JPH05170790A - カテコールエストロゲンの製法 - Google Patents

カテコールエストロゲンの製法

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JPH05170790A
JPH05170790A JP29380191A JP29380191A JPH05170790A JP H05170790 A JPH05170790 A JP H05170790A JP 29380191 A JP29380191 A JP 29380191A JP 29380191 A JP29380191 A JP 29380191A JP H05170790 A JPH05170790 A JP H05170790A
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JP
Japan
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acetyl
estrogen
estradiol
group
acetate
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JP29380191A
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Tatsuhiko Suzuki
建彦 鈴木
Sadaaki Yukimura
定昭 幸村
Shigeko Oishi
誠子 大石
Kunio Yagi
國夫 八木
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OYO SEIKAGAKU KENKYUSHO
Original Assignee
OYO SEIKAGAKU KENKYUSHO
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カテコールエストロゲンの製法を提供する。 【構成】 エストロゲン 3-アセテートを塩化アセチル
の存在下にフリース転位 させて 2-アセチルエストロゲ
ンとなし、次いで 2-アセチル基を pH 11 - 13 の条件
下でダーキン反応によりヒドロキシル基に変じる。更
に、16 又は 17 位若 しくは 16 及び 17 位にアセチル
オキシ基が存在する場合に、必要であれば常法により加
水分解してアセチルオキシ基をヒドロキシル基に変ず
る。 【効果】 第 1 工程において塩化アセチルを共存させ
ることにより生成物の収 率が向上し、又第 2 工程にお
いて pH 11 - 13 のアルカリ条件下でダーキン反 応を
行うことにより反応速度が著しく向上するために反応所
要時間が短縮し且つ生成物の収率も向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカテコールエストロゲン
の製法に係る。
【0002】
【従来の技術】過酸化脂質は虚血-再灌流障害、虚血性
心疾患、動脈硬化症、未熟児網膜症、鉄錆症、白内障、
肝炎、膵炎、糖尿病性血管障害、女子黒皮症、肝斑、妊
娠中毒症等の種々の疾患や老化の一要因であることが知
られている。芳野等は、エストロゲン (女性ホルモン乃
至卵胞ホルモン : エストロン、エストラジオール、エ
ストリオール) 及びその代謝物であるカテコールエスト
ロゲンが、血清や肝における過酸化脂質レベルを低下さ
せる作用を有していることを報告している [K. Yoshin
o, et al, "J. Clin. Biochem. Nutr.", 3, 233 - 240
(1987)]。エストロゲンはホルモン作用が強すぎるため
に、過酸化脂質の生成抑制を目的として用いるには難が
あり、従ってホルモン作用が弱く、過酸化脂質生成抑制
作用を発揮する有効濃度においてホルモン作用を示さな
いカテコールエストロゲンが上記疾患の治療目的に用い
るのに適している。
【0003】このカテコールエストロゲンの合成につい
ては従来から種々研究されてきており、例えば下記の文
献に開示されている方法がある。 a) J. Fishman, "J. Am. Chem. Soc.", 80, 1213 (195
8)、 b) P. N. Rao, et al, "Tetrahedron", 10, 144 (196
0)、 c) J. Fishman, et al, "J. Org. Chem.", 25, 585 (19
60)、 d) I. Yoshizawa, et al, "Chem. Pharm. Bull.", 20,
1842 (1972)、 e) K. Kovacs, et al, "Acta Phys. Chem.", 19, 287
(1973)、 f) H. G. Gelbke, et al, "Steroids", 21, 205 (197
3)、 g) G. Stubenrauch, et al, "Steroids", 28, 733 (197
6) 及び h) R. G. Xie, et al, "Steroids", 40, 389 (1982)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題乃至発明の目的】従来技
