JPH05170783A - アントラサイクリン系抗生物質のn−ピリジン系誘導体 - Google Patents

アントラサイクリン系抗生物質のn−ピリジン系誘導体

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JPH05170783A
JPH05170783A JP25444491A JP25444491A JPH05170783A JP H05170783 A JPH05170783 A JP H05170783A JP 25444491 A JP25444491 A JP 25444491A JP 25444491 A JP25444491 A JP 25444491A JP H05170783 A JPH05170783 A JP H05170783A
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JP
Japan
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compound
pyridine
pyridylmethyl
anthracycline
formula
Prior art date
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JP25444491A
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English (en)
Inventor
Shigeru Yamabe
茂 山辺
Takuichi Miki
卓一 三木
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Taiho Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Taiho Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 【化1】 [R1:ヒドロキシメチルカルボニル基又はヒドロキシ
エチル基、R2:3−ピリジル基又は4−ピリジル基]
で表されるアントラサイクリン系抗生物質のN−ピリジ
ン系誘導体及びその薬学的に許容される塩。 【効果】 この誘導体は、従来のアントラサイクリン系
抗生物質よりも副作用が軽減されており、大量に投与す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は制癌剤として有用なアン
トラサイクリン系抗生物質のN−ピリジン系誘導体に関
する。
【0002】
【従来の技術】ロドマイシンがストレプトマイセス プ
ルプラセンス(Streptomycespurpurascens)から発見
されて以来既に30種以上のアントラサイクリン系抗生物
質がストレプトマイセス属から単離されている。その中
で制癌剤として臨床的に用いられているダウノルビシ
ン、ドキソルビシン、アクラシノマイシン等の制癌作用
は極めて顕著であり、各種腫瘍の化学療法に重要な地位
を占めている。
【0003】ところで、前記のような制癌剤にとつて、
副作用もまた大きいことが臨床上の難点である。例え
ば、ドキソルビシンでは重篤な心臓毒性、造血器障害、
脱毛現象等が認められ、ダウノルビシンも同じような傾
向がある。このような難点を軽減するため、最近、エピ
ルビシンのような異性体や4'−O−テトラヒドロピラ
ニル−ドキソルビシンのようなプロドラツグとしたもの
が開発されているが、未だ十分ではなく、特に大量投与
にはドキソルビシンと同じく耐えることはできていな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はアント
ラサイクリン系抗生物質の問題とされている副作用を軽
減し、且つ制癌作用を損なうことなく、現用抗生物質の
数倍大きい大量投与の可能な新規物質を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は下記化1(式
中、R1はヒドロキシメチルカルボニル基又はヒドロキ
シエチル基を、R2は3−ピリジル基又は4−ピリジル
基を示す)で表されるアントラサイクリン系抗生物質の
N−ピリジン系誘導体及びその薬学的に許容される塩に
係る。
【0006】
【化1】
【0007】本発明においては、アントラサイクリン系
抗生物質の糖鎖アミノ基にピリジルメチル基を導入する
ことによつて、上記の目的を満たしうる有用性の高い制
癌剤が得られることを見出した。
【0008】本発明化合物(1)の製造に使用される原
料としては、下記化2で表される化合物及びその薬学的
に許容される塩が包含される。(式中、R1は上記に同
じ。)
【0009】
【化2】
【0010】上記一般式(2)に包含される化合物とし
て具体的には、ドキソルビシン、ダウノルビシン、それ
