JPH0519932U - 体内留置型圧力検出装置 - Google Patents

体内留置型圧力検出装置

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JPH0519932U
JPH0519932U JP7565091U JP7565091U JPH0519932U JP H0519932 U JPH0519932 U JP H0519932U JP 7565091 U JP7565091 U JP 7565091U JP 7565091 U JP7565091 U JP 7565091U JP H0519932 U JPH0519932 U JP H0519932U
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pressure
thin tube
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gel
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敦史 中嶋
大 稲垣
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 体内に留置した状態で、血液などの体液の圧
力を動圧および静圧の和として高精度で安定に測定する
ことができる体内留置型圧力検出装置を提供する。 【構成】 圧力検出装置20は、絶縁性の細管22と、
この細管22の先端から軸方向に所定距離だけ離間した
位置に配置されたセンサアセンブリ30と、細管22の
先端からセンサアセンブリ30に至る空隙部に充填さ
れ、絶縁性でかつ低粘弾性を有するゲル状圧力伝達媒体
40と、を含む。そして、前記センサアセンブリ30
は、細管22内に固定される絶縁性の基部32、この基
部32に固定され、軸方向に対して直角に配置される感
圧ダイヤフラム52を含む圧力検出素子34、および基
部32に形成され、圧力検出素子34に大気圧を導入す
るための大気連通孔36を有している。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、医療分野で使用される生体内の圧力、例えば血圧、頭蓋内圧、食道 内圧、膀胱内圧、尿道内圧その他の圧力の計測に使用され、十分小さなサイズを 有し血管内などに直接挿入される体内留置型圧力検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
生体の生理状態を診断したり治療するのに、血圧などの圧力の測定が行われて いる。生体の血圧測定を例にとると、間接測定法と直接測定法がある。
【0003】 前者の間接測定法は、圧力カフと聴診法を併用して従来から行われてきたもの であり、最近では家庭用血圧計としても多数使用されている。この方法は、患者 に苦痛や負担を与えない利点はあるものの、測定精度や連続モニタの点で問題が ある。
【0004】 一方直接測定法では、古くから「体外式血圧計」と呼ばれる装置が使用されて いる。この測定装置は、カテーテルを測定部位へ挿入し、カテーテル内に満たさ れた液体(例えば生理食塩水)を圧力伝達媒体とし、生体外に接続された圧力変 換器に圧力を伝達し、電気的に検出する方法である。しかし、この方法では、カ テーテルや圧力変換器のダイヤフラムのコンプライアンスおよびカテーテル内の 液柱の運動や液体の粘性による影響で大きな誤差を生じ、さらにカテーテル内に 気泡が混入したりすると誤差が重畳し、正確な測定が困難であった。
【0005】 これらの欠点を解決するためにカテーテルの先端部に圧力変換器を設定する試 みがなされ、以下に示すような測定装置が提案されている。 図13に示した測定装置は、シリコン圧力素子1の周辺をエポキシ樹脂2に よって石英管3に強固に固着した構造である。この装置では、エポキシ樹脂2と シリコン圧力素子1との接合部に発生する熱応力によるひずみにより、熱出力と 呼ばれる、不平衡電圧が発生し性能が損なわれる。 また、図14に示した測定装置は、シリコン圧力素子4がシリコン樹脂5に よってポリ塩化ビニル製チューブ6の先端部に接着されている。