JPH05164525A - レーザ式座標測定装置の測定ヘッド - Google Patents

レーザ式座標測定装置の測定ヘッド

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JPH05164525A
JPH05164525A JP35344891A JP35344891A JPH05164525A JP H05164525 A JPH05164525 A JP H05164525A JP 35344891 A JP35344891 A JP 35344891A JP 35344891 A JP35344891 A JP 35344891A JP H05164525 A JPH05164525 A JP H05164525A
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JP
Japan
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laser
point
axis
coordinate
arm
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Withdrawn
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JP35344891A
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English (en)
Inventor
Keiji Kosakai
啓次 小坂井
Katsuya Iwase
勝也 岩瀬
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T B TEC KK
TOKYO BOEKI KK
Original Assignee
T B TEC KK
TOKYO BOEKI KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大きく被測定面の向きが変化する被測定物で
も連続的にかつ精度よく測定できる、レーザ式座標測定
装置の測定ヘッドを提供する。 【構成】 直交3軸移動装置10の先端に固定された
X,Y,Z座標軸に沿って移動可能なアーム基台30に
対して、回転アーム40,50が回転可能に取付けられ
ている。回転アーム40,50の先端にレーザ発光素子
56と受光素子58を備えたレーザセンサ54が取付け
られ、レーザ発光素子56のレーザ光出射方向はアーム
基台30に対する回転中心軸に対して傾斜している。こ
の傾斜角と回転中心軸からレーザ光出射位置までの距離
とで決まる所定の点の位置は、レーザセンサ54の向き
が変わっても変化しないので、直交3軸移動装置10で
アーム基台30を移動させて測定点を常に上記所定の点
に位置させることによって、測定点の位置を移動させる
ことなくレーザセンサ54の向きを変化させられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、レーザ光の反射を利
用した三角測量方式によって、物体の表面形状を直交座
標系の座標値として測定するレーザ式座標測定装置の測
定ヘッドに関し、特に自動車のクレーモデルのようにオ
ーバーハングを有する物体の表面形状を測定するのに適
した測定ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の生産工程等において、物体の表
面形状をX,Y,Zの三次元の座標値として測定する三
次元測定機が用いられる。かかる三次元測定機として、
近年、レーザ光の反射を利用して表面形状を測定する非
接触式の三次元測定機が開発されている。この装置で
は、X,Y,Zの三軸方向に移動可能な移動機構の先端
に、レーザ光源とアレイ型の受光素子とを備えたレーザ
センサが設けられている。このレーザセンサを被測定面
に沿って移動させ、被測定面にレーザ光を照射して反射
されたレーザ光を受光素子で受光する。そして、受光素
子アレイ上の反射光が受光される位置の変化から三角測
量方式に基づいてレーザセンサと各測定点の距離を算出
し、この距離の値を直交座標系における各測定点の座標
値に変換することによって、被測定面の形状を求めるも
のである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のレーザ式三次元
測定機においては、正確な測定を行うためには、レーザ
光ビームを被測定面に対して垂直に近く照射する必要が
ある。しかしながら従来の三次元測定機の移動機構は、
レーザセンサをX,Y,Zの三軸方向に平行移動させる
ことしかできなかった。このため、自動車のクレーモデ
ルやボンネットのようにオーバーハングを有していて、
被測定面の向きが大きく変化する被測定物の場合には、
連続的に測定することができない。このような場合に
は、測定点の位置を何らかの方法で記憶した上でレーザ
センサの向きを変え、レーザ光のスポットを測定を中断
した点に合わせ直してから再び測定する必要がある。こ
のため一回の測定に多くの時間と手数を要し、しかも高
精度の測定が困難であるという問題点があった。そこで
本発明においては、大きく被測定面の向きが変化する被
測定物でも連続的にかつ精度よく測定できる、レーザ式
座標測定装置の測定ヘッドを提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明において
