JPH05205260A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH05205260A
JPH05205260A JP27181492A JP27181492A JPH05205260A JP H05205260 A JPH05205260 A JP H05205260A JP 27181492 A JP27181492 A JP 27181492A JP 27181492 A JP27181492 A JP 27181492A JP H05205260 A JPH05205260 A JP H05205260A
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JP
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light
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magnetic recording
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JP27181492A
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English (en)
Inventor
Nobuhiro Umebayashi
信弘 梅林
Minoru Fujita
稔 藤田
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Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トラツキングサーボが適正に行える信頼性の
高い磁気記録媒体を提供することにある。 【構成】 発光素子から出射された光を磁気ヘツドトラ
ツキング用光学凹部12ならびにデータトラツク14の
表面に照射して、それの反射光によつてデータトラツク
14に対する磁気ヘツドのトラツキング制御を行う磁気
記録媒体において、 前記データトラツク14の磁性層
10aの厚さが、0.31〜0.45μm、0.55〜
0.67μm、0.81〜0.97μmのいずれかの範
囲に規制されていることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばフレキシブル磁
気デイスクなどの磁気記録媒体に係り、特に光学的に磁
気ヘツドのトラツキングができる磁気ヘツドトラツキン
グ用光学凹部を設けた磁気記録媒体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】フレキシブル磁気デイスクにおいて、そ
れのドーナツ状記録帯域の最内周にリフアレンストラツ
クを形成し、そのリフアレンストラツクから半径方向外
側に向けて所定の間隔離れ、かつ前記リフアレンストラ
ツクと同心円状の磁気ヘツドトラツキング用光学凹部を
リング状に多数形成し、各リング状磁気ヘツドトラツキ
ング用光学凹部の間をデータトラツクとしたものが知ら
れている(例えば特開平2−187969号公報参
照)。
【0003】図12ならびに図13は、この種磁気デイ
スクを説明するための拡大断面図ならびに平面図であ
る。
【0004】これらの図に示すように、ベースフイルム
100の表面には磁性層101が設けられており、この
磁性層101にはトラツキングサーボ用の溝102が磁
気デイスクの回転方向に延びるように、例えばレーザ加
工などの手段によつて形成されている。この溝102と
溝102との間がデータトラツク103となる(図13
参照)。
【0005】一方、磁気記録再生装置の方には、前記磁
気デイスクの表面にトラツキングサーボ用の光線104
を出射する発光素子(図示せず)と、磁気デイスク表面
からの反射光105を受光する受光素子106a,10
6b,106c,106d(図13参照)とを備えてい
る。
【0006】そして前記発光素子から出射された光線1
04を磁気デイスク表面に当てて、それからの反射光1
05を受光素子106a,106b,106c,106
dで受光する。
【0007】前述のように磁性層101にはトラツキン
グサーボ用の溝102が形成されているため、データト
ラツク103上で反射する光強度と溝102上で反射す
る光強度は異なる。図13に示す例では受光素子106
aと106bの合計出力値と、受光素子106cと10
6dの合計出力値とを常に比較して、両者の出力値が等
しくなるように磁気ヘツド(図示せず)のトラツキング
サーボが行なわれる。
【0008】従来の磁気デイスクは磁性層101の厚み
