JPH0520896U - 繊維マツト等の切断用治具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 形状不安定なワ−クを切断器で正確且容易に
切断可能とする治具を提供する。 【構成】 作業台に取付ける固定具を有する樋状治具本
体１内にレール２を設け、治具本体の両側縁と対向する
両側縁を有する樋状カバー６を治具本体に着脱可能に設
置し、保持具５を取付けた切断器４を治具本体のレール
上を移動するようにした。ワ−クＷの切断部を治具本体
１にセットし、カバー６をワークに被せて固定すると、
ワークは治具本体とカバーの両側縁で両側から挟み付け
られる。切断器４の保持具５を治具本体のレール２に乗
せ、切断器を作動させて前進させると、切断器はレール
に案内されて所定の軌跡に沿ってワークを切断しながら
治具内を前進する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、繊維強化樹脂の成形に使用する強化用繊維マット等の切断成形の際 に用いる治具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

近時、自動車の外板等に繊維強化樹脂（ＦＲＰ）が使用されるようになった。 このＦＲＰの成形に際しては、ガラス繊維等の強化用繊維を予め所定の形状に成 形したプリフォ−ムマットが使用される。 従来、このプリフォ−ムマットの成形は、長尺のガラス繊維素材を電動バサミ 等の切断器を用いて手作業で切断している。 実開昭６１−２０５７８９号公報には、押え板上に目盛りを設け、また案内板 上にスライドレールと刃を装着する溝孔を設けた保持片をスプリングを取付けた スライドカッターに設け、このスライドカッターとスライドレールを組合せた切 断具が記載されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の切断方法では、切断具の直進性の維持が難しく、長い直線部を切断 するのも困難である。また、電動バサミ等の切断器が重いので、作業性が悪い。 前記公開公報に記載された切断具は、スライドレールでカッターの直進性は保 たれるが、ガラス繊維マットは、その形状を保つのに不安定な物であるので、両 側から押えた状態で切断しないと切れ残りが出てしまう。また、切断時にガラス 繊維の切り粉が周囲に飛散し、作業環境を悪くする。

【０００４】 本考案は、上記の課題を解決し、形状不安定なガラス繊維等のワ−クの膨らみ を抑え、ワークの切り残しを防止するとともに、作業環境を良好に維持して能率 良く正確に切断することを可能とする治具を提供することを目的とするものであ る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、作業台に取付ける固定具を有する樋状治具本体内にレールを設け、 前記治具本体の両側縁と対向する両側縁を有する樋状カバーを前記治具本体に着 脱可能に設置し、保持具を取付けた切断器を前記治具本体のレール上を移動する ようにした繊維マット等の切断用治具である。

【０００６】

【作用】

ワ−クの切断部を作業台の側方に取付けた治具本体にセットし、カバーをワー クに被せて固定すると、ワークは治具本体とカバーの両側縁で両側から挟み付け られる。切断器の保持具を治具本体のレールに乗せ、切断器を作動させて前進さ せると、切断器はレールに案内されて所定の軌跡に沿ってワークを切断しながら 治具内を前進する。 この場合、ワークは切断部の両側をそれぞれ上下から挟み付けられているので 、ガラス繊維のような形状不安定なワークでも切り残しが出ずに正確に切断され 、切断時に出た切り粉は、切断部の周りが治具本体とカバーで覆われているので 周囲に飛散しない。

【０００７】

【実施例】

図１は本考案の実施例を示すもので、図２は図１のＸ−Ｘ線の断面図である。 本考案の治具は、上下に２分割した樋状中空体の両側縁でガラス繊維等のワー クＷを両側から押えつけて固定し、その中空体内のレール上を切断器を移動させ ることを基本構成とするもので、中空半円筒状の治具本体１の内側に、ロータリ ーカッター４に取付けた保持具５を案内するレール２を設け、この治具本体１は 、固定具３で作業台１０に取付けるようにしてある。 カバー６は、治具本体１と同様に中空半円筒状の樋状に形成し、図１に示すよ うに、治具本体１上にセットしたワークＷの上に被せ、クランプ７で治具本体１ に固定するように構成したものである。