は、上記の課題を解決するために、直交座標系の座標軸
に沿って移動可能なアーム基台に取付けられたレーザ発
光素子および受光素子を備えた測定ヘッドと、該測定ヘ
ッドの被測定面に沿った移動を被測定面の座標値に変換
する座標変換機構とを備えたレーザ式座標測定装置用の
測定ヘッドであって、前記レーザ発光素子および前記受
光素子が該レーザ発光素子のレーザ光出射方向に対して
略垂直な方向に所定長さだけ離れて固定されたレーザセ
ンサと、前記アーム基台に対して回転可能に取付けられ
た回転アームとを有し、該回転アームの先端に前記レー
ザセンサが前記レーザ発光素子のレーザ光出射方向が前
記アーム基台に対する前記回転アームの回転中心軸に対
して傾斜するように固定されていることを特徴とするレ
ーザ式座標測定装置の測定ヘッドを創出した。
【0005】
【作用】さて、上記の構成を備えた本発明のレーザ式座
標測定装置の測定ヘッドによると、アーム基台に対して
回転アームが回転可能に取付けられ、この回転アームの
先端にレーザ発光素子と受光素子とを備えたレーザセン
サが取付けられている。ここで、レーザ発光素子のレー
ザ光出射方向は、アーム基台に対する回転アームの回転
中心軸に対して傾斜している。この傾斜の角度と前記回
転中心軸からレーザセンサのレーザ光出射位置までの距
離とによって決まる所定の点は、レーザセンサの向きが
変わってもその位置が変化しない。従って、アーム基台
を直交座標系の座標軸に沿って移動可能させることによ
って、被測定面上のレーザ光が照射される位置すなわち
測定点を常に上記所定の点に位置させれば、該測定点の
位置を移動させることなくレーザセンサの向きを変化さ
せることができる。これによって、被測定面の向きが大
きく変化する場合にも被測定面の向きの変化点で測定点
の位置を記憶する必要がなく、単にレーザセンサの向き
を変えるだけでそのまま連続的に測定を行うことができ
る。このようにして、大きく被測定面の向きが変化する
被測定物についても、測定点を不連続にすることなく、
連続的にかつ精度よく測定することができる。
【0006】
【実施例】次に、本発明に係るレーザ式座標測定装置の
測定ヘッドを具現化した一実施例について、図1〜図7
を参照して説明する。図1は、本発明の測定ヘッドの一
実施例を用いたレーザ式座標測定装置の全体構成と、こ
のレーザ式座標測定装置を用いた表面形状の測定方法を
示した説明図である。参照符号1はレーザ式座標測定装
置であり、このレーザ式座標測定装置1は、測定ヘッド
2、直交3軸移動装置10、および座標変換ユニット2
0を中心として構成されている。直交3軸移動装置10
は、Z軸シャフト12、Y軸シャフト14、X軸シャフ
ト18と、これら三本のシャフトを接続するZ−Y移動
機構13およびY−X移動機構16とから構成されてい
る。前記X軸シャフト18の先端には、接続ピン32に
よって、前記測定ヘッド2が回転可能に取付けられてい
る。
【0007】前記Y−X移動機構16には、X軸シャフ
ト18がスライド可能に嵌合する貫通穴16bと、Y軸
シャフト14がスライド可能に嵌合する貫通穴16aが
設けられている。前記貫通穴16b部分には、Y−X移
動機構16とX軸シャフト18の間に図示しないX軸ラ
ックアンドピニオン機構が設けられており、さらにY−
X移動機構16中には図示しないX軸モータが取付けら
れている。このX軸モータの回転力が、X軸ラックアン
ドピニオン機構によってY−X移動機構16に対するX
軸シャフト18の図示左右方向への相対移動の推進力に
変えられる。これによって、X軸シャフト18は、その
先端に取付けられた前記測定ヘッド2とともに、Y−X
移動機構16に対して図示左右方向にスライドする。
【0008】同様に、貫通穴16a部分には、Y−X移
動機構16と前記Y軸シャフト14の間に図示しないY
軸ラックアンドピニオン機構が設けられており、さらに
Y−X移動機構16中には図示しないY軸モータが取付
けられている。このY軸モータの回転力が、Y軸ラック
アンドピニオン機構によって、Y軸シャフト14に対す
るY−X移動機構16の図示前後方向(紙面に垂直な方
向)への相対移動の推進力に変えられる。これによって
Y−X移動機構16は、前記貫通穴16b部分において
嵌合したX軸シャフト18とともに、Y軸シャフト14
に対して図示前後方向にスライドするのである。
【0009】さらに、前記Z−Y移動機構13には、Z
軸シャフト12がスライド可能に嵌合する貫通穴13a
と、Y軸シャフト14が貫通して固定される図示しない
貫通穴(前記貫通穴16aの後方に位置している)が設
けられている。そして貫通穴13a部分には、Z−Y移
動機構13とZ軸シャフト12の間に、図示しないZ軸
ラックアンドピニオン機構が設けられており、さらにZ
−Y移動機構13中には図示しないZ軸モータが取付け
られている。このZ軸モータの回転力が、Z軸ラックア
ンドピニオン機構によって、Z−Y移動機構13のZ軸
シャフト12に対する上下移動の推進力に変えられる。
これによって、図示しない貫通穴に固定されたY軸シャ
フト14とともに、Z−Y移動機構13がZ軸シャフト
12に対して上下方向にスライドする。このようにし
て、X軸,Y軸,Z軸の3軸方向に移動可能な直交3軸
移動装置10が構成されている。これによって、X軸シ
ャフト18の先端に取付けられた測定ヘッド2が、直交
座標系の座標軸に沿って移動可能になっている。
【0010】次に、前記測定ヘッド2について、図1お
よび図2を参照して説明する。図1に示されるように、
