JPH0518348Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、複写機の紙送り装置に関し、特に、
用紙搬送路内で用紙を正逆方向に移動させ、その
用紙を感光体ドラムに向けて搬送する際に、該用
紙のサイドレジストレーシヨンを行い得るように
構成してなる複写機の紙送り装置に関する。

（従来の技術） 従来より一般に用いられている複写機において
は、第６図に示されるように、複写機の内部に複
数個の用紙トレイ１０，１０ａ，１０ｂ……を設
け、それぞれの用紙トレイに対応して設けられて
いる給紙ローラ１１により、用紙Ｐを取り出し、
用紙さばき機構１２を通して１枚ずつ搬送ローラ
装置１３に送り、該搬送ローラ装置１３を介して
用紙搬送路１５に向けて送り出す。そして、前記
用紙搬送路１５に設けた搬送ローラ装置１６によ
り、用紙を画像転写部に向けて搬送する。前記用
紙搬送路の上端部には、位置合せローラ３を配置
しており、感光体ドラム１に形成されるトナー画
像にタイミングを一致させた状態で、前記位置合
せローラ３を介して用紙を送り込み、画像転写部
２で転写コロトロン等の放電によつて画像の転写
を行い、そのトナー画像が転写された用紙を搬送
装置４により定着装置に向けて搬送し、コピーと
して完成するようにされている。

ところが、上記複写機における用紙搬送路に
は、用紙に対するサイドレジストレーシヨン装置
が設けられていないために、長い用紙搬送路内を
搬送するに際して、用紙が偏つた方向に移動さ
れ、用紙に転写されるトナー画像が、ズレを生じ
た状態で転写される等の欠点が発生することがあ
る。

そのような欠点を解消するために、大型の複写
機等においては、第７図に示されるように、各用
紙トレイからの分岐路を集中させるようにして用
紙搬送路を構成し、その用紙搬送路に続いて、レ
ジストレーシヨン用の用紙搬送路を設け、該レジ
ストレーシヨン用の用紙搬送路にアライナー装置
２０を設けることによつて、用紙のサイドレジス
トレーシヨンを行うようにしているものもある。

また、前述したような複写機の用紙搬送路にお
いては、第７図および第８図に示されるように、
用紙搬送路１５を構成するガイド板に沿つて搬送
ローラ１６を設け、該搬送ローラ１６には、アラ
イナー装置２０を一体に設けている。前記アライ
ナー装置２０としては、一方向に駆動される駆動
軸２１に複数個のローラ２３を設けるとともに、
該駆動軸２１の端部にユニバーサルジヨイント２
２を介してアライナーローラ２４を設け、それら
のローラが一体に回転されるように構成される。

そして、レジストレーシヨン用の用紙搬送路に
おいて、用紙Ｐを搬送する際に、用紙Ｐに対して
アライナーローラ２４により位置合せガイド２５
に向けてサイドレジストレーシヨンの動作を行
い、用紙Ｐの側面を位置合せガイド２５に沿わせ
た状態で、位置合せローラ３に向けて搬送し、画
像転写部２で用紙Ｐに対して、正確な位置にトナ
ー画像の転写を行い得るようにする。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上記したような従来の装置にお
いては、用紙トレイが接続される用紙搬送路に対
して、レジストレーシヨン用の用紙搬送路を設け
ることは、用紙搬送路が非常に長いものとなる。
そして、用紙搬送路を長く構成することにより、
搬送ローラ等の装置が複雑になり、複写機の構造
が大型化するとともに、複写機の製造コストが上
昇するという欠点が発生する。

また、用紙搬送路が長くなるとともに、その構
成が複雑になることは、当然用紙の搬送中に、そ
の用紙を安定した状態に維持することが困難にな
り、用紙搬送路内でのジヤムが発生する原因とな
ることが多い。さらに、用紙搬送路内で、ジヤム
が発生した場合には、その回復のための操作が複
雑になり、オペレータに余分な負担をかけること
にもなる。

（考案の目的） 本考案は、上記したような従来より用いられて
いる装置の欠点を解消するもので、用紙トレイか
らの用紙搬送路を短縮出来るようにするととも
に、用紙のサイドレジストレーシヨンの作用を容
易に行い得るような装置を提供することを目的と
している。

（問題点を解決するための手段および作用） 本考案の複写機の紙送り装置は、複数個の用紙
トレイよりそれぞれに設けた給紙ローラおよび用
紙さばき機構を介して給紙を行い、搬送ローラを
介して用紙搬送路内を搬送し、位置合せローラに
よりレジストレーシヨンを行うとともに、画像転
写部に搬送し、感光体ドラムに形成したトナー画
像の転写を行うように構成してなる装置に関す
る。

