JPH0517295A - ドメイン反転処理が施されたニオブ酸リチウム単結晶薄膜 - Google Patents

ドメイン反転処理が施されたニオブ酸リチウム単結晶薄膜

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JPH0517295A
JPH0517295A JP3191221A JP19122191A JPH0517295A JP H0517295 A JPH0517295 A JP H0517295A JP 3191221 A JP3191221 A JP 3191221A JP 19122191 A JP19122191 A JP 19122191A JP H0517295 A JPH0517295 A JP H0517295A
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JP
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single crystal
lithium niobate
niobate single
crystal thin
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JP3191221A
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Yasuji Hiramatsu
靖二 平松
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Ibiden Co Ltd
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Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】薄膜導波路型第2高調波発生素子を始めとし
て、各種の光学材料に好適なドメイン反転処理が施され
てなるニオブ酸リチウム単結晶薄膜を提供する。 【構成】タンタル酸リチウム基板上に格子整合され、周
期毎に結晶軸方向に分極が反転されるようにドメイン反
転処理が施されたニオブ酸リチウム単結晶薄膜である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜導波路型第2高調
波発生素子を始めとして、各種の光学材料に好適なドメ
イン反転処理が施されてなるニオブ酸リチウム単結晶薄
膜に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光応用技術の進展に伴ってレ−ザ
光源の短波長化が要求されている。レ−ザ光源の短波長
化により記録密度や感光感度を向上させ、これによって
光ディスク、レ−ザプリンタ等を始めとしてより一層光
機器分野への利用範囲が拡大される。
【0003】このため、入射するレ−ザ光の波長を1/
2に変換できる第2高調波発生(SHG)素子の研究が
行われて来た。かかる第2高調波発生(SHG)素子と
して、非線型光学結晶のバルク単結晶が用いられて来た
が数mW〜数十mWの低い光源出力で高い変換効率を得
る必要から薄膜導波路型のSHG素子が必要となってき
た。
【0004】このような薄膜導波路型SHG素子用の非
線形光学材料としては、例えばニオブ酸リチウム単結晶
バルクにTi等の異種元素を拡散させて屈折率を変化さ
せた層を導波路としたものやタンタル酸リチウム基板上
にニオブ酸リチウム単結晶薄膜を導波路としたものなど
が知られている。
【0005】このような導波路にレ−ザ光を入射させる
とSHGは発生するが、レ−ザ光と高周波との干渉によ
りSHG光は導波路伝播に伴って次式で与えられる干渉
距離(コヒ−レンス長)lcごとに極大極小を繰り返す
こととなる。 lc=(2n+1)λf/4(nf−nSH) 式中、添字f及びSHはそれぞれ基本波及び高調波成分
をλは波長、nは屈折率を示す。
【0006】したがって、lc毎に分極波の符号を交互
に反転させることによりSHG光の出力は打消がなくな
り、逆に加合せが生じ、SHGの出力は加算される結果
