JPH0516544U - 鉄道車両の緩衝制御装置 - Google Patents

鉄道車両の緩衝制御装置

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JPH0516544U
JPH0516544U JP6614291U JP6614291U JPH0516544U JP H0516544 U JPH0516544 U JP H0516544U JP 6614291 U JP6614291 U JP 6614291U JP 6614291 U JP6614291 U JP 6614291U JP H0516544 U JPH0516544 U JP H0516544U
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賢一 桜井
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近畿車輌株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光学カメラにより得た軌道情報に応じて、車
体と台車との間の緩衝手段の特性値を制御することが、
視界の良、不良に関わりなく適正に行えるようにする。 【構成】 鉄道を走行する車両に設けられて車両の軌道
Bを撮像する光学カメラ25と、この光学カメラ25に
よって撮像された画像から軌道情報を読み取る画像処理
手段22と、この画像処理手段22から出力される軌道
情報を記憶するメモリ23と、前記画像処理手段22に
軌道情報が適正に入力する間はその軌道情報を使用し、
軌道情報が適正に入力しないときは、車両の現在位置に
応じて前記メモリに予め記憶されている軌道情報を取り
出して、前記車両の車体と台車との間に働かせた可変ば
ね12、15および可変ダンパ11、13、14の特性
値を制御する制御手段21とを備えたことを特徴とす
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、鉄道車両の緩衝制御装置に係り、より詳しくは車両の車体と台車と の間に働かせるばねおよびダンパの特性値を必要範囲で可変としてこれを制御す る鉄道車両の緩衝制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鉄道車両の車体と台車との間には、乗り心地向上のためにばねおよびダンパを 働かせているが、これらは車両の走行特性に合った所定の特性を持つように設計 されるのが一般的である。しかし、同じ車両であっても、軌道の直線部分を走行 する場合と曲線部分を走行する場合とでは、乗り心地性を満足させる最適なばね 特性およびダンパ特性は異なってくる。また、この乗り心地性は、走行速度によ っても大きく異なってくるものである。
【0003】 従来の鉄道車両は、ばねおよびタンパの特性値が一定値としているために、走 行条件の如何によって乗り心地が不満足なものとなっている。
【0004】 軌道の曲線情報を得る場合は、車体傾斜装置を軌道の曲線情報に応じて働かせ るのに利用する方法が知られている。例えば、自動列車停止装置(ATS)にお ける軌道上に配置された地上子の位置を基準にして軌道の各曲線部の位置を特定 しておく。そして、列車が走行する全区間のATS地上子の位置とそれぞれの曲 線部での曲線情報とをROMに入力しておき、列車の走行距離とATS地上子の 位置とから得られる列車の位置に応じた曲線部の曲線情報を読み出すものである 。
【0005】 また、実際の軌道を先頭車両に装備した光学カメラによって撮影し、この撮影 に係る画像を画像処理手段によって画像処理することにより、軌道の状態を先の 軌道が曲線かどうか、また、曲線である場合はどのような曲線かを判別する方法 により車体の傾斜を制御する装置が知られている(実開平2−149372号公 報)。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、前記ROMに情報を書き込む方法では、複雑なデータの作成や 信号処理の部分で高価なものとなるうえ、列車の運行路線が変わるような場合、 軌道データをわざわざ作成し直し、ROMの情報を作成し直したデータと書換え なくてはならない不便さがある。
【0007】 また、直接に軌道の画像処理による検知方法では、夜間や朝夕の薄暮時あるい はトンネル内といった条件下では軌道の前方が暗いことから撮影し難いうえ、軌 道が隠れてしまう積雪時では軌道を撮影できないことがあるので、曲線情報を安 定して得ることができず、万全な制御が望めないという問題が残されていた。
