JPH05200652A - 遊星ローラ増速機構内蔵工具アダプタ - Google Patents

遊星ローラ増速機構内蔵工具アダプタ

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Publication number
JPH05200652A
JPH05200652A JP23155892A JP23155892A JPH05200652A JP H05200652 A JPH05200652 A JP H05200652A JP 23155892 A JP23155892 A JP 23155892A JP 23155892 A JP23155892 A JP 23155892A JP H05200652 A JPH05200652 A JP H05200652A
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JP
Japan
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tool
planetary roller
rotation speed
rotation
speed
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Application number
JP23155892A
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English (en)
Inventor
Koichi Ueda
浩一 上田
Shinji Yasuhara
伸二 安原
Hideki Touzu
秀起 東頭
Hitoshi Iwamoto
仁 岩本
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Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 遊星ローラ増速機構内蔵工具アダプタにおけ
る切込量の過大による遊星ローラ増速機構への過負荷を
検出し、その破損及び加工不良を図る。 【構成】 工作機械の主軸に装着される回転部1,2,
3と、回転部の外周に回転自在に嵌挿支承され、工作機
械の固定側に係合離脱自在に結合される固定部20と、回
転部に挿通され、固定部及び回転部に対し回転自在であ
り、且つ先端部分に工具を取付ける工具取付部30とが遊
星ローラ増速機構10,22,32を介して組立構成されてい
る遊星ローラ増速機構内蔵工具アダプタは、回転部の回
転数を検出する第1回転数検出手段51A、工具取付部の
回転数を検出する第2回転数検出手段51B及び第1回転
数検出手段の検出信号と第2回転数検出手段の検出信号
が入力されるように接続され、工具取付部の回転数の回
転部の回転数に対する増速比が所定値未満の場合には異
常信号を発する回転異常判別装置50を具備している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、遊星ローラ増速機構
内蔵工具アダプタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術による遊星ローラ増速機構内
蔵工具アダプタは、マシニングセンタのような工作機械
の主軸に挿着される回転部と、例えば主軸頭のような固
定側に係合離脱自在に結合される固定部と、工具を取付
ける工具取付部とが遊星ローラ増速機構を介して組立構
成されている。
【0003】回転部は、先端の中空軸部、中間の溝付き
鍔部及び後端のテーパシャンクが共軸線関係に一体とな
って形成されている。中空軸部の中間部には、外周面か
ら中心穴に貫通して放射状に断面長方形の遊星ローラ挿
着用の挿着孔が中心角120度間隔で3個穿設され、遊
星ローラは、挿着孔において駆動ピンにより中空軸部に
回転自在に取付けられる。
【0004】回転部は固定部に転がり軸受により回転自
在に支承されているのであるが、固定部の中空ハウジン
グにおいては、その内周面には、輪状固定軌道面が形成