術によるカテコールエストロゲンの合成法は何れも収率
が比較的低い点に課題があった。上記の諸文献に開示さ
れている合成法の内で、好収率をもたらし得る方法とさ
れているのは、文献 h) 及び d) に開示されている方法
であるが、全収率 (over-all or total yield) は 50 -
60% である。即ち、文献 h) に記載されている方法は
エストラジオールから出発してフリーデル・クラフツ
(Friedel-Crafts) 反応により 2-アセチル-1,3,5(10)-
エストラトリエン-3, 17β-ジオール 17-アセテート
(収率 : 57.3%) に変じ、次いで pH 8.2 - 8.5 の条件
下でダーキン (Dakin) 反応を行うことにより 1,3,5(1
0)-エストラトリエン-2,3,17β-トリオール 17-アセテ
ート (収率 : 85.2%) とするものであり、この方法の全
収率は 49% である。一方、文献 d) に記載されている
方法はエストラジオールから出発してベンゾイルパーオ
キサイドと反応させて 2-ヒドロキシ-エストラジオール
2-モノベンゾエートとなした後に加水分解して 2-ヒド
ロキシ-エストラジオールとするものであり、この場合
の全収率は 60% である。従って、本発明の主たる目的
は、これらの諸方法におけるよりも更に高収率を以って
カテコールエストロゲンを製造し得る方法を提供するこ
とにある。本発明の副次的な、但し重要な目的は製造原
料が廉価であり、製造工程数が少なく、反応所要時間が
比較的短く、従って工業的生産に適するカテコールエス
トロゲンの製法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決する手段及び作用】本発明によれば、上記
の課題は、一般式
【化4】 (式中 R1 はアセチルオキシ基を意味し、R2 は水素原子
又はエチニル基を意味し、又は R2 は R1 と一緒にて酸
素原子を意味し、R3 は水素原子又はアセチルオキシ基
を意味する)にて示されるエストロゲン 3-アセテートを
塩化アセチルの存在下にフリース (Fries) 転位させる
ことにより一般式
【化5】 (式中 R1、R2 及び R3 は前記の意味を有する)にて示さ
れる 2-アセチル-3-ヒドロキシ-エストロゲンとなし、
次いで pH 11 -13 の条件下でダーキン反応させて 2 位
のアセチル基をヒドロキシル基に変じ、得られた一般式
【化6】 (式中 R1、R2 及び R3 は前記の意味を有する)にて示さ
れる化合物において 16 位又は 17 位若しくは 16 位及
び 17 位にアセチルオキシ基が存在する場合には、必要
に応じ加水分解してアセチルオキシ基をヒドロキシル基
に変ずることを特徴とする、カテコールエストロゲンの
製法により解決されると共に、上記の目的が達成され
る。
【0006】この本発明方法は第 1 工程のフリース転
位反応に際して、塩化アセチルを共存させること並びに
第 2 工程のダーキン反応に際して溶媒の pH を 11- 13
のアルカリ領域に設定することを基本としている。即
ち、塩化アセチルが反応系に存在しない場合には、転位
基となるアセチル基の損失のために収率が低下するが、
本発明方法におけるように塩化アセチルが共存すると、
2-アセチル-3-ヒドロキシ-エストロゲン体の収率を 80%
以上とすることが可能となるのである。この塩化アセ
チルの添加量は、出発物質であるエストロゲン 3-アセ
テート体に対するモル比で 0.1 - 0.6 モルが好まし
い。一方、ダーキン反応を pH 9 以下で行うと、反応速
度が極めて遅く、反応所要時間が長くなる等、工業的生
産に際して好ましいものとは云えないが、有機溶媒と水
との混合溶媒系を用い、pH を 11 -13 の範囲内に制御
してダーキン反応を行えば所要時間が短時間で済み、目
的物の収率も 90% 以上となるのである。この本発明方
法による場合の全収率は約 80% に達する。尚、出発物
質であるエストロゲン 3-アセテート体は、エストロゲ
ンを常法の無水酢酸-ピリジン系にてアセチル化するこ
とにより定量的に得ることができる。
【0007】次ぎに、エストラジオールから出発して 2
-ヒドロキシ-エストラジオールを製造する場合に関連し
て詳細に説明する。先ずピリジン中においてエストラジ
オールと無水酢酸とを室温で一夜反応させれば、エスト
ラジオール 3,17-ジアセテートが定量的に生成する。こ
のエストラジオール 3,17-ジアセテートを、ニトロベン
ゼン中において塩化アルミニウム (エストラジオール
3,17-ジアセテートに対して 2 当量) 及び塩化アセチル
(エストラジオール 3,17-ジアセテートに対して 0.4
当量) と 80℃ において 1 時間反応させれば、2-アセ
チル-エストラジオール 17-アセテートが 85% の収率で
得られる。この 2-アセチル-エストラジオール 17-アセ
テートを、ジオキサンと水との混合溶媒中において、水
酸化ナトリウムにより pH を 12.0 - 12.5 に保持しな
がら過酸化水素と室温で 2 時間反応させれば、2-ヒド
ロキシ-エストラジオール 17-アセテートが得られるの
で、そのエステル部分を常法により酸又はアルカリで加
水分解すれば、所望の 2-ヒドロキシ-エストラジオール