【0008】 本考案は、上記課題を解決することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本考案においては、上記課題を解決するため、鉄道を走行する車両に設けられ て車両の軌道を撮像する光学カメラと、この光学カメラによって撮像された画像 から軌道情報を読み取る画像処理手段と、この画像処理手段から出力される軌道 情報を記憶するメモリと、前記画像処理手段に軌道情報が適正に入力する間はそ の軌道情報を使用し、軌道情報が適正に入力しないときは、車両の現在位置に応 じて前記メモリに予め記憶されている軌道情報を取り出して、前記車両の車体と 台車との間に働かせた可変ばねおよび可変ダンパの特性値を制御する制御手段と を備えたことを特徴とする。
【0010】
【作用】
本考案は、上記構成により、予め車両を走行させて軌道の走行情報を得る。こ のときは、車両に設けられた光学カメラで軌道が撮像されると、その画像が画像 処理手段にて画像処理される。そして、この画像処理手段より軌道情報が出力さ れると、制御手段は軌道情報を車両の走行距離に対応する情報としてメモリに記 憶する。
【0011】 この後、実際に軌道を走行する場合、制御手段は、昼間のように光学カメラに よる軌道の撮像に支障がなく前記画像処理手段に軌道情報が適正に入力する間は その軌道情報を使用し、走行速度や軌道の変化に応じて前記車両の車体と台車と の間に働かせた可変ばねおよび可変ダンパの特性値を制御する。
【0012】 一方、夜間や豪雨時のように、軌道の正確な撮像が難しく軌道情報が適正に入 力しないときは、車両の現在位置に応じて前記メモリに予め記憶されている軌道 情報を取り出し、前記車両の車体と台車との間に働かせた可変ばねおよび可変ダ ンパの特性値を制御する。
【0013】 このため、列車の運行路線が変わるような場合、軌道データをわざわざ作成し 直していた従来の不具合が解消される。また、軌道の正確な撮像が困難な条件下 でもメモリの軌道情報に基づいて適正な制御を行い、走行の安定性および良好な 乗り心地性を得ることができる。
【0014】
【実施例】
以下、本考案の一実施例について、図を参照しながら説明する。
【0015】 図1は、本考案が適用された鉄道車両を示す側面図、図2は正面図である。
【0016】 この鉄道車両は、車体1と台車2との間にばねを働かせているとともに、台車2 と車輪3との間には、軸ばね4を働かせている。また、この車体1と台車2との 間に、可変ヨーダンパ11、可変左右ばね12、可変上下動ダンパ13、可変左 右ダンパ14および可変軸箱前後支持ばね15が設けられている。これらは、そ れぞれの特性値が可変であり、車両の走行速度や車両が走行している軌道の条件 に応じた制御を行う制御手段からの指令信号により、車体1と台車2との間をそ れぞれの特性値に応じた剛性度にて走行方向、左右方向、上下方向を緩衝する構 成となっている。また図3に示すように、車体1の全部には、軌道Bを撮像する 光学カメラ25が取付けられている。
【0017】 図4は、鉄層車両Aの緩衝制御装置を示すブロック線図である。
【0018】 この緩衝制御装置は、制御手段21がコンピュータを備えており、装置全体の 動作制御を行うようになっている。画像処理手段22には、軌道情報を記憶する メモリ23が接続されるとともに、制御手段21とは双方向性に接続されている 。
【0019】 なおこの画像処理手段22には、車両Aの走行状況を監視するモニタ装置24 が接続されている。また曲線区間と曲線方向とを検出する横振動加速度計26の 出力および距離計27の出力が接続されている。さらに、この画像処理手段22 には、車両Aに設けられて軌道Bを撮像する光学カメラ25の出力が接続され、 車両Aの走行自動車に撮像される軌道Bの画像を処理して制御手段21に送出す るようになっている。
【0020】 またこの制御手段21には、距離計27の出力および速度計29の出力が、そ れぞれの変換器28、30を介して導かれている。一方、制御手段21の出力に は、可変左右ばね12、可変上下動ダンパ13、可変左右動ダンパ14、可変ヨ ーダンパ15および可変軸箱前後支持ばね15がそれぞれ接続されている。