が1〜3μmあり、そのめた磁気デイスク表面からの反
射光105を受光する受光素子106a,106b,1
06c,106dで良好に受光することができた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、磁気デイスク
のオーバライト特性を改善するために磁性層の厚さを1
μm未満に薄くすると、データトラツク上での反射強度
がばらつきやすくなり、適正なトラツキングサーボが行
なわれ難いという問題が出てきた。
【0010】本発明者らはこの点について種々検討した
結果、磁性層の厚さとデータトラツク上での反射強度の
ばらつきとの間に相関関係があることを見出した。
【0011】本発明の目的は、このような問題点を解消
し、トラツキングサーボが適正に行える信頼性の高い磁
気記録媒体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、非磁性体からなる基体と、その基体の上
に形成された磁性層を有し、その磁性層の表面に所定の
間隔をおいて多数の磁気ヘツドトラツキング用光学凹部
が設けられ、その磁気ヘツドトラツキング用光学凹部と
隣の磁気ヘツドトラツキング用光学凹部との間に、所望
の情報を記録するデータトラツクが形成された磁気記録
媒体において、前記データトラツクの磁性層の厚さが、
0.31〜0.45μm、0.55〜0.67μm、
0.81〜0.97μmのいずれかの範囲に規制されて
いることを特徴とするものである。
【0013】
【作用】本発明は前述のように、磁性層の厚さを特定の
範囲に規定することにより、データトラツク上での反射
強度を高め、トラツキング用光学凹部による磁気ヘツド
のトラツキングサーボが適正に行なわれる磁気記録媒体
を提供することができる。
【0014】
【実施例】次に本発明の実施例を図とともに説明する。
図1は実施例に係る磁気デイスクカートリツジの一部を
分解した斜視図、図2は磁気シートの拡大断面図、図3
は磁気デイスクの平面図である。
【0015】図1に示すように磁気デイスクカートリツ
ジは、カートリツジケース1と、その中に回転自在に収
納されたフレキシブルな磁気デイスク2と、カートリツ
ジケース1にスライド可能に取り付けられたシヤツタ3
と、カートリツジケース1の内面に溶着されたクリーニ
ングシート(図示せず)とから主に構成されている。
【0016】前記カートリツジケース1は、上ケース1
aと下ケース1bとから構成され、これらは例えばAB
S樹脂などの硬質合成樹脂で射出成形されている。
【0017】下ケース1bの略中央部には回転駆動軸挿
入用の開口4が形成され、その近くに長方形のヘツド挿
入口5が形成されている。図示していないが、上ケース
1aにも同様にヘツド挿入口5が形成されている。上ケ
ース1aと下ケース1bの前面付近には、前記シヤツタ
3のスライド範囲を規制するために少し低くなつた凹部
6が形成され、この凹部6の中間位置に前記ヘツド挿入
口5が開口している。
【0018】前記磁気デイスク2は図3に示すように、
ドーナツ状のフレキシブルな磁気シート7と、その磁気
シート7の中央孔に挿入されて接着された金属製あるい
は合成樹脂製のセンターハブ8とから構成されている。
【0019】前記磁気シート7は、ベースフイルム9
と、そのベースフイルム9の両面に塗着、形成された磁
性層10a、10bとから構成されている。
【0020】前記ベースフイルム9は、例えばポリエチ
レンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ
ート(PEN)あるいはポリイミドなどの合成樹脂フイ
ルムから構成されている。
【0021】前記磁性層10a、10bは、強磁性粉、
バインダ、研磨粉ならびに潤滑剤などの混合物から構成
されている。
【0022】前記強磁性粉としては、例えばバリウムフ
エライト、ストロンチウムフエライト、α−Fe、Co
−Ni、Co−P、γ−Fe2 3 、Fe3 4 、Co
含有γ−Fe2 3 、Co含有γ−Fe3 4 、CrO
2 、Co、Fe−Niなどの微粉末が使用される。
【0023】前記バインダとしては、例えば塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニ
ルアルコール共重合体、ウレタン樹脂、ポリイソシアネ
ート化合物、放射線硬化性樹脂などが使用される。
【0024】前記研磨粉としては、例えば酸化アルミニ
ウム、酸化クロム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などが用い
られる。この研磨粉の添加率は、磁性粉に対して約0.
