JPH05184661A - 人工皮膚 - Google Patents

人工皮膚

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JPH05184661A
JPH05184661A JP3261753A JP26175391A JPH05184661A JP H05184661 A JPH05184661 A JP H05184661A JP 3261753 A JP3261753 A JP 3261753A JP 26175391 A JP26175391 A JP 26175391A JP H05184661 A JPH05184661 A JP H05184661A
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JP
Japan
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collagen
skin
artificial skin
layer
matrix
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JP3261753A
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English (en)
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Mikio Koide
幹夫 小出
Risako Matsui
理佐子 松井
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Publication date
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L27/00Materials for grafts or prostheses or for coating grafts or prostheses
    • A61L27/50Materials characterised by their function or physical properties, e.g. injectable or lubricating compositions, shape-memory materials, surface modified materials
    • A61L27/60Materials for use in artificial skin

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  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Oral & Maxillofacial Surgery (AREA)
  • Transplantation (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 皮膚が損傷を受けた際、該皮膚損傷部を乾燥
させず柔らかく保護し、早期に自己の組織と置換する人
工皮膚を提供する。 【構成】 線維化コラーゲンおよびヘリックス含量が0
〜80%である変性コラーゲンのマトリックスからなる
創傷接触層と、架橋構造を有する線維化コラーゲンマト
リックスからなる支持層と、水蒸気透過調節層とが順次
積層されてなり、少なくともいずれか1層がアスコルビ
ン酸リン酸エステルを含んでいる人工皮膚である。 【効果】 創傷部への密着性を良好にし、早期に自己の
組織に置換され、さらに一定の期間保持した後、自家の
分層植皮片が生着することができる人工皮膚である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な人工皮膚に関す
る。さらに詳述すれば本発明は、創傷、熱傷などにより
皮膚が損傷を受けた際、該皮膚損傷部に適用され、該皮
膚損傷部を乾燥させず柔らかく保護し、早期に自己の組
織と置換する人工皮膚に関する。
【0002】
【従来の技術】熱傷、採皮創、皮膚剥削創または外傷性
皮膚欠損創等の疾患ないし創傷による患部を保護し、治
癒を促進する目的のために、患部に一時的に適応する創
傷被覆材として、従来、ガーゼ、脱脂綿等が用いられて
いたが、これは細菌感染防止性が低く、かつ滲出液を速
やかに吸収するために創面が乾燥してしまい取りはずす
際に痛み、出血等を伴うものであった。
【0003】また、これらに代わるものとして、特に創
面が広範囲にわたる場合に適用されるものとして、シリ
コーン製ガーゼ、シリコーンゴム製およびベロアー状の
表面構造を有するナイロン、テフロンなどの合成線維シ
ート等の人工材料の被覆膜や、凍結乾燥豚皮、フィブリ
ン膜、コラーゲン膜、ポリアミノ酸スポンジ、ムコ多糖
類複合コラーゲン膜等の生体由来材料の被覆膜も知られ
ている。しかしながら、これらのうち人工被覆膜は患部
との密着性、水蒸気透過性、ひび割れ等の点で種々の問
題を残すものであり、一方、生体由来材料の被覆膜は生
体適合性等の特徴を有するが、多くは抗原性を有し、ま
た細菌感染、滲出液による劣化などの欠点を持ち、さら