され、輪状固定軌道面には遊星ローラの外周面が係合し
ている。
【0005】工具取付部は、転がり軸受を介して中空軸
部の中心穴に回転自在に挿着された回転軸であり、転が
り軸受の支承域から後方に突出した後端部が太陽ローラ
部となつて遊星ローラと外接し、先端部は、回転部の先
端から突出し、工具が装着されるようになっている。結
局、輪状固定軌道面、遊星ローラ及び太陽ローラ部によ
って遊星ローラ増速機構が構成され、回転部の回転が増
速されて工具取付部の回転となるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術による上記
のような遊星ローラ増速機構内蔵工具アダプタにおいて
は、切削・研削加工を行う場合、作業者の誤操作又は工
作物の異常形状により切込量が過大となる結果、小形で
ある遊星ローラ増速機構に過負荷がかかり、破損を誘発
する。
【0007】この発明は、上記の問題を解消するべく遊
星ローラ増速機構内蔵工具アダプタにおける遊星ローラ
増速機構に対する過負荷を検出し、破損の予防を図った
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明による遊星ロー
ラ増速機構内蔵工具アダプタは、前半部分に軸線方向の
中心穴が形成され、後半部分が工作機械の主軸に装着さ
れる回転部と、回転部の前半部分の外周に回転自在に嵌
挿支承され、工作機械の固定側に係合離脱自在に結合さ
れる中空ハウジングである固定部と、回転部の中心穴内
に挿通され、固定部及び回転部に対し回転自在であり、
且つ先端部分に工具を取付ける工具取付部とが遊星ロー
ラ増速機構を介して組立構成されており、固定部に設け
られ、回転部の単位時間の回転数を検出する第1回転数
検出手段、同じく固定部に設けられ、工具取付部の単位
時間の回転数を検出する第2回転数検出手段及び第1回
転数検出手段の検出信号と第2回転数検出手段の検出信
号が入力されるように接続され、工具取付部の回転数の
回転部の回転数に対する増速比が所定値未満の場合には
異常信号を発する回転異常判別装置を具備している。そ
して、回転部の前半部分の外周部にロータが、固定部の
中空孔にステータが対向して設けられ、回転異常判別装
置の電源としての内蔵発電機を構成してもよい。
【0009】
【作用】遊星ローラ増速機構内蔵工具アダプタを装着し
た工作機械の主軸が回転駆動されると、回転部は、工作
機械の固定側に結合された中空ハウジングに対して回転
する。すると、回転部前半部分に公転・自転自在に支承
された遊星ローラは、中空ハウジングの輪状固定軌道面
及び工具取付部の太陽部分の外周に接触しながら自転す
ると共に、主軸軸線回りに公転する。すると、太陽部
分、即ち工具取付部に装着された工具は、回転部、即ち
主軸の回転より増速されて回転する。切削・研削加工中
における遊星ローラ増速機構内蔵工具アダプタの固定部
のステータに対する回転部のロータの回転により発電さ
れる内蔵発電機の出力、又は他の給電手段の出力が回転
異常判別装置路に入力される。
【0010】他方、回転部の単位時間の回転数は第1回
転数検出手段により、工具取付部の単位時間の回転数は
第2回転数検出手段により夫々検出される。それらの検
出信号は、回転異常判別装置に入力され、回転数検出比
較演算回路において、回転部回転数と工具取付部の回転
数との比、即ち検出増速比が求められ、更にそれと所定
値との比が求められる。
【0011】遊星ローラ増速機構が正常に作動している
場合には、検出増速比が所定値に達し、回転異常判別装
置から異常信号が出力されないが、切削・研削加工中
に、例えば作業者の誤操作又は工作物の異常形状に起因
する切込量の過大による切削・研削抵抗等のための過負
荷が工具を介して遊星ローラ増速機構に加わると、遊星
ローラ増速機構において滑りが生じる。その結果、検出
増速比が減小し、所定値未満となると、回転数検出比較
演算回路から異常信号が出力され、作業者は、過負荷発
生の異常状態を知ることができる。
【0012】