らのエピマー等を挙げることができる。
【0011】本発明のアントラサイクリン系抗生物質の
N−ピリジン系誘導体は、含水有機溶媒中、シアノ水素
化ホウ素ナトリウムなどの還元剤共存下に一般式(2)
で表される化合物にピリジン−3−アルデヒド又はピリ
ジン−4−アルデヒドを反応させることにより製造され
る。この反応で一般式(2)で表される化合物とピリジ
ンアルデヒドとの反応の割合は、前者1モルに対し、後
者を好ましくは数モル、特に好ましくは5〜6モルであ
る。
【0012】反応溶媒としては、アセトニトリル、水、
メタノール、エタノール、クロロホルム、テトラヒドロ
フラン、ジメチルホルムアミドなどが単独又は混合して
用いられる。反応温度は0℃〜室温、反応時間は1〜24
時間が好適である。
【0013】本発明化合物はそのままで癌の治療に使用
できるが、化合物の安定化及び注射剤等での水溶化を高
めるために、薬学的に許容できる塩に誘導できる。この
塩は公知慣用の方法により製造でき、塩形成に使用され
る酸としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸類、酢
酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、コハク
酸等の有機酸類が例示できる。
【0014】以上の如くして得られた反応生成物は、ク
ロマトグラフイー等を用いて分離精製できる。また無機
又は有機酸の塩は溶媒に対する溶解度差を利用した超遠
心法を含む分別結晶法で精製できる。
【0015】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。
【0016】実施例1 N−(3−ピリジルメチル)−ドキソルビシン及びN−
(3−ピリジルメチル)−13−ジヒドロドキソルビシン
の合成 ドキソルビシン塩酸塩 100mgをアセトニトリル−水
(3:1) 10mlに溶解し、20℃でこれにピリジン−3
−アルデヒド 400mgを加えて振り混ぜ、30分後にこれに
シアノ水素化ホウ素ナトリウム 56mgを加え、0℃で12
時間放置する。次いで反応液にソルビトール 100mg、メ
タノール 3ml、クロロホルム 10ml、無水硫酸ナトリウ
ム 3gを順次加えて振り混ぜる。30分後無機物を濾し取
り、クロロホルムーメタノールで洗浄し、濾液と洗浄液
を合わせ、減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲル(25
g)とクロロホルム−メタノールを用いてクロマトグラ
フイーを行い、N−(3−ピリジルメチル)−ドキソル
ビシン(化合物1) 40mg及びN−(3−ピリジルメチ
ル)−13−ジヒドロドキソルビシン(化合物2) 17mg
をどちらも赤紫色粉末として得た。尚、これらはクロロ
ホルム−メタノール(v/v5:1)を展開溶媒に用いた
薄層クロマトグラフイーで、それぞれRf 0.58(化合物
1)及びRf 0.28(化合物2)に単一スポツトを示し
た。1 H−NMR スペクトル (CDCl3−CD3OD) N−(3−ピリジルメチル)−ドキソルビシン(化合物
1) δ1.35(d, 6'−H3), 1.8〜2.2(m, 8−H2,2'−
2),2.90(br, s, 10−H2), 3.80(br, s, 14−
2,ピリジル−CH2−),4.08(s,OCH3),5.30
(br, s, 7−H), 5.52(br,s,1'−H),7.05〜8.
01(m, ベンゼン環H3,ピリジン環H ),8.30(m,
ピリジン環H3) N−(3−ピリジルメチル)−13−ジヒドロドキソルビ
シン(化合物2) δ1.35(d, 6'−H3), 1.80(br, s, 8−H2,2'
−H2),2.90(br, s, 10−H2),4.00(s,OC
3),5.20(br,s,7−H),5.40(br, s, 1'−
H),7.05〜8.0(m, ベンゼン環H3,ピリジン環
H),8.28(m, ピリジン環H3
【0017】実施例2 N−(3−ピリジルメチル)−エピルビシン及びN−
(3−ピリジルメチル)−13−ジヒドロエピルビシンの
合成 エピルビシン塩酸塩 70mgをアセトニトリル 5ml、水
2.5mlの混液に溶解し、20℃でこれにピリジン−3−ア
ルデヒド 280mgを加えて振り混ぜ、60分後シアノ水素化
ホウ素ナトリウム 45mgを加え、0℃で12時間放置す
る。次いで反応液にクロロホルム 5ml、メタノール 5m
l、無水硫酸マグネシウム 1.6gを順次加えて振り混ぜ、
濾紙で濾過する。無機物をクロロホルム−メタノールで
洗浄し、濾液と洗浄液を合わせ、減圧下で濃縮し、残留
物をシリカゲル(20g)とクロロホルム−メタノールを
用いてクロマトグラフイーを行い、N−(3−ピリジル
メチル)−エピルビシン(化合物3) 30mg及びN−