大きな変換効率を得ることができる。このlc毎に分極
反転させたドメイン反転の理論は1962年頃より提案
され、1988年頃よりSHGの出力強度を高めるため
にドメイン反転処理が利用されるようになった。
【0007】非線形光学材料基板上にドメイン反転構造
部を設け、この上に光導波路を設けてチェレンコフ放射
による第2高周波発生素子が提案されている(例えば特
願平2−93624号公報参考)。しかし、チェレンコ
フ放射型第2高調波発生素子では変換されたビ−ムは、
基板内方向に放射され、ビ−ムスポット形状は例えば三
日月状スポットという特異な形状をしているため、これ
を光ディスやレ−ザプリンタの光源として使用する場合
にはチェレンコフ放射光を回折限界まで絞りこまなけれ
ばならないが、現在この目的に適したレンズが実用化さ
れていないためチェレンコフ放射型のSHG発生素子は
未だ実用的ではない。
【0008】これに対して、その導波路にドメイン反転
処理を施すことによって、高効率で円形もしくは楕円形
のビ−ムスポット形状の出力を得るようにした第2高調
波発生素子が提案されている。しかし、導波路にドメイ
ン反転処理を施す手段として、例えばニオブ酸リチウム
単結晶バルクにTiを拡散させたり、プロトン交換を行
って導波路を作成すると、ニオブ酸リチウムの結晶構造
が変化してニオブ酸リチウム結晶構造ではなくなり、し
たがって必然的に非線形光学特性が変化し、非線形分極
テンソルの値が小さくなり、非線形光学特性が低下する
という欠点があった。
【0009】
【解決しようとする課題】本発明は、上記の点を改良
し、高調波のビ−ムスポット形状の良好な、かつ、出力
の大きい第2高調波発生素子を提供すべく種々検討した
結果、タンタル酸リチウム基板上に格子整合されたニオ
ブ酸リチウム単結晶薄膜よりなる導波路を分極反転した
ニオブ酸リチウム単結晶薄膜が上記目的を達成すること
を見出し、本発明を完成したもので、本発明の目的は、
薄膜導波路型第2高調波発生素子を始めとして、各種の
光学材料に好適なドメイン反転処理が施されてなるニオ
ブ酸リチウム単結晶薄膜を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、タンタ
ル酸リチウム基板上に格子整合され、周期毎に結晶軸方
向に分極が反転されるようにドメイン反転処理が施され
たニオブ酸リチウム単結晶薄膜である。すなわち、タン
タル酸リチウム基板上に格子整合されたニオブ酸リチウ
ム単結晶薄膜は、次の一般式(I)の条件を満足するよ
うに、周期毎に結晶軸方向に分極が反転されている。 (2m+1)λf/4(nf−nSHG) (I) 式中、nfは基本波長光における実効屈折率、nSHG
は第2高調波光における実効屈折率であり、mは整数で
ある。
【0011】本発明においてはニオブ酸リチウム単結晶
薄膜はタンタル酸リチウム基板上に形成されているの
で、従来のニオブ酸リチウム基板にプロトン拡散させて
得た導波路やニオブ酸リチウム基板にTi拡散させて得
た導波路より非線形光学特性に優れており、しかも、ニ
オブ酸リチウム単結晶薄膜はタンタル酸リチウムと格子
整合されているので、ニオブ酸リチウム膜の結晶性、伝
播損失の低減が期待され、更に、良質の膜が厚い膜厚で
形成される。更に、ニオブ酸リチウムの非線形分極テン
ソルの値はニオブ酸リチウムバルクと同じ値であるので
SHG変換効率の向上が期待できる。
【0012】なお、タンタル酸リチウム基板上のニオブ
酸リチウム単結晶薄膜の非線形分極テンソルの値は、ニ
オブ酸リチウムバルクの値より小さくなるため、格子整
合は実用的なSHG素子を得るためには不可欠である。
格子整合は、ニオブ酸リチウム単結晶薄膜のa軸の格子
定数をタンタル酸リチウム基板のa軸の格子定数の9
9.81〜100.07%、より好ましくは99.92
〜100.03%とすることである。
【0013】本発明において、ニオブ酸リチウム単結晶
薄膜とタンタル酸リチウム基板を格子整合させる手段は
特に限定されるものではないが、国際出願番号PCT/
JP90/01207に記載の方法が望ましく、1)ナ
トリウムとマグネシウムをニオブ酸リチウム単結晶薄膜