が 91% の収率 (2-アセチル-エストラジオール 17-アセ
テートより) で得られる。上記方法の全収率は 77% で
あった。尚、上記の方法において 2-ヒドロキシ-エスト
ラジオール 17-アセテートを単離精製する必要性は必ず
しもないが、シリカゲルクロマトグラフィーにて単離し
た処、この場合の収率は 85% であった。上記の製造工
程を反応式で示せば下記の通りである。
【0008】
【化7】
【0009】
【実施例等】次ぎに、参考例及び実施例により、本発明
を更に詳細に且つ具体的に説明する。 参考例 1 (エス
トラジオール 3,17-ジアセテートの製造) エストラジオール 30g (110mmol) に、ピリジン 300ml
(293g, 3.71mol) 及び無水酢酸 105ml (110g, 1.08mol)
を添加して室温で 1 夜攪拌した。反応混合物を氷 150
0g 中に投入し、析出した固体を濾別し、水にて充分に
洗浄した。得られた白色固体を乾燥させることにより、
所望のエストラジオール 3,17-ジアセテート 39.3g (収
率 : 100%) を得た。1 H-NMR スペクトル (DMSO-d6) δppm : 0.78 (3H, s, 18-CH3), 1.1 - 2.9 (15H, m, CH and CH2), 2.01 (3H, s, C17-OCOCH3), 2.23 (3H, s, C3-OCOCH3), 4.62 (1H, t like, C17-H), 6.83 (2H, m, C2-H, and C4-H), 7.28 (1H, d, J = 10Hz, C1-H).
【0010】実施例 1 a) 2-アセチル-エストラジオール 17-アセテートの製造 参考例で得たエストラジオール 3,17-ジアセテート 25.
0g (70.1mmol) にニトロベンゼン 250ml を添加して溶
解させた。この溶液に塩化アルミニウム 18.6g(139mmo
l) 及び塩化アセチル 2.0ml (28mmol) を添加し、80℃
で 1 時間攪拌した。反応混合物を氷冷した後に、該冷
溶液を氷 1kg 中に投入し、次いで濃塩酸100ml を添加
し、クロロホルムで 4 回抽出した。有機層を合併し、1
N 塩酸で洗浄した。次いで炭酸水素ナトリウム水溶液及
び食塩水で洗浄した後に、真空エバポレータを用いて濃
縮することにより粗生成物として 25.3g 得た。これに
メタノール 150ml を添加し、メタノール不溶部として
所望の 2-アセチル-エストラジオール 17-アセテート 1
7.7g (収率 : 70.6%) を得た。メタノール洗液について
は濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー (溶出
溶媒、クロロホルム :ヘキサン = 2 : 1) に供した処、
所望化合物が更に 3.48g 得られた。合計収率は 85% で
あった。1 H-NMR スペクトル (CDCl3) δppm :0.84 (3H,
s, 18-CH3),1.2 - 3.0 (15H, m, CH and CH2),2.07
(3H, s, C17-OCOCH3),2.59 (3H, s, C2-COCH
3),4.70 (1H, t like, C17-H),6.67 (1H,
s, C4-H),7.59 (1H, s, C1-H),12.03 (1H,
s, C3-OH).
【0011】b) 2-ヒドロキシ-エストラジオール 17-ア
セテートの製造 上記の a) 項で得た 2-アセチル-エストラジオール 17-
アセテート 1.00g (2.81mmol) にジオキサン 30ml 及び
水 5ml を添加した。次に、pH を 11.0 - 12.5に保持し
ながら、30% 過酸化水素水 0.600ml (5.28mmol) を 10
分間かけて添加した後に 2N 水酸化ナトリウム 2.3ml
(4.6mmol) を 1.5 時間かけて滴下した。 滴下終了後
に、室温で 30 分間攪拌し、次いで酢酸 10ml を添加し
て溶液のpH を 4.4 に調整した。反応混合物に酢酸エチ
ル及び亜硫酸ナトリウム水溶液を添加して過剰の過酸化
水素を分解すると共に抽出を行った。有機層を食塩水に
て洗浄した後に無水硫酸ナトリウムにて乾燥させ、エバ
ポレータを用いて減圧濃縮することにより粗生成物 1.1
4g を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー (溶出溶媒、ヘキサン : 酢酸エチル = 2 : 1) に供
することにより、所望の 2-ヒドロキシ-エストラジオー
ル 17-アセテート 788mg (収率 : 85%) を得た。 1H-N
MR スペクトル (CDCl3) δppm :0.82 (3H, s, 18
-CH3),1.2 - 2.9 (15H, m, CH and CH2),2.08
(3H, s, C17-OCOCH3),4.75 (1H, t like, C17-
H),5.44 (1H, s, Ar-OH),5.97 (1H, s, Ar
-OH),6.59 (1H, s, C4-H),6.80 (1H, s, C
1-H). シリカゲル TLC :Rf = 0.31 (ヘキサン : 酢酸エチル =
2 : 1).