1〜25重量%が適当である。
【0025】前記潤滑剤としては、例えばステアリン
酸、オレイン酸などの高級脂肪酸、これらの高級脂肪酸
エステル、流動パラフイン、スクアラン、フツ素樹脂、
フツ素オイルなどが使用可能である。この潤滑剤の添加
率は、磁性粉に対して約0.1〜25重量%が適当であ
る。
【0026】磁性塗料の具体的な組成例を示せば次の通
りである。
【0027】 磁性塗料組成例 バリウムフエライト 100重量部 (Hc:530〔Oe〕,飽和磁化量:57〔emu/g〕, 平均粒径:0.04〔μm〕) 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 11.0重量部 ウレタン樹脂 6.6重量部 三官能性イソシアネート化合物 4.4重量部 酸化アルミニウム粉末(平均粒径0.43〔μm〕) 15重量部 カーボンブラツク 2重量部 オレイン酸オレイル 7重量部 シクロヘキサノン 150重量部 トルエン 150重量部 前述の磁性塗料組成例の組成物をボールミル中でよく混
合分散して磁性塗料を調整し、これを62μmのポリエ
チレンテレフタレート(PET)のベースフイルムの両
面に、乾燥平均厚みが0.89μmとなるように塗布
し、乾燥したのち、カレンダ処理を施して磁性層10
a、10bをそれぞれ形成する。
【0028】このようにして構成された磁気デイスク2
の磁性層10aの表面に、図3に示すようにリフアレン
ストラツク11と、多数の磁気ヘツドトラツキング用光
学トラツク12がエンボス加工などによつて形成され
る。これらリフアレンストラツク11ならびに磁気ヘツ
ドトラツキング用光学トラツク12は、磁気デイスク2
の回転中心13を中心にして同心円状に設けられてい
る。
【0029】1つの磁気ヘツドトラツキング用光学トラ
ツク12と隣の磁気ヘツドトラツキング用光学トラツク
12との間に、所望の情報が記録できるデータトラツク
14が形成される。
【0030】図3に示すように磁気デイスク2上に設け
られる記録帯域15の最内周部に前記リフアレンストラ
ツク11が形成され、それより径方向外側、すなわち磁
気ヘツドの走行方向と直交する方向外側に磁気ヘツドト
ラツキング用光学トラツク12とデータトラツク14が
交互に多数形成される。
【0031】前記リフアレンストラツク11は図4に示
すように、磁気ヘツドの走行方向Xに沿つて延びてお
り、リフアレンストラツク11の中心線16上の任意の
点17を中心として点対称に長方形のリフアレンス凹部
領域18Aとリフアレンス凹部領域18Bが一対になつ
て形成されている。このリフアレンス凹部領域18Aの
隣(リフアレンス凹部領域18Bの前方)ならびにリフ
アレンス凹部領域18Bの隣(リフアレンス凹部領域1
8Aの後方)には凹部のない平面部19Aと平面部19
Bとがある。
【0032】これら一組のリフアレンス凹部領域18
A、18B、平面部19A、19Bが、磁気ヘツドの走
行方向Xに沿つて間欠的または連続的に多数形成される
ことにより、リフアレンストラツク11を構成してい
る。
【0033】この実施例において前記リフアレンス凹部
領域18A、18Bの磁気ヘツド走行方向の長さL1は
2.4mm、幅方向の長さL2は18μmである。
【0034】このリフアレンストラツク11上に所定の
信号が予め記録されており、磁気ヘツドでこのリフアレ
ンストラツク11上を走査し、そのときの出力波形に基
づいて磁気ヘツド(磁気ギヤツプ)の中心位置をリフア
レンストラツク11の中心線16上に導くことができ
る。
【0035】このようにして磁気ヘツド(磁気ギヤツ
プ)をリフアレンストラツク11の中心線16上、すな
わち基準位置に合わせると同時に、その磁気ヘツドに連
結されている発光素子と受光素子群からなる光デイテク
タ(後述する)で磁気ヘツドトラツキング用光学トラツ
ク12間の光デイテクタの現在位置を検知する。そして
この光学トラツク12に対する光デイテクタの位置的な
ずれ量を演算し、そのずれ量に基づいて以下述べるよう
に磁気ヘツドのトラツキングサーボを行なう。
【0036】その後、磁気ヘツドキヤリツジを移送する
モータを回転して、磁気ヘツドの中心位置を最内周にあ
るデータトラツクの中心線24近くまで移動させる(図
5参照)。
【0037】そして磁気ヘツドのトラツキングサーボ
は、磁気ヘツドトラツキング用光学トラツク12を利用
して各トラツク毎に行なわれる。
【0038】図5ないし図9は、磁気デイスク2のトラ
ツキングサーボを説明するための図である。図5に示す
ように、磁気ヘツドトラツキング用光学トラツク12に