【実施例】この発明の実施例の遊星ローラ増速機構内蔵
工具アダプタを図面に従って説明する。図1において、
遊星ローラ増速機構内蔵工具アダプタは、マシニングセ
ンタのような工作機械の主軸に挿着される回転部と例え
ば主軸頭のような固定側に係合離脱自在に結合される固
定部と工具を取付ける工具取付部とから構成されてい
る。
【0013】回転部は、先端の中空軸部1、中間の溝付
き鍔部2及び後端のテーパシャンク3が共軸線関係に一
体となって形成されている。中空軸部1の中間部には、
外周面から中心穴4に貫通して放射状に断面長方形の遊
星ローラ挿着用の挿着孔5が中心角120度又は90度
間隔で3又は4箇所に穿設され、更に、図2に示すよう
に挿着孔5の中空軸部1の軸線方向の両端に続いて、遊
星ローラ駆動ピン用の断面四辺形の取付溝6a,6bが
形成されている。
【0014】断面略四辺形の軸首7a,7bが形成され
た駆動ピン7には、スリーブ8,8で挟んで2連のシー
ル付き深溝玉軸受9,9の内輪が嵌着され、その外輪に
は遊星ローラ10が嵌着されている。遊星ローラ10を取付
けた駆動ピン7を中空軸部1に取付けるのに際しては、
遊星ローラ10及びスリーブ8,8は、中空軸部1の外径
側から半径方向に挿着孔5に、軸首7a,7bを取付溝
6a,6bに夫々挿入される。(図2参照)
【0015】かくして、遊星ローラ10,10‥は、各挿着
孔5においてスリーブ8,8及び深溝玉軸受9,9で軸
線方向に位置決めされて回転自在に中空軸部1に取付け
られ、各遊星ローラ10の外周面は、部分的に中空軸部1
の外周面より適宜量突出している。従って、中空軸部1
の外周面と輪状固定軌道面22(後出)との間には、適宜
の間隔をとることができる。
【0016】後述するように回転部の中空軸部1は、固
定部に遊星ローラ10及びシール付き深溝玉軸受11を介し
て回転自在に支承されているのであるが、中空軸部1の
外周面には、取付溝6aの前端側でシール付き深溝玉軸
受11の内輪が嵌着されている。
【0017】更に中空軸部1の外周面には、後端側にお
いて鍔部12が取付られ、鍔部12には、ラビリンスシール
部とリップを備えたシール14が嵌着され、中空軸部1の
先端に嵌着されたキャップ状部材15には、鍔状に形成さ
れたラビリンスシール部とリップを備えたシール17が嵌
着されている。シール付き深溝玉軸受11は、中心穴4及
び挿着孔5に対する密封機能に関し、ラビリンスシール
部及びシール17に加わっている。
【0018】そして、鍔部12の径方向外方には、鍔部12
の外周面に対し、微小間隙をもって入力軸側の第1回転
数センサ51Aが、鍔部12に軸線方向で一致する位置に設
けられている。第1回転数センサ51Aが磁気的センサで
ある場合は、鍔部12が磁性材で製作され、鍔部12の外周
面には、複数個の凹部が円周等間隔に加工され、鍔部12
が回転すると、その凹部に対向する第1回転数センサ51
Aに対し周期的に凹部が通過するので、凹部が通過する
数に等しい数で第1回転数センサ51Aから電気パルス信
号が出力される。
【0019】第1回転数センサ51Aが光学センサである
場合は、鍔部12の外周面には、光の反射率を鍔部本体と
異にする表面状態の箇所が複数個、円周等間隔に加工さ
れ、鍔部12が回転すると、その光学的な反射を起す箇所
に対向する第1回転数センサ51Aに対し周期的にその箇
所が通過するので、その箇所が通過する数に等しい数で
第1回転数センサ51Aから電気パルス信号が出力され
る。その光学的な反射を起す箇所の加工に替えて、光学
的な反射を起すテープ類が円周等間隔に貼られてもよ
い。
【0020】溝付き鍔部2には環状溝18が形成され、自
動工具交換装置の交換ハンドが係合するのである。テー
パシャンクの後端面に穿設されたねじ穴にはマシニング
センタの主軸の引張棒が螺合し、テーパシャンクは主軸
のテーパ孔に挿着される。
【0021】固定部は、外周面にジャケット溝21が、内
周面に遊星ローラ用の輪状固定軌道面22が、更に前端部
内周面にシール17のリップに密接する突縁部が形成され
ると共に、後端面がシール14のリップに接触するように