測定ヘッド2は、接続ピン32によって前記X軸シャフ
ト18の先端に回転可能に取付けられたアーム基台30
と、同アーム基台30の屈曲部に回転可能に取付けられ
た第一回転アーム40、さらに同第一回転アーム40の
屈曲部に回転可能に取付けられた第二回転アーム50、
そして同第二回転アーム50の屈曲部に固定されたレー
ザセンサ54を中心として構成されている。前記アーム
基台30と前記第一回転アーム40との取付け部分に
は、両者の回転角度を測定するためのロータリーエンコ
ーダ34が設けられている。同様に、前記第一回転アー
ム40と前記第二回転アーム50との取付け部分には、
両者の回転角度を測定するためのロータリーエンコーダ
42が設けられている。
【0011】前記レーザセンサ54の内部には、レーザ
発光素子56とアレイ型の受光素子58が組み込まれて
いる。レーザ発光素子56から出射されたレーザ光ビー
ムは、レーザセンサ54の先端の開口部を通って被測定
面4a〜4cに対して照射され、被測定面4a〜4cに
おいて反射された散乱光は、レーザセンサ54の先端に
設けられた結像レンズ60で集光されて受光素子58に
入射する。このとき散乱光の入射する位置によって、後
述するようにレーザセンサ54から被測定面4までの距
離が検知される。さらにレーザセンサ54の外面には、
レーザ発光素子56および受光素子58に作動電力を供
給する電源ケーブルと、受光素子58の出力信号を取出
す信号ケーブルを接続するための、電源ケーブル接続部
52が設けられている。
【0012】この測定ヘッド2のさらに詳しい構造につ
いて、図2を参照して説明する。図2は、本実施例に係
る測定ヘッド2の構造を示す図である。アーム基台30
は図2に示されるような形状を有する部材であり、接続
ピン32によってX軸シャフト18に対してX軸シャフ
ト18の軸中心線Baxのまわりに回転可能に取り付けら
れるX軸接続部30aと、このX軸接続部30aに対し
て二段階に屈曲した第一回転アーム接続部30bとを有
している。そして、アーム基台30のX軸接続部30a
には、アーム基台30をX軸シャフト18の軸中心線B
axのまわりに回転させるための図示しない回転モータ機
構と、その回転角度を測定するための角度検知機構が設
けられている。本実施例においては、この角度検知機構
はホール素子によって構成されており、角度検知は0
度,90度,180度,270度の90度単位で行われ
る。なお、この角度検知機構としては、後述するロータ
リーエンコーダ等を用いても構わないし、90度よりも
細かい単位で測定するようにしてもよいことは言うまで
もない。第一回転アーム40も図2に示されるように屈
曲した形状をもち、アーム基台30の第一回転アーム接
続部30bに対して回転自在に取り付けられるアーム基
台接続部40aと、このアーム基台接続部40aに対し
て屈曲した第二回転アーム接続部40bとを有してい
る。
【0013】さらに、第二回転アーム50も図2に示さ
れる屈曲した形状を有しており、第一回転アーム40の
第二回転アーム接続部40bに対して回転自在に取り付
けられる第一回転アーム接続部50aと、レーザセンサ
54が取り付けられるレーザセンサ接続部50bとを有
している。前記第一回転アーム接続部30bと前記アー
ム基台接続部40aとの取付け部分には、第一回転アー
ム40をアーム基台30に対して回転させるための回転
モータ機構36,38と、その回転角度を測定するため
のロータリーエンコーダ34が設けられている。同様
に、前記第二回転アーム接続部40bと前記第一回転ア
ーム接続部50aとの取付け部分には、第二回転アーム
50を第一回転アーム40に対して回転させるための回
転モータ機構44と、その回転角度を測定するためのロ
ータリーエンコーダ42が設けられている。
【0014】そして、これらアーム基台30、第一回転
アーム40、および第二回転アーム50の屈曲の角度
は、図2に示されるようにそれぞれ所定の角度とされて
いる。すなわち、X軸シャフト18の軸中心線Baxに垂
直な平面を考えたとき、アーム基台30の第一回転アー
ム接続部30bの接続面は、この垂直な平面に対して角
度2αだけ傾斜している。従って、第一回転アーム接続
部30bにおけるアーム基台30と第一回転アーム40
との回転中心軸Paxも、図2に示されるように、前記X
軸シャフト軸中心線Baxに対して角度2αだけ傾斜して
いる。また、第一回転アーム40の屈曲部の屈曲角はα
であり、これによって第二回転アーム接続部40bにお
ける第一回転アーム40と第二回転アーム50との回転
中心軸Qaxも、前記回転中心軸Paxに対して角度αだけ
傾斜している。この結果、図2に示される測定ヘッド2
の原位置、すなわち後述する角度θ1 ,θ2 ,θ3 がす
べてゼロの状態における回転中心軸Paxは、レーザ発光
素子56のレーザ光出射方向と一致する。本実施例にお
いては、α=22.5°であり、従って回転中心軸Pax
の軸中心線Baxに対する傾斜角は2α=45.0°であ
る。
【0015】また、レーザセンサ54内のレーザ発光素
子56から出射されるレーザ光ビームが、作動範囲の中
央で反射された場合の散乱光の入射方向に沿った直線L
Rと、前記回転中心軸Paxとのなす角を、図2に示され
るようにβとしている。本実施例においては、β=18
°である。なお、後述するように、直線LRと回転中心
軸Paxおよび回転中心軸Qaxは、すべて同じ点Cで交わ
る。そして、前記アレイ型受光素子58は、レーザ散乱
光入射軸線LR上にその受光中心点がくるように位置し