【0021】 しかして、この制御手段21は、車両1の走行時に光学カメラ25で軌道Bが 撮像されるときに画像処理手段22より出力される軌道情報をメモリ23に記憶 するとともに、車両走行時の条件に基づきこのメモリ23に記憶された画像情報 を使用するか否かを判断し、走行速度や軌道Bの変化に応じて前記車両Aの車体 1と台車2との間に働かせた前記各種可変ばね12、15および可変ダンパ11 、13、14の特性値を制御する。
【0022】 また、横振動加速度計26により曲線区間と曲線方向とが検出され、この検出 データが前記軌道情報とともに制御手段21に導かれたとき、横振動加速度計2 6の検出データと画像処理手段23から出力されるデータとが異なるときは制御 動作を一時停止する。
【0023】 次に、上記緩衝制御装置の動作について、図5のタイミングチャートを参照し つつ説明する。
【0024】 まず、好天で昼間のように視界が良好な時間対を選び車両Aを走行させて予め 軌道Bの軌道情報を得る。車両Aの走行に伴って、図3に示す如く車両Aに設け られた光学カメラ25が軌道Bを撮像すると、その画像が画像処理手段22にて 画像処理され、軌道情報として出力される。このため、モニタ装置24において は、走行中、画像処理手段22には、横振動加速度計29よりの振動情報が入力 するとともに、距離計27よりの走行距離情報が入力する。また制御手段21に は、速度計29よりの速度情報が入力する。
【0025】 前記画像処理手段22が軌道情報を出力すると、制御手段21は軌道Bの直線 部から曲線部に進入する場合や曲線部より直線部に移る場合のように、経時的に 変化する軌道情報を車両Aの走行距離に対応する情報としてメモリ23に記憶す る。
【0026】 つぎに、実際に車両Aが軌道Bを走行する場合、昼間のように光学カメラ25 による軌道Bの撮像に支承がないときは、前記画像処理手段22に軌道情報が適 正に入力するので、制御手段21は、前記メモリ23に記憶している軌道情報を 走行中に順次書き換える。
【0027】 また、画像処理手段22からの軌道情報を優先的に使用し、走行速度や軌道B の変化に応じて前記車両Aの車体1と台車2との間に働かせた可変ばね12、1 5および可変ダンパ11、13、14の特性値を制御する。
【0028】 この制御に際しては、車両Aが軌道Bの直線部から曲線部に進入する時点また は曲線部より直線部に移る時点を、刻々と入力する軌道情報によって判断すると ともに、速度計29からの速度情報に基づいて、可変ばね12、15および可変 ダンパ11、13、14の最適な特性値を算出し、オン、オフ動作の指令信号ま たは剛性を決定する大・小の指令信号を各部に送出する。
【0029】 例えば、可変左右ばね12と可変上下動ダンパ13とは、直線部においてオフ とされているが、曲線部に進入するとき、オンの指令信号が出力される。一方、 曲線部より直線部に移行する場合は、再びオフの指令信号が出力される。
【0030】 また、可変左右動ダンパ14と可変ヨーダンパ11は、直線部において大とさ れているが、曲線部に進入するとき、小の指令信号が出力される。一方、曲線部 より直線部に進入する場合は、再び大の指令信号が出力される。
【0031】 そして、可変軸箱前後支持ばね15については、直線部において大とされてい るが、曲線部に進入するとき、小の指令信号が出力される。一方、曲線部より直 線部に移行する場合は、再び大の指令信号が出力される。
【0032】 なお、可変上下動ダンパ13と可変ヨーダンパ11については、走行速度に応 じた制御も行われる。まず、可変上下動ダンパ13は、低速走行Vにおいてオン とされているが、中速走行V0 に移行するとき、オフの指令信号が出力される。
【0033】 一方、中速走行V0 より低速走行Vに移行する場合は、再びオンの指令信号が出 力される。また、可変ヨーダンパ11は、低速走行Vにおいてオフとされている が、高速走行V1 に移行するとき、オンの指令信号が出力される。一方、高速走 行V1 から低速走行Vに移行する場合は、再びオフの指令信号が出力される。
【0034】 これにより、各可変ばね12、15および可変ダンパ11、13、14は、車 両Aが走行している軌道Bの条件や車両Aん お走行速度に合わせて、車体1と 台車2との間をそれぞれの特性に応じた剛性度にて走行方向、左右方向、上下方 向が緩衝されるので、車両Aの走行安定性および乗り心地性を充分に保証するこ とができる。