なっており、更にジャケット溝21から先端面の切削(研
削)冷却剤噴出口24に向って貫通した通孔25が穿設され
ている略円筒状の中空ハウジング20で構成され、その外
周面にジャケット溝21を覆うジャケットカバー26がOリ
ングで密封されると共に接着剤を介して嵌着されてい
る。
【0022】中空軸部1の中間部の挿着孔5の前方域に
おける取付溝6aがない外周面部分には、永久磁石片52
aが固着されており、輪状固定軌道面22には、永久磁石
片52aの位置と軸線方向で一致する位置にコアに巻回さ
れた発電コイル52bが取付けられている。そして、永久
磁石片52の先端の通過円周は、コア先端と微小間隙をも
って対向し、両者で回転異常判別装置50(後出)電源用
の発電機52が構成されている。
【0023】更に中空ハウジング20の外周面には回り止
め装置40が設けられている。回り止め装置40は、中空ハ
ウジング20の外周面に固着された主軸軸方向の案内スリ
ーブ41と、案内スリーブ41内に滑動自在に嵌合され、圧
縮ばね42により主軸軸線方向に後方向きに付勢されてい
る回止めピン43と、中空軸部1に取付けられた鍔部12と
係合離脱自在の係合爪腕44が半径方向へ突設され、案内
スリーブ41及び回止めピン43に滑動自在に外嵌され、圧
縮ばね45により主軸軸線方向に後方向きに付勢されてい
る調整スリーブ46とから構成されている。そうして、回
止めピン43の先端は、テーパシャンク3の主軸挿着時
に、マシニングセンタの固定部、例えば主軸頭の先端面
の回止め部材の係合凹部に係合されるようになってい
る。
【0024】中空軸部1の外周に取付けられた中空ハウ
ジング20においては、その内周面には、輪状固定軌道面
22の前側の段部においてシール付き深溝玉軸受11の外輪
が位置決め固着されると共に輪状固定軌道面22には遊星
ローラ10‥の外周面が係合し、後端面にシール14のリッ
プが密接し、突縁部にシール17のリップが密接し、中空
ハウジング20の先端部内周面は、ラビリンスシール部と
対向する。
【0025】工具取付部は、3連の転がり軸受(例えば
セラミックボールをもったアンギュラ玉軸受)31,31,
31を介して中空軸部1の中心穴4に回転自在に挿着され
た回転軸30である。即ち、中空軸部1の中心穴4に形成
された段部を軸線方向支承面として、中心穴4には、転
がり軸受31,31,31の外輪が軸線方向に順に密接して嵌
着されて位置決めされ、それらの内輪に回転軸30の外周
面が嵌着されている。即ち、回転軸30(工具取付部)
は、転がり軸受31,31,31をもって中空軸部1(回転
部)における剛性が保たれている。
【0026】そして、転がり軸受31,31,31の内輪の奥
側に突出した回転軸30には太陽ローラ部32が形成されて
おり、太陽ローラ部32は、挿着孔5の内側開口から突出
した遊星ローラ10と外接している。結局、輪状固定軌道
面22、遊星ローラ10‥及び太陽ローラ部32によって遊星
ローラ増速機構が構成されているのである。
【0027】回転軸30の先端部は、回転部のキャップ状
部材15の先端孔からシール33及びラビリンスシール部を
介して突出し、工具が適宜装着されるようになってい
る。そして、回転軸30の先端部の外周面には鍔部12と同
様に適宜の標識が設けられ、第1回転数センサ51A同様
に微小間隙をもって標識に対向し得る出力軸側の第2回
転数センサ51Bが標識位置に軸線方向で一致する位置に
設けられている。
【0028】ジャケットカバー26の外周面には、図3に
示すような回路を備えた回転異常判別装置50が装着さ
れ、回転異常判別装置50は、発電機52に接続された電源
回路53、入力回路54A,54B、回転数検出比較演算回路
55、発光ダイオード駆動回路56、発光ダイオード57、信
号出力回路58(発光ダイオード駆動回路56及び発光ダイ
オード57又は信号出力回路58の一方は省略され得る)か
ら構成され、電源回路53は、発電機52からの入力を適
宜、入力回路54A,54B、回転数検出比較演算回路55、
