 55144−1000, セント ポール,スリーエム センター (番地なし)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融KF・2HF系電解浴からフッ素ガ
    スを電解製造するための電解槽に使用する電極におい
    て、前記電極が以下の(1)〜(3): (1)集電装置; (2)円筒状の非黒鉛炭素部分を含んで成るアノード;
    並びに (3)(a)隣接して配置されている前記アノードの一
    部と前記集電装置の一部とを被覆している金属スリー
    ブ;及び(b)電解槽の前記アノード及び前記集電装置
    の隣接し且つ軸方向に並べられた部分を被覆している前
    記金属スリーブに円周方向の圧縮力を均一に加えて、前
    記アノードと前記集電装置との電気的接触を維持する手
    段(前記アノードの前記非黒鉛炭素部分と前記集電装置
    とはほぼ同じ外径を有する);を含んで成る電流キャリ
    ヤー;を含んで成る、フッ素ガスの電解製造用電極。
  2. 【請求項2】 前記金属スリーブが、銅、ニッケル、ニ
    ッケルめっき銅、金めっき銅、及び金めっきニッケルよ
    り成る群から選択された、請求項1記載の電極。
  3. 【請求項3】 前記非黒鉛炭素が、低透過性炭素または
    高透過性炭素のうちのいずれかである、請求項2記載の
    電極。
  4. 【請求項4】 溶融KF・2HF系電解浴と、水素発生
    用カソードとして使用する第一電極と、フッ素発生用ア
    ノードとして使用する第二電極とを含んで成る電解槽内
    でフッ素ガスを電解製造する方法において、前記アノー
    ドとして、前記アノードの円周の周囲に配置された複数
    の平行で且つ実質的に垂直な溝を有する非黒鉛低透過性
    炭素を使用することによって、前記電解槽内でフッ素を
    発生させる工程を含んで成る前記方法。
  5. 【請求項5】 溶融KF・2HF系電解浴からフッ素ガ
    スを電解製造するための電解槽に使用する電極におい
    て、集電装置及びアノード(前記電極の前記アノード
    は、非黒鉛炭素を含んで成り、しかもフッ素発生用アノ
    ードとして使用される)、並びに前記アノードで発生し
    且つ前記アノードの細孔内に分散したフッ素を前記フッ
    素に対して不活性である計量された下向きに流れるガス
    を用いてパージするための手段、を含んで成る前記電
    極。
  6. 【請求項6】 前記手段が、前記集電装置の上部外側面
    を始点とし、且つ前記電解浴の上面手前を終点とする、
    前記アノードの幾何学的中心部に配置された導管手段を
    さらに含んで成る、請求項5記載の電極。
  7. 【請求項7】 前記手段が、前記集電装置と前記電解浴
    の上面との間に配置された運搬手段をさらに含んで成
    る、請求項5記載の電極。
  8. 【請求項8】 前記不活性ガスが、窒素、アルゴン、ヘ
    リウム、ネオン、クリプトン、キセノン、SF6 、及び
    CF4 より成る群から選択された、請求項5記載の電
    極。
  9. 【請求項9】 溶融KF・2HF系電解浴からフッ素ガ
    スを電解製造するための電解槽に使用する電極におい
    て、前記電極が以下の(1)〜(4): (1)集電装置; (2)非黒鉛低透過性炭素アノード; (3)(a)隣接して配置されている前記アノードの一
    部と前記集電装置の一部とを被覆している金属スリー
    ブ;及び(b)電解槽の前記アノード及び前記集電装置
    の隣接し且つ軸方向に並べられた部分を被覆している前
    記金属スリーブに円周方向の圧縮力を均一に加えて、前
    記アノードと前記集電装置との電気的接触を維持する手
    段(前記アノードと前記集電装置とはほぼ同じ外径を有
    する);を含んで成るアノード電流キャリヤー;並びに (4)前記アノードの外側表面の周囲に垂直に配置され
    た複数の平行な溝;を含んで成る、フッ素ガスの電解製
    造用電極。
  10. 【請求項10】 フッ化カリウム−フッ化水素系溶融電
    解浴からフッ素ガスを電解製造するための電解槽に使用
    する、集電装置及びアノードを含んで成る電極におい
    て、前記電極が以下の(1)〜(3): (1)非黒鉛の低透過性炭素アノード; (2)(a)隣接して配置されている前記アノードの一
    部と前記集電装置の一部とを被覆している金属スリー
    ブ;及び(b)電解槽の前記アノード及び前記集電装置
    の隣接部分を被覆している前記金属スリーブに円周方向
    の圧縮力を均一に加えて、前記アノードと前記集電装置
    との電気的接触を維持する手段(但し、前記アノード及
    び前記集電装置の前記部分はほぼ同じ外径を有する);