ている。また受光素子58は、そのアレイがレーザ散乱
光入射軸線LRと回転中心軸Paxを含む平面内に、回転
中心軸Paxに略垂直に向くようにして取付けられてい
る。
【0016】そして先に述べたように、レーザ光ビーム
が被測定面で反射された散乱光は、結像レンズ60によ
って集光されて受光素子アレイ58に入射する。これに
よって、レーザセンサ54に対して点Cよりも近い点で
のレーザ散乱光は、受光素子58のアレイ上の受光中心
点よりもレーザ発光素子56に対して遠い側に入射す
る。一方、レーザセンサ54に対して点C0 よりも遠い
点でのレーザ散乱光は、受光素子58の受光中心点より
もレーザ発光素子56に対して近い側に入射する。この
受光点の位置によって、測定点(レーザ光の反射される
点)が点Cよりもどちら側にどれだけずれているかが検
知される。このように散乱光を集光して、その受光位置
の変化によってレーザセンサ54から被測定物4までの
距離を求める方法をとっているために、被測定面4a〜
4cに凹凸があっても、精度よく測定することができ
る。なお、結像レンズ60の結像倍率が測定点の位置に
よって変化するために、上記の受光素子アレイ58上の
受光位置と、被測定物4までの距離とは直線関係にな
い。そこで、この非直線性を補正して直線的な出力が得
られるようにするためのデータが、後述する座標変換ユ
ニット20のメモリ中に記憶されている。これによっ
て、測定点の位置による結像倍率の違いに基づく非直線
性が補正されて、受光素子58の受光位置はレーザセン
サ54から被測定物4までの距離を直線的に示すデータ
となる。
【0017】さらに図1に示されるように、前記Y−X
移動機構16には、直交3軸移動装置10によるX,
Y,Zの各軸に沿った変位の大きさと、前記アーム基台
30のX軸シャフト18に対する回転角を電気信号とし
て出力する信号ケーブル22が接続されている。直交3
軸方向の変位の読み取りは、各軸ごとに設けられた光学
スケール(光学式リニアエンコーダ)によって行われ、
5/100mmの精度で読み取られる。前記信号ケーブ
ル22は、座標変換ユニット20に接続されている。ま
た、測定ヘッド2の第一回転アーム40と第二回転アー
ム50の各回転角のデータ、すなわちロータリーエンコ
ーダ34,42の出力信号も、X軸シャフト18から信
号ケーブル22を経て、座標変換ユニット20に入力さ
れる。この座標変換ユニット20は、中央処理装置(C
PU)、メモリ装置等を有するコンピュータシステムを
主体として構成されており、直交3軸移動装置10によ
る移動距離および測定ヘッド2における回転角のデータ
を演算処理する。そしてこれらの各データから、測定ヘ
ッド2の被測定面4に沿った移動を被測定面4の座標値
に変換する装置である。
【0018】従ってレーザ式座標測定装置1は、直交座
標系の座標軸に沿って移動可能なアーム基台30に取付
けられたレーザ発光素子56および受光素子58を備え
た測定ヘッド2と、測定ヘッド2の被測定面4に沿った
移動を被測定面4の座標値に変換する座標変換機構20
とを備えたレーザ式座標測定装置である。また、第一回
転アーム40および第二回転アーム50は、アーム基台
30に対して回転可能に取付けられ、アーム基台30に
対する回転中心軸に対して傾斜した回転アームを構成し
ている。さらに、レーザセンサ54は、回転アーム4
0,50の先端に固定され、レーザ発光素子56と受光
素子58とを備えたレーザセンサを構成している。
【0019】さて、以上のような構成を有する本実施例
の測定ヘッド2による、被測定面4上の測定点の座標の
決定方法について、図1および図2を参照して説明す
る。まず、測定点の座標を決定するための基準となる測
定ヘッド2の各点について、図2を参照して説明する。
直交3軸移動装置10による平行移動に伴う、X軸シャ
フト18の先端の点Bの座標値の算出は、従来の方法に
よって行うことができる。従って、ここでは点Bに対す
る測定ヘッド2の各点の相対位置を算出する方法を考え
ればよい。このため以下のように、測定ヘッド2の上に
基準となる幾つかの点を設定する。
【0020】まず図2に示されるように、前記アーム基
台30と第一回転アーム40との回転中心軸Pax上の点
Pを考える。この点Pは本実施例においては、第一回転
アーム40のアーム基台接続部40a内にとられてい
る。次に、この点Pから前記第一回転アーム40と第二
回転アーム50との回転中心軸Qaxに対して垂直な直線
を引き(図3参照)、この直線と回転中心軸Qaxとの交
点を点Qとする。さらに、この点Qから前記回転中心軸
axに対して垂直な直線を引き(図3参照)、この直線
と回転中心軸Paxとの交点を点Rとする。そして、回転
中心軸Paxと回転中心軸Qaxとの交点を点Cとする。こ
の点Cは同時に、レーザ散乱光入射軸線LRと回転中心
軸Paxあるいは回転中心軸Qaxとの交点でもある。なお
前述の如く、測定ヘッド2の原位置、すなわち図2に示
される状態においては、前記回転中心軸Paxはレーザ発
光素子56のレーザ光出射方向と一致している。
【0021】次に、本実施例に係るレーザ式座標測定装
置1における、測定点の座標を決定する方法について説
明する。先に述べたように、図2に示される所定の点C
からレーザセンサ54に対してより近くあるいはより遠
くずれた点を測定する場合には、散乱光が受光される受
光素子アレイ58上の位置がずれる。このずれの量およ
び方向によって、レーザ散乱光入射軸線LR上の、測定
点の位置を検知することができる。この特長を生かし