発光ダイオード駆動回路56及び信号出力回路58に対し供
給するように接続されている。
【0029】回転異常判別装置50に対する電源は、適宜
の外部電源や内蔵電池でもよい。しかし、外部電源の場
合は、着脱自在の工具アダプタに対する給電のために構
造的に煩雑となり、内蔵電池の場合は、消耗による交換
の必要が生じる。そこで、上記の実施例おける発電機52
にのような内蔵型電源が便利である。
【0030】第1回転数センサ51A及び第2回転数セン
サ51Bは、検出信号を入力回路54A,54Bに入力するよ
うに接続され、入力回路54A,54Bは、サイン波の検出
信号を矩形波の検出信号に波形整形する例えばフイルタ
であり、その波形整形した矩形波の検出信号を回転数検
出比較演算回路55に入力するように接続され、回転数検
出比較演算回路55は、入力軸側検出信号と出力軸側検出
信号とにより入力軸側回転数と出力軸回転数との比、即
ち増速比を演算し、遊星ローラ増速機構の設計上の増速
比と比較し、その比が許容値未満の場合には、発光ダイ
オード駆動回路56及び信号出力回路58にアラーム信号を
入力するように接続されている。
【0031】図4に例示した回転数検出比較演算回路55
におては、F−V変換回路55A,55Bは、入力回路54
A,54Bから入力されるパルス周波数の形の検出信号を
電圧信号に変換し、F−V変換回路55Aは、その出力が
異常レベル設定用ポテンショメータ55Cを介して異常レ
ベルを設定するよう適宜に変圧されて比較素子55Dに入
力されるように、F−V変換回路55Bは、その出力が直
接に比較素子55Dに入力されるように夫々接続されてお
り、比較素子55Dは、両入力電圧信号の差電圧信号を発
光ダイオード駆動回路56及び信号出力回路58にアラーム
信号を入力するように接続されている。
【0032】上記の遊星ローラ増速機構内蔵工具アダプ
タの作用について説明する。回転軸30の先端のテーパ孔
に所定の工具のシャンクが挿着されることにより、工具
は、遊星ローラ増速機構内蔵工具アダプタに把持されて
いる。その際、鍔部12の前端面に形成された位置決め穴
に係合爪腕44が圧縮ばね45のばね力により係合され、回
転部と固定部とは固定関係にある。
【0033】この工具装着済の遊星ローラ増速機構内蔵
工具アダプタは、例えばマシニングセンタの工具マガジ
ンに貯蔵されており、交換ハンドにより溝付き鍔部2の
環状溝を把持されて、マシニングセンタの主軸に所定角
度位置関係で装着される。即ちテーパシャンク3が主軸
のテーパ孔に挿入され、テーパシャンク3のねじ穴に主
軸の引張棒が螺合し、テーパシャンク3を引込むことに
より、遊星ローラ増速機構内蔵工具アダプタは主軸に固
着される。
【0034】その際、主軸頭の先端面の回止め部材の係
合凹部に回止めピン43の先端が係合し、回止めピン43
は、圧縮ばね42のばね力に抗して退縮すると共に、調整
スリーブ46は、回止め部材の先端面に当接し、圧縮ばね
45のばね力に抗して退縮して、係合爪腕44は鍔部12の位
置決め穴から離脱する。その結果、固定部、即ち中空ハ
ウジング20は固定され、回転部は主軸と共に固定部に対
し回転自在となる。
【0035】かくして、遊星ローラ増速機構内蔵工具ア
ダプタを装着した主軸が回転駆動されると、シール付き
深溝玉軸受9,9に支承された中空軸部1は、中空ハウ
ジング20に対して回転する。従って、輪状固定軌道面22
に接触する各遊星ローラ10は、駆動ピン7回りに自転す
ると共に、主軸軸線回りに公転する。すると、遊星ロー
ラ10に接触する太陽ローラ部32、即ち転がり軸受31,3
1,31に支承された回転軸30に装着された工具は、回転
部、即ち主軸の回転により増速されて回転する。工具に
対するスラスト荷重は、回転軸30、転がり軸受31,31,
31及び回転部を介して主軸によって支承される。
【0036】高速回転する工具により切削(研削)加工
が行われるのであるが、その際、切削(研削)冷却剤が
ジャケット溝21から通孔25を通して噴出口24に向って送
られ、そこから加工箇所に噴射される。そうして、加工