に原料が入手しにくい等の問題もあった。
【0004】さらに最近では、上記問題点を解決する方
法としてコラーゲン処理されたナイロンメッシュとシリ
コーン膜からなる複合膜が開発され、一部実用化されて
いる。該複合膜は、創面によく密着し、適度な水分透過
性を有するが、創面に固着し、肉芽組織が被覆膜中に入
り込むという欠点があった。
【0005】また同様に、上記問題点を解決する方法と
してコラーゲンを用いた人工材料が開発されている。一
般にコラーゲン自体は生体由来材料であるため、細胞、
組織に対する親和性が大きく、生体適合性に優れ好適な
材料であることは先述したとおりであるが、反面、コラ
ーゲンは生体内で容易に分解、吸収される欠点を有する
ものである。そこで人工材料としてコラーゲンを利用す
るにあたっては適当な方法で架橋を導入し、物性面の強
化を図る工夫が成されたものが用いられている。該架橋
法としては、加熱による脱水架橋、薬品を用いる化学架
橋等を採用したものが開発されている。このうち熱脱水
架橋は薬品処理に比べ安全性が高いが、物理的にコラゲ
ナーゼ、酵素に対する耐性が化学的架橋に対し低いた
め、通常、化学架橋を熱架橋と併用させたり、または化
学的架橋単独で用いる方法が選択されている。こうした
架橋を導入したコラーゲンを用いた人工材料の場合、上
記以外に物性面で性質が著しく向上する等の優れた効果
を奏するものである。例えば110℃の温度で真空下に
24時間置いて熱的な架橋を導入した場合、該人工材料
の検体ではコラゲナーゼ3unit/ml中に37℃下
で静置すると1日以内に該人工材料中のコラーゲンが溶
解するのに対し、イソシアネート系の薬品を用いた化学
的架橋のみを施した該人工材料の検体ではコラゲナーゼ
100unit/ml中に37℃下で7日経過しても形
態に変化が見られない。しかしながら、前記人工材料を
人工皮膚として使用する場合、強固な架橋を導入する
と、導入前にコラーゲンが有していた細胞、組織に対す
る親和性が大幅に低下し、コラーゲンマトリックス内に
マクロファージ、好中球などの炎症性細胞や、線維芽細
胞はほとんど侵入しないまま、再生表皮のいわゆるdo
wn growthにより、マトリックスが排除される
欠点を有する。一方、細胞侵入性の良好なコラーゲン−
変性コラーゲンマトリックスを形成してなる前記コラー
ゲンを用いた人工材料も開発されており、早期に好中球
やマクロファージが浸潤し、さらに線維芽細胞が侵入す
ることができる。しかしながら該人工材料では開放創と
同様に創収縮を生じる欠点を有している。つまり、これ
らの人工材料においては、物性面の強化と細胞、組織に
対する親和性という生物学的性能の向上とは両立が困難
な相反する事象であり、双方を満足する創傷被覆材ある
いは人工皮膚の出現が強く望まれていた。
【0006】現在までに、上記の問題点を解決する方法
として、細胞侵入性の良好なコラーゲンマトリックス層
である創傷接触層と架橋を十分に施したコラーゲンの支
持層と、水蒸気透過調節層からなる3層構造の人工皮膚
が本発明者らにより開発されている(特開平2−341
65号)。この人工皮膚は動物実験では創面に適用され
た際に線維芽細胞が早期に創傷接触層に侵入し、真皮様
の結合組織を構築するので創傷の治癒が促進されてなる
ものである。この人工皮膚を広範囲の熱傷創や広範囲の
皮膚欠損部位に適用する場合、表皮の伸展等に限度があ
るため、治癒するのに非常に時間がかかる欠点を有して
いた。しかし、この欠点に関しては、一般に臨床で行わ
れている分層植皮を併用することが可能であり、ある一
定の期間上記の人工皮膚を移植した後、水蒸気透過調節
層と架橋を十分に行った支持層を剥がし、分層植皮を行
うと生着することができ、該方法により上記欠点を補う
ことができ広範囲の欠損部位に適用することも一定条件
下で可能ではある。しかし、この方法では分層植皮の移
植時期が遅くなると、コラーゲンが徐々に分解すること
から、新たに創面の拘縮がおこるため、自己のコラーゲ
ン線維の産生が必要となってくる等の課題を有してお
り、なお完全なものとすることはできず、これらの問題
点を十分に解決してなる創傷被覆材および人工皮膚は今
だ得られていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、(1)創部に適度に密着して感染、痛みの防止
を図り、(2)創面に適度な湿りを与えるために、適度
な水蒸気透過性と滲出液吸収性を有し、(3)早期に自
己の良好な肉芽組織が再生され、(4)体液中のタンパ
ク質成分の漏出を防止し、(5)原料が容易に入手で
き、製造が容易であるとする要件を満たす人工皮膚を提
供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記諸目
的を解決すべく鋭意検討した結果、細胞侵入性の良好な
コラーゲン−変性コラーゲンマトリックスによりなる創
傷部接触層がコラーゲンを骨格として、変性コラーゲン
を熱的な脱水架橋により結合させた人工皮膚により、上
記目的が達成されることを知り、この知見に基づいて本
発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、(1)線維化コラー
ゲンおよびヘリックス含量が0〜80%である変性コラ