【０００８】 次に、本考案の治具を使用してガラス繊維等のワ−クを切断する作業について 説明する。 図４に示すように、素材ロールからワークＷを引き出して作業台１０の上に載 置し、ワ−クＷの切断部を作業台１０の側方に取付けた治具本体１にセットする 。この場合、カバー６はその後端部で治具本体１に軸支８されているので、カバ ー６の手前を持ち上げた状態で作業する。なお、図示していないが、後端部にお ける治具本体１とカバー６の間にバネを配設してカバー６が図示のように開いた 状態を維持するようにすると、このワークＷのセット作業が容易に行える。 カバー６をワークＷに被せ、クランプ７で治具本体１に固定すると、ワークＷ は図１に示すように、治具本体１とカバー６の両側縁で両側から挟み付けられる 。 切断器４には柄付きの握り９が取付けてあるので、切断器４の保持具５を治 具本体１のレール２に乗せ、握り９に設置したスイッチを入れて切断器４の刃を 回転させ、握り９を押し進めると、切断器４はレール２に案内されて所定の軌跡 に沿ってワークＷを切断しながら治具内を前進する。 この場合、作業者は、握り９を押し進めるだけですみ、作業が容易となるとと もに、ワークＷは切断部の両側をそれぞれ上下から挟み付けられているので、ガ ラス繊維のような形状不安定なワークでも切り残しが出ず、正確に切断される。 また、切断時に出た切り粉は、切断部の周りが治具本体１とカバー６で覆われ ているので周囲に飛散しない。

【０００９】 次に、本考案の別の実施例を、図３について説明する。 治具本体１１とカバー１６をそれぞれ角形の樋状に形成し、治具本体１１にレ ール１２を設ける。切断器４にはその両側に複数対の車輪１５を取付け、切断器 ４に設置したモーター１３で減速歯車１４を介して車輪１５を回転させ、車輪１ ５がレール１２上を走行するようにする。また、カバー１６には、吸塵器１７に 接続するホース１８を取付ける吸引口１９を設ける。この実施例の作業台への取 付け並びにワークＷのセットは、図１の実施例と同様である。 この実施例では、切断器４がそのモーター１３を遠隔制御することで切断器４ が治具本体１のレール２上を自走するので、長い部位の切断が可能となり、また 、切断部は直線に限らず、治具本体１及びカバー６を曲線に形成することで、曲 線部を含むワークＷの切断も可能となる。 更に、切断時に発生した切り粉は、カバー１６から吸塵器１７に集められ、周 囲に飛散しないとともに、治具内を移動する機器内に粉塵が入るのを最小限に止 め、機器の損傷を防ぐことができる。

【００１０】 本考案に使用する切断器４は、図４に示したロータリーカッターに限らず、図 ５に示すような、エアーバサミ又は電動バサミとすることができ、また、治具本 体１とカバー６の断面形状は、円形又は角形に限らず、六角形その他の任意の形 状とすることができる。

【００１１】

【考案の効果】

本考案は、ガラス繊維マットのような形状不安定なワ−クを両面からその膨ら みを抑えて固定でき、切断器で切断する場合に切り残しを発生することがない。 また、切断器を治具のレールで案内するので切断作業が正確かつ容易に行え、 製品の寸法精度が確保できる。 さらに、切断時の切り粉の飛散が防止できるので、作業環境を良好に維持でき るとともに、使用機器の損傷も最小限に防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例を示す図。

【図２】図１のＸ−Ｘ線に沿う断面図。

【図３】本考案の第２実施例を示す図。

【図４】本考案の使用状態の説明図。

【図５】本考案に使用する切断器の正面図。

【符号の説明】

１ 治具本体 ２ レール ３ 固定具 ４ 切
断器 ５ 保持具 ６ カバー ７ クランプ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 作業台に取付ける固定具を有する樋状治
   具本体内にレールを設け、前記治具本体の両側縁と対向
   する両側縁を有する樋状カバーを前記治具本体に着脱可
   能に設置し、保持具を取付けた切断器を前記治具本体の
   レール上を移動するようにしたことを特徴とする繊維マ
   ット等の切断用治具。