中の切削(研削)冷却剤飛沫の遊星ローラ増速機構内蔵
工具アダプタ内部への浸入は、低速回転中には、シール
14,17,33により阻止され、高速回転中には、摩擦熱を
防止するべく各シール14,17,33のリップが遠心力で撓
み、密接点から離れるが、隣接の各ラビリンスシール部
により阻止される。
【0037】切削・研削加工中における遊星ローラ増速
機構内蔵工具アダプタの固定部の発電コイル52bに対す
る回転部の永久磁石52aの回転により発電される発電機
52の出力が回転異常判別装置50の電源回路53に入力さ
れ、電源回路53は、発電機52からの入力を適宜、入力回
路54A,54B、回転数検出比較演算回路55、発光ダイオ
ード駆動回路56及び信号出力回路58に対し供給し、回転
異常判別装置50は作動する。
【0038】他方、回転部、即ち中空軸部1の回転数N
1 は第1回転数センサ51Aにより、工具取付部、即ち回
転軸30の回転数N2 は第2回転数センサ51Bにより夫々
検出される。それらの検出信号は、サイン波として回転
異常判別装置50の入力回路54A,54Bに入力され、矩形
波に波形整形され更に回転数検出比較演算回路55に入力
される。
【0039】回転数検出比較演算回路55において、中空
軸部1の回転数N1 と回転軸30の回転数N2 との比、即
ち検出増速比K(=N2 /N1 )が求められ、更に検出
増速比Kと遊星ローラ増速機構の設計上の増速比K0 と
の比が求められる。遊星ローラ増速機構が正常に作動し
ている場合には、K/K0 ≧M(許容値、例えば0.9
8)であり、回転数検出比較演算回路55からアラーム信
号は出力されない。
【0040】図4で例示した回転数検出比較演算回路55
で説明すると、F−V変換回路55A,55Bに入力された
検出信号のパルス周波数が電圧信号に変換され、F−V
変換回路55Aからの電圧信号は、異常レベル設定用ポテ
ンショメータ55Cにより任意に調整された電圧にされ、
比較素子55DでF−V変換回路55Bからの電圧と比較さ
れる。その両者に差がない場合には、比較素子55Dから
アラーム信号が出力されない。
【0041】切削・研削加工中に、例えば作業者の誤操
作又は工作物の異常形状に起因する切込量の過大による
切削・研削抵抗等のための過負荷が工具を介して回転軸
30、即ち遊星ローラ増速機構に加わると、太陽ローラ部
32及び遊星ローラ10の外周面間に滑りが生じる。
【0042】その結果、検出される上記の増速比K(=
N2 /N1 )が減小し、K/K0 <M となると、回転
数検出比較演算回路55からアラーム信号が発光ダイオー
ド駆動回路56及び信号出力回路58又はそのいずれか一方
に出力される。図4の回路では、異常レベル設定用ポテ
ンショメータ55Cで設定された異常レベル電圧とF−V
変換回路55Bからの電圧とに差が生じると、比較素子55
Dから差電圧信号、即ちアラーム信号が発光ダイオード
駆動回路56及び信号出力回路58又はそのいずれか一方に
出力される。
【0043】発光ダイオード駆動回路56は、アラーム信
号が入力されると発光ダイオード57を発光させ、信号出
力回路58は、アラーム信号が入力されると外部の適宜の
警報装置に対し電波又は赤外線等の形で異常信号を出力
する。従って、作業者は、過負荷発生の異常状態を発光
ダイオード57の発光や外部の警報装置の警報により視聴
覚的に知ることができる。又、無人で稼働させる場合に
は、電波又は赤外線等の信号に反応して駆動を停止させ
る適宜の外部停止機構が設けられてもよい。
【0044】
【発明の効果】この発明の遊星ローラ増速機構内蔵工具
アダプタにおいては、切削・研削加工を行う場合、作業
者の誤操作又は工作物の異常形状により切込量が過大と
なる結果の遊星ローラ増速機構に対する過負荷による滑
りを検出し、工具の回転不良に基づく加工不良や過負荷
に基づく遊星ローラ増速機構の破損の予防することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例における遊星ローラ増速機構