この装置では、 シリコン樹脂5による接着は熱ひずみを緩和させるため熱出力は小さくできるが 、構造的に機械的強度が不十分なため外からの機械的ひずみを受け易く、安定な 測定が困難である。 以上2つの従来装置の欠点を解決するため、図15に示す特公昭59−21 495号公報に記載の装置がある。これは側圧型とよばれ、静圧分のみを測定す る装置である。この装置は、カテーテル10の先端から所定の距離をおいた側面 に受圧穴14を設け、この受圧穴14に対向する位置に、シリコン圧力素子7が 大気導入孔8を有する支持台9にシリコンゴムなどの柔軟性接着剤によって軟接 着されている。そして、シリコン圧力素子7の上面側はシリコン樹脂11によっ て気密を保持されている。
【0006】 この構造では、シリコン圧力素子7は軟接着で支持台9に支持されているのみ であるため、熱ひずみによる熱出力は緩和される。また、シリコン圧力素子7が カテーテル10の内部に固定されているため、外からの機械的ひずみに対して強 い構造になっている。
【0007】 しかし、受圧部分のシリコン樹脂11の影響により性能が劣化するという欠点 があった。すなわち、シリコン樹脂11の圧力伝達性が低いことにより、感度の 低下やばらつき、非直線性、ヒステリシス、熱出力の発生などの問題を生じやす い。
【0008】 そして、これらの問題はシリコン樹脂11の層の厚みに大きく依存し、シリコ ン樹脂11の厚みが変化するとこれらの値の変化も顕著になるため、信頼性が高 く安定な測定結果を得ることが困難である。
【0009】 また、血圧測定検査の多様化に伴い、静圧だけではなく静圧と動圧の和、動圧 のみの情報にも対応できるよう要望が高まっている。
【0010】
【考案の目的】
本考案は、上記従来技術の問題を解決するものであり、その目的は、体内に留 置した状態で、血液などの体液の圧力を動圧および静圧の和として高精度で安定 に測定することができる体内留置型圧力検出装置を提供することにある。
【0011】
【考案の構成】
前記目的を達成するため、本考案の体内留置型圧力検出装置は、絶縁性の細管 と、 この細管の先端から軸方向に所定距離だけ離間した位置に配置され、以下の構 成a〜cを有するセンサアセンブリと、 a.前記細管内に固定される絶縁性の基部、 b.この基部に固定され、軸方向に対して直角に配置される感圧ダイヤフ ラムを含む圧力検出素子、および c.前記基部に形成され、前記圧力検出素子に大気圧を導入するための大 気連通孔、 前記細管の先端から前記圧力検出素子の感圧ダイヤフラムに至る空隙部に充填 され、絶縁性でかつ低粘弾性を有するゲル状圧力伝達媒体と、 を含むことを特徴とする。
【0012】
【作用】
本考案においては、圧力検出装置の先端を生体内の測定部位に挿入することに より、生体内の血圧等の圧力がゲル状圧力伝達媒体を介して感圧ダイヤフラムに 付加され、電気信号として出力される。このとき、感圧ダイヤフラムは被検出液 体の流れに対して垂直に設置されるため、その圧力を静圧と動圧の和として測定 することができる。
【0013】 また、上記構成の装置においては、圧力検出素子を構成する感圧ダイヤフラム と被検出液体との間に特定のゲル状圧力伝達媒体を介在させることにより、両者 の電気絶縁性を確保し、さらに生体内に感圧ダイヤフラムの破片等の異物が浸入 することを防止している。そして、特徴的なことは、前記ゲル状圧力伝達媒体は 極めて低弾性であるため、被検出液体の圧力を圧力損失のほとんど無い状態で感 圧ダイヤフラムに伝達することができ、したがって高精度で安定な圧力検出を行 うことができる。
【0014】
【他の考案の説明】
(第2考案) 第2考案にかかる体内留置型圧力検出装置は、前記細管および前記センサアセ ンブリの少なくとも一方に、前記ゲル状圧力伝達媒体が前記細管の先端より脱落 することを防止する媒体保持部を設けたことを特徴とする。
【0015】 この装置によれば、前記媒体保持部を設けたことにより、細管内のゲル状圧力 伝達媒体の生体内への脱落を確実に防止することができるため、生体に対する安 全性を確保することができる。
【0016】 (第3考案) 第3考案にかかる体内留置型圧力検出装置は、前記細管の先端から前記圧力検 出素子の感圧ダイヤフラムまでの距離L(ゲル状圧力伝達媒体の充填長)と前記 細管の直径(内径)Dとの比L/Dが1〜4であり、前記細管の断面積Sと前記 感圧ダイヤフラムの面積aとの比S/aが7〜14であることを特徴とする。