もトラツキング用凹部23が、磁気ヘツドの走行方向X
に沿つて間欠的または連続的に形成されている。
【0039】この実施例の場合、トラツキング用凹部2
3は間欠的に形成され、トラツキング用凹部23の幅L
3は5μm、データトラツク14の幅L4は15μmで
ある。
【0040】前記リフアレンス凹部領域18A、18B
ならびにトラツキング用凹部23は、図6に示すように
同時にプレス加工によつて形成される。
【0041】同図に示すようにセンターハブ8を取り付
けた磁気デイスク2が、基台25上にセツトされる。こ
の基台25にはセンターハブ8の中央孔26(図3参
照)に挿入されるセンターピン27が突設されており、
センターハブ8の中央孔26にこのセンターピン27を
通して磁気デイスク2を基台25上に位置決めする。
【0042】基台25の上方には、それと平行にスタン
パ28が上下動可能に配置され、スタンパ28は前記セ
ンターピン27によつて上下動がガイドされるようにな
つている。スタンパ28の下面には前記リフアレンス凹
部領域18A、18Bならびにトラツキング用凹部23
を形成するための微細な突部29が多数形成されてい
る。図6の状態からスタンパ28を下げて、磁気デイス
ク2を基台25とスタンパ28との間において所定の圧
力で挟持する。これによつてスタンパ28に形成されて
いる突部29が磁性層10aの表面に食い込み、圧縮に
より断面形状がほぼ台形のリフアレンス凹部領域18
A、18Bならびにトラツキング用凹部23が形成され
る。
【0043】記録再生時には、図7に示すように磁気デ
イスク2は磁気ヘツド30a、30bの間で挟持された
状態で回転する。前記磁気ヘツド30aの方には、トラ
ツキングサーボ用の光を出力する例えばLEDなどから
なる発光素子31と、磁性層10aからの反射光を受光
する受光素子群32とが一体に取り付けられている。
【0044】そしてこの磁気ヘツド30aの発光素子3
1ならびに受光素子群32が取り付けられている部分
は、磁気デイスク2側に向けて開口している。
【0045】受光素子群32は図8に示すように4つの
受光素子32a、32b、32c、32dから構成され
ており、データトラツク14ならびにトラツキング用凹
部23上で反射する光をこの受光素子32a、32b、
32c、32dで受光して、各受光素子32a、32
b、32c、32dの出力は図9に示すようにサーボ信
号演算部33に入力される。そしてこのサーボ信号演算
部33で求められた位置修正信号がヘツド駆動制御部3
4に入力され、それからの制御信号に基づいて磁気ヘツ
ド30のトラツキング制御が成される。
【0046】前にも述べたように、磁性層10の厚さは
オーバライト特性を改善して、ノイズを少なくするため
には1μm未満にする必要があるが、そうするとデータ
トラツク14上での反射強度がばらつきやすくなり、適
正なトラツキングサーボが行なわれ難いという新たな問
題がある。
【0047】本発明者らは、磁性層10の厚さとデータ
トラツク14上での反射強度ならびにオーバライト特性
との関係について諸種の実験を行なつた。
【0048】次の表1は、発光素子31(赤外発光ダイ
オード使用)から出射される光の中心波長(λ)を88
0nm、その光の入射角(θ)を20度にして、磁性層
10の厚さを種々変えた場合の磁性層表面での反射率
と、各磁性層厚におけるオーバライト特性を測定してま
とめた表である。
【0049】なお、オーバライト特性は、最初に150
Hzの信号をデータトラツク上に書込み、次いでその1
50Hzの信号が書き込まれたデータトラツク上に60
0Hzの信号を重ね書きして、残存する150Hzの信
号の再生出力を測定したものである。
【0050】 表 1 磁性層の厚さ(μm) 反射率(%) オーバライト特性(dB) 0.24 6.2 −42.2 0.31 10.5 −40.5 0.35 11.0 −40.3 0.37 11.3 −40.0 0.43 11.0 −39.5 0.45 10.0 −39.0 0.50 6.4 −38.0 0.55 10.2 −36.2 0.59 11.0 −36.0 0.62 11.3 −35.7 0.66 11.0 −33.5 0.67 10.5 −33.3 0.70 8.1 −33.0 0.74 6.5 −32.8 0.81 10.8 −32.6 0.85 11.0 −31.2 0.89 11.2 −30.3 0.94 11.0 −30.0 0.97 10.4 −29.8 1.15 10.8 −26.5 1.40 11.2 −25.2 1.65 10.7 −23.1 この表1の結果から明らかなように、磁性層10の厚さ
