JPH0520670U - 羽毛布団 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 この考案は、マチ布により区画形成された多
数の収容部に羽毛をパイプで空気圧送する羽毛布団にお
いて、１つの収容部から他の収容部に羽毛が移動しない
ようにして、各収容部に羽毛を均等に充填できるように
したものを簡易な構造で、作業性の良好な羽毛布団を提
供できることを目的とする。 【構成】布団の表地と裏地との間にマチ布を格子状に設
けて羽毛が充填される矩形状の多数の収容部を区画形成
し、複数の収容部の一辺のマチ布を少なくとも２枚の帯
状片で構成するとともに、互いの帯状片の一部を重ね合
わせ、その重合部の上下方向端部を縫着し水平方向端部
を非縫着部としたことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は羽毛が片寄りするのを防止し、均等に充填しうる羽毛布団に関する 。

【０００２】

【従来の技術】

表地と裏地との間に羽毛が充填される布団においては、上記羽毛が片寄るのを 防止する必要がある。その手段として表地と裏地との間に、これらに上下端を縫 合してマチ布を格子状に設け、このマチ布によって区画形成された矩形状の多数 の収容部に各々羽毛を充填することにより片寄りを防止するようにしている。

【０００３】 ところで、羽毛布団はその表地、裏地およびマチ布が高密度のメッシュに加工 された布地が用いられているため、１つの収容部に羽毛を空気圧送すると、この 収容部内に空気がたまって圧力が上昇する。そのため、１つの収容部に羽毛を充 填し終わってパイプを隣の収容部にずらしたときに、これら収容部が均等圧力に なる前にマチ布の縫合されていない交差部から隣の収容部に圧力空気が移動して しまう。従って、各収容部に羽毛を均等に充填することが難しいという欠点があ った。

【０００４】 整理番号 Ｕ０９１０１７ （明細書） ページ（２／６） そこで、出願人は実公昭６２ー２８９５４号において、マチ布に２重の部分を 形成し、これら２重の部分の２枚の布地にそれぞれスリットをわずかにずらして 形成して羽毛布団を考案した。

【０００５】 しかしながら、この考案におけるスリットの末端を切れないように処理するこ とに手間がかかり、能率的ではないことがわかった。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】 この考案は上記事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは、マ チ布により区画形成された多数の収容部に羽毛をパイプで空気圧送する場合、及 び充填後において、１つの圧力上昇した収容部から他の圧力の低い収容部に羽毛 が移動しないようにして、各収容部に羽毛を均等に充填できるようにしたもので あって且つ簡易な構造で作業性のよい羽毛布団を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するためにこの考案は、布団の表地と裏地との間にマチ布を格 子状に設けて羽毛が充填される矩形状の多数の収容部を区画形成し、複数の収容 部を互いに対向する一辺のマチ布を少なくとも２枚の帯状片で構成し、各帯状片 の一部を重ね合わせ、その重合部分の上下方向端部を縫着し水平方向端部を非縫 着部としたことを特徴とする。

【０００８】

【作用】

上記構成によれば、マチ布の重合部の非縫着部からパイプを挿入し、羽毛を圧 力空気とともに収容部に充填することができ、隣接する収容部の圧力空気によっ て重合部は閉塞されるから、各収容部に羽毛を均等に充填することができ、羽毛 が他の収容部に移動する片寄りも発生することがない。

【０００９】 整理番号 Ｕ０９１０１７ （明細書） ページ（３／６）

【実施例】

以下この考案の実施例を１図乃至５図を参照して説明する。

【００１０】 図１中の符号１は布団である。この布団１はダウンプルーフ加工された表地２ と裏地３との間に格子状に立体的に交差させた帯状の縦マチ布４と横マチ布５と が設けられ、これらマチ布４，５によって矩形状の多数の収容部６が区画形成さ れている。

【００１１】 各マチ布４，５は上下端が表地と裏地に縫合されていると共に、交差部も縫 合されている。上記布団の長手方向に沿って配置された複数の縦マチ布４は、長 手方向に沿って、帯状片４１と４２の２枚のマチ布の互いの端部を所定の寸法間 隔で重ね合わせて重合部７をつくり、この重合部７の上下端を縫着して閉じ、水 平（左右）方向を非縫着部として開口している。

【００１２】 重合部７は各収容部６の略中央位置にあって、且つ帯状片４１と４２の２枚 の端部を重ね合わせる際の方向は、全ての縦マチ布４において同一である。すな わち、図１において説明すると重合部７において、帯状片４２の一端は下で、帯 状片４１の一端は上に位置している。