中に含有させること、2)Li/Nbの比率を41/5
9〜56/44の間で変える方法、3)Tiなどのタン
タル酸リチウム基板のa軸の格子定数を小さくする元素
を含有させる方法、などがあるが、1)の方法が有利で
ある。
【0014】この理由は、ナトリウムとマグネシウムの
イオン又は原子はニオブ酸リチウムの結晶格子に対する
置換、或いはドープにより、ニオブ酸リチウムの格子定
数(a軸)を大きくする効果を有するため、ナトリウムと
マグネシウムの組成を調整することにより、容易に前記
タンタル酸リチウム基板とニオブ酸リチウム単結晶との
格子整合を得ることができ、さらに、ナトリウムやマグ
ネシウムは光学特性を何ら損なうことがないだけでな
く、マグネシウムについては光学損傷を防止するという
重要な効果をも有するからである。
【0015】また、前記ナトリウム、マグネシウムを含
有させる場合、その含有量は、それぞれニオブ酸リチウ
ム単結晶に対して、ナトリウムの量は0.1〜14.3
モル%、マグネシウムの量は0.8〜10.8モル%で
あることが望ましい。その理由は、ナトリウムの含有量
が、0.1モル%より少ない場合は、マグネシウムの添
加量の如何に関わらず、タンタル酸リチウム基板と格子
整合できる程、格子定数が大きくならず、又、14.3
モル%を越える場合は、逆に格子定数が大きくなりす
ぎ、いずれの場合もタンタル酸リチウム基板とニオブ酸
リチウム単結晶との格子整合が得られないからである。
【0016】又、マグネシウムの含有量が、0.8モル
%より少ない場合は、光損傷を防止する効果が不充分で
あり、10.8モル%を越える場合は、ニオブ酸マグネ
シウム系の結晶が析出してしまうため、含有させること
ができない。
【0017】次に本発明にかかるニオブ酸リチウム単結
晶薄膜の製造方法について説明するが、本発明のニオブ
酸リチウム単結晶薄膜は、その製造方法に限定されるも
のではない。
【0018】先ず、本発明においてタンタル酸リチウム
基板にニオブ酸リチウム単結晶薄膜を格子整合させて該
単結晶薄膜を形成する。ニオブ酸リチウム単結晶薄膜の
製造方法としては、液相エピタキシャル成長法、スパッ
タ、蒸着法などが望ましいが、特に液相エピタキシャル
成長法が好適である。
【0019】この理由は、結晶性に優れた均質な膜が得
やすく、その結果、光伝搬損失が少なく、光導波路とし
て好適なニオブ酸リチウムのもつ非線形光学効果、音響
光学効果などを十分生かせる優れた特性をもったニオブ
酸リチウム単結晶薄膜が得られ、更に生産性にも優れて
いるからである。
【0020】液相エピタキシャル成長法としては、Li
2O,Nb25,V25,Na2O,MgOなどからなる溶融
体にタンタル酸リチウム基板を接触させ、液相エピタキ
シャル成長によりニオブ酸リチウム単結晶薄膜のa軸の
格子定数をタンタル酸リチウム基板のa軸の格子定数に
整合させる方法を用いるのが、高品質の結晶が得られる
ので望ましい。
【0021】本発明でLi2O,Nb25,V25,Na2
O,MgOなどからなる溶融体を使用する理由として
は、Li2OとV25は、フラックスとして作用してニ
オブ酸リチウム単結晶の液相エピタキシャル成長を実現
できるからである。
【0022】また、Na及びMgをニオブ酸リチウム単
結晶薄膜に含有させることにより、ニオブ酸リチウム単
結晶薄膜のa軸の格子定数を大きくすることができるの
で、形成されるニオブ酸リチウム単結晶薄膜のa軸の格
子定数をタンタル酸リチウム基板のa軸の格子定数に合
わせることができ、これによって厚い膜厚を有するニオ
ブ酸リチウム単結晶薄膜を得ることができるのである。
【0023】このようにして得られたニオブ酸リチウム
単結晶薄膜に分極反転処理を施す。分極反転処理とし
て、次の2種類の方法がある。 A.ニオブ酸リチウム単結晶導波路にTiを拡散し、キ
ュリ−点を降下させた後、キュリ−点よりやや低い温度
で加熱して冷却することにより分極反転させる方法。 B.ニオブ酸リチウム単結晶導波路にフォトレジストに
より、スパッタレジストを形成し、SiO2をスパッタ
し、ついで、これを加熱することにより、LiがSiO
