JPH0520635B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は湯と水の混合比率を調節して適温を得
る湯水混合装置に関する。

従来例の構成とその問題点 従来この種の湯水混合装置には第１図に示すよ
うなものがあつた。

第１図において湯入口１、水入口２及び混合湯
出口３を有する弁框体４の内部には、湯側弁体５
及び水側弁体６が一体的に設けられており、湯と
水の混合比率を調節している。この湯側弁体５及
び水側弁体６は、一端が止め輪７で規制されバネ
８で付勢されたワツクスサーモ９に取り付けられ
て設けられている。ワツクスサーモ９は混合湯温
に応じピストン１０が伸縮して湯側弁体５及び水
側弁体６の位置を変える。混合湯温の設定は温度
設定つまみ１１によつて行なわれるが、予め組立
段階で混合湯温と初期位置の関係が調整されてお
り、手で温度設定つまみ１１を回し混合湯温レベ
ルを選定することができる。通常の動作時は湯側
弁体５と水側弁体６経て来た湯と水は混合され、
ワツクスサーモ９の感温部を経て混合湯出口から
温度設定つまみ１１で設定された混合湯温で給湯
対象に給湯される。水圧、油圧の変動や給湯湯量
の変動に伴ない湯と水の混合比率がそれ迄の値と
異なつて来ると、混合湯温の変動としてワツクス
サーモ９が変化を捉え、湯水の混合比率を修正し
て設定値にほぼ等しい混合湯を供給する。混合湯
温を変更したい時は前述のように温度設定つまみ
１１を回し設定値を変更することにより混合湯温
レベルを変更することが可能である。

従来の湯水混合装置は以上述べたように構成さ
れており、混合湯温の温度設定つまみ１１を直接
手で操作する必要があり、湯水混合装置として設
置場所が限定され、操作ま温度設定つまみ１１が
経年変化で固くなつたりして操作感が良くないと
いう問題点を有していた。また湯水混合装置とし
ては上記のもの以外に、モータで弁を駆動する型
式のものもあつたが、このモータ駆動方式の湯水
混合装置はサーミスタ等の温度検出器で混合湯温
を検出し、温度設定器で設定された混合湯温の得
られる位置に弁をモータで駆動するため、前述の
ような問題点は解消できる。ところが、水圧変
動、湯圧変動や混合湯量の急激な変動に伴ない混
合湯温が設定値をはずれた場合は、温度検出器で
検出した混合湯温を温度設定器の設定温度と比較
し演算処理してモータを駆動する迄の時間がかか
り、モータの慣性による時間遅れ等があるため、
混合湯温変動を検出して直接弁体を駆動する前述
のワツクスサーモ方式に比較して過渡的な温度変
動が大きく、混合湯温が熱くなりすぎたり冷くな
りすぎるという問題点を有していた。

発明の目的 本発明はこのような従来の従来の問題点を解決
するものであり、遠隔制御可能で操作性が良く、
安全性や応答性に優れた湯水混合装置を提供する
ことを目的とする。

発明の構成 この目的を達成するために本発明は、湯と水の
混合比率を調節する混合弁体と、温度に応じて変
化する変位を利用してこの混合弁体を駆動する混
合湯流路の設けた感温体と、混合弁体と感温体を
駆動するモータと、混合弁体の位置を検出する位
置検出手段と、混合湯温の設定を行う混合湯温設
定器と、この混合湯温設定器で任意に設定された
温度信号に基づいて、予め内部に記憶されたこの
温度信号と弁位置の関係に従つて、設定された温
度に対応した位置まで、位置検出手段で位置を確
認しつつモータによつて制御を行なう制御器より
なる湯水混合装置を構成し、混合湯温設定器から
電気的駆動手段に信号を送ることにより遠隔制御
を可能とすると共に、湯圧・水圧変動、また流量
急変時等により混合湯温が急変した場合は感温体
で直接混合弁体の位置修正を行なうとともに、安
全性、応答性および消費電力の低減の面で改善を
図つているものである。

実施例の説明 以下本発明の実施例を第２図、第３図を用いて
説明する。第２図は本発明の実施例の湯水混合装
置を用いた給湯装置の系統図を示し、給水管１２
より給水された水はボイラー１３で加熱昇温され
て給湯管１４を経て混合弁１５に湯として供給さ
れる。混合弁１５には給湯管１４の他給水管１６
も接続されており、ここで湯水は混合されて混合
湯管１７を通つて蛇口１８あるいは蛇口１９に混
合湯が供給される。蛇口１８，１９の近傍には混
合湯温設定器２０，２１が設けられており、ここ
での設定信号に従つて制御器２２を経て混合弁１
５は駆動制御される。