本考案においては、前記用紙トレイから用紙を
送り出す給紙路を、用紙搬送路に対して画像転写
部から遠ざかる方向に向けて用紙を移動させる状
態に接続し、前記給紙路と用紙搬送路との接続部
には、用紙が給紙路から用紙搬送路に向けて移動
することを許容するゲート部材を配置している。
また、前記用紙搬送路を一方の側部に位置合わせ
ガイドを配置した反転搬送路として構成し、前記
反転搬送路には可逆転モータにより駆動される可
逆搬送ローラ装置を設け、各ローラ装置には、そ
の駆動軸にユニバーサルジヨイントを介してアラ
イナーローラを設け、前記可逆搬送ローラ装置の
正転時と逆転時に、アライナーローラの角度を変
更可能に構成している。そして、用紙トレイから
送り出される用紙を、反転搬送路内で画像転写部
から遠ざかる方向に搬送し、用紙の後端部が給紙
路から反転搬送路内に入つた状態で、アライナー
ローラの角度を変更して、用紙を位置合わせガイ
ドに沿わせて位置合わせローラに向けて搬送する
ことができるように構成している。

前述したように構成したことにより、本考案の
装置においては、反転搬送路として構成した用紙
搬送路内で、用紙を一旦画像転写部から遠ざかる
方向に搬送し、その後で、アライナーローラによ
りレジストレーシヨンの作用を行いながら、画像
転写部に向けて搬送するので、その用紙に対する
サイドレジストレーシヨンが正確に行なわれるこ
とになる。また、本考案の複写機の紙送り装置に
おいては、従来の複写機に設けられている用紙搬
送路を、反転搬送路として用いるようにするもの
であるために、複写機の用紙搬送路の構成を複雑
なものとすることはなく、それによつて従来の迂
回路を構成した複写機等に比較して、その用紙搬
送路の構成を簡単なものとすることが可能にな
る。

（実施例） 図示された実施例に従つて、本考案の複写機の
紙送り装置の構成を説明する。第１図に示される
ように、本考案の複写機においては、その内部に
複数個の用紙トレイ１０，１０ａ……を収容して
おり、それらの用紙トレイには、それぞれ給紙ロ
ーラ１１、用紙さばき機構１２、および、搬送ロ
ーラ１３が設けられている。また、上記用紙トレ
イからの給紙路が接続される用紙搬送路を、本考
案においては、反転搬送路３０として構成してお
り、前記反転搬送路３０には、搬送ローラ装置と
しての可逆アライナーローラ装置３５が所定の間
隔で配置されている。そして、それらの可逆アラ
イナーローラ装置３５によつて、用紙を矢印Ａ方
向に向けて給紙路から送り込んだ後で、矢印Ｂ方
向に向けて搬送し、感光体ドラム１からの画像転
写部に向けて給紙するように構成している。

さらに、本考案の反転搬送路３０の上端部に
は、位置合せローラ３が設けられており、感光体
ドラム１に形成されるトナー画像にタイミングを
一致させた状態で、該位置合せローラ３を介して
用紙を送り込み、画像転写部２で転写コロトロン
等の放電によつて画像の転写を行い、そのトナー
画像が転写された用紙を搬送装置４により定着装
置に向けて搬送し、コピーとして完成するように
されている。

第２図には、本考案の用紙トレイからの給紙路
と、反転搬送路３０の合流部の構成を詳細に示し
ている。この図に示されるように、用紙トレイ１
０からの給紙路３２と、反転搬送路３０との合流
部には、比較的薄い樹脂シートにより構成される
ゲート部材３３が設けられている。そして、第２
Ａ図および、第２Ｂ図に示されるように、そのゲ
ート部材３３によつて、用紙トレイからの用紙は
反転搬送路３０内に案内されるが、逆に反転搬送
路３０から給紙路３２内に向けて移動出来ないよ
うな状態になつている。

また、前記用紙トレイからの搬送路の端部に
は、用紙の検知用のセンサー３４を設け、その検
知信号によつて、可逆アライナーローラ装置３５
の正逆駆動が行われるようにされている。そし
て、前記第２Ａ図に示されるようにして、給紙路
３２から反転搬送路３０に向けて送り出される用
紙Ｐは、センサー３４により用紙の後端部が検知
されてから、一定の時間後に、ゲート部材３３の
位置を通過して、反転搬送路内に入り込む。その
後で、アライナーローラ装置が逆転方向に駆動さ
れて、第２Ｂ図の矢印方向に向けて用紙を搬送す
るが、前記ゲート部材３３により、用紙は給紙路
に向けて入り込むことがない状態で、図の上方に
向けて搬送される。