2に拡散する。ついで、SiO2を除去し、キュリ−点よ
りやや低い温度で加熱して冷却することにより分極反転
させる方法。
【0024】これらの方法を図面をもって説明する。A
の方法について、図1を参照しながら説明する。タンタ
ル酸リチウム基板1上に格子整合されたニオブ酸リチウ
ム単結晶薄膜2をエピタキシル法で成長させ、このニオ
ブ酸リチウム単結晶薄膜上にフォトリソグラフィ−によ
ってスプライトパタ−ン3を形成させる(c図)。次い
で、このスプライトパタ−ンを有する表面全体にTiを
真空蒸着によってTi薄膜4を形成し(d図)、スプラ
イトパタ−ンを除去した後(e図)、これを加熱処理し
てTiをニオブ酸単結晶薄膜中に拡散させ(f図)、つ
いで急冷し、ドメイン反転層5を有するニオブ酸リチウ
ム単結晶薄膜を得た。
【0025】このドメイン反転層5を有するニオブ酸単
結晶薄膜の一部を切出し(g図)、Tiパタ−ンに対して
垂直方向に一本線のパタ−ン6をフォトリソグラフによ
って画き、Tiを真空蒸着して(h図)、次いでイオンビ
−ムエッチングによりリッジ型の導波路6を形成する
(i図)。
【0026】Bの方法は図2において、Aの方法と同様
にタンタル酸リチウム基板1上に格子整合されたニオブ
酸リチウム単結晶薄膜2を設け(b図)、この上にスプ
ライトパタ−ン3を形成した後(c図)、これにSiO2
を蒸着しSiO2膜7を形成し(d図)、スプライトパ
タンを除去した(e図)。その後、これに加熱処理を施
すことによってLiをSiO2に拡散させ、拡散部7’
を形成したのち急冷する。(f図)。さらにSiO2を研
磨により除去し、これによってドメイン反転層5を有す
るニオブ酸リチウム単結晶薄膜を得た(g図)。その後は
A方法と同様にしてリッヂ型の導波路6を形成する(i
図)。次に実施例をもって本発明を更に具体的に説明す
る。
【0027】
【実施例】
実施例1 (1)Na2CO3 21モル%、Li2CO3 29モル
%、V25 40モル%、Nb25 10モル%、Mg
Oを前記溶融物組成から析出可能なLiNbO3の理論
量に対して2モル%添加した混合物を白金ルツボに入
れ、エピタキシャル成長育成装置中で空気雰囲気下で、
1100℃まで加熱してルツボの内容物を溶解した。 (2)溶融体を1時間当りに60℃の冷却速度で912℃
まで徐冷した後、タンタル酸リチウム単結晶の(000
1)面を光学研磨した後、化学エッチングしたものを基
板材料として溶融体中に100rpmで回転させながら
12分間浸漬した。
【0028】(3)溶液体から基板材料を引き上げ、回転
数1000rpmで30秒間溶融体上で溶融体を振り切
った後、室温まで徐冷し、基板材料上に約12μmの厚
さのナトリウム、マグネシウム含有ニオブ酸リチウム単
結晶薄膜を得た。 (4)得られたニオブ酸リチウム単結晶薄膜(以下、LN
膜という)中に含有されていたナトリウム、マグネシウ
ムの量は、それぞれ3モル%、2モル%であった。又、
薄膜の格子定数(a軸)は5.156Å、入射光波長0.8
3μmで測定した屈折率は2.173±0.001、0.
415μmで測定した屈折率は、2.314であった。
この膜を研磨して、厚さ2μmとした。この時、830
nmのレ−ザ光の導波モ−ドでの屈折率は2.165で
あった。また、415nmのレ−ザ光の導波モ−ドでの
屈折率は2.295であった。
【0029】この上にフォトリソグラフィ−により、間
隔1.60μmのスプライトパタ−ンを形成した。ここ
でTiを真空蒸着させて、500Åの膜を形成した。ス
プライトパタ−ンを除去し、LN膜中にTiのパタ−ン
を形成した。これを管状炉にて1036℃で処理し、T
iをLN膜中に拡散させ、ついで急冷することにより、
ドメイン反転層を有するLN膜を得た。この膜の一部を
切り出し、HFエッチングを行い、顕微鏡で観察したと
ころ、Ti拡散部分だけ、分極反転していることを確認
した。
【0030】このTiパタ−ンに対し、垂直に幅5μm
の一本線のパタ−ンをフォトリソグラフィ−により形成
し、Tiを真空蒸着してリフトオフすることにより、L
N膜上にTiパタ−ンを形成し、イオンビ−ムエッチン
グによりLN膜を削りリッジ型の導波路を形成した。
