JPH05198144A - ディスク装置及び時間情報読み取り方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ＣＤにおける曲の終端を正確且つ容易に検出
する。 【構成】 曲の終端を検出する時に、まず、目的として
いる曲の次の曲の始端を検出する。次に、逆方向再生と
これよれも短い正方向再生とを繰返すことによって目的
とする曲の音声信号の終端を知り、この時点のタイムコ
ードを読み取る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ＣＤ（コンパクト・デ
ィスク）プレーヤ等のディスク装置及び記録媒体ディス
クから時間情報を読み取る方法に関する。

【０００２】

【従来の技術及びその問題点】ＣＤには多数の曲が曲間
スペースを有して記録されている。また、トラックフォ
ーマットのサブコード領域（ＩＤフィールド）に曲の番
号及びタイムコード（時間情報）が記録されている。

【０００３】ところで、一般的な使用においてほとんど
問題にならない曲間スペースが放送局等の業務において
は問題になる。例えば、放送において曲間の空時間が長
過ぎる場合には、電波法で規定されている最大空時間を
上回る可能性が生じる。このため、曲の実際の長さを正
確に測定することが必要になる。曲の実際の長さは、そ
の曲の全部を再生し、再生に要した時間で測定すること
ができる。しかし、この方法では測定に要する時間が長
くなり過ぎる。

【０００４】ＣＤにはタイムコードが記録されているの
で、曲の始りと終りのタイムコードを読み取れば曲の時
間長を知ることができる。従来は指定された曲を曲番に
基づいて曲の頭をサーチし、音声出力が得られた時点の
タイムコードをＣＤプレーヤの表示装置で読み取り、次
に、高速再生（キュー）モードで曲の終端まで走査し、
終端より少し前から正常再生して音声出力が得られなく
なった時点を曲終端とし、この時点のタイムコードを表
示装置から読み取った。しかる後、曲終端のタイムコー
ドから曲始端のタイムコードを差し引いて曲の実際の時
間長を求めた。

【０００５】なお、曲番号が記録されている位置と曲が
実際に記録されている位置との間には時間差があるの
で、曲番号の記録位置を曲の始端としないで、実際に音
声出力が得られる時点を曲の始端とすることが望まし
い。無音期間を検出して曲の始端及び終端を決定するこ
とも考えられるが、曲中の無音又は低レベル区間との区
別が困難であり、正確に決定することができない。今、
ＣＤについて述べたが、磁気ディスク装置等においても
同様な問題がある。

【０００６】そこで、本発明の目的は、曲等の情報ブロ
ックの終端を容易に知ることができるディスク装置及び
方法を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、複数の情報ブロックが相互間にスペースを
有して記録され且つタイムコードが記録されている記録
媒体ディスクの回転装置と、前記ディスクから前記情報
ブロック及び前記タイムコードを読み取るための信号変
換器と、前記信号変換器を前記ディスクの半径方向に送
るための送り装置と、前記信号変換器の出力に基づいて
前記情報ブロックの信号の有無を判定する信号有無判定
手段と、前記複数の情報ブロックから選択された１つの
情報ブロックの終端のタイムコードを読み取ることを指
令する終端タイムコード読み取り指令手段と、前記終端
タイムコード読み取り指令手段からの終端タイムコード
読み取り指令に応答して前記選択された情報ブロックの
次の情報ブロックの始端に前記信号変換器を位置決め
し、前記次の情報ブロックの始端位置から前記選択され
た情報ブロックの終端に向けて逆方向再生又は逆方向と
正方向の組み合せ再生を行うように前記送り装置を制御
し、前記信号有無判定手段の出力に基づいて前記選択さ
れた情報ブロックの終端を判定し、この終端判定時のタ
イムコードを読み取る終端検出制御手段とを備えたディ
スク装置に係わるものである。また、上記目的を達成す
るための方法の発明は、複数の情報ブロックが相互間に
スペースを有して記録され且つタイムコードが記録され
ている記録媒体ディスクにおける前記複数の情報ブロッ
クから任意に選択された１つの情報ブロックの終端のタ
イムコードを読み取る方法であって、前記ディスクから
前記情報ブロック及び前記タイムコードを読み取る信号
変換器の出力に基づいて前記選択された情報ブロックの
次の情報ブロックの始端を検出するステップと、前記次
の情報ブロックの始端から前記選択された情報ブロック
の終端に向けて逆方向再生又は逆方向再生と正方向再生
との組み合せ再生を行い、前記信号変換器の出力に基づ
いて前記選択された情報ブロックの終端を検出し、この
時のタイムコードを読み取るステップとを有しているこ
とを特徴とするディスク装置における時間情報読み取り
方法に係わるものである。

【０００８】

【作用及び効果】各請求項の発明によれば、曲の終端位
置を決定する際に、目的とする曲を再生し、その終りを
曲の終端とする方法を採用しないで、次の曲の始端（曲
番再生位置又は曲の立上り位置）をまず検出し、ここか
ら逆方向再生し、この逆方向再生又はこれに追加した正
方向再生に基づいて音声信号の有無を検出し、終端位置
のタイムコードを読み取る。この結果、曲の終端位置を
迅速且つ正確に検出することが可能になる。

【０００９】

【実施例】次に、図１〜図３を参照して本発明の実施例
に係わるＣＤプレーヤを説明する。 ＣＤプレーヤは図
１に示すように、記録媒体ディスク１の回転装置として
のモータ２と、信号変換器としての光学ピックアップ３
とを有する。ディスク１は複数の情報ブロックとしての
複数の曲が相互間にスペースを有してディジタル記録さ
れていると共に、サブコード信号としてタイムコード
（通し絶対時間からなる時間情報信号）及び曲番等が記
録されている一般的なＣＤである。ディジタル信号は一
般のＣＤと同様に渦巻状トラック形体に記録され且つ線
速度一定に記録されている。従って、モータ２の回転速
度はピックアップ３からディスク１に投射する光ビーム
４の走査位置の変化に応じて変化する。

【００１０】ピックアップ３は光源５と、ハーフミラー
６と、トラッキング用回動ミラー７と、対物レンズ８
と、反射ビーム９を検出する光検出器１０と、回動ミラ
ー７の駆動コイル１１とを含んでいる。なお、ピックア
ップ３は、更にフォーカス制御手段等を含んでいるが、
本発明に直接に関係しないので図示が省略されている。

【００１１】光ビーム４は回動ミラー７の回動によって
ディスク１の半径方向に送られる他、送り装置１２によ
ってもディスクの半径方向に送られる。送り装置１２は
送りモータとこの回転を直線運動に変換してピックアッ
プ３を直線運動させる運動方向変換手段とから成る周知
の機構であり、一般には回動ミラー７による送りが不可
能になった時に送り装置１２による送りが生じる。

【００１２】ピックアップ３の光検出器１０は再生増幅
器１３を介して復調回路１４に接続されている。復調回
路１４はＥＦＭ信号を復調する。復調回路１４に接続さ
れたデータ処理回路１５はデスクランブル回路及びディ
ンタリーブ回路等を含み、記録時に音声信号をディジタ
ル信号に変換したものと同一の配列に戻す。このデータ
処理回路１５に接続されたＤＡＣ（ディジタル・アナロ
グ変換器）１６はディジタル音声信号をアナログ音声信
号に変換する。

【００１３】データ処理回路１５に接続された音声レベ
ル検出回路１７はディジタル音声信号に基づいて音声信
号レベルが所定レベル以下か否かを示すデータを第１の
マイコン（マイクロコンピュータ）１８に送る。

【００１４】第１のマイコン１８はシステムマイコンと
呼ばれるものであり、ＣＰＵ１９、ＲＡＭ２０、ＲＯＭ
２１等を含み、所定のプログラムに従って音声信号の有
無判定、曲の終端検出制御等を行う。このマイコン１８
にはＣＤプレーヤの種々のモードを指定するための操作
キー装置２２が接続されている。この操作キー装置２２
は、曲の終端タイムコードの読み取り指令手段としても
機能する。第１のマイコン１８にはタイムコード等のサ
ブコード情報を表示するための表示装置２３が接続され
ている。表示装置２３にはタイムコードが周知の方法に
よって時分秒フレームの単位で表示される。

【００１５】復調回路１４に接続されたサブコード検出
回路２４は、タイムコード、曲番等のサブコードデータ
を検出し、これを第２のマイコン２５に送る。第２のマ
イコン２５はサーボマイコンと呼ばれているものであっ
て、第１のマイコン１８からデータバス２６で与えられ
る種々の指令及びサブコード検出信号に基づいてディス
ク回転モータ２、回転ミラーの駆動コイル１１及び送り
装置１２を制御し、且つ第１のマイコン１８にタイムコ
ード等のサブコードデータをバス２７で送る。

【００１６】図２は図１の装置を使用して曲の長さ及び
曲間スペースを測定する際の信号レベルと走査との関係
を示し、図３は曲終端決定の手順を示すフローチャート
である。曲の長さ及び曲間スペースを測定する場合に
は、測定する曲を操作キー２２によって指定する。第１
及び第２のマイコン１８、２５はこれに応答して光ビー
ム４をディスク１の特定された曲Ｎの曲番（プログラム
NO. ）を検索する。即ち、光ビーム４によって図２の矢
印Ａ1 で示すようにトラック上を早送り走査し、サブコ
ード検出回路２４の出力に基づいて曲番Ｎをサーチす
る。曲番Ｎが検出されたら、これを曲終端とせずに更に
矢印Ａ2 で示すように正常送りで走査して曲Ｎの信号レ
ベルが所定レベルＬ1 以上に立上る位置ｔ1 を検出す
る。曲番の記録位置ｔ0 は実際の曲の記録始端位置ｔ1
に極めて近いが、必ずしも一致していないので、音声レ
ベル検出回路１７において、所定レベルＬ1 と検出音声
信号レベルとを比較し、実際の音声信号レベルから曲始
端位置ｔ1 を正確に検出する。曲Ｎの実際の始端位置が
検出されたら、この時点のタイムコード（通し絶対時
間）をサブコードデータから読み取り、マイコン１８の
ＲＡＭ２０に書き込む。同時に表示装置２３に始端タイ
ムコードに対応する時分秒フレームの単位で時間を表示
する。

【００１７】次に、曲Ｎの終端位置ｔ3 を検索する。前
述したように正方向送りで曲の終端位置を正確に検出す
ることは困難である。そこで、図２の矢印Ａ3 で示すよ
うに次の曲Ｎ＋１の曲番位置ｔ4 を早送りでサーチす
る。

【００１８】次に、曲Ｎ＋１の実際の始端位置ｔ5 を矢
印Ａ4 で示す早送り走査で検出する。この曲Ｎ＋１の始
端位置ｔ5 は曲Ｎの始端位置ｔ1 の検出と同様に音声レ
ベル検出回路１７の出力に基づいて行う。曲Ｎの始端位
置ｔ5 が検出されたら、この時点のタイムコードをＲＡ
Ｍ２０に書き込み、同時に表示装置２３に表示させる。
もし、曲Ｎと曲Ｎ＋１との曲間スペースを測定すること
が不要な場合は、始端位置ｔ5 のタイムコードをＲＡＭ
２０に書き込むことは不要である。

【００１９】次に、図３のフローチャートに従って曲Ｎ
の終端位置ｔ3 をサーチする。即ち、図３のブロック３
０でプログラムをスタートさせ、ブロック３１に示すよ
うに曲終端サーチを開始させる。これにより、ブロック
３２に示すように、所定距離の高速逆方向再生が実行さ
れる。例えば図２の矢印Ｂ1 に示すように逆方向に曲間
スペースよりも幾らか短い距離だけ高速逆方向再生す
る。次に、図３のブロック３３に従って一定時間の正方
向再生を実行する。図２の矢印Ｂ2 はこの正方向再生時
の走査を示し、矢印Ｂ1 よりも短い。これと同時にブロ
ック３４に従って音声信号の有無が判定される。音声信
号がない場合は一定時間の正方向再正後に再びブロック
３２に戻り、同一の動作を繰返す。図２の矢印Ｂ3 、Ｂ
4 、Ｂ5 、Ｂ6 はこの繰返し動作を示す。正方向再生は
逆方向再生より短いので、両者の繰返しにより終端位置
ｔ3 に近づく。矢印Ｂ5 の逆方向再生で音声信号が検出
されれば、その後の矢印Ｂ6 の正方向再生でも音声信号
が検出される。次に、図３のブロック３５に示すように
曲Ｎの終端位置ｔ3 を検出する。この検出は音声信号レ
ベルが所定レベルＬ1 よりも低くなる時点を求めること
によって行う。マイコン１８によって終端位置ｔ3 が検
出されたら、ブロック３６に示すようにこの時点のタイ
ムコードをＲＡＭ２０に書き込み、且つ表示装置２３に
このタイムコードを示す時間を表示させ、ブロック３７
に示すように終端サーチを終了させる。ＲＡＭ２０に
は、曲Ｎの始端のタイムコードＡと次の曲Ｎ＋１の始端
のタイムコードＢと曲Ｎの終端のタイムコードＣとが書
き込まれているので、Ｃ−Ａにより曲の実際の時間を決
定し、Ｂ−Ｃによって曲Ｎと曲Ｎ＋１の間のスペース
（無記録領域）の時間を決定することができる。

【００２０】上述から明らかなように、本実施例では曲
Ｎの終端位置ｔ3 を検出する時に、次の曲Ｎ＋１の始端
位置ｔ5 又は曲番Ｎ＋１の再生位置ｔ4 を検出し、逆方
向再生と正方向再生との組み合せで曲Ｎの終端位置を決
定するので、曲の終端を容易且つ正確に検出することが
できる。また、曲Ｎの長さ及び曲間スペースも容易且つ
正確に決定することができる。

【００２１】

【変形例】本発明は上述の実施例に限定されるものでな
く、例えば次の変形が可能なものである。 （１） 音声レベル検出回路１７をＤＡＣ１６の出力ラ
インに接続し、アナログのコンパレータで検出すること
ができる。 （２） 図２における矢印Ｂ1 で示す逆方向再生時間を
予想曲間スペースよりも長く設定し、第１回の逆方向再
生で曲Ｎの音声信号を検出し、この点のタイムコードを
読み取るようにしてもよい。また、この場合において、
曲終端のタイムコードの読み取り精度を高めるために、
延長された矢印Ｂ1 による逆方向再生の後に正方向再生
を行い、音声信号が無くなる時点のタイムコードを再び
読み取り、２つの曲終端のタイムコードの平均を曲終端
位置ｔ3 のタイムコードとすることができる。このよう
に、平均によって曲終端のタイムコードを決定する方法
は、図２の矢印Ｂ5 、Ｂ6 による終端検出の場合にも適
用できる。 （３） 図２では次の曲Ｎ＋１の始端位置ｔ5 から逆方
向再生を開始しているが、曲間スペースを求めることが
不要の時には曲番Ｎ＋１の再生位置ｔ4 から逆方向再生
を開始してもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係わるＣＤプレーヤを示すブ
ロック図である。

【図２】曲の音声信号レベルの変化と曲の始端及び終端
検出の走査との関係を示す図である。

【図３】曲の終端検出の動作の流れを示す図である。

【符号の説明】

１ ディスク １７ 音声レベル検出回路 １８ マイコン ２４ サブコード検出回路

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の情報ブロックが相互間にスペース
   を有して記録され且つタイムコードが記録されている記
   録媒体ディスクの回転装置と、 前記ディスクから前記情報ブロック及び前記タイムコー
   ドを読み取るための信号変換器と、 前記信号変換器を前記ディスクの半径方向に送るための
   送り装置と、 前記信号変換器の出力に基づいて前記情報ブロックの信
   号の有無を判定する信号有無判定手段と、 前記複数の情報ブロックから選択された１つの情報ブロ
   ックの終端のタイムコードを読み取ることを指令する終
   端タイムコード読み取り指令手段と、 前記終端タイムコード読み取り指令手段からの終端タイ
   ムコード読み取り指令に応答して前記選択された情報ブ
   ロックの次の情報ブロックの始端に前記信号変換器を位
   置決めし、前記次の情報ブロックの始端位置から前記選
   択された情報ブロックの終端に向けて逆方向再生又は逆
   方向と正方向の組み合せ再生を行うように前記送り装置
   を制御し、前記信号有無判定手段の出力に基づいて前記
   選択された情報ブロックの終端を判定し、この終端判定
   時のタイムコードを読み取る終端検出制御手段とを備え
   たディスク装置。
2. 【請求項２】 複数の情報ブロックが相互間にスペース
   を有して記録され且つタイムコードが記録されている記
   録媒体ディスクにおける前記複数の情報ブロックから任
   意に選択された１つの情報ブロックの終端のタイムコー
   ドを読み取る方法であって、 前記ディスクから前記情報ブロック及び前記タイムコー
   ドを読み取る信号変換器の出力に基づいて前記選択され
   た情報ブロックの次の情報ブロックの始端を検出するス
   テップと、 前記次の情報ブロックの始端から前記選択された情報ブ
   ロックの終端に向けて逆方向再生又は逆方向再生と正方
   向再生との組み合せ再生を行い、前記信号変換器の出力
   に基づいて前記選択された情報ブロックの終端を検出
   し、この時のタイムコードを読み取るステップとを有し
   ていることを特徴とするディスク装置における時間情報
   読み取り方法。