【0035】 また列車の運行路線が変わる場合であっても、その軌道Bを撮像しながら上述 のように軌道情報を更新しつつ制御を行うので、従来のように路線の変更い合わ せて軌道データを作成し直すといった必要がなくなる。
【0036】 ところで、夜間や豪雨時のように、光学カメラ25による軌道Bの正確な撮像 が難しく軌道情報が画像処理手段22に対して適正に入力しないときは、車両A の現在位置に応じて前記メモリ23に予め記憶されている軌道情報を取り出し、 前記車両A車体1と台車2との間に働かせた可変ばね12、15および可変ダン パ11、13、14の各特性を値を制御する。
【0037】 このため、好天で昼間のように視界が良好な場合と同じく適正な制御を行うこ とができるので、走行の安定性および良好な乗り心地性を保証し得るものである 。
【0038】
【考案の効果】
以上のように、本考案は、画像処理手段に軌道情報が適正に入力する間はその 軌道情報を使用し、軌道情報が適正に入力しないときは、車両の現在位置に応じ てメモリに予め記憶されている軌道情報を取り出して、車両の車体と台車との間 に働かせた可変ばねおよび可変ダンパの特性を制御するので、昼間のように視界 が良好な場合は勿論、夜間や豪雨時のように軌道の正確な撮像が難しい場合であ っても、車両の車体と台車との間に働かせた可変ばねおよび可変ダンパの特性値 を正確に制御することにより、終始快適な乗り心地性を保証することができる。
【0039】 また、列車の走行路線が変わる場合であっても、その軌道を撮像しながら制御 を行うので、従来のように路線の変更に合わせて軌道データをわざわざ作成し直 す必要もなくなるといった利点もある。
【提出日】平成3年9月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】 【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、鉄道車両の緩衝制御装置に係り、より詳しくは車両の車体と台車と の間に働かせるばねおよびダンパの特性値を必要範囲で可変としてこれを制御す る鉄道車両の緩衝制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鉄道車両の車体と台車との間には、乗り心地向上のためにばねおよびダンパを 働かせているが、これらは車両の走行特性に合った所定の特性を持つように設計 されるのが一般的である。しかし、同じ車両であっても、軌道の直線部分を走行 する場合と曲線部分を走行する場合とでは、乗り心地性を満足させる最適なばね 特性およびダンパ特性は異なってくる。また、この乗り心地性は、走行速度によ っても大きく異なってくるものである。
【0003】 従来の鉄道車両は、ばねおよびタンパの特性値一定値としているために、走 行条件の如何によって乗り心地が不満足なものとなっている。
【0004】 軌道の曲線情報を得る場合は、車体傾斜装置を軌道の曲線情報に応じて働かせ るのに利用する方法が知られている。例えば、自動列車停止装置(ATS)にお ける軌道上に配置された地上子の位置を基準にして軌道の各曲線部の位置を特定 しておく。そして、列車が走行する全区間のATS地上子の位置とそれぞれの曲 線部での曲線情報とをROMに入力しておき、列車の走行距離とATS地上子の 位置とから得られる列車の位置に応じた曲線部の曲線情報を読み出すものである 。
【0005】 また、実際の軌道を先頭車両に装備した光学カメラによって撮影し、この撮影 に係る画像を画像処理手段によって画像処理することにより、軌道の状態を先の 軌道が曲線かどうか、また、曲線である場合はどのような曲線かを判別する方法 により車体の傾斜を制御する装置が知られている(実開平2−149372号公 報)。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、前記ROMに情報を書き込む方法では、複雑なデータの作成や 信号処理の部分で高価なものとなるうえ、列車の運行路線が変わるような場合、 軌道データをわざわざ作成し直し、ROMの情報を作成し直したデータと書換え なくてはならない不便さがある。
【0007】 また、直接に軌道の画像処理による検知方法では、夜間や朝夕の薄暮時あるい はトンネル内といった条件下では軌道の前方が暗いことから撮影し難いうえ、軌 道が隠れてしまう積雪時では軌道を撮影できないことがあるので、曲線情報を安 定して得ることができず、万全な制御が望めないという問題が残されていた。