て、レーザ式座標測定装置1においては、所定の点Cか
らずれた点についても、その座標を測定することができ
る。
【0022】ここで所定の点Cについては、図1および
図2に示されるように、角度θ1 =0の場合には、角度
θ2 およびθ3 が変化しても点Bに対する相対位置は変
化しない。従って、点Bを座標原点とする基本座標系x
−y−zにおける点Cの座標値(xc ,yc ,zc )は
常に一定である。従って、アーム基台30を直交3軸移
動装置10によって直交座標系の座標軸に沿って移動さ
せて、被測定面4a〜4cの上の測定点を常に点Cに位
置させれば、角度θ2 およびθ3を変化させてレーザセ
ンサ54の向きを変えても、測定点の位置は変化しな
い。
【0023】しかし、図3に示される点Cからレーザセ
ンサ54に対してより近くあるいはより遠くずれた点S
の、基準座標系における座標値(Sx ,Sy ,Sz
は、角度θ1 =0の場合においても、角度θ2 ,θ3
伴って変化する。そこで、まず角度θ1 =0において、
角度θ2 およびθ3 が変化したときの、所定の測定点C
とレーザ光出射口Tとを結ぶ直線上にある任意の点Sの
座標を、図3に示される基本座標系x−y−zについて
求める必要がある。そしてさらに、角度θ1 が0でない
とき、すなわちアーム基台30がX軸シャフト18に対
して回転したときの、点Cおよび点Sの基本座標系x−
y−zにおける基本座標値を求める必要がある。
【0024】なお、本実施例においては前述の如く、第
一回転アーム接続部30bにおけるアーム基台30と第
一回転アーム40との回転中心軸Paxと、レーザ発光素
子56のレーザ光出射方向とを一致させたために、以下
に説明するように、簡単な演算によって所定の点Cとレ
ーザ光出射口Tとを結ぶ直線上にある任意の点Sの座標
を算出することができる。これによって、2本の回転ア
ーム40および50を回転させた場合でも、レーザ光出
射方向にある任意の点Sの座標を簡単な演算で算出する
ことができる。この結果、レーザセンサ54との距離が
所定の点より近くあるいは遠くずれた点についても、2
本の回転アームを回転させてレーザセンサの向きを変え
ながらでも測定することができる。以下に、各点の座標
を求める数学的な方法について、図3〜図7を参照して
説明する。
【0025】図3に示されるように、角度θ1 ,θ2
θ3 がすべてゼロの場合、すなわちアーム基台30,第
一回転アーム40および第二回転アーム50がすべて原
位置にある場合から考える。このとき、軸中心線Bax
回転中心軸Pax,回転中心軸Qax,およびレーザ散乱光
入射軸線LRは、すべて同一平面上にある。この平面に
平行にx−z平面をとり、また軸中心線Baxとx軸とが
平行になるように、x−y−z座標を設定する。このと
きの前記点P,点Q,点R,点Cを、それぞれ点P0
点Q0 ,点R0 ,点C0 とする。なお、点Bの座標は角
度θ1 ,θ2 ,θ3 が変化しても一定である。そして、
各点の座標をそれぞれ、B(xb ,yb ,zb ),C0
(xc0,yc0,zc0),P0 (xp0,yp0,zp0),Q
0 (xq0,yq0,zq0),R0 (xr0,yr0,zr0)と
おく。
【0026】このとき、AB=h,AC=w,とおけ
ば、明らかに次式(1)〜(3)が成り立つ。 xc0=xb +w …(1) yc0=yb …(2) zc0=zb −h …(3) また、PQ=d1 ,QR=d2 ,CR=d3 ,α=2
2.5°とすると、d1 ,d2 ,d3 の間には、次式
(4),(5)の関係が成り立つ。 cos α=d2 /d1 …(4) tan α=d2 /d3 …(5)
【0027】次に、図3に示されるように、座標原点が
点C0 に一致するように基本座標系x−y−zを移動さ
せる。このときの座標系を第1座標系と呼び、x(1)
(1) −z(1) で表すことにする。また、第1座標系に
おける座標値を(x(1) ,y(1) ,z(1) )で表す。原
点の平行移動であるから、同一の点の基本座標系におけ
る座標値(x,y,z)と第1座標系における座標値
(x(1) ,y(1) ,z(1) )との間には、次式(6)の
関係が成り立つ。
【0028】
【数1】
【0029】例えば、この第1座標系での点Q0 の座標
値(xq0 (1) ,yq0 (1) ,zq0 (1) )は、次式(7)で
与えられる。
【0030】
【数2】
【0031】他の各点の座標も同様になる。以後は、こ
の第1座標系における座標値(x(1) ,y(1)
(1) )を中心に考えていく。
【0032】次に、回転部Pをθ2 だけ回転させたとき
の、点Qの第1座標系での座標値(xq0 (1)
q0 (1),zq0 (1) )を求める。まず、図3に示される
ように、第1座標系x(1) −y(1) −z(1) をy(1)
の回りに−2α(=−45°)だけ回転した第2座標系
(2) −y(2) −z(2) を考える。このとき、直線PC
がz(2) 軸と一致し、第1座標系から第2座標系への座
標変換は、次式(8)で与えられる。
【0033】
【数3】
【0034】また、点Q0 は第2座標系のx(2) −z
(2) 平面の第2象限に位置する。ここで、回転部Pを回
転させると、図4のように点Q0 はz(2) 軸の回りに点
Rを中心とする半径d2 の円を描くので、点Qの第2座
標系での座標値(xq (2) ,yq (2) ,zq (2) )は次