【0017】 L/DおよびS/aをこの値に設定することにより、圧力検出における精度と 安定性を所定の高い範囲に確保した上で、ゲル状圧力伝達媒体の厚みを十分大き く設定することができ、その保護層としての機能を確実に発揮できる。
【0018】 (第4考案) 第4考案にかかる体内留置型圧力検出装置は、前記大気連通孔にも前記ゲル状 圧力伝達媒体を充填することを特徴とする。
【0019】 この装置によれば、ゲル状圧力伝達媒体が感圧ダイヤフラムの両サイドに充填 されていることから、ゲル状圧力伝達媒体の弾性による影響がキャンセルされ、 より高精度な測定が可能である。
【0020】 (第5考案) 第5考案にかかる体内留置型圧力検出装置においては、前記細管の側面に受圧 穴を設け、この受圧穴に対向する位置に前記センサアセンブリ(第1のセンサア センブリ)と同様の感圧ダイヤフラムを有する第2のセンサアセンブリを軸方向 に設け、前記受圧穴から前記第2のセンサアセンブリに至る空隙部にゲル状圧力 伝達媒体を充填し、かつ前記受圧穴をスライド可能な蓋部材によって開閉可能と したことを特徴とする。
【0021】 この考案によれば、受圧穴を開放状態にすることにより、第2のセンサアセン ブルにより被検出液体の静圧のみを測定することができる。したがって、第1の センサアセンブリの圧力値から第2のセンサアセンブリの圧力値を引くことによ り動圧のみを正確に測定することができる。
【0022】 また、この装置においては、受圧穴を閉状態とすることにより、動圧と静圧と の和を測定することができ、したがって受圧穴を開閉することにより動圧のみの 測定、あるいは動圧と静圧との和の測定を選択的に行うことができる。
【0023】
【実施例】
次に、本考案を実施例によりさらに詳細に説明する。
【0024】 (第1実施例) 図1は、本考案の第1実施例に係る体内留置型圧力検出装置20の要部を示す 断面説明図である。この検出装置20は、細管22と、この細管22内において 該細管22の先端より軸方向に所定距離だけ離間した位置に配置されたセンサア センブリ30と、前記細管22の先端からセンサアセンブリ30に至るまでの空 隙部に充填されたゲル状圧力伝達媒体40とから構成されている。
【0025】 前記細管22は、電気的に絶縁性であり、かつ抗血栓性材料であることが望ま しく、例えばセグメントポリウレタンやプラズマで親水処理したポリ塩化ビニル などを好適に使用することができる。
【0026】 前記ゲル状圧力伝達媒体40としては、電気絶縁性が高く、かつ弾性率の小さ いシリコンゲルが好適である。このシリコンゲルは、従来使用していたシリコン 樹脂に比べ、その弾性率が1/1000程度と小さく、具体的には弾性率が1〜 30×10-4kg/mm2 のものが好ましい。
【0027】 前記センサアセンブリ30は、図2および図3に拡大して示すように、基部3 2と、この基部32の先端に設けられた圧力検出素子34と、この圧力検出素子 34に電気的に接続されたリード線38とから構成されている。
【0028】 前記基部32は、全体形状が円柱形をなし、その先端部に圧力検出素子34を 装着するための筒状部32aが形成されている。また、基部32には、その中心 軸に沿って大気連通孔36が形成されている。この大気連通孔36の周囲には、 前記リード線38が複数本(本実施例の場合には5本)貫通して設けられている 。そして、このリード線38は、その先端部38aが基部32の端面より少し突 出した状態で取り付けられている。
【0029】 また、前記基部32は、セラミックスによって構成され、電気絶縁性を有する と共に十分な剛性を有しており、筒状部32aに囲まれた状態で装着される圧力 検出素子34に対して外力による歪みを与えないように配慮されている。
【0030】 前記圧力検出素子34は、図4及び図5に示すように、中央部に感圧ダイヤフ ラム52を有するシリコン基板50によって構成されている。このような感圧ダ イヤフラム52は、薄板状のシリコン基板の中央部を裏面から異方性の化学的エ ッチングをして形成することができる。