内蔵工具アダプタの断面正面図である。
【図2】この発明の実施例における遊星ローラ増速機構
内蔵工具アダプタの遊星ローラ挿着孔及び駆動ピンの斜
視図である。
【図3】この発明の実施例における遊星ローラ増速機構
内蔵工具アダプタの回転異常判別装置のブロック図であ
る。
【図4】この発明の実施例における遊星ローラ増速機構
内蔵工具アダプタの回転異常判別装置の回路図である。
【符号の説明】
1 中空軸部 2 溝付き鍔部 3 テーパシャンク 4 中心穴 5 挿着孔 6a,6b 取付
溝 7a,7b 軸首 7 駆動ピン 9,11 シール付き深溝玉軸受 10 遊星ローラ 15 キャップ状部材 18 環状溝 20 中空ハウジング 21 ジャケット溝 22 輪状固定軌道面 24 冷却剤噴出口 25 通孔 26 ジャケットカ バー 31 転がり軸受 30 回転軸 32 太陽ローラ部 40 回り止め装置 50 回転異常判別装置 51A 第1回転数 センサ 51B 第2回転数センサ 52 発電機 52a 永久磁石片 52b 発電コイル 53 電源回路 54A,54B 入力 回路 55 回転数検出比較演算回路 55A,55B F− V変換回路 55C 異常レベル設定用ポテンショメータ 55D 比較素子 56 発光ダイオー ド駆動回路 57 発光ダイオード 58 信号出力回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩本 仁 大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋 精工株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前半部分に軸線方向の中心穴が形成さ
    れ、後半部分が工作機械の主軸に装着される回転部と、
    回転部の前半部分の外周に回転自在に嵌挿支承され、工
    作機械の固定側に係合離脱自在に結合される中空ハウジ
    ングである固定部と、回転部の中心穴内に挿通され、固
    定部及び回転部に対し回転自在であり、且つ先端部分に
    工具を取付ける工具取付部とが遊星ローラ増速機構を介
    して組立構成されており、固定部に設けられ、回転部の
    単位時間の回転数を検出する第1回転数検出手段、同じ
    く固定部に設けられ、工具取付部の単位時間の回転数を
    検出する第2回転数検出手段及び第1回転数検出手段の
    検出信号と第2回転数検出手段の検出信号が入力される
    ように接続され、工具取付部の回転数の回転部の回転数
    に対する増速比が所定値未満の場合には異常信号を発す
    る回転異常判別装置を具備した遊星ローラ増速機構内蔵
    工具アダプタ。
  2. 【請求項2】 回転部の前半部分の外周部にロータが、
    固定部の中空孔にステータが対向して設けられ、回転異
    常判別装置の電源としての発電機が構成されている特許
    請求の範囲請求項1に記載の遊星ローラ増速機構内蔵工
    具アダプタ。
JP23155892A 1991-08-12 1992-08-07 遊星ローラ増速機構内蔵工具アダプタ Pending JPH05200652A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002059331A (ja) * 2000-08-22 2002-02-26 Toshiba Mach Co Ltd 工具および工具管理システム
JP2006255887A (ja) * 2006-04-21 2006-09-28 Toshiba Mach Co Ltd 工具、変速装置、工作機械および工具管理システム
JP2017507795A (ja) * 2014-03-07 2017-03-23 ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト 適合性のある動作ディスプレイ

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