(図1参照)この導波路の端面を研磨し波長830nm
で50mWの半導体レ−ザの光を入射したところ反対側
の端面から波長415nmのレ−ザ光が出た。この時の
変換効率は7.0%であった。このことから本素子は極
めて優れたSHG素子であることが確認された。本素子
のドメイン周期は次の通りである。 (2m+1)λ/4(np−nsh)=1.60μm
【0031】実施例2 (1)Na2CO3 13モル%、V25 39モル%、N
25 10モル%、Li2CO3を38モル%、MgO
を前記溶融物組成から析出可能なLiNbO3の理論量
に対して、5モル%添加した混合物を白金ルツボに入
れ、エピタキシャル成長育成装置中で空気雰囲気下で1
100℃まで加熱してルツボの内容物を溶解した。 (2)溶融体を1時間当り60℃の冷却速度で938℃ま
で徐冷した後、タンタル酸リチウム単結晶の(0001)
面を光学研磨したものを基板材料として溶融体中に10
0rpmで回転させながら20分間浸漬した。
【0032】(3)溶融体から基板材料を引き上げ、回転
数1000rpmで30秒間溶融体上で、溶融体を振り
切った後、室温まで徐冷し、基板材料上に約23μmの
厚さのナトリウム、マグネシウム含有ニオブ酸リチウム
単結晶薄膜を得た。 (4)得られたニオブ酸リチウム単結晶薄膜中に含有され
ていたナトリウム、マグネシウムの量は、それぞれ1モ
ル%、6モル%であった。又、格子定数(a軸)は5.1
53Å、入射光波長0.83μmで測定した屈折率は、
2.231±0.001、入射光波長0.415μmで測
定した屈折率は、2.372±0.001あった。
【0033】(5)これを研磨することにより1.9μmの
膜とした。この時、830nmのレ−ザ光の導波モ−ド
での屈折率は2.162であった。また、415nmの
レ−ザ光の導波モ−ドでの屈折率は2.294であっ
た。この上にフォトリソグラフにより間隔4.72μm
のスプライトパタ−ンを形成した。ここにSiO2をス
パッタして0.5μmの膜を形成した。スプライトパタ
−ンをリフトオフすることによりLN膜上にSiO2
パタ−ンを形成した。これを管状炉により1000℃で
処理した。この膜の一部を切り出しHFエッチングを行
ない顕微鏡で観察したところSiO2が乗っていたとこ
ろだけ分極が反転していることが観察された。表面のS
iO2を反応性イオンエッチングにより除去し、ドメイ
ン反転ニオブ酸リチウム酸結晶薄膜を得た。(図2参
照)
【0034】この膜から導波路を切り出し、その端面を
研磨し波長830nm、50mWの半導体レ−ザの光を
入射したところ反対側の端面から波長415nmのレ−
ザ光が出た。この時の変換効率は4.8%であった。こ
のことから本素子は極めて優れたSHG素子であること
が確認された。本素子のドメイン周期は、次のとおりで
あった。 (2m+1)λ/4(np−nsh)=4.72μm
【0035】実施例3 (1)Na2CO3 12.8モル%、Li2CO3 37.2
モル%、V25 39.0モル%、Nb25 11.0モ
ル%、Nb23を前記溶融物組成から析出可能なLiN
bO3の理論量に対して、0.8モル%添加した混合物を
白金ルツボに入れ、エピタキシャル成長育成装置中で空
気雰囲気下で1100℃まで加熱してルツボの内容物を
溶解した。 (2)溶融体を1時間当り60℃の冷却速度で925℃ま
で徐冷した後、タンタル酸リチウム単結晶の(0001)
面を光学研磨した後、化学エッチングしたものを基板材
料として溶融体中に100rpmで回転させながら5分
間浸漬した。 (3)溶融体から基本材料を引き上げ、回転数1000r
pmで30秒間溶融体上で、溶融体を振り切った後、室
温まで徐冷し、基板材料上に約8μmの厚さのナトリウ
ム、ネオジム含有ニオブ酸リチウム単結晶薄膜を得た。
【0036】(4)得られたニオブ酸リチウム単結晶薄膜
中に含有されていたナトリウム、ネオジウムの量は、そ
れぞれ1.2モル%、0.4モル%であった。又、格子定
数(a軸)は5.153Å、入射光波長0.83μm、50
mWで測定した屈折率は、2.232±0.001、入射
