JPH0516967Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、容体の前部にパフ収納室を、後部に
化粧料飛散防止用のカバーを有する化粧料収納室
を設けてなるコンパクト用容器に関する。

［従来の技術とその問題点］ 従来のコンパクト容器においては、次のような
２つの問題点がある。まず、化粧料が飛散して蓋
の内面に装着した鏡を汚すことがある。これを防
止するためには、化粧料収納室をカバーすること
が望まれ、種々の方式のカバーを有するコンパク
ト容器が提案されている。そのような容器として
は、プラスチツクシートよりなる薄板を化粧料収
納室の上面に載置したものや、実公昭60−16325
号公報に示されるように、化粧料収納用中皿に内
蓋を蝶着したものなどが知られている。

前者のコンパクト容器においては、化粧料を使
用する際に薄板を容器から取り除さねばならない
ので紛失しやすい。後者の容器は構造が複雑であ
つて高価にならざるを得ない。

従来のコンパクト容器においては、さらに、パ
フをパフ収納室から取り出すには、パフの周囲の
隙間に指を入れてつまみ出さなければならないの
で、その作業が困難である。そこで種々の方式の
ものが提案されており、その一例としては、実開
昭60−143506号公報に示されるように、パフ収納
室の底部に板状の弾性底板を配し、開蓋時に回動
するヒンジ用ボスの内面が前記弾性底板の後端を
前方に押込むことによつて弾性底板を上方に撓ま
せ、パフを上方に持ち上げさせるようなものが知
られている。

このコンパクト容器においては、ヒンジ用ボス
の内面が弾性底板の後端を前方に押込まねばなら
ないから、構造が複雑である。

本考案は上記に鑑みてなされたものであり、従
来のものが有する２つ欠点を一挙に解決しようと
するものである。すなわち、化粧料収納室のカバ
ーの構造が簡単であるとともに、そのカバーを紛
失しにくいコンパクト容器であつて、かつ、簡単
な構造によつてパフを取り出し得るものを提供し
ようとするものである。

［問題点を解決するための手段］ 本考案のコンパクト容器は、容体の前部にパフ
収納室を、後部に化粧料収納室を設けてなるコン
パクト容器において、容体の側縁の上面に前後方
向に延びるガイド溝を設けられ、パフ収納室の底
面前部に後方に行く程高さが低くなる後向き斜面
を設けられ、化粧料収納室を覆う化粧料飛散防止
用のプラスチツクシートよりなるカバーが設けら
れ、カバーの側部に前記ガイド溝と係合するガイ
ド片が垂設され、カバーの前端から延設されたパ
フ載置用のシートがパフ収納室の底面に配された
ものである。

［作用］ 本考案のコンパクト容器においては、化粧料飛
散防止用のカバーを手前に引くと、カバーの側部
に設けたガイド片がガイド溝に係合したまま、カ
バーが手前に摺動する。その際、カバーの手前に
延設されたシートの先端がパフ収納室の底部手前
に設けた斜面に乗り上げるので、このシートに載
置したパフがパフ収納室から浮上する。パフを取
り出し後、さらにカバーを手前に引くと、カバー
は化粧料収納室の表面を開放するが、ガイド片は
ガイド溝に係合した状態である。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。１は本考案に係るコンパクト容器であつて、
前部にパフ収納室１８を、後部に化粧料収納室１
６を有する容体１０と、蓋３０とをそれぞれの後
方に配されたヒンジ１２，３２を介して回動自在
に結合している。３４は、蓋３０の前縁において
後方に突設された係合部材であつて、容体１０の
前縁における凹部１１の後壁に設けられた係合突
条１４とともに蓋３０の閉合状態を保持する。１
５は前記凹部１１内に配された押圧部であつて、
この押圧部１５を押すことにより、係合部材３４
が押し上げられて蓋３０が開放される。