【0031】 そして、この感圧ダイヤフラム52には、4個の歪みゲージ54a〜54dが 形成されている。この歪みゲージ54a〜54dは、拡散技術あるいはイオン注 入技術により形成される。また、感圧ダイヤフラム52を取り囲むような状態で 5個のアルミニウムパッド56a〜56eが形成され、各アルミニウムパッド5 6a〜56e上には、それぞれハンダ端子58a〜58eが形成されている。こ のハンダ端子58a〜58eは、例えばクロム,ニッケル及び金を順次蒸着しリ フトオフ法によって電極を形成し、溶融ハンダ中で前記電極にハンダを融着させ ることにより形成することができる。さらに、前記アルニミウムパッド56a〜 56eと前記歪みゲージ54a〜54dとは、アルミニウムによって所定のパタ ーンで電気的に接続されている。以上の回路によってブリッジ回路が構成され、 感圧ダイヤフラム52にかかる圧力に比例した電気信号を取り出すことができる 。また、上述したシリコン基板50上の回路はウエハ単位で形成することができ るため、生産性が良好である。
【0032】 また、シリコン基板50の裏面側には、エッチングによって形成された孔64 の中心方向に突出するフランジ状の媒体保持部60が形成されている。この媒体 保持部60は、シリコン基板50とエッチングマスクを構成する窒化珪素膜(6 0)との間にポリシリコン膜62を形成し、このポリシリコン膜62の孔を窒化 珪素膜60の孔より大きく形成することにより、孔64の開孔領域を窒化珪素膜 60の開孔部より拡大させ、結果的に窒化珪素膜60を中心方向に突出させるこ とにより形成される。また、圧力検出素子34は、図6に示すように、予め孔6 4の開孔部径よりも小さい径の開孔部を有するシリコン盤66を形成し、このシ リコン盤66をシリコン基板50に接合して形成することもできる。
【0033】 前記基部32と前記圧力検出素子34とを接合してセンサアセンブリ30を形 成するにあたっては、図3に示すように、基部32のリード線38の先端部38 aと圧力検出素子34のハンダ端子58(58a〜58e)とを位置合わせし、 フラックスによって仮固定する。そして、赤外線等で加熱処理することにより、 フラックス及びハンダが溶融し、そのとき発生する表面張力によってリード線3 8の先端部38aにハンダが集中し、両者の接続が完了する。
【0034】 本実施例においては、前記細管22の先端から前記圧力検出素子34の感圧ダ イヤフラム52までの距離Lと前記細管22の直径Dとの比L/Dが1〜4であ り、前記細管22の断面積Sと前記感圧ダイヤフラム52の面積aとの比S/a が7〜14に設定されることが望ましい。このように比L/DおよびS/aを特 定の数値範囲とすることにより、ゲル状圧力伝達媒体40の圧力検出素子34の 感度に与える影響をある値以下に抑制し、高精度で安定的に圧力を測定すること ができると共に、ゲル状圧力伝達媒体40の保護膜としての機能、すなわち電気 絶縁性の確保と感圧ダイヤフラム52等の破損による人体への悪影響を防ぐ機能 とを確実に達成することができる。
【0035】 比L/Dが4を越え、S/aが7未満になると、ゲル状圧力伝達媒体40の周 縁部に剪断力が作用して圧力が吸収され、その結果、ゲル状圧力伝達媒体を使用 せずに圧力検出素子34単体で構成した場合に比較して、2〜3%程度の感度低 下が生ずる。また、比L/Dが1未満であると、ゲル状圧力伝達媒体40の電気 絶縁性が不十分となる。
【0036】 さらに、比L/Dが4を越え、S/aが14を越えると、ゲル状圧力伝達媒体 40の弾性力が減少し、温度変化に伴う熱ひずみ(熱応力)が圧力検出素子34 の感圧ダイヤフラム52に伝達される。その結果、圧力検出素子単体の場合に比 較して、熱出力が0.2mmHg/℃程度増加し、特性が劣化するという弊害が 生ずる。
【0037】 次に、第1実施例の適用例として、以下に各構成要素のサイズの一例を示す。
【0038】 細管22の内径D;0.8mm 基部32の直径;0.8mm,長さ;2mm リード線38の直径;50μm,長さ;7mm,先端部38aの長さ;50μ m 圧力検出素子34の径;0.5mm,厚さ;0.15mm 感圧ダイヤフラム52の径;0.2mm,厚さ;6μm 大気連通孔36の直径;100μm 作用 次に、本実施例の作用について説明する。