光波長0.415μmで測定した屈折率は、2.373±
0.001であった。 (5)これを研磨することにより2.1μmの膜とした。こ
の時、830nmのレ−ザ光の導波モ−ドでの屈折率は
2.166であった。また、415nmのレ−ザ光の導
波モ−ドでの屈折率は2.297であった。次いでフォ
トリソグラフにより4.75μmのスプライトパタ−ン
を形成した。ここにSiO2をスパッタして0.5μmの
膜を形成した。SiO2膜をリフトオフすることにより
LN膜上にSiO2のパタ−ンを形成した。これを管状
炉により空気中1000℃で処理した。この膜の一部を
切り出しHFエッチングを行ない顕微鏡で観察したとこ
ろSiO2が乗っていたところだけ分極が反転している
ことが観察された(図3参照)。
【0037】この膜から導波路を切り出し、端面を研磨
し波長830nmの半導体レ−ザの光を入射したところ
反対側の端面から波長415nmのレ−ザ光が出た。こ
の時の変換効率は4.8%であった。このことから本素
子は極めて優れたSHG素子であることが確認された。
本素子のドメイン周期は次のとおりであった。 (2m+1)λ/4(np−nsh)=4.75μm
【0038】実施例4 (1)Na2CO3 21モル%、Li2CO3 29モル
%、V25 40モル%、Nb25 10モル%、Mg
Oを前記溶融物組成から析出可能なLiNbO3の理論
量に対して、2モル%添加した混合物を白金ルツボに入
れ、エピタキシャル成長育成装置中で空気雰囲気下で1
100℃まで加熱してルツボの内容物を溶解した。 (2)溶融体を1時間当り60℃の冷却速度で914℃ま
で徐冷した。タンタル酸リチウム単結晶の(0001)面
を光学研磨した後、RFスパッタ法により、膜厚500
ÅのMg膜を形成した後、1000℃にて熱拡散させた
250Åの拡散層を形成したものを基板材料とした。こ
の基板材料は、Mgを拡散させない基板材料に比べて常
光屈折率が1×10-3減少していた。この基板材料を溶
融体中に100rpmで回転させながら13分間浸漬し
た。
【0039】(3)溶融体から基板材料を引き上げ、回転
数1000rpmで30秒間溶融体上で溶融体を振り切
った後、室温まで徐冷し、基板材料上に約11μmの厚
さのナトリウム、マグネシウム含有ニオブ酸リチウム単
結晶薄膜を得た。 (4)得られたニオブ酸リチウム単結晶薄膜中に含有され
ていたナトリウム、マグネシウムの量は、それぞれ3モ
ル%、2モル%であった。又、薄膜の格子定数(a軸)は
5.156Å、入射光波長0.83μmで測定した屈折率
は、2.235±0.001、入射光波長0.415μm
で測定した屈折率は、2.376±0.001であった。
この膜を実施例1と同様にしてドメイン反転層が形成さ
れたニオブ酸リチウム単結晶薄膜を得た。
【0040】この膜から導波路を切り出し、その端面を
研磨し波長830nm、50mWの半導体レ−ザの光を
入射したところ反対側の端面から波長415nmのレ−
ザ光が出た。この時の変換効率は5.8%であった。こ
のことから本素子は極めて優れたSHG素子であること
が確認された。本素子のドメイン周期は、次のとおりで
あった。 (2m+1)λ/4(np−nsh)=4.44μm
【0041】実施例5 (1)Li2CO3 27.7モル%、Nb25 29.3モ
ル%、K2CO3 21.5モル%、V25 21.5モル
%、MgOをニオブ酸リチウムの理論量に対して6モル
%添加した混合物を白金ルツボに入れ、エピタキシャル
成長育成装置中で空気雰囲気下で1100℃まで加熱し
てルツボの内容物を溶解した。 (2)溶融体を1時間当り60℃の冷却速度で896℃ま
で徐冷した。タンタル酸リチウム単結晶の(0001)面
を光学研磨した後、フォトリソグラフィ−およびRFス
パッタ法により、膜厚800Å、幅5μmのMgO膜
と、この幅5μmのMgO膜以外の部分に膜厚400Å
のCr膜を形成した後、1000℃にて熱拡散させ、幅
5μmのMgO拡散チャンネルをもつものを化学エッチ
ングし、基板材料とした。MgOを拡散させたチャンネ
ル部分およびチャンネル部分以外のCrを拡散させた部
分は、何も拡散させない基板材料に比べて、常光屈折率