【0008】 本考案は、上記課題を解決することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本考案においては、上記課題を解決するため、鉄道を走行する車両に設けられ て車両の軌道を撮像する光学カメラと、この光学カメラによって撮像された画像 から軌道情報を読み取る画像処理手段と、この画像処理手段から出力される軌道 情報を記憶するメモリと、前記画像処理手段に軌道情報が適正に入力する間はそ の軌道情報を使用し、軌道情報が適正に入力しないときは、車両の現在位置に応 じて前記メモリに予め記憶されている軌道情報を取り出して、前記車両の車体と 台車との間に働かせた可変ばねおよび可変ダンパの特性値を制御する制御手段と を備えたことを特徴とする。
【0010】
【作用】
本考案は、上記構成により、予め車両を走行させて軌道の走行情報を得る。こ のときは、車両に設けられた光学カメラで軌道が撮像されると、その画像が画像 処理手段にて画像処理される。そして、この画像処理手段より軌道情報が出力さ れると、制御手段は軌道情報を車両の走行距離に対応する情報としてメモリに記 憶する。
【0011】 この後、実際に軌道を走行する場合、制御手段は、昼間のように光学カメラに よる軌道の撮像に支障がなく前記画像処理手段に軌道情報が適正に入力する間は その軌道情報を使用し、走行速度や軌道の変化に応じて前記車両の車体と台車と の間に働かせた可変ばねおよび可変ダンパの特性値を制御する。
【0012】 一方、夜間や豪雨時のように、軌道の正確な撮像が難しく軌道情報が適正に入 力しないときは、車両の現在位置に応じて前記メモリに予め記憶されている軌道 情報を取り出し、前記車両の車体と台車との間に働かせた可変ばねおよび可変ダ ンパの特性値を制御する。
【0013】 このため、列車の運行路線が変わるような場合、軌道データをわざわざ作成し 直していた従来の不具合が解消される。また、軌道の正確な撮像が困難な条件下 でもメモリの軌道情報に基づいて適正な制御を行い、走行の安定性および良好な 乗り心地性を得ることができる。
【0014】
【実施例】
以下、本考案の一実施例について、図を参照しながら説明する。
【0015】 図1は、本考案が適用された鉄道車両を示す側面図、図2は正面図である。
【0016】 この鉄道車両は、車体1と台車2との間にばねを働かせているとともに、台車2 と車輪3との間には、軸ばね4を働かせている。また、この車体1と台車2との 間に、可変ヨーダンパ11、可変左右ばね12、可変上下動ダンパ13、可変左 右ダンパ14および可変軸箱前後支持ばね15が設けられている。これらは、 それぞれの特性値が可変であり、車両の走行速度や車両が走行している軌道の条 件に応じた制御を行う制御手段からの指令信号により、車体1と台車2との間を それぞれの特性値に応じた剛性度にて走行方向、左右方向、上下方向を緩衝する 構成となっている。また図3に示すように、車体1の部には、軌道Bを撮像す る光学カメラ25が取付けられている。
【0017】 図4は、鉄車両Aの緩衝制御装置を示すブロック線図である。
【0018】 この緩衝制御装置は、制御手段21がコンピュータを備えており、装置全体の 動作制御を行うようになっている。画像処理手段22には、軌道情報を記憶する メモリ23が接続されるとともに、制御手段21とは双方向性に接続されている 。
【0019】 なおこの画像処理手段22には、車両Aの走行状況を監視するモニタ装置24 が接続されている。また曲線区間と曲線方向とを検出する横振動加速度計26の 出力および距離計27の出力が接続されている。さらに、この画像処理手段22 には、車両Aに設けられて軌道Bを撮像する光学カメラ25の出力が接続され、 車両Aの走行に撮像される軌道Bの画像を処理して制御手段21に送出するよ うになっている。
【0020】 またこの制御手段21には、距離計27の出力および速度計29の出力が、そ れぞれの変換器28、30を介して導かれている。一方、制御手段21の出力に は、可変左右ばね12、可変上下動ダンパ13、可変左右動ダンパ14、可変ヨ ーダンパ1および可変軸箱前後支持ばね15がそれぞれ接続されている。
【0021】 しかして、この制御手段21は、車両の走行時に光学カメラ25で軌道Bが 撮像されるときに画像処理手段22から出力される軌道情報をメモリ23に記憶 するとともに、車両走行時の条件に基づきこのメモリ23に記憶された画像情報 を使用するか否かを判断し、走行速度や軌道Bの変化に応じて前記車両Aの車体 1と台車2との間に働かせた前記各種可変ばね12、15および可変ダンパ11 、13、14の特性値を制御する。