本考案の反転搬送路３０に設けられる可逆アラ
イナーローラ装置３５は、第３図ないし第５図に
示されるような構成のものが用いられる。第３図
に示される例は、第２図の矢印Ｅ−Ｅ方向から見
た背面図であり、この図に示されるように、本考
案の可逆アライナーローラ装置３５は、駆動軸３
７に所定の間隔を介して設けられているローラ３
９，３９……により搬送ローラを構成するととも
に、該駆動軸３７の端部に、ユニバーサルジヨイ
ント３８を介してアライナーローラ４０を設けて
いる。そして、アライナーローラ４０を実線で示
す位置と鎖線で示される位置との間で揺動させ、
用紙の搬送とレジストレーシヨンの動作が行い得
るようにされる。

第４図は、第３図に示される反転搬送路３０
を、さらに詳細に説明している。この図に見られ
るように、用紙搬送路をガイド板３１によつて構
成し、これに対して用紙トレイからの給紙路３２
を接続する。また、反転搬送路３０の一側部に
は、位置合せガイド２５が設けられ、用紙の側面
をこのガイドに当接させながら搬送することによ
つて、用紙のレジストレーシヨンを行うようにし
ている。前記反転搬送路３０においては、ガイド
板３１にローラ３９が用紙搬送路に向けて突出さ
れるような孔を設け、それぞれの孔から搬送路内
に突出するローラ３９が、用紙搬送路内の用紙を
挟持するような状態に設定される。

上記アライナーローラ４０の支持部の構成をさ
らに詳細に説明すると、第５図に示されるよう
に、ローラ３９をローラホルダー４１によつて保
持するとともに、該ローラホルダー４１のブラケ
ツトをガイド板に沿つて設け、そのブラケツトに
ガイド４２を設けて、ガイド板３１から突出して
いるピン４３に係合させるようにする。また、ロ
ーラホルダー４１の背面にはピン４１ａを突出さ
せておき、該ピン４１が、アーム部材４４の長孔
４４ａに係合され、アーム部材の上下動によつ
て、アライナーローラ４０が揺動されるようにな
る。これらのローラ装置は、その駆動軸３７の端
部に取付けられるスプロケツトに、チエーン等の
伝導部材を係合させ、可逆転モータ３６によつて
所定の方向に駆動を行い得るようにする。前記ア
ライナーローラ４０は、そのローラホルダー４１
がスプリング４６、ソレノイド４５によつて上下
動され、その上下動の動作によつて、ユニバーサ
ルジヨイント３８を介して、アライナーローラ４
０を揺動させるようになつている。

つぎに、本考案の複写機の紙送り装置の作用を
説明する。まず、複写機のコントロールパネルを
介して複写の信号が入力されると、図示を省略し
た光学装置によつて原稿の画像が読取られ、その
光情報が感光体ドラム１に照射され、その潜像が
現像装置によりトナー画像として形成され、画像
転写部２に向けて移動される。

原稿の光学的走査と同時に、用紙トレイ１０の
給紙装置に対しては、用紙送りの信号が出力さ
れ、指定されたサイズの用紙Ｐが給紙ローラによ
つて送り出される。その際に、反転搬送路３０の
可逆アライナーローラ装置３５を駆動する可逆転
モータ３６は、用紙を矢印Ａ方向に搬送する逆転
状態に駆動が行なわれており、給紙路３２から送
り込まれた用紙を、ゲート部材３３を通して反転
搬送路３０内で下に向けて搬送する。勿論本考案
の実施例の場合には、可逆アライナーローラ装置
３５を逆転させている間は、ソレノイド４５は作
動されていないので、アライナーローラ４０の軸
は駆動軸３７とは直線状態にある。

そして、前記給紙路３２から用紙Ｐを反転搬送
路３０内に導入している間に、その用紙Ｐの後端
部をセンサー３４によつて検知すると、その検知
の後で所定の時間だけ、可逆アライナーローラ装
置３５の逆転方向への駆動を行う。この時間は、
用紙の後端部が完全に反転搬送路３０内に搬入さ
れる時間であるから、非常に短い時間で良いこと
になる。

その所定の時間の経過後に、可逆転モータ３６
は正転方向に駆動され、その可逆アライナーロー
ラ装置３５を用紙搬送方向に向けて回転させる。
その際に、ソレノイド４５が付勢されて、アーム
部材４４を介して各アライナーローラ４０を傾斜
させる。したがつて、反転搬送路３０内を感光体
ドラムに向かつて搬送される用紙Ｐに対して、そ
のローラ３９による搬送と同時に、アライナーロ
ーラ４０によるレジストレーシヨンの作用が行な
われることになる。そして、反転搬送路３０内を
搬送される用紙Ｐは、第３図および第４図に示さ
れる位置合せガイド２５に、その側面を摺動させ
るような状態で搬送され、位置合せローラ３を介
して画像転写部２に送り込まれる。