(3−ピリジルメチル)−13−ジヒドロエピルビシン
(化合物4) 15mgをどちらも赤紫色粉末として得た。
尚、これらはクロロホルム−メタノール(v/v 5:1)
を展開溶媒に用いた薄層クロマトグラフイーで、それぞ
れRf 0.61(化合物3)及びRf 0.30(化合物4)に単
一スポツトを示した。1 H−NMR スペクトル (CDCl3) N−(3−ピリジルメチル)−エピルビシン(化合物
3) δ1.35(d, 6'−H3),4.08(s, OCH3),5.30(b
r, s, 7−H),5.52(br, s, 1'−H),7.05〜8.00
(m, ベンゼン環H3,ピリジン環H),8.30(m, ピリジ
ン環H3) N−(3−ピリジルメチル)−13−ジヒドロエピルビシ
ン(化合物4) δ1.35(d, 6'−H3),1.80(br, s, 8−H2,2'−
2),4.08(s, OCH3),7.05〜8.00(m, ベンゼン
環H3,ピリジン環H),8.30(m, ピリジン環H3
【0018】実施例3 N−(4−ピリジルメチル)−ドキソルビシン及びN−
(4−ピリジルメチル)−13−ジヒドロドキソルビシン
の合成 ドキソルビシン塩酸塩 100mgをアセトニトリル−水
(3:1) 10mlに溶解し、25℃でこれにピリジン−4
−アルデヒド 400mgを加えて振り混ぜ、30分後更にシア
ノ水素化ホウ素ナトリウム 56mgを加え、1時間放置す
る。次いで反応液にソルビトール 100mg、メタノール
3ml、クロロホルム 10ml、無水硫酸ナトリウム 3gを
順次加えて振り混ぜる。30分後無機物を濾し取り、クロ
ロホルム−メタノールで洗浄し、濾液と洗浄液を合わ
せ、減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲル(25g)とク
ロロホルム−メタノールを用いてクロマトグラフイーを
行い、N−(4−ピリジルメチル)−ドキソルビシン
(化合物5) 18mg及びN−(4−ピリジルメチル)−1
3−ジヒドロドキソルビシン(化合物6) 19mgをどちら
も赤紫色粉末として得た。尚、これらはクロロホルム−
メタノール(v/v 5:1)を展開溶媒に用いた薄層クロ
マトグラフイーで、それぞれRf 0.50(化合物5)及び
Rf 0.38(化合物6)に単一スポツトを示した。1 H−NMR スペクトル (CDCl3−CD3OD) N−(4−ピリジルメチル)−ドキソルビシン(化合物
5) δ1.35(d, 6'−H3), 4.08(s,OCH3), 5.30
(br,s,7−H),5.52(br, s, 1'−H), 7.06〜
7.30(br, ベンゼン環H3),7.80(d, ピリジン環
2), 8.30(m, ピリジン環H2) N−(4−ピリジルメチル)−13−ジヒドロドキソルビ
シン(化合物6) δ1.35(d, 6'−H3), 4.08(s,OCH3),5.30
(br,s,7−H),5.52(br, s, 1'−H), 7.06〜7.
30(br, ベンゼン環H3),7.80(d, ピリジン環
2), 8.30(d, ピリジン環H2
【0019】試験例1 マウス白血病細胞 L1210を1群6匹のBDF1系マウス
の腹腔内に2×105個移植し、移植翌日から5日間にわ
たり、1日に1回薬剤を腹腔内に投与し、延命率を測定
し、その結果を表1に示した。延命率は下記の式を用い
た。 延命率(%)=〔(A−B)/B〕×100 A:薬剤処理群の生存日数 B:無処理群の生存日数
【0020】
【表1】
【0021】評価は下記の通りとした。 延命率(%) 0〜9 10〜19 20〜29 30〜 評 価 − + ++ +++
【0022】
【発明の効果】表1から明らかなように、本発明のドキ
ソルビシン及びエピルビシンのN−ピリジン系誘導体
は、担癌マウスに対する延命効果を指標とする制癌作用
において、ドキソルビシンの最適量3mg/kg/day×5
日においても活性を示しつつ、ドキソルビシンの投与不
可能な30mg/kg/day×5日の高投与量において、なお
活性の上昇がみられることから、安全性の高い制癌剤で
ある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化1(式中、R1はヒドロキシメチ
    ルカルボニル基又はヒドロキシエチル基を、R2は3−
    ピリジル基又は4−ピリジル基を示す)で表されるアン
    トラサイクリン系抗生物質のN−ピリジン系誘導体及び
    その薬学的に許容される塩。 【化1】
JP25444491A 1991-09-05 1991-09-05 アントラサイクリン系抗生物質のn−ピリジン系誘導体 Pending JPH05170783A (ja)

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