式(9)〜(11)で与えられる。 xq (2) =−d2 cos θ2 …(9) yq (2) =−d2 sin θ2 …(10) zq (2) = d3 …(11) 従って、θ2 回転後の点Qの第1座標系での座標値(x
q (1) ,yq (1) ,zq (1) )は、前式(8)の逆変換
で与えられ、次式(12)によって求めることができ
る。
【0035】
【数4】
【0036】次に、回転部Pをθ2 だけ回転させた後に
回転部Qをθ3 だけ回転させたときの点Rの第1座標系
での座標値(xr (1) ,yr (1) ,zr (1) )を求め
る。まず、図5に示されるように、第2座標系x(2)
(2) −z(2) をz(2) 軸の回りにθ2 だけ回転した第
3座標系x(3) −y(3) −z(3) を考える。このとき、
点Qは第3座標系のx(3) −z(3) 平面内の第2象限に
位置する。このときの座標変換は、次式(13)で与え
られる。
【0037】
【数5】
【0038】この第3座標系x(3) −y(3) −z
(3) を、図5に示されるように、さらにy(3) 軸の回り
に角度−αだけ回転した第4座標系x(4) −y(4) −z
(4) を考えると、点Qは第4座標系のz(4) 軸上に位置
することになる。このときの座標変換は、次式(14)
で与えられる。
【0039】
【数6】
【0040】この第4座標系x(4) −y(4) −z(4)
おける点Rの座標値(xr (4) ,yr (4) ,zr (4)
は、図6より、次式(15)〜(17)で与えられる。 xr (4) =d3 sin α・cos θ3 …(15) yr (4) =d3 sin α・sin θ3 …(16) zr (4) =d3 cos α …(17) 従って、式(15)〜(17)に対して、式(14),
式(13),式(8)のそれぞれの逆変換を順次行え
ば、点Rの第1座標系での座標値(xr (1)
r (1) ,zr (1) )を求めることができる。すなわ
ち、次式(18)〜(20)のようになる。
【0041】
【数7】
【0042】次に、所定の測定点C0 とレーザ光出射口
Tとを結ぶ直線上にある任意の点Sを考え、SC0 =s
とおく。このとき、点Sの第1座標系での座標値(xs
(1) ,ys (1) ,zs (1) )は、点Sが原点C0 を通る
直線RC0 上にあることから、次式(21)〜(23)
で与えられる。 xs (1) =xr (1) ×s/d3 …(21) ys (1) =yr (1) ×s/d3 …(22) zs (1) =zr (1) ×s/d3 …(23) 最後に、回転部Bを角度θ1 だけ回転させたときの、点
Sの基本座標系x−y−zにおける座標値(Sx
y ,Sz )を求める。図7において、θ1 =0の場合
の点Sの第1座標系での座標値は上記の式(21)〜
(23)で与えられているので、このときの点Sの基本
座標系x−y−zにおける座標値(xs ,ys ,zs
は、前述の式(6)の逆変換を用いて次式(24)で与
えられる。
【0043】
【数8】
【0044】ここで、点Bの回転軸Baxは基本座標系の
x軸と平行であるので、基本座標系x−y−zの原点を
点Bに移動させた第5座標系x(5) −y(5) −z(5)
考える。この第5座標系では点Sの座標値(xs (5)
s (5) ,zs (5) )は、次式(25)で与えられる。
【0045】
【数9】
【0046】回転部Bを角度θ1 だけx(5) 軸の回りに
回転させれば、点C,P,Q,R,Sは全てx(5) 軸の
回りに回転する。従って、このときの点Sの第5座標系
での座標値(Sx (5) ,Sy (5) ,Sz (5) )は、次式
(26)で与えられる。
【0047】
【数10】
【0048】ゆえに、回転部B,P,Qをそれぞれ角度
θ1 ,θ2 ,θ3 だけ回転させたときの、点Sの基本座
標系での座標値(Sx ,Sy ,Sz )は、次式(27)
で与えられる。
【0049】
【数11】
【0050】このようにして、角度θ1 ,θ2 ,θ3
変化したときの、所定の測定点Cとレーザ光出射口Tと
を結ぶ直線上にある任意の点Sの基本座標系x−y−z
における座標値が、長さw,h,d3 ,L,s、および
角度θ1 ,θ2 ,θ3 ,α、の各数値を用いて求められ
る。これにより角度θ1 =0の場合、すなわちアーム基
台30がX軸シャフト18に対して回転しないときの、
点Cとレーザ光出射口Tとを結ぶ直線上にある任意の点
Sの座標は、上記の式(1)〜式(27)において、θ
1 =0とすることによって求められる。点Cの位置は、
前述の如く点C0 のまま一定であり、その基本座標系x
−y−zにおける座標値は(xc0,yc0,zc0)であ
る。また、角度θ1 が0でないとき、すなわちアーム基
台30をX軸シャフト18に対して回転させたときの、
点Cおよび点Sの基本座標系における座標値は、上記の
式(1)〜式(27)によって求められる。以上説明し
た座標変換等の各演算は、すべて座標変換ユニット20
のROMに記憶された演算プログラムに従って、座標変
換ユニット20のCPU,RAM,ROM等において実
行される。
【0051】さて、以上のような構造と演算機能を有す
るレーザ式座標測定装置1を用いた座標測定の手順につ
いて、図1〜図7を参照して説明する。まず前述の如
く、測定点を常に所定の点Cに合わせることによって、
図1に示されるように上面4aからコーナ4bを経て側
面4cへと大きく測定面の向きが変化する測定物4を、
連続的に測定する方法について説明する。最初に、直交
3軸移動装置10によって測定ヘッド2を移動させ、被