【0039】 本実施例の圧力検出装置20は、圧力の測定にあたっては、生体内の被検出流 体内に、その感圧ダイヤフラム52が被検出流体の軸方向(流れ方向)に対して 垂直になるようにセットされる。そうすることにより、被検出流体の静圧と動圧 との和、すなわち総圧力が測定できる。
【0040】 そして、感圧ダイヤフラム52と被検出液体との間にゲル状圧力伝達媒体40 を介在させることにより、両者間の電気絶縁性を確保するとともに、何らかの原 因により感圧ダイヤフラム52等が破損した場合においてその破片やセンサアセ ンブリ30を構成する物質の一部など、生体に悪影響を与える異物が被検出液体 中に浸入することを防止することができる。
【0041】 そして、前記ゲル状圧力伝達媒体40は弾性率が極て小さいために、被検出液 体の圧力を極めて圧力損失の小さい状態で伝達することができ、高精度で安定な 圧力検出を行うことができる。また、ゲル状圧力伝達媒体40の厚みの変化に伴 う圧力損失などの変化も小さく、したがって従来のゴム状保護膜のようにその厚 みを厳密に規定する必要がないため、圧力検出装置20の組立てにおいてセンサ アセンブリ30の位置決めが容易となる。
【0042】 上記の点をより明らかにするために、圧力伝達媒体の違いによって圧力検出装 置の性能が異ることを測定値によって以下に示す。
【0043】 例えば図15に示す従来装置において、シリコン圧力素子7の感圧ダイヤフラ ムの径を0.5mmとした場合に、シリコン樹脂11の厚みが0.1mmから0.2 mmに変化したときには、感度は2〜5%低下する。また、このとき、熱出力は3 〜6%も増加する。さらに、零点ドリフトに関しては、シリコン樹脂の厚みが0 .1mmの場合にはあまり影響はないが、この厚みが0.2mmでは1時間経過した 後も安定せず迅速で確実な測定が困難である。
【0044】 これに対し本実施例においては、ゲル状圧力伝達媒体40の厚みが10mmであ っても、その厚みが0.1mmの場合と比較すると感度の低下は0.5%以下であ り、熱出力も1%以下の増加に止どまっている。また、零点ドリフトに関しては 数分間で安定が得られ、迅速で確実な測定を行うことができる。
【0045】 また、本実施例においては、圧力検出素子34の一端に軸方向に突出するフラ ンジ状の媒体保持部60を有しており、この媒体保持部60がゲル状圧力伝達媒 体40の層中に食込んだ状態にあるため、このゲル状圧力伝達媒体40の抜けを 確実に防止することができ、生体への安全性が確保されている。
【0046】 さらに、本実施例においては、センサアセンブリ30を構成する基部32の先 端側を筒状に構成し、この筒状部32a内に圧力検出素子34を挿入した状態で 固定しているため、外部から加わった力による歪みが圧力検出素子34に加わる ことがない。その結果、例えば血管内部の所定位置まで圧力検出装置20の先端 を挿入する過程での零点の変化を極めて小さくすることができ、安定した測定が 可能となる。
【0047】 (第2実施例) 図7は本考案の第2実施例にかかる圧力検出装置20の要部を示す断面説明図 である。なお、前記第1実施例と実質的に同一の部材には同一の符号を付し、そ の詳細な説明を省略する。
【0048】 本実施例においては、感圧ダイヤフラム52の両サイドにゲル状圧力伝達媒体 40を充填した点で前記第1実施例と異っている。すなわち、前記第1実施例に おいては、感圧ダイヤフラム34の一方(細管22の先端側)のみにゲル状圧力 伝達媒体40を充填しているが、本実施例においては、これに加え、反対側の大 気連通孔36にも同様のゲル状圧力伝達媒体42を充填して構成している。
【0049】 このようにゲル状圧力伝達媒体40を感圧ダイヤフラム52の両サイドに充填 することにより、この圧力伝達媒体の有する弾性の影響が相互にキャンセルされ ることとなり、ゲル状圧力伝達媒体を充填することによる圧力損失の影響をより 小さくすることができる。さらに、一方のサイドにのみ圧力伝達媒体を充填する ことによる機械的な歪みの影響をなくすことができ、圧力測定をより高精度で行 うことが可能となる。