ーゲンのマトリックスからなる創傷接触層と、架橋構造
を有する線維化コラーゲンマトリックスからなる支持層
と、水蒸気透過調節層とが順次積層されてなり、少なく
ともいずれか1層がアスコルビン酸リン酸エステルを含
んでいる人工皮膚によって達成される。
【0010】本発明はまた、(2)線維化コラーゲンと
ヘリックス含量が0〜80%である変性コラーゲンとア
スコルビン酸リン酸エステルとからなるマトリックスの
支持層とその上に積層された水蒸気透過調節層とからな
ることを特徴とする人工皮膚によって達成される。
【0011】本発明はさらに、(3)前記変性コラーゲ
ンの含有比が、全体の5〜30重量%である上記(1)
または(2)に記載の人工皮膚によっても達成される。
【0012】本発明はさらにまた、(4)前記アスコル
ビン酸リン酸エステルの含有比が、全体の0.1〜10
重量%である上記(1)または(2)に記載の人工皮膚
によっても達成される。
【0013】
【作用】本発明の実施態様に基づき詳細に説明する。
【0014】図1は本発明の人工皮膚の一実施態様の微
細構造を示す拡大断面図である。図1に示すように本発
明の人工皮膚1は、創傷部に接触し得る部位が細胞侵入
性の良好なコラーゲン−変性コラ−ゲンマトリックス層
からなる創傷部接触層2、該創傷部接触層2に隣接して
なる支持層3、および水蒸気透過調節層4とアスコルビ
ン酸5とからなるものである。
【0015】ここで創傷部接触層2が細胞侵入性を有す
るものとは、該人工皮膚1が創傷部に適用された際に、
マクロファージや好中球の炎症性の細胞が湿潤し、早期
に線維芽細胞が侵入し、その結果、真皮様の結合組織が
再構築されることである。
【0016】また創傷部接触層2で使用する変性コラー
ゲンは、コラーゲンを加熱処理、化学処理または物理処
理等により行うことができ、特に加熱処理による熱変性
処理が最も好ましい。コラーゲンの変性度は、ヘリック
ス構造の含量によって示される。ここでヘリックス(構
造の)含量とは、分子的にコラーゲンに特有な3重鎖ヘ
リックスの含量のことであり、変性コラーゲンは、この
ヘリックスがランダムコイル化しているために、ヘリッ
クス含量がコラーゲンの変性度に対応するものである。
このヘリックス構造の含量は円偏光二色性または赤外分
光光度計で測定することができる(P.L.Gordon,I.V.Yan
nas,et al.Macromolecules, 7 (6) 954(1974)、奈倉、
橋本ら、高分子論文集 41 (8) 473 (1984))。ここで用
いられるコラーゲンの変性度の指標、すなわち、ヘリッ
クス含量は、0〜80%、好ましくは0〜50%、より
好ましくは30〜50%である。例えば、コラーゲン溶
液を60℃、30分間熱処理するとヘリックス含量は約
40%であり、100℃、24時間熱処理するとヘリッ
クス含量は0%となることから電気泳動によりコラーゲ
ン分子の一部が切断されていることがわかる。使用する
コラーゲンは、抗原性の発現抑制の面から抗原決定基が
酵素で除去されたアテロコラーゲンが望ましく、アテロ
コラーゲンを分散状でそのまま用いると、架橋導入を行
なっても物性が余り向上しないので、アテロコラーゲン
は37℃で中和処理(リン酸系の緩衝液を用いる)を施
し、生体内にあるような周期性線維構造を持つ線維化ア
テロコラーゲンの形にすることがさらに好ましい。
【0017】本発明の人工皮膚1中の変性コラーゲンの
含有比は、全体の5〜30重量%、より好ましくは10
〜20重量%である。
【0018】さらに水蒸気透過調節層4を設けることに
より、適度な水蒸気透過を行ない、創面に滲出液が貯留
せず、かつ創面が湿潤に保たれた状態とし、一方滲出液
中のタンパク質成分の外部への漏出は防止され、組織の
修復に極めて好ましい環境を与えることになる。
【0019】本発明に用いられるアスコルビン酸5はビ
タミンCとも呼ばれており、分子内にエンジオール基を
持ち、そのために反応性に富み、容易に酸化されてデヒ
ドロアスコルビン酸となる。アスコルビン酸5の生理活
性は、今日なお不明瞭な点が多いが、現在最も明らかに
なっている作用としてコラーゲンの生成と維持に必要な
ことが挙げられる。しかし、アスコルビン酸5は中性溶
液中37℃で酸素存在下では、非常に不安定であった
が、L−アスコルビン酸リン酸エステルはコラーゲン合
成のコファクター活性を持ち、また生理下でも安定であ
ることが分かってきているものである。
【0020】また本発明に用いられるアスコルビン酸5
の含有量は、全体の0.1〜10重量%が好ましく、よ
り好ましくは0.5〜2重量%である。
【0021】本発明において、アスコルビン酸、特に活
性持続型のあるL−アスコルビン酸リン酸エステルを含
有することは、自己のコラーゲン線維の産生を促進する
ことができる。
【0022】
【実施例】実施例1 アスコルビン酸含有の線維化アテロコラーゲ
ン−変性アテロコラーゲン混合溶液の調製 アテロコラーゲン(株式会社高研製)を4℃の温度下
で、pH3.0の希塩酸に溶解して0.3〜0.4w/
v%に調製した。この溶液を0.8μmおよび0.2μ
mの直径の空孔を持つ2種のフィルターに順次通して濾
過滅菌した後、4℃に維持しつつ撹拌しながらpH7.