なお混合湯温設定器２０と混合湯温設定器２１
の間には優先、従属の関係が予め定められてお
り、この場合混合湯温設定器２１が優先、混合湯
温設定器２０が従属となつている。混合弁１５は
第３図に示すように構成されている。給湯管１４
と給水管１６から供給されると湯水は、湯側弁座
２３と水側弁座２４との距離を、湯側弁体２５、
水側弁体２６を有した混合弁体２７によつて反比
例的に変えて混合比率を調節している。混合弁体
２７は湯と水が周囲から内側に流入する筒状弁体
となつている。また混合弁体２７はスプリング２
８にて図において右側方向に付勢されており、混
合湯流路２９に設けた感温体であるワツクスサー
モ３０に外筒３１を介して当接されている。この
ワツクスサーモ３０は温度に応じてピストン３２
が伸縮し、外周部で固定された外筒３１を介して
混合弁体２７を駆動する。またワツクスサーモ３
０は感温部に螺旋状にフイン３３を有しており、
フイン３３には多数の細孔３４があけられてい
て、流れを旋回させるとともに、その一部が細孔
を通つて流れることにより、熱伝達の促進と混合
の促進を図つているものである。ワツクスサーモ
３０のピストン３２は外周部に設けた雌ねじ３５
の内部をローレツト部で嵌合された軸３６の回転
によつて進退する遊動型の雄ねじ３７に当接され
ており、軸３６は外部に設けたモータ３８により
減速機構３９を介して駆動される。結果的にワツ
クスサーモ３０と混合弁体２７はモータ３８によ
つて駆動され、位置検出を行なうモータ３８に設
けられたポテンシオメータ４０により位置確認が
なされ位置調節が行なわれる。この場合モータ３
８、ポテンシオメータ４０が電気的駆動手段を構
成している。電気的駆動手段としてはソレノイド
等も考えられるが、モータの方が動作が緩慢でウ
オータハンマが起りにくい。なお４１は湯側弁座
２３を付勢する付勢スプリングであり、混合弁体
２７が湯側弁座２３に当接してもまだワツクスサ
ーモ３０が伸びようとする場合の逃げであり各部
が破損することを防止している。

次に本実施例の動作を示す。仮に混合温設定器
２０で欲しい温度を指示し、蛇口１８を開成した
状態を想定する。混合温設定器２０の設定信号は
制御器２２に送られ、予め記憶されている位置ま
でモータ３８がポテンシヨメータ４０で位置を確
認しつつ、ワツクスサーモ３０及び混合弁体２７
を移動させる。この動作により大よそ混合湯温設
定器２０での設定値に近い混合湯温が得られる。
ワツクスサーモ３０は更に、湯、水の圧力の差や
湯、水の温度に起因する設定値からの温度の高低
をとらえて伸縮し、設定値どおりの湯水の混合比
率に混合弁体２７を調節する。以上のように、使
用者は好みの温度を設定するだけでよく、弁開度
と温度との関係を一切気にすることなく、また自
分で温度を確かめることなく自動的に適温給湯が
できる。また、設定温度に体応した位置までワツ
クスサーモ３０及び混合弁体２７を移動した後
は、モータ３８への電力の供給を断つことができ
るため、消費電力の低減が図れている。混合弁体
２７は湯と水とも周囲から内側に流入する筒状弁
体で構成されているため、水圧や湯圧の高低にか
かわらず一定の力で駆動できるものであり、特性
のばらつきを生じにくい構造となつている。ここ
でもし混合湯温設定器２１と蛇口１９が操作され
給湯が開始されると、混合湯温設定器２０に対し
て優先となつているため、混合湯温設定器２１の
設定値になるように混合比率が修正調節される。
また蛇口１８，１９に一方を開成したり閉成した
りすることによる混合弁１５からの混合湯量は急
変する。これに伴ない湯量と水量の混合比率が変
化し混合湯温は上昇、あるいは下降を始める。同
様に湯圧、水圧が元圧の変動に伴ない変化した場
合も混合湯温は変化を開始する。これらの場合、
混合湯温の変化は直ちにワツクスサーモ３０で捉
えられ、ワツクスサーモ３０が膨張、収縮するこ
とによりピストン３２が伸縮し、混合湯温の元の
設定値どおりの温度に引き戻す。この場合温度変
化は直ちにワツクスサーモ３０で駆動される混合
弁体２７の動きとして現われ混合比率を修正する
ため、応答性が速く混合湯の上昇や下降のレベル
が小さくてすむ。またワツクスサーモ３０はバイ
メタル等他の感温体よりも駆動力が大きく取れる
ため混合弁体２７の摺動抵抗が増しても安定して
動作が行なえるものである。なお万が一、制御器
２２やモータ３８が故障してもワツクスサーモ３
０で混合湯温の調節が行なわれるため熱湯が供給
されることはない。また、モータ３８によつて混
合湯温制定器２０で設定された温度に対応した位
置まで、ポテンシヨメータ４０で弁位置を確認し
つつ、混合弁体２７とワツクスサーモ３０を駆動
し、モータ３８を停止しているので、使用中に万
が一停電が起こつた場合や制御系が故障しても、
ソレノイドや感温体で駆動される通電の停止時に
湯側が全開になるタイプのように熱湯が供給され
ることがなく設定温度が維持できる。また、混合
弁にポテンシヨメータ４０を設け、かつこの信号
と混合湯温設定器２０の信号を比較して制御して
いるため、混合弁に異物を噛んでロツクした時
に、ポテンシヨメータ４０から直接弁位置を読み
取つたり、あるいは設定温度を変更してもモータ
３８がいつまでも回り続けていることから異常を
察知し、高湯温が供給される危険を事前に妨げ
る。