測定物4の被測定面4aの上方にレーザセンサ54を位
置させる。そして、回転アーム40,50を回転させて
レーザセンサ54の向きを変え、レーザ発光素子56の
レーザ出射方向が被測定面4aに対してほぼ垂直に向く
ようにする。続いて、レーザ発光素子56からレーザ光
を出射させて、被測定面4aでの反射散乱光が受光素子
58で受光される位置によって、レーザセンサ54と被
測定面4aの距離を検出する。そして直交3軸移動装置
10によって測定ヘッド2を上下させて、この距離が前
述の所定の点Cとレーザセンサ54との距離に相当する
ように調節する。
【0052】そして、被測定面4aに対してレーザ光を
照射しながら、被測定面4aに沿って、図1の右側から
左方に向かって直交3軸移動装置10によって測定ヘッ
ド2を移動させる。この際、被測定面4aの凹凸によっ
て、レーザセンサ54との距離が所定の距離からずれた
場合には、受光素子58で受光される位置のずれから判
別することができる。この場合には、直交3軸移動装置
10によって測定ヘッド2を上下させ、レーザセンサ5
4と被測定面4aが常に所定の距離を保つようにする。
このときレーザセンサ54の位置を調節するための直交
3軸移動装置10の変位量が、被測定面4a上の各測定
点の座標のデータとして、座標変換ユニット20中に取
り込まれる。そして、レーザセンサ54によるレーザ光
照射点が、上面4aの左端すなわちコーナ4bにきた時
点で、直交3軸移動装置10による測定ヘッド2の水平
方向の移動を停止させる。このときレーザセンサ54
は、図1の54Aの位置にある。ここで、直交3軸移動
装置10によって測定ヘッド2を上下させて、レーザセ
ンサ54とコーナ4bとの距離を前記所定の距離に合わ
せる。
【0053】この状態で、アーム基台30に対して第一
回転アーム40を回転させ、また第一回転アーム40に
対して第二回転アーム50を回転させることによって、
レーザセンサ54の向きを変える。そして、レーザセン
サ54中のレーザ発光素子56のレーザ光出射方向が、
側面4cに対してほぼ垂直に向くようにする。このとき
レーザセンサ54は、図1の54Bの位置になる。ここ
で前述の如く、測定点4bとレーザセンサ54との距離
を、前記所定の点Cとレーザセンサ54との距離に一致
させている。このため、第一回転アーム40および第二
回転アーム50を回転させることによって、図3におけ
る角度θ2 およびθ3 を変化させても、レーザセンサ5
4と測定点4bとの距離は一定に保たれている。しかも
この回転によっても、レーザ照射点は測定点4bから動
くことがない。これによって、測定点を不連続にするこ
となく、測定を続行することができるのである。その
後、直交3軸移動装置10によって、側面4cに沿っ
て、図1の54Bの位置から下方に向かって測定ヘッド
2を移動させる。被測定面4cに対する測定も被測定面
4aの場合と同様に行われる。このようにして、レーザ
センサ54が図1の54Aの位置から54B、さらに5
4Cの位置へと移動して、大きく測定面の向きが変化す
る測定物4の測定面4a〜4cの測定が、連続的に行わ
れるのである。
【0054】次に、測定点を所定の点に合わせることな
く、単に直交3軸移動装置10によって測定ヘッド2を
平行移動させるだけで、座標測定を行う方法について、
図1〜図7を参照して説明する。まず上記の場合と同様
に、直交3軸移動装置10によって被測定面4aの上方
にレーザセンサ54を位置させ、回転アーム40,50
を回転させてレーザセンサ54の向きを変え、レーザ発
光素子56のレーザ出射方向を被測定面4aに対してほ
ぼ垂直に向ける。次に、上記の場合とは異なり、レーザ
センサ54と被測定面4aとの距離を調節することな
く、レーザ光を照射しながら被測定面4aに沿って直交
3軸移動装置10でレーザセンサ54を移動させること
によって測定を行う。このときの被測定面4a上の測定
点の座標は、以下のようにして算出される。
【0055】レーザセンサ54と被測定面4aとの距離
は、先に述べたように、レーザ反射散乱光が受光素子5
8で受光される位置によって検出することができる。こ
の距離をLとし、レーザセンサ54と前記所定の点Cと
の距離をTLとすると、前記の式(21)〜(23)に
おける長さsは、s=TL−L となる。図3における
長さw,h,d3 および角度αの値は、装置固有のもの
として予め決められているので、上記長さsとL、そし
て角度θ1 ,θ2 ,θ3 の値を用いることによって、式
(1)〜(27)に用いられている長さw,h,d3
L,s、および角度θ1 ,θ2 ,θ3 ,α、の各数値が
すべて決定される。ゆえに、これらの数値を用いて式
(1)〜(27)の演算を行うことによって、図3に示
される定点Cとレーザ光出射口Tとを結ぶ直線上にある
任意の点Sの基本座標系x−y−zにおける座標値が求
められる。すなわち、図2におけるX軸シャフト18の
先端の点Bに対する、被測定面上の測定点の座標が求め
られる。従って、あとは直交3軸移動装置10によるX
軸シャフト18の先端の点Bの移動量を加算すれば、図
1における被測定面4a〜4c上の測定点の座標が算出
される。
【0056】この方法による場合にも、レーザ光照射点
を上面4aからコーナ4bを経て側面4cに移動させる
際には、レーザセンサ54と被測定点4bとの距離を前
記所定の距離に調節した後に、回転アーム40,50の
回転でレーザセンサ54の向きを変えることによって、
そのまま測定を続行することができる。本実施例におい