４０は、容体１０の上部に配されたカバーであ
つて、プラスチツクシート、たとえば、塩化ビニ
ールシートにより形成されている。４２はカバー
４０の後部に位置する被覆部であつて、化粧料収
納室１６の開口部よりも一まわり大きく形成され
ている。被覆部４２は左右の側縁において下方に
屈曲したガイド片４４，４４を有しているととも
に、後縁中央において半円状に切欠された指掛部
４６を有している。この指掛部４６は、後述のよ
うにカバー４０を手前に摺動する際に用いられ
る。４８はパフ載置用シートであつて、前記被覆
部４２の前縁に次のように延設されている。すな
わち、前記被覆部４２の前縁がパフ収納室１８の
後端において垂下し、さらに、パフ収納室１８の
底面に沿つて手前に延び、その先端が後記の後向
き斜面２２の上に達することによつて形成されて
いる。

２０，２０は、容体１０の左右の側縁の上部に
おいて、前後方向にスリツト状に穿設されたガイ
ド溝である。前記ガイド片４４，４４は、このガ
イド溝２０，２０に係合されて摺動することによ
り、カバー４０が容体１０の上部を前後に摺動す
る際の案内をする。

２２はパフ収納室１８の底部手前に設けられた
後向き斜面である。カバー４０が手前側に摺動す
る際に、前記パフ載置用シート４８の先端がこの
後向き斜面２２に乗り上げることによつて、シー
ト４８上に載置されたパフが浮上する。浮上した
パフを取り出し後、さらにカバー４０を手前に摺
動させると、前記被覆部４２の後端が化粧料収納
室１６の手前側に達して、化粧料収納室１６の上
面が開放される。前記のようにすることによつ
て、カバー４０は、化粧料収納室１６を開放して
いる場合にも、ガイド片４４，４４およびガイド
溝２０，２０を介して容体１０に係合されてい
る。

なお、前記実施例においては、被覆部４２の側
縁の全部にわたつてガイド片４４、４４が設けら
れているが、部分的に設けてもよい。また、カバ
ー４０が容体１０上部の後方に位置するときに、
パフ載置用シート４８の先端は必ずしも前記後向
き斜面２２の上に達していなくてもよく、カバー
４０が容体１０上部の手前に位置するときにシー
ト４８の先端が前記後向き斜面２２に乗り上げる
ように形成すればよい。

［考案の効果］ 本考案に係るコンパクト容器は、ガイド片がガ
イド溝に係合して摺動することによつて、化粧料
収納室の上面を開放したり、被覆したりできるの
で構造が簡単である。また、開放時においても、
カバーはガイド片およびガイド溝を介して容体に
係合しているので、紛失しにくい。さらに、カバ
ーを手前に摺動させるだけでパフがパフ収納室か
ら浮上するので、きわめて簡単な構造でパフを容
易に取り出すことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例であるコンパクト
容器の分解斜視図、第２図は、カバーが化粧料収
納室を被覆し、パフがパフ収納室に収納されてい
る状態を示す断面図、第３図は、カバーが手前に
摺動し、パフが浮上した状態を示す断面図であ
る。 符号の説明、１……コンパクト容器、１０……
容体、１６……化粧料収納室、１８……パフ収納
室、２０……ガイド溝、２２……後向き斜面、４
０……カバー、４４……ガイド片、４８……パフ
載置用のシート。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 容体の前部にパフ収納室を、後部に化粧料収納
   室を設けてなるコンパクト容器において、 容体の側縁の上面に前後方向に延びるガイド溝
   が設けられ、 パフ収納室の底面前部に後方に行く程高さが低
   くなる後向き斜面が設けられ、 化粧料収納室を覆うプラスチツクシートよりな
   る化粧料飛散防止用のカバーが設けられ、 カバーの側部に前記ガイド溝と係合するガイド
   片が垂設され、 カバーの前端から延設されたパフ載置用のシー
   トがパフ収納室の底面に配される ことを特徴とするコンパクト容器。