    を含んで成るアノード電流キャリヤー;並びに (3)前記アノードで発生し且つ前記アノードの細孔内
    に分散したフッ素を前記フッ素に対して不活性である計
    量された下向きに流れるガスを用いてパージするための
    手段;を含んで成る、フッ素ガスの電解製造用電極。
  11. 【請求項11】 溶融KF・2HF系電解浴からフッ素
    ガスを電解製造するための電解槽において、以下の
    (1)〜(6): (1)電解槽ハウジング; (2)集電装置; (3)水素発生用カソードとして使用する第一電極; (4)フッ素発生用アノードとして使用する第二電極
    (前記電極の前記アノードは非黒鉛の低透過性炭素を含
    んで成る); (5)(a)隣接して配置されている前記アノードの一
    部と前記集電装置の一部とを被覆している金属スリー
    ブ;及び(b)電解槽の前記アノード及び前記集電装置
    の隣接部分を被覆している前記金属スリーブに円周方向
    の圧縮力を均一に加えて、前記アノードと前記集電装置
    との電気的接触を維持する手段(但し、前記アノード及
    び前記集電装置の前記部分はほぼ同じ外径を有する);
    を含んで成るアノード電流キャリヤー;並びに (6)前記アノードの円周の周囲に配置された複数の平
    行で且つ実質的に垂直な溝;を含んで成る前記電解槽。
  12. 【請求項12】 前記電解槽ハウジングが前記第一電極
    として使用されている、請求項11記載の電解槽。
  13. 【請求項13】 溶融KF・2HF系電解浴からフッ素
    ガスを電解製造するための電解槽において、以下の
    (1)〜(6): (1)電解槽ハウジング; (2)集電装置; (3)水素発生用カソードとして使用する第一電極; (4)フッ素発生用アノードとして使用する第二電極
    (前記電極の前記アノードは非黒鉛炭素を含んで成
    る); (5)(a)隣接して配置されている前記アノードの一
    部と前記集電装置の一部とを被覆している金属スリー
    ブ;及び(b)電解槽の前記アノード及び前記集電装置
    の隣接部分を被覆している前記金属スリーブに円周方向
    の圧縮力を均一に加えて、前記アノードと前記集電装置
    との電気的接触を維持する手段(但し、前記アノード及
    び前記集電装置の前記部分はほぼ同じ外径を有する);
    を含んで成るアノード電流キャリヤー;並びに (6)前記アノードで発生し且つ前記アノードの細孔内
    に分散したフッ素を前記フッ素に対して不活性である計
    量された下向きに流れるガスを用いてパージするための
    手段;を含んで成る前記電解槽。
  14. 【請求項14】 以下の段階(1)〜(10): (1)パージ手段を有する電解槽においてKF・2HF
    系電解浴からフッ素を発生させる段階; (2)不活性ガスを前記電解槽へ導入し、前記発生フッ
    素を前記電解槽のアノードからパージする段階; (3)気体状混合物を前記電解槽から除去する段階; (4)前記電解槽のカソードで発生した気体状水素を前
    記電解槽から除去し、そして処分する段階; (5)前記気体状混合物を直接フッ素化反応器に供給す
    る段階; (6)有機炭化水素前駆体を前記直接フッ素化反応器に
    供給し、有機炭化水素前駆体と第二の気体状混合物とを
    一緒に反応させて、フッ素化生成物と、フッ化水素と、
    不活性ガスと、及び未反応フッ素とを含んで成る反応器
    生成物を生成させる段階; (7)前記反応器生成物を捕集手段内に捕集する段階
    (前記捕集手段は、前記反応器生成物を前記フッ素化生
    成物と、前記フッ化水素と、前記不活性ガスと、及び前
    記未反応フッ素とに分離する手段を任意に提供すること
    ができる); (8)任意ではあるが、段階(2)に記載したように、
    前記不活性ガスを前記電解槽に再循環させる段階; (9)任意ではあるが、前記フッ化水素を前記電解槽に
    再循環させる段階(再循環された前記フッ化水素は、前
    記KF・2HF系電解浴から消耗したフッ化水素を補充
    する);及び (10)任意ではあるが、前記フッ素を再循環させる段
    階;を含んで成る、フッ素発生工程と直接フッ素化工程
    とを統合した方法。
JP18968492A 1991-07-26 1992-07-16 フッ素ガスの電解製造用電極及び電解槽並びにフッ素ガスの電解製造法並びに直接フッ素化法 Expired - Fee Related JP3343139B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US73622791A 1991-07-26 1991-07-26
US736227 1991-07-26