ては前述の如く、図2に示される第一回転アーム接続部
30bにおけるアーム基台30と第一回転アーム40と
の回転中心軸Paxと、レーザ発光素子56のレーザ光出
射方向とを一致させたために、簡単な演算によって所定
の点Cとレーザ光出射口Tとを結ぶ直線上にある任意の
点Sの座標を算出することができる。これによって、2
本の回転アーム40および50を回転させた場合でも、
レーザ光出射方向にある任意の点Sの座標を簡単な演算
で算出することができる。この結果、レーザセンサ54
との距離が所定の点より近くあるいは遠くずれた点につ
いても、2本の回転アームを回転させてレーザセンサの
向きを変えながらでも測定することができる。従って、
単に直交3軸移動装置10によって測定ヘッド2を平行
移動させるだけで、測定点を所定の点に合わせなくても
座標測定を行うことができるのである。
【0057】本実施例では、回転アームとして2本の回
転アームを有する測定ヘッドの例について説明したが、
回転アームの本数は1本のみでもよく、また3本以上と
することもできる。また、回転アームとして屈曲した形
状のアームを用いたが、他の形状のものを用いることも
できる。また、本実施例においては、第一回転アーム接
続部30bにおけるアーム基台30と第一回転アーム4
0との回転中心軸Paxと、レーザ発光素子56のレーザ
光出射方向とを一致させているが、これらは必ずしも一
致させなくてもよい。さらに本実施例では、2本の回転
アームの回転中心軸に対する傾斜角をいずれも22.5
度として、測定ヘッドの回転可能角度を90度とした
が、これらの傾斜角は任意に設定することができ、2本
の回転アームの回転中心軸に対する傾斜角を異なる大き
さとしても構わない。測定ヘッドを始めとするレーザ式
座標測定装置の他の部分の構造や配置、形状、大きさ、
材質、数等についても、本実施例に限定されるものでは
ない。
【0058】さらに本実施例に固有の効果として、回転
アームとして2本の回転アームを有する測定ヘッドとし
たため、各アームの回転によって、測定ヘッドの回転可
能角度内が全て測定範囲としてカバーされる。これによ
って、被測定面の角度の変化に応じて、常にレーザ光ビ
ームがほぼ垂直に当たるように測定ヘッドの向きを変え
ることができ、測定精度が極めて高くなるという長所が
ある。また本実施例においては、アーム基台30と第一
回転アーム40との回転中心軸Paxとレーザ発光素子5
6のレーザ光出射方向とを一致させたために、2本の回
転アームを回転させた場合でも、レーザ光出射方向にあ
る任意の点Sの座標を簡単な演算で算出することができ
る。この結果、レーザセンサ54との距離が所定の点よ
り近くあるいは遠くずれた点についても、2本の回転ア
ームを回転させてレーザセンサの向きを変えながらでも
測定することができる。
【0059】
【発明の効果】本発明においては、被測定面上の測定点
を移動させることなく測定部の向きを変化させる測定方
向変化手段を有するレーザ式座標測定装置の測定ヘッド
を創出したために、大きく被測定面の向きが変化する被
測定物についても、連続的にかつ精度よく測定すること
ができる。これによって、あらゆる形状の被測定物を効
率的に測定できる極めて実用的なレーザ式座標測定装置
の測定ヘッドとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の測定ヘッドの一実施例を用いたレーザ
式座標測定装置の全体構成と測定方法を示した説明図で
ある。
【図2】本発明の測定ヘッドの一実施例を示す図であ
る。
【図3】測定ヘッドの一実施例による測定点の座標の決
定方法を説明する図である。
【図4】測定ヘッドの一実施例による測定点の座標の決
定方法を説明する図である。
【図5】測定ヘッドの一実施例による測定点の座標の決
定方法を説明する図である。
【図6】測定ヘッドの一実施例による測定点の座標の決
定方法を説明する図である。
【図7】測定ヘッドの一実施例による測定点の座標の決
定方法を説明する図である。
【符号の説明】
レーザ式座標測定装置 1 測定ヘッド 2 座標変換機構 20 アーム基台 30 回転アーム 40,50 レーザセンサ 54 レーザ発光素子 56 受光素子 58

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直交座標系の座標軸に沿って移動可能な
    アーム基台に取付けられたレーザ発光素子および受光素
    子を備えた測定ヘッドと、該測定ヘッドの被測定面に沿
    った移動を被測定面の座標値に変換する座標変換機構と
    を備えたレーザ式座標測定装置用の測定ヘッドであっ
    て、 前記レーザ発光素子および前記受光素子が該レーザ発光
    素子のレーザ光出射方向に対して略垂直な方向に所定長
    さだけ離れて固定されたレーザセンサと、 前記アーム基台に対して回転可能に取付けられた回転ア
    ームとを有し、 該回転アームの先端に前記レーザセンサが前記レーザ発
    光素子のレーザ光出射方向が前記アーム基台に対する前
    記回転アームの回転中心軸に対して傾斜するように固定
    されていることを特徴とするレーザ式座標測定装置の測
    定ヘッド。
JP35344891A 1991-12-16 1991-12-16 レーザ式座標測定装置の測定ヘッド Withdrawn JPH05164525A (ja)

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