発明の効果 本発明は混合弁体と感温体をモータで駆動する
とともに、混合弁体の位置を検出する位置検出手
段と、混合湯温の設定を行う混合湯温設定器を設
け、この混合湯温設定器で任意に設定された温度
信号に基づいて、モータと位置検出手段で混合弁
体と感温体を移動する制御を行なつているため次
のような効果を有している。

(1) モータによつて混合湯温設定器で設定された
温度に対応した位置まで、位置検出手段で弁位
置を確認しつつ、混合弁体と感温体を駆動し、
モータを停止しているので、使用中に万が一停
電が起こつた場合や制御系が故障が有つても、
ソレノイドや感温体で駆動され通電の停止時に
湯側が全開になるタイプのように熱湯が供給さ
れることがなく、設定温度が維持できる。ま
た、設定温度に対応した位置まで嵌合弁体と感
温体を移動したら、電力の供給は断つことがで
きるため、電力の消費量が少なくてすむととも
に、感温体を加熱して駆動するタイプのように
周囲温度の影響を受けることなく、モータと位
置検出手段により常に一定の使い勝手のよい速
度で温度の変更ができる。

(2) さらに、混合湯温設定器で温度設定を行うだ
けで、予め制御器内で記憶されたこの温度信号
と弁位置の関係に従つて、設定された温度に対
応した位置まで、位置検出手段で位置を確認し
つつモータによつて混合弁体と感温体を移動す
る制御を行つているため、使用者は好みの温度
を設定するだけでよく、弁開度と温度との関係
をいつさい気にせずに、また自分で確かめるこ
となく自動的に適温給湯ができる。

(3) 混合弁に位置検出手段を設け、かつこの信号
と混合湯温設定器の信号を比較して制御してい
るため、混合弁に異物を噛んでロツクした時
に、位置検出手段から直接弁位置を読み取つた
り、あるいは設定温度を変更してもモータがい
つまでも回り続けていることから異常を察知
し、高温湯が供給される危険を事前に防げる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の湯水混合装置を示す断面図、第
２図は本発明の一実施例の湯水混合装置を給湯装
置に用いた構成図、第３図は同実施例の断面図で
ある。 ２０，２１……混合湯温設定器、２２……制御
器、２３……湯側弁座（弁座）、２４……水側弁
座（弁座）、２７……混合弁体、２９……混合湯
流路、３０……ワツクスサーモ（感温体）、３８
……モータ、４０……ポテンシオメータ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 湯と水の混合比率を調節する混合弁体と、温
   度に応じて変化する変位を利用してこの混合弁体
   を駆動する混合湯流路に設けた感温体と、前記混
   合弁体と前記感温体を駆動するモータと、前記混
   合弁体の位置を検出する位置検出手段と、混合湯
   温の設定を行う混合湯温設定器と、この混合湯温
   設定器で任意に設定された温度信号に基づいて、
   予め記憶されたこの温度信号と弁位置の関係に従
   つて、設定された温度に対応した位置まで、前記
   位置検出手段で位置を確認しつつ前記モータによ
   つて前記混合弁体と感温体を移動する制御を行な
   う制御器よりなる湯水混合装置。