はそれぞれ10×10-3減少および1×10-3増大して
いた。この基板材料を溶融体中に100rpmで回転さ
せながら11分間浸漬した。
【0042】(3)溶融体から基本材料を引き上げ、回転
数1000rpmで30秒間溶融体上で、溶融体を振り
切った後、室温まで徐冷し、基板材料上に約7μmの厚
さのMgO含有ニオブ酸リチウム単結晶薄膜を得た。 (4)実施例2と同様にして、ドメイン反転層が形成され
たニオブ酸リチウム単結晶薄膜を形成した。波長830
nmに対してLNの屈折率は、2.173、波長415
nmに対して、2.314であった。この膜から導波路
を切り出し、導波路の端面を研磨し波長830nm、5
0mWの半導体レ−ザの光を入射したところ反対側の端
面から波長415nmのレ−ザ光が出た。この時の変換
効率は6.8%であった。このことから本素子は極めて
優れたSHG素子であることが確認された。本素子のド
メイン周期は、次のとおりであった。 (2m+1)λ/4(np−nsh)=4.44μm
【0043】実施例6 本実施例は、基本的には、実施例1と同様であるが、基
板、薄膜中に異種元素を含有させ、基板と薄膜を格子整
合させた後、SHG素子を作成した。表1に、SHG素
子の変換効率を記載する。
【0044】
【表1】
【0045】比較例 図4において、LN基板1上にフォトリソグラフにより
1.47μmのスプライトパタ−ン3を形成した(b
図)。ここにTiを真空蒸着して550Åの膜を形成し
た(c図)。Ti膜をリフトオフすることによりLN基
板上にTiのパタ−ンを形成した(d図)。これを管状
炉により1035℃で処理し、TiをLN基板上に拡散
させた(e図)。この膜の一部を切り出しHFエッチン
グを行ない顕微鏡で観察したところTiが拡散したとこ
ろだけが分極が反転していることが観察された。このT
iのパタ−ンに対し垂直に幅7μmの一本線のパタ−ン
をフォトリソグラフにより形成しTiを真空蒸着してリ
フトオフすることによりLN膜上にTiのパタ−ンを形
成した。パタ−ンのところだけ安息香酸で250℃で処
理した。このようにして、プロトン交換導波路を作製し
た(f図)。この導波路の端面を研磨し波長830n
m、50mWの半導体レ−ザの光を入射したところ反対
側の端面から波長415nmのレ−ザ光が出た。この時
の変換効率は0.78であった。波長830nmに対し
てLNの屈折率は、2.169、波長415nmに対し
て、2.310であった。
【0046】
【発明の効果】以上述べたように、本発明においてはニ
オブ酸リチウム単結晶薄膜は基板であるタンタル酸リチ
ウムと格子整合されているので、厚い膜厚で形成するこ
とができると共に、本発明においては従来のようにプロ
トン交換を行うことなくキュリ−点よりやや高い温度に
加熱後、急冷することによってドメイン反転処理を行う
ので、ニオブ酸リチウム単結晶薄膜の結晶構造に変化を
生じること無く高い変換効率のSHGを提供することが
出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるニオブ酸リチウム単結晶薄膜の
実施例1,4,6の製造工程を示す図である。
【図2】本発明にかかるニオブ酸リチウム単結晶薄膜の
実施例2,5の製造工程を示す図である。
【図3】本発明にかかるニオブ酸リチウム単結晶薄膜の
実施例3の製造工程を示す図である。
【図4】従来のニオブ酸リチウム単結晶薄膜の製造工程
を示す図である。
【符号の説明】
1 タンタル酸リチウム基板 2 ニオブ酸リチウム単結晶薄膜(LN膜) 3 スプライトパタ−ン 4 Ti薄膜 4’ Ti拡散部分 5 ドメイン反転層 6 導波路 7 SiO2膜 7’ SiO2拡散部分 8 プロトン交換導波路

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 タンタル酸リチウム基板上に格子整合さ
    れ、周期毎に結晶軸方向に分極が反転されるようにドメ
    イン反転処理が施されたニオブ酸リチウム単結晶薄膜。
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