によつて反射率ならびにオーバライト特性が大きく異な
り、磁性層10の厚さが0.24μm、0.50μm、
0.70μm、0.74μmならびに0.99μm付近
では反射率が低い。一方、磁性層10の厚さが1.15
μm以上になると反射率は常に高いがオーバライト特性
が悪い。
【0051】これに対して磁性層10の厚さを0.31
〜0.45μm、0.55〜0.67μm、0.81〜
0.97μmのいずれかの範囲に規制すれば、高い反射
率(10%以上)と良好なオーバライト特性(−30d
B以下)を得ることができ、特に磁性層10の厚さを
0.35〜0.43μm、0.59〜0.66μm、
0.85〜0.94μmのいずれかの範囲に規制する
と、さらに高い反射率と良好なオーバライト特性が得ら
れる。
【0052】次に磁性層10の厚さを0.89μmにし
て、発光素子31から出射される光の中心波長(λ)と
その光の入射角(θ)を種々変えたときの反射率を測定
して、中心波長(λ)と入射角(θ)と反射率とが互い
に密接な関係にあることを見出し、その結果をまとめて
図10に示した。
【0053】この図は縦軸に発光素子31から出射され
る光の中心波長(λ)を、横軸に光の入射角(θ)をと
った中心波長とその光の入射角との相関図であり、図中
の●印は反射率が11%以上、○印は反射率が10%以
上で11%未満、△印は反射率が8%以上で10%未
満、×印は反射率が8%未満のものを示す。
【0054】この図から明らかなように、中心波長
(λ)が740nmから940nmで、光の入射角
(θ)が70度以下のものが使用でき、磁性層10の膜
厚が同じでも発光素子31から出射される光の中心波長
(λ)とその光の入射角(θ)とを適正に組み合わせる
ことにより、安定した高い反射率を得ることができる。
【0055】 すなわち、中心波長(λ)とその光の入射角(θ)との相関図において、図中 の直線L1 は、 λ1 =−2.2θ+860〔nm〕 式1 直線L2 は、 λ2 =−2.2θ+890〔nm〕 式2 直線L3 は、 λ3 =−2.2θ+950〔nm〕 式3 直線L4 は、 λ4 =−2.2θ+990〔nm〕 式4 で表せられる。従って、光の中心波長(λ)とその光の
入射角(θ)とが、前記直線L1 (式1)と直線L
4 (式4)とよつて囲まれた範囲内にあると、反射率は
確実に10%以上確保でき、また前記直線L2 (式2)
と直線L3 (式3)とよつて囲まれた範囲内にあると、
反射率は確実に11%以上確保できる。
【0056】次の表2は、発光素子31(赤外発光ダイ
オード使用)から出射される光の中心波長を830n
m、その光の入射角を40度にして、磁性層10の厚さ
を種々変えた場合の磁性層表面での反射率を測定してま
とめた表である。
【0057】 表 2 磁性層の厚さ(μm) 反射率(%) 0.24 6.1 0.31 10.7 0.35 11.0 0.37 11.5 0.43 11.0 0.45 10.3 0.50 6.2 0.55 10.3 0.59 11.1 0.62 11.3 0.66 11.0 0.67 10.5 0.70 7.5 0.74 6.0 0.81 10.6 0.85 11.1 0.89 11.2 0.94 11.0 0.97 10.2 1.15 10.5 1.40 11.5 1.65 10.3 次の表3は、発光素子31(半導体レーザ使用)から出
射される光の中心波長を780nm、その光の入射角を
60度にして、磁性層10の厚さを種々変えた場合の磁
性層表面での反射率を測定してまとめた表である。
【0058】 表 3 磁性層の厚さ(μm) 反射率(%) 0.24 6.5 0.31 10.3 0.35 11.5 0.37 11.3 0.43 11.1 0.45 10.2 0.50 6.0 0.55 10.2 0.59 11.0 0.62 11.5 0.66 11.1 0.67 10.5 0.70 7.8 0.74 6.6 0.81 10.7 0.85 11.0 0.89 11.2 0.94 10.9 0.97 10.4 1.15 10.5 1.40 11.0 1.65 10.6 この表2ならびに表3の結果からも明らかなように、磁
性層10の厚さを0.31〜0.45μm、0.55〜
0.67μm、0.81〜0.97μmのいずれかの範
囲に規制すれば、高い反射率(10%以上)と良好なオ
ーバライト特性(−30dB以下)を得ることができ、
特に磁性層10の厚さを0.35〜0.43μm、0.