【0050】 (第3実施例) 図8は、本考案の第3実施例を示す断面概略図である。なお、前記第1実施例 と実質的に同一の部材には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0051】 本実施例においては、細管22の先端から所定距離離れた位置に受圧穴24を 形成し、この受圧穴に対向する位置に第2のセンサアセンブリ70を設け、さら に前記受圧穴24を細管22の外側に蓋部材26を設けた点で前記第1実施例と 異っている。
【0052】 前記第2のセンサアセンブリ70は、セラミックス製の基部72と、この基部 72の上面に設けられシリコン基板74aの中央に感圧ダイヤフラム74bを有 する圧力検出素子74と、前記基部72に設けられた大気連通孔76とから構成 され、その作用は前記第1のセンサアセンブリ30とほぼ同様である。また、前 記受圧穴24から圧力検出素子74にいたる空隙部には、前記ゲル状圧力伝達媒 体40と同様のゲル状圧力伝達媒体44が充填されている。前記蓋部材26は、 細管22の外周に装着された筒状のスライド部材から構成され、この蓋部材26 を軸方向にスライドさせることにより、前記受圧穴24の開閉を可能としている 。
【0053】 本実施例によれば、前記第1実施例が第1のセンサアセンブリ30によって被 検出液体の総圧(動圧+静圧)を測定するのに対し、総圧の測定に加えて動圧の みの測定を行える点でさらに実用性が高まっている。すなわち、蓋部材26を交 替させ受圧穴24を開放した状態とすることにより、第2のセンサアセンブリ7 4によって被検出液体の静圧のみを測定することができ、第1のセンサアセンブ リ30によって得られた圧力値から第2のセンサアセンブリ74によって得られ た圧力値を差し引くことにより被検出液体の動圧のみを得ることができる。そし て、蓋部材26を前進させ受圧穴24を閉塞した状態とすることにより、前記第 1実施例と同様の構成となり、被検出液体の総圧を測定することができる。この ように、本実施例によれば、総圧あるいは動圧を蓋部材26の操作により選択的 に測定することができる。
【0054】 (その他の実施例) 本考案は前記実施例に限定されず、種々の改変が可能である。
【0055】 例えば、図9はセンサアセンブリ30を構成する基部32の変形例を示してい る。この例においては、基部を外筒32bと内筒32cとによって構成し、外筒 32bの先端を内筒32cより外部に延設することにより圧力検出素子34の装 着領域を構成している。このような二重管構造によれば、前記第1実施例の場合 のように先端に凹部を構成する方法より、より簡単に基部を形成することができ る。
【0056】 また、図10〜図12はゲル状圧力伝達媒体40の脱落を防止するための媒体 保持部の変形例を示したものである。
【0057】 すなわち、図10に示す構成例においては、媒体保持部22aは、細管22の 肉厚を先端に向って徐々に大きくするテーパによって構成されている。このよう に細管22の内壁を先端に向けて徐々に内側に傾斜させることにより、細管22 の先端内部は先細りの状態となり、そこに充填されるゲル状圧力伝達媒体40は 脱落することがなくなる。
【0058】 図11に示す構成例においては、媒体保持部22bは、細管22の先端内壁に 形成された凹凸によって構成されている。このようなに凹凸状の媒体保持部22 bがゲル状圧力伝達媒体40の側面に食い込む状態となり、その脱落を防止する ことができる。
【0059】 図12に示す構成例においては、センサアセンブリ30の基部を図9に示すも のと同様に外筒32bと内筒32cとより構成し、外筒32bの先端をさらに内 側に屈曲させた形状とすることにより、この突出部によって媒体保持部32dを 構成している。この媒体保持部32dの機能としては前記第1実施例の媒体保持 部64と似ているが、その形成が容易となる。
【0060】
【考案の効果】
本考案によれば、体内に留置した状態で血液などの体液の圧力を動圧および静 圧の和として高精度で安定して測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例の要部を示す断面説明図で
ある。
【図2】図1に示すセンサアセンブリを拡大して示す断
面説明図である。
【図3】センサアセンブリの組み付け状態を示す分解斜
視説明図である。
【図4】圧力検出素子の構成を示す斜視説明図である。
【図5】図4に示す圧力検出素子のA−A断面説明図で
ある。