【0022】 また、横振動加速度計26により曲線区間と曲線方向とが検出され、この検出 データが前記軌道情報とともに制御手段21に導かれたとき、横振動加速度計2 6の検出データと画像処理手段2から出力されるデータとが異なるときは制御 動作を一時停止する。
【0023】 次に、上記緩衝制御装置の動作について、図5のタイミングチャートを参照し つつ説明する。
【0024】 まず、好天で昼間のように視界が良好な時間を選び車両Aを走行させて予め 軌道Bの軌道情報を得る。車両Aの走行に伴って、図3に示す如く車両Aに設け られた光学カメラ25が軌道Bを撮像すると、その画像が画像処理手段22にて 画像処理され、軌道情報として出力される。このため、モニタ装置24において は、走行中の軌道Bの状態を監視することができる。また、走行中、画像処理手 段22には、横振動加速度計26からの振動情報が入力されるとともに、距離計 27からの走行距離情報が入力される。また制御手段21には、速度計29から の速度情報が入力される。
【0025】 前記画像処理手段22が軌道情報を出力すると、制御手段21は軌道Bの直線 部から曲線部に進入する場合や曲線部より直線部に移る場合のように、経時的に 変化する軌道情報を車両Aの走行距離に対応する情報としてメモリ23に記憶す る。
【0026】 つぎに、実際に車両Aが軌道Bを走行する場合、昼間のように光学カメラ25 による軌道Bの撮像に支がないときは、前記画像処理手段22に軌道情報が適 正に入力するので、制御手段21は、前記メモリ23に記憶している軌道情報を 走行中に順次書き換える。
【0027】 また、画像処理手段22からの軌道情報を優先的に使用し、走行速度や軌道B の変化に応じて前記車両Aの車体1と台車2との間に働かせた可変ばね12、1 5および可変ダンパ11、13、14の特性値を制御する。
【0028】 この制御に際しては、車両Aが軌道Bの直線部から曲線部に進入する時点また は曲線部から直線部に移る時点を、刻々と入力する軌道情報によって判断すると ともに、速度計29からの速度情報に基づいて、可変ばね12、15および可変 ダンパ11、13、14の最適な特性値を算出し、オン、オフ動作の指令信号ま たは剛性を決定する大・小の指令信号を各部に送出する。
【0029】 例えば、可変左右ばね12と可変上下動ダンパ13とは、直線部においてオフ とされているが、曲線部に進入するとき、オンの指令信号が出力される。一方、 曲線部から直線部に移行する場合は、再びオフの指令信号が出力される。
【0030】 また、可変左右動ダンパ14と可変ヨーダンパ11は、直線部において大とさ れているが、曲線部に進入するとき、小の指令信号が出力される。一方、曲線部 から 直線部に移行する場合は、再び大の指令信号が出力される。
【0031】 そして、可変軸箱前後支持ばね15については、直線部において大とされてい るが、曲線部に進入するとき、小の指令信号が出力される。一方、曲線部から直 線部に移行する場合は、再び大の指令信号が出力される。
【0032】 なお、可変上下動ダンパ13と可変ヨーダンパ11については、走行速度に応 じた制御も行われる。まず、可変上下動ダンパ13は、低速走行Vにおいてオン とされているが、中速走行V0 に移行するとき、オフの指令信号が出力される。
【0033】 一方、中速走行V0 より低速走行Vに移行する場合は、再びオンの指令信号が出 力される。また、可変ヨーダンパ11は、低速走行Vにおいてオフとされている が、高速走行V1 に移行するとき、オンの指令信号が出力される。一方、高速走 行V1 から低速走行Vに移行する場合は、再びオフの指令信号が出力される。
【0034】 これにより、各可変ばね12、15および可変ダンパ11、13、14は、車 両Aが走行している軌道Bの条件や車両A走行速度に合わせて、車体1と台車 2との間をそれぞれの特性に応じた剛性度にて走行方向、左右方向、上下方向 が緩衝されるので、車両Aの走行安定性および乗り心地性を充分に保証すること ができる。
【0035】 また列車の運行路線が変わる場合であっても、その軌道Bを撮像しながら上述 のように軌道情報を更新しつつ制御を行うので、従来のように路線の変更合わ せて軌道データを作成し直すといった必要がなくなる。