4のリン酸緩衝液を加え、最終濃度が0.1〜0.15
w/v%アテロコラーゲン(30mMリン酸ナトリウ
ム、100mM塩化ナトリウム)であるコラーゲン溶液
とした。次いで37℃の恒温槽内に4時間放置し、線維
化アテロコラーゲン(以下、FCと記す)溶液を調製し
た。そして該FC溶液を無菌条件下で遠心操作による濃
縮を行ない、濃度を4w/v%に調製した。一方、フィ
ルターを順次通過させた0.3〜0.4w/v%のアテ
ロコラーゲン溶液を凍結乾燥し、再び無菌の蒸留水に
6.6w/v%となるよう再溶解し、これを60℃の恒
温槽内に30分間放置して熱変性を生ぜしめ変性アテロ
コラーゲン(以下、HACと記す)溶液とした。該HA
C溶液を37℃の温度条件下で0.45μmの直径の空
孔を持つフィルターを通して濾過滅菌した後、上述の4
w/v%FC溶液に対し、HAC/(FC+HAC)=
0.1となるように混合し、さらにL−アスコルビン酸
リン酸エステル(和光純薬株式会社製)を最終濃度が1
mMになるように添加し、十分撹拌して、アスコルビン
酸含有の線維化アテロコラーゲン−変性アテロコラーゲ
ン混合溶液を調製した。
【0023】実施例2 線維化アテロコラーゲンマトリ
ックスの熱脱水架橋 実施例1と同様な方法で調製した0.3w/v%のFC
溶液を−30℃で急速冷却した後、凍結乾燥を行ないス
ポンジを作製した。さらにこのスポンジを0.05To
rr未満の真空下で1時間保持し、さらに110℃に温
度を上げ、24時間真空に保ち、その後温度を室温まで
下げ、試料を取り出し、架橋した線維化アテロコラーゲ
ンスポンジを得た。
【0024】実施例3 人工皮膚の作製 実施例1で調製したアスコルビン酸含有の2w/v%線
維化アテロコラーゲン−変性アテロコラーゲン混合溶液
をステンレスパッドに注入し、さらに実施例2で調製し
た架橋した線維化アテロコラーゲンマトリックスのスポ
ンジをゆっくりのせると、スポンジは溶液の上層部に浮
く。この状態で−30℃に急速冷却して、十分凍結させ
た後、−40℃で0.1Torr未満の真空下で凍結乾
燥すると、線維化アテロコラーゲン−変性アテロコラー
ゲンからなる二重構造のスポンジが得られた。次にテフ
ロン上に67%Silasticシリコーン接着剤型A
(Dow Corning社製)のヘキサン溶液を精密
被覆用具(アプリケーター)を用いて塗布し製膜した。
塗布した直後に上記のスポンジを線維化アテロコラーゲ
ンマトリックスがシリコーン側になるようにのせ、室温
で10分程放置した後、60℃で少なくとも1時間オー
ブンで硬化させた。さらに110℃に温度を上げ、4時
間真空に保ち、その後室温まで下げ、試料を取り出して
人工皮膚を得た。
【0025】実施例4 人工皮膚の作製 実施例1で調製したアスコルビン酸含有の4w/v%線
維化アテロコラーゲン−変性アテロコラーゲン混合溶液
をステンレスパッドに注入し、−30℃以下に急速冷却
して十分凍結させた後、−40℃で0.1Torr未満
の真空下で凍結乾燥させることにより、線維化アテロコ
ラーゲン−変性アテロコラーゲンのマトリックスが得ら
れた。次にテフロン平板上に67%のメディカルグレー
ドサイラスティックスシリコーン(ダウコーニング株式
会社製、接着シリコーンタイプA)のヘキサン溶液を精
密被覆用具(アプリケーター)を用いて塗布して製膜
し、塗布した直後に、その湿潤層上に上記の線維化アテ
ロコラーゲン−変性アテロコラーゲンマトリックスを載
せ、室温で10分間放置した後、60℃で少なくとも1
時間、オーブン硬化させた。さらに0.05Torr未
満の真空下で1時間保持し、110℃に温度を上げ4時
間真空に保ち、その後温度を室温まで下げることによ
り、人工皮膚を得た。
【0026】試験 人工皮膚のラット皮膚欠損創への移