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05209291A true JPH05209291A (ja) 1993-08-20
JP3343139B2 JP3343139B2 (ja) 2002-11-11

Family

ID=24959048

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18968492A Expired - Fee Related JP3343139B2 (ja) 1991-07-26 1992-07-16 フッ素ガスの電解製造用電極及び電解槽並びにフッ素ガスの電解製造法並びに直接フッ素化法

Country Status (10)

Country Link
US (2) US5290413A (ja)
EP (1) EP0534081B1 (ja)
JP (1) JP3343139B2 (ja)
CN (1) CN1069082A (ja)
AU (2) AU649141B2 (ja)
CA (1) CA2071235C (ja)
DE (1) DE69206555T2 (ja)
HK (1) HK1007772A1 (ja)
RU (1) RU2114216C1 (ja)
ZA (1) ZA924444B (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009191362A (ja) * 2008-01-18 2009-08-27 Toyo Tanso Kk 溶融塩電解装置及びフッ素ガスの発生方法
KR101223376B1 (ko) * 2011-12-19 2013-01-23 오씨아이머티리얼즈 주식회사 삼불화질소 가스 제조용 전해조
WO2021039594A1 (ja) * 2019-08-30 2021-03-04 昭和電工株式会社 フッ素ガスの製造方法

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0716717B1 (en) * 1993-09-03 1998-12-02 Minnesota Mining And Manufacturing Company Fluorine cell
GB9318794D0 (en) * 1993-09-10 1993-10-27 Ea Tech Ltd A high surface area cell for the recovery of metals from dilute solutions
GB9418598D0 (en) * 1994-09-14 1994-11-02 British Nuclear Fuels Plc Fluorine cell
US6210549B1 (en) 1998-11-13 2001-04-03 Larry A. Tharp Fluorine gas generation system
US6120658A (en) * 1999-04-23 2000-09-19 Hatch Africa (Pty) Limited Electrode cover for preventing the generation of electrolyte mist
CN1307325C (zh) * 2000-04-07 2007-03-28 东洋炭素株式会社 氟气发生装置
WO2003052167A1 (fr) * 2001-12-17 2003-06-26 Toyo Tanso Co., Ltd. Appareil et procede de production d'un gaz f2 et gaz f2 ainsi obtenu
JP2007034602A (ja) * 2005-07-26 2007-02-08 Hitachi Omron Terminal Solutions Corp 紙葉類識別装置
KR101201587B1 (ko) * 2007-04-23 2012-11-14 미쓰이 가가쿠 가부시키가이샤 가스 생성 장치 및 가스 생성용 탄소 전극
FR2925531B1 (fr) * 2007-12-20 2010-01-15 Snecma Propulsion Solide Dispositif de support pour electrodes dans une installation d'electrolyses
CN101319331B (zh) * 2008-07-23 2010-04-21 核工业理化工程研究院华核新技术开发公司 制氟用含铜碳阳极的制造方法
JP5581676B2 (ja) * 2009-12-02 2014-09-03 セントラル硝子株式会社 フッ素ガス生成装置
JP5544895B2 (ja) * 2010-01-21 2014-07-09 セントラル硝子株式会社 フッ素ガス生成装置
CN101949024A (zh) * 2010-10-18 2011-01-19 天津市泰旭物流有限公司 电解氟化钾一氟化氢制备氟气的技术
CN103261484B (zh) * 2010-12-15 2016-08-10 巴斯夫欧洲公司 有机化合物的电化学氟化方法
JP2014526611A (ja) * 2011-09-01 2014-10-06 インフィニウム,インク. 酸素および液体金属環境における高温で高電流の導体