【0012】実施例 2 a) 2-ヒドロキシ-エストラジオール 17-アセテートの製
造 実施例 1 の a) 項で得た 2-アセチル-エストラジオー
ル 17-アセテート 80.5g (226mmol) にジオキサン 2500
ml を添加して溶解させ、次いで水 250ml を添加した。
次に、pH を 12.0 - 12.5 に保持しながら、30% 過酸化
水素水 40.3ml(355mmol) を約 2 分間かけて添加した後
に 2N 水酸化ナトリウム 193ml (386mmol) を 1.5 時間
かけて滴下した。滴下終了後に、室温で 30 分間攪拌
し、次いで酢酸 800ml を添加して溶液のpH を 4.5 に
調整した。反応混合物に酢酸エチル及び亜硫酸ナトリウ
ム水溶液を添加して過剰の過酸化水素を分解すると共に
抽出を行った。有機層を食塩水にて洗浄した後に無水硫
酸ナトリウムにて乾燥させ、エバポレータを用いて減圧
濃縮することにより目的化合物の粗生成物 100g を得
た。この物質は少量の反応溶媒を含有しているが、NMR
スペクトル的には純粋に近いものであったために、この
儘次項に記載の反応に用いた。
【0013】b) 2-ヒドロキシ-エストラジオールの製造 上記の a) 項で得た 2-ヒドロキシ-エストラジオール 1
7-アセテートの粗生成物 100g に、濃塩酸 10% 含有メ
タノール溶液 4000ml を添加して 1 時間還流させた。
反応混合物を氷冷した後に、水及び酢酸エチルを添加
し、更に炭酸水素ナトリウムを添加して中和し、抽出し
た。有機層を食塩水にて洗浄した後に無水硫酸ナトリウ
ムにて乾燥させ、エバポレータを用いて減圧濃縮するこ
とにより目的化合物の粗生成物 68.7g を得た。これを
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒、ヘキ
サン : 酢酸エチル = 1 : 1) に供することにより、所
望の 2-ヒドロキシ-エストラジオール 59g (2-アセチル
-エストラジオール 17-アセテートからの収率 : 91%)
を得た。1 H-NMR スペクトル (DMSO-d6) δppm :0.66 (3H,
s, 18-CH3),0.8 - 2.7 (15H, m, CH and CH2),3.52
(1H, m, C17-H),4.48(1H, d, J = 5Hz, C17-OH),6.
39 (1H, s, C4-H),6.62 (1H, s, C1-H),8.
42 (1H, s, Ar-OH),8.48 (1H,s, Ar-OH). シリカゲル TLC :Rf = 0.30 (ヘキサン : 酢酸エチル =
1 : 1). 融点 : 192 - 195℃ (再結晶溶媒、ヘキサン : 酢酸エ
チル = 3 : 2). MS スペクトル (EI/DI) m/z :288 (M+).