植試験 上記実施例3および4で得られたマトリックスをラット
の背部皮膚に移植して試験した。Wistar−KYラ
ット(200〜400g)をネンブタール麻酔下で徐毛
し、イソジン消毒したラット背部皮膚に皮下筋膜を創面
とする20×20mmの全創皮膚欠損創を作製し、止
血、乾燥した後、生食を含ませた検体を貼付した。シリ
コーン膜辺縁を縫合糸で16ヶ所結紫固定した。その上
にソルフレン(テルモ株式会社製)を4枚重ね、さらに
エラスチコン等の伸縮性絆創膏で胴巻きにし、圧迫固定
した。移植後、実施例3で作製した人工皮膚では1週間
後、実施例4で作製した人工皮膚では2週間後に、上層
部のシリコーンを剥がし、線維化アテロコラーゲン−変
性アテロコラーゲン層上に自家の分層植皮片を移植し
て、さらに4週間観察した。肉眼による観察では、収縮
はあまり見られず、植皮した分層植皮片が離脱していな
かった。病理組織学的にも、人工皮膚を使用して再生さ
れた真皮様組織と生着した分層植皮片はよく密着してお
り、人工皮膚内には細胞線維が多く認められた。
【0027】
【発明の効果】本発明の人工皮膚は、細胞侵入性材料に
よって形成された創傷接着層と、架橋構造を有する線維
化コラーゲンマトリックスからなる支持層と、水蒸気透
過調節層とが順次積層され、少なくともいずれかの層に
活性持続型のあるL−アスコルビン酸リン酸エステルを
含有している人工皮膚または線維化コラーゲンとヘリッ
クス含量が0〜80%である変性コラーゲンとのマトリ
ックスに活性持続型のあるL−アスコルビン酸リン酸エ
ステルを含有している創傷接着層と水蒸気透過調節層と
が積層されている人工皮膚であり、創傷、熱創、褥瘡等
により皮膚が損傷を受けた際に、損傷面に適用され、真
皮成分の欠損部位に使用することができる。
【0028】さらに本発明の人工皮膚は、創傷接触面が
細胞侵入性を有するので、創面に適用された際に線維芽
細胞が早期に創傷接着層に侵入し、真皮様の結合組織を
構築するので創傷の治癒が促進され、さらに移植して一
定の期間保持した後、上層の水蒸気透過調節層を剥がし
て、自家の分層植皮片を移植しても生着することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の人工皮膚の実施態様の微細な構造を示
す断面図である。
【符号の説明】
1…人工皮膚 2…細胞侵入性支持層 3…耐コラゲナーゼ性支持層 4…水蒸気透過調節層 5…アスコルビン酸リン酸エステル

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線維化コラーゲンおよびヘリックス含量
    が0〜80%である変性コラーゲンのマトリックスから
    なる創傷接触層と、架橋構造を有する線維化コラーゲン
    マトリックスからなる支持層と、水蒸気透過調節層とが
    順次積層されてなり、少なくともいずれか1層がアスコ
    ルビン酸リン酸エステルを含んでいる人工皮膚。
  2. 【請求項2】 線維化コラーゲンとヘリックス含量が0
    〜80%である変性コラーゲンとアスコルビン酸リン酸
    エステルとからなるマトリックスの支持層とその上に積
    層された水蒸気透過調節層とからなることを特徴とする
    人工皮膚。
  3. 【請求項3】 前記変性コラーゲンの含有比が、全体の
    5〜30重量%である請求項1または2に記載の人工皮
    膚。
  4. 【請求項4】 前記アスコルビン酸リン酸エステルの含
    有比が、全体の0.1〜10重量%である請求項1また
    は2に記載の人工皮膚。
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