Family Cites Families (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2273798A (en) * 1939-10-31 1942-02-17 Nat Carbon Co Inc Electrolytic process
GB657872A (en) * 1948-11-19 1951-09-26 Max Ludwig Alkan Improvements in and relating to electrodes for electrolytic processes
US3069345A (en) * 1959-04-20 1962-12-18 Pennsalt Chemicals Corp Electrode clamp and assembly
US3041266A (en) * 1960-08-23 1962-06-26 Robert E Cable Fluorine cell anode assembly
US3212930A (en) * 1961-05-29 1965-10-19 Exxon Research Engineering Co Porous carbon electrode preparation
US3395049A (en) * 1963-07-15 1968-07-30 Exxon Research Engineering Co Method of making a porous electrode
CA973511A (en) * 1968-06-24 1975-08-26 Phillips Petroleum Company Multi-porosity electrode for electrochemical conversion
US3558450A (en) * 1968-06-24 1971-01-26 Phillips Petroleum Co Process for electrochemical conversion
US3676324A (en) * 1969-11-07 1972-07-11 Phillips Petroleum Co Composite carbon electrode structure having improved electrical conductivity
US3772201A (en) * 1970-03-02 1973-11-13 Phillips Petroleum Co Electrode for electrolytic conversion cells including passage means in the electrode for electrolyte flow through the electrode
NL170314C (nl) * 1970-06-01 1982-10-18 Montedison Spa Electrolysecel voor de bereiding van fluor.
US3708416A (en) * 1970-08-28 1973-01-02 Phillips Petroleum Co Multiporosity electrode for electrochemical conversion
US3692660A (en) * 1970-09-25 1972-09-19 Phillips Petroleum Co Electrolytic cell
FR2343821A2 (fr) * 1975-03-21 1977-10-07 Ugine Kuhlmann Electrolyseur perfectionne pour la preparation industrielle du fluor
JPS5623285A (en) * 1979-08-02 1981-03-05 Nobuatsu Watanabe Production of fluorine
DE3102776A1 (de) * 1981-01-28 1982-08-26 C. Conradty Nürnberg GmbH & Co KG, 8505 Röthenbach Elektrode fuer lichtbogenoefen
JPS58168630A (ja) * 1982-03-29 1983-10-05 バツテル・デイベロプメント・コ−ポレ−シヨン 表面の調節フツ素化方法
GB2135334A (en) * 1983-02-24 1984-08-30 British Nuclear Fuels Plc Composite carbon electrode
GB2135335B (en) * 1983-02-24 1986-11-19 British Nuclear Fuels Plc Supports for carbon electrodes
US4511440A (en) * 1983-12-22 1985-04-16 Allied Corporation Process for the electrolytic production of fluorine and novel cell therefor
US4640744A (en) * 1984-01-23 1987-02-03 Standard Oil Company (Indiana) Amorphous carbon electrodes and their use in electrochemical cells
JPS60221591A (ja) * 1984-04-17 1985-11-06 Central Glass Co Ltd フツ素の製造方法
US4602985A (en) * 1985-05-06 1986-07-29 Eldorado Resources Limited Carbon cell electrodes
GB2193225B (en) * 1986-08-01 1990-09-19 British Nuclear Fuels Plc Carbon electrodes
US4950370A (en) * 1988-07-19 1990-08-21 Liquid Air Corporation Electrolytic gas generator
WO1990006296A1 (en) * 1988-12-02 1990-06-14 Minnesota Mining And Manufacturing Company Direct fluorination process for making perfluorinated organic substances