【0014】
【発明の効果】本発明方法によれば、カテコールエスト
ロゲンを低廉に且つ良好な収率にて製造することがで
き、所要反応時間も短い。従って、本発明方法はカテコ
ールエストロゲンの工業的生産に好適である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年12月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【化1】(式中 R1 はアセチルオキシ基を意味し、R2
水素原子又はエチニル基を意味し、又は R2 は R1 と一
緒にて酸素原子を意味し、R3 は水素原子又はアセチル
オキシ基を意味する)にて示されるエストロゲン 3-アセ
テートを塩化アセチルの存在下にフリース転位させるこ
とにより一般式
【化2】(式中 R1、R2 及び R3 は前記の意味を有する)
にて示される 2-アセチルエストロゲンとなし、次いで
pH 11 - 13 の条件下でダーキン反応させて 2 位のアセ
チル基をヒドロキシル基に変じ、得られた一般式
【化3】(式中 R1、R2 及び R3 は前記の意味を有する)
にて示される化合物において 16 位又は 17 位若しくは
16 位及び 17 位にアセチルオキシ基が存在する場合に
は、必要に応じ加水分解してアセチルオキシ基をヒドロ
キシル基に変ずることを特徴とする、カテコールエスト
ロゲンの製法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【課題を解決する手段及び作用】本発明によれば、上記
の課題は、一般式
【化4】(式中 R1 はアセチルオキシ基を意味し、R2
水素原子又はエチニル基を意味し、又は R2 は R1 と一
緒にて酸素原子を意味し、R3 は水素原子又はアセチル
オキシ基を意味する)にて示されるエストロゲン 3-アセ
テートを塩化アセチルの存在下にフリース(Fries) 転位
させることにより一般式
【化5】(式中 R1、R2 及び R3 は前記の意味を有する)
にて示される 2-アセチルエストロゲンとなし、次いで
pH 11 - 13 の条件下でダーキン反応させて 2 位のアセ
チル基をヒドロキシル基に変じ、得られた一般式
【化6】(式中 R1、R2 及び R3 は前記の意味を有する)
にて示される化合物において 16 位又は 17 位若しくは
16 位及び 17 位にアセチルオキシ基が存在する場合に
は、必要に応じ加水分解してアセチルオキシ基をヒドロ
キシル基に変ずることを特徴とする、カテコールエスト
ロゲンの製法により解決されると共に、上記の目的が達
成される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】この本発明方法は第 1 工程のフリース転
位反応に際して、塩化アセチルを共存させること並びに
第 2 工程のダーキン反応に際して溶媒の pH を 11- 13
のアルカリ領域に設定することを基本としている。即
ち、塩化アセチルが反応系に存在しない場合には、転位
基となるアセチル基の損失のために収率が低下するが、
本発明方法におけるように塩化アセチルが共存すると、
2-アセチルエストロゲン体の収率を 80% 以上とするこ
とが可能となるのである。この塩化アセチルの添加量
は、出発物質であるエストロゲン 3-アセテート体に対
するモル比で0.1 - 0.6 モルが好ましい。一方、ダーキ
ン反応を pH 9 以下で行うと、反応速度が極めて遅く、
反応所要時間が長くなる等、工業的生産に際して好まし
いものとは云えないが、有機溶媒と水との混合溶媒系を
用い、pH を 11 - 13 の範囲内に制御してダーキン反応
を行えば所要時間が短時間で済み、目的物の収率も 90%
以上となるのである。この本発明方法による場合の全収
率は約 80% に達する。尚、出発物質であるエストロゲ
ン 3-アセテート体は、エストロゲンを常法の 無水酢酸
-ピリジン系にてアセチル化することにより定量的に得
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八木 國夫 愛知県名古屋市名東区西里町2−21

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中 R1 はアセチルオキシ基を意味し、R2 は水素原子
    又はエチニル基を意味し、又は R2 は R1 と一緒にて酸
    素原子を意味し、R3 は水素原子又はアセチルオキシ基
    を意味する)にて示されるエストロゲン 3-アセテートを
    塩化アセチルの存在下にフリース転位させることにより
    一般式 【化2】 (式中 R1、R2 及び R3 は前記の意味を有する)にて示さ
    れる 2-アセチル-3-ヒドロキシ-エストロゲンとなし、
    次いで pH 11 -13 の条件下でダーキン反応させて 2 位
    のアセチル基をヒドロキシル基に変じ、得られた一般式 【化3】 (式中 R1、R2 及び R3 は前記の意味を有する)にて示さ
    れる化合物において 16 位又は 17 位若しくは 16 位及
    び 17 位にアセチルオキシ基が存在する場合には、必要
    に応じ加水分解してアセチルオキシ基をヒドロキシル基
    に変ずることを特徴とする、カテコールエストロゲンの
    製法。
JP29380191A 1991-10-01 1991-10-15 カテコールエストロゲンの製法 Withdrawn JPH05170790A (ja)

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JP29380191A JPH05170790A (ja) 1991-10-15 1991-10-15 カテコールエストロゲンの製法
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