【0036】 ところで、夜間や豪雨時のように、光学カメラ25による軌道Bの正確な撮像 が難しく軌道情報が画像処理手段22に対して適正に入力しないときは、車両A の現在位置に応じて前記メモリ23に予め記憶されている軌道情報を取り出し、 前記車両A車体1と台車2との間に働かせた可変ばね12、15および可変ダ ンパ11、13、14の各特性値を制御する。
【0037】 このため、好天で昼間のように視界が良好な場合と同じく適正な制御を行うこ とができるので、走行の安定性および良好な乗り心地性を保証し得るものである 。
【0038】
【考案の効果】
以上のように、本考案は、画像処理手段に軌道情報が適正に入力する間はその 軌道情報を使用し、軌道情報が適正に入力しないときは、車両の現在位置に応じ てメモリに予め記憶されている軌道情報を取り出して、車両の車体と台車との間 に働かせた可変ばねおよび可変ダンパの特性を制御するので、昼間のように視 界が良好な場合は勿論、夜間や豪雨時のように軌道の正確な撮像が難しい場合で あっても、車両の車体と台車との間に働かせた可変ばねおよび可変ダンパの特性 値を正確に制御することにより、終始快適な乗り心地性を保証することができる 。
【0039】 また、列車の走行路線が変わる場合であっても、その軌道を撮像しながら制御 を行うので、従来のように路線の変更に合わせて軌道データをわざわざ作成し直 す必要もなくなるといった利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案が適用された鉄道車両の概略を示す側面
図である。
【図2】図1の車両の側面図である。
【図3】軌道および車両の平面図である。
【図4】鉄道車両の緩衝制御装置を示すブロック線図で
ある。
【図5】緩衝制御装置の動作説明のためのタイミングチ
ャートである。
【符号の説明】
1 車体 2 台車 11 可変ヨーダンパ 12 可変左右ばね 13 可変上下動ダンパ 14 可変左右ダンパ 15 可変軸箱前後支持ばね 21 制御手段 22 画像処理装置 23 メモリ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年9月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【考案の名称】 鉄道車両の緩衝制御装置
【実用新案登録請求の範囲】
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案が適用された鉄道車両の概略構成を示す
側面図である。
【図2】図1の車両の面図である。
【図3】軌道および車両の平面図である。
【図4】鉄道車両の緩衝制御装置を示すブロック図であ
る。
【図5】緩衝制御装置の動作説明のためのタイミングチ
ャートである。
【符号の説明】 1 車体 2 台車 11 可変ヨーダンパ 12 可変左右ばね 13 可変上下動ダンパ 14 可変左右ダンパ 15 可変軸箱前後支持ばね 21 制御手段 22 画像処理手段 23 メモリ25 光学カメラ 車両 B 軌道
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄道を走行する車両に設けられて車両の
    軌道を撮像する光学カメラと、この光学カメラによって
    撮像された画像から軌道情報を読み取る画像処理手段
    と、この画像処理手段から出力される軌道情報を記憶す
    るメモリと、前記画像処理手段に軌道情報が適正に入力
    する間はその軌道情報を使用し、軌道情報が適正に入力
    しないときは、車両の現在位置に応じて前記メモリに予
    め記憶されている軌道情報を取り出して、前記車両の車
    体と台車との間に働かせた可変ばねおよび可変ダンパの
    特性値を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする
    鉄道車両の緩衝制御装置。
JP6614291U 1991-08-21 1991-08-21 鉄道車両の緩衝制御装置 Pending JPH0516544U (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005056361A1 (ja) * 2003-12-15 2005-06-23 Yoshihiro Suda 連接車輌
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