【図6】圧力検出素子の他の構成例を示す断面説明図で
ある。
【図7】本考案の第2実施例の要部を示す断面説明図で
ある。
【図8】本考案の第3実施例の要部を示す断面説明図で
ある。
【図9】本考案のセンサアセンブリの他の構成例を示す
断面説明図である。
【図10】本考案の媒体保持部の他の構成例を示す断面
説明図である。
【図11】本考案の媒体保持部の他の構成例を示す断面
説明図である。
【図12】本考案の媒体保持部の他の構成例を示す断面
説明図である。
【図13】従来の圧力検出装置の一例を示す断面説明図
である。
【図14】従来の圧力検出装置の他の例を示す断面説明
図である。
【図15】従来の圧力検出装置の他の例を示す断面説明
図である。
【符号の説明】
20 圧力検出装置 22 細管 24 受圧穴 26 蓋部材 30 センサアセンブリ 32 基部 34 圧力検出素子 36 大気連通孔 40,42,44 ゲル状圧力伝達媒体 50 シリコン基板 52 感圧ダイヤフラム 64 媒体保持部 70 第2のセンサアセンブリ
TC006602

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性の細管と、 この細管の先端から軸方向に所定距離だけ離間した位置
    に配置され、以下の構成a〜cを有するセンサアセンブ
    リと、 a.前記細管内に固定される絶縁性の基部、 b.この基部に固定され、軸方向に対して直角に配置さ
    れる感圧ダイヤフラムを含む圧力検出素子、および c.前記基部に形成され、前記圧力検出素子に大気圧を
    導入するための大気連通孔、 前記細管の先端から前記圧力検出素子の感圧ダイヤフラ
    ムに至る空隙部に充填され、絶縁性でかつ低粘弾性を有
    するゲル状圧力伝達媒体と、 を含むことを特徴とする体内留置型圧力検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記細管および前記センサアセンブリの少なくとも一方
    に、前記ゲル状圧力伝達媒体が前記細管の先端より脱落
    することを防止する媒体保持部を設けたことを特徴とす
    る体内留置型圧力検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記細管の先端から前記圧力検出素子の感圧ダイヤフラ
    ムまでの距離Lと前記細管の直径Dとの比L/Dが1〜
    4であり、前記細管の断面積Sと前記感圧ダイヤフラム
    の面積aとの比S/aが7〜14であることを特徴とす
    る体内留置型圧力検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 前記大気連通孔にも前記ゲル状圧力伝達媒体を充填する
    ことを特徴とする体内留置型圧力検出装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 前記細管の側面に受圧穴を設け、この受圧穴に対向する
    位置に前記センサアセンブリ(第1のセンサアセンブ
    リ)と同様の感圧ダイヤフラムを軸方向に有する第2の
    センサアセンブリを設け、前記受圧穴から前記第2のセ
    ンサアセンブリに至る空隙部にゲル状圧力伝達媒体を充
    填し、かつ前記受圧穴をスライド可能な蓋部材によって
    開閉可能としたことを特徴とする体内留置型圧力検出装
    置。
JP7565091U 1991-08-26 1991-08-26 体内留置型圧力検出装置 Withdrawn JPH0519932U (ja)

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JP2001190507A (ja) * 2000-01-07 2001-07-17 Harue Ryu 血圧測定方法及び血圧計
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CN115151293A (zh) * 2020-03-30 2022-10-04 日本瑞翁株式会社 传感器搭载型导管

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