なお、本考案の上記実施例においては、アライ
ナーローラをユニバーサルジヨイントを介して揺
動可能に設けた場合の例を示しているが、本考案
の場合には、アライナーローラは必ずしも揺動可
能に構成する必要はなく、揺動させるための部材
を用いずに、用紙搬送路に対して傾斜した状態で
固定位置に設定することも可能である。

つまり、反転搬送路３０内で逆方向に移送され
る場合には、最初から傾斜した状態に設定されて
いるアライナーローラによつて、用紙は側方に移
動されるが、その後で感光体ドラムに向けて搬送
される場合には、アライナーローラに接触してレ
ジストレーシヨンが行なわれる距離は、逆方向に
移動させる場合に比較して非常に長いものとな
る。したがつて、逆方向に用紙を移動させる際
に、用紙の側部が位置合せガイド２５から一旦離
れたとしても、その後でアライナーローラによつ
て位置合せガイドに向けて移動されるのであるか
ら、むしろそのような搬送の方が、レジストレー
シヨンの作用を正確に行い得るものとなる場合も
ある。

（考案の効果） 本考案の複写機の紙送り装置は、上記したよう
な構成を有するものであるから、従来より用いら
れている用紙搬送路を若干改良することによつ
て、レジストレーシヨンの作用を行わせることが
可能になり、複写機の構成を複雑にすることはな
い。また、本考案の複写機の紙送り装置は、用紙
搬送路を長く形成する必要がないために、複写機
を小型化することが出来、紙詰りの処理が容易に
出来るとともに、部品点数も少なくてすむので、
通常のメンテナンスも容易に行い得るものとな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の複写機の紙送り装置の構成を
示す説明図、第２図は本考案の給紙部の主要部の
構成を示す断面図、第２Ａ図および第２Ｂ図は用
紙とゲート部材との関係を示す説明図、第３図は
本考案の反転搬送路の背面図、第４図は反転搬送
路の斜視図、第５図はアライナーローラとその支
持部材の構成を示す斜視図、第６図は従来より用
いられている複写機の紙送り装置の構成を示す説
明図、第７図はアライナーローラを設けた場合の
従来例を示す説明図であり、第８図は第７図のＡ
−Ａ部分での背面図である。 図中の符号、１……感光体ドラム、２……画像
転写部、３……位置合せローラ、４……搬送装
置、１０……用紙トレイ、１１……給紙ローラ、
１２……用紙さばき機構、１３……搬送ローラ装
置、１５……用紙搬送路、１６……搬送ローラ、
２５……位置合せガイド、３０……反転搬送路、
３１……ガイド板、３２……給紙路、３３……ゲ
ート部材、３４……センサー、３５……可逆アラ
イナーローラ装置、３６……可逆転モータ、３７
……駆動軸、３８……ユニバーサルジヨイント、
３９……ローラ、４０……アライナーローラ、４
１……ローラホルダー、４２……ガイド、４３…
…ピン、４４……アーム部材、４５……ソレノイ
ド、４６……スプリング。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 複数個の用紙トレイのそれぞれに設けた給紙ロ
   ーラおよび用紙さばき機構を介して給紙を行い、
   搬送ローラ装置を介して用紙搬送路内を搬送し、
   位置合せローラによりレジストレーシヨンを行う
   とともに、画像転写部に搬送し、感光体ドラムに
   形成したトナー画像の転写を行うように構成して
   なる装置において、 前記用紙トレイから用紙を送り出す給紙路を、
   用紙搬送路に対して画像転写部から遠ざかる方向
   に向けて用紙を移動させる状態に接続し、 前記給紙路と用紙搬送路との接続部には、用紙
   を一方向に向けて案内するゲート部材を配置し、 前記用紙搬送路を一方の側部に位置合わせガイ
   ドを配置した反転搬送路として構成し、前記反転
   搬送路には可逆転モータにより駆動される可逆搬
   送ローラ装置を設け、各ローラ装置には、その駆
   動軸にユニバーサルジヨイントを介してアライナ
   ーローラを設け、 前記可逆搬送ローラ装置の正転時と逆転時に、
   アライナーローラの角度を変更可能に構成すると
   ともに、 用紙トレイから送り出される用紙を、反転搬送
   路内で画像転写部から遠ざかる方向に搬送し、用
   紙の後端部が給紙路から反転搬送路内に入つた状
   態で、アライナーローラの角度を変更して、用紙
   を位置合わせガイドに沿わせて位置合わせローラ
   に向けて搬送する機構を構成することを特徴とす
   る複写機の紙送り装置。