59〜0.66μm、0.85〜0.94μmのいずれ
かの範囲に規制すると、さらに高い反射率と良好なオー
バライト特性が得られることが分かる。
【0059】このように高い反射率を有するということ
は、前記トラツキング用凹部23との反射率の差が明確
に現れ、磁気ヘツドのトラツキングサーボが適正に行な
われることを意味する。
【0060】さらに本発明者らは磁性層の厚さを0.8
9μmと一定にし、発光素子31として光の中心波長が
880nmの赤外発光ダイオードを使用し、発光素子3
1からの入射角度を20度として、磁性層中の磁性粉の
平均粒径と反射率のばらつきとの関係について検討し、
その結果を次の表4に示す。
【0061】 表 4 磁性粉の平均粒径(μm) 反射率(%) 0.08 8.7〜10.3 0.06 10.5〜11.3 0.04 10.8〜11.5 この表から明らかなように、磁性粉の平均粒径が0.0
6μm以下のものは反射率のばらつきが少なく品質的に
一定していることが分かる。
【0062】この磁性粉として、特にバリウムフエライ
トあるいはストロンチウムフエライト等の板状フエライ
トが好適である。前記バリウムフエライトはBaO・6
Fe2 3 を主成分とし、ストロンチウムフエライトは
SrO・6Fe2 3 を主成分とし、ともにマグネツト
プランバイト型の六方晶の結晶構造を有している。
【0063】また本発明者らは磁性層の厚さを0.89
μmと一定にし、発光素子31として光の平均波長が8
80nmの赤外発光ダイオードを使用し、発光素子31
からの入射角度を20度とし、磁性粉の平均粒径が0.
04μmのバリウムフエライトを用いて、磁性層の表面
粗さ(Ra)と反射率のばらつきとの関係について検討
し、その結果を次の表5に示す。
【0064】 表 5 磁性層の表面粗さ(Ra) 反射率(%) 0.020 7.0〜9.5 0.015 10.5〜11.3 0.006 11.2〜12.2 この表から明らかなように、磁性層の表面粗さ(Ra)
が0.015μm以下のものは反射率のばらつきが少な
く品質的に一定していることが分かる。なお、この磁性
層の表面粗さ(Ra)は例えばカレンダーの処理条件を
コントロールすることにより所望の値に調整することが
できる。
【0065】図11は、本発明の他の実施例を示す拡大
断面図である。この実施例の場合、ベースフイルム9の
上に例えばアルミニウム、錫、ニツケル、銅などの金属
あるいは酸化チタン、酸化アルミニウムなどの金属酸化
物を主成分とする反射膜40が形成され、その上にトラ
ツキング凹部23を有する磁性層10aが設けられてい
る。
【0066】この実施例においても前述のように磁性層
10aの膜厚、磁性粉の平均粉径ならびに磁性層10a
の表面粗さなどが前述のような範囲で規制されている。
【0067】この実施例のように、ベースフイルム9と
磁性層10aとの間に例えばアルミニウム、錫、ニツケ
ル、銅などの金属あるいは酸化チタン、酸化アルミニウ
ムなどの金属酸化物またはポリカーボネート、ポリフエ
ニレンサルフアイド、ポリイミドなどのベースフイルム
9よりも硬質の合成樹脂からなる中間層(この実施例で
は反射膜40)を予め設けておけば、トラツキング用凹
部23をスタンピングする際に(図6参照)きれいなト
ラツキング用凹部23が形成される。
【0068】前記実施例ではデイスク状の磁気記録媒体
について説明したが、本発明は例えば磁気カードなど他
の形態の磁気記録媒体にも適用が可能である。
【0069】
【発明の効果】本発明は前述のように、磁性層の厚さと
を特定の範囲に限定することにより、データトラツク上
での反射強度を高め、トラツキング用光学凹部による磁
気ヘツドのトラツキングサーボが適正に行なわれる磁気
記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る磁気デイスクカートリツ
ジの一部を分解した斜視図である。
【図2】磁気シートの拡大断面図である。
【図3】磁気デイスクの平面図である。
【図4】リフアレンストラツクの一部拡大平面図であ
る。
【図5】リフアレンストラツクならびに磁気ヘツドトラ
ツキング用光学トラツクを説明するための図である。
【図6】リフアレンストラツクならびに磁気ヘツドトラ
ツキング用光学トラツクを形成する装置を示す断面図で
ある。
【図7】磁気ヘツドのトラツキングサーボを説明するた
めの断面図である。
【図8】受光素子の配置状態を示す説明図である。
【図9】磁気ヘツドのトラツキング制御を説明するため
の断面図である。
【図10】発光素子から出射される光の中心波長と入射
角との関係を示す相関図である。
【図11】磁気記録媒体の他の実施例を示す拡大断面図
である。