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009191362A (ja) * 2008-01-18 2009-08-27 Toyo Tanso Kk 溶融塩電解装置及びフッ素ガスの発生方法
KR101223376B1 (ko) * 2011-12-19 2013-01-23 오씨아이머티리얼즈 주식회사 삼불화질소 가스 제조용 전해조
WO2021039594A1 (ja) * 2019-08-30 2021-03-04 昭和電工株式会社 フッ素ガスの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US5290413A (en) 1994-03-01
DE69206555D1 (de) 1996-01-18
AU664326B2 (en) 1995-11-09
RU2114216C1 (ru) 1998-06-27
HK1007772A1 (en) 1999-04-23
CA2071235C (en) 2004-10-19
DE69206555T2 (de) 1996-05-30
JP3343139B2 (ja) 2002-11-11
AU5763394A (en) 1994-05-19
CA2071235A1 (en) 1993-01-27
EP0534081B1 (en) 1995-12-06
US6063255A (en) 2000-05-16
CN1069082A (zh) 1993-02-17
AU649141B2 (en) 1994-05-12
EP0534081A2 (en) 1993-03-31
AU1830092A (en) 1993-01-28
ZA924444B (en) 1993-03-31
EP0534081A3 (en) 1993-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3343139B2 (ja) フッ素ガスの電解製造用電極及び電解槽並びにフッ素ガスの電解製造法並びに直接フッ素化法
US4035254A (en) Operation of a cation exchange membrane electrolytic cell for producing chlorine including feeding an oxidizing gas having a regulated moisture content to the cathode
US3361653A (en) Organic electrolytic reactions
US20060011489A1 (en) Electrolysis process and apparatus
US4108743A (en) Method and apparatus for separating a metal from a salt thereof
US7211177B2 (en) Electrode for electrolysis in acidic media
WO2006007863A1 (en) Electrolysis apparatus with solid electrolyte electrodes
US5108560A (en) Electrochemical process for production of chloric acid from hypochlorous acid
US5340447A (en) Process for the selective electrofluorination of alloys or metallic mixtures based on uranium
JP3485928B2 (ja) フッ素電解槽
CA2035815C (en) Carbon electrode, and method and apparatus for the electrolysis of a hydrogen fluoride-containing molten salt by the use of the carbon electrode
US3926769A (en) Diaphragm cell chlorine production
US3708416A (en) Multiporosity electrode for electrochemical conversion
US20210292923A1 (en) Anode for electrolytic synthesis and method for producing fluorine gas or fluorine containing compound
JP2926272B2 (ja) 電気化学槽の腐食防止用ターゲット電極
JPS60221591A (ja) フツ素の製造方法
US3437579A (en) Anode assembly
US7128824B2 (en) Method for electrolysis of aqueous solutions of hydrogen chloride
US3312610A (en) Electrolytic process for producing phosphine
US4483752A (en) Valve metal electrodeposition onto graphite
JPS63100190A (ja) ガス発生用電解装置
US3251756A (en) Electrolytic process for making phosphine
JP2764623B2 (ja) 電解槽
JPH0353090A (ja) フッ素の製造方法
JPH04350187A (ja) 電解槽

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080823

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090823

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100823

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees