JPH05193013A - 軽量な繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

軽量な繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法

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JPH05193013A
JPH05193013A JP4009043A JP904392A JPH05193013A JP H05193013 A JPH05193013 A JP H05193013A JP 4009043 A JP4009043 A JP 4009043A JP 904392 A JP904392 A JP 904392A JP H05193013 A JPH05193013 A JP H05193013A
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JP
Japan
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composite material
resin
thermoplastic resin
sheet
fibers
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JP4009043A
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Masami Nakada
雅己 中田
Kiyoyasu Fujii
清康 藤井
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 均一且つ高度に多孔化され発泡した軽量な繊
維強化熱可塑性樹脂成形体を得る。 【構成】 多数のガラスロービングの強化繊維F1を発泡
性熱可塑性樹脂粉末R の流動槽20中を通過させて強化繊
維に樹脂粉末を付着させる。これをロータリーカッター
50で切断し無端ベルト70上に落下させてシート状の複合
材料F4を形成する。これを上下の無端ベルト60、70間に
挟持し加熱して樹脂を溶融させ一体化する。この一体化
した複合材料F5を適当な長さに裁断しスチール製の上下
の無端ベルト80、90の加圧部80a、90a間で加熱加圧し
て、樹脂を溶融させるとともに発泡剤を分解させる。そ
の後、上側の無端ベルト80の加圧部80aを電磁石82によ
り引き上げてその間隙を拡げる。複合材料F5は無端ベル
トに粘着して厚さ方向に強制的に引き延ばされ高度に多
孔化されるともに、圧力が開放されて発泡する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、軽量構造部材や内装
材などに使用される軽量な繊維強化熱可塑性樹脂成形体
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】軽量な繊維強化熱可塑性樹脂成形体を製
造する方法として、強化繊維と熱可塑性樹脂の粉末とを
混合して形成したシート状の複合材料を型に挟み、これ
を加熱加圧して樹脂を溶融させ、その後型の間隙をわず
かに拡げることにより繊維の弾性を利用して上記複合材
料を膨張させて多孔化する方法が知られている(特開昭
60−179233号公報参照)。
【0003】また、強化繊維と発泡性熱可塑性樹脂の粉
末又は繊維とを混合して形成したシート状の複合材料を
加熱炉や赤外線ヒーターで加熱して、樹脂を溶融させて
発泡させる方法が知られている(例えば、特開平3−6
1028号公報及び特開平3−61029号公報参
照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、繊維の弾性
を利用して多孔化する前者の方法は、繊維の弾性以上に
は膨張しないので高度に多孔化することはできず、充分
に軽量化することが困難である。また、発泡性樹脂を発
泡させる後者の方法は、特に長い繊維を用いる場合は、
局部的にガス抜けが起こる為、高度に発泡させることが
困難であり、発泡が不均一になり勝ちである。
【0005】この発明は、上記の問題を解決するもの
で、その目的とするところは、均一且つ高度に多孔化さ
れ発泡した軽量な繊維強化熱可塑性樹脂成形体を製造す
る方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の軽量な繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製
造方法は、強化繊維に発泡性熱可塑性樹脂を混合してな
るシート状の複合材料を加圧体に挟み、これを加熱加圧
して樹脂を溶融させ、その後加圧体の間隙を拡げること
により樹脂を発泡させるとともに上記複合材料を厚さ方
向に強制的に引き延ばすものである。
【0007】この発明において、強化繊維としては、使
用する熱可塑性樹脂の溶融温度において熱的に安定な繊
維が用いられる。具体例としては、例えば、ガラス繊
維、炭素繊維、ボロン繊維、セラミック繊維、金属繊維
等の無機繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ポリ
アミド繊維等の有機繊維が挙げられ、特にガラス繊維が
好ましく用いられる。
【0008】このような強化繊維は、チョップドストラ
ンドマット、連続ストランドマット等の繊維マット、或
いは一般に3mm以上の長さに切断されたロービング繊維
等が用いられる。強化繊維の長さが3mmよりも短くなる
と、繊維による補強効果が小さくなる。強化繊維を構成
するモノフィラメントの直径は、一般に5〜100μm
が好ましい。
【0009】また、発泡性熱可塑性樹脂としては、熱可
塑性樹脂に発泡剤を混合或いは練り込んだものが用いら
れる。この熱可塑性樹脂としては、剛性が高いものが好
ましく、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リカーボネート、ポリフッ化ビニリデン、ポリフェニレ
ンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエー
テルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン等が用いら
れる。
【0010】また、上記の樹脂を主成分とする共重合体
やグラフト樹脂や変成樹脂、例えば、エチレン−塩化ビ
ニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、ウレタン−塩化ビニル共重
合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体、マレイン酸変成ポリエチレン、アクリル酸変成ポリ
プロピレン等も用いられる。
【0011】これ等の熱可塑性樹脂に混合或いは練り込
まれる発泡剤としては、熱分解型の発泡剤が好適に用い
られる。このような熱分解型の発泡剤としては、アゾジ
カルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビ
スホルムアミド、ジアゾアミノベンゼン、ベンゼンスル
ホニルヒドラジド、トリヒドラジドトリアジン、p−ト
ルエンスルホニルヒドラジド、N,N'−ジニトロソペンタ
メチレンテトラミン、N,N'−ジメチル−N,N'−ジニトロ
テレフタルアミド等が挙げられる。これ等の発泡剤は、
熱可塑性樹脂100重量部に対して、一般に1〜20重
量部の範囲で混合或いは練り込まれる。
【0012】なお、発泡剤の分解を促進させるために、
発泡助剤を併用してもよい。また、樹脂の溶融粘度を調
節して樹脂を良好に発泡させるために、予め樹脂に有機
過酸化物等の架橋剤を混合するか或いは電子線やγ線等
の電離性放射線を照射することにより樹脂を架橋させて
もよい。また、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、
紫外線吸収剤、滑剤、顔料、充填剤等を添加してもよ
い。
【0013】この発明においては、先ず、上記の強化繊
維と発泡性熱可塑性樹脂とからなるシート状の複合材料
を形成する。このような複合材料は、例えば、ロービン
グ繊維に発泡性熱可塑性樹脂の粉末を流動床中で付着さ
せ、これを例えば3mm以上の長さに短く切断してシート
状に集積することにより形成することができる。また、
予め短く切断したロービング繊維と発泡性熱可塑性樹脂
の粉末又は繊維とを流動床中で混合し、これをシート状
に集積することにより形成することができる。また、チ
ョップドストランドマット、連続ストランドマット等の
繊維マットに発泡性熱可塑性樹脂の粉末を散布するか、
或いは繊維マットを発泡性熱可塑性樹脂の粉末が分散し
た分散液に含浸させた後乾燥することにより形成するこ
とができる。また、強化繊維と発泡性熱可塑性樹脂の繊
維とをシート状に混織することにより形成することがで
きる。
【0014】強化繊維と発泡性熱可塑性樹脂との混合割
合は、一般に、強化繊維が5〜70重量%、好ましくは
20〜50重量%の範囲になるように混合される。強化
繊維が5重量%よりも少ないと機械的強度が充分に向上
しない。逆に、強化繊維が70重量%よりも多くなると
剛性が著しくて低下する。
【0015】なお、シート状の複合材料は、上記のよう
に強化繊維と発泡性熱可塑性樹脂粉末又は繊維とを単に
混合又は混織するだけでシート状に形成してもよいが、
この混合又は混織したシート状の複合材料を、樹脂の溶
融温度以上で且つ発泡剤の分解温度以下の温度で加熱す
ることにより、シート状に一体化させて形成してもよ
い。このように、シート状の複合材料を一体化させて形
成すると、シート状の複合材料の取扱い作業性がよくな
る。
【0016】次いで、このようなシート状の複合材料を
加圧体に挟み、これを加熱加圧して樹脂を溶融させる。
複合材料の厚さは、一般に0.5〜20mmである。加圧
体としては、加熱及び冷却が可能な上下一対の無端ベル
ト、上下一対のプレス板、平板用金型、雄型と雌型とか
らなるマッチドダイ等が採用され得る。無端ベルトやプ
レス板や平板用金型を用いる場合はシート状の成形体が
得られる。マッチドダイを用いる場合は異形の成形体が
得られる。
【0017】これ等の加圧体は、電熱ヒーターや熱媒に
より加熱ができ且つ冷却ブロアーや冷媒により冷却がで
き、少なくとも一方の加圧体は電磁石や油圧等により上
下に可動で、加圧体の隙間が自由に調節できるように構
成されている。また、これ等の加圧体は、加熱加圧に耐
え加熱された複合材料が適度に粘着し、しかも冷却後は
複合材料の粘着性の低下により速やかに脱型できる材
質、例えばスチールなどで構成されている。
【0018】加熱温度は樹脂の溶融温度以上で且つ発泡
剤の分解温度以上であり、使用する樹脂や発泡剤等によ
り異なるが、一般に120〜270℃である。圧力は樹
脂が発泡しない圧力以上であり、一般に1〜3 kg/cm
2 (面圧)である。また、加熱加圧の時間は樹脂が完全
に溶融し且つ発泡剤が完全に分解する時間以上であり、
一般に3〜15分である。複合材料は加熱加圧されて加
圧体面に隙間なく密着し、発泡剤の分解ガスを閉じ込め
た状態で型に挟持される。
【0019】その後、加圧体の間隙を拡げることによ
り、樹脂を発泡させるとともに複合材料を厚さ方向に強
制的に引き延ばす。加圧体の間隙は、繊維の弾性により
自然に膨張する厚さよりも大きく拡げる。それにより、
複合材料は加圧体の内側に粘着して強制的に引き延ばさ
れる。加圧体の拡開速度は、発泡剤の分解ガスによる発
泡力のみで複合材料が厚さ方向に膨張する速度よりも、
早くするのが好ましい。これは複合材料を厚さ方向に強
制的に引き延ばして高度に多孔化するためである。加圧
体の拡開速度が遅くなるとガス圧が勝って局部的な破泡
やガス抜けが起こり、高度に多孔化することができなく
なる。
【0020】このようにして高度に多孔化され発泡した
複合材料は加圧体(必要により設けられる加圧体に付属
した冷却体を含む)で冷却され、それにより複合材料の
粘着性が低下して複合材料は加圧体から速やかに脱離さ
れる。こうして、軽量な繊維強化熱可塑性樹脂成形体が
製造される。
【0021】以下、図面を参照しながら、この発明方法
の一例を具体的に説明する。図1(A)、(B)はこの
発明方法の一例を示す説明図で、(A)は前半の工程の
説明図、(B)は後半の工程の説明図である。
【0022】図1(A)において、巻戻しロール10か
らロービング状の強化繊維F1が巻き戻され、ガイドバ
ー21を経て流動槽20に導入される。図には、ロービ
ング状の強化繊維F1が一本だけ示されているが、実際
には数本〜数十本が巻き戻され長手方向に配列されて流
動槽20に導入される。
【0023】流動槽20には発泡性熱可塑性樹脂の粉末
Rが供給される。流動槽20の底部には多数の通気孔を
有する多孔板が設けられており、空気が矢印方向に多孔
板の通気孔を通って流動槽20内へ噴出する。流動槽2
0に供給された樹脂粉末Rは、空気により上方に吹き上
げられて浮遊状態になり、樹脂粉末Rの流動床が形成さ
れる。
【0024】流動槽20の中にはガイドバー22が設け
られており、ロービング状の強化繊維F1は、このガイ
ドバー22を通過する際に、噴出する空気の圧力、流動
床中の樹脂粉末Rに発生する静電気、樹脂粉末の擦り揉
み効果等によって、モノフィラメント単位に分離、開繊
される。そして、このモノフィラメント間に樹脂粉末R
が侵入して均一且つ充分に付着する。
【0025】発泡性樹脂の粉末Rが付着した強化繊維F
2は、ガイドバー23を経て振動バー30に通され、こ
の振動バー30により過剰に付着した樹脂粉末Rが除去
され、その付着量が所望の量にが調整される。樹脂粉末
Rの付着量が調整された強化繊維F2は、引張ロール4
0を通過する際にロータリーカッター50により、所望
長さに切断される。この切断された強化繊維F3は、連
続して同方向へ同速度で回動する上下一対の無端ベルト
60、70の間へ落下供給され、平たく集積されてシー
ト状の複合材料F4が形成される。
【0026】シート状の複合材料F4は、ガラス繊維強
化フッ素樹脂ベルトからなる上下一対の無端ベルト6
0、70の間で挟持されながら移送され、加熱炉とガイ
ドロールからなる加熱装置61、71の中で樹脂の溶融
温度以上で且つ発泡剤の分解温度以下の温度に加熱さ
れ、繊維のフィラメント間に溶融した樹脂が含浸され
る。樹脂中に有機過酸化物のような架橋剤が混合されて
いる場合は、この加熱により有機過酸化物が分解して樹
脂が架橋される。
【0027】引き続いて、冷却ブロアーとガイドロール
からなる冷却装置62、72で冷却される。こうして、
一体化されたシート状の複合材料F5が作成される。な
お、電離性放射線で樹脂を架橋させる場合は、この一体
化されたシート状の複合材料F5に照射電子線やγ線等
の電離性放射線が照射される。
【0028】このシート状の複合材料F5は適当な長さ
に裁断され、図1(B)に示すスチールベルトからなる
上下一対の無端ベルト80、90の間で挟持されながら
移送される。無端ベルト80、90は断続的に同方向へ
同速度で回動し、この無端ベルト80、90の加圧部8
0a、90aは間隙を介して上下に対向している。
【0029】そして、この加圧部80a、90aの対向
する箇所には、それぞれ電熱ヒーターからなる加熱装置
81、91が配設され、さらに電磁石82、92が取り
付けられ、この電磁石82、92により無端ベルト8
0、91の加圧部80a、90aの間隙を拡げることが
できるように構成されている。また、加熱装置81、9
1の後方には冷却ロールからなる冷却装置83、93が
配設されている。
【0030】シート状の複合材料F5は、上下一対の無
端ベルト80、90の間で挟持されながら移送され、加
熱装置81、91により、樹脂の溶融温度以上で且つ発
泡剤の分解温度以上の温度に加熱される。ここで、電磁
石82、92の少なくとも一方、例えば上方の電磁石8
2を作動させて、上下一対の無端ベルト80、90の加
圧部80a、90a間の間隙を拡げる。これにより、複
合材料F5が無端ベルト80の加圧部80aに粘着して
強制的に引き延ばされるとともに、圧力が開放されて樹
脂が発泡する。
【0031】引き続いて、冷却装置83、93の冷却ロ
ールにより上下の無端ベルト80、90間の間隙が調節
され、加圧されながら適当な温度に冷却され、それによ
り複合材料F5の粘着性が低下し無端ベルトから速やか
に脱離される。こうして、高度に多孔化され発泡した軽
量な繊維強化熱可塑性樹脂シートSが製造される。
【0032】
【作用】この発明方法によれば、加圧体の間隙を拡げる
ことにより、加圧体内で加熱されたシート状の複合材料
が厚さ方向に強制的に引き延ばされ、この複合材料が繊
維の弾性以上に膨張して高度に多孔化される。この際、
加圧体の圧力が開放され発泡剤の分解ガスが繊維の絡み
を解きほぐして、全方向に有効に作用し多孔化及び発泡
が均一に行われる。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を示す。実施例1 図1(A)(B)に示す方法で、軽量な繊維強化熱可塑
性樹脂シートを製造した。
【0034】強化繊維F1として、太さ14μm のモノ
フィラメントが2000本集束されたガラスロービング
を15本配列して用いた。発泡性熱可塑性樹脂粉末Rと
して、高密度ポリエチレン樹脂粉末(MI:5)100
重量部とマレイン酸変成ポリエチレン樹脂粉末(MI:
10)10重量部とアゾジカルボンアミド(発泡剤)1
0重量部と2,5 −ジメチル−2,5 −ジ(t−ブチルパー
オキシ)ヘキシン−3 (架橋剤)0.5重量部とステア
リン酸カルシウム(発泡助剤)3重量部とからなる発泡
性樹脂粉末を用いた。
【0035】図1(A)において、強化繊維F1と発泡
性樹脂粉末Rとの割合が重量比で1:2.3となるよう
に調整し、ロータリーカッター50で長さ10mmに切断
し、これを間隙が2mmに調整された上下の無端ベルト6
0、70の間に挟持しつつ、約190℃に加熱して発泡
性樹脂粉末Rを溶融させるとともに樹脂を架橋させ、冷
却して幅約400mm、厚み約2mmで一体化されたシート
状の複合材料F5を得た。
【0036】このシート状の複合材料F5を長さ100
0mmに切断し、これを図1(B)に示すように間隙が
1.8mmに調整された無端ベルト80、90の加圧部8
0a、90a間で、温度約200℃、面圧10 kg/cm
2 で5分間加熱加圧して、樹脂を溶融させるとともに発
泡剤を分解させ、その後、約1m/sec の速度で上側の
無端ベルト80の加圧部80aを電磁石82により引き
上げ、15mmの間隙に拡げた。
【0037】その後、間隙10mmに調整した冷却ロール
83で冷却し、厚さ約10mmの軽量な繊維強化熱可塑性
樹脂シートSを製造した。このシートの密度は0.25
g/cm3 で軽量で、その断面を観察すると、繊維及び空
孔が均一に分散していた。
【0038】実施例2 実施例1において、発泡性熱可塑性樹脂粉末Rを、ポリ
プロピレン樹脂粉末(MI:10)100重量部とマレ
イン酸変成ポリプロピレン樹脂粉末(MI:10)10
重量部とアゾジカルボンアミド5重量部とステアリン酸
カルシウム3重量部からなる発泡性樹脂粉末に変更し
た。それ以外は、実施例1と同様に行った。
【0039】この場合も、製造されたシートの密度は
0.25g/cm3 で軽量で、その断面を観察すると、繊
維及び空孔が均一に分散していた。比較例1 実施例1において、発泡性熱可塑性樹脂粉末Rを、ポリ
エチレン樹脂粉末(MI:5)100重量部とマレイン
酸変成ポリエチレンプロピレン樹脂粉末(MI:10)
10重量部とからなる非発泡性の樹脂粉末に変更した。
また、図1(A)の方法で得られたシート状の複合材料
F5を、図1(B)の方法を用いずに別の密閉型内で2
00℃で5分間加熱し、型を僅かに開いて繊維の弾性を
利用して膨張させた。それ以外は、実施例1と同様に行
った。
【0040】この場合、製造されたシートの密度は0.
7g/cm3 で充分に軽量化が行われなかった。その断面
を観察すると、繊維及び空孔はほぼ均一に分散してい
た。比較例2 実施例2において、図1(A)の方法で得られた得られ
たシート状の複合材料F5を、図1(B)の方法を用い
ずに別の加熱炉内で200℃で5分間加熱して発泡させ
るとともに、繊維の弾性を利用して自然に膨張させた。
それ以外は、実施例2と同様に行った。
【0041】この場合は、製造されたシートの密度は
0.4g/cm3 で充分に軽量化が行われなかった。その
表面は凸凹が多く、その断面を観察すると、気泡も局部
的に点在して不均一であった。
【0042】
【発明の効果】上述の通り、この発明は、強化繊維と発
泡性熱可塑性樹脂とからなるシート状の複合材料を加圧
体に挟み、これを加熱加圧して樹脂を溶融させ、その後
加圧体の間隙を拡げることにより樹脂を発泡させるとと
もに上記複合材料を厚さ方向に強制的に引き延ばすもの
で、それにより均一且つ高度に多孔化され発泡した軽量
な繊維強化熱可塑性樹脂成形体を製造することができ
る。
【0043】このような繊維強化熱可塑性樹脂成形体
は、機械的強度、剛性、寸法安定性に優れるとともに、
軽量性、断熱性、吸音性に優れており、これ等の性能が
要求される種々の用途に有用である。特に、シート状の
成形体は、これをスタンピング成形により自動車のバン
パービーム等の軽量な構造部材や自動車の天井材等の軽
量な内装材などに好適に使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明方法の一例を示す説明図で、(A)は
前半の工程の説明図、(B)は後半の工程の説明図であ
る。
【符号の説明】
F1 ロービング状の強化繊維 20 流動層 R 発泡性熱可塑性樹脂粉末 50 ロータリーカッター 60 無端ベルト 70 無端ベルト F4 シート状の複合材料 61 加熱装置 71 加熱装置 F5 一体化されたシート状の複合材料 80 無端ベルト 90 無端ベルト 61 加熱装置 71 加熱装置 F5 一体化されたシート状の複合材料 80 無端ベルト 90 無端ベルト 80a 無端ベルトの加圧部 90a 無端ベルトの加圧部 81 加熱装置 91 加熱装置 82 電磁石 92 電磁石 83 冷却装置 93 冷却装置 S 軽量な繊維強化熱可塑性樹脂シート

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強化繊維と発泡性熱可塑性樹脂とからな
    るシート状の複合材料を加圧体に挟み、これを加熱加圧
    して樹脂を溶融させ、その後加圧体の間隙を拡げること
    により樹脂を発泡させるとともに上記複合材料を厚さ方
    向に強制的に引き延ばすことを特徴とする軽量な繊維強
    化熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
JP4009043A 1992-01-22 1992-01-22 軽量な繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法 Pending JPH05193013A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017510471A (ja) * 2013-10-29 2017-04-13 フィッツ ホールディング ベーフェー 熱可塑性フォーム層を具えるサンドウィッチ構造体を製造する方法及び装置

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017510471A (ja) * 2013-10-29 2017-04-13 フィッツ ホールディング ベーフェー 熱可塑性フォーム層を具えるサンドウィッチ構造体を製造する方法及び装置

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