【００１３】 このように構成された布団１の収容部６に羽毛Ｆを充填するには、図３に示 すように縦マチ布４の重合部７の非縫着部８を押し開いてパイプ９を布団１の幅 方向に挿通し、その先端を収容部６（これを第１の収容部とする）に位置させる 。重合部７の非縫着部を押し開く際、帯状片４１，４２の重ねる方向は全ての重 合部７において同じであるから、パイプの挿入作業は容易にできる。

【００１４】 この状態で上記パイプ９から圧力空気とともに羽毛Ｆを所定時間噴出させる 。そして、第１の収容部６に所定量の羽毛を充填したら、上記パイプをわずかに 引き抜き、その先端を第１の収容部６の隣りの第２の収容部６に位置させて先程 整理番号 Ｕ０９１０１７ （明細書） ページ（４／６） と同じように羽毛Ｆを充填する。このとき第１の収容部６の圧力が第２の収容部 ６より高くなっているから、これら収容部６の境界壁を通り第１の収容部６の圧 力空気が羽毛Ｆとともに第２収容部に流入しようとする。

【００１５】 しかしながら、上記境界壁つまり縦マチ布４の非縫着部８からパイプ９を抜 出すると、この非縫着部８の上記縦マチ布４を形成する帯状片４１，４２の２枚 のマチ布の重合する端部は隣接する収容部の空気圧力によって強制的に閉じられ る。

【００１６】 従って、上記境界壁の非縫着部８から第２の収容部６に圧力空気が逃げずら いから、第１の収容部に充填された羽毛Ｆが第２の収容部に流れ込むこともない 。

【００１７】 このようにして布団１の幅方向１列の４つの収容部６に順次羽毛Ｆを充填し たならば、他の列の収容部６についても同様に行なえばよい。そして、各収容部 ６に収容される羽毛Ｆは、充填の途中あるいは充填後において他の収容部６に移 動することがないから、各収容部６に羽毛Ｆを均等に充填することができるばか りか、充填後に片寄りすることもない。

【００１８】 なお、上記実施例では、縦マチ布４に重合部を形成したが、横マチ布５に重 合部を形成してもよく、収容部１つには２枚の帯状片で１つの重合部を設けたが 、３枚の帯状片で２つの重合部を設けてもよい。

【００１９】

【考案の効果】

以上述べたようにこの考案は、布団の表地と裏地との間にマチ布を格子状に設 けて羽毛が充填される矩形状の多数の収容部を区画形成し、複数の収容部の一辺 のマチ布を少なくとも２枚の帯状片で構成するとともに、互いの帯状片の一部を 重ね合わせ、その重合部分の上下方向端部を縫着し水平方向端部を非縫着部とし 整理番号 Ｕ０９１０１７ （明細書） ページ（５／６） た。

【００２０】 したがって、この重合部分を押し開いて収容部にパイプを挿通し、羽毛を圧 力空気とともに充填することができ、充填後に上記パイプを抜出すれば、マチ布 の帯状片重合部が収容部の空気圧力により押されて密着し閉塞される。そのため 、、１つの収容部に充填された羽毛が圧力空気とともに隣の収容部に流出するこ とがないから、各収容部に羽毛を均等に充填することができ、また各収容部に充 填された羽毛が他の収容部に移動して片寄りを発生することがないので、作業性 の良い品質を向上しうる羽毛布団を提供できる利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例を一切り欠いて示す平面図

【図２】１図のＸ−Ｙ線断面図

【図３】縦マチ布と横マチ布の縫合平面図

【図４】マチ布の斜視図

【図５】羽毛供給パイプをマチ布重合部に挿入した状態
をしめす斜視図

【符号の説明】

１ 布団 ２ 表地 ３ 裏地 ４ 縦マチ布 ５ 横マチ布 ６ 収容部 ７ 重合部 整理番号 Ｕ０９１０１７ （明細書）
ページ（６／６）８ 非縫着部 ９ パイプ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】布団の表地と裏地との間にマチ布を格子状
   に設けて羽毛が充填される矩形状の多数の収容部を区画
   形成し、複数の収容部の一辺のマチ布を少なくとも２枚
   の帯状片で構成するとともに、互いの帯状片の一部を重
   ね合わせ、その重合部分の上下方向端部を縫着し水平方
   向端部を非縫着部としたことを特徴とする羽毛布団。