【図12】従来の磁気記録媒体の拡大断面図である。
【図13】従来の磁気記録媒体上での受光素子の配置状
態を示す説明図図である。
【符号の説明】
2 磁気デイスク 7 磁気シート 9 ベースフイルム 10a.10b 磁性層 11 リフアレンストラツク 12 磁気ヘツドトラツキング用光学トラツク 14 データトラツク 15 記録帯域 23 トラツキング用凹部 30 磁気ヘツド 31 発光素子 32 受光素子群 32a,32b,32c,32d 受光素子 33 サーボ信号演算部 34 ヘツド駆動制御部 40 反射膜

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性体からなる基体と、その基体の上
    に形成された磁性層を有し、 その磁性層の表面に所定の間隔をおいて多数の磁気ヘツ
    ドトラツキング用光学凹部が設けられ、 その磁気ヘツドトラツキング用光学凹部と隣の磁気ヘツ
    ドトラツキング用光学凹部との間に、所望の情報を記録
    するデータトラツクが形成された磁気記録媒体におい
    て、 前記データトラツクの磁性層の厚さが、0.31〜0.
    45μm、0.55〜0.67μm、0.81〜0.9
    7μmのいずれかの範囲に規制されていることを特徴と
    する磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載において、前記データトラ
    ツクの磁性層の厚さが、0.35〜0.43μm、0.
    59〜0.66μm、0.85〜0.94μmのいずれ
    かの範囲に規制されていることを特徴とする磁気記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載において、
    前記膜厚を有する磁気記録媒体が、磁気ヘツドトラツキ
    ング用発光素子から前記磁性層に対して照射される光の
    中心波長(λ)が740〜940nmの範囲内で、その
    光の入射角(θ)が70度以下に設定された磁気記録再
    生装置に使用される磁気記録媒体であることを特徴とす
    る磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項3記載において、前記磁気ヘツド
    トラツキング用発光素子から照射される光の中心波長
    (λ)とその光の入射角(θ)とが、その光の中心波長
    (λ)と入射角(θ)との相関図において下記の2つの
    式によつて区画された範囲内にあることを特徴とする磁
    気記録媒体。 λ1 =−2.2θ+860〔nm〕 λ4 =−2.2θ+990〔nm〕
  5. 【請求項5】 請求項3記載において、前記磁気ヘツド
    トラツキング用発光素子から照射される光の中心波長
    (λ)とその光の入射角(θ)とが、その光の中心波長
    (λ)と入射角(θ)との相関図において下記の2つの
    式によつて区画された範囲内にあることを特徴とする磁
    気記録媒体。 λ2 =−2.2θ+890〔nm〕 λ3 =−2.2θ+950〔nm〕
  6. 【請求項6】 請求項1または請求項2記載において、
    前記磁性層に含有される磁性粉の平均粒径が0.06μ
    m以下であることを特徴とする磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 請求項1または請求項2記載において、
    前記磁性粉が板状フエライトであることを特徴とする磁
    気記録媒体。
  8. 【請求項8】 請求項7記載において、前記板状フエラ
    イトがバリウムフエライトであることを特徴とする磁気
    記録媒体。
  9. 【請求項9】 請求項1または請求項2記載において、
    前記データトラツクの表面粗さ(Ra)が0.015μ
    m以下であることを特徴とする磁気記録媒体。
  10. 【請求項10】 請求項1または請求項2記載におい
    て、前記基体と磁性層との間に反射膜が形成されていこ
    とを特徴とする磁気記録媒体。
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JP30269991 1991-10-23
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5952074A (en) * 1994-08-03 1999-09-14 Hitachi Maxell, Ltd. Magnetic recording medium

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